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特発性大腿骨頭壊死症に対する骨髄単核球移植の短期成績 

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Academic year: 2022

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(1)

多断面再構築(MPR)画像ソフトウェアを用いた三次元 MR 画像上での  簡便な骨頭回転骨切り術シミュレーション法  (第二報) 

     

小山  毅、高尾正樹、西井  孝、坂井孝司、花之内健仁、塩見俊行、 

中原一郎、北田  誠、津田晃佑、中村宣雄、吉川秀樹、菅野伸彦 

  (大阪大学大学院医学系研究科  器官制御外科学) 

   

大腿骨頭壊死症に対して三次元MR 画像から抽出した骨および壊死域の三次元モデルを用いて骨頭回転骨 切り術のシミュレーションを行ない、任意の回転・内反の角度に対して、術後に予定される荷重部健常率を計測 する方法を我々が過去に発表したが、この方法は、骨切りによる壊死域の位置変化を可視化できるという利点が ある反面、MR 画像から骨および壊死域を切り分ける作業に膨大な時間が掛かるという欠点があった。そこで、

MR 画像の切り分け作業は行なわず、多断面再構築(Multi-Planar Reconstruction; MPR)画像ソフトウェアを用い て三次元 MR 画像上で骨頭回転骨切り術シミュレーションを簡便に行なう方法を考案し、平成 19 年度に報告し た。その際、特殊な高機能の画像解析ソフトウェアを用いたが、今回、JMM 社のソフトウェア「3D テンプレート」を 用いて同様なシミュレーションを簡便に行なう方法を考案し検証した。 

   

1. 研究目的 

大腿骨頭壊死症に対する骨頭回転骨切り術は、関 節温存のための有効な治療法ではあるが、症例の適 応選択および術前計画が重要である。術後の荷重部 健常率が 34%以上あれば成績が良いと報告されてい る1)  が、術後に予定される荷重部健常率を術前に定 量評価することは従来は困難であった。そこで、大腿 骨頭壊死症に対し、三次元 MR 画像を用いて、抽出 した三次元モデルにより骨頭回転骨切り術のシミュレ ーションを行ない、術後の荷重部健常率を定量評価 する方法を過去に我々が発表した2)。この方法では、

骨切り術による壊死領域の位置変化が分かりやすく 可視化され、しかも定量化されるという利点があるが、

三次元 MR 画像から大腿骨および壊死領域を切り分 けて抽出する作業に膨大な時間を要した。 

    そこで、この切り分け作業は行なわず、多断面再 構 築   (Multi-Planar  Reconstruction;  MPR)  の  DICOM 画像描画ソフトウェアを用いて、骨頭回転骨 切り術のシミュレーションと同様のことを行ない、術後 に予定される荷重部健常率の計測を簡便に行なう方 法を考案し、平成 19 年度に報告した。ここで用いたソ フトウェアは Aze 社の「Virtual PlaceTM」であり、高機能

な画像解析ソフトウェアではあるが、高価であまり普 及していないという問題点があった。今回、DICOM 画像描画ソフトウェアとして、日本メディカルマテリア ル(JMM)社から日本国内で広く供給されているソフト ウェア「3D テンプレート」を用いて同様なシミュレーシ ョンを簡便に行なう方法を考案し検証した。 

 

2. 研究方法 

    DICOM 画像描画ソフトウェアとして、日本メディカ ルマテリアル(JMM)社の「3D テンプレート」を用いた。

このソフトウェアでは、任意の平面で MPR 断面を表示 することが可能であり、その平面は座標平面に平行 でなくてもよい。大腿骨頭壊死症の三次元 MR 画像と しては、三次元 spoiled  gradient-echo  recalled  (3D  SPGR)  MRI 3)  の画像を用いた。なお、「3D テンプレ ート」は、一般的な股関節 MR 画像のような冠状断の DICOM 画像を直接読み込むことができない仕様に なっているため、MRI 撮影の条件設定、あるいは撮影 機器のソフトウエアを用いて、MR 画像を水平断の DICOM 画像にしておく必要がある。 

