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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

地理空間情報と情報通信技術を活用した地域防災の 高度化に関する研究

岡島, 裕樹

http://hdl.handle.net/2324/2236211

出版情報:九州大学, 2018, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)

地理空間情報と情報通信技術を活用した 地域防災の高度化に関する研究

2019 年 1 月

九州大学大学院 工学府 建設システム工学専攻

岡島 裕樹

(3)

論文調査(甲)

論文提出者 岡島 裕樹

論文題名 地理空間情報と情報通信技術を活用した 地域防災の高度化に関する研究

論文調査委員 主査 九州大学 教授 三谷 泰浩

副査 九州大学 教授 塚原 健一

副査 九州大学 教授 矢野 真一郎

(4)

i

目次

1章 序論 ... 1

1.1. 研究の背景 ... 1

地域防災の現状と課題 ... 1

今後取り組んでいくべき防災 ... 4

地理空間情報と情報通信技術 ... 5

1.2. 地理空間情報と情報通信技術を用いた防災に関する既往研究・事例の課題 ... 18

国を対象とした研究・事例と課題 ... 18

都道府県を対象とした研究・事例と課題 ... 19

市町村を対象とした研究・事例と課題 ... 19

住民を対象とした研究・事例と課題 ... 20

国・都道府県・市町村・住民の連携に関する研究・事例と課題 ... 21

1.3. 研究の目的及び独自性 ... 21

1.4. 論文の構成 ... 22

2章 防災G空間情報基盤の構築 ... 29

2.1. はじめに ... 29

2.2. 地理空間情報の流通・利活用の課題 ... 30

協議会で取り上げられた課題 ... 30

既往の研究・事例における課題 ... 30

2.3. 防災G空間情報基盤の構築 ... 31

必要なシステム・サービスの検討 ... 31

構築した防災G空間情報基盤の概要 ... 32

ユーザーの定義 ... 33

データの定義 ... 33

データ登録・データ公開プロセス ... 34

ポータルサイトの設計と構築 ... 35

GISサーバーの設計と構築 ... 36

Webアプリ(Silverlight)の設計と構築 ... 36

ArcGIS Online及びWebアプリ(JavaScript)の設計と構築 ... 36

メタデータの設計と構築 ... 37

2.4. 防災G空間情報基盤の運用と利活用 ... 37

実証実験... 37

実証実験の結果 ... 38

実証実験における特徴的な流通・利活用事例 ... 40

(5)

ii

防災G空間情報基盤の評価 ... 43

2.5. まとめ ... 44

3章 市町村向け防災システムの構築 ... 47

3.1. はじめに ... 47

3.2. 市町村の防災システムの現状と課題 ... 47

全国的な現状と課題 ... 47

市町村における現状と課題 ... 48

3.3. 市町村向け防災システムの提案と構築 ... 48

G空間情報収集システム ... 50

防災業務支援システム ... 55

3.4. 市町村向け防災システムを用いた実証実験 ... 59

人吉市等の防災訓練 ... 59

糸島市の災害図上訓練 ... 62

3.5. 市町村向け防災システムの評価 ... 64

人吉市等の防災訓練 ... 64

糸島市の災害図上訓練 ... 65

3.6. 平成30年7月豪雨における実利用 ... 67

被害情報収集と対応 ... 67

避難所の開設・周知 ... 67

通行止めの周知 ... 67

実利用で明らかとなった課題 ... 70

3.7. まとめ ... 70

4章 九州圏域レベルにおける災害応急対応... 73

4.1. はじめに ... 73

4.2. 広域の被害情報収集・分析・共有手法の構築 ... 73

背景と目的... 73

平成28年(2016年)熊本地震の概要 ... 74

システムの構築 ... 74

G空間情報収集システムによる収集・分析・共有 ... 75

地理空間情報の収集・分析と九州地理空間情報ポータルによる共有 ... 78

4.3. オフラインを考慮したG空間情報収集システム(Android版)の構築 ... 81

背景と目的... 81

G空間情報収集システム(Android版)の構築 ... 82

実証実験... 86

(6)

iii

4.4. 九州地方整備局におけるG空間防災システムの活用 ... 89

背景と目的... 89

平成30年度 津波防災訓練の概要 ... 90

実証実験の準備 ... 90

実証実験... 92

4.5. まとめ ... 98

5章 市町村域レベルにおける災害予防... 101

5.1. はじめに ... 101

5.2. 九州地理空間情報ポータルによるハザードマップの作成・公開 ... 101

背景と目的... 101

方法 ... 102

5.3. 災害リスク・コミュニケーションによる地区防災マップの作成 ... 104

背景と目的... 104

対象地域の概要 ... 104

災害リスク・コミュニケーションの設計 ... 104

災害リスク・コミュニケーションの実施 ... 105

地区防災マップの構築 ... 108

地区防災マップの評価 ... 110

5.4. G 空間情報収集システムを活用した災害リスク・コミュニケーションによる地区 防災マップの作成 ... 110

背景と目的... 110

G空間情報収集システム ... 110

実証実験... 111

G空間情報収集システムを活用した効果 ... 114

5.5. まとめ ... 115

6章 各地域規模レベルにおける災害復旧・復興... 117

6.1. はじめに ... 117

6.2. 市町村域レベルの災害復旧・復興 ... 117

災害復旧・復興段階における災害リスク・コミュニケーションによる地区防 災マップの作成 ... 117

災害の記録・伝承のための災害伝承館の構築 ... 120

6.3. 九州圏域・県域レベルの災害復旧・復興 ... 121

衛星による土砂災害モニタリング ... 121

6.4. まとめ ... 124

(7)

iv

7章 結論 ... 127 謝辞 ... 129

(8)

1

第1章 序論

1.1. 研究の背景

地域防災の現状と課題 地域防災計画の概要

災害対策基本法(昭和36年法律第223号)(都道府県は第40条,市町村は第42条)1)に より,地方公共団体(都道府県及び市町村)には,防災基本計画に基づいてそれぞれの地域 の実情に即した計画である「地域防災計画」を作成することが求められている.

地域防災計画は,地方防災会議によって定められる,地域における防災の総合的な計画で ある.基本的には,都道府県及び市町村の地域につき作成する都道府県地域防災計画及び市 町村地域防災計画のことをいうが,単一の都道府県,市町村では対応が困難な大規模かつ広 域的災害等に備え,二つ以上の都道府県及び市町村の区域の全部または一部にわたる地域 につき,防災会議の協議会が作成する都道府県相互間地域防災計画及び市町村相互間地域 防災計画もある.

都道府県地域防災計画は,当該都道府県はもとより当該都道府県の地域に係る国の機関,

市町村,公共的機関等の処理すべき事務または義務について広く定め,それらの総合的運営 を図ることを目的とする.防災業務計画が全国的な視野に立った指定行政機関等の業務等 を定めた縦割りの計画であるのに対し,都道府県地域防災計画は,当該都道府県の実情に即 しつつ,地域の特殊性を加味して,地域の防災関係機関等の防災に関して処理すべき事務ま たは業務を定める横割りの計画といえる.都道府県地域防災計画は,都道府県防災会議が防 災基本計画に基づき作成するとともに,防災業務計画に抵触するものであってはならない とされている.このため,都道府県地域防災計画が防災基本計画及び防災業務計画と矛盾抵 触が生じないよう,計画の作成及び修正にあたっては,内閣総理大臣に協議するものとし,

その場合,内閣総理大臣は中央防災会議の意見をきかなければならないとされている.

