九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
透過型砂防堰堤の流木閉塞に伴う土砂捕捉機構と流 木偏析機構の研究
立石, 龍平
https://doi.org/10.15017/4060142
出版情報:九州大学, 2019, 博士(工学), 課程博士 バージョン:
権利関係:
透過型砂防堰堤の流木閉塞に伴う土砂捕捉機構と流木偏析機構の研究
立 石 龍 平
2019.12
透過型砂防堰堤の流木閉塞に伴う土砂捕捉機構と流木偏析機構の研究
立石 龍平 研究成果の概要
我が国の土砂災害対策は,全国各地で長年進められているにも関わらず,土砂災害発生件数が増加してい る.併せて,土砂災害による死者・行方不明者の推移も減少する傾向はなかなか見受けられない.この理由は,
国土の約70 %が山間地であり,地形は急峻かつ地質は脆弱で,台風や梅雨前線などによる集中豪雨といった 土砂災害が生起しやすいためである.また,1時間降水量50 mm以上の短時間強雨の年間発生回数と土砂災害 発生件数を比較すると,短時間強雨が多い年は,土砂災害の数が多くなる傾向にある.また,近年気候変動 により短時間強雨や大型台風に代表される集中豪雨の発生数が増加傾向にあるとともに,過去の記録を上回 る集中豪雨が頻発しており,土砂災害の頻度は高まると見積もられている.
土砂災害は,土石流,地すべり,がけ崩れに区分される.中でも,土石流災害は,流下速度が速く,突発的 に発生する特徴を有し,土砂災害における人的被害の約45 %を占めるとともに,平成25年の伊豆大島におけ る土石流災害や平成26年の広島県広島市における土石流災害のように,ひとたび発災すると広範囲にわたり 甚大な被害をもたらす.さらに,平成29年7月九州北部豪雨では,多くの地域で流木混じり土石流が発生して おり,流木と土石流が広範囲に被害をもたらしている.この傾向は,土石流の発生においてここ最近のハイ ドログラフやハイエドグラフに表れている降雨量からも読み取ることができる.また,土石流が発生するた めの3条件は,①勾配(渓流の河床勾配が約15 °以上であること),②材料(土石流を構成するための土砂が山 腹や渓流に存在すること),③水(大量の水が渓流に存在すること)とされており,条件①および②を満たす 渓流は多く存在する.国土交通省は,土石流発生の危険性があり,人家5戸以上が立地し,人家に被害を及ぼ す恐れのある渓流を土石流危険渓流としているが,全国に89,518渓流あり,その対策は急務である.国土交通 省は,土石流および土砂とともに流出する流木等による土砂災害を防止するために砂防基本計画策定指針を 策定しており,土石流の流下区間・堆積区間においては,土石流・流木捕捉工を土石流・流木対策施設の基本と して位置づけている.具体的には,砂防構造物が整備し,総合的な土砂管理を目指すことが多い.さらに,
近年流木が流出している災害が多くなっていることから,既存の不透過型砂防堰堤においては流木捕捉性能 が付加されていないため対策を行う必要が出てきた.
近年,透過型砂防堰堤における土石流捕捉事例において,巨礫による透過部の閉塞を伴わない土砂捕捉事 例もみられるようになってきた.平成25年の伊豆大島土石流災害では,大量の流木とともに土砂を捕捉した が,巨礫による透過部の閉塞は生じなかった.同様の事例は,平成21年の山口県防府市における土石流災害 における土石流捕捉事例でも確認されており,透過型砂防堰堤において当初期待されていた,巨礫によって 開口部を閉塞されることで土砂を捕捉する事例とは異なるものであった.すなわち,これらの事例は流木に よって透過部が閉塞されることで土砂を捕捉されたと考えられる.今後,透過型砂防堰堤において,流木に よる土砂の捕捉事例が生起し,土石流の流下阻止に効果を発揮することを期待するためには,巨礫のように 土石流中の流木が土石流先端に偏析する機構および,透過型砂防堰堤における流木による土砂の捕捉機構を 明らかにする必要がある.
そこで本研究は,鋼製透過型砂防堰堤の流木閉塞に伴う土砂捕捉機構を検討するために,回転円筒実験装 置を用いて,段波形成時における流木の偏析生起機構について基礎検討し,個別要素法による再現解析をお こなった上で,模型実験により流木による土砂捕捉機構について検討するものである.
本論文の構成は,以下に示す6章から構成される.
第1章「序論」では,透過型砂防堰堤の土砂捕捉形態および土砂捕捉事例について述べ,本研究の目的と構 成について述べた.
第2章「回転円筒実験における流木混じり土石流の段波形成に関する実験的検討」では,回転円筒実験にお ける流木混じり土石流の段波形成に関する実験について述べ,流木が段波の形成過程に与える影響,水と流 木混じりにおける運動特性および流木が段波先頭部に集まる偏析現象について検討した.流木が塊を成すこ とで段波の形成の促進に寄与するとともに,流木の浮力と段波形成時に生じる流体の循環によって,流木が 段波先頭部に集まる偏析現象が生起することを明らかにした.
第3章「回転円筒実験における水・砂・流木混合土石流の偏析に関する実験的検討」では,回転円筒実験にお ける水・砂・流木混合土石流の偏析に関する実験について述べ,土砂が段波の形成過程に与える影響,水と土 砂と流木の混合状態における流木の運動特性および流木が段波先頭部に集まる偏析現象および発生条件につ いて検討した.流体内の水と砂が混合した流体を成す条件と段波が生じる条件が同じであるとともに,砂が 混ざっても段波が発生する条件において流木が段波先頭部に集まる偏析現象が生起することを明らかにした.
第4章「回転円筒実験における土石流中の流木偏析現象に対する個別要素解析」では,水・流木混合状態に おける回転円筒実験の再現解析について述べ,個別要素法解析の回転円筒実験に対する再現性を検証し,回 転円筒実験による段波形成時の流体内の運動や流木の偏析現象の基本メカニズムの適用性を検討した.擬水 滴要素を用いて個別要素法を適用することによって,回転円筒内の水・流木の挙動を再現できることを示すと ともに,段波形成時に流体が循環し,流木の浮力と循環による深さ方向の速度差によって流木の偏析現象が 生起することを示した.
