• 検索結果がありません。

口蓋裂における言語障害の改善に影響を及ぼす因子 に関する研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "口蓋裂における言語障害の改善に影響を及ぼす因子 に関する研究"

Copied!
43
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

口蓋裂における言語障害の改善に影響を及ぼす因子 に関する研究

辻口, 友美

九州大学大学院歯学府口腔顎顔面病態学講座顎顔面腫瘍制御学分野

https://doi.org/10.15017/18536

出版情報:九州大学, 2009, 博士(歯学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)

口蓋裂における言語障害の改善に影響を及ぼす因子に関する研究

2010年

九州大学大学院歯学府

口腔顎顔面病態学講座顎顔面腫瘍制御学分野 辻口(中間) 友美

指導教官

九州大学大学院歯学研究院

口腔顎顔面病態学講座顎顔面腫瘍制御学分野 中村 誠司 教授

(3)

本研究の一部は日本口蓋裂学会雑誌に投稿中である.

異常構音を有する口蓋裂患者の語音弁別能に関する検討

中間友美,笹栗正明,緒方祐子,長谷川幸代,光安岳志,新井伸作,松村香織 中村誠司

2009 年 第 33 回 日本口蓋裂学会総会にて「構音障害を有する口蓋裂患者の語音弁 別に関する検討」として本研究の一部を発表し,学会賞を受賞した.

(4)

目 次

Ⅰ. 要旨・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

Ⅱ. はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4

Ⅲ. 咽頭弁形成術を施行した成人症例の言語成績

Ⅲ-1. 緒言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6

Ⅲ-2. 対象および方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7

Ⅲ-3. 結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9

Ⅲ-4. 考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13

Ⅲ-5. 小括・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15

Ⅳ. 異常構音を有する口蓋裂患者の語音弁別能に関する検討

Ⅳ-1. 緒言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16

Ⅳ-2. 対象および方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21

Ⅳ-3. 結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27

Ⅳ-4. 考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27

Ⅳ-5. 小括・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30

Ⅴ. 総括・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31

Ⅵ. 謝辞・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32

Ⅶ. 参考文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33

Ⅷ. 質疑応答・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35

(5)

. 要 旨

言語障害の改善が困難な症例の言語療法においては,それぞれの病態を把握 して問題点を明らかにすることが重要である.そこで本研究では,言語障害の 改善に関与する因子を明らかにするために,鼻咽腔閉鎖機能不全が長期残存し 成人期に口蓋裂二次手術を行った症例と,鼻咽腔閉鎖機能獲得後も異常構音が 残存した症例において,言語評価を行い問題点を検討した.

以下に本研究で得られた結果をまとめた.

1. 咽頭弁形成術を施行した成人症例の言語評価

鼻咽腔閉鎖機能不全が長期残存し,咽頭弁形成術を成人期に施行した口蓋裂 患者 5 例を対象に,鼻咽腔閉鎖機能,異常構音,および会話明瞭度について評 価を行った.鼻咽腔閉鎖機能は全例改善していたが,鼻咽腔閉鎖機能の総合評 価で良好となったのは2例で,3例が軽度不全であった.術前に異常構音を認め た 4 例は,術後も異常構音が残存していた.異常構音は鼻咽腔閉鎖機能の改善 に伴い,卖音,卖語レベルまで改善した症例もあったが,自発話では異常構音 がみられ,会話明瞭度では「よくわかる」に至った症例はなかった.異常構音 を認めた 4 例は自己の異常構音を自覚できず,自発的修正を行うことができな かった.言語障害が改善しない原因として長期間鼻咽腔閉鎖機能不全の状態が 続いていたことで,口蓋筋の活動の賦活化,鼻咽腔閉鎖習慣の定着化,および 正常構音操作の習慣化が困難になっていると考えられた.また,自分の産出す

(6)

る異常構音を自覚できていないことも,言語障害の改善を妨げる原因のひとつ と考えられた.

2. 異常構音を有する口蓋裂患者の語音弁別能に関する検討

自分の産出する異常構音を自覚できていないことが,異常構音の定着に関与 しているのではないかと考えられるため,異常構音を有する口蓋裂患者の語音 弁別能の評価を行った.語音弁別能は外的音源からの音を弁別する外的語音弁 別能と,患者自身が産出している音を弁別する内的語音弁別能に分けて評価し た.

1) 正常構音に対する外的語音弁別能と異常構音に対する内的語音弁別能の評 価

異常構音を有する口蓋裂患者 8 例(8~60 歳, 平均 28.6 歳)を対象に,正常 構音サンプル音に対する語音弁別能と患者自身が産出する異常構音に対する語 音弁別能を評価した.正常構音サンプル音に対する弁別は可能であったが,患 者自身が産出する異常構音に対しては弁別できなかった.

2) 異常構音に対する外的語音弁別能の評価

異常構音を有する口蓋裂患者 8 例(7~13 歳, 平均 10.1 歳)を対象に,異常 構音サンプルに対する語音弁別能と,患者自身の産出する異常構音を録音して 聴いた場合の語音弁別能について評価した.正常構音の口蓋裂患者 5 例,非口 蓋裂患者 3 例を対照群とした.異常構音を有する口蓋裂患者と対照群との間で 語音弁別能に大きな違いは認めなかった.しかし,異常構音の種類によって語 音弁別難度に差を認め,声門破裂音は弁別が容易で,側音化構音は弁別が困難

(7)

であった.患者自身の声を録音しサンプルとして聴かせた場合の外的語音弁別 能は低かった.

以上より,患者自身が自分の産出する異常構音に対しては内的語音弁別能と 外的語音弁別能ともに低いため,自分の異常構音を自覚できないことが,異常 構音の改善を困難としている原因のひとつと考えられた.

(8)

. はじめに

口蓋裂患者にみられる問題は,哺乳・摂食の問題,顔面の形態異常,言語障 害,耳鼻咽喉科的問題,歯科的問題,心理的および社会的問題など多彩である.

言語障害の問題は,言語・日常会話の不明瞭さから,二次的に心理的社会的問 題に発展することが多い.したがって,口蓋裂患者の言語療法においてはコミ ュニケーションを円滑にすることは重要であり,最終的には正常な会話能力の 獲得が治療の目標である.口蓋裂患者にみられる言語障害は,その特徴から「口 蓋裂言語」と称されているが,その内容は一律ではなく,鼻咽腔閉鎖機能不全 による開鼻声や子音の歪み,声門破裂音などの鼻咽腔閉鎖機能不全の代償構音 といわれる異常構音などがある.このように,口蓋裂の言語障害においては鼻 咽腔閉鎖機能不全が関与している場合が多い1)

近年,口蓋形成術手術手技の改良や言語管理の徹底化により,口蓋裂患者の 90%以上は良好な鼻咽腔閉鎖機能を獲得しているが,言語療法が行われたにもか かわらず鼻咽腔閉鎖機能不全が改善しない症例や,鼻咽腔閉鎖機能不全に対す る二次的治療が遅れ,言語障害が長期にわたって残存している症例が存在する.

