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がけくずれの気象特性 三寺光雄・高橋克巳・小林節子

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防災科学技術総合研究報告 第17号  1969年3月

551,311,235:551,515.9:551,579.(52)

がけくずれの気象特性

三寺光雄・高橋克巳・小林節子

気象研究所応用気象研究部第三研究室

On Some lV1eteoro1ogical Factors Concerned with Landslides

       By

     M,Mitsudera,K.Takahashi and S.Kobayashi

         θ1ε・τ・1・81・α1伽・・ατ・ん/π・舳ル,τ〜・

      Abstract

  S・m・m・t・…1・gi・・1f・・t…h…b・・・…1y・・d・t・ti・・1・・11y.Th…gi…

・fhighf・・q・…yi・1・・d・lid・一…u・・・・・… 1.t.dt.th.b.i.。f。。nt。。nb.

f…di・th・J・p・・S…id・・fH…h・,th・Ky・・h・di・t・i・t・…pti・gOit.P。。一 f・・t・・・… d・・m・p・・t・・fth・P・・iH・・id・・fH㎝・h… dShik・k。,。。dth。

「egi㎝…1・t・dt・typh・・・・・…hi・f1yth… gi・… fP・・ifi・・id・i・J・p・・…

I・1・・d・… m・p・・t・・fth・J・p・・S… id・・f月㎝・h… dth・Ky・・h・di.t.i.t inc1uding Oita Prefecture.

  Surface run−off and behavior of water have been a1so observed at the Tara district,Saga Prefecture.

1。まえがき…一・一…………一…・・・・・・・・……21 2・因子評価の方法…………・…・一……・一…・22 3.日本のがけくずれと気象特性一・・………22  3・1 がけくずれの発生形態…一・一・・一22   3.1.1 発生個数の地域的分布……_・・.22   3.1.2 がけくずれの発生時期・…・・……22   3.1.3 がけくずれの多発月の分布……23   3.1.4 がけくずれ個数と気象じょ

     う乱………・…・・・・・………・・…一 23

  3.1.5 がけくずれ地域の順位…………23  1. まえがき

 がけくずれの誘因として,降雨の重要性が指摘 されてきたが,その量的関係について解析したも のは少ない三)・2)このことについてはいろいろな理 由はあるが,主な原因はがけくずれに関する方法

4.佐賀県のがけくずれ一一…………一・…一24  4・1 佐賀県のがけくずれ,地すぺり……24  4.2 佐賀県のがけくずれ,地すぺり

   と積算雨量………一・・27 5.がけくずれの降雨特性一一一…一・・・・…27  5・1 降雨と浸透量………28  5・2 多良地区の実験観測………・・・…28 6・土壌水分について・…一・…・一一・一・……・・…・30

7.地下水位について………・・・……一・…・30 8・まとめ………・……・・………30 論の欠如と,客観的資料の不十分さにある.

 われわれは,がけくずれに関する気象特性を明 らかにするため,がけくずれの地域的,季節的分 布特性を明らかにし,降雨量の 関係について検討 した.一また昭和39年から3ヵ年計画で実施され

(2)

噴出岩地帯に拾けるがけくずれの機構拾よび予知に関する研究

(第2報) 防災科学技術総合研究報告 第17号  1969

た佐賀県多良地域でのがけくずれに関する総合研 究では,降雨と関連して変化する地下水位,中 問流出,土壊水分などの要素について観測を行な い降雨との相互関連性について検討を行なうこと

にした.

 2.因子評価の方法

 わが国のがけくずれは,降雨反応型であること が多い.そうした場合の降水量を巨視的にみると,

日降水量100㎜以上の場合に発生件数は多くな る.だが個々についてみると,このような関係も かなり異なってくる.大滝(1965)3)によれぱ,

横浜では日降水量60mm〜80㎜でがけくずれ

の発生が急増するという.三寺(図一1)ぱがけ

くずれ発生件数と日降水量100mm以上の日数に つ1(て調ぺた.その結果,北陸や東北地方(奈良,

岡山,和歌山を含む)では,日降水量100㎜以 下で多発するが,北陸以南では100mm以上の日 数に比例している.がけくずれは,降雨以外に地 質,地形,社会的事情(宅地造成,土地開発など)

などの因子が関連しており,単一な要因で律する ことはむずかしい.すなわち,がけくずれ件数,

個数の地域的,時間的変動は,多数の因子群によ って構成されていると考えなけれぱならない.そ うした観点から日本のがけくずれ現象を統計的に も再検討してみることが必要であろう.その場合 の要因モデルの一つとして因子分析が考えられる

(三寺4)1962,丸安5)1965).