   

(2)

  図 1:  MPR 画像で、頚部軸を回転軸とする断面を設 定作成する。(破線はスライス断面、実線は頚部軸)   

図 2:  頚部軸に沿って任意の角度に画像を回転させ た後、前捻角をもった術後の冠状断画像を作成する。

(実線は頚部軸)   

  図 3:  回転前の画像と重ね合わせ、臼蓋荷重部との 位置関係を評価する。(破線は病型分類基準線) 

    この研究では、大腿骨頚部軸は、骨頭中心を通る ように設定した。DICOM 画像描画ソフトウェア上にて、

まず水平断面で頚部軸に沿った直交断面を作成し 大腿骨頚部中心を通る冠状斜断面を描出する(図 1  Step  1)。次に頚部軸に垂直な断面を作成し(図 1  Step  2)、頚部軸を中心に任意の角度で回転させた 断面を作成する(図 1  Step  3)。この時点で頚部軸に 任意の角度に回転させた断面像ができるが内反を加 える場合は頚部軸の角度を調整する(図 1 Step 4)。 

次にこの段階での断面は頚部軸を通る断面であり、

骨頭中心周りに大腿骨頚部前捻角を戻して冠状断 面を再構成する(図 2 Step 5)。最後に回転前後の画 像を重ね合わせ、回転前後の班会議病型分類の変 化や、臼蓋荷重部に占める骨頭健常部の割合(荷重 部健常率)を評価する(図 3 Step 6)。 

 

3. 研究結果 

    MR 画像を切り分けて作成した三次元モデルを用 いて骨頭回転骨切り術シミュレーションを行なう従来 の我々の方法と同様にして、任意の回転角度にて術 後に予定される荷重部健常率を定量評価することが 可能であった。さらに、「3D テンプレート」では、回転 角度を数値で入力して決めることができるという利点 があった。 

    今回の方法では、三次元画像の切り分けが不要な ので、前方回転 60 度、80 度、後方回転 120 度、150 度のシミュレーションで 1 例当たり平均  15 分で作業 が可能であった。 

 

4. 考察 

    三次元 MR 画像の切り分け(セグメンテーション)に よって三次元モデルを抽出した後で骨頭回転骨切り 術シミュレーションを行なう従来の我々の方法では、

手術シミュレーションを可視化できるという利点がある。

一方、この三次元画像の切り分け作業に膨大な労力 と時間が費やされ、数日間も要するという欠点があっ た。今回  考案した、MPR 画像描画ソフトによる方法 では、この切り分け作業が不要であるため、1 例当た りの作業時間が概ね 15 分前後と、大幅に短縮され、

骨頭回転骨切り術シミュレーションを簡便に行なうこと ができた。 

    以前の我々の発表では、座標軸に平面でなくても よい任意の平面で断面の表示が可能な MPR 画像ソ フトウェアとして別のソフトウェアを用いていたが、これ Step 6:  回転前後の画像を重ね合わせる 

Step 5:  キャンセルした前捻角を戻す  冠状断面  頚部軸に沿った断面 

Step 1:  前捻角をキャンセル 

Step 2:  頚部軸に垂直な    断面でリスライス 

(60 度前方回転) 

Step 4:  内反を加える場合は    頚部軸を調整 

Step  3:  頚部軸を中心軸とした 任意の回転断面を作成  水平断面 

冠状断面 

頚部軸に沿った断面 

頚部軸に垂直な断面 

頚部軸に沿った断面 

(3)

は高機能である反面、あまり普及していないソフトウェ アであった。「3D テンプレート」は術前計画および術 後解析の目的で、近年日本で広く使用されつつある が、今回、このソフトウェアを用いて、MR 画像上で骨 頭回転骨切り術シミュレーションを簡便に行なうことが できた。 