このように,鼻咽腔閉鎖機能不全が残存したままでは,いかなる言語療法を行 っても正常言語は得られない.一方,鼻咽腔閉鎖機能不全に由来する異常構音 は,鼻咽腔閉鎖機能を獲得して口腔内環境の改善などの器質的な問題が解決さ れれば,系統的構音訓練により異常構音を認める場合でも小学校就学前には正

(9)

常構音を獲得できるといわれている1).しかし,系統的構音訓練にもかかわらず 異常構音が消失しない症例や,訓練により卖音や卖語レベルでは正しく発音で きても,会話になると誤った発音となってしまう言語障害が残存する症例がみ られる.このように,言語障害が長期化している症例では,鼻咽腔閉鎖機能不 全が遷延している症例や鼻咽腔閉鎖機能は獲得されているが,異常構音が残存 している症例がある.

言語障害の改善が困難な症例の言語訓練計画を立案するには,それぞれの病 態を検討し,問題点を明らかにすることが重要である.そこで本研究では,言 語障害の改善に関与する因子を明らかにするために,第一に口蓋二次手術後の 言語障害残存に関わる因子の検討として,成人期に口蓋裂二次手術を行った症 例の言語成績を調べた.第二に異常構音の残存と語音弁別能との関連を明らか にするために,異常構音を有する口蓋裂患者の語音弁別能に関する検討を行っ た.

(10)

Ⅲ.咽頭弁形成術を施行した成人症例の言語成績

Ⅲ -1. 緒言

口蓋裂の言語療法においては,手術法の改良や言語管理の徹底化により,口 蓋裂患者の約 90%は良好な鼻咽腔閉鎖機能を獲得し,正常な言語発達を遂げて いる2-5).口蓋形成術後の言語管理においては,まず始めに鼻咽腔閉鎖機能を獲 得させることが重要である1)

鼻咽腔閉鎖機能不全症例でも,その後の言語療法により鼻咽腔閉鎖機能が改 善するが,数%の症例で鼻咽腔閉鎖機能不全が残存する.そのような症例に対し ては,保存的治療としてスピーチエイドや軟口蓋挙上装置などの発音補助装置 を用いた言語療法が行われている.しかし,保存的治療で鼻咽腔閉鎖機能を獲 得することができない症例に対しては,外科的治療として口蓋裂二次手術が選 択される.

外科的治療においては,口蓋裂二次手術施行時年齢が高いと術後の言語成績 が悪いために,比較的低年齢時での手術が好ましいとされている6-11).手術年齢 が高い症例では開鼻声が残るものが多く,言語療法を施行しても正常言語を獲 得する症例が尐ないと報告されている7).そこで本研究では,鼻咽腔閉鎖機能不 全が長期残存し,成人期に口蓋裂二次手術を行った症例の問題点を明らかにす ることを目的に,咽頭弁形成術を施行した成人症例の言語評価を行った.

Ⅲ -2. 対象および方法

(11)

対象は2000 年から 2004 年までの 5年間に,九州大学病院顎口腔外科にて咽 頭弁形成術を施行し,術後 1 年以上経過観察を行うことができた成人口蓋裂症 例5 例で,裂型の内訳は,両側性唇顎口蓋裂 1 例,片側性唇顎口蓋裂 3 例,口 蓋裂1 例であった(表1).初診時年齢は 29~57 歳,平均42.8歳で,全例初回 口蓋形成術は他院にて施行されていた.すでに 1 例は他院にて咽頭弁形成術を 施行されており,2 例は当科にて re-pushback 術を施行したが,経過不良のため 咽頭弁形成術を施行した.咽頭弁形成術施行時の年齢は32~60歳(平均44.2歳) , 術式は全例 folded pharyngeal flap 法に re-pushback 術を併用し,咽頭側壁部の

orificeの大きさは5mm径のレジンボールがわずかな抵抗をもって入る程度とし

た.術後の経過観察期間は1年から5年6ヵ月で,平均2年7ヵ月であった.

表1 対象症例

検討項目は鼻咽腔閉鎖機能,異常構音,および会話明瞭度であった.評価時 期は術前および術後 1 年で,口蓋裂言語に経験が深い 2 名の言語聴覚士が評価

症例1 症例2 症例3 症例4 症例5

裂型

UCLP UCLP BCLP UCLP

CP

初診時年齢

(歳)

29 52 43 33 57

手術施行時年齢

(歳)

32 52 44 33 60

咽頭弁形成術施行前 二次手術 Re-pushback術

― 咽頭弁形成術

Re-pushback術

BCLP:両側性口唇口蓋裂 UCLP:片側性口唇口蓋裂 CP:口蓋裂

(12)

した.

1) 鼻咽腔閉鎖機能の評価

鼻咽腔閉鎖機能は,聴覚判定による開鼻声の程度,鼻息鏡検査,鼻咽腔ファ イバースコープ検査, Blowing 検査,およびナゾメータ検査の結果をもとに総 合的に判定した.

開鼻声の聴覚判定および鼻息鏡検査の判定は,日本音声言語医学会口蓋裂小 委員会の鼻咽腔閉鎖機能検査12) に定められた基準に基づき,「なし」「あり(2cm 未満)」および「重度にあり(2cm 以上)」の 3 段階に判定した.鼻咽腔ファイ バースコープ検査は,母音(/i:/)発声時における orifice の閉鎖状況を評価し,

今富らの分類 13) に基づき「完全閉鎖(間隙なし)」,「ほぼ閉鎖(slit 状の間隙,

bubbling)」,「軽度閉鎖不全(閉鎖が安静時の2分の1以上)」および「閉鎖不全

(閉鎖が安静時の2分の1未満)」の4段階に評価した. Blowing検査はblowing

ratio14)(鼻孔開放時の呼気持続時間/soft blowing 時の鼻孔閉鎖時の呼気持続時

間) を算出し,「1.0以上」,「0.7 以上1.0未満」および「0.7未満」の3段階に 評価した.ナゾメータ検査は米国KAY社製NASOMETER 6200を使用し,母音

/i:/,口腔内圧の高い文(以下,高圧文),および口腔内圧の低い文(以下,低圧

文)のnasalance score(鼻腔からの音響エネルギー/鼻腔+口腔からの音響エネ

ルギー×100(%))を求めた.課題文は,高圧文では「きつつきが,きをつつく15」, 低圧文では「よういは,おおい 16」で,いずれも鼻音を含まない文を用いた.

Nasalance scoreの評価は緒方ら17の基準に基づき,「良好」は母音/i:/および低圧

(13)

文のnasalance scoreの平均値が20%未満,ならびに低圧文のnasalance scoreの最 大値が60%未満とし,「不全」は母音/i:/ のnasalance scoreの平均値が40%以上,

ならびに高圧文のnasalance scoreの最大値が80%以上とした.

2) 異常構音

日本音声言語医学会の構音検査法18, 19) に基づき,卖音,卖語,文章,および 会話の観察を行い,異常構音の有無とその種類について評価した.また,会話 中に患者が自分自身の異常構音を自覚し,自発的自己修正が可能かどうかにつ いても評価した.

3) 会話明瞭度

会話明瞭度は田口らの分類 20) に従い,「1. よくわかる」から「5. まったくわ からない」までの5段階に評価した.