第5章「透過型砂防堰堤の流木閉塞による土砂捕捉に関する実験的検討」では,樹根が土砂の捕捉効果に与 える影響について着目して,直線水路を用いて,砂と流木混じり土石流における透過型砂防堰堤の土砂捕捉 効果について実験的に検討した.樹根が相互に絡み合って透過型砂防堰堤の開口部に堆積することによって 流下する土石流を塞き上げるとともに,流下する土砂を絡めとることで土砂を捕捉することを示した.
第6章「結論」では,本研究で得られた成果を総括し,今後の発展と課題について述べた.
-i-
目 次
第 1 章 序 論
1.1 研究背景 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 1.2 透過型砂防堰堤における土砂捕捉形態および流木による土砂捕捉事例・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
1.2.1 透過型砂防堰堤における土砂捕捉形態 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
1.2.2 山口県防府市八幡谷渓流における被災事例 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
1.2.3 伊豆大島大金沢における被災事例・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
1.2.4 平成29年7月九州北部豪雨(須川第一砂防堰堤)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
1.3 既往研究 ・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
1.3.1 土石流中の流木の偏析に関する既往研究 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
1.3.2 土石流中の流木による土砂捕捉に関する既往研究・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
1.3.3 無限遠を利用した装置における既往の研究・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
1.4 研究の目的と構成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 第 2 章 回転円筒実験における流木混じり土石流の段波形成に関する実験的検討
2.1 緒 言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13 2.2 実験要領・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13 2.2.1 回転円筒実験装置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
2.2.2 流木モデル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
2.2.3 代表角度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14 2.2.4 実験ケース・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14 2.3 実験結果と考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15 2.3.1 清水のみの実験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15 2.3.2 流木混じりの実験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 2.4 結 言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23
第3章 回転円筒実験における水・砂・流木混合土石流の偏析に関する実験的検討
3.1 緒 言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25 3.2 実験要領 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25
3.2.1 回転円筒実験装置 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25
3.2.2 流木モデル ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25
3.2.3 土砂 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27
3.2.4 代表角度 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27
3.2.5 実験ケース ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27
3.3 実験結果と考察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28
3.3.1 水・砂混合実験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28
3.3.2 水・砂・流木混合実験 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34
3.4 結 言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43
-ii-
第 4 章 回転円筒実験における土石流中の流木偏析現象に対する個別要素解析
4.1 緒 言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45 4.2 提案手法の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45
4.2.1 混相流のモデル化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45
4.2.2 質量と体積・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 46 4.2.3 運動量保存則・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 47
4.2.4 圧力勾配力・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 48
4.2.5 内圧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 49 4.2.6 静水圧解析における再現性の検証・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50
4.2.7 流木に働く流体力・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 51
4.3 回転円筒内における再現解析とその考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 52
4.3.1 解析条件 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 52
4.3.2 水のみの再現解析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 53
4.3.3 擬水滴要素の運動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 54 4.3.4 流木のみの実験再現解析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 56
4.3.5 流木混じりの実験再現解析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 58
4.4 結言 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 61 第 5 章 透過型砂防堰堤の流木閉塞による土砂捕捉に関する実験的検討
5.1 緒 言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 63 5.2 実験概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 63 5.2.1 実験装置等の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 63
5.2.2 実験要領・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 65
5.3 実験結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 67 5.3.1 土砂捕捉率と流木モデルの関係 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 67
5.3.2 土砂捕捉形状と流木モデルの関係・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 67
5.3.3 土砂堆積メカニズム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 71
5.3.4 流木捕捉メカニズム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 74
5.3.5 透過型砂防堰堤と不透過型砂防堰堤の流木捕捉の比較・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 76
5.4 結 言 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 78 第 6 章 結 論
6.1 本研究の成果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 79 6.2 本研究の課題と今後の展望・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 80 参考文献 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 83
1
第1章 序 論
1.1 研究の背景我が国の土砂災害対策は,全国各地で長年進められているにも関わらず,図-1.1に示すように土砂災害発生 件数が増加している.併せて,土砂災害による死者・行方不明者の推移も減少する傾向はなかなか見受けられ
ない1) - 3).この理由は,国土の約70 %が山間地であり,地形は急峻かつ地質は脆弱で,台風や梅雨前線などに
よる集中豪雨といった土砂災害が生起しやすいためである.また,図-1.2に示しているように1時間降水量50 mm以上の短時間強雨の年間発生回数4)と土砂災害発生件数を比較すると,短時間強雨が多い年は,土砂災害 の数が多くなる傾向にある.また,近年気候変動により短時間強雨や大型台風に代表される集中豪雨の発生 数が増加傾向にあるとともに,過去の記録を上回る集中豪雨が頻発しており5) - 6),今後,土砂災害の頻度は高 まると見積もられている7).
土砂災害は,土石流,地すべり,がけ崩れに区分される8).中でも,土石流災害は,流下速度が速く,突発 的に発生する特徴を有し,図-1.3に示すように土砂災害における人的被害の約45 % 9)を占めるとともに,平成 25年の伊豆大島における土石流災害や平成26年の広島県広島市における土石流災害のように,ひとたび発災 すると広範囲にわたり甚大な被害をもたらす.この傾向は,土石流の発生においてハイドログラフやハイエ
656 1270 843 403 1913 283 886 403 1135 1629 1501
608 509 539 597
2537 814 1441 966 695
1058 1128
1422
837 941
1184 788
1492 1514
3459
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200
0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000
死亡者・行方不明者数(人)
土砂災害発生件数(件)
土砂災害発生件数 死亡者・行方不明者数
線形回帰
247 383 203 146 333 171 206 123 230 430 357 318 268
225 236
463 252 309 252 330 220 272
358 367 308 309
269
334 327 350
0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500
1,000 地点あたりの年間発生回数
線形回帰
図-1.1 過去30年間の土砂災害発生件数1) - 3) 図-1.2 1時間降水量50 mm以上の年間発生回数
⼟⽯流等 700⼈, 46%
地すべり 160⼈, 10%
がけ崩れ 676⼈, 44%
過去30年間の
⼟砂災害による 死者・⾏⽅不明者
1,536⼈
図-1.3 過去30年間の土砂災害による人的被害9)
2
ドグラフに表れている降雨量からも読み取れる.また,土石流が発生するための3条件は,①勾配(渓流の河 床勾配が約15 °以上であること),②材料(土石流を構成するための土砂が山腹や渓流に存在すること),③水
(大量の水が渓流に存在すること)とされており8),条件①および②を満たす渓流は多く存在する.国土交通 省は,土石流発生の危険性があり,人家5戸以上が立地し,人家に被害を及ぼす恐れのある渓流を土石流危険 渓流としているが,全国に89,518渓流あり,その対策は急務である10).