    このシミュレーションで骨頭回転骨切り術の手術適 応の有無を検討し、骨頭の回転および内反の角度の 目標が決定できれば、手術の成功率を上げることが 可能と考えられる。また骨頭の回転および内反の角 度の目標が決定しているので、CT-based の手術ナビ ゲーションやカスタムメイドのテンプレートを骨切りガ イドとして用いたコンピュータ支援手術との連動も可 能であると考えられる。 

 

5. 研究発表  1. 論文発表 

1) Koyama T, Sugano N, Nishii T, Miki H, Takao M,  Sato  Y,  Yoshikawa  H,  Tamura  S.  MRI-based  surgical simulation of transtrochanteric rotational  osteotomy  for  femoral  head  osteonecrosis.  J  Orthop Res, in press. 

2. 学会発表 

1) 小山  毅、菅野  伸彦、西井  孝、三木  秀宣、高 尾  正樹、花之内  健仁、吉川  秀樹:  MRI による 大腿骨頭壊死症に対する回転骨切り術シミュレ ーショ ン .  第 32 回日本股関節学会、新潟、

2005.11.7. 

2) 小山  毅、菅野  伸彦、西井  孝、三木  秀宣、高 尾  正樹、花之内  健仁、佐藤  嘉伸、田村  進一、

吉川  秀樹:  MRI を用いた大腿骨頭壊死症に対 する骨頭回転骨切り術シミュレーション.  第 14 回 日本コンピュータ外科学会、千葉、2005.11.20. 

3) Koyama T, Sugano N, Nishii T, Miki H, Takao M,  Sato  Y,  Yoshikawa  H,  Tamura  S.  MRI-based  surgical simulation of transtrochanteric rotational  osteotomy  for  femoral  head  osteonecrosis.  20th  International  Congress  and  Exhibition  of  Computer  Assisted  Radiology  and  Surgery  (CARS), Osaka, Japan, Jun 28‒Jul 1, 2006. 

 

6. 知的所有権の取得状況  1. 特許の取得 

なし 

2. 実用新案登録  なし 

3. その他  なし   

7. 参考文献 

1) Miyanishi  K,  Noguchi  Y,  Yamamoto  T,  Irisa  T,  Suenaga  E,  Jingushi  S,  Sugioka  Y,  Iwamoto  Y. 

Prediction  of  the  outcome  of  transtrochanteric  rotational  osteotomy  for  osteonecrosis  of  the  femoral head. J Bone Joint Surg Br. 82: 512‒6,  2000. 

2) 小山  毅、菅野  伸彦、西井  孝、三木  秀宣、高 尾  正樹、花之内  健仁、中村  宣雄、吉川  秀 樹:  三次元MRIを用いた骨頭回転骨切り術シミ ュレーション.  厚生労働科学研究費補助金  難 治性疾患克服研究事業  特発性大腿骨頭壊死 症の予防と治療の標準化を目的とした総合研究 班  平成16〜18年度総合研究報告書, 2007. 

3) Disler DG, Peters TL, Muscoreil SJ, Ratner LM,  Wagle  WA,  Cousins  JP,  Rifkin  MD.  Fat  -suppressed  spoiled  GRASS  imaging  of  knee  hyaline  cartilage:  technique  optimization  and  comparison  with  conventional  MR  imaging.  AJR  Am J Roentgenol. 163:887-92, 1994. 

(4)

特発性大腿骨頭壊死症に対する骨髄単核球移植の短期成績 

     

山崎琢磨、石川正和、濱木隆成、吉田友和、大島誠吾、堀淳司、山崎啓一郎、越智光夫   

  (広島大学大学院医歯薬学総合研究科整形外科) 

安永裕司      (広島大学大学院医歯薬学総合研究科人工関節・生体材料学) 

   