Ⅲ -3. 結果

1) 鼻咽腔閉鎖機能の評価

術前・術後の各評価項目別の結果ならびに鼻咽腔閉鎖機能の総合判定を表 2 に示す.

各評価項目別の結果は,開鼻声は術前は「重度にあり」が2 例,「あり」が 3 例であった.術後に改善した症例は3例で,そのうち2例は開鼻声が消失した.

鼻息鏡検査では術前は全例で呼気鼻漏出が 2cm 以上であり「重度にあり」であ ったが,術後は4例で呼気鼻漏出が消失し,1例は不変であった.鼻咽腔ファイ

(14)

バースコープ検査所見は,術前は「閉鎖不全」4 例,「軽度閉鎖不全」1 例であ った.術前「閉鎖不全」の4例中3 例が「ほぼ閉鎖」,1 例が「軽度閉鎖不全」

に改善し,術前「軽度閉鎖不全」であった 1 例は術後「ほぼ閉鎖」となり.全 例で閉鎖状況は改善した.Blowing検査では術前は良好が4例,不良が1例であ ったが, 術後は全例良好であった.ナゾメータ検査では, 術前は全例不良であっ た.術後は3例で良好となり,2例は不良のままで,症例によって改善した項目 が異なっていた.

鼻咽腔閉鎖機能の総合判定では術前は全例不全であった.術後は全例で改善 を認めたが,良好となったのは2例で,軽度不全が3例であった.

表2 術前・術後の鼻咽腔閉鎖機能評価結果

鼻咽腔閉鎖機能各評価項目

開鼻声

鼻息鏡 検査

鼻咽腔 ファイバー

スコープ 検査

Blowing 検査

ナゾメータ 検査

症例1 症例2 症例3 症例4 症例5

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

× 術前 術後 術前 術後 術前 術後 術前 術後 術前 術後

鼻咽腔閉鎖機能 総合判定

術前 術後 不全

不全 不全 不全 不全

良好 良好 軽度不全 軽度不全 軽度不全

(15)

開鼻声:○なし △あり ×重度にあり

鼻息鏡検査:○呼気鼻漏出なし △呼気鼻漏出あり ×呼気鼻漏出重度にあり 鼻咽腔ファイバースコープ検査:◎完全閉鎖 ○ほぼ閉鎖 △軽度閉鎖不全

×閉鎖不全

Blowing検査 (Blowing ratio:BR):○BR ≺ 1.0 △1.0 > BR ≧ 0.7

×0.7 > BR

ナゾメータ検査:○良好 ×不良

2) 異常構音

術前に異常構音を認めた症例は 4 例であった.術後に異常構音は消失しなか ったが,症例によっては異常構音の程度は軽減した.鼻咽腔閉鎖機能良好とな った症例 2 は,卖語レベルまで正常構音を獲得できたが,文章レベルでは異常 構音が残存した.鼻咽腔閉鎖機能が軽度不全まで改善した 3 例は,術後も異常 構音が残存したが,症例3,5は鼻咽腔閉鎖機能の改善に伴い異常構音の程度が 軽減した(表3). 会話中に患者自身が自分の異常構音を自覚し,自発的に異常 構音の自己修正ができた症例はなかった.また,言語聴覚士が指摘しても,患 者自身が産出した異常構音を自覚できなかった.

(16)

表3 術前・術後の鼻咽腔閉鎖機能総合判定と異常構音

3) 会話明瞭度

術前に異常構音を認めなかった症例 1 の術前の会話明瞭度は「2. 時々わから ないことがある」であり,術後に鼻咽腔閉鎖機能を獲得して正常な言語になり,

会話明瞭度は「1. よくわかる」となった.症例2の術前の会話明瞭度は「5. ま ったくわからない」であったが,術後に鼻咽腔閉鎖機能を獲得したことにより 開鼻声が消失し,異常構音の程度が軽減したため,会話明瞭度は「2. 時々わか らないことがある」へと大幅に改善した.残り 3 例の術前の状態は全て「3. 話 す内容を知っていればわかる」であった.症例 3 および症例 5 は,術後異常構 音の程度が軽減したことで,「2. 時々わからないことがある」まで会話が明瞭と なった.症例4は鼻咽腔閉鎖機能は改善したものの, 異常構音の改善がほとんど

術前 術後

症例

不全 不全 不全 不全 不全

なし 声門破裂音 咽頭摩擦音 咽頭破裂音 咽頭摩擦音 咽頭破裂音 咽頭摩擦音 声門破裂音 鼻咽腔閉鎖機能

総合判定

異常構音

なし 声門破裂音 咽頭摩擦音 咽頭破裂音 咽頭摩擦音 咽頭破裂音 咽頭摩擦音 声門破裂音 良好

良好 軽度不全 軽度不全 軽度不全 鼻咽腔閉鎖機能

総合判定

異常構音

1

2

3

4

5

(17)

認められなかったため,会話明瞭度は不変であった(表4).

表4 会話明瞭度

会話明瞭度による分類(田口らの分類)

1. よくわかる

2. 時々わからないことがある 3. 話す内容を知っていればわかる 4. 時々わかることがある

5. まったくわからない

Ⅲ -4. 考察

口蓋裂初回手術により良好な鼻咽腔閉鎖機能を獲得できることが望ましいが,

現実には鼻咽腔閉鎖機能不全を生じ,鼻咽腔閉鎖機能不全に対する言語療法を 必要とする症例が存在する.しかし,鼻咽腔閉鎖機能不全があるにもかかわら ず,様々な理由から鼻咽腔閉鎖機能不全が残存したまま長期経過し,口蓋裂二 次手術の手術時年齢が高くなった症例を認める.一般に,口蓋裂二次手術の手 術時年齢が高い場合,鼻咽腔閉鎖機能や正常構音の獲得が難しいとされている

1 2 3 4 5

術前 術後

2 5 3 3 3

1 2 2 3 2 症例

(18)

7).そこで本研究では,口蓋裂二次手術を行った成人症例の問題点を把握する目 的で口蓋二次手術前後の言語評価を行った.

鼻咽腔閉鎖機能は総合判定では全例で改善したが,良好となったのは5例中2 例であり,症例ごとに各評価項目での改善の状態が異なっていた.これは各評 価項目によって鼻咽腔閉鎖のタイミングや閉鎖状態が異なるためと考えられ,

症例によって鼻咽腔の動きにも多様性があることが考えられた.異常構音は鼻 咽腔閉鎖機能の改善に伴い,異常構音の程度が軽減する症例があったが,術前 に異常構音を認めた症例は全例異常構音が残存していた.そのため,「よくわか る」というレベルの良好な会話明瞭度を得ることは困難であった.この原因と して,長期間鼻咽腔閉鎖機能不全の状態が続いていたことが,口蓋筋群の活動

の賦活化6, 20),鼻咽腔閉鎖の習慣の定着化9),および正しい構音操作の習慣化を

困難にさせていると考えられる6).また,異常構音を認めた4例では,聴力の問 題はないにもかかわらず,自己の誤りを自覚し,自発的修正を行うことが困難 であり,言語聴覚士に指摘されても異常構音を自覚できなかった.これらのこ とから,言語障害の改善を妨げる要因のひとつに語音弁別能の問題が考えられ た.