都道府県地域防災計画が当該都道府県の地域における総合的な防災行政の運営を確保す ることを主たる目的としているのに対し,市町村地域防災計画は,災害対応の第一次的な役 割を担う当該市町村を中心にその地域における防災活動の効果的かつ具体的な実施を図る ことに重点が置かれている.市町村地域防災計画は,市町村防災会議が防災基本計画に基づ き作成するとともに,防災業務計画及び当該市町村を包括する都道府県の都道府県地域防 災計画に抵触するものであってはならない.このため,防災基本計画,防災業務計画及び都 道府県地域防災計画との矛盾抵触が生じないよう,計画の作成及び修正にあたっては,あら かじめ都道府県知事に協議するものとし,その場合,知事は都道府県防災会議の意見を聞か なければならないとされている.

都道府県地域防災計画,市町村地域防災計画とも,毎年防災計画に検討を加え,必要に応 じ修正しなければならないこととされている.

(9)

2 地域防災計画と大震災

災害対策基本法は様々な災害の体験を踏まえて改正され,地域防災計画もそれを受けて 内容が改められて来たが,1995 年の阪神淡路大震災が大きな転換点となった.神戸市やそ の周辺の市町において,建物や橋・高架等の構造物の壊滅的な被害によって6,400名を超え る尊い人命が失われた2).その災禍を通して,

・ 救命・救急活動から復旧過程において,地域住民の「協働」の力が必要不可欠であり,

「公助」,「共助」そして「自助」の役割分担と,それらの主体をなす人々の参画と協働 が極めて重要であること

・ 低頻度の巨大地震に対して,建物や構造物の被災を完全に防ぐことは不合理であり,人 命確保を最優先の目標とした“粘り強い”構造にすることや,被害の拡大を阻止して災 害の程度をできるだけ軽減させようとする「減災」の概念が重要であること

等が社会一般に認識されることとなった 3),4),5).それに伴い,地域防災計画はこのような社 会や人々の意識の変化に適応しながら,来るべき次の震災に向けて,事前の「減災」のため の有効な予防対策を実行ならしめる役割を発揮することを社会から期待されていた.その ような中で起きた災害が東日本大震災であった.

土木学会の東日本大震災フォローアップ委員会による地域防災計画特定テーマ委員会成 果の概要(案)6)によると,東日本大震災がもたらした多くの教訓は,これまで中央防災会 議をはじめとして関連諸学会から,さらには様々な機関や識者から指摘されているが,それ らは大きくは下記の4点に集約することができる.

・ 地震学,地質学,地形学,地震考古学等の最新の調査・研究の成果を用いた想定地震に 関する適切な評価と,それらを震災対策計画へと反映させるプロセスの重要性

・ 低頻度巨大地震による広域災害の拡大を防ぐためには,地震発生直後の構造物や地盤の 被害,そして津波被害等の一次被害に加え,火災の発生や延焼,原子力発電所の被害や 事故等の二次,三次に渡るあらゆる事態の発生を考慮し,起こりうる最悪の事態を想定 した震災対策を講じなければならないこと

・ 震災対策としての建物や社会インフラ施設の耐震化,また防波堤や防潮堤の巨大化によ るハード面の対策のみで,被害を完全に防ぐことは現実的ではない,ゆえに,「公助」,

「共助」,「自助」が相互に連携したソフト面を含めた対策をトータルマネジメント・プ ロセスに基づいて計画的に実行することにより,“減災”の実現を図っていかなければ ならないこと

・ 津波に襲われた基礎自治体の多くでその機能が喪失もしくは低下したことにより,震後 から復旧段階への行政対応に遅れが目立った,今後はこのような事態を想定した対応計 画である業務継続計画(Business Continuity Plan:BCP)をあらかじめ定めておくと共に,

国や上位自治体,あるいは自治体間での相互支援協定に基づいた円滑な支援体制も構築 しておくべきであること

(10)

3 自治体が抱える課題

次に地域防災施策を直接的に実施する地方自治体における,地域防災の問題点を以下に 述べる.

多大な情報の処理と意思決定

災害が発生または災害が発生する恐れがある場合,地方自治体では災害対策本部が設置 され,災害対策本部を中心に対策の意思決定,指示が行われる.災害対策本部には災害その ものの情報の他,被害状況,マスコミや住民からの問い合わせ,防災関係機関との連絡等,

大量の情報が収集される.発災時ともなると,災害対策本部ではそれらの情報を短時間に処 理・整理し,何らかの判断や指示を下さなくてはならない7)

現在,地方自治体における災害対策本部の情報収集は,様々な情報を付箋等のメモに記し,

ホワイトボードに張り付けて収集する体制を採っているところがほとんどである.しかし,

発災時の時間が無い状況でホワイトボードによる情報整理は非常に多くの時間を要し,住 民や国,その他防災関係機関への情報伝達が遅れがちになってしまう.また,通常,災害対 策本部では首長を本部長としたピラミッド型のトップダウンモデルの組織体制をとってい る.しかし,様々な情報と多様な要請が錯綜する中で,首長をはじめとした一部のトップの 人間に迅速な意思決定を求めることは,場合によっては正確性を欠いた誤った判断や指示 を出してしまう可能性を孕んでいる.誤った意思決定や判断,指示を出さないためにも,災 害対策本部では大量に寄せられる情報を迅速に整理し,正確な判断や指示が出せる体制を 必要としている8)

関係機関との情報共有

災害時,地方自治体の災害対策本部は,国,近隣自治体,気象庁,道路管理者,インフラ 機関等,様々な機関と情報を共有しなければならない.各機関から寄せられる情報のほとん どは電話やファックスによって収集され,災害対策本部ではそれらの情報をホワイトボー ドに張り付け,判断や指示を下し,警察や消防等,自治体の関係機関へ電話やファックス,

メール等で伝達している.しかし,数多く存在する関係機関とのやり取りに個別に対応して いると,多くの時間と人員を割かれることになる,もちろん,緊急の場合,電話を使うこと は当たり前だが,多数存在する関係機関との情報共有をいかに効率よくするかが課題とな っている9)

住民による自助・共助

近年の防災では「自助・共助」が重視されており,地域防災計画にも住民による自助・共 助が働くことを期待する旨が記されているが,実際には十分に機能していない 10).地域防 災計画の策定を行う地域防災会議に市民代表を参加させたり,市民参加の仕組みを制度と して補償する防災条例を作成したりする自治体も少しずつ増えてきたが,自助・共助が十分 機能しているとは言い難い 11).原因はいくつか考えられるが,やはり地域住民が防災政策 の形成に主体的に参加する仕組みが十分でない点が挙げられる.災害時に自助・共助を機能

(11)

4

させるためには,住民が採るべき行動を事前に把握しておく必要がある.災害予防段階から 住民が災害を想定して備えているからこそ災害時に迅速な避難行動が選択でき,自助・共助 が機能する.

