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橋 本 光 憲 長 島 常 光

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銀 行 経 営 の コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス の 評 価

橋 本 光 憲 長 島 常 光

は じ め に

コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ンス に 関 す る研 究 も こ こ数 年 で か な り進 捗 して い る 。 しか し、 こ の コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ンス の 定 義 は様 々 に あ る(注1)。

ま た 、 一 般 企 業 に係 る コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ンス の 評 価 もす で に い くつ か の 試 み (注2)が あ る 。 しか し な が ら 未 だ例 を み て い な い の が 、 課 題 の 「銀 行 経 営 の コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス の 評 価 」 で あ る 。 そ こで 筆 者 は ま だ 誰 もが 手 を つ け て い な い こ の 課 題 へ の 取 組 み を試 み よ う と思 う。 しか し、 そ の 評 価 基 準 の 対 象 は 代 表 的 な

「公 開 され て い る大 銀 行 グ ル ー プ 」 に 絞 り込 ん で 考 察 した い 。

「銀 行 経 営 の コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス の 評 価 」 とい っ て も まず コ ー ポ レー ト ・ ガ バ ナ ンス の 基 準 を ど う考 え て 評 価 す る か と い う問 題 が あ る。 現 在 わ が 国 の 四 大 銀 行 に は 、 不 良 債 権 の 処 理 と い う大 き な課 題 が あ る 。 こ の 課 題 が 解 決 さ れ な い 限 り、

銀 行 へ の投 資 家 ・株 主 に 取 っ て も株 価 お よ び 配 当 の 受 領 と い う点 で 問 題 が 残 る 。 ま た 、 銀 行 の 債 権 者 で あ る 預 金 者 に取 っ て も 、 公 的 資 金 を投 入 した 日本 国 に と っ て も 債 務 者 で あ る 銀 行 の 安 全 性 ・健 全 性 ・収 益 性 ・自 己 資 本 比 率(BIS規 制)や 成 長 性

に対 し て不 安 を持 っ て い る。

こ こ で 本 論 に 入 る前 に コ ー ポ レ ー ト ・ガバ ナ ン ス(以 下 、 企 業 統 治 と称 す る)の 定 義 を 明 らか に して お き た い 。

企 業 統 治(コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス)に つ い て は 、 そ の 概 念 が1990年 代 初 め に 米 国 か ら入 っ て き た 。 丁 度 バ ブ ル 経 済 が 崩 壊 した 直 後 の わ が 国 で は 、 企 業 不 祥 事 が 続 発 し、 そ の 後 一 般 企 業 ・銀 行 ・証 券 の 破 綻 も相 次 ぎ企 業 統 治 の 問 題 が 漸 次 論 議 さ れ 始 め て い た 。 旧 大 蔵 省 に よ る 事 前 指 導 に よ る金 融 行 政 は 金 融 庁 の 事 後 チ ェ ッ ク 方 式 に替 わ り、 現 在 、 機 関 投 資 家 ・株 主 を 中心 とす る市 場 メ カ ニ ズ ム は 急 速 な 銀 行 改

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国 際 経 営 フ ォ ー ラ ムNo.14

革 を促 して い る。 す な わ ち、市 場 が銀 行 の モニ タ リ ング役 に転 換 しつ つ あ る とい え る。 地方 銀 行 で は預 金 の流 失 と自己資 本 比 率 の低 下 に見舞 わ れ、 大 銀行 も4つ の メ ガバ ン ク ・グ ル ー プ に集約 され た。 いず れ も 自己 資本 比 率 の低 下 問 題 と経 営 健 全 化 問題 に腐 心 して い る。 視点 を変 えれ ば これ らはす べ て企 業 統 治 の問 題 で もあ る。 企 業 統 治 の法 的 な枠 組 み と して の商 法 改 正(注3)も す で に2回 行 われ た。企 業 統 治

とは 、一体 どの よ うに考 えれ ば適 切 な の だ ろ うか。 筆 者 は次 の よ うに考 え る。

株 式 会社(以 下 、 会 社 とい う)が 法 的 な所 有 者 で あ る株 主(投 資 家)に 対 して 、 お よび会社 が取 引 を通 じて生 じる利 害 関係 者 お よび社 会 環境 や従 業 員 に対 して 、株 主 価値 を最 大化 にす る た め に行 う継 続 的 な企 業 の理 念 ・行動 ・行 為 のす べ て を指 す もの で は ない だ ろ うか。 す な わ ち、 会社 とは、企 業 の 法 的所 有 者 で あ る株 主 か ら経 営 を委 任 され た経 営 者 が、 株 主 ・利 害 関係 者 ・従 業 員 ・社 会 環境 に対 して株 主 価値 の 最 大 化 を図 るた め に 、企 業 理念 ・方針 を立 て合 法 的 に、効 率 的 ・合 理 的 な経 済 的 行 為 ・行 動 を行 い継 続 的 に収 益 を挙 げ るべ く、 当該 企 業 を存 続 させ て い こ う とす る 団 体 ・組 織 で あ る と定義 で きる。

で は、 そ の よ うな企 業 が どの よ う に運 営 され た ら会 社 の株 主 価 値 が 最 大 化 され る の か 、 この枠 組 み と運 営 方 法 ・運 営 そ の もの を コーポ レー ト ・ガバ ナ ンス、 す なわ ち企 業 統 治 で あ る と考 え る。

本 稿 の課題 は、 そ の運 営 を どの よ うな基 準 で評 価 した らよい の か で あ る。

こ こで筆 者 は この課題 が まだ未 公 表 の銀行 に絞 って考 え て い きた い。 まず 、 そ の 前 に、一 般 企 業 の 企 業統 治 に係 る評 価 基 準 につ い て 、先 行 研 究 の うえ公 表 され て い

る三機 関 か らの評 価 方 法 を比較 検 討 しなが ら試 案 に入 る。

<論 文 の 構 成>

1章 ス タ ン ダ ー ド&プ ア ー ズ の コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ンス の ス コ ア 基 準 2章 日本 コ ー ポ レ ー ト ・ガバ ナ ンス ・イ ン デ ク ス研 究 会(JCGR)のJCGIndex 3章 ゴ ー ル ドマ ンサ ッ ク ス の コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ンス

4章 一 般 企 業 へ の コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 評 価 基 準 の 三 比 較 5章4大 銀 行 の コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ンス 評 価 基 準 の 試 案

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第1章 ス タ ン ダ ー ド&プ ア ー ズ の企 業統 治 ス コ ア基 準

第1節 ス タ ン ダ ー ド&プ ア ー ズ の 企 業 統 治 ス コ ア の 定 義

ス タ ン ダ ー ド&プ ァ ー ズ(以 下 、S&Pと もい う)は 、 「1998年 に コ ー ポ レ ー ト ・ ガバ ナ ンス 基 準 の た め の 評 価 方 法 を 開 発 した 。 こ の 手 法 の 開 発 は 、 多 くの 国 際 機 関 お よ び コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス を 実 践 す る 上 で の 原 則 を統 合 した 」(注4)も の で あ る と し、 同 社 は コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ンス ・ス コ ア の 定 義 を 「コ ー ポ レー ト ・

ガバ ナ ンス ・ス コ ア は 、 優 れ た コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ンス ・プ ラ ク テ ィ ス の 規 約 お よ び 指 針 を 現 時 点 で 企 業 が ど の 程 度 ま で 採 用 し、 遵 守 して い る か に 関 す る 見 解 で あ る」(注5)と して い る 。

第2節 コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス ・ス コ ア の 概 念 次 に 同 社 の そ の 基 準 を 同 社 の 公 開 資 料 か ら見 て み た い 。

「コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ンス ・ス コ ア(CGSと 略 す)は 、 企 業 が 現 時 点 に お い て 財 務 的 利 害 関 係 者 の 利 益 に 明 確 に 資 す る 、 優 れ た コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス の 規 約 お よ び 指 針 を どの 程 度 、 ま で 採 用 し遵 守 して い る か に 関 す る 、 ス タ ン ダ ー ド&プ ア ー ズ の 見 解 で あ る 。 ス タ ン ダ ー ド&プ ア ー ズ のCGSに お い て は 、 コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ンス は 企 業 の 経 営 陣 、 取 締 役 、 株 主 お よ び そ の 他 財 務 的 利 害 関 係 者 の 相 互 関 係 を 内 包 す る もの とす る 。

企 業 が ど の 程 度 コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ンス の 優 れ た 規 約 お よ び 指 針 を採 用 し、 遵 守 して い る か と 、 「CGS‑1」(最 低)か ら 「CGS‑10」(最 高)ま で の コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ンス ・ス コ ア に よ っ て 表 され る 。 加 え て 、 下 記 の4つ の 項 目 に つ い て 、 そ れ ぞ れ 「1」(最 低)か ら 「10」(最 高)ま で の ス コ ア が 付 与 され 、 総 合 的 なCGS

を形 成 す る 」(注6)と して い る 。 た だ し、 「そ の 形 成 す る4つ の 項 目 の 評 点 は そ れ ぞ れ の 項 目 に 点 数 付 け を し、 細 目 の 平 均 が そ れ ぞ れ4つ の 大 枠 の 点 と な り、4つ の 大 枠 の 点 数 の 平 均 が 最 終 の 点 と と な る 。 そ れ ぞ れ の 項 目 に つ い て 具 体 的 な 判 断 の 指 標 は 公 開 して い な い が 、 どの 企 業 に も公 平 に適 用 され る もの 」(注7)と して い る 。