    ρ・αj−6a1・F・j+b1S1j+C1εlj

  Xαj:地点αについて,j番目のがけくずれ      件数である.

  Fkj:因子Fkの実現値で共通因子   Sαj:因子Sαの実現値で特殊因子   Cσεαj:誤差

・llαjl−0・Elε2αjl=1

 大滝(1965)は水文学的な立場から,がけ くずれに関する降雨効果についての解析を試み,

一定の成果を得ているが,がけくずれに関する要 因強度を,現象の構造的,機能的面から再検討す ることが残されている.

 3. 日本のがけくずれと気象特性

 わが国のがけくずれが,降雨反応型であること は経験的事実として知られているが,これらの量 的問題についての研究を進めるため,日本気象災

害年表(1948〜1959)6)にもとづき,が

けくずれの発生時期,発生件数,発生個数,それ らの地域的特性と,降雨量の関連について検討し

た.

 3.1 がけくずれの発生形態   3.1.1 発生個数の地域的分布

 発生個数を各府県別に統計してみると,発生個

数の多発する地域がある.1949年から1959

年の11年間に拾いて,がけくずれ個数が1,000 個以下の場合を少ない地域(A)とし,1,O00 個以上の地域を(B)とした・各地域に拾ける今

とBの分布は,表一1のとおりである(たとえぱ・

東北地方はAで100%になっているのは,5つ の県のすぺてが1.O O O個以下であることを示す).

 この表によると,東海,近畿,九州は多発地域 の特徴を示し,がけくずれの少ない地域は東北,

関東などが特徴的である.

     表一1 多発地域の割合

地区 A㈱ B㈱

東北地方 100 0 北陸地方 関東地一方 50 83 50 17 東海地方 0 100 近畿地方 0 100 中国地方 40 60 四国地方 75 25 九州地方 0 100

  3.1.2 がけくずれの発生時期

 わが国のがけくずれは,発生期間と多発月に特 徴がある.すなわち冬期からがけくずれが発生す る型や,春先からはじまる型などである.冬期問 からがけくずれが発生する地域は,青森,岩手,

宮城,山形,福島,岐阜,石川などで,主として 東北,北陸にみられる.春先から活動がみられる 地域は,東京,神奈川,愛知,石川,大阪,京都,

和歌山,滋賀,奈良,兵庫,島根,広島,山口,

愛媛,高知,徳島,福岡,佐賀,長崎,大分・宮 崎,熊本,鹿児島などで,5月から6月にかけて 活動が開始される地域は,埼玉,千葉,茨城,栃 木,群馬,三重,長野,山梨,新潟,富山・福井1 岡山,鳥取,香川などである.図一2はがけくず れが12月から翌年4月の問に活動し始めるもの・

6月から10月の期問に活動が限定されるものを

示す.

(3)

がけくずれの気象特性一三寺.高橋・小林

萎1日隆 rOO㎜jl1下で発生 わ南期6−7目

目隆水,100mm以上で発生 台貫蝸8−10月

図一1 降雨日数とがけくずれ件数

12月〜4肩のあいた 1こ活動しはじめる 1=。1撒=罰≡…6月一10目に兵中オる

1l1111曇1≡==1

   図一2 がけくずれの活動しはじめる時期   る.1.3 がけくずれの多発月の分布  がけくずれの活動形態を明らかにするために,

活動の最盛期などの分布について検討する必要が ある.がけくずれの最盛時期は,2つの大きな特 徴がある.その1つは,6月から7月にがけくず れ個数のピークが現われる地域で,あとの1つは,

8月から10月にかけてピークが現われる(図一 3).6月から7月にかけてピークをもつパター

;■をBとし,8月から10月にかけてピークの現 われるパターンをTとして出現分布をみた.その 結果(こうした表現は同じ地域に属する府県でも 同じパターンで統一できない.そこで,パターン

   図一3 がけくずれ多発月の地理的分布 の割合で地域特性を表現することにしたのである),

Bの発生は九州で86%,北陸75%,中国60

%,東北50%,四国25%,近畿17%となっ

ている.またTのパターンは,関東100%,東

海100%,近畿83%,四国75%,東北50

%,中国40%,北陸25%,九州14%となる.