また,災害時に自治体が住民に災害関連情報を迅速に提供することも必要である.災害予 防段階では,ある想定された状況をもとに避難行動をとることになっているが,実際の災害 時にどのような状況なのか,住民がしっかりと把握する必要がある.住民は事前の想定され た状況と現在の状況を照らし合わせて,より適切な避難行動を選択する必要がある.

行政の縦割り体制

一般的に大半の地方自治体において,各部署の管理情報を同部署内でしか流通しておら ず,情報の共有化が進んでいない.従って,整備している防災関連情報が全く活用されなか ったり,複数の同じような情報が存在したりする等の問題が多々発生している.また部署間 の連絡不足から,各部署が実施している防災施策が十分に浸透しない危険性がある12)

今後取り組んでいくべき防災

今後,我が国で取り組んでいくべき防災については,内閣府の「防災4.0」未来構想プロ ジェクトにおいて提言されている.我が国はその自然的条件から,様々な災害による被害を 受けやすい特性を有しており,これまで度重なる大災害を踏まえ,様々な取組が行われてき た.特に我が国の防災に関する取組の大きな転換点となってきた3度の大災害があり,「防

災4.0」未来構想プロジェクトでは,1959年(昭和34年)の伊勢湾台風を「防災1.0」,1995

年(平成7年)の阪神・淡路大震災を「防災2.0」,そして2011年(平成23年)の東日本大 震災を「防災3.0」を捉え,今まさに気候変動がもたらしつつある災害の激甚化に備えるた めの今般の取組を「防災4.0」と称している(図 1-1)13)

取り組みの方向性として,次が提言されている13)

住民・地域における「備え」

・ 国民一人一人が自ら備えるための契機づくり・国民意識の転換

・ 地方公共団体職員の主体的な取組

・ 地域コミュニティによる備えの強化

・ 国による住民と地方公共団体への支援等

・ 大規模水害時における広域避難の在り方及び戦後防災対策に関する諸原則の再調整

・ 高齢者や外国人等への対応

企業における「備え」

・ 企業における事業継続性確保の重要性

・ 金融的に手法を活用した災害リスクへの備え

・ 公的主体及び企業間の情報面での連携強化

(12)

5

図 1-1 防災4.013)

進展する情報通信技術の防災分野への活用

・ 最新技術の活用

・ ソーシャルメディア等を活用した地域コミュニティのつながり強化

・ 情報活用力の向上

・ 民間の創意工夫による新たなサービスの創出

災害等のリスク対応全般に係る基本的枠組み・視点

・ 復元力(レジリエンス)の確立

・ 災害対応の検証,教訓に学び,備える持続的サイクルの必要性

・ 我が国社会の特徴としての組織の同質性と責任の所在の不明確性

地理空間情報と情報通信技術 情報通信技術をめぐる動向 国及び社会の動向

政府の政策としては,平成6年に高度情報通信社会推進本部が設置され,平成12年に情 報通信技術戦略本部/IT戦略会議の設置,IT基本戦略の策定,平成13年に高度情報通信ネ ットワーク社会推進本部の設置及び「e-Japan 戦略」の策定が行われ,ブロードバンドイン

(13)

6

フラの整備等IT利活用のための環境整備等,当初はITインフラの整備が中心となって「5 年以内に世界最先端のIT国家になる」ことを目標に政策が進められてきた14).その後も「e-

Japan戦略II」や「i-Japan戦略」等,様々な戦略・計画が策定されIT利活用の取り組みが進

められていった結果,日本のIT環境は通信インフラ整備の面で世界最高水準のものとなっ たが,利活用の面で見ると利用者ニーズが十分に把握されていない,IT の利便性や効率性 が発揮できていない等の課題が存在し,ICT世界競争力ランキングにおいて多くの国の後塵 を拝する状況となっていた14)

このため,我が国の情報通信技術(Information and Communication Technology:ICT)につ いて世界最高水準の通信インフラを最大限活用する観点から,ICTの利活用,とりわけ「ス

マートICT」を構成する最新トレンドの利活用を推進し,ICT産業・ICT利活用部門という

枠を超えた全産業・部門の成長力向上,日本にとどまらないグローバルな社会解決へのICT 活用とその国際展開を図っていくため,全方面での取組の強化が求められている14). その結果,「省エネ社会の実現,遠隔医療の実現,自宅で働ける環境の整備等幅広い分野 でIT技術が活用される世界最高水準のIT社会を実現するべく,IT政策の立て直しを検討 すること」との総理指示のもと,「世界最高水準のIT社会をIT利活用も含めて実現」する ことをテーマとして,成長エンジン,万能のツールである ICT を我が国の成長につなげる べく,新たな ICT トレンドであるビッグデータ・オープンデータの活用等に向けた新戦略 の検討を進められ,平成25年6月14日にIT新戦略「世界最先端IT国家創造宣言」が閣議 決定された15

同戦略では,「情報通信技術(IT)はあらゆる領域に活用される万能のツールとして,イ ノベーションを誘発する力を有しており,成長力の基盤である」とし,閉塞を打破し再生す る日本に向けた「成長戦略」の柱としてITを位置づけ,成長エンジンとして活用すること を通じた持続的な成長と発展の実現を基本理念としている.その上で,2020 年までに,世 界最高水準の IT 利活用社会とその成果の国際展開を目標として,IT 総合戦略本部,政府 CIOにより,省庁の縦割りを打破,政府全体を横串で通し,IT施策の前進,政策課題への取 組を進めることとし,とりわけIT利活用の裾野拡大に向けた組織の壁・制度,ルールの打 破,成功モデルの実証・提示,国際展開を図ることとしている15)

具体的には,目指すべき社会の実現に向けて以下の三点が目的として定められている15)

・ 革新的な新産業・新サービスの創出と全産業の成長を促進する社会の実現

・ 健康で安心して快適に生活できる,世界一安全で災害に強い社会

・ 公共サービスがワンストップで誰でもどこでもいつでも受けられる社会の実現

取り組みとしては,オープンデータ・ビッグデータの活用促進や世界一安全で災害に強い 社会の実現,利便性の高い電子行政サービスの実現等が盛り込まれており,利活用の裾野拡 大を推進するための基盤の強化に向けて,人材育成・教育,世界最高水準のITインフラ環 境の確保,サイバーセキュリティ,研究開発の推進等を進めることとしている15). これらのうち,「革新的な新産業・新サービスの創出と全産業の成長を促進する社会の実

(14)

7

現」においては,行政が保有する地理空間情報(G空間情報),防災・減災情報,調達情報,

統計情報等の公共データや,企業が保有する顧客情報,個人のライフログ情報等,社会や市 場に存在する多種多量の情報,いわゆる「ビッグデータ」を相互に結び付け,活用すること により,例えば,環境,教育,交通等の多様なデータを集約・整理してその地域の状況を分 かりやすく示す不動産情報提供,多種大量のデータから顧客のニーズに応じたデータを自 動的に抽出するプログラム開発等の新ビジネスや官民協働の新サービスが創出され,企業 活動,消費者行動や社会生活にもイノベーションが創出される社会を実現する 15).このた め,公共データの民間開放(オープンデータ)を推進するとともに,ビッグデータを活用し た新事業・新サービスの創出を促進する上で利用価値が高いと期待されている「パーソナル データ」の利用を促進するための環境整備等を図るとしており,オープンデータの促進に関 しては具体的には以下の取組みを行うこととしている16)