1株 主 構 成

o株 式 所 有 者 の 透 明性

o株 式 所 有 の 集 中 お よ び影 響 2財 務 的 利 害 関 係 者 との 関 係

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国 際 経 営 フ ォ ー ラ ムNo.14

o株 主 総 会 の規 定 の容 易 さ、 ア クセ スの容 易 さお よび O議 決 お よび株 主 総 会 の 手続 き

o所 有権(所 有 権 の登 録 と譲 渡 お よび公 平 性) 3財 務 の 透 明性 と情 報 開示

o情 報 開 示 の 質 と内 容

o開 示 の タイ ミ ング と開示 情 報 へ の ア クセ ス o監 査 法 人 の独 立 性 お よび地位

4取 締役 会 の構 成 とプ ロセ ス

o取 締 役 会 の構 成 お よ び プロ セ ス o取 締 役 会 の役 割 お よ び有 効 性

。社外 取 締 役 の役 割 お よび独 立 性

O取 締 役 お よび経営 陣 の報 酬 、評価 お よび承 継 方 法

第3節 コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 基 準 改 善 の 必 要 性

OECDの コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則(注8)前 文 に お い て 、 「加 盟 国 お よ び 非 加 盟 国 が そ れ ぞ れ の 国 の コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス に 関 す る法 律 、 制 度 、 規 制 の 枠 組 み を評 価 し、 改 善 す る 努 力 を支 援 す る こ と、 ま た 証 券 取 引 所 、 投 資 家 、 企 業 、 お よ び 優 れ た コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ンス の 開 発 に お い て 役 割 を果 た す そ の 他 関 係 す

る 組 織 に対 し、 指 針 と提 案 を提 供 す る こ と を意 図 して い る 」 と し て い る。

こ のOECDの コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ンス 原 則 の 意 見 を受 け て 、 ス タ ン ダ ー ド&プ ア ー ズ は 「高 度 な ガバ ナ ンス 基 準 は 、 世 界 の 資 本 市 場 の 投 資 家 を引 き付 け 、 つ な ぎ と め て お こ う と努 力 す る 企 業 に と っ て 重 要 な 要 素 で あ る 。 企 業 の 多 くは 、 自社 と他 社 と を 区 別 す べ く、 優 れ た コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ンス 基 準 に焦 点 を 当 て て い る 。

新 興 国 に お い て は 、 コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス の 質 は 大 き く異 な る。 多 くの 国 に お い て ガ バ ナ ン ス の 弱 さが 投 資 収 益 に マ イ ナ ス に 影 響 し、 国 家 ひ い て は 地 域 レベ ル で の よ り大 き い 構 造 的 な 問 題 に発 展 しか ね な い 。

コ ー ポ レー ト ・ガバ ナ ン ス の 基 準 を導 入 し、 新 興 市 場 の 透 明 性 を築 く こ と の 必 要 性 が 、 ま す ま す 認 識 され 始 め て い る 。 多 国 間 開 発 銀 行 は 、 コ0ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス に 対 す る 認 識 お よ び 概 念 的 な 理 解 を 深 め 、 政 府 お よ び 企 業 の 双 方 が コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス の 改 善 に 向 け て 実 践 的 な 手 段 を 講 じる 方 法 を積 極 的 に模 索 し て い る 。 す べ て の 国 の あ ら ゆ る 企 業 に 当 て は ま る コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス の モ デ ル は 存 在 し な い 。 しか し、 法 的 、 政 治 的 、 お よ び 経 済 環 境 に 幅 広 く適 応 で き る基 準 は 存

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在 す る 」(注9)と し て 、OECDの 主 な 原 理 と し て 以 下 の4つ を 抽 出 し て い る 。

*公 正 性(Fairness)*説 明 責 任(Accountability)

*透 明 性(Transparency)*業 務(Responsibility)

第4節CGS手 法 の 方 向 性

ス タ ン ダ ー ド&プ ア ー ズ は 、 同 社 のCGS手 法 の 方 向 性 を次 の よ う に 解 釈 して い る 。

「コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス の プ ロ セ ス は 、 債 権 者 に 対 す る債 務 履 行 能 力 と、 企 業 が 自 己 資 本 の 価 値 と株 主 へ の 配 当 を最 大 化 す る 能 力 の 両 方 に 影 響 し う る こ と を前 提

と して い る こ と を 示 す もの で あ る 。 一 般 的 に

、 コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ンス の 規 約 や 指 針 は 、 主 に株 主 に 焦 点 を 当 て て お り、 そ の 他 の 利 害 関 係 者 へ の 注 目 度 は 比 較 的 低 い 。(中 略)… ス タ ン ダ ー ド&プ ア ー ズ のCGSに お い て は 、 債 権 者 と株 主 の 両 者 の 権 利 を 考 慮 す る こ と に よ っ て 、 株 主 の 権 利 に と ど ま ら な い 利 害 関 係 者 の 権 利 の 重 要 性 を 認 識 して い る。 従 っ て 、 こ の 手 法 は 、 コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス に 異 な る ア プ ロ ー チ を と る 世 界 中 の 多 くの 国 々 で 適 用 可 能 で あ る 。 す な わ ち 、 こ のCGSは 利 害 関 係 者 の 中 で も特 に財 務 的 利 害 関 係 者 、 と りわ け 株 主 を意 識 した もの 」 と な っ て い る と して い る(注10)。 そ して 、 こ の 手 法 で も っ て 、 企 業 の 経 営 、 取 締 役 会 株 主 とそ の 他 財 務 的 利 害 関 係 者 間 の 相 関 関 係 に つ い て 分 析 を行 う と して お り、 次 の4つ の 要 素 に基 づ くガ バ ナ ンス の 包 括 的 な 基 準 に つ い て 評 価 を行 う と して い る 。

*株 主 構 成

*財 務 的 利 害 関 係 者 との 関 係

*財 務 の 透 明 性 と情 報 開 示

*取 締 役 会 の 構 成 と プ ロ セ ス

第5節 コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス ・サ ー ビ ス の 構 成

ス タ ン ダ ー ド&プ ア ー ズ の コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス ・サ ー ビ ス は 、 以 下 の2部 構成 と な っ て い る(注11)。

「1.カ ンパ ニ ー ス コ ア:企 業 の 経 営 陣 、 取 締 役 、 株 主 、 お よ び そ の 他 利 害 関 係 者 間 の 相 互 作 用 の 有 効 性 。 こ れ は 個 々 の 企 業 に お け る 」 ガ バ ナ ンス の 社 内 組 織 に お け

る ガ バ ナ ン ス と プ ロ セ ス に 注 目 す る も の 。

2.国 の ガ バ ナ ン ス 分 析:法 律 、 規 制 、 情 報 、 お よ び 市 場 の イ ン フ ラ の 有 効 性 。 こ

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れ は 、 マ ク ロ レベ ル で の 外 部 の 力 が 、 い か に企 業 の コ ー ポ レー ト ・ガバ ナ ン ス の 質 に 影 響 す る か に 注 目 す る。

コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ンス の 実 践 に は 、 こ れ ら の ミ ク ロ お よ び マ ク ロ の 両 方 の 要 素 が 重 要 で あ る 。 具 体 的 な ス コ ア 要 因 が 、 ガ バ ナ ンス の 実 践 を分 析 す る た め に確 認 さ れ 、個 々 の 企 業 の 客 観 的 な 比 較 分 析 を容 易 に して い る 。国 の 分 析 を 含 め る こ とで 、 国 の ガ バ ナ ン ス 環 境 の 比 較 を容 易 に しな が ら、 個 々 の 企 業 の ス コ ア を よ り国 際 的 な 視 点 で と ら え る こ とが 可 能 と な っ て い る 。

CGSは 、 独 立 し た 意 見 を表 し、 透 明 性 の 高 い 規 準 と標 準 化 され た 分 析 プ ロ セ ス に 基 づ い て い る 。CGSは 監 査 、 格 付 け 、 金 融 ア ドバ イ ス や 特 定 の 行 動 を推 奨 す る も の で は な い 」。

第6節 格 付 け と の 関 係

「コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ンス ・ス コ ア(CGS)」 とい う用 語 は 、 コ ー ポ レー ト ・ ガ バ ナ ン ス ・サ ー ビ ス に よ る ス コ ア リ ン グ の 結 果 を 、 格 付 け と 区 別 す る た め に 用 い

られ る。 格 付 け は 概 して 、 あ る企 業 が 条 件 に 従 っ て 債 務 を返 済 す る た め の財 務 力 に 関 す る 意 見 で あ る 。CGSと そ れ に 伴 う分 析 は 、 さ ま ざ ま な企 業 の 実 践 行 為 に対 して 、 複 数 の 要 素 に よ る 評 価 を行 う も の で あ る 。 そ の 目 的 は 、 最 近 や 現 時 点 に お け る コ ー

ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ンス 基 準 を測 定 す る こ とで あ り、 特 定 の 財 務 実 績 や 業 務 実 績 に 関 す る 意 見 を 述 べ る こ とで は な い 。 コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス は 企 業 の 信 用 力 や 株 式 の 投 資 対 象 と して の 価 値 に影 響 を及 ぼ す もの で 、 ス コ ア 自体 が 企 業 の 信 用 力 や 株 価 に 対 す る 意 見 を表 す もの で は な い 」(注12)と 格 付 け と の 関係 を 明 確 に 示 して い る。

第2章 日 本 コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス ・イ ン デ ク ス 研 究 会(JCGR)の 2002年 度 の コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 調 査 報 告

第1節 同 研 究 会 の 要 約 と 提 言

以 下 は 、 日本 コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス ・イ ン デ ク ス 研 究 会(JCGR)の2002年 度 の コ ー ポ レ ー ト ・ガバ ナ ンス 調 査 報 告 の 要 約 と提 言 で あ る(注13)。

〈 要 約 と提 言 〉

「(1)日 本 コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス ・イ ンデ ク ス研 究 会(JCGR)は 、 東 証 一 部 上 場 企 業(2002年3月11日 時 点 の1、504社)に 対 して 、 コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン

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ス に 関 す る ア ン ケ ー ト調 査 を行 い 、159社 か ら回 答 を得 た 。 そ れ ら の 回 答 に 基 づ き、

JCGRの ガ バ ナ ンス ・モ デ ル を基 準 と し て 、 回 答 各 社 の コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス の 状 態 を指 標 化 した 。 こ の 指 標 をJCGIndexと い う。 指 標 化 に 用 い た モ デ ル は 、 JCGRの 「改 訂 コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 」 を ベ ー ス と して い る 。

(2)回 答 企 業159社 のJCGIndexの 平 均 は 、36.3で あ る。 回答 企 業 の 全 体 像 はJCGR の ガバ ナ ン ス ・モ デ ル か らか な り遠 い こ とが 分 か っ た 。

(3)JCGIndexは4つ の カ テ ゴ リー で 構 成 され る 。 こ の カ テ ゴ リー 別 に み る と 、 と く に取 締 役 会 の 構成 と機 能 に 関 して 、 社 内 シ ス テ ム の 整 備 が 遅 れ て い る 。

(4)JCGIndexは 広 範 に分 布(最 大73、 最 小13)し て お り、 ガ バ ナ ンス 体 制 の 確 立 に 関 して は 、 企 業 間 で 大 き な 差 が み ら れ る 。

(5)JCGIndexが 大 き い 企 業25社(高JGGIndexグ ル ー プ)と 、JCGIndexが 小 さ い 企 業25社(低JCGIndexグ ル ー プ)を 抽 出 して 比 較 した(基 準 は 平 均 か らの1標 準 偏 差 乖 離)。 そ の 結 果 、 資 本 効 率 性 の 指 標 で あ るROA、ROEの 実 績 、 お よ び株 主 の 投 資 実 績 で あ る株 式 投 資 収 益 率 の い ず れ に お い て も 、 前 者 が ま さ る こ とが 分 か っ

た 。

(6)過 去3年 間 に お け る 従 業 員 数 の 変 化 を見 る と 、 低JCGIndexグ ル ー プ で は 従 業 員 数 が 減 少 して い る の に対 して 、 高JCGIndexグ ル ー プ で は 従 業 員 数 が 増 加 して い る 。 しば しば 株 主 利 益 を 高 め る た め に は 雇 用 を 犠 牲 にせ ざ る を得 な い とい わ れ る が 、 こ こ で は 、 む し ろ株 主 利 益 と従 業 員 利 益 との 共 存 関 係 が 垣 間 見 え る 。

(7)JCGIndexと 企 業 業 績 等 との 関 係 は 単 な る 相 関 関 係 で あ り因 果 関係 で は な い こ と に 注 意 が 必 要 で あ る が 、 こ れ らの 分 析 結 果 か ら 、 わ れ わ れ の モ デ ル に 近 い ガバ ナ ン ス 体 制 を とる 企 業 ほ ど、 株 主 に 報 い て い る と結 論 づ け る こ とが で きる 。

(8)わ が 国 企 業 は 、 ガ バ ナ ン ス の あ り方 に よ り注 意 を 払 い 、 現 代 の グ ロ ー バ ル な 環 境 が 要 求 す る 合 理 的 な ガ バ ナ ン ス 体 制 を 早 急 に 確 立 す べ き で あ る 。 そ の 際 、 JCGIndexが 大 い に役 立 つ もの と考 え る 。

分 析 結 果 を見 る と、JCGIndexは 、 個 別 企 業 の ガ バ ナ ン ス 体 制 の 再 構築 に 有 効 で あ る ば か りで な く、 資 産 運 用 は じめ 企 業 の 評 価 に 関 わ る あ ら ゆ る 分 野 に有 用 で あ る と考 え ら れ る 。 回 答 企 業 が 、 積 極 的 にJCGIndexを 公 表 し、 活 用 さ れ る こ と を 希 望 す る」 と提 言 し て い る 。

第2節 調 査 の 目 的

日本 コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス ・イ ン デ ク ス 研 究 会(JCGIndex)は 、 調 査 目 的

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国 際 経 営 フ オ ー ラ ムNo.14

を以 下 の とお り説 明 して い る 。

「本 調 査 の 目 的 は 、わ が 国 の 個 別 企 業 に お け る ガ バ ナ ンス の 現 状 を正 し く把 握 し、

わ れ わ れ の 考 案 した イ ン デ ク ス で あ るJCGIndexと して 指 標 化 す る こ と に あ る 。 日 本 企 業 全 体 のJCGIndexの 状 況 が 明 ら か に さ れ る こ と に よ り、 わ が 国 の 人 々 が 日本 企 業 の 姿 を 新 し い 角 度 か ら 見 つ め 直 す こ と が 可 能 に な る と 考 え る 。 さ ら に 、 JCGIndexは 、 海 外 ビ ジ ネ ス ・コ ミ ュ ニ テ ィ の 対 日理 解 を 一 層 深 め る こ と に 貢 献 し

う る で あ ろ う。

同 時 に 、 こ の 質 問 票 に 対 す る 回 答 の 過 程 を通 して 、 わ が 国 の 企 業 が 、 わ れ わ れ の コ ー ポ レー ト ・ガバ ナ ンス ・モ デ ル に つ い て 理 解 と認 識 を深 め 、 各 企 業 が 自 ら望 ま しい コ ー ポ レ ー ト ・ガバ ナ ン ス を実 践 す る 際 に も、JCGIndexを 役 立 て て い た だ け る 」 で あ ろ う(注14)。

第3節JCGIndexと は

「日本 コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ンス ・フ ォー ラ ム の 「改 定 コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 」 をベ ー ス と して 、 次 の 項 目 を完 備 した 理 想 的 ガ バ ナ ンス 体 制 を モ デ ル と し て 設 定 。 こ の モ デ ル を基 準(JCGIndex=100)と して 、 各 社 が 下 記 基 準 を どの 程 度 満 た して い る か を指 数 で 表 現 し た もの を い う」(注15)と して い る 。

*株 主 の 観 点 か ら の ガ バ ナ ンス

*明 確 な 企 業 目標

*最 高 経 営 責 任 者 の 責 任 体 制

*独 立 取 締 役 を 中 心 とす る取 締 役 会 の 存 在 とそ の 経 営 監 督 機 能

*リ ス ク マ ネ ジ メ ン トを始 め とす る 最 高 経 営 責 任 者 の 経 営 執 行 体 制

*株 主 に対 す る ア カ ウ ン タ ビ リ テ ィ

*IR活 動 を通 じた株 主 へ の 適 切 な情 報 提 供

*デ ィス ク ロ ー ジ ャ ー に よ る 他 の ス テ0ク ホ ル ダ ー に対 す る 透 明 性 の 確 保

第4節 分析結 果

(1)回 答 企 業 の 特 徴

「回 答 企 業 は159社 、 東 証 一 部 上 場 企 業 全 体 の10%強 。 回 答 企 業 と全 上 場 企 業 の 財 務 状 況 を過 去3年 問(1999年 〜2001年)の 連 結 デ ー タの 平 均 に 基 づ い て 比 較 し た (全 上 場 企 業 、 回 答 企 業 と も3年 間 の デ ー タ が 揃 わ な い 企 業 は 比 較 対 象 か ら 除 い

(9)

た)。

総 資 産 、 売 上 高 、 従 業 員 数 等 の 規 模 変 数 を見 る と 回 答 企 業 は サ ン プ ル と して 大 き い ほ う に偏 っ て い る よ う で あ る 。 他 方 、ROA、ROE、 株 式 投 資 収 益 率 に つ い て は 、 回 答 企 業 の ほ うが 平 均 が 高 く、 ま た 平 均 の ま わ りの ば らつ きが 小 さ い 。 以 上 の 違 い

は統 計 的 に も有 意 で あ る 」(注16)。

総資 産(連結) 度数 平均値 最小値 最大値 標準偏差

上場企業 1281 452703.77 1044.67 20169014.33 1287032.76

全回答企業 138 758445.89 11573.00 17959139.33 1938884.85 (百 万 円)

売上 高(連結) 度数 平均値 最小値 最大値 標準偏差

上場企業 1281 375188.37 ・::11 13803427.00 1117902.28

全回答企業 138 728717.39 9626.67 13803427.00 1996759.48 (百 万 円)

ROA(連 結) 度数 平均値 最小値 最大値 標準偏差

上場企業 1177 4,580 一38.297 51,027 4.739(%)

全回答企業 133 5,391 一3.223 18,973 3,943

ROE(連 結) 度数 平均値 最小値 最大値 標準偏差

上場企業 1162 一〇.654 一214 .957 50,590 16.751(%) 全回答企業 133 2,190 一35.023 30,213 8,669

従業 員数(連結) 度数 平均値 最小値 最大値 標準偏差

上場企業 1228 7613.07 31.67 318237.67 21153.78(人)

全回答企業 128 12971.82 262.67 283478.00 34631.21

株式投資収益率 度数 平均値 最小値 最大値 標準偏差

上場企業 1326 4,022 一44 .000 383,867 23.437(%)

全 回答企業 140 6,887 一24 .233 79,400 19,386

(回 答 企 業 に つ い て)

調 査 に 回 答 した 各 社 は 、 コ ポ レー ト ・ガバ ナ ン ス を真 剣 に考 え て い る よ う で 、 パ フ ォ ー マ ンス も相 対 的 に 良好 で あ る。JCGIndex自 体 の 高 低 は と も か く、 回 答 をす る こ と 自体 が 、 先 見 性 と経 営 に 対 す る 積 極 的 な 姿 勢 を 象 徴 して い る と い え る 。

(2)JCGIndexの 分 布

「JCGIndexは 、 最 大73、 最 小13、 平 均36.3で 平 均 の ま わ り に き れ い な 山 形 の 分 布 を 示 し て い る 。

