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越波を利用した波浪エネルギー獲得技術の開発と水 質改善への応用

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(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

越波を利用した波浪エネルギー獲得技術の開発と水 質改善への応用

岡田, 知也

九州大学工学環境都市建設システム工学

https://doi.org/10.11501/3134997

出版情報:Kyushu University, 1997, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)
(3)

越波を利用した波浪エネルギー獲得技術の開発と 水質改善への応用

平成1 0年1月

岡 田 知 也

(4)

目 次

1

章 序 論 ….... . . .... -

1. 1

研究の背景 …. . .

1

1. 2

本論文の概要

...2

参考文献

.…... 3

第2章 基本越波構造物の最適形状と越波量

. ・… ・ … … ・ …・・ 7

2. 1 まえカずき

一…・・・・………・・・・……一・……・…ー…-一-一一一・………・ー・・・……....7

2. 2 2次元越波構造物による越波量 …・……… ………7

2. 2. 1

実験装置および実験方法

………..………. 7

2. 2. 2

実験結果と考察 一……… ………一……….8

2. 3 3次元越波構造物による越波量 .………・………15

2. 3. 1

実験装置および実験方法

.………・………-………. 15

2. 3. 2

実験結果と考察 • •• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • •

18 2. 4

所要越波量に対する椅造物寸法の評価法

……….24

2. 5 ま

.ー・ー…....………・一…・………一...一…-…ー・・・……・….26

参考文献

...27

第3章 越波量に及ぼす入射波形態の影響

. … .... … …-……… 28

3. 1 まえカずき ...……ー・…・………・……・…….. .……ー………..…・・・……..28

3. 2 不規則波による越波量 …-…... 28

3. 2. 1

実験装置および実験方法

……… 28

3. 2. 2

実験結果と考察

... ... ... 30

3. 3 斜め入射波による越波量

. . .

3 4 3. 3. 1

実験装置および実験方法

..

. . .

.

...

..

....

.

...

.

.

.

.

...

.

...

...

..

.

3 4 ( 1)

2次元越波構造物

...34

( 2 ) 3次元越波構造物 ... ... 37

3. 3. 2

実験結果と考察

... ... 37

( 1)

2次元越波構造物

... 37

( 2 ) 3次元越波構造物 ... 3 9

3. 4

まと

.• •••• ••• •••• ••••• ••• •• • ••• ••••• ••• ••• ••••• •••••• ••• • ••• ••

... 4 4

参考文献

... 4 5

(5)

第4章 種々の設置形態における越波量の評価

. . . ..4 6

4. 1 まえが‘き

. ... .. ... . . .... .. ... . . ..

. .. . .4 6

4. 2 反射型構造物による越波量

•• •••• ••• •• •• •••• ••• ••••• ••• •••• •• ••• ••

4 6

4. 2. 1 実験装置および実験方法

•••• ••• ••• .,. •.•. .• •. .•

. .. . .. . .. 47

4. 2. 2

実験条件 •••• •• ••• • .,. .•••• ••. •.. .• •..• •.•• •••• •. •. . .•. .•..

47

( 1 )

2次元越波構造物

48 ( 2 )

3次元越波構造物

48 4. 2. 3 実験結果と考察 . .. . . . . . . .. . . ..50

( 1)

2次元越波構造物

50 ( 2 ) 3次元越波構造物

. ., ••• • ••••• ••• •• ••• • ••• •••• ••• • •••• •••

54

4. 3 透過型構造物による越波量

57 4. 3. 1 実験装置および実験方法

••• •••• •••• ••••• •••• •••• •• •

. . . . . 60

4. 3. 2 実験結果と考察

•••••• ••••• •••••• •••• •••• •••• •••• •••• ••• •••

61 4. 3. 3 供給量に対する検討 . . . .. . . . .. . . .. .. . . ... . . . .. . . . 65

4. 4 まとめ

•• ••• .., •• • •• •••••• •• • •••• • •••••• • •• •••• • ••• •• .., ••• ••••• ••• •

. . .. 6 6

参考文献 ••• • •• ••••• ••• ••• • ••••. •••••• • ••• ••• •••• •••••• ••• •• •••• ••• ••• •••• • •• •

. . . . 67

第5章 越波促進技術の水質改善への応用

69 5. 1 まえカずき

.. . .. .. . ... . . ... . ..... . .. .. .... ...