・ 公共データの民間開放(オープンデータの推進)

公共データについては,オープン化を原則とする発想の転換を行い,ビジネスや官民協働 のサービスでの利用がしやすいように,政府,独立行政法人,地方自治体等が保有する多様 で膨大なデータを,機械判読に適したデータ形式で,営利目的も含め自由な編集・加工等を 認める利用ルールの下,インターネットを通じて公開する.このため,速やかに電子行政オ ープンデータ戦略に基づくロードマップを策定・公表するほか,2013 年度から公共データ の自由な二次利用を認める利用ルールの見直しを行うとともに,機械判読に適した国際標 準データ形式での公開の拡大に取り組む.また,各府省庁が公開する公共データの案内・横 断的検索を可能とするデータカタログサイトについて,2013 年度中に試行版を立ち上げ,

広く国民の意見募集を行うとともに,2014 年度から本格運用を実施する.あわせて,デー タの組み合わせや横断的利用を容易とする共通の語彙(ボキャブラリ)の基盤構築にも取り 組む.2014年度及び2015年度の2年間を集中取組期間と位置づけ,2015年度末には,他の 先進国と同水準の公開内容を実現する.また,公共データの利用促進のために,コンテスト 手法の活用等により,利用ニーズの発掘・喚起,利活用モデルの構築・展開やデータを活用 する高度な人材育成にも積極的に取り組み,新ビジネス・新サービスの創出を支援する.

総務省は,組織や業界内で利用されているデータを社会でオープンに利用できる環境(オ ープンデータ流通環境)の整備に向け,情報流通連携基盤共通API(Application Programming Interface)の確立,データの二次利用ルールの策定,オープンデータのメリットの可視化の ための実証実験を2012年度から2014年度まで実施した16)

2015 年度からは,社会や市場に存在する多種多量の情報(ビッグデータ)とオープンデ ータを相互に結び付け,企業活動,消費者行動,生活等にイノベーションが創出される社会 の実現に寄与することを目的として,「オープンデータ・ビッグデータ利活用推進事業」を 実施している.本事業では,観光分野や街づくり分野のような民間でのデータ利活用のニー ズが高く,データを保有する地方公共団体等にもメリットが波及しやすい分野での実証事

(15)

8 業等に取り組んでいる.

また,広く産学官が連携して,オープンデータ流通環境の実現に向けた基盤を整備するた め,2014年10月に設立された「一般社団法人オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進 機構」(旧オープンデータ流通推進コンソーシアム)」と連携して,オープンデータに係る技 術仕様,二次利用ルールの検討や,オープンデータの意義や可能性の情報発信を実施してい る.同機構は,2015年7月に,公共データをオープンデータとして公開しようとする地方 公共団体の職員等の参考となるよう,オープンデータの作成・整形・公開に当たっての留意 事項等を「利用ルール」と「技術」の2つの観点からまとめた「オープンデータガイド」の 第2版を公開している.

また,平成28年にはさらなるデータ活用の推進を目的とし,官民データ活用推進基本法 が制定されている.この法律は「官民データ活用の推進に関する施策を総合的かつ効果的に 推進し,もって国民が安全で安心して暮らせる社会及び快適な生活環境の実現に寄与する」

ことを目的として制定されており,この中で政府による官民データ活用推進基本計画の策 定と都道府県による都道府県官民データ活用推進基本計画の策定が定められており,努力 義務として市町村による市町村官民データ活用推進基本計画を策定することも定められて いる.基本的施策としては以下が定められている17)

・ 行政手続きに関わるオンライン利用の原則化・民間事業者の手続きに係るオンライン利 用の促進

・ 国・地方公共団体・事業者による自ら保有する官民データの活用の推進等,関連する制 度の見直し(コンテンツ流通円滑化等を含む)

・ 官民データの円滑な流通を促進するため,データ流通における個人の関与の仕組みの構 築等

・ 地理的な制約,年齢その他の要因に基づく情報通信技術の利用気化器又は活用に係る格 差の是正

・ 情報システムに係る企画の整備,互換性の確保,業務の見直し,官民の情報システムの 連携を図るための基盤の整備(サービスプラットフォーム)

・ 国及び地方公共団体の施策の整合性の確保

・ その他,マイナンバーカードの利用,研究開発の推進等,人材の育成及び確保,教育及 び学習振興,普及啓発等

平成29年5月には同法に基づき「世界最先端IT国家創造宣言」が改訂される形で「世界 最先端IT国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」が策定された.この計画は平成30 年6月に改訂されており,現在は「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進 基本計画」という名称になっている18)

この計画では「世界最先端デジタル国家創造宣言」として近年,インターネットが社会の 隅々にまで普及しつつある中,ビッグデータの利活用やIoT技術の進展,人工知能(AI)技術 の活用促進等が進み,生産性の向上や新事業の創出,国民経済の健全な発展に寄与すること

(16)

9

が期待されている状況を受け,政府自らによるデジタル改革を起点とし,「ITを活用した社 会システムの抜本改革」を断行し,サイバーセキュリティの確保を図りつつITを最大限活 用した簡素で効率的な社会システムを構築し,国民が安全で安心して暮らせ,豊かさを実感 できる社会を実現することを目指している.具体的にはITを活用した社会システムの抜本 改革として行政サービスのデジタル化やオープンデータ化,データ流通環境の整備等が定 められている.「官民データ活用推進基本計画」では集中的に対応すべき課題として「経済 再生・財政健全化」「地域の活性化」「国民の安全・安心の確保」の3つが掲げられ解決が期 待される重点分野として以下の8つが定められている18)

・ 電子行政

・ 健康・医療・介護

・ 観光

・ 金融

・ 農林水産

・ ものづくり

・ インフラ・防災・減災等

・ 移動

具体的な施策としては,オープンデータの促進やデータの円滑な流通の促進,データ利活 用ルールの整備,データ連携のためのプラットフォーム整備等が定められている18)

地方自治体の動向

国の動きを受け,地方自治体においてもオープンデータ化や電子自治体の取り組みが進 められている.

地方自治体における電子化は大量のデータを処理しなければならない分野において大型 コンピュータが内部基幹業務向けに導入された点から始まっている.情報通信技術の飛躍 的発展により情報ネットワークが構築され住民と地方自治体がインターネットによってつ ながるようになり,システムの見直しにより大幅な行政コスト削減が可能となり,内部での み電子化されていたものがネットワークでつながるようになり電子自治体へと変化してい った.電子自治体の目的としては以下の3点があるといわれている19)

・ 住民サービスの向上

・ 行政の効率化

・ 地域IT産業の振興

これによって従来では地方自治体の職員にとって使いやすい情報システムの構築という 視点が中心であったが,住民にとって使いやすい情報システムという視点がむしろ重要視 されるようになった.