(高JCGIndexグ ル ー一プ と 低JCGIndexグ ル ー プ の 定 義)

JCGIndexが い か な る 企 業 特 性 と 関 係 が あ る か を 分 析 す る た め に 、JCGIndexの

(10)

国 際 経 営 フ ォ ー ラ ムNo.14

平 均 値36.3か ら の1標 準 偏 差(11.2)乖 離 を 基 準 と し て 、 高JCGIndex企 業 と 低 JCGIndex企 業 を 抽 出 し 、 二 つ の グ ル ー プ を 作 成 」(注17)し た 。

高JCGIndexグ ル ー プ:JCGIndexが48以 上 の 企 業 群25社 低JCGIndexグ ル0プ:JCGIndexが25以 下 の 企 業 群25社

(3)カ テ ゴ リー 別 イ ン デ ク ス

「JCGIndexは 、4つ の カ テ ゴ リー ・イ ン デ クス の 合 計 。 第2カ テ ゴ リ ー(取 締 役 会 の 独 立 性 、 監 督 機 能)の 充 足 率 が 他 と比 較 して 小 さ く、 取 締 役 会 と執 行 役 の 機 能 分 離 や 社 外 取 締 役 の 活 用 が 相 対 的 に 進 ん で い な い こ と」(注18)が わ か る 。

カ テ ゴ リ ー ウ エ ー ト 平均 充足率

0 0

②/①

1.企 業 目標 と経営 者 の責任体 制 28 10.9 38.9

2.取 締 役会 の構成 と機 能 29 7.3 25.2

3.最 高経 営責 任者 の経営 執行 体制 25 10.3 4!.2%

4.株 主 等 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン と 透 明 性 18 7.8 43.3

(4)業 種 別 のJCGlndex

「回 答 企 業 が8社 以 上 あ る 業 種 の 平 均JCGIndexは 次 の と お りで あ る(サ ン プ ル の 客 観 性 を確 保 す る と と も に 、 個 別 企 業 のJCGIndexを 秘 匿 す る た め 、 回 答 企 業 が

8社 以 上 あ る業 種 を 示 す)」(注19)。

業 種 の 平 均JCGIndex 食 料 品

繊 維 製 品 化 学 電 気 機 器

〈企 業 特 性 の 相 違 〉 以 下(5)か ら

40 34 36 39.5

品業業ビ製売売一他卸小サ

34.5 40 36 34.5

(9)ま で は 、 上 記 の(2)の 二 つ の グ ル ー プ 、 す な わ ち 高 JCGIndexグ ル ー プ と低JCGIndexグ ル ー プ を用 い て 、JCGIndexの 高 低 に よ る企 業

特 性 の 相 違 を分 析 す る 。

「企 業 特 性 は 、 過 去3年 間(1999年 〜2001年)な い し5年 間(1997年 〜2001年) の 連 結 財 務 諸 表 に 基 づ い て い る 。 こ の 期 間 の デ ー タ が 揃 わ な い 企 業 は 、 高 JCGIndexグ ル0プ 、 低JCGIndexグ ル ー プ 、 全 回 答 企 業 グ ル ー プ と も対 象 か ら除 い

(11)

た。

な お 、以 下 で 、総 資 産 利 益 率(ま た は総 資本 利 益 率)ROAと は、 支払 金 利+税 引 後利 益 を総 資 産(期 首 ・期末 平 均)で 除 した比 率 、 また株 主 資 本 利益 率(ま た は 自 己 資本 利 益 率)ROEと は 、税 引後 利 益 を株 主 資本(期 首 ・期 末平 均)で 除 した比 率

で あ る。 また株 式 投 資 収 益 率 とは、年 間 の配 当お よび株 価 変 化 額(キ ャ ピ タル ゲ イ ン また は キ ャ ピ タル ロス)の 合計 を年 初 の株 価 で 除 した比 率 で あ る」(注20)。

(5)JCGIndexと 回 答 企 業 の 特 性 a)外 国 人 持 株 比 率

「高JCGIndexグ ル ー プ は 、 低JCGIndexグ ル ー プ よ り、 外 国 人 持 株 比 率 が 高 い 」 (注21)Q

社数 外国人持株比率

全 回 答 企 業 グ ル ー プ 高JCGIndexグ ル ー プ 低JCGIndexグ ル ー プ

147社 24 25

12ユ5%

20.97 4.12

b)最 高 経 営 責 任 者 年 齢

「高JCGIndexグ ル ー プ に お い て は 、 低JCGIndexグ ル ー プ よ り、 最 高 経 営 責 任 者 の 年 齢 が や や 若 い 。 しか し、 統 計 的 に は 有 意 な 差 で は な い 」(注22)。

社数 最高経営責任者年齢

全 回 答 企 業 グ ル ー プ 高JCGIndexグ ル ー プ 低JCGIndexグ ル ー プ

146社 24 24

61.32歳 60.58 61.08

(6)JCGIndexと 企 業 規 模

「企 業 の 規 模 を比 較 す る と、 総 資 産 、 売 上 高 お よ び従 業 員 数(い ず れ も過 去3年 間 の 平 均)の す べ て で 、 高JCGIndexグ ル ー プ の ほ うが 低JCGIndexグ ル ー プ よ りは

る か に 大 きい 」(注23)。

社数 総 資産(連 結) 社数 売 上高(連 結) 社数 従 業員 数(連 結)

全 回 答 企 業 グ ル ー プ 高JCGIndexグ ル ー プ 低JCGIndexグ ル ー プ

138 24 18

758,446百 万 円 1,166,522

66,943

138社 24 18

728,717百 万 円 997,873

63,768

128 22 18

12,972人 23,782

2,x.18

(12)

国 際 経 営 フ ォ ー ラ ムNo.14

(7)JCGindexと 企 業 業 績

「総 資 産 利 益 率(ROA)お よ び 株 主 資 本 利 益 率(ROE)と も に 、 高JCGIndexグ ル ー プ の ほ う が 低JCGIndexグ ル ー プ よ り大 き い 」(注24)

社数 ROA(連 結)過 去3年 間平均 ROE(連 結)過 去3年 間平均

全 回 答 企 業 グ ル ー プ 高JCGIndexグ ル ー プ 低JCGIndexグ ル ー プ

133 24 18

5.39 5.94 4.80

2.19%

4.32

‑1 .30

社数 ROA(連 結)過 去5年 間平 均 ROE(連 結)過 去5年 間平均

全 回 答 企 業 グ ル ー プ 高JCGIndexグ ル ー プ 低JCGIndexグ ル ー プ

X24 24 16

4.95 5.66 4.37

1..97%

3.89

‑0 .72

(8)JCGlndexと 株 式 投 資 収 益 率

「株 式 投 資 収 益 率 の 平 均 年 間 収 益 率 は 、 過 去3年 間 で み て も5年 で み て も 、 高 JCGIndexグ ル ー プ の ほ うが 低JCGIndexグ ル ー プ よ り高 い 。 な お 、 一 般 的 に は ハ イ リス ク=ハ イ リ タ ー ン 、 ロ ー リス ク=ロ ー リ タ ー ン と い う関 係 が あ る た め 、 単 純 に 株 式 投 資 収 益 率 の 大 小 で 優 劣 を比 較 で きな い こ と に注 意 が 必 要 」 で あ る(注25)。

社数 株式投資収益率(過去3年 間平均) 株式投資収益率(過去5年 間平均)

全 回 答 企 業 グ ル ー プ 高JCGIndexグ ル ー プ 低JCGIndexグ ル ー プ

140 23 21

6.89%

12.58 ii

一2 .90

3.48

‑8 .88

(9)JCGIndexと 従 業 員 数 の 伸 び

「過 去3年 間 の 従 業 員 数 の 変 化 を比 較 す る と、 高JCGIndexグ ル ー で は 従 業 員 数 が 増 加 して い る の に 対 して 、 低JCGIndexグ ル ー プ で は従 業 員 数 が 減 少 」 して い る (注26)。

社数 従 業員 数の伸 び(過 去3年 間平均)

全 回 答 企 業 グ ル ー プ 高JCGIndexグ ル ー プ 低JCGIndexグ ル ー プ

X28 22

18

1.79%

3.05

‑1 .72

(注 記)「 以 上 、JCGIndexが 高 い 企 業 とJCGIndexが 低 い 企 業 と を抽 出 し比 較 して

(13)

きた が 、 比 較 結 果 を 見 る に 際 して の い くつ か の 注 意 が 必 要 で あ る 。 第 一 に 、 こ れ らの 数 字 は あ く ま で も過 去 の 数 字 で あ り、 必 ず し も 将 来 の 関 係 を示 す もの で も な

いo

第 二 に 、159社 と い うサ ン プ ル サ イ ズ は 、 そ れ 自体 必 ず し も小 さ い もの で は な い が 、 約1、500社 あ る 東 証 一 部 上 場 企 業 の 一 部 に 過 ぎず 、 回 答 企 業 に 関 して 確 定 的 な こ と は 言 え て も 、 全 上 場 企 業 に つ い て は あ く ま で も推 定 に 過 ぎ な い 。 第 三 に 、 JCGIndexと 財 務 特 性 等 と の 関 係 の 存 在 を 指 摘 し た が 、 そ れ ら は 相 関 関 係 で あ り、

必 ず し も因 果 関 係 を意 味 す る わ け で は な い とい う こ と」(注27)で あ る 。

(付記)本 報告 書 で使 用 したデ ー タ(注28)

業 種分 類:東 京 証 券取 引 所 の業 種分 類 に よる

「4.(1)回 答 企 業 の 特 徴 」 「4.(6)JCGIndexと 企 業 規 模 」 「4.(7)JCGIndexと 企 業 業 績 」

項 目名:総 資 産 、 売 上 高 、 従 業 員 数 、ROA、ROE、 の 単 独 ・=連結 決 算 値 対 象:東 証 一 部 上 場 企 業(2002年8月24日 現 在 の1、503社)