69

5. 2 夕、ム湖における波浪特性

•••• • ••••• •• ••• ••• •••• ••••••• • •• •••

... 69

5. 2. 1 波浪観測

. . .. . . . .70

( 1 )

ダム湖の地形と観測地点 ••• •••••• •• •••• •••• •• ••• •

. . . . 70

( 2 ) 波浪測定システム

•• •• ••• • •••• ••• •••• •• •• •• •••• •••• ••• •••

70 5. 2. 2 諸量の決定

.• ••• ••••• ••••• • .‘. .. •••••• • •• • •• ••• ••••• •

. . . .72

( 1) H

1/3およびT1/3

. .. .. . . . . .. . . .. . ... .. . .. . . ... . 72

( 2) U10 . ... . ... . . .. . .. . . .. . .. . .. . . .. .. .. . .. . ... .. . . .. .. . .. .. 74

5. 2. 3 風と波の関係

. .. . . .74

5. 2. 4 波の発生頻度

• ••• ••••• • •••• ••• •• •• •••••• • ••• ••• ••

. .. .. . . .75

5. 3 獲得越波量

••• ••• •••• •••• •••• •• • •••• •• ••• •• •••• ••• ••••• •• •••• •••• •

.. . .77

5. 3. 1 越波構造物の形状

77 5. 3. 2

測定結果 •• ••• •• • ••••••• •••• •••• ••• •••• ••••• • ••••• •

.. .... . . .8 2 5. 4 表層水の供給による00濃度の変化

•• •••• •• •••• •• ••• •••• • ••••• ••

8 6 5. 4. 1 実験方法

. . .. .8 6 5. 4. 2 実験結果と考察

•• •• ••••• ••• ••••• • •••• ••• .. , •••••

. . .. ... . . .87

5. 5 まとめ

• ••• •••• ••• ••• •••• ••• ••••• •••• •• •••• ••• •••• •••• •• ••• ..•. •• ••• •••

91

参考文献 •••• ••. ••• ••• ••••• •••• • •• •••• ••••• •• •• ••• •• •• •••• •••• •• •••• ••• ••••. • •• •••

91

第6章 結論 ...

.. .. . .. . .... .. .

92

謝辞

(6)

第1章 序論

1. 1

研究の背景

今日, 地球環境の危機が叫ばれ, 人類共通の深刻な問題として認識されるよう になってきた. 我々人類はこの危機を乗り越えるための何らかの打開策を早急に講 じる必要に迫られている. また, 我々の身近には, 我々が本気になって蘇らせ守り 育てなければならない大切な環境があることも認識されるようになってきた. その 一つは, 身近な水辺環境で、ある. 水があり空気があり, 土砂 ・ 石があって植物と魚、

等の水生動物, 昆虫等の生態系から構成される身近な水辺環境は, 小さな地球と いっても過言ではない. この小宇宙, 小地球とも言うべき我々の身近な水辺環境を 守れずして, 地球環境を守れるはずがない.

そこで, 多くの生命が共存し得る生態系を創出し, 人類生存の基盤を確立する ためには以下の概念に基づいた技術開発が不可欠である.

(1)

人類の活動のために傷ついた地球環境, 自然環境を蘇らせるためには人 工のエネルギーは極力用いず自然に内在する身近なエネルギーの利 用が必要である.

(2)

自然のエネルギーバランスを大きく崩さないためにもエネルギーの利 用は小さなサイクルで閉じさせることが重要で、ある.

(3)

自然の生態系にはまだ多くの未知の分野が残されているため, 自然に働 きかける際にはモニタリングを行いながら技術を慎重に適用していく必要 がある. そのためにも, これからの技術開発は微調整の効くものでな くてはならない.

本研究の目的は, 以上のコンセプトに従って水域に内在するエネルギー, とり わけその一つである波浪エネルギーを利用して, 一方向の流れを効率よく発生させ る技術を開発することである. そして, その技術を閉鎖性水域の水質改善に応用す ることである.