特発性大腿骨頭壊死症に対し、骨壊死部への血管・骨再生を目的として 2005 年 7 月より骨髄単核球移植を 行ってきた。対象は術後 1 年以上経過した 22 例 30 関節であり、平均手術時年齢は 41 歳、平均経過観察期間 は 24 ヵ月であった(単核球群)。また細胞を用いずに hydroxyapatite のみ移植した 8 例 9 関節を対照群とし、平 均手術時年齢は 49 歳、平均経過観察期間は 26 ヵ月であった(HA 群)。2mm 以上の骨頭圧潰の進行を単核球 群の 4 関節(13%)に、HA 群の 6 関節(67%)に認めた。 

   

1. 研究目的 

我々は特発性大腿骨頭壊死症(ION)に対し骨壊 死部への血管・骨再生を目的として 2005 年 7 月より 骨髄単核球(単核球)移植を導入し、低侵襲な治療 法として本法の有用性を報告してきた1,2)3)。単核球移 植の手術適応として、両側例で片側の骨切り術や人 工関節置換術と同時に、反対側に骨頭圧潰を認めな い症例に対し本法を併用し、また一部の症例におい て、重篤な既往症のために従来の手術治療が困難 な場合にも両側に本法を行った。単核球移植施行後 1 年以上経過した例の短期成績について報告する。 

 

2. 研究方法  A.対象 

ION に対し単核球移植を行った症例のうち術後 1 年以上経過した 22 例 30 関節を対象とした(単核球 群)。単核球群の内訳は、女性 8 例、男性 14 例、平 均手術時年令は 41 才(17〜64 才)、誘因はステロイド 性 14 例、アルコール性 6 例、狭義の特発性 2 例であ った。術前病期は Stage 1 が 2 関節、Stage 2 が 25 関 節、Stage 3A が 3 関節、術前病型は Type B が 2 関 節、Type C-1 が 13 関節、Type C-2 が 15 関節であ った。Steinberg の方法に準じた平均壊死体積率は 21%(3〜48%)であり4)、平均経過観察期間は 24 ヵ 月(12〜37 ヵ月)であった。また反対股には骨切り術 を 10 関節に、THA を 1 関節に、人工骨頭置換術を 1 関節に同時に行い、血管柄付腸骨移植を1関節に細

胞移植前1ヵ月時に行った。 

  また、骨壊死部に hydroxyapatite のみ移植した 8 例 9 関節を対照群とした(HA 群)。HA 群の内訳は、女 性 1 例、男性 7 例、平均手術時年令は 49 才(28〜73 才)、誘因はステロイド性 2 例、アルコール性 3 例、狭 義の特発性 3 例であった。術前病期は全例 Stage 2 であり、術前病型は Type C-1 が 1 関節、Type C-2 が 8 関節であった。平均壊死体積率は 22%(15〜

55%)であり、平均経過観察期間は 26 ヵ月(16〜45 ヵ 月)であった。また反対股には骨切り術を 1 関節に、

THA を 1 関節に、血管柄付腸骨移植を1関節に行っ た。 

B.  方法 

1)  単核球の単離 

手術開始時に腸骨稜より骨髄液を約 700ml 採取し、

フィルターにて濾過した後に細胞遠心分離装置

(Spectra, Gambro)を用いて骨髄液より単核球を含む 分画液(約 30〜40ml)を抽出した。分画液中の総単 核球数は約 2×109個であった。移植の足場材料とし て連通気孔を有する hydroxyapatite:Neobone

(interconnected porous calcium hydroxyapatite:IHA)

を用いることとし、分画液を IHA に浸潤させて移植に 使用した(図 1)5)。 

2)  手術方法 

  大転子遠位から大腿骨頭の壊死領域に向けて軟 骨下骨の直下までイメージ下に 5〜10mm 径でドリリン グを 2 カ所に行い、単核球分画液を浸潤させた円柱

(5)

状の IHA を骨孔よりに挿入し、骨壊死部へ移植した

(図 1)。 

【図 1】 

 

