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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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ふ り が な

氏 名

やすい ゆか

安井 由香

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 甲 第 849 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 31 年 3 月 7 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当

学 位 論 文 題 目 Relationship between preference and gaze in modified food using eye tracker

(アイトラッカーを用いた食形態の嗜好と視線の関連) 学 位 論 文 掲 載 誌 Journal of Prosthodontic Research 第 63 巻 第 2 号

平成 31 年 4 月

論 文 調 査 委 員 主 査 田中 昌博 教授 副 査 岡崎 定司 教授 副 査 髙橋 一也 教授

論文内容要旨

現在,意志疎通が困難な要支援者における栄養摂取は重要な問題である.食事は健康上重要な栄養摂 取の手段としてだけではなく,食品嗜好の重要度が大きい.日本において,入居時における施設入居 者の食形態は,摂食嚥下障害の評価や医療スタッフ間での会議で決定されることが多い.そのため,

本人の嗜好は考慮に入りにくいのが現状である.食生活の

QOL

向上には,食形態の決定に嗜好評価を 取り入れる必要があると考える.本研究では,提供された食形態の異なる実物の食品に対し,アイト ラッカーを用いて無意識下での被験者の嗜好と視線との関係を検討することを目的とした.

被験者は,眼科的異常を認めず,意志疎通可能な日本の若年健常成人群

15

名(21~32 歳),日本の中高 年齢者群

22

名(51~86 歳)とした.米飯

150g,焼き魚約45g

およびかぼちゃの煮物

60g

を被験食品と した.食形態は普通食,きざみ食およびミキサー食とした.被験者に眼鏡型アイトラッカーTobii

pro/glasses 2(Tobii

製)を装着し,被験者の正面に

3

品目それぞれの形態の違う食品をランダムに配

膳した.測定は,被験者に立位で

10

秒間食品を自由に見るよう指示した.その後,最大

10

分間の食 事時間を設け,自由に食事するように指示した.注視点測定は,食品を配膳した時点から食事摂取直 前までの

10

秒間行った.測定終了後,

3

段階(高・中・低)で嗜好レベルの聴き取り調査を行った.

本研究の検討項目は,食事摂取直前の

10

秒間の視線の合計停留回数と合計停留時間,食事摂取量およ び嗜好レベルの内訳とした.解析部位は各トレーの外形とした.解析には解析ソフトウェア

Tobii Pro Glasses Analyze

(Tobii 製)を用いた.統計学的解析は

Friedman

検定を行い,有意差を認めた場合,

Wilcoxon

の順位検定を行った.有意水準は

5%とした.

その結果,両群共に嗜好レベルの高い食形態ほど,注視点の合計停留回数が有意に多くなり,注視点

の合計停留時間が有意に長くなった.食品摂取量において両群共に嗜好レベルの高い食形態に摂取が

(2)

集中した.また,嗜好レベルの高い食形態としてほとんどの被験者が普通食を選択した.残存歯数や 義歯の装着の有無に関わらず嗜好レベルの高い食形態は普通食であった.残存歯数や義歯の装着の有 無は,嗜好との関連が認められなかった.

これより,より嗜好レベルの高い食形態は,注視されやすい傾向があり,無意識下で嗜好選定が行わ れている可能性があることが明らかとなった.本研究では,アイトラッカーを用いることで食形態の 嗜好と視線の停留に関連があることが示された.

論文審査結果要旨

本論文は,提供された食形態の異なる実物の食品に対し,アイトラッカーを用いて無意識下での被 験者の嗜好と視線との関係を検討することを目的とし研究を行ったものである.

現在,意志疎通が困難な要支援者における栄養摂取は重要な問題である.食事は健康上重要な栄養摂 取の手段としてだけではなく,食品嗜好の重要度が大きい.日本において,入居時における施設入居 者の食形態は,摂食嚥下障害の評価や医療スタッフ間での会議で決定されることが多い.そのため,

本人の嗜好は考慮に入りにくいのが現状である.食生活の

QOL

向上には,食形態の決定に嗜好評価を 取り入れる必要があると考える.

被験者は,眼科的異常を認めず,意志疎通可能な日本の若年健常成人群

15

名(21~32 歳),日本の中 高年齢者群

22

名(51~86 歳)とした.米飯

150g,焼き魚約45g

およびかぼちゃの煮物

60g

を被験食品 とした.食形態は普通食,きざみ食およびミキサー食とした.被験者に眼鏡型アイトラッカーTobii

pro/glasses 2(Tobii

製)を装着し,被験者の正面に

3

品目それぞれの形態の違う食品をランダムに配

膳した.測定は,被験者に立位で

10

秒間食品を自由に見るよう指示した.その後,最大

10

分間の食 事時間を設け,自由に食事するように指示した.注視点測定は,食品を配膳した時点から食事摂取直 前までの

10

秒間行った.測定終了後,

3

段階(高・中・低)で嗜好レベルの聴き取り調査を行った.

本研究の検討項目は,食事摂取直前の

10

秒間の視線の合計停留回数と合計停留時間,食事摂取量およ び嗜好レベルの内訳とした.解析部位は各トレーの外形とした.解析には解析ソフトウェア

Tobii Pro Glasses Analyze

(Tobii 製)を用いた.統計学的解析は

Friedman

検定を行い,有意差を認めた場合,

Wilcoxon

の順位検定を行った.有意水準は

5%とした.

その結果,両群共に嗜好レベルの高い食形態ほど,注視点の合計停留回数が有意に多くなり,注視 点の合計停留時間が有意に長くなった.食品摂取量において両群共に嗜好レベルの高い食形態に摂取 が集中した.また,嗜好レベルの高い食形態としてほとんどの被験者が普通食を選択した.残存歯数 や義歯の装着の有無に関わらず嗜好レベルの高い食形態は普通食であった.残存歯数や義歯の装着の 有無は,嗜好との関連が認められなかった.

これより,より嗜好レベルの高い食形態は,注視されやすい傾向があり,無意識下で嗜好選定が行

われている可能性があることが明らかとなった.本研究では,アイトラッカーを用いることで食形態

の嗜好と視線の停留に関連があることが示された点において,本論文は博士(歯学)の学位を授与す

るに値すると判定した.

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