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t t t t t 当院検診受診スモン患者の認知機能変化について

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Academic year: 2021

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(1)

A. 研究目的

当院検診受診スモン患者の認知機能の変化について 検討した。

B. 研究方法

当院検診受診スモン患者 5 名の認知機能について、

4 名は経時的な、 1 名は 1 時点での検診時結果につい て調べた。

C. 研究結果

各々の患者の背景について提示する (表 1)。 各々 の患者において、 観察した 3-9 年の間に時系列を観察 できた患者 4 名中、 MMSE (Mini-Mental State Exa- mination:ミニメンタルステート検査) の変動 (表 2、

図 1) は、 1 例は 5 点、 その他は 0-2 点とほぼなかっ た。 各個人の年度による差よりも各個人間での差の方 が 大 き か っ た 。 MMSE23 点 以 下 は 1 例 (20%) だ っ た。

D. 考察

キノホルムはキレート剤としてβアミロイド沈着を 抑制するとして、 臨床研究が行われた。

内服したキノホルム量はスモンの重症度と関連があ

るとされているが、 当院の検診患者においては、 最も 重 症 で あ っ た と 推 察 さ れ る 患 者 C の 認 知 機 能 が 最 も 悪く、 最低点数は MMSE 21 点だった。 この患者の点 数は年度によって変化量が大きいが、 集中力の変動が 大きいためと考えられる。 加えて、 血管リスクが多い ことも影響していると推察される。

先行論文では、 2012 年のスモン検診で 647 例 (平均 年齢 77.9 歳) に対し MMSE を解析したところ、 23 点 以下は 105 例 (16.2%) だったが、 認知症有病推定率 は 9.9% (95%信頼区間 7.3, 12.7%) と、 65 歳以上地 域 住 民 の 認 知 症 有 病 率 15% と 比 較 し て 低 値 で あ る よ うに見える。 しかし、 本研究の対象は検診受診者のみ でありスモン全体での割合を表していない可能性があ ること、 認知症合併と最も重度だった際のスモンの重 症度との関連性は認めず、 キノホルム内服量との関連 性はないものと推察されることが述べられている1)。 認知症合併と最も重度だった際のスモンの重症度との 関連性が認められない点は、 当院での今回の結果と合 致している。

また、 平成 12 年度に岡山県内および香川県在住の ス モ ン 患 者 に つ い て 郵 送 で (回 答 者 173 名 、 回 収 率 65.3%)、 患者本人に脳と健康度チェックリスト (群 馬 大 学 ; BHC) 、 家 族 ま た は 介 護 に SMQ (Short-

― 192 ―

当院検診受診スモン患者の認知機能変化について

廣田 伸之 (大津市民病院神経内科) 吉田 紀子 (大津市民病院神経内科) 山田 真人 (大津市民病院神経内科) 布留川 郁 (大津市民病院神経内科) 廣田 真理 (大津市民病院神経内科)

研究要旨

キノホルムはスモンの原因物質であるが、 かつてスモン患者は認知症罹患率が低い可能性 が指摘され、 抗アルツハイマー病薬としての研究が行われたこともある。 当院検診受診スモ ン患者における認知機能変化について検討するとともに、 スモン患者の認知機能障害を検査 する際の注意点について考察した。

(2)

Memory Questionnaire) が 記 載 す る 認 知 機 能 検 査 を 実施したところ、 BHC では有意差は認めなかったが、

SMQ では検診受診者と非受診者の間には有意差を認 め (p=0.0491)、 認知症と診断された 6 名は全員非受 診者だったとする研究もあり、 検診受診者のデータの みで効果判定を行うと認知症の有病率などにおいて適 切な評価がされない可能性があると示唆される2)

E. 結論

検診受診者は非受診者と比較し健康である、 あるい は健康意識が高いなど偏りがある可能性があり、 健診 受診者の結果のみを見てスモン患者の認知症有病率を 語るのは適切ではないと推察される。 スモン患者おい ても認知症発症を考慮しつつ観察するとともに、 血管 リスクを管理していく必要があると考える。

キノホルムのアルツハイマー病への効果については、

患者群の観察と各種研究結果の確認を継続するととも に、 安易な使用をしないよう注意する必要がある。

G. 研究発表

1 . 論文発表 なし 2 . 学会発表 なし

H. 知的財産権の出願・登録状況 なし

I. 文献

1 ) 齋藤由扶子, 坂井研一, 小長谷正明:スモン検診 患 者 に お け る 認 知 症 有 病 率 : 日 本 老 年 医 学 会 雑 誌 53:2:152-157, 2016

2 ) 田邊康之, 早原敏之, 中村光夫:スモン患者にお ける痴呆有病率に関する研究:老年精神医学雑誌:

14:5:654-655, 2003

― 193 ― 表 1

患者 性別 年齢 発症時年齢 最重度時歩行 現在の歩行 最重度時目症状 現在の目症状 血管リスク

A 女 85 36 歩行不能 二本杖歩行 なし 新聞小文字 高血圧

B 女 77 29 歩行要介助 シルバーカー歩行 眼前手動弁 新聞小文字 高血圧

C 女 76 28 歩行不能 歩行不能車椅子 全盲 新聞小文字 高血圧 糖尿病脂

質異常肥満 喫煙

D 女 67 20 つかまり歩き 自立 なし なし なし

E 男 58 11 歩行不能 二本杖歩行 なし 新聞小文字 なし

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

A B C D E

ὐᢙ/ᐕ

図 1 MMSE の経時的な推移

表 2

患者 性別 2006 年 2008 年 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 2015 年 2016 年

A 女 28 28

B 女 29 29 28 28 29 29

C 女 22 26 21

D 女 29 27 29

E 男 30

参照

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