  3.1.4 がけくずれ個数と気象しょう乱  がけくずれ個数が多発する月の地理的分布につ

いては,すでにのぺたが,気象じょう乱とがけく ずれ個数との関係について検討した.各府県別の がけくずれ個数と気象じょう乱の件数との相関は小 さい.このことは,がけくずれの個数に関係する のは,気象じょう乱の強度であって件数ではない からである.がけくずれをもたらした気象じょう 乱を種類別に検討してみると,台風,梅雨前線,

低気圧などによるものが多く,6月から7月にか けてのがけくずれ個数のピークは,ほとんど梅雨 期の集中豪雨によるものが多い.また8月から

10月にみられるピークは,台風によるものが多 い.九州や北陸のがけくずれは主として梅雨型で,

関東,東海,近畿,四国などでは台風型に属する.

また東北,中国地方では混合型のようである.

  3.1.5 がけくずれ地域の順位

 がけくずれ発生個数は,地域によってかなり変 動する.そこで,府県別のがけくずれ個数順位関 係について調ぺた.東北地方は,11年問におけ る全個数が1,O O O個以下であるが,県別に発生 個数の順位関係をみると(図一5),その特徴は

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噴出岩地帯に拾けるがけくずれの機構拾よぴ予知に関する研究

(第2報) 防災科学技術総合研究報告 第17号  1969

福島が最も多く,700〜750に属し,宮城,

岩手,秋田,青森は100〜400内である.全国 的(図一4)にみると,福島は29位で中以下に 属する.北陸地方では,福井が第1位である.順 位の特徴として,福井,石川は1,600〜1,800の

範囲にあり,富山,新潟は200〜800の範囲

内にある.福井を全国順位からみると18位であ る・駐墓地方では神奈川が1,400で1位・その 他は1,000以下である.東海地方では,三重が 第1位で3,0■00〜4,000の範囲,静岡,愛知 は2,000位でまと言つている.全国的にみた三 重の順位は10位である.近畿地方は京都が最も

多く・8,000前後で,他は1,000〜6,000

の範囲に含重れる、京都を全国的にみると第2位 である.中国地方では,山口が第1位で17,000

〜8,000の範囲である.2位以下は3,O00以 下となる.山口は全国的にみると3位である.四

国は,愛媛が2,000〜2,500で第1位,第2

位以下でぱ1.O00以下であった.全国的順位は 愛媛は14位である.九州地方での第1位は,熊

本で8,000〜9,000の範囲にあるが,第1位 と第4位までは,相対的に高い水準にあつて,

6,000からτ000位となっている.第5位以

下では4,000以下となっている.熊本は全国的 にも第1位である.

 4.佐賀県のがけくずれ

 がけくずれ個数からみた佐賀県の全国順位は 22位となっている.佐賀ではがけくずれの多発 月は6月で,梅雨型に属している.

 佐賀県下における梅雨期の雨量の最大値は表一 2〜表一4のように在る.

 1時間降水量,ならびに日降水量でみる限り,

梅雨期よりも台風期の量は多い.だが,豪雨の原 因別回数でみると・表一4のように,梅雨による 回数は多い.

  4.1 佐賀県のがけくずれ,地すべり  地すべりやがけくずれの発生時間などについて 検討する場合,日本気象災害年表では不十分であ る.とくに特定の地域について検討する場合には,

発生時刻までが問題になる.ここでは,がけくず

個 数

104

筆毒ニ

l02

」  I I ■ ■ ■

■ 一

麦.

「滋三・艮賀重宮・.

駆箆.

!鰯鵜翻棄彙

一キー二二一

 ⊥  ■  ■L 一

二に 」二

I

二川竿1鞠島.…_箏観秋       形田・.