例えば, 半島や岬などに固まれた内湾は, 良港としての条件が整っているため 臨海都市として発展している場合が多い. それらの地域において都市排水は処理場

(7)

などを経て湾内に放流されるが, 湾の奥深い地形が海水を停滞させ, 水質を悪化さ せている. 湾内水の積極的な浄化を図るためには, 水質の良い外海水の湾奥部への 導入や溶存酸素の豊富な表層水を底層部に送り込むことが最も効率的と考えられる が, 単なる開削やパイプ施設だけでは水位差がほとんどないため海水の交換は期待 できず, 強制的な導水・ 送水が必要となる. しかしながら, ポンプ導水などは維持 費の点で, また人工エネルギーを消費するという点でも問題があり, 自然のエネル ギーを利用した経済的な方法が望まれる. そこで, 波浪を沿岸構造物(図-1 .1) もしくは浮体構造物(図-1 .2) を用いて越波させ, 水位差を獲得することが出来 れば その水位差を利用して一方向流を生じさせることが可能となる.

越波に関するこれまでの研究の多くは越波をいかに防くいかという問題について なされてきた. 本研究では波浪のもつ自然のエネルギーを利用して逆に大きな越波 量と水位差を得ょうとするもので, これに関連したものとしては, この水位差を発 電に利用しようとする研究がある1) --- 12). しかしながら, これらの技術開発はい ずれも波動による振動もしくは獲得された水位差をさらに電気エネルギーに変換し て利用しようとするものであり, 安定供給が必要とされる電力に対し, 波浪エネル ギーの不安定さと装置の複雑さが実用化の大きな障害とっている.

それに対し, 本研究は越波により得られた水位差をそのまま一方向流(送水) を作るために利用して, 水環境の改善を図ろうとするものである. このような研究 としては, 小田ら13)の透過堤や山本ら14)の潜堤を用いた港湾の水質改善策があ る. また, 外部からのエネルギーを一切使わない技術として, ダム貯水池において

ダム貯水池の落差を利用した無動力曝気装置15)が提案されている.

本研究では, 越波を利用した波浪エネルギー獲得技術の開発とその技術の水質 改善への応用を目指し, 系統的な実験を通して獲得される最大越波量, 水位差, 構 造物の最適形状を定量的に明らかにし, 越波量に及ぼす入射波形態の影響や設置形 態、の影響を詳細に検討した. さらに, この技術の実用化に向けての第l段階とし て, 実験結果に基づいて設計された越波堤モデルを実水域に設置し越波量の観測を 行うと同時に, 水質改善技術の可能性について検討している.

1. 2

本論文の概要

本研究は, 越波を利用して波浪エネルギーを効率良く獲得するための技術を開 発することとその技術を閉鎖性水域の水質改善に応用することを目的としている.

第2章では, まず, 基本的な越波構造物に対して実験を行い, その特性を明ら

(8)

かにしている. ここで基本的な越波構造物とは, 越波を促進させるための一様法面 勾配をもった越波堤部からなる越波構造物(以下, 2次元越波構造物と呼ぶ)と2 次元越波構造物にV字型の集波堤を取り付けた越波構造物(以下, 3次元越波構 造物と呼ぶ)を指す. それぞれの越波構造物に対して, 規則波を入射させ, 種々の パラメータを系統的に変化させる実験を行い, 最適形状の決定および越波量の定量 的評価を行っている.

第3章では, 第2章で検討した越波構造物の特性が入射波形態によってどのよ うに影響されるかについて検討している. 入射波として不規則波を用いた実験では 第2章と同様に種々のパラメータを系統的に変化させる実験を行い, 最適形状の決 定および越波量の定量的評価を行っている. また, 斜め入射波を用いた実験では,

入射角度に伴う越波量の減少率に着目し, 波が斜めに入射することによる越波量へ の影響を定量的に評価している

.

第4章では, 種々の設置形態における越波量の評価を行っている. 越波構造物 の幅広い水域への応用を可能にするためには, 種々の設置形態に対して考慮する必 要があるが, 大別すれば次の3つに分けられる. (1)越波構造物が水平もしくは 緩やかな勾配をもっ底面に直接設置されるタイプ,

( 2

)構造物上に設置されるタ イプ, および(3 )水表面に浮設されるタイプである. (1)に関しては基本形状 として第2章で検討されている. したがって, この章ではタイプ(2 )および ( 3 )に対して, 獲得される越波量の評価を行っている.