国土交通省は,土石流および土砂とともに流出する流木等による土砂災害を防止するために砂防基本計画 策定指針11)を策定しており,土石流の流下区間・堆積区間においては,土石流・流木捕捉工を土石流・流木対策 施設の基本として位置づけている.具体的には,砂防構造物が整備し,総合的な土砂管理を目指すことが多 い.さらに,近年流木が多く流出している災害が多くなっていることから,既存の不透過型砂防堰堤におい ては流木捕捉性能が付加されていないため対策を行う必要が出てきた.今後,流木対策工を別途取り付ける か,副提を設ける等の処置が必要となった.
ところで,流下区間・堆積区間に設置される砂防堰堤に求められる機能は,①土石流および土砂とともに流 出する流木等の捕捉,②計画捕捉量に相当する空間の維持(除石の容易性,頻度),③平時の渓流環境(渓床 の連続性)の保全とされている.特に,近年は機能③に代表される環境負荷を低減しつつ,機能①および② に示される土石流の捕捉を満たすことができる透過型砂防堰堤の整備が全国で進められている.透過型砂防 堰堤は,流下する土石流中の巨礫等が先頭に集中する現象を利用し,写真-1.1に示すように巨礫等によって透 過部断面が閉塞することにより,後続土砂を捕捉することで,土石流の流下を阻止するものである11),12).な お,一般に混合材料からある物質が析出して分離することを偏析と表すため,本論文では,巨礫等が先頭に 集中する現象を偏析現象と記す.
近年,透過型砂防堰堤における土石流捕捉事例において,巨礫による透過部の閉塞を伴わない土砂捕捉事 例もみられるようになってきた.平成25年の伊豆大島土石流災害では,大量の流木とともに土砂を捕捉した が,巨礫による透過部の閉塞は生じなかった13),14).同様の事例は,平成21年の山口県防府市における土石流 災害における土石流捕捉事例15),16)でも確認されており,透過型砂防堰堤において当初期待されていた,巨礫 によって開口部を閉塞されることで土砂を捕捉する事例とは異なるものであった.すなわち,これらの事例 は流木によって透過部が閉塞されることで土砂を捕捉されたと考えられる.今後,透過型砂防堰堤において,
写真-1.1 透過型砂防堰堤土石流捕捉事例(平成26年長野県南木曽町土砂災害)
3
流木による土砂の捕捉事例が生起し,土石流の流下阻止に効果を発揮することを期待するためには,巨礫の ように土石流中の流木が土石流先端に偏析する機構および,透過型砂防堰堤における流木による土砂の捕捉 機構を明らかにする必要がある.
1.2 透過型砂防堰堤における土砂捕捉形態および流木による土砂捕捉事例
1.2.1 透過型砂防堰堤における土砂捕捉形態
透過型砂防堰堤の設計および配置上の留意事項として,以下の条件を満たすことが必要であるとされてい る11).
① 開口部の幅は,谷幅程度とする.
② 「計画規模の土石流」および土砂とともに流出する流木によって透過部断面が確実に閉塞するととも に,その構造が土石流の流下中に破壊しないこと.
③ 中小規模の降雨時の流量により運搬される掃流砂により透過部断面が閉塞しないこと.
特に,土石流を確実に捕捉するために,透過部断面が確実に閉塞するように部材間隔を適切に定めること が重要である.透過部の断面は,土石流の最大礫径(D95),流木の最大直径,および施設の目的等により決定 される.しかし,一般的には,流木の最大直径より最大礫径の方が大きいため,効率よく巨礫を捕捉するた めに,水平純間隔および鉛直純間隔を最大礫径の1.0倍を標準とし,最大でも1.5倍以内に設定される.つまり,
透過部において,1個ないし2個の礫による礫同士の噛み合わせにより,礫同士の押す力がアーチのように作 用するアーチアクションが作用して,開口部が閉塞されることで,透過型砂防堰堤において土石流の捕捉が 期待できる11),17).
一方で,流木の捕捉工における設計は,捕捉工間隔に着目すると,捕捉工間隔Wと最大流木長Lmaxを用いて,
W/Lmaxが1/2以下にすることとしている.これは,水山ら18)が不透過型砂防堰堤の堤体や副堤上に設置される 流木止スクリーンによる流木の捕捉率に関する関係式をまとめており,流木の捕捉性能実験から検討されて いる.また石川らは,不透過型の砂防堰堤を用いた実験により,砂防堰堤,流木止スクリーンおよび水褥池 における流木の捕捉効果の検討19)や,狭窄部における流木捕捉率に関する関係式の提案を行っていることか ら,設計式として用いられている20).しかし,流木混じり土石流における捕捉形態を基に検討されていない ので,混合状態における性能評価について検討が必要である.
透過型砂防堰堤における土石流捕捉事例は数多く報告されているが,①礫のみの捕捉21), 22),②礫と土砂の 捕捉23),③礫と流木と土砂の捕捉24),④流木と土砂の捕捉に区分される21)-24).多くの事例は,土石流中に流木 が混在し,礫と流木と土砂の捕捉となる.しかし,①~③の捕捉事例は,礫が混在しており,透過部におい て礫によるアーチアクションが作用することで透過部を閉塞するものであり,透過型砂防堰堤において期待 される効果を発揮した結果によるものである.また,③の礫と流木と土砂の捕捉事例では,流木によって透 過部の開口率が減少し,小礫が捕捉されてアーチアクションが発揮されることが分かっている17).ところが,
④の流木と土砂による捕捉事例は,透過部断面を決定する主要素である礫が含まれないため,巨礫等によっ て透過部断面が閉塞することで後続土砂を捕捉するという,透過型砂防堰堤において期待される土砂捕捉機 構とは異なるものである.今後,透過型砂防堰堤において,流木と土砂による捕捉事例を期待するためには,
その土砂捕捉機構を明らかにする必要がある.
4
1.2.2 山口県防府市八幡谷渓流における被災事例
平成21年7月21日,山口県内防府市において活発な梅雨前線によって最大1時間雨量および最大24時間雨量 ともに観測史上を更新する集中豪雨となり,市内で土砂災害が多発,多数の死傷者を出す災害が発生した.
