− − 60 実践事例Ⅴ(生物) 「ゾウリムシの食胞の観察」
観察,実験の ねらい
ゾウリムシの食胞が形成され,排出される様子を観察し,細胞小器官 の構造やはたらきを理解させる。
1 観察,実験の実際
○ 比較的容易に行える実験だが,ゾウリムシを用いた観察,実験はあまり実施されてい ない。
2 問題点
○ ゾウリムシの培養は容易だが,実験手法がよく知られていない。
3 取り入れた観察,実験
① ポスターカラーを適量取って蒸留水に溶かし,色素液をつくる。
② ゾウリムシを培養液ごと 50mL ビーカーにとる。
③ ビーカーに1色目の色素を入れる(写真1)。1色目の色素を入れて 20 分後に2色目 の色素を入れる(写真2)。2色目の色素を入れて 20 分経過したら,ろ紙を使って余分 な色素をろ過する(写真3)。
写真1 写真2 写真3 写真4
④ ゾウリムシはろ紙に付着しているので,洗浄ビンを使い,蒸留水で流しながらビー カーに回収する。(写真4)
⑤ ビーカーに回収したゾウリムシをスポイトでスラ イドガラスに取り,メチルセルロースを1滴たらして よく混ぜる。カバーガラスをかけて検鏡する。
⑥ 最初の色素を入れて 80〜90 分程度で,細胞肛門か らの色素の排出を観察できる。
4 観察,実験のポイント
○ ゾウリムシの動きを止めて観察する方法としては,メチルセルロースを使うほかに,
塩化ニッケルで麻酔をする方法や脱脂綿を使う方法がある。綿棒の脱脂綿を少量ほぐし て使えば,手軽にゾウリムシの動きを封じることができる。
5 参考
「レインボーゾウリムシをつくろう!」山﨑仁也・田原豊,1998,生物の科学遺伝別冊 10 号,裳華房
(県立出水高等学校 教諭 久保 紘史郎)