第5章では, この越波促進技術をダム湖の水質改善策として実用化することを 目指し, 実水域での検討を行っている. 検討内容は, 実用化に際して問題となると 思われる(1 )ダム湖や貯水池で、の波浪の大きさおよび発生頻度, ( 2 )実際の水 域にお いて浮体型越波構造物で獲得される越波量, ( 3 )表層水を貧酸素化した底 層部に毎秒数リットル送り込むことによる水質の変化, の以上3点である.

6章では, 各章で得られた結果を総括して本論文の結論とする.

参考文献

1) Hysing T. : TAPCHAN Wave Power Plants, Norway A 5, 1983.

2) H. Kondo : A Hybrid 5ystem 01 Waνe Power Extraction and 5hore Protection, Proc. of 27th Congress of IAHR, pp. 561 - 565, 1997.

3) McCormic, M. E. : Ocean Wave Energy Conversion, A Wiley - IntersciencePublication,

233p, 1981.

4) McCormic, M. E. : Ocean Wave-Powered Desalination, Proc. of 27th Congress of

- 3 -

(9)

IAHR, pp. 577 - 582, 1997.

5) Shigemitu S., Akira H. : Study on Wave Pumping Power Station, Proc. of 27th Congress of IAHR, pp. 561 - 565, 1997.

6

)近藤倣郎:海洋エネルギ一利用技術, 森北出版,

178 p.,

1996.

7

) (財)エンジニアリング振興協会:波の津波力変換による揚水, 貯水及び定出力 発電他に関する調査研究報告書, 1993.

8

)高橋重雄:波エネルギ一変換装置の現状について, 水工学に関する夏季研修会講 義集No. 29, pp. B- 1-1 -B-1-20 , 1993.

9

)電源開発総合技術試験所試験報告書:波力発電システムに関する調査研究,

1990.

10)広瀬学, 加藤正進, 田中寛好:波流発電方式における越波特性について, 電力 土木,

No.

181, pp. 93 - 100, 1982.

11 )宮江伸一, 手操能彦:集波堤による波浪エネルギーの位置エネルギーへの変換 実験, 第l回波浪エネルギ一利用シンポジウム, pp. 145 - 154, 1984.

12)山本守之, 宮崎弘志:沿岸波力発電に関する開発研究, 電力土木, No. 181,

pp. 93 - 100, 1982.

14)小田一紀・真栄平宣之・中西昭人・ 田中彬夫:波浪によるパイプ式透過堤の海水 導入特性, 海岸工学論文集, 第42巻,

pp.1116

- 1120, 1995.

15)山本 潤・武内智行・中山哲厳・ 田畑真一・池田正信:志賀島漁港外港の導水工 による環境改善効果に関する現地調査, 海岸工学論文集, 第 41 巻,

pp.1096 - 1 100, 1 994 .

16)寺薗勝二 ・丹羽 薫・阿武 智 ・高見英明:無動力曝気装置の開発, ダム技術,

No. 132, pp.32 - 39, 1997.

- 4 -

(10)

υ、

図-1.1 防波堤上に設置された越波構造物のイメージ. 港外の比較的きれ いな海水を, 越波によっ て獲得された水位差を利用して, 港内の水

質改

に最'も効果的な地 を用いて導水する.

(11)

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b〉ノ。

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図-

Î.2

浮体型越波構造物による底層水への00イ其給の概念図

- 6 -

(12)

第2章 基本越波構造物の最適形状と越波量

2. 1 まえカずき

これまで, 海岸工学において越波に関する研究は堤内地の保護のため極力越波を 防ぐという立場から, 数多くの研究がなされてきた1)寸) 本研究では, それとは逆 により多くの越波量および水位差を得るためにはどの様な構造物をつくればよいか という点が主目的となる. すでに, このような立場から越波の研究がなされた例は 2, 3 ある. 宮江 . 手操

して, 非定常で平面的に分散している波浪エネルギーを位置エネルギーに変換する 水理実験を行った. その結果, 越波堤の法面勾配は1

/

;-3が最適であること,

波浪密度を高めるのに必要な集波堤の集波比(集波堤の出口幅に対する入口幅の 比)は6.0が効果的であること等が明らかにされた. 川村ら8)は閉鎖性水域の水質 改善のために越波を積極的に利用して外海水の導入を促進する技術開発を試みた.

