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九州大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

アクティブMMI型光RAMメモリ素子に関する研究

姜, 海松

九州大学大学院総合理工学府

https://doi.org/10.15017/21742

出版情報:Kyushu University, 2011, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)

氏 名: 姜 海松

論文題名: アクティブMMI型光RAMメモリ素子に関する研究

(Research on Optical Random Access Memory Element by Using Active Multi-Mode Interferometer (MMI))

区 分:甲

論 文 内 容 の 要 旨

近年ネットワークの通信トラフィック量が急速に増加しており、これによる電気ルー タでの電力消費問題が深刻化している。この問題の解決策の一つとして、全光ルータの 実現が期待されている。光RAM(Radom Access Memory) メモリ素子はその全光ルータの キーデバイスであり、全光信号処理においてバッファリング機能の役割を任う重要なデ バイスであるが、実用化までには至ってない。

アクティブ多モード干渉導波路型双安定レーザー(Active-MMI BLD)を用いた光 RAM メモリ素子は製作プロセスが容易、任意の遅延時間が可能、メモリ保持時間が長い、動 作が速い、高集積化が可能などの利点を持つため、光RAMメモリ素子の候補として注目 されている。しかし、素子サイズが比較的大きく(既報告では 1mm程度)、小型化の際同 一条件駆動するための十分に広いヒステリシス幅(動作条件範囲)の確保が大きな課題 であった。本研究では、片側端で共通ポート持つ非対称型アクティブMMIの横モード間

(0次、1次間)の光双安定動作原理を提案して、小型化しても十分に広いヒステリシス 幅が確保でき、高集積化が可能な光 RAMメモリ素子の実用化技術の確立を目標とした。

本論文は次の7章で構成されている。

第1章では、アクティブMMI型光RAM素子の研究背景と目的を記述した。

第2章では、アクティブMMI双安定レーザーの横モード間の双安定動作原理を理 論的に説明した。二つの光モード間の相互利得抑制領域とヒステリシス幅との関係を 理論的に解析した。その結果、モード間の相互利得抑制領域大きいほど広いヒステリ シス幅が得られることを確認し、横モード間双安定動作原理によって広いヒステリシ ス幅が実現できることを明らかにした。

第3章では、シミュレーションによる新動作原理の検証結果を示した後、実際の試 作素子のメモリ素子特性の評価結果を示した。その結果、(1)シミュレーションから大 きな相互利得抑制領域が得られること、(2)試作した結果、既報告の半分の素子サイズ にもかかわらず、8mA と比較的に広いヒステリシス幅が得られること、を明らかに した。

(3)

第4章では、横モード間相互利得抑制領域の割合を大きくすることによる、更なる 小型化と広いヒステリシス幅の実験実証結果を示した。その上、4bit集積素子の同一 低動作電流の実証結果と部分MMI可飽和吸収領域設計による極広ヒステリシス幅の 実証結果を示した。その結果、(1)素子長 315µmと更なる小型設計としたにもかかわ らず、低閾値電流値(58mA)と極めて広いヒステリシス幅(32mA 、対閾値電流比55%) が得られた、(2)4bit集積素子の8mAの共通動作電流領域および全集積素子の同一電 流動作を確認したこと、(3)部分MMI可飽和吸収領域構造の適用による世界最高のヒ ステリシス幅94mAを実現したこと、を明らかにした。

第5章では、横モード間相互利得抑制領域とヒステリシス幅の関係の実験実証の結 果を用いて低閾値電流と共に広いヒステリシス幅が実現できる設計手法による低閾 値電流化を示した。7mA(対閾値電流比18%)と十分に広いヒステリシス幅を維持した 上で、低閾値電流39mAを実現するに至った。

第6章では、ハイメサ導波路構造を用いたアクティブMMI型光双安定レーザーの 試作素子の動作実証結果を示した。その結果、(1)コア層とクラッド層の高い屈折率の 差による素子の単一波長発振を確認したこと、(2)25ps の短い光パルス信号による高 速Flip-Flop動作を実現したこと、を明らかにした。

第7章では、これまでの研究結果をまとめ、今後の展望について述べた。

本論文は、アクティブMMI型光RAMメモリ素子の実用化を目指して、横モード(0次 モード、1 次モード)間の光双安定動作原理を初めて検討し、この原理の適用によって小 型化しても十分に広いヒステリシス幅が確保できることを明らにすると共に、94mAと世 界最高の極めて広いヒステリシス幅を達成し、アクティブMMIを光RAMメモリ素子へ の応用の有用性を明らかにした。これらの結果は、アクティブMMI型光RAMメモリ素 子の実用化の可能性を示すと共に、アクティブMMIによるマルチモード光の応用技術が 今後の光通信のマルチモード伝送に活躍できると考えられる。

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