期 間:直 近5期(1997年 〜2001年)分

出 所:NEEDS(日 本 経 済 新 聞社 の 総 合 経 済 デ ー タバ ン ク)*8月8日 更 新 版

「4.(1)回 答 企 業 の 特 徴 」 「4.(8)JCGIndexと 株 式 投 資 収 益 率 」 項 目名:年 間 株 式 投 資 収 益 率

対 象:東 証 一 部 上 場 企 業(2002年8月24日 現 在 の1、503社) 期 間:5年 分(1997年 〜2001年)

出 所:日 本 証 券 経 済 研 究 所2001年 株 式 投 資 収 益 率

〈 注 釈 〉

(注1)CGの 定 義 に つ い て は 、 こ れ ま で に種 々 の 定 義 が あ る。 例 え ば 、OECD閣 僚 理 事 会 ・OECD民 間 諮 問 委 員 会 編 、 日本 語 翻 訳 監 修 者 奥 島 孝 康 ・訳 者 代 表 酒 井 雷 太 「OECDの コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス の 原 則 』(金 融 財 政 事 情 研 究 会 、 2001年7月 、11頁)で は 、 コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス を評 して 、 「コ ー ポ レ ー

ト ・ガ バ ナ ン ス に は 、 企 業 経 営 者 、 取 締 役 、 株 主 お よ び そ の 他 の ス テ ー ク ホ ル ダ ー 間 の 相 互 関 係 が 含 まれ る 。 ま た 、 そ の 申 に は 、 企 業 の 目標 、 そ の 目標 を達

(14)

国 際 経 営 フ ォ ー ラ ムNo.14

成 す る 手 段 、 決 定 さ れ た 業 績 の 監 視 の た め の 仕 組 み を提 供 す る」 こ と で あ る と して い る 。

米 国 法 律 協 会 の 「コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス の 原 理:分 析 と 勧 告 (PrinciplesofCorporateGovernance:AnalysisandRecommendations)』 の 研 究 (証 券 取 引 研 究 会 国 際 部 会 訳 編 、 日本 証 券 経 済 研 究 所1994年3月 、70〜71頁) の 中 で 、 「株 式 会 社 の 本 来 の 所 有 者 は 株 主 で あ る が 、 企 業 で は 必 ず し も株 主 の 利 害 を 反 映 した 経 営 は 行 わ れ て お らず 、 株 主 の 権 利 確 保 の た め に は 経 営 者 が 株 主 の 利 益 に合 致 した 経 営 を 行 わせ る 力 、 す な わ ち 、 コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ンス が 必 要 で あ る 」 と企 業 は 株 主 の も の とい う 基 本 的 な 考 え 方 を 明 確 に 指 摘 した 。

こ の こ と は 、 二 つ の 重 要 な 接 点 を 明 確 に し よ う と した 。 す な わ ち 、 「一 つ は企 業 活 動 の 原 動 力 と法 的 正 義 の た め の 手 続 き と の接 点 、 も う一 つ は 経 営 者 の 権 限 と裁 判 所 等 の 権 限 の接 点 で あ る 。」 同 時 に 、 「企 業 の 自 由 と法 の 下 に お け る 責 務 とい う 、 対 立 す る こ と も多 い が と も に広 く支 持 され て い る価 値 観 の 問 に調 和 を も た らす こ と を 目標 と した 。」

こ れ に対 し、 わ が 国 で は 「従 業 員 主 権 論 」 や 「人 本 主 義 」(伊 丹 敬 之 『日本 型 コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ンス 』 日本 経 済 新 聞 社 、2001年9月 、17頁)に 代 表 さ れ る よ う に 、 企 業 は 必 ず し も株 主 の もの だ け で は な く、 従 業 員 を は じめ とす る 企 業 を取 り巻 く さ ま ざ ま な利 害 関 係 者 が 企 業 に対 す る 請 求 権 を持 っ て い る とす る考 え方 が 強 い 。 す な わ ち 、 企 業 の 最 大 の 利 害 関 係 者 は従 業 員 で あ る とす る考 え が 強 く、 そ の 結 果 、株 主 が 企 業 の 法 的 所 有 者 で あ る とい う事 実 が 軽 視 され て い る とい う見 方 が 少 な くな い 。 した が っ て 、 コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス の 定 義 を 「企 業 の 利 害 関 係 者 が 、 自 己 の 利 益 に 合 致 す る経 営 を行 わ せ る こ と を 目的 と して 、 何 ら か の 手 段 に よ っ て 、 経 営 者 の 意 思 決 定 に協 力 を 及 ぼ す こ とで あ る 。」

と して い る。 経 済 企 画 庁 経 済 研 究 所 編 『日本 の コ ー ポ レ ー ト ・ガバ ナ ン ス 』 大 蔵 省 印 刷 局 、1997年3月 、5頁 。

「コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス と は 、 企 業 の 方 向 性 と活 動 内 容 を 決 定 す る 際 、 ス タ ー ク ホ ル ダ ー が 互 い に 作 る 関 係 で あ る 」 と い う よ う に 、 企 業 と い う独 立 し た 組 織 体 に は 、 幅 広 い 構 成 要 素 が 関 係 して くる 。 そ れ は取 締 役 、 経 営 者 、 従 業 員 、株 主 、顧 客 、 債 権 者 、供 給 業 者 そ れ に 地 域 社 会 の 構 成 員 、政 府 な どで あ る。

Robertmonks,NellMinow"CorporateGovernance"(株 式 会 社 ビ ジ ネ ス ブ レ イ ン太 田 昭 和 訳)『 コ ー ポ1レー ト ・ガ バ ナ ンス 』 生 産 性 出 版1999年10月4〜5

頁)。

(15)

以 上 の よ う に"コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス"の 定 義 は 未 だ に 範 囲 が 広 く ・か つ さ ま ざ ま な 定 義 が な さ れ て い る こ と は 確 か で あ る 。 し か し 、 あ る 程 度 の 方 向 性 は 明 確 に な っ て き た と い え よ う 。

(注2)コ ー ポ レ ー ト ・ ガ バ ナ ン ス の 評 価 基 準 の 方 法 に つ い て は 、 す で に 各 国 の コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス の 原 理 ・原 則 を 作 成 す る た め の 基 準 ・標 準 と な る た め のOECDが 発 表 し た"OECDPrinciplesofCorporateGovernance"お よ び

"l

mprovingCompetitivenessandAccesstoCapitalinGlobalMarkets"OECD

閣 僚 理 事 会 ・OECD民 間 諮 問 委 員 会 編 奥 島 孝 康 監 修 、 訳 者 代 表 酒 井 雷 太 の

『OECDの コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 』 金 融 財 政 事 情 研 究 会 、2001年7月 、 V,Vl頁 。

(注3)法 務 省 の イ ン タ ー一 ネ ッ ト検 索 「http://www.moj.go.jp/HOUAN/houan12.

html」 で 改 正 商 法 の 法 律 案 の 要 綱 ・法 律 案 ・理 由 ・新 旧 対 照 条 文 の 閲 覧 が 可 能 で あ る 。 そ の ほ か 平 易 で わ か り や す い も の と し て 、 浜 辺 陽 一 郎 ・田 中 康 之 ・出 馬 幹 也 「こ れ な ら わ か る コ ー ポ レ ー ト ・ ガ バ ナ ン ス 』 学 習 研 究 社(2003年3月 20日 、20頁)。 例 え ば 、 「商 法 改 正 は 平 成13年4月 、 商 法 改 正 要 綱 中 間 試 案 が 発 表 さ れ 、 こ の 中 間 試 案 の 一 部 は 平 成13年 中 に 成 立 、 な お 、 平 成13年 に は こ の 他

に 、 コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 法 案 に 関 し 、 議 員 立 法 で 成 立 し た 。 平 成14年2 月13日 に 、 商 法 改 正 要 綱 案 が 法 制 審 議 会 で 承 認 さ れ た 。 改 正 の う ち コ ー ポ レ ー

ト ・ガ バ ナ ン ス に 係 る 主 要 論 点 は 、 ① 監 査 役 制 度 の 強 化 、 ② 指 名 ・報 酬 ・監 査 の 三 委 員 会 制 度 設 置 を 導 入(選 択 制)、 ③ 重 要 財 産 委 員 会 の 容 認 、 ④ 株 主 代 表 訴 訟 制 度 の 合 理 化(取 締 役 の 責 任 の 軽 減)な ど で あ る 。

(注4)ス タ ン ダ ー ド&プ ア ー ズ 「コ ー ポ レ ー ト ・ ガ バ ナ ン ス ・ス コ ア リ ン グ 規 準 』 ス タ ン ダ ー ド&プ ア ー ズ ・ コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス ・サ ー ビ ス の イ ン タ ー ネ ッ ト検 索 で 英 語 版 「CorporateGovernanceScore」 の 閲 覧 が 可 能 。

(注5)ス タ ン ダ ー ド&プ ア ー ズ 社 、 木 口 弘 子 氏 よ り の イ ン タ ー ネ ッ ト 回 答 に よ る 。 (注6)前 掲 、(注4)ス タ ン ダ ー ド&プ ア ー ズ1頁 。

(注7)前 掲 、(注4)、1頁 。

(注8)『OECDの コ ー ポ レ ー ト ・ ガ バ ナ ン ス 原 則 』、11頁 。

(注9)前 掲 、(注4)2頁 。

(注10)前 掲 、(注4)5頁 。

(注11)お よ び(注12)前 掲 、(4)5頁 。

(注13)日 本 コ ー ポ レ ー ト ・ ガ バ ナ ン ス ・ イ ン デ ク ス 研 究 会(JCGR)「2002年 度 コ

(16)