彼らはV字状集波堤と潜堤を用いて越波量を増大させる実験を行い, 集波堤の開 角度が450 , 潜堤の天端が静水面よりやや高いときに越波量が最大となること等を 提示した. しかしながら, これら2つの研究において, 獲得された最大越波量が十 分正確に, ま た広範囲の実験条件の下で評価されているとはいいがたい. 本章の目 的は, 越波堤のみからなる2次元越波構造物および越波堤と集波堤からなる3次元 越波構造物に対して, 越波によって効率よく水位差を獲得するために最も有利な構 造物の形状を決定すると同時に, 任意形状に対する越波量の定量的評価を可能にす ることである.

2. 2 2次元越波構造物による越波量

2. 2. 1

実験装置および実験方法

図-2.1に示す2次元造波水槽を用いて実験を行った. 水槽は長さ16'm, 高さ

0.6 m, 幅0.25 mである. 水槽平坦部の水深を36 cm に固定し, 傾斜底面の勾配 を1

/

30に設定した. 2次元越波構造物は傾斜底面上に設置され, 堤)出l水深hは

8.6 cmであった.

入射波には規則j伎を用いた.

H,Lはそれぞれ構造物の法先水深

における波高 波長であり, Izcは構造物の天端高, eは法而勾配である. Hおよ びLは, 水深が10.6 cmの位置において容量式波高計を用いて測定された波高お

(13)

実験装置の概要

よび周期に基づいて算出されている.

越波量の測定においては, 越波量が多いときには造波開始後第6波から第10波 の5波について, 一方, 少ない場合には第6波から第15波の10波による越波量 を5回ずつ測定し, その平均から入射波l波による単位幅当たりの越波量 QR2(

cm2/1波)を算定した.

越波量QR2で示されるように, 以下, 諸量の添え字Rは

入射波が2次元規則波であることを, 添え字2は構造物が越波堤のみから成る2 次元越波構造物であることを意味する.

単位幅当りl 入射波による越波量QR2は, L, H, hc' hおよびcot f)に依存するも のと考えられる. これらの諸量聞の関係を次元解析を用いて無次元表示すると, 無 次元越波量QR21HLは

図- 2.1

一453↓一

(2.1 )

仏�=

f( 互 主 ζ 似O 立i

HL J \ L ' H ' , L /

で表わされる. 実験では, 式(2.

1)中の無次元パラメータを系統的に変化させるこ

とにより,

QR21HLと無次元パラメータの関係を調べた(表-2.

Î参照) . 実験は 大きく2つに分けられる. Run 1 . は構造物の最適形状を決定する為の実験であ り, Run

2. はQR21HLのh/Hへの依存性を調べる実験である.

2. 2. 2

実験結果と考察

図-2.2

(a) --

(g)は, HILを0.019

--

0 .093の範凶で変化させた以f合におけ るQR21HLとcot8の関係をIzclHをパラメータとして示したものである. QR21HL

(14)

表-

2.1

2次元越波構造物に対する実験条件

RUN T (s) h (cm) L (cm) hJL H (cm) H/L hc (cm) hc/H cot8

0.4 0.27 0.00 1.00 0.8 0.53 1.41 1.73

a 0.95 8.6 81.6 0.11 1.5 0.019 1.1 0.73 2.00 2.30

1.5

ト00

2.60 3.00

ト9 ト27

4.00

0.6 0.26 0.00 1.00 1.2 0.52 1.41 1.73

b 0.95 8.6 81.6 0.11 2.3 0.028 1.7 0.74 2.00 2.30

2.3 1.00 2.60 3.00

2.9

ト25

4.00

1.1 0.24 0.00 1.00 2.1 0.47 1.4 J 1.73

C 1.16 8.6 102 0.08 4.5 0.044 3.2 0.71 2.00 2.30

4.2 0.94 2.60 3.00 5.3 1.18 4.00

1.2 0.25

0.00

1.00

2.4 0.50 1.41 1.73

d 0.97 8.6 83.6 0.10 4.8 0.057 3.6 0.75 2.00 2.30

4.8 1.00 2.60 3.00 6.0 1.25 4.00

1.4 0.26 0.00 1.00

2.8 0.5 I

ト41

1.73

e 0.89 8.6 75.7 0.11 5.4 0.071 4.2 0.77 2.00 2.30

5.6 1.03 2.60 3.00

7.0 1.29 4.00

1.5 0.26 0.00 1.00

3.1 0.52 1.41 1.73

0.86 8.6 72.8 0.12 5.9 0.080 4.6 0.78 2.00 2.30

6.2 1.04 2.60 3.00

7.7 1.30 4.00

1.7 0.27 0.00 1.00 3.3 0.53 1.41 1.73

b σ 0.80 8.6 6.8 0.13 6.2 0.093 4.9 0.79 2.00 2.30

6.6 1.06 2.60 3.00 8.2 1.32 4.00

1.4 0.031 3.5 45.1 0.077 3.0 0.067 4.0 0.088 1.3 0.024 5.2 54.0 0.096 2.8 0.052 3.7 0.068 1.3 0.021