また,国全体の政策としても電子自治体が推進され 20),電子自治体の基盤整備としての

庁内LANやLGWAN(総合行政ネットワーク),住民基本台帳ネットワーク,自治体クラウ

(17)

10

ドの展開,行政サービスの向上等の施策が講じられている21), 22)

オープンデータ化の状況としては,2018年4月時点で都道府県レベルでは47都道府県全 てでオープンデータの取り組みが行われているものの,市区町村ではオープンデータの取 り組みが行われているのはまだ296の市区町村であり,約17%となっている23)

地方自治体におけるオープンデータ化促進のための取り組みとしては,国においてオー プンデータ化するデータの参考となる推奨データセットの作成やオープンデータ取り組み 事例集の作成,オープンデータパッケージを活用した地方自治体向け研修等が行われてい る23)

地方自治体においてもオープンデータ化のための研修が行われており,例えば,2018 年 11月12日に福岡県行橋市で実施された一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)

による市職員を対象とした防災に関するオープンデータの活用研修では,行橋市が抱える 防災の課題は何かという観点や,災害対応に必要となる情報は何があるか,その情報はどこ が保有しているかという観点から,どのような情報をオープンデータ化するとどのような 効果があるのか,どういう利用ができるのかという検討をブレインストーミング形式で行 っている.

このほかにも茨城県つくば市では官民データ活用推進基本法の施行を契機に,職員にデ ータ利活用の重要性を理解してもらうことを目的としたワークショップ型研修が実施され,

特にデータ利活用と関連が結び付きにくいと考えられ,通常業務で GIS を活用していない 職員を対象として,データ利活用の意識を高めるための研修が行われている24)

一方でオープンデータ化の促進には課題が存在することも事実である.総務省が行った アンケート調査の結果によると,オープンデータに関する取り組みを進めるうえでの課題 として「具体的な利用イメージやニーズの明確化」や「提供側の効果・メリットの具体化」

等のどのようなメリットがあるのかが分からないという課題が多く指摘されている25)

地理空間情報をめぐる動向 国及び社会の動向

A) 地理空間情報活用推進基本法

GISや衛星測位については,過去より国や地方自治体における行政の各分野,民間事業者 による各種サービス等で個々に利用されてきた.

GISの国の取り組みとしては,平成7年に発生した阪神・淡路大震災の際に,東京大学地 震研究所・京都大学防災研究所・地理情報システム学会・日本建築学会・都市計画学会等の 主体が被災状況を GIS 上のデータベースとして提供したほか,国土地理院が電子基準点の 整備・空中写真の撮影等を行い,効率的な災害復旧に役立てられたことがきっかけとなって いる.この時,関係府省がそれぞれ独自にシステムやデータを整備した結果,効率的な整備 や相互利用を行うことができなかった.この教訓を踏まえ,産官学の関係者は GIS の重要 性を認識し,同年9月には内閣に「地理情報システム(GIS)関係省庁連絡会議」(現在は廃

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止)が設置され,GISの普及のための必要な施策を講じることになった26)

同会議は翌1996年(平成8年)に「国土空間基盤データの整備及びGISの普及の促進に 関する長期計画」を策定,国土基盤データの基盤形成と普及を約6年かけて進めると発表し た.同計画の終了後,2002年(平成14年)に「GISアクションプログラム2002-2005〜GIS により豊かな国民生活を実現するための行動計画〜」が作成され,e-Japan 重点計画との整 合が図られた.この計画の終了年である2005年(平成17年)には地理情報システム関係省 庁連絡会議が,内閣府の局長級組織に改められ,「測位・地理情報システム等推進会議」と なった.同会議はアクションプログラム2002-2005を継承・発展させる形で「GISアクショ ンプログラム 2010〜世界最先端の「地理空間情報高度活用社会」の実現を目指して〜」を まとめた27)

一方,衛星測位に関しては,アメリカが整備したGPS(Global Positioning System:全地球 測位システム)の活用が,行政・民間の様々な場面で進められてきた.平成 12 年以降は,

GPS をより精度の高い測位・測量に活用することが可能となり,利用場面はさらに拡大し た.また,平成14年に我が国に世界測地系が導入されると,GPSが示す位置座標と国内の 地図が示す座標値が一致することになり,GIS と衛星測位の活用がさらに進むこととなっ た.

このように,GIS と衛星測位の組み合わせによる施策の相乗効果が期待できるようにな り,地理空間情報の活用施策を強力に推進することが可能となった.より高精度な衛星測位 を有効に活用するためには,同時に高精度で新鮮な骨格的地図情報の整備・提供が必要であ る.また,安定した衛星測位の利用環境を整備・提供することも国家の課題である.こうし た世界測地系導入等を契機とした GIS 及び衛星測位に係る施策の総合的かつ計画的な実施 に対する強い期待が高まる中で,その基本的事項を国会の意思として定めることによって 政府の政策運営の方向付けや推進を行うことが必要であるということで,地理空間情報活 用推進基本法28が議員立法で策定され,平成19年5月23日に成立,5月30日に公布,8 月29日に施行された.

基本法では,「現在及び将来の国民が安心して豊かな生活を営むことができる経済社会を 実現する上で地理空間情報を高度に活用することを推進することが極めて重要であること にかんがみ,地理空間情報の活用の推進に関する施策に関し,基本理念を定め,並びに国及 び地方自治体の責務等を明らかにするとともに,地理空間情報の活用の推進に関する施策 の基本となる事項を定めることにより,地理空間情報の活用の推進に関する施策を総合的 かつ計画的に推進すること」を目的としている.(基本法第1条)

その上で,地理空間情報の活用推進に関する施策等を行う上では,以下のような事項を基 本理念として実施することが必要であるとされている.(基本法第3条)

・ 情報整備,人材育成,連携体制整備等の施策について,総合的・体系的に実施すること

・ GIS,衛星測位の両施策による地理空間情報の高度活用の環境を整備することを目指す

こと

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・ 信頼性の高い衛星測位によるサービスを,安定して利用できる環境を整備すること

・ 国土の利用や整備等の推進,国民の生命や財産等の保護,行政運営の効率化・高度化,

国民の利便性の向上,経済社会の活力の向上等に寄与する施策を講じること

・ 民間事業者の能力の活用,個人の権利利益や国の安全等の保護に配慮して施策を講じる こと

B) 地理空間情報活用推進基本計画

地理空間情報活用推進基本法の成立を受けて,平成20年4月15日に第1期の地理空間 情報活用推進基本計画29が閣議決定された.この計画は,地理情報システムと衛星測位の 活用を通じて,誰もがいつでもどこでも必要な地理空間情報を使ったり,高度な分析に基づ く的確な情報を入手し行動できる地理空間情報高度活用社会の実現を目指すことを目的と している.第1期の計画期間は平成23年度までで,施策の重点としては

・ 地理空間情報の整備・提供・流通に関する指針を概成し,地理空間情報の提供・流通を 促進する.

・ 基盤地図情報の整備・提供を推進する.

・ 衛星測位の高度な技術基盤を確立して利用を推進する.

・ 地理空間情報の活用推進に関する産学官連携を強化する.

が挙げられている.