佐波川水系八幡谷渓流においては,最下流部に位置する八幡谷渓流堰堤(I型スリット堰堤)およびその上流 の八幡谷渓流1号堰堤(鋼製スリットえん堤B型)の2基の透過型砂防堰堤が土石流を捕捉し,下流への流下を 防いだ25).
写真-1.2および写真-1.3に,下流側および上流側から撮影した各透過型砂防堰堤の土砂捕捉状況を示す.透 過部全面が流木によって閉塞し,堰堤頂部まで細粒分が多い土砂を捕捉している.写真-1.4に,八幡谷渓流堰 堤の透過部断面の閉塞状況を示すが,透過部断面に礫は見受けられず,流木が直径10~20 cm程度で枝や根を 含んで折り重なるように堆積している.また,被災8ヵ月後に除石を実施し,堆積状況を現地調査したところ,
ある程度の礫は見られたが,巨礫ではなく流木によって閉塞していることがわかった.八幡谷渓流1号堰堤に おいても,被災11ヶ月後に除石をおこなったが,八幡谷渓流堰堤と同様に堰堤近傍には巨礫は存在していな かった.つまり,土石流の先頭部に立木が流木化して流下し,透過型砂防堰堤に到達して閉塞し,その後続 土砂が捕捉されたものと考えられる.なお,両堰堤とも巨礫は堰堤に到達せず,土砂堆積区間の上流におい て堆積しており,堰堤上流の勾配が緩くなったことや狭窄部を通過したために停止したと考えられる.
写真-1.3 八幡谷渓流1号堰堤(鋼製スリットえん堤B型)
における流木交じり土石流捕捉状況 .
(a) 堰堤正面からの捕捉状況 (b) 堰堤上流の捕捉状況 写真-1.2 八幡谷渓流堰堤(I型スリット堰堤)
(a) 堰堤正面からの捕捉状況 (b) 堰堤上流の捕捉状況
写真-1.4 八幡谷渓流1号堰堤 透過部における流木
捕捉状況
5
1.2.3 伊豆大島大金沢における被災事例
平成25年10月26日,伊豆大島において,台風26号による24時間雨量が800 mmを超える極めて大きい短時間 降雨強度および総雨量の豪雨に見舞われ,大規模な土石流が発生し,多くの死者・行方不明者を出す甚大な 土砂災害が発生した.土石流が発生した大金沢では,火山地質の斜面が広範囲にわたって表層崩壊したため,
写真-1.5に示す,斜面に植生していた浅い根系の立木を巻き込み,大量の流木を含む土石流となった.流下し た流木によって,暗渠や橋梁が閉塞することによる氾濫被害も発生した.現地には,土砂災害の対策工が設 置されており,大金沢本川堆積工上流の透過型砂防堰堤では,直上流で発生した土石流を捕捉して被害を軽 減している13).
写真-1.6および写真-1.7に下流側および上流側から撮影した大金沢本川堆積工上流の透過型砂防堰堤の土 砂捕捉状況を示す.大金沢本川堆積工は,上流部に位置する高さ8.0 mの鋼製スリット堰堤B型の透過型砂防 堰堤とその下流に位置する堤高10.0 mの不透過型のコンクリート堰堤からなり,両堰堤間に長さ約120 mの土 砂堆積地がある.写真-1.6は,被災直後の下流側から撮影した鋼製スリット堰堤B型の土砂捕捉状況であるが,
幹・枝・根からなる流木によって透過部が閉塞しているだけではなく,堰堤を超える高さまで流木が堆積し,
土砂とともに大量の流木が流下したことがわかる.写真-1.7は除石中の様子であるが,堰堤直後の堆積土砂に 巨礫はほとんど存在せず,堆積土砂は,細粒分を多く含んだ黒色の火山灰である.また,流木は,流下中に 折損し,短くなっている13),14).
写真-1.5 伊豆大島土石流災害における崩壊地側頭部
写真-1.6 大金沢本川堆積工上流の透過型砂防堰堤 写真-1.7 土砂堆積状況
6
1.2.4 平成 29 年 7 月九州北部豪雨(須川第一砂防堰堤)26), 27)
九州北部豪雨は,2017年(平成29年)7月5~7日にかけて,福岡県朝倉市から大分県日田市に及ぶ比較的狭 い範囲に,最大時間雨量140 mm超,最大日雨量800 mm超の豪雨が降った災害である.これにより,当該地域 の山間地では多数の表層崩壊が発生し,崩土は立木とともに渓流に流入している.さらに,下流域へ流木混 じりの土石流や洪水流となって流出した.一方,日田市小野川流域では,地すべり地形を呈する山腹斜面の 一部が深層から崩壊し,降雨末期に流量の低減した河川を一時的に堰止めた.これらにより,朝倉市を中心 に福岡・大分両県では死者行方不明者41名,全壊275棟,半壊1061棟と大きな被害が発生した.
その中で,妙見川では写真-1.8に示しているように既設の砂防堰堤が機能し,下流の被害を最小限に抑えて いた。まず,流木を大量に捕捉した須川第一砂防堰堤から約800 m上流の山坂地区までの区間に,上流へ長さ 約100 m,幅50~70 mの範囲に膨大な量の流木が堆積していた.不透過型砂防堰堤が,大量の流木を捕捉した 事例と思われる.しかし,天端を大きく上回る流水や流木がア―チングジャムのように流出部に複雑に絡む ことで,下流部への流れを防がれることもあるため,捕捉効果については不明確である.さらに,砂防堰堤 が受けた被害は,左岸側の袖の一部が直下流に落下していたことと,右岸側の斜面地山への根入れ部分が下 流側において露出していたことの2点である.前者は,流木の袖部への衝突や流木が水通し断面を一時的に閉 塞して堰上げが生じたこと等により,袖部に大きな横向きの力が作用した可能性が,後者は右岸袖部を水が 越流し,落下水によって埋め戻し土砂が洗掘された可能性が考えられる.このようなことから大量に混合し た流木のメカニズムについては詳細な検討が必要である.
1.3 既往研究
1.3.1 土石流中の流木の偏析に関する既往研究
土石流は,低いところに流れ流体のように振舞う一方,勾配が緩くなると停止するように,水と砂の挙 動を併せ持つ複雑な運動である.土石流は予測が困難であるため,その観測も難しい.しかし,土石流流 下渓谷の調査や,砂防堰堤における土砂捕捉事例の調査により,土石流先頭部に巨礫等が集中することが 明らかにされている.流木混じり土石流においても,尾崎ら25)による,透過型砂防堰堤における流木混じり 土石流の捕捉事例の掘削調査によって,巨礫および流木が堰堤透過部近傍にて捕捉され,土石流中の流木 が土石流先端に偏析していることが明らかになっている.また,平成26年7月9日に長野県南木曽町で発生 した土石流災害においては,災害が発生した流域に設置されたCCTVによって,土石流先頭部に大量の流木 が含まれていることが確認されている.