3) 評価項目 

X 線学的評価として骨頭圧潰の進行、骨壊死部の 骨陰影の増強、壊死体積率の変化、及び骨壊死部 の骨吸収の有無の項目について評価した。また術後 の骨頭圧潰の進行と他の因子との関連についても調 査した。統計学的にはSpearman’s rank correlationを 用い、有意水準を5%として相関関係を判定した。 

 

3. 研究結果 

単核球群において、骨頭圧潰は 17 関節(57%)で 進行を認めず、2mm 未満の進行を 9 関節(30%)に、

2mm 以上の進行を 4 関節(13%)に認めた。2mm 未 満の圧潰を来した症例はいずれも術後 1 年以内に生 じたが、非進行性である。骨頭内の修復層の骨陰影 増強を 28 関節(93%)に認め、3〜6 ヵ月頃より増強す る傾向にあった。壊死体積率は全例とも経時的な減 少を認め、特に術後 6〜12 ヵ月頃にかけて著明な減 少傾向にあった。また術後経過中に骨壊死部の骨吸 収像を 14 関節(47%)に認め、術後 1〜4 ヵ月より出 現していた。HA 群では骨頭圧潰はいずれも進行して おり、2mm 未満の進行を 3 関節(33%)に、2mm 以上 の進行を 6 関節(67%)に認めた。骨頭内の修復層の 増強は術後 12 ヵ月頃より僅かに認めるのみであった。

また術後経過中に骨壊死部の早期の骨吸収像を呈 した症例はなかった。 

また術後の骨頭圧潰の進行と有意な関連のある因 子して、手術時年令(P=0.04)と術前病型(P<0.01)が 挙げられた。 

 

4. 症例供覧 

  症例 1:18 才女性、狭義の ION で左股の病期は Stage 2、病型は Type C-1、壊死体積率は 15%であ った。右股には骨頭回転骨切り術を行い、同時に左 股に単核球移植を行った。移植後 3 ヵ月より修復層 の骨陰影の増強を認めるようになり、経時的に壊死領 域の著明な縮小を認め、現在では僅かな壊死領域を 残すのみである(図 2)。 

 

【図 2】症例 1    18 才女性  単核球群 

A:術後 2 ヵ月  B:術後 3 ヵ月  C:術後 9 ヵ月  D:2 年 9 ヵ月 

 

症例 2:34 才女性、アルコール性 ION で左股の病 期は Stage 2、病型は Type C-1、壊死体積率は 17%

であった。右股には広範な骨壊死を認めたため血管 柄付き腸骨移植を行い、その 1 ヵ月後に左股に対し て単核球移植を行った。移植後 3 ヵ月頃より移植した IHA の陰影が中枢側まで増強し、術後 9 ヵ月頃より壊 死領域に部分的に骨陰影の増強する部位が認めら れた.特に荷重部外側の軟骨下骨の骨陰影が増強 し徐々に内側まで健常骨が延長している(図 3)。

 

【図 3】症例 2    34 才女性  単核球群 

A:術後 1 ヵ月  B:術後 3 ヵ月  C:術後 9 ヵ月  D:3 年 1 ヵ月 

 

  症例 3:64 才男性、ステロイド性 ION で両股とも病期 は Stage 2、病型は Type C-2、壊死体積率は右 33%、

左 39%であり、両側に単核球移植を行った。右股は 術後 2 年まで経過良好であったが、以後壊死領域内 側縁での陥没を認めるようになった。左股には骨頭 に軽度の扁平化を認めるものの非進行性であり、修

A B     C D A B C D

(6)

復層及び軟骨下骨において硬化像の増大を認めて いる(図 4)。 

 

【図 4】症例 3    64 才男性  単核球群 

A:術後 1 ヵ月  B:術後 3 ヵ月  C:術後 9 ヵ月  D:術 後 2 年 7 ヵ月 

 

症例 4:42 才男性、ステロイド性 ION で病期は右 Stage 3A、左 Stage 2、病型は両側とも Type C-2、壊 死体積率は右 21%、左 20%であり、両側に単核球移 植を行った。右骨頭には術前より陥没を認めていた が、術後の新たな圧潰の進行を認めず、両側とも修 復層の硬化像の増大に伴う壊死領域の縮小を認め ている(図 5)。 