国 際 経 営 フ ォ ー一 ラ ムNo.14

一 ポ レ ー ト ・ ガ バ ナ ン ス 調 査 報 告 」http://www .jcgr.org/、2002年9月2日 、 1頁 。

(注14)お よ び(注15)、 前 掲(注13)2頁 。 (注16)前 掲(注13)3頁 。

(注17)前 掲(注13)4頁 。

(注18)お よ び(注19)、 前 掲(注13)5頁 。 (注20)お よ び(注21)、 前 掲(注13)6頁 。 (注22)前 掲(注13)6頁 。

(注23)前 掲(注13)7頁 。 (注24)前 掲(注13)8頁 。 (注25)前 掲(注13)9頁 。 (注26)前 掲(注13)10頁 。 (注27)前 掲(注13)10頁 。

(注28)前 掲(注13)11頁(付 記)。

第3章 ゴ ー ル ドマ ン ・サ ッ ク ス の コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス の 評 価

ゴ ー ル ドマ ン ・サ ッ ク ス は 、 「日本 の コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス に つ い て 、 あ る 程 度 の 進 展 が 見 ら れ る もの の 、 依 然 改 善 の 余 地 は 大 きい 。 株 式 市 場 で は企 業 統 治 が 良 好 な 企 業 の 模 索 が 強 ま ろ う」(注1)と して い る 。 そ して 、 同 社 は 、 す で に 同 社 算 出 の コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス ・ラ ン キ ン グ に 基 づ い て 企 業 の 評 価 を試 み て い

る 。 以 下 は そ の 要 約 で あ る 。

第1節 ゴ ー ル ドマ ン ・サ ッ ク ス の 要 約

コ0ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス へ の 信 頼 性 が 大 き く揺 ら ぐ中 で 、 株 式 投 資 家 の 間 で は 日本 企 業 の コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス の 現 状 と先 行 き に つ い て の 関 心 が 高 ま っ て い る 。 本 リ ポ ー トで は 企 業 と株 主 の 観 点 か ら 日本 の コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ンス の 最 新 動 向 を み て み た い 。(注2)

1.株 主 構成 と情 報 開 示 の 面 で あ る 程 度 の 進 展 が 見 ら れ る 一 方 、 経 営 体 制 と イ ン セ ン テ ィ ブ 報 酬 に は ま だ か な りの 改 善 余 地 が あ る 、 と い う の が ゴ ー ル ドマ ン ・サ ッ

ク ス(以 下 、 「当 社 」 と略 す)が 到 達 した 結 論 で あ る 。

(17)

2.上 記 の 結 論 を踏 ま え て株 式 市 場 を展 望 す れ ば 、 市 場 に は 循 環 的 な反 発 局 面 の 余 地 が あ る と は い え 、 長 期 的 な 上 昇 相 場 を期 待 す る に は 、 企 業 の コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ンス の 大 幅 な 進 展 を契 機 と した 資 本 利 益 率 の 持 続 的 改 善 が 大 前 提 と な ろ う。

3.日 本 の コ ー ポ レ ー一ト ・ガ バ ナ ン ス は 、 あ る種 の ジ レ ン マ に 陥 っ て い る。 エ ン ロ ン、 タ イ コ 、 ワ ー ル ドコ ム の 事 件 を き っ か け に 米 国 型 コ ー ポ レ ー ト ・ガバ ナ ン ス に 対 す る不 信 感 が 広 が っ て い る 一 方 で 、 ア ジ ア 諸 国 が コ ー ポ レ ー ト ・ガバ ナ ンス に 対 して 非 常 に前 向 き な 取 組 み を 見 せ て い る 。 日本 企 業 は そ の 流 れ か らは 大 き く後 れ

を取 っ て い る と い うの が 現 状 で あ る。

4.日 本 企 業 の マ ネ ジ メ ン トの 中 に は 、 最 近 の 海 外 で の 不 祥 事 を取 り上 げ 、 コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス の 改 革 を先 送 り し よ う とす る 動 き も出 て く る か も知 れ な い が 、 片 や ア ジ ア の 近 隣 諸 国 で は コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス に 関 して も 日本 を上 回 る ス ピー ドで 進 展 を遂 げ て お り、 取 組 み の 遅 れ は 致 命 的 な リ ス ク に な りか ね な い 。 生 産 性 と競 争 力 を高 め 、 資 本 利 益 率 を改 善 し、 株 主 価 値 を 向 上 させ る た め に は 、 コ ー ポ レー ト ・ガバ ナ ン ス の 改 革 を最 上 位 の プ ラ イ オ リテ ィ と して 認 識 す る こ とが 不 可 欠 で あ ろ う。

5.日 本 企 業 の コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス の 将 来 に つ い て の 朗 報 の 一 つ と して は 、 最 近 、 公 的 ・私 的 年 金 の 双 方 に お い て 株 主 議 決 権 行 使 等 に 関 す る 受 託 責 任 の ガ イ ド

ラ イ ンが 導 入 さ れ た こ とが 挙 げ ら れ る 。 こ れ に よ り、 企 業 の マ ネ ジ メ ン トは 、 機 関 投 資 家 か らか っ て な い ほ どの 圧 力 を受 け る よ う に な っ て い る 。

6.コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス は 、 株 式 市 場 で の 勝 ち 組 と負 け 組 を分 か つ 重 要 な 投 資 基 準 に な る と 考 え ら れ る 。 当 社 のGSCG(GoldmanSachsCorporate

Governance)ラ ンキ ン グ で は 、 コ ー エ ー 、 オ リ ッ ク ス 、HOYA、 メ イ テ ッ ク、 ホ ン ダ 、 日本 シ ス テ ム デ ィ プ ロ ッ プ メ ン ト、CTC、 コ ナ ミ、 ソ ニ ー 、 と い っ た 企 業 が 上 位 に 名 を 連 ね て い る 。 実 際 、GSCGラ ン キ ン グ で コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス の 上 位 に入 っ た 企 業 は 、 株 価 パ フ ォ ー マ ンス に お い て も下 位 の 企 業 を大 き くア ウ トパ

フ ォ ウ ー ム す る結 果 と な っ た 。

7.業 種 別 で は 、 そ の 他 金 融 、 サ ー ビ ス 、 商 社/卸 売 業 、 精 密 機 械 、 電 機 が GSCGで 最 も高 い 得 点 を 上 げ た 一 方 、 空 運 、 電 力/ガ ス 、 パ ル プ ・紙 、 鉱 業 、 鉄 鋼 の 得 点 が 最 も低 い とい う結 果 と な っ た 」(注3)。

第2節 日 本 に お け る コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス の 最 近 動 向 の 分 析

ゴ ー ル ドマ ン ・サ ッ ク ス は 、 日本 の コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス の 最 近 時 に お け る

(18)

国 際 経 営 フ ォ ー ラ ムNo.ユ4

動 向 を以 下 の切 り口か ら分析 し、 そ の結論 を以下 の とお り述べ て い る。

結 論 と して、 「株 主 構成 と情 報 開示 の 面 で は あ る程 度 の進 展 が見 られ る一 方 、 経 営 態 勢 と イ ンセ ンテ ィブ報 酬 に は ま だ か な りの改 善余 地 が あ る」 と して い る(注

4)0

〈 分 析 の 切 り口 〉 (1)経 営 体 制(注5)

日本 の 監 査 役 は 、 商 法 の 規 定 に よ り株 主 総 会 で 選 任 さ れ 、 取 締 役 の 職 務 の 執 行 を 監 査 す る こ と が そ の 役 割 に な っ て い る 。 こ の 制 度 は 、 ドイ ツ の 監 査 役 会(Auf‑

sichtsrat)と 取 締 役 会(Vorstand)と い う企 業 経 営 形 態 と類 似 して い る 。

しか し、 現 実 的 に は 、 日本 の 監 査 役 は 社 内 取 締 役 を 中 心 に構 成 さ れ て い て 、 機 能 が 形 骸 化 して い る 。 ドイ ツ の 監 査 役 会 は 社 外 取 締 役 が 過 半 数 を 占 め て お り、 取 締 役 会 に対 して 実 質 的 な監 督 権 限 を有 して い る 点 が 日本 と は 大 き く異 な る(注6)。

日本 企 業 の 経 営 体 制 に お け る最 近 の 変 化 と し て は 、 ① 執 行 役 員 制 度 の 導 入 ・取 締 役 会 の ス リ ム 化 、 ② 社 外 取 締 役 の 増 加 を挙 げ て い る 。

① 執 行役 員 制 度 の 導 入 ・取 締 役会 の ス リム化

ソニ ー は1997年 に組 織 改 革 を行 い 、取 締 役 の 人 数 を38人 か ら10人 に削 減 し、 同時 に27の 事 業 部 門 トップか ら成 る 日本 企 業 初 の執 行 役 員 制 度 を導 入 した。 そ の 後 、 同 社 に倣 って執 行 役 員 制 を導 入 す る企 業 が相 次 いで い る。 一 方 、取 締 役 の定 員 を削 減 す る企 業 も 目立 っ てい る(注7)。

ゴー ル ドマ ン ・サ ック ス は、 こ こで 、 「日本 企 業 が 経 営 体 制 の改 善 に取 り組 んで い る点 は称 賛 に値 す るが 、 こ う した役 員制 度 改 革 の実 効性 に はい くぶ ん懐 疑 的 な見 方 を捨 て きれ ない 。執 行 役 員 制 度 に して も 「中 身 よ り形」 だ け に終 わ りか ね な い懸 念 が あ る。 た とえば 、職 務 内容 を ほ とん ど変 えず に 、肩 書 きだ け を 「取 締 役 」 か ら