この基本計画の策定後,2011年3月11日に東日本大震災が発生した.この震災は広範な 地域にわたって大規模な被害をもたらした未曾有の大災害であった.災害時,最新の測量技 術および情報通信技術により,被災地に損傷情報,警戒情報,避難所情報等をリアルタイム で提供することができた.また,民間企業を含むさまざまな組織間の連携を図り地理空間情 報を利用することで,災害状況や被害者支援に関する情報を迅速に提供した.

たとえば,産官学民の連携による東北地方太平洋沖地震緊急地図作成チーム(Emergency

Mapping Team:EMT)は地震発生の翌日から即座に,さまざまな機関が提供する空間情報を

整理・提供した.具体的には各防災関係機関から提供されている各種情報を同一基図上での 地図情報として提供,防災機関等が復旧対策等を検討するために必要とする情報地図を作 成し,さらにそれらの地図情報のマッシュアップによる意思決定支援を行った.このように 地理空間情報ベースの被災地情報支援が重要な役割を果たした30

その一方,行政機関が保有する情報の損失,行政機関と民間企業間の連携不足等情報や技 術が十分に利用されなかったこともあり,大規模災害時の地理空間情報の利用に関する問 題が明らかになった.

これらを解決し被災地の復旧•復興を加速させ,災害に強く持続可能な国土づくりのため にGISを用いた情報通信技術により地理空間情報の更なる整備が必要とされている.また,

情報を電子化するだけでなく,とりわけ大規模災害時に確実に必要な場所へ必要な情報を 配信し活用するためのシステムの整備も行う必要がある.このように今後の防災・減災に向

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けた地理空間情報の整備・流通・活用が求められてきている.

このような東日本大震災からの教訓また,これまでの基本計画における成果・達成状況や,

地理空間情報を巡る社会情勢の変化を踏まえて,平成24年3月27日に第2期の地理空間 情報活用推進基本計画31が閣議決定され,以下の4つの基本的方針の下,様々な施策に取 り組むこととしている32)(図 1-2,図 1-3).

図 1-2 G空間社会の実現32

図 1-3 地理空間情報活用推進基本計画(第2期)32

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 社会のニーズに応じた持続的な地理空間情報の整備と新たな活用への対応

 実用準天頂衛星システムの整備,利活用及び海外展開

 地理空間情報の社会へのより深い浸透と定着

 東日本大震災からの復興,災害に強く持続可能な国土づくりへの貢献

また,基本計画に記述された様々な事項について,より詳細な施策の内容,担当する関係 府省及び部署名,達成期間等の具体的な目標等をとりまとめた「地理空間情報の活用推進に 関する行動計画(G空間行動プラン)」が平成24年10月に策定された.G空間行動計画プ ランの中では,基盤地図情報,国土数値情報,統計GISの整備に関する施策が挙げられてい る33)

平成29年3月に閣議決定された第3期の地理空間情報活用推進基本計画34)では,情報技 術の進展により,様々な情報がIoT化によって瞬時に大量にビッグデータとして収集・蓄積 され,人工知能によって高度に処理・活用される第4次産業革命の訪れや準天頂衛星の本格 運用開始,G 空間情報センターの運用開始といった地理空間情報の利活用に関する技術の 飛躍的な進展に伴い地理空間情報が第 4 次産業革命実現のための鍵となるといわれている 状況を踏まえ,今後5年間を計画期間として計画が策定されている.この計画では「地理空 間情報活用技術を第4次産業革命のフロントランナーとし,一人一人が「成長」と「幸せ」

を実感できる,新しい社会の実現を目指す.」という目的のもと,「産学官民が協調して,高 精度で利用価値の高い地理空間情報をリアルタイムで利用できる環境を整備するとともに,

これらを高度に活用し,社会課題の解決や新産業・新サービスの創出を目指す」という基本 方針が示され,以下の5つの目指すべき姿が定められている34)

 災害に強く持続可能な国土の形成への寄与

 新しい交通・物流サービスの創出

 人口減少・高齢社会における安全・安心で質の高い暮らしへの貢献

 地域産業の活性化,新産業・新サービスの創出

 地理空間情報を活用した技術や仕組みの海外展開,国際貢献の進展

C) G空間×ICTに向けた取組み

地理空間情報及びそれを利用するための GIS の重要性が認識され,国によって様々な施 策が策定され,準天頂衛星システムの整備・運用による衛星測位サービスの向上,基盤地図 情報等の整備の促進がされている.このほかにも民間における動きとしては技術の進展や 普及によって家電・カーナビ・ゲーム機・携帯等様々な機器でセンサーの活用が進み,これ による G 空間情報の大量生成や,スマートフォンやタブレット等の衛星測位機能を持つ端 末の普及による G 空間情報利活用環境の向上,民間における電子地図サービスや位置情報 サービスの普及等が進んでおり今後も電子地図を活用した多種多様なサービスの提供が期 待されている35)

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図 1-4 「G空間×ICT」プロジェクトの全体像36

このような状況を受け,近年では総務省によって経済再生や防災の強化,地域活性化等の 日本が直面している課題において解決のために地理空間情報が活用され,効果を発揮する よう「G空間×ICT」の推進に向けた取組みが行われている.具体的には以下のように,「G 空間×ICT推進会議」の開催,G空間プラットフォームの構築,G空間シティの構築の3つ が実施されている36

 「G空間×ICT推進会議」の開催

総務省では,ICTが質・量ともに劇的に変化・進化している中,空間情報と通信技術を融 合させ,暮らしに新たな変革をもたらすため,平成25年3月より「G空間×ICT推進会議」

を開催して検討を行い,同年6月に報告書を取りまとめた.同会議では,新たな産業・サー ビスの創出による経済の再生,世界最先端の防災システムの構築,先進的・先導的な手法に よる地域の活性化,の3つをビジョン(目標)として整理した.同会議報告書を踏まえ,以 下の3つのプロジェクトに取り組むこととなった(図 1-4)36)

・ G空間情報の整備・更新,公開,流通の促進の観点から,官民が保有する様々なG空間 情報を円滑に組み合わせて利活用できる「G空間プラットフォームの構築」

・ G空間情報とICTの融合による利活用に関する課題の観点から,緊急性が高く国民のニ ーズも強い防災分野では,「世界最先端のG空間防災システムの構築」

・ 同じく G 空間情報とICT の融合により,経済再生や地域活性化等につなげる観点から は,「G空間情報を利活用した新産業・新サービスの創出」

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 G空間情報プラットフォームの構築

各機関が保有するG 空間情報を相互に利用することは国・地方を問わず行政機関に共通 した課題であり,地理空間情報活用推進基本法に基づき閣議決定された地理空間情報活用 推進基本計画(第 2 期)においては,「特性・分野別に集約された地理空間情報について,

利用者が統合的にワンストップで検索・閲覧し,情報を入手・利用するために必要となる環 境の整備・改良等を実施する」,「我が国における地理空間情報の共有・提供を行う情報セン ターの構築を目指す」とある.