 

【図 5】症例 4    42 才男性  単核球群 

A:術後 1 ヵ月  B:術後 3 ヵ月  C:術後 9 ヵ月  D:術 後 2 年 6 ヵ月 

 

症例 5:62 才男性、アルコール性 ION で右股の病期 は Stage 2、病型は Type C-2、壊死体積率は 18%で あり、HA 移植のみ行った。術後より明らかな反応層 の陰影増強など認めず、術後8ヵ月にて軽度の圧潰 を認めるようになり、術後1年には壊死部外側縁より 明らかな圧潰の進行を認めた(図 6)。 

 

【図 6】症例 5    62 才男性  HA 群 

A:術後 1 ヵ月  B:術後 8 ヵ月  C:術後 1 年  D:術後 3 年 3 ヵ月 

 

5. 考察 

ION に対する単核球移植の短期成績について平 成 18 年度及び 19 年度の本会議にて報告してきた2)3)。 単核球移植後の骨壊死部の変化として、移植後早期 に骨壊死部の骨吸収が生じるとともに反応層の骨陰 影の増強が認められるようになり骨修復の過程を辿る と考えられるが、骨吸収による骨壊死部の脆弱性の ために圧潰の進行する可能性が危惧される。今回の 調査では単核球移植後に圧潰の進行を軽微なもの も含めて13関節に認めたが、このうち10関節(77%)

は壊死領域内側縁から圧潰が生じていた。これまで 壊死領域外側縁での圧潰発生を予防することが重要 と考え、単核球移植を骨頭外側部に向けて行って きた。多くの症例で外側縁では反応層や軟骨下骨の 陰影増強を認め、部分的骨修復が示唆されたが、そ の反面、内側縁に力学的脆弱部位が残っていたもの と推察した。しかし、内側縁に脆弱部位が生じても外 側からの軟骨下骨の修復が得られている症例では圧 潰の進行を認めておらず、軟骨下骨の修復が得られ るまでの期間は部分免荷を続けるなど圧潰発生を予 防しながら慎重に経過観察を行うことが、本法の成績 向上に繋がると考えられる。 

 

6. 結論 

ION に対し、単核球移植を施行した症例の短期成 績を報告した。細胞移植後の骨頭圧潰の進行を予防 するためには移植後早期の慎重な経過観察を要す ると考えられた。 

 

7. 知的所有権の取得状況  1.  特許の取得 

    なし  右

A B C D

A B C D

A B

 

C D

(7)

2.  実用新案登録      なし 

3.  その他      なし   

8. 参考文献 

1) 山崎琢磨,安永裕司,寺山弘志,石川正和,越 智光夫.特発性大腿骨頭壊死症に対する骨髄 単核球移植.Hip Joint 33: 35-39, 2007  2) 特発性大腿骨頭壊死症に対する骨髄単核球移

植.  厚生労働省特定疾患対策研究事業  骨・関 節系調査研究班  特発性大腿骨頭壊死症調査 研究分科会  平成18年度報告:110-13  3) 特発性大腿骨頭壊死症に対する骨髄単核球移

植.  厚生労働省特定疾患対策研究事業  骨・関 節系調査研究班  特発性大腿骨頭壊死症調査 研究分科会  平成19年度報告:135-138      4) Steinberg ME, Hayken GD, Steinberg DR. A 

quantitative system for staging avascular  necrosis. J Bone Joint Surg 77-B: 34-41, 1995  5) Ito Y, Tanaka N, Fujimoto Y, Yasunaga Y, Ishida 

O, Agung M, Ochi M. Bone formation using  novel interconnected porous calcium 

hydroxyapatite ceramic hybridized with cultured  marrow stromal stem cells derived from Green  rat. J Biomed Mater Res  69: 454-61, 2004  A

B C D

A

B

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