瀬尾ら28)は,土石流中の流木の運動に注目し,直線水路を用いた実験により,流木は土石流先端に集まる 傾向を示し,土石流先端部における流木の運動について検討している.澁谷ら29)は,流木混じり土石流の研
写真-1.8 須川第一砂防堰堤の流木捕捉景況
7
究において直線水路の実験をおこなっている.しかし,直線水路の実験では,偏析を生起させるために適切 な底面粗度を与える,あるいは移動床とする必要があるだけでなく,流路長に制限があるため,土石流先端 部で生じている偏析を定常化し,連続して観測することは困難である.
そこで,円筒型の水路を回転させる回転円筒実験装置や直線水路にベルトコンベアを設置した底面走行式 水路などを用いて,流路長を無限に確保し,水路内で生じる現象を定点で観測する研究がおこなわれている.
底面走行式水路を用いた研究として,藤間・首藤30)は,先端部の詳細な波形,流速分布やレイノルズ応力分布 を測定し,先端部の抵抗則を導き,波先端部の構造を検討した.原田ら31)は,段波内において上部に向かって 粒径が大きくなる逆グレーディング現象を発生させ,流下距離と逆グレーディング現象との関係を考察した.
回転円筒水路を用いた研究は,三好ら33)による,円型回転流動装置を用いた固液混相流の特性および,固液 混相流の流動に伴う散逸エネルギーに関する実験や,堀田ら33)による固液混相流の深さ方向の間隙水圧の分 布の測定をおこない,直線水路における間隙水圧の測定結果と比較し,回転円筒型の実験装置の特性を整理 したものがある.また,堀口ら34)は,回転円筒実験装置を用いた2粒径混合状態の偏析生起における実験をお こない,混合球形における大粒径の集中機構を整理した.しかし,土石流のような流木と清水に加えて土砂 が混合する条件における流木の偏析やその運動形態の検証については未解明である.
1.3.2 土石流中の流木による土砂捕捉に関する既往研究
洪水時に発生する出水災害,流送砂災害および流木災害の中で,流木災害はあまり重要視されていなかっ たものの,流木発生時における流下防止策を講じるために流木の研究がおこなわれ,流水中の流木の運動特 性および流木の衝撃力,堆積機構の究明,さらに流木阻止工法の確立が前後しながら発展していった.まず,
足立ら35)は,模型実験をおこない,流木による橋梁支間の閉塞および水位の塞上げの関係について明らかに した.水原ら36)-40)は,流水中の流木の運動特性をまとめ,不透過型砂防堰堤の湛水池における流木の堆積お よび運動機構を明らかし,流木防止柵による流木の流下阻止の検討をおこなった.
土石流中の流木に関しては,清水中の流木の運動に関する研究を発展して研究された.まず,瀬尾ら28)は,
土石流中の流木の運動に注目し,直線水路を用いた実験により,流木は土石流先端に集まる傾向を示し,模 型実験により不透過型砂防堰堤に流木止めスクリーンを設けた場合の流木捕捉効果を明らかにした.水山ら41) は,流木止めスクリーン付砂防堰堤による流木捕捉効果について,模型実験をおこない,流木止めスクリー ンの形状が流木捕捉率に与える影響をまとめた.石川ら42)は,流木の移動と停止条件について模型実験と現 地調査をおこなうことで明らかにし,水路上の狭窄部における流木の捕捉率の算定式を導いた.さらに,松 村ら43)は,格子型透過型砂防堰堤における流木捕捉効果について,模型実験をおこない,格子形状と流木の 捕捉機能の関係について整理した.長谷川ら44)は,流木を含む土石流による河道閉塞の形成及び決壊につい て,狭窄部を再現するために立木を模した直線水路を用いて模型実験をおこない,流木の流下条件と河道閉 塞による輸送濃度を整理した.
一方,不透過型砂防堰堤においては,計画流木捕捉量を超える量の流木を捕捉する事例が見受けられたこ とから,山田ら45)や南ら46)によって,不透過型砂防堰堤の流木捕捉能力に関する模型実験がおこなわれ,土石 流捕捉時の土砂堆積量と流木長と水通し幅が流木捕捉に関係していることが明らかにされている.透過型砂 防堰堤においては,小山内ら47)が,流木の捕捉状況についてアンケート調査をおこない,総捕捉量に対する 流木捕捉量が20 %程度であることを明らかにし,流木対策設計技術指針で示されている総捕捉量に対する計 画流木捕捉量の妥当性を明らかにした.
これらの既往研究においては,流木モデルの形状として円柱形状を用いている実験がほとんどである.し
8
かし,澁谷ら48)による豪雨災害にともなう流木実態調査では,さまざまな流木の長さの流木に加えて,根付 流木が多数見受けられることが明らかにされた.また,透過型砂防堰堤における捕捉状況調査においても,
流木が観察された事例では,幹だけではなく,根や枝の捕捉されていることが報告されている.流木の形状 の効果を検討した研究として,清水ら49),50)は,流木を球形の要素をつなげモデル化し,個別要素法を用いて 流木の流動および集積過程の再現を試み,根の有無により橋梁部における流木塊の形成が異なることを明ら かにしている.また,澁谷ら48), 51)は,掃流区間に設置される流木捕捉工に対して流木形状が与える影響を明 らかにするために,根付流木を再現した流木モデルを用いた水理実験と個別要素法による解析をおこない,
流木根によって流木が絡み合い,流木捕捉率が向上することを示した.