「執 行 役 」 に変 えて い る企 業 もあ る。 こ う した状 況 で は、 執 行 役 を常 設 す る こ とで 日々 の業 務 の執 行 に どれ ほ ど重 要 な違 い が 生 まれ る の か、 疑 問 が残 る」 と痛 烈 な客 観 性 のあ る指 摘 を行 って い る。

さ らに、 「株 主 の 観 点 か らは 、執 行 役 は取 締 役 が 現 在 行 って い る よ うな方 法 で株 主 に報 告 す る義 務 を負 わ な い こ とか ら、執 行役 員 制 度 の普 及 に よ って 、実 際 に は企 業 マ ネ ジ メ ン トの説 明責 任 が高 ま る ど ころか 、後 退 しか ね ない 点 も不 安 視 され る」

(注8)と して い る。

(19)

② 社 外 取締 役 の増 加

日本 経 済 新 聞社 の 調 査 回 答 企 業 の42%(104社)が 社 外 取 締 役 を選 任 済 み で 、 11%の 企業 が2003年 度 以 降 の選 任 を検 討 して い る。

た だ し、 問題 点 と して 、 「社 外 取 締 役 を起 用 して い る企 業 で も、社 外 取 締 役 の 人 数 が わ ず か1人 の 企 業 が48%(51社)、 社 外 取 締 役 を2人 起 用 して い る企 業 は全 体 の34%(36社)に とど ま ってお り、 社外 取 締 役 が 必 ず し も 「独 立 した」 取 締役 で な い こ と も問題 で あ る。 また 、社 外 取締 役 が グル ー プ ない し関連 企 業 か ら選任 され た 取 締 役 で あ る こ と も さほ ど珍 しい こ とで ない」 と指摘 して い る。

また 、 「本 当 の意 味 で 独 立 した取 締 役 の 人数 を増 や す うえ で、 証 券 取 引所 が 果 た すべ き役 割 は大 きい と考 え る。 米 国 や 英 国 、 ア ジア諸 国 で も、証 券 取 引 所 は、上 場 基 準 と して最小 限 の社 外 取 締 役 規 定 を確 立 す る上 で重 要 な役 割 を果 た してい る。 例 を挙 げれ ば、 ニ ュー ヨー ク証 券 取 引所 は1956年 に上 場 企 業 に対 して2名 以 上 の社 外 取 締 役 の選 任 を義 務 付 け て お り、 英 国 で は取 締 役 会 の3分 の1以 上 が 社 外取 締 役 で な け れ ば な らない。 中 国 で さえ現 在 、 上場 企 業 は2名 以上 の社 外 取 締役 の起 用 が 義 務 付 け られ て い る(2003年6月 か ら、社 外 取 締 役 は3名 以 上 な い し取 締役 会 の3分

の1以 上 に引 き上 げ られ る)、 そ して こ う した諸 外 国 の 流 れ とは対 照 的 に 、東 京 証 券 取 引 所 の上 場 規 定 に は こ う した規 定 自体 が な い」(注9)と 、 わが 国 の コー ポ レ

ー ト ・ガバ ナ ンス体 制 の 問題 点 を指 摘 して い る。 しか し、 遅 れ な が ら も 日本 で も 2002年4月 の商 法改 正 を契 機 に、 米 国型 の経 営 形 態 に抜 本 的 に変 わ る可 能性 を指 摘

してい る。

(2)株 主 構 成

ゴ ー ル ドマ ン ・サ ッ ク ス は 、 「日本 で は2002年 度 か ら の 時 価 会 計 の 導 入 や 、2004 年9月 ま で に 銀 行 の 株 式 保 有 を 自 己 資 本 比 率 基 本 的 項 目(Tier1)の 範 囲 内 に 収 め

な け れ ば とい う銀 行 の 株 式 保 有 規 制 が あ る 。 現 在 、 そ れ ら を背 景 と して 、 銀 行 の 株 式 の 持 ち 合 い 解 消 が 急 ピ ッチ で 進 ん で い る」(注10)と して い る 。

「今 後 も膨 大 な 株 式 の 持 ち合 い 解 消 が 見 込 ま れ る 。2002年3月 期 の デ ー タ に 基 づ け ば 、 大 手8行 の 保 有 株 式 総 額 が25兆 円 で 、 自 己 資 本 比 率 基 本 的 項 目(Tier1)の

総 額 が17兆 円 で あ る こ とか ら 、 ま だ8兆 円 規 模 の 持 ち合 い 解 消 売 り圧 力 が 存 在 す る と考 え ら れ る 。 これ は 目先 の 需 給 圧 迫 要 因 に な りか ね な い が 、 最 終 的 に は(銀 行 ・ 生 損 保 、 事 業 法 人 とい っ た)ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 影 響 が 株 主 の 利 益 に な る 方 向 で 減

じ る に つ れ て 、 結 果 的 に は コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス が 向 上 す る 」(注11)と 考 え

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国 際 経 営 フ ォ ー ラ ムNo.14

て い る 旨 の コ メ ン ト を し て い る 。

(3)財 務 内 容 の 透 明 性 お よ び 情 報 開 示

企 業 会 計 審 議 会 の リ ー ダ ー シ ッ プ に よ り、1999年 以 降 、 日本 に お け る 企 業 会 計 の 整 備 と デ ィ ス ク ロ ー ジ ャ ー は 目覚 ま しい 改 善 度 を 示 して い る 。

① 会 計 ビ ッグバ ン

「1999年度 か ら連 結 会計 へ の 移 行 、2000年 度 か ら退 職給 付 会計 の導 入 、2001年 度 は持 ち合 い株 式 の時 価 会計 導 入 と、 懸案 の会 計 改 革 は ほ とん どす で に実 施 され て い る。 唯 一残 され た課 題 は 、固 定資 産 の 減損 会 計 で あ る。 実施 時期 は二 転 三 転 したが 2002年4月19日 の公 開草 案 で は、2005年 度 か ら本 格 適 用 と し、2003年 度 か らの早 期

適 用 も認 め られ る」(注12)と して い る。

減 損 会 計 とは、 「企 業 の 固 定 資 産 の資 産 価 値 が 大 幅 に低 下 した場 合 、価 値 の 下 落 分 だ け資 産 の 帳 簿 価 格 を引 き下 げ 、差 損 を損益 計 算 書 に計 上 す る会計 処 理 で あ る。

減 損 会 計 は1995年 に 米 国 で 採 用 さ れ た の に続 い て 、1999年 に は 国 際 会 計 基 準 (IASB)で も導 入 され た 。現 在 、米 国会 計 基 準 に準拠 した 会計 処 理 を行 っ て い る 日 本 企 業 の 中で は、松 下電 器 産 業 と 日立 製作 所 が 機 械 装 置 を 固定 資 産 とみ な してす で

に評 価損 を計 上 した」(注13)こ とが あ る と して い る。

② 四 半 期 ベ ー ス の情 報 開示

東 京 証 券 取 引所 は 「企 業 の財 務 内容 の 透 明性 を向上 させ 、投 資 家 が企 業 経 営 の実 態 を把 握 しや す くす るた め 、全 上 場 企 業 を対 象 に、2004年4〜6月 期 か らの 開始 に 先 立 っ て 、東 京 証券 取 引所 は企 業 に2003年4〜6月 期 か ら簡 便 な四半 期 概 況 の 開示

を要 請 」(注14)し て い る。

「上 場 企 業 は現在 の とこ ろ、連 結 決 算 お よ び 中間決 算 と業 績 予 想 に大 幅 な修 正 が 加 わ っ た場 合 にの み 、経 営 情 報 の 開示 を義 務付 けて い るた め 、四 半期 決算 を開示 し て い る1部 、2部 の上 場 企 業 は 全体 の6%の121社 に とど ま って い る。 た だ し、新 興企 業 向 け の マザ ー ス市 場 で は、 四 半 期 ご との決 算 発 表 を義務 付 け」(注15)て い

る。

(4)イ ン セ ン テ ィ ブ 報 酬

ゴ ー ル ド マ ン ・サ ッ ク ス は イ ン セ ン テ ィ ブ 報 酬 に つ い て 、 「年 功 ベ ー ス か ら イ ン

(21)

セ ンテ ィ ブ ・ベ ー ス へ の 報 酬 体 系 の シ フ トに 関 して は 、 あ る 程 度 の 進 展 が 見 ら れ た もの の 、 ま だ か な りの 改 善 余 地 が の こ っ て い る」(注16)と 見 て い る 。

① ス トッ ク ・オ プ シ ョ ン の 導 入

日本 に お け る ス ト ッ ク ・オ プ シ ョ ン の 導 入 に つ い て も、 「ス ト ッ ク ・オ プ シ ョ ン の 付 与 対 象 は 自社 の 取 締 役 と正 社 員 に 限 られ て い た が 、2002年4月 の 商 法 改 正 で 対 象 制 限 が な く な っ た 。 ま た 、 ス ト ッ ク ・オ プ シ ョ ンの 付 与 が 株 主 総 会 で 承 認 され れ ば 、 付 与 さ れ る対 象 者 の 人 数 や 名 前 を 開 示 す る必 要 が な くな っ た 。 そ の 結 果 、 ス ト ッ ク ・オ プ シ ョ ン を 導 入 す る 企 業 が 漸 次 増 加 し 、1997年 以 降 の 累 計 で 合 計983社 (全 上 場 企 業 の 約3割 方)が 導 入 を 発 表 した 。

1997年 以 降 の 累 計983社(全 上 場 企 業 の 約3割 方)、 そ れ 以 降 は

2001年7月 〜2002年6月 で は 、550社(対 前 年 比19%増 加)、 この う ち東 証 が 半 分 弱 の255社 、店 頭 が145社 、東 証2部 が55社 、 ナ ス ダ ッ ク が41社 、東 証 マ ザ ー ズ が22社 、 残 りが 地 方 上 場 で あ っ た 」(注17)と 見 て い る 。