このように,鼻咽腔閉鎖機能不全が長期化した患者では,鼻咽腔閉鎖が改善 しづらく、鼻咽腔閉鎖不全に伴う異常構音が残存し,日常会話での改善が困難 となることから,早期に鼻咽腔閉鎖機能を獲得することの重要性が再認識され た.

(19)

Ⅲ -5.

小括

鼻咽腔閉鎖機能不全が長期間持続し,成人期に咽頭弁形成術を施行した口蓋 裂症例の言語成績を検討し,以下のことが判った.

1.鼻咽腔閉鎖機能は改善したが,鼻咽腔閉鎖機能総合判定が良好に至ったも のは 5 例中 2 例のみであり,口蓋二次手術の手術時年齢が高いと,鼻咽腔閉鎖 機能の獲得は困難と考えられた.

2.術前に異常構音を認めた症例では,鼻咽腔閉鎖機能の獲得・改善を認めて も異常構音は残存し,鼻咽腔閉鎖機能不全が長期間持続したことで悪習癖が習 慣化していることが考えられた.

3.異常構音を認めた症例は,会話時に自分の異常構音を自覚できず,自発的 な自己修正ができなかった.このように自分の異常構音に対する語音弁別能が 低いことが,異常構音が改善しづらい原因のひとつと考えられた.

(20)

. 異常構音を有する口蓋裂患者の語音弁別に関する検 討

Ⅳ -1. 緒言

異常構音を有する口蓋裂患者に対する言語療法は,「誤り音の自覚」,「正 しい構音操作の獲得」,「正しい音の習慣化」の流れで成り立っており22) ,構 音を卖音節,卖語,文章,日常会話へと系統的構音訓練を経て般化させていく 方法が一般的である.正常化した構音を日常会話へ般化させるには,自己の誤 り音についての識別に重点をおいた言語療法や,音節レベルでの音の定位をは かる同定訓練が効果的であることは臨床的に経験されていることである23) .し かし,言語療法を行っているにもかかわらず改善しない症例や,正常構音を獲 得しても正常化した構音の日常会話への般化が困難な症例が存在する.このよ うに,口蓋裂の構音障害の改善が困難な原因として,鼻咽腔閉鎖機能不全や口 蓋形態の異常などの器質的な末梢レベルの要因の他に,別の要因が関与してい るのではないかと考えられており,そのひとつに語音弁別能の問題が指摘され ている.

臨床の場では経験的に異常構音と語音弁別能の関連性が指摘されているが,

口蓋裂患者の異常構音と語音弁別能に関する研究報告は尐なく,本邦では米田 らが行った異常構音に対する検査用音声サンプルを用いた語音弁別能について 研究があるのみである.その報告では,異常構音の改善を困難にしている要因

(21)

は,患者個人の語音弁別能よりも異常構音そのものの弁別難度に関連している のではないかと述べられている23)

言語療法において自分の誤りに気付かせることは,言語療法の動機づけのた めに必要不可欠である.したがって,語音弁別能の問題は言語療法の際には無 視できない重要なものである.そこで本研究では,異常構音を有する口蓋裂患 者の語音弁別能の状況を評価し,口蓋裂患者の異常構音残存と語音弁別能との 関連を検討することとした.

Ⅳ-2. 対象と方法

評価 1.正常構音に対する外的語音弁別および異常構音に対する内的語音弁別 対象は異常構音を認める口蓋裂患者 8 例(8~60 歳, 平均 28.6 歳)とした.

聴覚障害や精神発達遅滞は認めず,鼻咽腔閉鎖機能は良好であり,検査手続き が理解できる患者を対象とした.裂型別内訳は,口蓋裂 1 例,片側性唇顎口蓋 裂 5 例,両側性唇顎口蓋裂 1 例,および粘膜下口蓋裂 1 例で,異常構音の内訳 は口蓋化構音 3 例,声門破裂音 3 例,咽頭摩擦音・咽頭破裂音 1 例,および声 門破裂音・咽頭摩擦音 1 例であった(表 5).

まず,標準純音聴力検査を行って聴力障害がないことを確認し,各症例の聴 力レベルの閾値(dB)を調べた.正常構音の弁別検査は語音弁別検査法25)に従い,

語音聴力検査の 67-S 語表(日本聴覚医学会監修)の各音を,各症例の閾値以上 のレベル (dB) の音でオージオメータ AA-76 (RION 社製) を用いて聴取させ正 聴率 (%) を算出した.この正聴率を正常構音に対する外的語音弁別能として評 価した.患者自身が産出する異常構音の弁別検査は,口蓋裂言語に経験が深い 2

(22)

名の言語聴覚士が症例ごとに誤りやすい卖音節(10~25 音)を提示し患者に産 出させ,患者と言語聴覚士の弁別判定の一致率(%)を求めた.一致率は,言語聴 覚士が提示した音の総数に対する,患者と言語聴覚士の判定の一致数の割合で 示し,弁別判定の一致率を患者が産出する異常構音に対する内的語音弁別能と した.

表5 対象症例(評価1)

BCLP:両側性唇顎口蓋裂 UCLP:片側性唇顎口蓋裂 CP:口蓋裂

SMCP:粘膜下口蓋裂

評価 2. 異常構音に対する外的語音弁別能

異常構音に対する外的語音弁別能は,他人が産出する異常構音を聴かせた場 合と,患者自身の声を録音して聴かせた場合について調べた.

1 2 3 4 5 6 7 8 症例

F F M F F F F F 性 別

8 13 33 9 10 37 60 59 年齢

(歳)

UCLP UCLP BCLP SMCP UCLP UCLP UCLP

CP 裂型

口蓋化構音 口蓋化構音 口蓋化構音 声門破裂音 声門破裂音

咽頭摩擦音,咽頭破裂音 声門破裂音,咽頭摩擦音

声門破裂音 異常構音の種類

(23)

対象は構音障害を有する口蓋裂患者 8 例(7~13 歳, 平均 10.1 歳)とした(表 6).異常構音の内訳は,口蓋化構音 4 例,側音化構音 1 例,声門破裂音 3 例で あり,全例聴覚障害や精神発達遅滞を認めず,鼻咽腔閉鎖機能は良好であった.

対照は正常構音口蓋裂患者 5 例(10~16 歳,平均 11.3 歳)および正常構音非口 蓋裂患者 3 例(8~11 歳, 平均 9.7 歳)とした.