G空間プラットフォームの構築は,この「情報センター」の構築に寄与するため,官民が 保有する様々な G 空間情報(例:地図データ,静態データ,動態データ)を円滑に組み合 わせて利活用できるための仕組みを構築する取組である.具体的には,①G空間プラットフ ォームとして必要となるデータ検索・加工・解析・入手等の機能の開発・実証,②災害発生 時等に被災状況に関する情報を,センサー等を用いてリアルタイムで把握活用することを 可能とするため,時々刻々と変化する G 空間情報をリアルタイムで収集,検索,処理,配 信する技術の研究開発,③自治体とライフライン企業が持つ地図データを統合活用し,継続 的・効率的に維持・管理するモデルの開発・実証を行うこととしている.この結果,平成28 年11月より全国規模の地理空間情報の集約・流通の拠点として「G空間情報センター」の 運用が開始されている.

 G空間シティの構築

総務省では,「G空間×ICT」プロジェクトのうち,「世界最先端のG空間防災システムの 構築」と「G空間情報を利活用した新産業・新サービスの創出」を統合したプロジェクト「G 空間シティの構築」を内閣府や国土交通省等と連携して進めている.本プロジェクトは,緊 急性を要する大規模災害(地震・津波等の広域災害,大都市直撃災害,豪雨・洪水等の災害)

に対して,準天頂衛星システム等を活用した世界最先端の防災システムを構築するほか,我 が国の持続的な経済成長及び地域活性化を実現するイノベーションの創出を促進するため,

高精度測位及び高精度地図並びにビッグデータ分析を活用する革新的なG空間×ICTモデル の構築を推進する取組である.

具体的な実証内容としては,①広域に大規模な被害を及ぼす津波の発生に対して,波浪計 のデータ等を利用して被害予測を行うとともに,準天頂衛星のメッセージ機能を活用し,位 置・場所に応じて必要かつ適切な情報を伝達することを可能とする G 空間防災モデルの構 築,②首都直下地震等都市部において発生する災害 に特有の地下街の被災,帰宅困難者の 発生等の問題に対して,位置・場所に応じて滞在者に必要かつ適切な情報を伝達することを 可能とするような G 空間防災モデルの構築,③近年頻発している豪雨災害やそれに伴って 発生する河川の洪水等に対して,SNS 等のビッグデータをもとに被害状況等を的確に把握 するとともに,位置・場所等に応じて必要適切な情報を多層的かつ多様なメディアにより伝

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達することを可能とする G 空間防災モデルの構築,④準天頂衛星システムによる高精度測 位やビッグデータ等を利用するネットワークロボットを活用した革新的なサービスを提供 する先進的・先導的なG空間利活用モデルの構築,⑤3次元地図等を活用して,誰にでもわ かりやすく,移動しやすいナビゲージョンの提供等を可能とする先進・先導的な G 空間利 活用モデルの構築,を行うこととしている.また,本プロジェクトで構築されたG空間×ICT モデルについては,積極的に海外展開を行うことを予定している37)

地方自治体の動向

1995 年の阪神淡路大震災以降,被災状況や復旧状況等をリアルタイムで把握するため,

災害対策等の試みから,地方自治体における地理空間情報の活用が始まった.地方自治体に よる具体的な取組みでは,①各種の統計,②道路図,③都市計画図,④固定資産税,⑤上下 水道,⑥建物や公園の説明,⑦電気・ガス・通信網,⑧電波管理,⑨最も近い警察署といっ た基本データの整備を推進することになった.これをきっかけに,地方自治体は,地理空間 情報を取り扱うサービスに取り組み始めた.

また地方自治体においては,多様な地理空間情報が活用されている.ほとんどの部署にお いて,住宅地図が活用されているほか,住所や土地の権利関係を示す地図として,住居表示 台帳や地番現況図・家屋現況図等の地図が使われており,ライフラインの管理では道路や橋 梁,河川を管理する台帳付図に地図が使われている.これらの地図は GIS を通じて電子化 されて管理されているケースがあり,行政機関の情報システムの重要な構成要素となって いる.このように地方自治体において上下水道や道路等のインフラの管理において地理空 間情報の利活用が先行し,GISも所管する部局単位で導入されてきた.

このような状況の下,2001年7月に総務省より「統合型の地理情報システムに関する全 体指針」及び「統合型の地理情報システムに関する整備指針」が公表され,「統合型 GIS」

の導入が推奨された.

ここで自治体において導入が進みつつある「統合型GIS」とは自治体が利用する地理空間 情報のうち,複数の部局が個別GIS上にて利用するデータ(道路,街区,建物,河川,課税 データ等)を各部局が共有できる形で整備し,利用していく庁内横断的なシステムである.

総務省「地方自治情報管理概要」(平成26年)によれば,統合型GISの導入率(平成25 年4月時点)は,都道府県では40.4%,市区町村では44.8%となっている.また統合型GIS の利用業務については,都道府県では「農林政」(94.7%),「環境」(89.5%),「教育」(84.2%), 市区町村では「道路」(64.4%),「固定資産税」(63.5%),「消防防災」(59.7%)等と多数の分 野に関連している38)

統合型GISを導入することにより得られるメリットは主に以下の二点が挙げられる.

 業務の効率化・高度化

・ 地図の共有化による重複投資の軽減と業務の効率化⇒高度化

・ 多様なニーズに応じた総合的な行政サービスの実現

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・ 行政評価における活用(政策マネージメントの向上)

・ 近隣の市町村ならびに都道府県との地図情報共有(広域的活用)

 地域・住民サービスの向上

・ 地域コミュニティとの双方向の情報伝達

・ 行政評価の住民説明における活用⇒アカウンタビリティーの向上

・ 行政手続きのオンライン化・ワンストップサービスとの連携

また,この統合型 GIS の導入と時期を同じくして,住民等への地図をベースにした情報 提供が行われるようになってきており,災害,防犯,交通安全等の安心安全に関わる情報や,

施設案内,観光等の情報提供が行われている.

このように,国による基盤地図情報は整備されつつあるが,地方自治体においては地域住 民へ広く地理空間情報サービスを提供する自治体がある一方で,財政的な事情等により,地 理空間情報サービスを住民向けに提供していない自治体も相当数に上る.よって,地方自治 体ごとに提供される行政サービスに差が生じる結果となっている.またすでに統合型 GIS を導入している自治体においても,運用状況はほとんどが特定のシステム・特定の部局に閉 じて運用されているという問題点が指摘される.電子自治体の推進の中で統合型 GIS とし て各部局共通のプラットフォーム構築をしておきながら,実際に運用できているのはごく 一部の部局のみであること,他部局が運用を検討する際に組織内部の「縦割り」構造に阻ま れ,あまり利用が進まないケースも見られる.

1.2. 地理空間情報と情報通信技術を用いた防災に関する既往研究・事例の課題

国を対象とした研究・事例と課題

国を対象とした研究・事例としては,防災科学技術研究所による府省庁連携防災情報共有 システム(SIP4D)39)40)や内閣府の総合防災情報システム41)42),国土交通省の統合災害情 報システム(DiMAPS)43)等がある.

府省庁連携防災情報共有システムでは,同時並行で活動する多くの組織間での全体とし ての状況認識の統一とそれに基づく個々の組織の的確な対応が重要だと指摘されている.