←一  一一

埼栃.王ホ

■ 1 凹

5   10   15   20

       順

25    30    35    40 位

45

図一4

がけくずれ個数による全国順位関係

(5)

がけくずれの気象特性■三寺・高橋一小林

阜艘寸  oo  一  阜聾 o ρ   ○      魯猟

 ︒︒ い 一   筥匹 吋 均興兵乍﹀む長﹃民咲崔戻汽詞

一嵩○塞0 88

     口川○       Lo8寸

      掃寧

︹oる星■ヱp 長呉○ 帳挺○   蛛トO     咲思○

⊂oる皇o毛圭 三照葦

o

oI図

oo  N

F

○竃8阜

○冨.F

黒寧

張柴○   ヨ固○

三瞑○ ω 寸

oo

oos

︑︑作﹈一一

⊂oる①﹃呈﹇呈o工 昌軍 燦肌○  田高O   峠抑O     富即O

o8

◎o寸O◎ω

⊂oる①仁⊃上0f0ト       oo卜

        岨煕O      縞寧

(6)

噴出岩地帯に拾けるがけくずれの機構およぴ予知に関する研究

(第2報) 防災科学技術総合研究報告 第17号  1969

冒堅卜ω旧 寸 o. N ﹁員⑭; 導堅兵ト﹀む長﹁民咲崔戻汽碧 ︵側鰻︶山−図寸 oo

弧セ○唖聖担○

   垣即○

   一

  塩叱○   臣寧○○     ぐく

      く控○

⊂〇一3ヱ三;主         島寧 0蕎OO暑一 三ゆ○  泉唖○    唖撃○

顯鰍

⊂o示星呈呈三ω 阜竪 o寸 oo阜堅 ① o  寸 oo N

OOq﹁

O08

 ○○qαつ

嵩回↑ 廣雌.○  ︷匿○    要唖○      屯貞○

⊂〇一⑦星.⊃着び⊃工O o8︐No8.吋o8.o

怒固一 担吋○  畠く○    肛摂○      悩炸○

﹁﹈溢口k○

鳥咲

⊂O示呈三⊂三 OO含OOO.O卜

(7)

がけくずれの気象特性 三寺 高橋.小林

表一2 梅雨による日降水量の累年順位

1位 2位 3位 4位 5位 統計期問

佐賀

366.5 209.6 207.0 202.2 1750 1891−1957

鳥栖

290.O 266.8 241.O 229,3 197.O 1892−1957

三瀬

360,5 214,O 196,4 195,5 195.O 1933■1957

古場

410.0 2650 252.O 251.8 248.0 1895 1957

唐津

271.O 257.7 219.6 198.8 185.7 1892−1957 伊万里 364.5 355,O 298.9 243.6 226,3 1892−1957 武 雄 315.5 231.3

2000

197.0 193.5 1892−1957

嬉野

270.0 215.0 180.g 180.2 177.0 1911−1957

表一3 梅雨による1時問降水量の    累年順位

佐賀

1位

72,3

2位

58.3

3位

53.3

4位  5位 46,0  38.O

表一4 1948〜1957の期問にお・

    ける豪雨の原因別回数 原因

回数

台 風

18

27

梅 雨 23

34

低気圧

26 39

その他

0 0

れ,地すぺりの発生と降水量の問題をみるため,

佐賀県防災課による資料?佐賀県災害誌8)などの 資料によることにした.資料は,1900〜

1963年重でのもので,がけくずれ件数は36

であつた.

  4.2 佐賀県のがけくずれ・地すベリと     積算雨1

 地すぺりの降雨反応は,がけくずれと異なると いわれる.だがここでは資料の関係からその区別 が明白でないので,地すべりとがけくずれを含め て取り扱うことにした.積算雨量の基準として,

がけくずれ,地すぺりの発生した時点から過去に さかのぼって,1降雨期問の日降水量の積算を取

りあげた.図一6は,積算雨量の度数である.佐 賀県のがけくずれ,地すぺりは,積算雨量が100

〜200㎜の場合に最も多く,ついで100㎜以

数8

14 階  級 慶数

O〜lOOm 8

12 lOO〜200 13

〜300 5

lO {4006

〜5006

8 〜600 1{700 2

〜800O 6

4 2

O      mmO− lO〇一200〃300〜400^500〜600}700

O− lO〇一200〃300〜400^500〜600}700        陀 獺

下でも発生する.また200〜500mm程度の場合 があり,500㎜以上の場合もまれにみることが できる.図 7は,がけくずれ,地すべりが発生

したときの1降雨期間についての降水量のピーク と,がけくずれ,地すべりの発生時刻1までの時間 について調ぺたもので,この結果によれぱ,降雨 のピークから3日以内に発生するものが多く,つ

いで,4〜6日となる.また15日から21日経

過した後発生する場合もまれにみられる.これは 前者の場合とは本質的に異なると恩われるがはっ

きりしない.