表6 対象症例(評価2)

BCLP:両側性唇顎口蓋裂 UCLP:片側性唇顎口蓋裂 CP:口蓋裂

SMCP:粘膜下口蓋裂

1) 他人が産出する異常構音に対する外的語音弁別能

検査用音声サンプルは異常構音音声サンプル(「口蓋裂の構音障害」日本音声 言語医学会企画・監修)より,口蓋化構音,側音化構音および声門破裂音を卖 音,卖語および文章別に抜粋して作成した(表 7).この検査用音声サンプルを 患者に聴かせて弁別が可能かどうかを調べた.検査方法は音声サンプルの音を

1 2 3 4 5 6 7 8 症例

F M M M F F F F 性 別

13 11 10 10 7 11 10 9 年齢

(歳)

UCLP UCLP UCLP BCLP

CP UCLP SMCP SMCP 裂型

口蓋化構音 口蓋化構音 口蓋化構音 口蓋化構音 側音化構音 声門破裂音 声門破裂音 声門破裂音 異常構音の種類

(24)

ひらがなで表示したプリントを用意し,正常構音と判定した場合は「○」,異 常構音と判定した場合は「×」と記入させた.音声サンプルを聴いて正しく判 定できた場合を正聴とし,卖音,卖語および文章の各レベルにおける音声総サ ンプル数に対し,正聴した音声サンプル数の割合を正聴率(%)として算出した.

この正聴率を他人が産出する異常構音に対する外的語音弁別能とした.

表7 異常構音音声サンプル

2) 患者自身の声に対する外的語音弁別能

各患者の誤りやすい音節(10~25 音),口唇口蓋裂構音検査用 25 卖語 26)お よび構音検査用文章27)28)を患者に産出させ(表 8),Digital Audio Tape (SONY TCD-D10)に録音・再生して患者自身に聴かせ,誤りの有無を自己判定させた.

次に,言語聴覚士の判定と患者の自己判定が一致した割合を正聴率(%) とし,

この正聴率(%)を患者自身の声に対する外的語音弁別能とした.

口蓋化構音

側音化構音

声門破裂音

卖音 卖語

/da/,/de/, /do/

/ta/, /tsɯ/, /te/, /to/ /taiko/, /tsɯmiki/, /toke:/

/ka/, /ki/, /kɯ/, /ke/, /ko/ /koppɯ/, /toke:/, /taiko/

/ʃi/, /ki/, /tʃi/ /ke:ki/, /kɯtʃi/

/dʒiteNʃa/

(25)

表8 患者自身の産出する異常構音音声サンプル

Ⅳ -3. 結果

1.正常構音に対する外的語音弁別能と異常構音に対する内的語音弁別能 他人が産出する正常構音サンプルに対する正聴率は全例 100%であり,正常構 音に対する外的語音弁別能には問題はなかった.自分が現在産出している異常 構音に対する言語聴覚士との一致率は全例 0%であり,自分が産出する異常構音 をその場では全て正しいと判定していた.異常構音を有する口蓋裂患者は患者 自身が産出する異常構音に対する内的語音弁別能は不良であった.

2. 異常構音に対する外的語音弁別能

各異常構音サンプル別の正聴率を図 1 から図 3 に示す.各異常構音サンプル 別に正聴率をみると,症例間ではほぼ同様の正聴率を示し,聴取する異常構音 サンプルが,患者の有する異常構音と同じかどうかで弁別能に差はなかった(図 1,2,3).異常構音群と対照群の間に大きな差は認められなかった.口蓋化構音 では卖音ではばらつきを認め,卖語での正聴率は低かったが文章ではほぼ 100%

であった(図 1).側音化構音では卖音,卖語ではばらつきを認めたが,文章で

卖音 卖語 文章

患者の 誤りやすい音

(10~25音)

構音検査用 25卖語

/do:bɯtsɯeN ɲi ikimaʃita/

/kadzɯtʃaN wa papato ɸɯtari de ikimaʃita/

/tʃiisana sakana ga orimaʃita/

(26)

は 1 例を除き 0%であった(図 2).声門破裂音は卖語,文章では全例 100%であ った(図 3).このように声門破裂音は弁別されやすかったが,側音化構音化構 音は弁別されにくく,異常構音によって弁別難度に違いがみられた.

自分の声を録音して外的音源として患者自身に聴かせた場合,口蓋化構音症 例では聴きわけられている音もあったが,全ての誤りを正しく指摘することは できなかった.側音化構音症例および声門破裂音症例では,誤りを指摘できた 症例はなく.全例で正聴率は低く,患者自身の声に対する外的語音弁別能は不 良であった.また,側音化構音症例と声門破裂音症例では,他人が産出する異 常構音では弁別できる音があったにも関わらず,患者自身が産出する異常構音 に対する弁別はできなかった(図 4).

(27)

○:正常構音非口蓋裂症例(NC) ●:正常構音口蓋裂症例(NA)

◇:口蓋化構音症例(PS) □:側音化構音症例(LA)

△:声門破裂音症例(GS)

図1 口蓋化構音に対する症例別正聴率

口蓋化構音に対する正聴率は,口蓋化構音症例,側音化構音症例,および声門 破裂音症例いずれの症例においても,卖音ではばらつきを認めたが,卖語では 低く,文章では高かった.対照群はともに異常構音群とほぼ同様の結果であっ た.

対照群 異常構音群 NC NA PS LA GS

対照群 異常構音群 NC NA PS LA GS

対照群 異常構音群 NC NA PS LA GS

100

80

60

40

20

0 100

80

60

40

20

0 100

80

60

40

20

0

正 聴 率

(%) (%) (%)

卖音 卖語 文章

(28)

○:正常構音非口蓋裂症例(NC) ●:正常構音口蓋裂症例(NA)

◇:口蓋化構音症例(PS) □:側音化構音症例(LA)

△:声門破裂音症例(GS)

図2 側音化構音に対する症例別正聴率

側音化構音に対する正聴率は,側音化構音症例では卖音,卖語および文章い ずれにおいても低かった.口蓋化構音症例,声門破裂音症例および対照群では 卖音,卖語では弁別できる音があるものの,文章における正聴率は低く,ほと んどの症例は正聴率0%であった.

対照群 異常構音群 NC NA PS LA GS

対照群 異常構音群 NC NA PS LA GS

対照群 異常構音群 NC NA PS LA GS

100

80

60

40

20

0 100

80

60

40

20

0 100

80

60

40

20

0

正 聴 率

(%) (%) (%)

卖音 卖語 文章

(29)

○:正常構音非口蓋裂症例(NC) ●:正常構音口蓋裂症例(NA)

◇:口蓋化構音症例(PS) □:側音化構音症例(LA)

△:声門破裂音症例(GS)

図3 声門破裂音に対する症例別正聴率

声門破裂音に対する正聴率は卖音ではばらつきを認めるが,口蓋化構音症例,

側音化構音症例,および声門破裂音症例において,卖語,文章ともに100%と弁 別良好であった.対照群も異常構音群と同様に卖語,文章ともに正聴率は100%

であった.

対照群 異常構音群 NC NA PS LA GS

対照群 異常構音群 NC NA PS LA GS

対照群 異常構音群 NC NA PS LA GS

100

80

60

40

20

0 100

80

60

40

20

0 100

80

60

40

20

0

正 聴 率

(%) (%) (%)

卖音 卖語 文章

(30)

◇:口蓋化構音症例(他人の声) ◆:口蓋化構音症例(自分の声)

□:側音化構音症例(他人の声) ■:側音化構音症例(自分の声)

△:声門破裂音症例(他人の声) ▲:声門破裂音症例(自分の声)

図4 患者自身の産出した異常構音と他人が産出した同じ異常構音に対する正 聴率

患者自身の声を録音して聴いた正聴率の方が,他人が産出した異常構音を聴 いた場合よりも正聴率は低かった.