その上で各府省庁や地方自治体,防災関係機関等の組織間における横断的な情報共有の実 現と現場への有用な情報の迅速な提供のためにすでに多くの組織において構築・運用され ている独自の情報システムを相互に接続し,情報を広く流通させるための中核・連携的役割 を持つシステムとして構築されている.このシステムの課題としては,国全体での情報共有 実現のために都道府県や市町村への展開の必要性や情報共有のためのルール作り,標準化 の必要性が指摘されている.

DiMAPS は,地震の被害状況を推計する地震防災情報システムの機能や防災情報を GIS

上に集約し関係機関で横断的に共有する防災情報共有プラットフォームとしての機能が備 えられており,政府内での活用がなされ,併せて中央防災無線網や防災行政無線及び衛星通

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信等を用い電話・FAX・映像・データ等の横断的な共有が行われているものの,政府と地方 公共団体間との一元的な情報収集・共有や応急対策に必要な情報の充実が課題として指摘 されている44)

DiMAPSは,国土交通省において災害時にTEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)や現地か

ら入ってくる被害情報,空中写真等をほぼリアルタイムで地図上に表示することで被害状 況を迅速に把握し,共有することが可能な仕組みとなっている.今後の課題,対策としては 地方公共団体や関係機関との連携強化や情報収集・共有体制の強化,情報分析・意思決定支 援システムとの連携等が指摘されている45)

都道府県を対象とした研究・事例と課題

都道府県を対象とした防災システムとしては,伊勢らの研究46)によると,2014年度の調 査時点で47都道府県中43の都道府県が防災システムを運用しており,そのうち約8割の 都道府県が「都道府県とその全市町村が同一の防災ステムを利用し,防災情報及び災害情報 を共有している」と回答している.一方で市町村側ではその防災システムを最終報告や提示 報告の位置付けで活用している等市町村として災害対応を行う業務フロー内に位置付けら れていない場合が多く,災害対応中において県と市町村で円滑な情報共有が行えていない ケースがあるとの指摘がなされている.また,ICTを用いた防災システムが普及しているも のの東日本大震災で被災した都道府県や政令市に対する調査の結果,システムを活用した 情報共有が行われておらず,電話やファックス等を活用した情報共有が行われており,停電 や通信途絶が発生した地域に限らずシステムが活用されていないという現状が指摘されて いる47)

市町村を対象とした研究・事例と課題

田口らの研究 48)によると,効果的な災害対応を支援するための地理情報システムの課題 として,外部の地理情報がPDF や紙地図,GIS データ等様々な形式で存在するため,利用 側での情報の取得とその利用が容易でないことと,平常時に GIS を利用しない部署での活 用や災害発生後に GIS の導入が行われる場合が存在するため,容易にシステムを利用開始 できる環境であることと,ソフトウェアやデータの保守が容易である必要があるというこ とが指摘されている.そのために WebGIS の活用の必要性と地理情報分野での標準データ 流通方式のインターフェースに対応したシステムが提案されている.その上でさらなる課 題として,災害時に公開・共有する地理情報の整理や共有された地理情報を一元的に検索す るためのクリアリングハウスの構築,災害時の通信環境に対応した GIS の開発等が指摘さ れている.

鈴木らの研究 49)によると,市町村の防災情報システムに必要な役割として市町村におけ る災害対応を支援する情報システムの在り方として災害対策本部の指示と指示に対する対 応や確認状況の把握,被害や災害対応の状況の報告による庁内での情報共有を支援するこ

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20 とが指摘されている.

畑山らの研究50)によると,阪神・淡路大震災以降,GISを応用した防災情報システムが導 入されているもののこれらのシステムは平常時との連続性を考慮しない緊急時専用のシス テムとなっており,緊急時専門機関ではない地方自治体における防災情報システムとして は,平常時の業務で活用でき,その延長線上で緊急対応を行え,かつ,専門家でも使用でき るシステムでなければ災害時に有効なシステムとならないという指摘がなされている.

また,坪井らの研究51)によると,市町村において統合型GIS の導入が進み,災害時の地 図による情報集約や活用の重要性が認識されているものの,その利用方法が明確に位置づ けられておらず,具体的な方法論や訓練方法の知見が蓄積されていないという現状が指摘 されており,GISを用いた地図の作成方法に加え,対応方針を明確にした全体計画の策定や 社会への情報発信を行う訓練設計,人材育成の必要性が課題として挙げられている.

住民を対象とした研究・事例と課題

住民を対象としたシステムとしては避難行動を支援するためのシステムとして,濱村ら によるあかりマップ52)や深田らによる津波避難支援システム 53),田藤らによるカスタマイ ズ可能な防災関連情報提供システム 54)等が開発されている.これらシステムは災害発生時 に住民の避難行動を支援するためにあらかじめ避難行動の決定に必要な情報や災害時に必 要となる情報を利用者の端末内に格納しておき,災害発生時にオフラインでも利用可能な システムとして構築されている.

行政から住民への情報共有のための手段としては WebGIS の活用が行われており,防災 情報の公開に用いられている.一方でWebGISの活用に関する課題としてはWebGISでの公 開目的が不明瞭,利用者にとって使いやすい仕組みとなっていない,情報量が限られている,

効果得られるのかが明瞭でない,情報共有ができないため自治体との反映が成り立たない,

といったものが指摘されている55)

また,地域の防災活動に関わるものとしては李らによって防災科学技術研究所開発の

WebGISであるeコミマップを用いた災害リスク・コミュニケーションが行われている56)

これによって GIS を活用した住民による地域の危険個所の集約と対策の検討が実現してい るが継続的な実施や情報の更新に関する仕組みの検討がなされていない.

災害発生時の情報収集のための仕組みとしては地域住民やボランティア,行政機関等 様々な主体が活用できる仕組みとして柴山ら57)によるノートPC等の一般的なIT機器や簡 易GISを用いた地震災害時における情報収集支援システムや村上ら58)による平常時の防災 活動にも震災直後の情報収集にも活用可能な避難所を拠点とした情報収集システムの開発 等が行われている.このほかにも大佛ら 59)の研究によってスマートフォン等を利用したリ アルタイムでの情報収集と収集情報の二次利用が可能なシステムの開発が行われており,

SNS の課題として挙げられている情報の正確性等に対応するために,ユーザーアカウント による管理や適切な範囲内のへの情報共有が可能な仕組みとなっている.一方でこれらの

図  2-4  ポータルサイト  図  2-5  会員ユーザー登録機能
表  2-5  主なメタデータ項目とその内容
図  3-13  避難所管理機能の画面
図  3-16  注意喚起情報管理機能の画面
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参照

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■実 施 日: 2014年5月~2017年3月. ■実施場所:

■実 施 日: 2014年5月~2017年3月.. ■実施場所: 福島県

日 時:5 月 30 日(水) 15:30~16:55 場 所:福岡女学院大学ギール記念講堂

■実 施 日: 2014年5月~2017年3月.. ■実施場所: 福島県

■実 施 日: 2014年5月~2017年3月.. ■実施場所: 福島県

(申込締切)②助成部門 2017 年9月 30 日(土) ②学生インターン部門 2017 年7月 31