co t θ

2 0.8 6.8 60.6 0.112 2.7 0.044 0.25 <

hclHく1.4

3.5 0.058 = (cot8 )max

1.2 0.018 8.5 66.5 0.128 2.6 0.039 3.4 0.052 1.2 0.016 10.1 77.1 0.131 2.6 0.034 3.4 0.044

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0.00 0.0

国ナパ川

2.0 3.0

cot8 (c) H I L = 0.044 Run 1. e

ハU ハU

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2.0 3.0

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G A

巴 O

G A

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0.00

0.0

トO

2.0 3.0 4.0

2.0

cot8 (g) H / L = 0.093

4.0

cot8 (d) H/L = 0.057

Run卜f

ハU ハU P、Jハu nU

斗ど\足。

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山由~也、&、 、

0.00

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0

4.0

cot8 (f) H / L = 0.080

…一口一…

0.24 < hclH < 0.27 ---<)--ー 0.47 < IJc/H < 0.5ヌ

ー .

-0

- - 0.71 < hclH < 0.7り

- -6

_ . 0.94 < IJc/H < 1.0ó

--ffi-- 1.18くれ・川< 1.32

4.0

図- 2.2 QR21HLとcot8の関係

ハU t--a

(16)

は cot8の増加に伴い 増加 し, 極大値をとった後に減少する. また, 当然の結果で はある が QR21HLはhdHの増加に伴い減少する. 図中の曲線は得られたデータを 内挿して得られたものである.

図-2.2

(a) ----

(g)に示された QR21HLとcot8 の関係を普遍表示するために,

図-2.3 で 定義される代表量を導入する. (QR2IHL)max は最大無次元越波量 であ り, そのときのcotθの値を( cot f) ) Rmaxとする. (cot

f)

)Rmax

/

2における無次元越

波量を (QR2IHL)*と定義する.

図-2.4はφ R2とPR2 を用いて, QR21HLとcot8の関係を規格化したもので ある. ここ で,

(!QR2IHL) - (白21HLh

Y:J R2 = ( 命2IHL)max- (仏2IHL) * VR2= cotÐ ( cot8 )Rmax

(2.2)

である. PR2<0.5かつPR2>1.3の範囲ではデータにかなりのばらつき が見ら れる が, 最小2乗法近似 で得られた 実線によって極大値付近は普遍的に良く表示さ れていることカすわかる.

この曲線を用いて 任意の HIL, hclH, cot f)に対して越波量を算定するには,

(QR2IHL)max, (QR2IHL)牢,(cot 0 )Rmaxの定量化がな される必要がある.

図-2.5および図-2.6はそれぞれ(QR2IHL)maxおよび(QR2IHL)* とhclHの関 係を HILをパラメータとして示したものである. なお図中に描かれた近似曲線は,

データに2次関数をあてはめ最小2乗法近似に基づいて決定されたものである.

(QR2IHL)max および (QR2IHL)* は HILには依存せず, hclHの増加に対して単調に 減少することが分かる. また, 図-2.7にhclHをパラメータとしていotf) )Rmaxと HILの関係を示す. (cot

f)

)R川Xは, hclHには依存せずHILの増加に対して単調に 減少することが分かる. 図中の実線から分かるように, 0.01 < HIL <

O.

Iの範囲に 対して1.47 < (cot f) )Rrnax < 4.13 (19.70 <

f)

< 34.20 )で変化する.

図-2.8は QR21HLとhclHの関係を hlLをパラメータとして示したものであ る. この実験では cot 0の値はそれぞれのHILによって決定される(cot 0 )Rmax を採 用している(図-2.7参照)

.