尾崎ら25)による透過型砂防堰堤における土石流捕捉事例の掘削調査によって,写真-1.9に示すように,流木 は砂防堰堤付近に堆積しており,流木混じりの土石流において,土石流中の流木は巨礫とともに土石流先端 に集中していることを明らかにした.さらに,葛西ら52), 53)は,図-1.4に示す機構によって土石流が捕捉される と考察し,流木の有無によって透過型砂防堰堤における土砂捕捉形態に影響があることを示している.そこ で,澁谷ら54)は,透過型砂防堰堤における礫と流木混じり土石流の捕捉実験と個別要素法解析をおこない,
流木が混じることで,捕捉性能が向上することを明らかにした.橋村ら55)も,透過型砂防堰堤における土砂,
水,流木混相流の挙動について模型実験をおこない,流木長や流木本数が土砂捕捉量に与える関係を整理し た.しかし,幹部以外の流木が混ざった土石流に対する検討や,伊豆大島土石流のような細粒分が多い土砂
写真-1.9 透過型砂防堰堤における堆砂断面図25)
図-1.4 透過型砂防堰堤における流木混じり土石流 捕捉時の想像図52) .
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に対して流木が与える影響について検討されたものは見当たらず,透過型砂防堰堤における流木と土砂の捕 捉形態について更なる検討が必要と思われる.
1.3.3 無限遠を利用した装置における既往の研究
無限遠を利用した装置における動機は,流下距離が制限を受ける直線水路に対し,観測点を移動しないと 運動形態を容易に観測することが困難であることから,偏析時に生じている現象を分析するには工夫が必要 である.円筒型の水路を回転させる回転円筒実験装置や直線水路にベルトコンベアを設置した底面走行式水 路など,流路長を無限(無限遠型)に確保し,水路内で生じる現象を定点で観測する研究が行なわれている.
Hsuら 56)は,礫,土砂および粘土を用いて円筒内の運動形態と実験的な速度評価を行い,材料特性における 振る舞いを整理した.また,Katina & Rickenmann57)は,混合状態における礫材の安定角度や回転速度の変化 を整理し,円筒内の運動形態を整理している.堀口ら58)も,水路内で生じた礫の偏析現象を定点で観測でき る回転円筒実験装置を用いた研究を行った.そこでは,均等粒形の2粒径混合状態や不均等粒形の2粒径混 合状態の偏析における実験を行い,混合球形における大粒径の集中偏析を整理した.さらに,球形における 特殊性と形状有しているものと振舞いが異なることについても言及している.しかし,土石流における流下 形態から生起する偏析における解析的な補足やシミュレーションによる再現において,検証する必要がある.
さらに,土石流における粘性流体を有しているところまで踏み込んでおらず不明瞭である.防災構造の性能 予測の信頼性を損なっていることになる.さらに,いずれの実験も流木や水が含んだ現象については不明確 な点が多くある.
10 1.4 研究の目的と構成
本研究は,鋼製透過型砂防堰堤の流木閉塞に伴う土砂捕捉機構を検討するために,回転円筒実験装置を用 いて,段波形成時における流木の偏析生起機構について基礎検討し,個別要素法による再現解析をおこなっ た上で,模型実験により流木による土砂捕捉機構について検討するものである.
本論文の構成は,図-1.5のように6章から構成される.また,各章の概要について,以下に示す.
(1) 第1章では,透過型砂防堰堤の土砂捕捉形態および土砂捕捉事例について述べ,本研究の目的と構成につ いて述べる.
(2) 第2章では,回転円筒実験における流木混じり土石流の段波形成に関する実験について述べ,流木が段波 の形成過程に与える影響,水と流木混じりにおける運動特性および流木が段波先頭部に集まる偏析現象につ いて検討する.
(3) 第3章では,回転円筒実験における水・砂・流木混合土石流の偏析に関する実験について述べ,流木が段波 の形成過程に与える影響,水と土砂と流木の混合状態における流木の運動特性および流木が段波先頭部に集 まる偏析現象および発生条件について検討する.
(4) 第4章では,水・流木混合状態における回転円筒実験の再現解析について述べ,個別要素法解析の回転円 筒実験に対する再現性を検証し,回転円筒実験による段波形成時の流体内の運動や流木の偏析現象の基本メ カニズムの適用性を検討する.
(5) 第5章では,樹根が土砂の捕捉効果に与える影響について着目して,直線水路を用いて,砂と流木混じり 土石流における透過型砂防堰堤の土砂捕捉効果について実験的に検討する.
(6) 第6章では,本研究で得られた成果をまとめるとともに,今後の発展と課題について述べる.
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図-1.5 本論文の構成
12
13
第 2 章 回転円筒実験における流木混じり土石流の段波形成に関する実験的検討
2.1 緒 言流木混じり土石流の流下形態は,先頭部に流木が集中すると考えられているが,そのメカニズムは不明確 である.本章では,回転円筒実験装置の流体実験への適用性を確認し,流木の偏析現象を解明をするために,
水と流木の混合状態における運動形態を考察するものである.まず,回転円筒内に土石流の特徴である,先 端部が段波形状を呈し盛り上がる現象 1)である土石流先端部を模した段波形状を形成することを確認する.
そのうえで,清水のみの流体運動を水深と底面速度ごとに整理する.その後,流木を長さや量を変えて混入 させ,その運動形態を観察し整理する.これらを通じて,流木が段波の形成過程に与える影響,水と流木混 じりにおける運動特性および流木が段波先頭部に集まる偏析現象について考察するものである.
2.2 実験要領
2.2.1 回転円筒実験装置
写真-2.1に,本実験で用いた実験装置を示す.実験装置は,幅20 cm,外径92 cm,流路深さ15 cmの回転 円筒型アクリル板流路に,電動機と減速機を連結したものである.回転円筒の内側の路床には粗度は設けて おらず,回転円筒の内側の路床および側面は透明なアクリル板であるため,側面および底面からの流動状態 の観察が可能である.この回転円筒実験装置の特徴は,流路長に制約がなく,流動位置をほぼ固定して流体 運動を定点で観測できることである.つまり条件が整えば,定常平衡状態を長時間にわたり作り出すことが できる2).一方で,直線水路とは異なり,曲率の影響を受けるが土石流のフロント部を長時間観察することが 可能である.実験装置の水路の縮尺は1/75としており,本実験の最大底面速度3.0 m/s にフルード相似則を 適用すると26.0 m/s となり,10 ~ 20 m/s とされる泥流型土石流の流下速度に対しやや速い速度となる.
写真-2.1 回転円筒実験装置
14
2.2.2 流木モデル
写真-2.2に,使用した流木モデルを示す.流木モデルは直径6 mmの円柱形の木材であり,流木長が60 mm
と120 mmの2種類を使用した.木材の比重は,乾燥時0.70,湿潤時1.06,実験時0.8~0.95程度である.な
お,本実験では,流木モデルを十分に水に浸けてから実験を行った.また,一部の流木モデルには,流木モ デルの回転の様子が観察できるように赤色で着色した.