LA

PS GS

100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 正 聴 率

(%)

(31)

Ⅳ -4. 考察

口蓋裂患者の異常構音は,主として鼻咽腔閉鎖機能不全に起因するものが多 いが,その他著しい口蓋形態の異常や瘻孔などの問題に起因するものも指摘さ れている.しかし,これらの問題が改善されても,異常構音の改善が困難な症 例が存在する.その原因のひとつに語音弁別能が関与しているのではないかと されているが,研究報告はほとんどなく結論は得られていない.異常構音に対 する言語治療は,まずは患者自身が異常構音を自覚することから始まる.した がって,異常構音が残存している口蓋裂患者における語音弁別の状況を把握す ることは,異常構音に対する言語療法において重要なことと考えられる.そこ で本研究では,異常構音を有する口蓋裂患者の語音弁別能を評価し,異常構音 が長期化する要因について検討した.

今回の結果では正常構音に対しては全例が弁別可能であり,正常構音に対す る外的語音弁別能は問題がないことが判った.一方,患者自身が産出した異常 構音に対する内的語音弁別能に関しては,言語聴覚士との一致率は全例 0%で,

内的語音弁別能は不良であった.異常構音が長期化している症例では, 経験的 に自己の誤り音を認識できていない可能性が指摘されており,今回の結果はこ のことを指摘する結果であった.言語療法中の会話で異常構音を指摘する方法 だけでは,誤りの自覚から正しい構音操作の獲得がうまくできないことがある.

その原因のひとつに,自分が現在産出している異常構音に対する内的語音弁別 能が低いことが考えられる.今村は,音声置換がみられた機能性構音障害の患 児を対象に調査し,構音障害と語音弁別能との関連性を指摘し,構音障害が改

(32)

善しない原因は,自己産出音に対する「範疇的な知覚の基準」にズレがあるた めに自発的修正ができないからであると報告している29).「範疇的な知覚の基 準」とは,ある音を聴いたときに,その音を「正常構音の範疇」に同定するか,

それ以外の別の音として弁別するかの基準である.その基準の設定の仕方によ り,正常構音とされるか異常構音とされるかが異なってくる.つまり,異常構 音を産出する患者は,自己産出音の誤りのズレを検出するモニターの基準が,

正常構音者とは異なっているため自己の誤りに気付かず,誤り音を正しい音と いう範疇に含めてしまうと説明している.今回の結果から,異常構音を産出す る口蓋裂患者においても,自分が産出した異常構音の誤りを検出するモニター の基準にズレがあると考えられる.正しい音を産出し日常会話に般化させてい くためには,自己産出音に対するモニターの基準のズレが修正されなければい けない29).今後は,異常構音を有する患者の語音弁別能を経時的に評価し,異 常構音が改善した患者と残存している患者の違いを検討する必要がある.

他人が産出する異常構音に対する正聴率は,異常構音を有する口蓋裂患者と 対照群の間で大きな差は認められなかった.このことから,異常構音を有する 口蓋裂患者は,他人の産出する異常構音に対する外的語音弁別能に問題がある とは考えにくい.異常構音の種類別に弁別の違いをみたところ,異常構音サン プルが自分自身と同じ異常構音か異なる異常構音かで外的語音弁別能に差はな かった.全例を通じて異常構音サンプルの種類によって弁別しやすい音と弁別 しにくい音がみられた.どの症例においても声門破裂音に対する弁別は良好で あったが, 口蓋化構音,側音化構音に対する弁別は悪かった.特に側音化構音

(33)

に対する弁別は悪かった.これらは米田ら23)と同様の結果であり,異常構音自 体の難度に差があるという意見を支持する結果であった.声門破裂音は子音が 途切れ途切れに聴取され,子音が母音のように聞こえる音のため比較的弁別し やすく,口蓋化構音や側音化構音は曖昧ながらそれらしく聴取できる歪み音30)

であるため,弁別が困難であると考えられる.このことが口蓋化構音と側音化 構音が自然に治癒しづらい原因のひとつであると考えられた.

言語療法において,患者自身の発音をテープに録音して聴かせて自分の異常 構音を自覚させることがある.そこで,患者自身の声をテープに録音して聴か せた場合の外的語音弁別能をみたところ,ほとんど弁別できていないことが判 った(図 4).患者自身が産出する異常構音に対しては内的語音弁別能のみなら ず,外的語音弁別能も不良であった.これのことから,異常構音が改善してこ ない患者に対して,自分の声を録音して聴かせるだけでは有効な訓練方法にな らない可能性が示唆された.異常構音を有する口蓋裂患者は,他人の産出する 正常構音に対する外的語音弁別能は良好なことから,正常構音サンプルと患者 自身の誤り音を比較提示して聴かせ,自分の誤りを自覚させることが有効と考 えられる.この比較を繰り返すことで自己の誤りを検出するモニターの基準の ズレを修正しやすくなるのではないかと考えられる.

他者産出の正常構音に対する外的語音弁別能は問題ないにも関わらず,患者 自身が産出した正常構音に対して誤っていると自己判定した症例が認められた.

異常構音を有する口蓋裂患者は,自分の声に対する基準と他人の声に対する基 準が異なるのではないかと考えられる.したがって,自分の異常構音に触れる

(34)

期間が長くなるほど,弁別の基準のズレを修正することが困難になる可能性が ある.

本研究の検査を施行するにあたって,全例で聴力検査を行い,1) 防音室を使 用する必要があること,2) 低年齢児症例では検査方法を理解することが難しい こと,3) 患者の治療の一環として診療に合わせて行う必要があること,4) 検 査自体に約 1 時間以上の時間を要する,といった問題があり,検査を頻回に行 うことが難しかった.今後は,口蓋裂の術後患者の正常構音獲得過程における 語音弁別能の経時的変化を評価していく必要があり,低年齢児でも理解できる 簡便な検査方法を検討する必要性がある.

Ⅳ-5. 小括

本研究で以下のことが明らかとなった.

1.異常構音を有する口蓋裂患者の正常構音に対する外的語音弁別能は問題が なかった.

2.異常構音に対する外的語音弁別能は対照群と差はなかった.

3.異常構音サンプルの種類や音のレベルにより弁別難度が異なった.

4.患者自身の産出する音に対しては, 内的語音弁別能,外的語音弁別能とも に低く,自分の誤りを自覚できないことが異常構音の改善を困難にしてい る原因のひとつと考えられた.