② ス トッ ク ・オ プ シ ョ ンの 現 状

ゴ ー ル ドマ ン ・サ ッ ク ス は 、 日本 に お け る ス ト ック ・オ プ シ ョ ンの 現 状

に つ い て 、 「日本 で は 、(1)こ う した イ ンセ ンテ ィ ブ報 酬 制 度 が 徐 々 に支 持 され て い る と は い え 、 平 均 的 な 大 企 業 のCEOの 報 酬 は 、 相 変 わ ら ず 主 と して 実 績 で は な く 年 功 に基 づ い て い る 。 コ ンサ ル タ ン ト会 社 の タ ワ ー ズ ペ リ ンが2001年 に実 施 した 世 界 のCEO報 酬 最 新 調 査 に よ れ ば 、 日本 企 業 のCEOは 報 酬 総 額 に 占 め る 基 本 給 の 割 合 が60%と 最 も大 きい 反 面 、 ス ト ッ ク ・オ プ シ ョ ンの よ う な 長 期 イ ンセ ン テ ィ ブ 報 酬 の 割 合 は12%と 最 も低 い 。(2)エ ン ロ ン な ど米 国 企 業 の 不 正 経 理 疑 惑 が 浮 上 す る 中 で 、 日本 企 業 の イ ンセ ン テ ィ ブ 報 酬 制 度 の 導 入 意 欲 が 一 時 的 に後 退 す る 可 能 性 もあ る が 、 労 働 人 口 の 先 細 り、 労 働 生 産 性 の 向 上 を 図 る 必 要 の あ る 厳 しい 現 実 か ら 企 業 へ の 帰 属 意 識 を強 化 す る狙 い の イ ンセ ンテ ィ ブ 報 酬 の 重 要 性 が 勝 る。す な わ ち 、 年 功 ベ ー ス 報 酬 制 度 で は 、 優 秀 な 人 材 確 保 、 生 産 性 の 向 上 、競 争 力 の 強 化 す る こ と は 極 め て 困 難 」(注18)と 分 析 して い る。 下 記 一 覧 で は 、 日本 のCEO報 酬 は 未 だ に 年 功 主 義 が 中心 と な っ て い る こ とが 分 か る 。

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主 要 国のCEOの 報 酬 割合 一覧(注19)

基本給 賞与 ベ ネ フ ィ ッ ト 長 期 イ ン セ ン テ ィ ブ

日本 60 6% 22 12°/a

ド イ ツ 47% 22 7% 14%

フ ラ ン ス 46 11% 28 16%

英国 43 !l% 27% 19%

米国 28 16% 12% 44

(出 所)タ ワ ー ズ ペ リ ン 社 の デ ー タ を 基 に ゴ ー ル ドマ ン ・サ ッ ク ス が 作 成 。

第3節 コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス の 評 価lGSCGラ ン キ ン グ を 導 入

ゴ ー ル ドマ ン ・サ ッ ク ス は 、 日本 で も 「投 資 基 準 と して の コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ンス の 重 要 度 は 増 して い く、 同 時 に そ れ は 日本 の 株 式 市 場 の 長 期 的 な 勝 ち 組 と負 け 組 と を 判 断 す る た め の 重 要 な 投 資 基 準 と な ろ う」(注20)と し て 、 同 社 の 開 発 した GSCGラ ン キ ン グ を使 用 し、 コ ー ポ レ ー ト ・ガバ ナ ンス が 日本 の 株 式 銘 柄 選 択 に ど の よ う な 影 響 を与 え る の か を 以 下 の よ う に 分 析 して い る 。

(1)ゴ ー ル ドマ ン ・サ ッ ク ス ・コ ー ポ レ0ト ・ガ バ ナ ン ス(GSCG)ラ ン キ ン グ に つ い て 同 社 は 、 個 々 の 企 業 の ガバ ナ ン ス の レベ ル を評 価 して い くの は 非 常 に 難 し い 問 題 が あ る と し、 「そ こ で(1)株 式 保 有 構 造 、(2)情 報 開 示 、(3)株 主 資 本 利 益 率 、(4)イ ン セ ンテ ィ ブ 報 酬 制 度 、 と い う4つ の 広 い 分 野 で 客 観 的 か つ 計 測 可 能 な6つ の ガ バ ナ ン ス 基 準 を 設 定 し、 以 下 の 方 法 で 」(注21)各 項 目 の ス コ ア

を算 出 して い る 。

〈 ス コア基 準>

1.株 式 保 有 構 造(注22)

*外 国 人保 有株 比 率

20%超1点 20%未 満0点

*銀 行(信 託 銀行 を除 く)と 事 業 法 人 に よる保 有株 比 率 10%未 満1点

10%超0点 2.情 報 開示

*四 半 期 決 算(注23)

発 表 して い る3点

(23)

発 表 して い な い0点 3.株 主 資 本 利 益 率(注24)

*2000年 〜2003年 度 のROE(2000年 〜2003年 度 は東 洋 経 済 予 想) 常 に10%超

そ れ 以 外

*2000年 度 か ら2003年 度 に か け 、 連 続 してROEが 上 昇 して い る

そ れ 以 外

4.イ ンセ ン テ ィ ブ報 酬 制 度(注25)

*従 業 員 ス トッ ク ・オ プ シ ョ ン制 度 を 既 に 導 入 済 み あ る い は 導 入 を発 表 未 導 入

2点 0点

U

90

〈 算 出 ス コ ア の ラ ン ク付 け 方 法 〉

① 以 上 、10点 満 点 の 基 準 を 設 定 し、 時 価 総 額1、000億 円 以 上 の 東 証 一 部 上 場 企 業(除 く金 融)362社 に つ い て コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス の ス コ ア を算 出 し、 こ の 362社 を ス コ ア が 高 い 順 に ラ ン ク付 け た 。

② ス コ ア が 同 点 の 場 合 は 、2003年 度 予 想ROE(東 洋 経 済 の 最 新 予 想 を使 用)の 高 い 順 に ラ ン ク付 け た 。

〈 結 果>

1.「10点 満 点 」 の 企 業 は な か っ た が 、GSCGラ ン キ ン グ の ポ イ ン ト が7点 以 上 の 企 業 は 、 コ ー エ ー 、 オ リ ッ ク ス 、HOYA、 メ イ テ ッ ク 、 ホ ン ダ 、 日 本 シ ス テ ム デ イ ブ ロ ッ プ メ ン ト 、 伊 藤 忠 テ ク ノ サ イ エ ン ス 、 コ ナ ミ 、 ソ ニ ー な ど11社(注26)と な っ た 。

2.GSCGセ ク タ ー 別 ・ ラ ン キ ン グ に お い て 、GSCGス コ ア が 最 も 高 い の は 、 そ の 他 金 融 、 以 下 サ ー ビ ス 、 卸 売 と 続 く 。

(24)

国 際 経 営 フ ォ ー ラ ムNo.14

〈業 種 別GSCGス コア得 点 表 〉 そ の他 金 融 業

サ ー ビス業 卸 売 業

そ の他 製 造 業

電気機器 精密機器 不動 産業

医薬 品 輸 送用機器 小 売業

1 3 1 8 6 4 3 2 2 0 4 3 3 2 2 2 2 2 2 2

機 械1.8 通 信 業1.8 化 学1.5 食 料 品1.3 金 属 製 品1.3 建 設 業1.3

石 油 ・石 炭 製 品1.3 非 鉄 金 属1.3

繊 維 製 品1.2 海 運 業1.0

陸運 業 ゴ ム製 品 倉 庫 業

ガ ラス製 品 鉄 鋼

鉱 業

パ ル プ ・紙 電 力 ・ガ ス業 空 運 業

0 8 5 4 1 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0

(注)時 価 総 額1,000億 円 以 上 の 東 証1部 上 場 企 業(金 融 除 く)362社 対 象 。 個 別 企 業 のGSCGラ ン キ ン グ の ス コ ア を セ ク タ ー ご と に平 均 。

(出 所)ゴ ー ル ドマ ン ・サ ッ ク ス 調 査 部 計 算 、2002年7月11日 。

(2)コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス の 株 価 パ フ ォ ー マ ン ス へ の 影 響

こ こ で は 、 「対 象 と し た362社 をGSCGラ ン キ ン グ に 基 づ い て4つ の グ ル ー プ に 分 類 し 、 そ れ ぞ れ の 株 価 パ フ ォ ー マ ン ス の 計 測 を試 み て い る 。 す な わ ち 、 グ ル ー プ1

に は 、 ガ バ ナ ンス の 充 実 した ス コ ア が 最 も高 い 企 業(7〜9点)が 、 グ ル ー プIVに は 、 ガ バ ナ ンス に 乏 しい ス コ ア が 最 も低 い 企 業(0〜1点)が 含 ま れ て い る。 各 銘 柄 の 相 対 パ フ ォー マ ン ス(対TOPIX)を グ ル ー プ で 単 純 平 均 し、 そ の 累 積 パ フ ォ

ー マ ン ス を求 め、 さ ら に362社 全 体 の ユ ニ バ ー ス の 累 積 パ フ ォ ー マ ンス に対 す る相 対 パ フ ォ ー マ ンス を算 出 し た 。

<結 果>

GSCGラ ン キ ン グ に お け る ポ イ ン トの 最 も高 い グ ル ー プ が1995年 以 降 、 約183%

の 累 積 ア ウ トパ フ ォ ー マ ンス を 示 した の に 対 し、 ポ イ ン トが 最 も低 い グ ル ー プIVは ユ ニ バ ー ス を22%ア ン ダ ー パ フ ォー ム して い る 。 これ に よ っ て 、 コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス が 日本 の 銘 柄 選 択 に 影 響 を与 え う る こ とが 確 認 」(注27)で き た と して い る 。

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