2.2.3 代表角度2)
実験装置の底面速度を一定に保つと,清水はほぼ同じ位置に留まる.この状態を平衡状態と呼ぶ.また,
図-2.1に,この平衡状態における各諸元の角度の定義を示す.清水の先端を先端角L,後尾を後端角U,清水 の横断面形状から算出した重心点の角度を平衡角Cとし,全体の広がりや安定状態を示す代表値とした.こ れらは,実験装置に直交して設置したカメラにより撮影した写真から測定する.よって,代表角度の識別を 容易にするため清水を赤色で着色した.角度は,実験装置中央から鉛直下方に伸ばした線を基準とし,円筒 の回転方向(反時計回り)を正としている.また,回転速度は,速度メーターを用いて計測した.
2.2.4 実験ケース
実験は,回転円筒内に清水および流木モデルを入れ,装置を回転させることにより発生する段波の観測お よび代表角度の計測を行った.表-2.1に,実験ケースを示す.
写真-2.2 流木モデル
回転⽅向
中⼼点
θ︓先端⾓ θ︓平衡⾓
θ︓後端⾓
鉛直 線
清⽔の側⾯形状重⼼
図-2.1 代表角度2)
表-2.1 実験ケース
シリーズ 水 深 h (mm)
底面速度 v (m/s)
流木長 l (mm)
流木本数
n ケース数
清水のみ 20 30 40 50
0,0.5 1.0,1.5 2.0,2.5
3.0
28
流 木 混じり
60 120
25 50 100
144
15
まず,円筒内に清水のみを入れ,静止状態における円筒内の最大水深を変化させた4種類の実験を行った.
続いて,円筒内に流木モデルを混合し,水深ごとに流木モデルの全長と本数を変化させた実験を行った.各 種類において,底面速度が0.5 m/sごとに静止状態(0.0 m/s)から3.0 m/sまでの7種類の速度条件で実験し た.そのうえで,代表角度の段波生起条件およびその形状を測定した.これらのパラメータを組み合わせて,
172ケースについて実験し,各ケースでは3回ずつ計測した.
2.3 実験結果と考察
2.3.1 清水のみの実験
(1) 段波の形成状況
写真-2.3に,水深h = 40 mmの実験において,静止状態から底面速度v = 3.0 m/sまで回転させた場合の水 面形状を示す.写真-2.3 (a)の静止状態においては,形状は左右対称であり,横断面の重心である平衡角C = 0 °である.写真-2.3 (b) のv = 1.0 m/sでは,底面速度の影響により先端角L = -22 °および後端角U = 32 °と 流水全体がやや後退している.しかし,水面は静止状態とほとんど同じであり,段波は形成されていない.
観察によると,底面速度が遅いため,図-2.2(a) のように底面と清水において働く粘性が底面付近のみにおい て生じることから,図-2.2 (b) に示すような清水の循環は生じていない.
写真-2.3 (c) のv = 2.0 m/sでは,L =-21 °,U =45 °,C =4 °であり,流水全体がv = 1.0 m/sよりも後退 し,水面も静止状態とは異なる形状になっている.しかし,段波の特徴である,先端の流れと後続流の流速 差による先端部の切り立つ様子は見られない.
写真-2.3 (d) のv = 3.0 m/sでは,L =-18 °,U =67 °,C =12 °であり,先端部下部はさらに丸みを帯びる とともに,先端は,清水内の先端と後続流との流速差による盛り上がりにより,水路床と接する部分よりも 前に出るように切り立っており,明瞭な段波を形成している.また,後端は底面速度の影響により著しく後 退し,流水全体が伸びている.
図-2.3に,同一水深における速度変化による水面形状の比較を示す.図-2.3 (a) の水深h = 40 mmでは,底 面速度を速くすると,v = 1.0 m/sまでは静止状態とほぼ同じであるが,v = 2.0 m/s以上においては,先端が切 り立ち,先端の盛り上がりが明瞭になり段波が形成されている.図-2.3 (b) の水深h = 50 mmの場合も,水深
h = 40 mmと同じように底面速度が速くなると段波が形成される傾向が見られる.これは,図-2.2 (b) のよう
に,回転円筒内の清水は,底面速度の影響を強く受け,各断面の流量が変わらないように,円筒の回転方向 と同じ方向で循環しているものと見受けられる.そのため,先端部では互いに反対方向に向かう水の間の流 速差により粘性力が生じ,盛り上がったり,先端が切り立ったりしていることがうかがえる.
図-2.4に,同一底面速度における水深変化による水面形状の比較を示す.図-2.4 (a) のv = 2.0 m/sでは,深 さが浅くなるほど,段波の形状の特徴である先端部の盛り上がりや切り立ちが目立ち,段波形状は明瞭なも のになる.図-2.4 (b) のv = 3.0 m/sにおいては,水深が浅くなると全体的に極端に後退し,段波形状がさらに 顕著になる.これは,水深が浅く底面速度が速いと,流体粘性が働く領域の占有率が大きくなるためである.
(2) 代表角度の変化
図-2.5 に,清水のみの実験で得られた代表角度~速度関係を示す.底面速度が速くなると,速度の増加に 伴い先端角および後端角が増加し,流水全体が後退する傾向が見られる.この傾向は,平衡角および後端角 において顕著であり,速度増加に伴って,全体の長さが伸びていることもわかる.つまり,相対的に水深が 浅くなる.
16
50mm 100mm
v = 0.0m/s v = 1.0m/s v = 2.0m/s v = 3.0m/s
L=-18°
U=67°
L=-22°
C=2°
U=32°
L=-24°
C=0°
U=24°
C=12°
L=-21°
C=4°
U=45° (a) 底面速度v = 2.0 m/s (a) 水深h = 40 mm
(b) 水深h = 50 mm
図-2.3 水面形状の比較(水深一定)
(b) 底面速度v = 3.0 m/s
図-2.4 水面形状の比較(底面速度一定)
(a) 静止状態
(b) v = 1.0 m/s
(c) v = 2.0 m/s
(d) v = 3.0 m/s
写真-2.3 清水のみ 水深h = 40 mm における水面の形状
h = 50 m
50mm 100mm
h = 40 m h = 30 m h = 20 m
75.0 60.0 45.0 30.0 15.0 0.0 -15.0
-45.0 -30.0
底⾯速度v(m/s)
⽔深h=20mm
⽔深h=30mm
⽔深h=40mm
⽔深h=50mm 段波形成
0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0
U
L C
図-2.5 清水のみの実験における 図-4 代表角度~速度関係●●
v = 0.0m/s
50mm 100mm
v = 1.0m/s v = 2.0m/s v = 3.0m/s
h = 40 m h = 30 m h = 20 m
h = 50 m
50mm 100mm
(a) 段波が形成されない例 (b) 段波が形成される例
・底面速度が速いため,粘性の働きによ る盛り上がりが著しく,先端が水路床接 触部より前に出ている.