(35)

. 総 括

口蓋裂患者の言語障害の改善に影響を及ぼす因子として,鼻咽腔閉鎖機能不 全の状態で長期経過することや患者自身の産出する異常構音に対する語音弁別 能の低下などが考えられた.長期間鼻咽腔閉鎖機能不全の状態が続いていた症 例では,口蓋裂二次手術により環境が改善されても,総合判定で鼻咽腔閉鎖機 能良好となることは難しく,鼻咽腔閉鎖機能不全が早期に改善されることの重 要性が再認識された.一方,鼻咽腔閉鎖機能は獲得されたにもかかわらず異常 構音が改善しない症例では,患者自身の声に対する語音弁別能が低く,患者自 身の産出する異常構音を自覚できないことが異常構音改善の妨げになっている と考えられた.また長期間鼻咽腔閉鎖機能不全が残存し,成人期に咽頭弁形成 術を施行した症例においても異常構音に対する自覚ができなかった.今後は自 分の異常構音を正確に自覚し,自己修正できるような簡便な訓練方法を検討す る必要があろう.

(36)

. 謝 辞

稿を終えるにあたり,御懇篤なるご指導をいただきました中村誠司教授に深 甚なる謝意を表します.また,直接ご指導いただきました九州大学大学院歯学 研究院口腔顔面病態学講座顎顔面腫瘍制御学分野笹栗正明准助教,鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科先進治療科学専攻顎顔面機能再建学講座口腔顎顔面外 科学分野緒方祐子博士,福岡市立発達教育センター今村亜子博士,終始検査の 遂行にご協力頂きました九州大学病院言語療法室長谷川幸代言語聴覚士に深謝 いたします。最後に常に励ましの言葉を頂きました九州大学大学院歯学研究院 口腔顔面病態学講座顎顔面腫瘍制御学分野の皆さまに深く感謝いたします。

(37)

. 参考文献

1) 高橋庄二郎:口唇口蓋裂の基礎と臨床.p653,日本歯科評論社,東京,1996.

2) 相野田紀子:1歳台で施行した口蓋裂初回手術例の構音.日形会誌,1:49-63,

1981.

3) 岡崎恵子,加藤正子,鬼塚卓弥,他:口蓋裂初回手術後の言語成績.日口蓋 誌,10:161-168,1985.

4) 平本道昭:Pushback法による口蓋裂手術.形成外科,28:278-284,1985.

5) 高戸 毅,伊東 優,亀井 真,他:咽頭弁手術後の鼻咽腔閉鎖機能の検討.

日形会誌,8:435-443,1988.

6) 岡崎恵子,加藤正子,鬼塚卓弥,他:咽頭弁術後の言語成績.形成外科,31:

202-208,1988.

7) 岡崎恵子:口蓋裂二次手術について-言語の立場から-.日口蓋誌,18:

163-166,1993.

8) Craig D. Hall, Karen J. Golding-Kushner, M. A., Ravelo V. Argamaso, et al.:

Pharyngeal Flap Surgery in Adults. Cleft palate J. ,28:179-183,1991.

9) 三浦真由美,渡辺陽子,平野 実 : 咽頭弁形成術(平野法)後の鼻咽腔閉鎖機 能.音声言語医学,25 : 285-294,1984.

10) Moll, D.L.: Factors related to the success of pharyngeal flap procedures. Plast.

Reconstr. Surg, 32:581-588, 1963.

11) 高戸 毅,朴 修三,北野市子,他 : 就学前における咽頭弁手術の術後成 績および合併症の検討.日口蓋誌,19 : 57-65,1994.

12) 大平章子,岡崎恵子,相野田紀子,他 : 鼻咽腔閉鎖機能検査法について.

音声言語医学,34 : 298-304,1993.

13) 今富摂子,角谷徳芳,他:鼻咽腔ファイバー所見における鼻咽腔閉鎖動態,

日口蓋誌,20:172-180,1995.

14) 相野田紀子,鈴木重忠:口蓋裂症例の鼻咽腔閉鎖機能簡易評価法としての Blowing Ratioの利用.音声言語医学,19 : 261-266,1978.

15) 舘村 卓,平田創一郎,福本雅美,他:境界線上の鼻咽腔閉鎖機能不全状 態における内視鏡所見とnasalance scoreの乖離.Palatal Lift Prosthesis(パラ タルリフト)作成過程に伴うnasalance scoreの変化.音声言語医学,40:107-113,

1999.

16) 平田創一郎,和田 健,舘村 卓,他:関西方言話者におけるナゾメータ 検査での日本語被検文と鼻咽腔閉鎖機能不全の評価. 日口蓋誌,27:14-23,

2002.

(38)

17) 緒方祐子,中村典史,窪田泰孝,他:ナゾメータ検査による口蓋裂患者の 鼻咽腔閉鎖機能評価‐鼻咽腔閉鎖機能の客観的評価基準の検討‐.日口蓋誌,

28 : 9-19,2003

18) 阿部雅子,加藤正子,斉藤佐和子,他:構音検査法(試案1).音声言語医 学,22:209-217,1981.

19) 船山美奈子,阿部雅子,加藤正子,他:構音検査法に関する追加報告.音 声言語医学,30:283-292,1989.

20) 田口恒夫 : 言語障害治療学.37-38,医学書院,東京,1966.

21) 西尾順太郎,松矢篤三,三村 保,他:Pharyngeal flap operation の適応基準 について.日口蓋誌,1 : 45-51,1976.

22) 高戸 毅監修,須佐美隆史,米原啓之編集:口唇口蓋裂のチーム医療.81, 金原出版,東京,2005.

23) 米田 真弓,和田 健:口蓋裂異常構音における語音の弁別に関する研究.

日口蓋誌, 24:1-9,1999.

24) Nicholas, W.B. and John, E.B.: Articulation and phonological disorders. 4th ed.

Boston, a Person Education Company. 1998.

25) 日本聴覚医学会編集:聴覚検査の実際.单山堂,東京,2004.

26) 熊井和子,相野田紀子,阿部雅子,他:口蓋裂言語の検査法について‐ 構音 検査に関する試案.音声言語医学,25:169-173, 1984.

27) 阿部雅子,加藤正子,斉藤佐和子,他:構音検査法(試案 1).音声言語 医学,22:209-217,1981.

28) 船山美奈子,阿部雅子,加藤正子,他:構音検査法に関する追加報告.音 声言語医学,30:283-292,1989.

29) 今村亜子:言語発達過程における「誤り」と「修正」に関する考察. 九州大 学人文科学府博士論文. 1996.

30) 床井明子, 岡崎恵子:/r/および/s/における語音弁別の発達と構音の獲得(抄), 聴能言語研究, 13-2, 134, 1996.

(39)

Ⅷ 質疑応答

1.自分の声に対する外的語音弁別能が低いのはなぜか?

異常構音患者は,「自己産出音に対する範疇的な知覚の基準」のズレ、い わゆる「自己産出音の誤りのズレを検出するモニターの基準」が,正常構音 者とは異なっているために,自己の誤りに気付かず,誤り音を正しい音とい う範疇に含めてしまい,自分の声に対する外的語音弁別能が低くなっている と考えている.

2.自分の異常構音に対する弁別はできないが,(自分と同じ種類の)他人の異 常構音は弁別できるのはなぜか?

同じ種類の異常構音でも,誤りのターゲットとなる音素が患者によって異 なることや,「モニターの基準のズレ」が患者ひとりひとりで異なっている ため,同じ種類の異常構音にも関わらず,他人の声であれば弁別できるので はないかと考えている.

