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水産総合研究センター受託研究に関する調査

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Academic year: 2021

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写真 1 海南市民交流センターに保管されている関連資料

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 2015年度も引き続き国立研究開発法人水産総合研究センター(2016年

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月より、国立研究開発法 人水産研究・教育機構と名称変更)の公募事業「水産総合研究センター所蔵古文書目録作成業務」を 受託し、同センター所蔵古文書の整理・目録作成の業務を進めた。

 今年度は和歌山県海南市の「下津浦漁業組合文書」の整理、目録作成に着手するため、その予備 調査として下津浦漁業組合のあった海南市を訪れた。

 2016年3月1日・2日の両日、田島佳也(日本常民文化研究所所員)、田上繁(常民研所長)、織田 洋行(古文書整理業務担当者)、岩田康志(古文書整理業務担当者)、萬井良大(古文書整理業務担当 者)、越智信也(常民研職員)の 6名で現地を訪れ、海南市民交流センターに保管されている『下

和歌山県下津浦の現地調査

越智 信也

水産総合研究センター受託研究に関する調査

日本常民文化研究所/受託研究

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写真 2 大正末~昭和初年「決議録」綴 下津浦漁業組合文書(中央水産研究所所蔵)

写真 3 大正期の漁業組合の運営資料 下津浦漁業組合文書(中央水産研究所所蔵)

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日本常民文化研究所年報 2015 水産総合研究センター受託研究に関する調査

津町誌』編纂に際して収集され、そ の後、現地に在住する中谷澄雄氏に よって丹念に整理された史料を閲覧 させていただいた。その中には『漁 業制度資料目録 第3集』に借用分 として掲載され、その後返却された と考えられる史料は含まれていなかっ たが、関連資料を多く見出だすこと ができた。

 また、やはり現地で地域史に関わっ ておられる良田秀俊氏は、水産庁が 財団法人日本常民文化研究所に委託 して行われた全国的漁業・漁村資料 の収集事業である「漁業制度資料調 査 保 存 事 業」の 一 環 で、昭 和25

(1950)年に海南市に調査員が赴い た際の様子について、当時の現地関 係者から直接情報を得ており、我々 も多くの教示を得ることができた。

事業については網野善彦『古文書返 却の旅』(中公新書、1999)に詳しく 記述されており、和歌山調査につい ても紙幅を費やしているが、旧下津 町(現海南市)に関連する調査の記 述はなく、依然詳細が不明な資料が あることが指摘された。今後検討が 必要であろう。

 現在の下津には、海南市漁業協同組合下津支所が存在するが、漁業は小規模なものが行われてい る限りで、往時の面影はなく、近くには石油備蓄基地が大きな面積を占めている。下津浦の東側に 塩津があり、近世以来「旅漁」の拠点として多くの漁民が広い範囲の海域に出漁した。彼らは、北 は東北・北海道から南は薩南諸島にまで行動範囲を広げ、オーストラリアやカナダ、ハワイ等への 移民もここから旅立った。

 「下津浦漁業組合文書」中には明治前半期の資料が含まれているが、例えば明治10年「西開講仕 法帳」は宮講の講元として中村栄蔵が、講請として当時の下津区長だった〆崎重蔵や〆木利助等の 名が見え、後の漁業組合関係者にも同様の姓が見えることから、下津浦の近世以来の旧家が漁業経 営にも関わっていたことがわかる。

 また、「北新田漁業団」の名が昭和初期の史料に散見され、遠洋漁業の出発がこの時期であった ことを示している可能性がある。

 今回の調査では、下津浦漁業組合や組合長だったと思われる〆木氏宅の訪問はできなかったが、

次回は聞き取り調査を行い、下津浦の近代以降の地域史と、本史料群との関連について深めていき たい。

参照

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1970 年代後半から 80 年代にかけて,湾奥部の新浜湖や内湾の小櫃川河口域での調査

(1)  研究課題に関して、 資料を収集し、 実験、 測定、 調査、 実践を行い、 分析する能力を身につけて いる.