・水面は深いが,底面速度による粘性 が強く水面形状が変形している
図-2.2 段波形成時の状況
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ところで,段波が形成されている場合には,円筒内の清水は内部で循環している.つまり,清水が存在し ている断面では,清水が先端から後端へ流れるものと後端から先端へ流れるある断面の流量が等しくなって いる.このことから,底面速度が増して先端角が後退するのは,速度が増すと底面付近の清水が先端から後 端へ流れる量が大きくなる.これを補完するために先端へ流れる量を大きくするには,勾配が大きくなるこ とで後端部から先端部へ押し流す力を大きくし,平衡するためである.
また,底面速度が速くなると,平衡角も後退するが,その位置が相対的に先端に近寄る傾向が見られる.
つまり,清水が先端に集中して,先端において段波形状となる条件が整えられる.
なお,水深が浅いほど底面速度の増加に伴い,代表角度が後退している.これは,水深が浅いほど,清水 全体が底面に近づくため,流水の粘性の影響が流水全体に反映されやすいためである.
2.3.2 流木混じりの実験
(1) 段波の形成状況
写真-2.4に,水深h = 50 mmとし,底面速度v = 2.5 m/sとした場合の流木混じりの実験における水面形状を 示す.写真-2.4 (a) の清水のみの場合,先端の盛り上がりがなく,段波は生起していない.一方,写真-2.4 (b) に示す,流木長l = 120 mm,流木本数n = 100の流木を混ぜた場合では,先端部分に流木が塊を形成している ので,先端の盛り上がりが大きくなり,段波が形成されている.つまり,流木が混じると段波形状に明瞭に 影響を及ぼすことがわかる.
図-2.6に,写真-2.4 (a),(b) に示した条件における,流木混入条件を変化させた場合の水面形状の比較を示 す.流木を混ぜると,清水のみの実験と比較して,段波全体が後退しており,特に後端角が著しく後退して いる.また,先端部分からの盛り上がりや切り立ちも顕著である.また,同一流木長における流木数の差に よる水面形状を比較すると,流木数が多いと先端角および平衡角がさらに後退し,段波形成が明瞭になる.
これは,混入する流木量が多くなると,円筒内の清水の流れに対する抗力や流木塊と水路床との摩擦によっ て,先端部が後方へ押し下げられるためと考えられる.
(2) 流木塊の運動形態
写真-2.5 に,実験において観測された代表的な流木塊の運動形態を示す.これを基に各流木塊の運動形態 の分類は次のようになる.
a) 浮遊状態
写真-2.5 (a) は,h = 40 mm,v = 0.5 m/s,l = 60 mm,n = 100における流木の運動形態である.これは,底面 速度が遅い場合に観測される運動形態である.この時,流木は互いに重ならずに水面全体に分散して浮いて いる.
b) 偏析状態[配置変換あり]
写真-2.5 (b) は,h = 40 mm,v = 2.0 m/s,l = 60 mm,n = 100における流木の運動形態である.これは,底面 速度を速くした場合に観測される運動形態である.浮遊状態と比較すると流木が,先端に堆積し偏析してい る.この時流木は,先端において相互に重なりあって塊を形成するとともに流木が塊内を移動する.この状 態を偏析状態[配置変換あり]とした.流木塊は,回転円筒内を移動せずに,先端部にとどまり流れに抵抗 している.これは,流木は浮力により水面付近の流れの影響を強く受けるため,先端部に偏析するとともに 堆積するためである.また,水路床付近の先端から後端へ遡る流れにより,流木塊から流れ出した流木は,
浮力の影響と流水が伸びて浅くなることから,後端に至る途中で,水面に浮上し先端へ移動する.つまり,
流木は後端部まで達しない.
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写真-2.5 流木塊の運動形態 (a) 浮遊状態
(h=40 mm,v=0.5 m/s,l=60 mm,n=100)
(c) 偏析状態[配置変換なし]
(h=40 mm,v=3.0 m/s,l=120 mm,n=100)
(d) 流水・流木塊分離状態 (h=20 mm,v=0.5 m/s,l=120 mm,n=100)
(b) 偏析状態[配置変換あり]
(h=40 mm,v=2.0 m/s,l=60 mm,n=100) 写真-2.4 流木混じりの水面形状(h=50 mm,v=2.5 m/s)
(a) 清水のみ (b) 流木混じり(l=120 mm,n=100)
図-2.6 流木混じりの水面形状の比較(h=50 mm,v=2.5m/s)
流⽊混じり l=120 mm,n=100
清⽔のみ
流⽊混じり l=60 mm,n=100 流⽊混じり l=60 mm,n=50 流⽊混じり l=120 mm,n=50
50mm 100mm
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写真-2.6 に,偏析状態[配置変換あり]における流木塊内の流木の動きを示す.流動平衡状態であるた め,流木塊全体の位置は変化しない.しかし,流木塊を構成する一つの流木に注目すると,流木塊内を移動 して配置変換している.つまり,図-2.2 (b) に示すような,円筒内における清水の循環との相互作用によ り,流木塊内においても個々の流木が循環している.
(a) t = t 0
(b) t = t 0 + 0.25 sec
(c) t = t 0 + 0.5 sec
(d) t = t 0 + 0.75 sec
(e) t = t 0 + 1.0 sec
(a) t = t 0
(b) t = t 0 + 0.25 sec
(c) t = t 0 + 0.5 sec
(d) t = t 0 + 0.75 sec
(e) t = t 0 + 1.0 sec 写真-2.6 流木塊内の配置変換ありの場合
の流木塊の運動
( h = 40 mm,v = 3.0 m/s,l=120 mm,n = 50)
写真-2.7 流木塊内の配置変換なしの場合 の流木塊の運動
( h = 40 mm,v = 3.0 m/s,l=120 mm,n = 100)