 5.がけくずれの降雨特性

 がけくずれ,地すぺりの降雨効果について,高 野(1960)9)ぱ地すべりの場合,10mm内外の 日降水量の継続日数をみると,5日前までのもの が最も多いという.大滝(1965)は,がけく ずれに最も効果的なのは,発生当日の雨で,前日 の雨はわずかな影響しかないという.こうした点 から考えると,佐賀県の場合,1降雨期間に歩け

 6 数4

階紙 痘数

O

5

2 4

8 3 7

4 5 1 6 3

6 7 O

8 I 9 O

lo o

4 ll O

12 O

13 O

14 O

2 1516

17 0

18 O

OO 12345678目

202119 01

図一6 がけくずれ発生時言での     積算雨量の度数

図一7 降水量のピークからがけくずれ    発生時までの時間度数

(8)

噴出岩地帯に拾けるがけくずれの機構およぴ予知に関する研究

(第2報) 防災科学技術総合研究報告 第;17号  1969

る降雨のピークから,がけくずれの発生までの時 間が長いものも含 まれているので,注意し在けれ ぱならない.これらの結果は,巨視的観点からの 解析結果であるが,いずれにしても降雨と水の挙 動が,がけくずれに大きな影響を与えていること を示している.

  5.1 降雨と浸透量

 ここでは,ライシメーターを使用して土層(1 m層)に浸透した雨水の変化と降水量の関係につ いて実験を試みた.資料は1965年の観測によ るものである.図一8(ajは2月27日から28日 のもので,降雨のピークと浸透量のピークが時間 的にずれていることがわかる.図一8⑫)は,

1965年4月24日から25日にかけての実験

C%・

15.OOO

である.図■8(c)は同年4月30日から5月1日 のものである.一方これらの関係とは異なったパ

ターンは,1965年3月7日から9日の間に測

定した値で,図一8(φに示した.ここでは降水量 と浸透量のピークには,かなりのずれが現われて いる.この実験は・ライシメーターによるもので,

いずれの場合も,土層の土壌水分は圃場容水量で

あった.

  5.2 多良地区の実験蟹測

 佐賀県の多良地区で,降水量,表面流出量,地下 水位,中問流出量,土壕水分などについて実験を

試みた.図一9は,1966年4月から12月 ま

での日降水量(黒棒線),表面流出量(黒丸と実 線で示した)の関係を示した.図一10は上記の 観測期間での中間流出量と降水量の関係を示し,

地下水位の変動を付記したものである.中聞流出 量は表面流出量の変動とよく対応していることが

lO.OOO

5,OOO

15      22       5       12       19

−21≡127日一.←←一一一一一2目28日r

14

12.

lO.

8︑

ξ

4︒2︑

9、旨、8日1坐〜R・㌔・5I82.

C怜 引000

1、㏄o

(到

1\

 \  、

1坐ξ肩1;、旨土史、㌔2;一1上

2ρ75

㎜1

1ρoo

(Cj

。   (㌧一ノヘ\ =』

2610141822261◎ 4 82226官O14

』3目7日一→トー一3月8日→一3肩9目4

(o

図一8

降水量と浸透量の時間変化

(φ

(9)

がけくずれの気2侍性・三寺 高行・小林

40

1

出30

20

 140  120

 100 水80 160

 40  20   0

lO

 l0203010203.110203010203い020311020平1020弓1

1q6・輔15ザ6月1・月」8月=9月;lO月1

102030102011目 112月

図一9

降水■と表面流出i

φ

;昂

140 120 隆,oo

水80  60 1m剛

 4o

20

lI7 1.6

1.5

1.4 1.3

1.2

I.1

1.O

09 08

α7 O,6

05 04

o.3 α2 o,1

地5  4

他3

榊ψ月1 20311020;Ol020到

5目  6月   7円

I二目2川二押1ぱて

l0 20  10

11周 112目

図一10 降水■と中問流出■

(10)

噴出岩地帯に拾けるがけくずれの機構拾よぴ予知に関する研究

(第2報) 防災科学技術総合研究報告 第17号  1969

わかる.また,表面流出量のピークと中間流出量 のピーク時の時間的ずれぱはっきりしなかった.