3.声門破裂音や口蓋化構音は文章に対する正聴率が高いにもかかわらず,側 音化構音では正聴率が低いのはなぜか?

側音化構音は音の歪みの程度がわずかであるため声門破裂音などに比べわ かりにくい音であることや,文章では他の音に紛れてしまうために,正聴率 が低かったと考えられる.

4.口蓋裂に限らず,一般的に言語に問題がある患者ではどうであるか?

口蓋裂患者のように器質的に問題がないにもかかわらず,言語障害を認め る機能性構音障害患者に対する患者の異常構音と語音弁別能の関連性は,長

(40)

年研究が行われており,異常構音と語音弁別能との関連性があるとの報告も あるが,まだ結論は得られていない.

5.口腔内圧が高い文,低い文とは何か?

破裂音や摩擦音は口腔内圧を高めて産出される音であり,一方,母音や半母 音では口腔内圧が低くても産出できる音である.口腔内圧の高い音を多く用 いて作成された文を口腔内圧が高い文,口腔内圧の低い音を多く用いて作成 された文を口腔内圧が低い文とし,口腔内圧の違いによる鼻咽腔閉鎖の状況 を比較するための課題とした.

6.口蓋二次.手術はいつやるべきか?また,年齢が高いと予後は悪いのか?

手術時期に関しては,就学前の5-6歳頃や10歳前後など,施設によって報 告は異なるが,当科ではアデノイドの消退を考慮し,10-12歳前後に施行する ことが多い.ただし,re-pushback術は,咽頭弁形成術に比べ,術後の愁訴も 尐ないため,症例によっては6-7歳頃に施行することもある.

年齢が高いと術後の言語成績は良くないとの報告が多い.その原因として,

本研究でも述べた,「長期間鼻咽腔閉鎖機能不全が残存していることによる悪 習癖の習慣化」以外にも,学校や会社などにより言語訓練に通うことが困難 であることや,咽頭側壁や後壁の筋肉の動きの低下などが報告されている.

7.裂型や裂幅を検討した報告はあるか?

裂型や裂幅の違いによる報告は,現在のところない.

8.今回の研究を臨床にどのようにいかすか?

今回の研究で,正常構音に対する弁別能は良好だが,患者自身の異常構音 に対する弁別能は低いことがわかった.現在の訓練では,患者自身の声をテ ープに録音して弁別訓練を行っているが,今後は正常構音と患者自身の声を 録音したテープを比較し,音の違いを認識させながら訓練を行ってはどうか

(41)

と考えている.

9.知覚基準のズレを検出する方法はあるか?

現在その方法を考えているところであり,今後の検討事項である.

10.卖音,卖語および文章に分けた理由は何か?また分けずに正常群と比較し たらどうなるか?

卖語や文章では,前後の音による意味理解の影響を受けやすいため,今回 の研究では,各音のレベルに分けて比較を行った.本研究では,分けずには 比較検討を行わなかったが,側音化構音群では正聴率が低く,声門破裂音で は正聴率が高いのではないかと予測している.

11.言語中枢についてはどのようになっているのか?

脳波との関連をみる研究もあると聞いたことはあるが,異常構音と言語中 枢との関連性についてはまだはっきりとしたことがわかっていないとされる.

12.鼻咽腔閉鎖機能の総合判定を 3 段階に分けるのではなく,各評価項目のデ ータで比較したらどのような結果が得られたか?

ナゾメータ検査の結果が術後の言語成績を反映しているのではないかと考 えられた.今回はローデータの比較を行っていないため,今後行っていきた いと考えている.

13.会話明瞭度の改善が症例4ではみられなかったのはなぜか?

症例4では,鼻咽腔閉鎖機能は改善したものの,開鼻声や鼻漏出による 子音の歪みは残存し,異常構音の程度は改善していなかったことから,会 話明瞭度は不変だったと考えられた.

(42)

14.咽頭弁形成術の術式は?術後の合併症はあるか?

咽頭後壁より粘膜弁を起こし,これを軟口蓋後端に縫着して鼻咽腔閉鎖機 能を補助する方法である.当科では弁の先端を折りたたむ,folded pharyngeal flap法を行っている.

術後の合併症としては,睡眠時無呼吸症候群や顎発育への影響などがあげ られる.

15.対象年齢を低くして同じ研究を進めると,どのような結果が得られるか?

語音弁別能に問題がある症例と,問題がない症例に,結果が分かれるので はないかと考えている.語音弁別能に問題がないとされる症例は,訓練にて 言語障害は改善されるが,語音弁別能に問題がある症例は,言語障害が残存 するのではないかと予測している.

現在の検査方法では,低年齢児に検査方法が理解しづらいため,より簡便 な方法を考える必要があると考えられる.

16.対照群と異常構音群の正聴率の動きが,同じような傾向を示すのはなぜか?

異常構音群も,患者自身の異常構音に対する弁別能は低いが,その他の音 に対する弁別能には問題ないため,対照群と同じような傾向を示すと考えて いる.

17.語音弁別能の本態は?

「知覚のズレ」の問題だと考えているが,これを立証する方法を現在検討中 である.

18.「弁別」と「般化」の違いは?

(43)

「弁別」は「音の違いを聴きわけること」であり,「般化」は獲得した音を 恒常的に使用できるように習得することである.

19.鼻咽腔閉鎖機能の総合判定の基準は?

鼻咽腔閉鎖機能の評価項目がすべて不全なものは総合判定においても「不全」, またすべて良好なものは「良好」である.各評価項目でばらつきがあるものは,

各評価項目の結果を参考に「軽度不全」か「不全」に分けられているが,「聴覚 判定」に基づいていることが多いとされている.より客観的にわかりやすく判 定できるように,各評価項目をスコア化する方法を検討している.

表 3   術前・術後の鼻咽腔閉鎖機能総合判定と異常構音 3)  会話明瞭度 術前に異常構音を認めなかった症例 1 の術前の会話明瞭度は「2.  時々わから ないことがある」であり,術後に鼻咽腔閉鎖機能を獲得して正常な言語になり, 会話明瞭度は「1

参照

関連したドキュメント

直流電圧に重畳した交流電圧では、交流電圧のみの実効値を測定する ACV-Ach ファンクショ

浮遊粒子状物質の将来濃度(年平均値)を日平均値(2%除外値)に変換した値は 0.061mg/m 3 であり、環境基準値(0.10mg/m

また、 NO 2 の環境基準は、 「1時間値の1 日平均値が 0.04ppm から 0.06ppm までの ゾーン内又はそれ以下であること。」です

格納容器圧力は、 RCIC の排気蒸気が S/C に流入するのに伴い上昇するが、仮 定したトーラス室に浸水した海水による除熱の影響で、計測値と同様に地震発

1  第 52.11 項(綿織物(綿の重量が全重量の 85%未満のもので、混用繊維の全部又は大部分 が人造繊維のもののうち、重量が 1 平方メートルにつき

全ての因子数において、 20 回の Base Model Run は全て収束した。モデルの観測値への当

 冷凍庫及び冷蔵庫周辺の温度を適正な値に設定すること。

 冷凍庫及び冷蔵庫周辺の温度を適正な値に設定すること。