 6.土壌水分にっいて

 佐賀県多良地区の実験地においては,中問流出 量のピークが,表面流出量のピークとほぼ一致す る.このことは,土層内で土壌水分の変動が小さ いことを示している.実際に測定してみると,固 層率が高く,土壌水分の変化はきわめてわずかで あった.降雨後においても,その値(重量%)は 40%位で,しかも地表面から1m位まで・ほぼ 一様な分布を示していた(図一11).

 夏期の乾燥期問では・30%前後となる.

20    25    30    35    40   45w%

lO

20

 30

Cm 40

50

60

65

70

燥 期 闇

カ 布

湿 潤 期

壌O

フK

分 分

    図一11 土壌水分の垂直分布  7一地下水位について

 多良地区の実験地で,地下水は地表面から15 mの層にみられる.この層に拾ける地下水位の測 定では,フロート方式の水位計を使用した.

1966年4月から12月までの様子を図一9で

示した.この観測期間での水位は,7月に高く,

また9月に高くなり,年間を通じて水位のピーク は2つ現われる.

 7月と9月では,降雨のピークならぴに,中間 流出のピークはほぼ一致する.しかしそれ以外の

月では一致は悪くなる.年問の水位変動の最大値 は約3mである.

 8..まとめ

 わが国のがけくずれの多くは,多量の降雨があ った場合に発生しており,そうした意味で・降雨 反応型である.その量的関係についての検討は,

資料が不十分であるため,今後に残された部分が 多い.しかし,がけくずれ個数の全国的資料を手 がかりとして,形態的特徴について明らかにした.

佐賀県多良地区での総合実験では・がけくずれの 力学モデル化への基礎資料として,降雨量,表面 流出量,中問流出量,地下水位・土壌水分などの

測定を試みた.

 今回の研究成果を要約すると

 1.日本のがけくずれと気象特性,とくに降雨 との関係について明らかにした.拾もな点は,が けくずれの発生形態として,多発地域と多発月の 分布,発生時期,がけくずれ地域の順位とその地 理的分布を明らかにし,あわせて気象じょう乱と がけくずれの関係について考察した.

 2.がけくずれの力学モデルをめざして試みら れた佐賀県多良地区での実験観測では,がけくず れの力学モデルとして主要なパラメーターは・問 ゲキ水圧であるが,それに直接影響を与えるのは 降雨である.そこで降水量,表面流出量・中間流 出量,地下水位,土壌水分などの諸量を測定した・

その結果,これらの要素問には,かなり相関が高 いことがわかった.

 以上の結果は,今後力学モデルの開発にあたっ て,一つの手がかりとなる.

       参 考 文 献

1)高橋浩一郎(1938):山くずれによる被

 害,中央気象台彙報,第14冊,164−169

2)蔵重 清,奥山志保子(1964):山くず  れ件数と雨量との統計的関係,天気,第11巻,

 1.2号・397−407

1)木滝隼夫(1965):降水に鮒るカ∫けく  ずれの水文学的研究・,研究時報,Vo1.17,

 ノ吃6,352−395

4)M.Mi tsudera(1962):Structure  of plant environment,Pap.Met・

 Geophys. 13・37

5)丸安隆和(1965):写真判読による地す  ぺり崩壊の統計的研究,±木学会論文集,

 116号,37−54

(11)

がけくずれの気象特性一三寺.高橋 小外

6)気象庁編(1960):日本気象災害年表,

 175

7)佐賀県防災課(1964):停賀県の地すぺ  り,山くずれの概況.1−5

8)佐賀県(19641■:件賀県災孕 ■ 、」,702 9)高野秀大(1960):地すぺり防1□1法,

 314

参照

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