それ故, 図中のQR21HLは(QR2IHL)ma入を意味して おり, 図中の曲線は図-2.5で得られたものである. 浅水変形がそれ程大きくない

hlL > 0.096の範囲 では データはhlLに依存することなく山線とほぼ一致するこ とが分かる.

結論として, 規則波の場合に与えられた2次元越波情造物によって狼得される越 波量は, 図- 2.5,2.6,2.7 で得られた(QR2IHL)m以,(QR2IHL) *、(cot

0

)Rmax を用 いてφR2 , PR2を求めると, 図-

2.4で与えられる関係から算定可能となる.

- 1 - 1

(17)

QR2

HL

岡山 (針*

j いot伽max (cot伽m cotθ

図-2.3 代表量の定義

2.0

nu

「Cヒ

。 0.0

十fJ

ー1.0 出

司2.0

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0

t.p R2

図-2.4 φR2とtpR2の関係

ー12 -

(18)

0.077 HIL 0.080 0.093 HIL

マbd

0.019 0.028 0.044 0.057

ハU ハU ロooa

0.05

HdEへ斗ど\20」

1.50

ハUハU

hclH 0.50

0.00 0.00

(QR〆HL)maxとhdHの関係

口OOA

HIL

0.077 0.080 0.093

マbd

HIL

0.019 0.028 0.044 0.057

図-2.5

0.10

0.05

者へ斗疋\mkq」

1.50 1.00

hclH 0.50

0.00 0.00

(QR2IHL)*とhdHの関係 図-2.6

- 13 -

(19)

hclH

1.00

0.50

1.25

0.75

一一一一一一一一一ー一一一一一 一一一J

hclH 0.25 6.0

。 4.0 。

さEN一(⑤}Oυ)

2.0

0.0

0.01 0.03 0.05 0.07 0.09

HIL

(cot8

)RmaxとHILの関係 図-2.7

hlL 0.078 0.096 0.112 0.128 0.131

。 0.10

出。

斗主\足。

0.05

1.5

ハU

hclH 0.5

0.00 0.0

QR21HLとhclHの関係 図-2.8

- 14 -

(20)

2 . 3

3次元越波構造物による越波量

2. 3. 1 実験装置および実験方法

実験は長さ40 m, 幅 25 m, 深さ1.0 m の大型平面造波水槽を用いて行われ た. 横幅4mの越波構造物を造波板から16 m の位置に設置し, 2次元規則波を 入射させた. 実験装置の概略および代表諸量の定義を図-2.9に示す.

H

とLは構造物設置予定位置における入射波の波高と波長である. 3次元越波 構造物に関する諸量B/, Bo, hc, h, lおよびOは, それぞれ集波堤の入口幅, 集波 堤の出口幅, 静水面からの天端高, 法先水深, 集波堤の波の進行方向長さおよび越 波堤の法面勾配である. 越波量は, 実験開始後入射波が安定してから, 水槽末端の 消波ブロック面からの反射波の影響が入射波に現れるようになるまでの波に対して 計測された. この測定を3-- 5回繰り返して越波量の平均値を求めた. 1波が入射 することによって得られる単位幅当たりの越波量QR3 (cm2/ 波)は, 測定越波量の平 均値を入射波数と集波堤の出口幅Boで割ることにより求められた. 越波量QR3で、

示されるように, 以下, 諸量の添え字Rは入射波が2次元規則波であることを,

添え字3 は構造物が越波堤と集波堤から成る3次元越波構造物であることを意味 する. QR3 は波と構造物の諸量に依存するので, これらの関係を次元解析を用いて 無次元表示すると, 無次元越波量QR3/HLは,

命I=

f (

hc 主 cot8. B,

� 立 L)

HL

J \

L

'

H

.

L

. . B o ' l .

L

J

で表わされる.

(2.3 )

宮江ら川ま, 2次元越波構造物において越波量が最大となる法面の最適勾配。

は, 天端高hcや法先水深hによって異なる値をとり200 ---- 30。 の範闘であるこ とを指摘した. 一方, 前節で は, 最適勾配0は入射する波の沖波波形勾配H/Lの みに依存し, H/L = 0.01 ---- 0.1の範囲で19.70 -- 34.2。 の値をとることが明らか となった. 3次元構造物に波が入射する場合, 集波堤の影響によって堤内の波の波 形勾配は2次元越波構造物の場合に較べ大きくなることが予想される. この点を考 慮し, 3次元構造物における越波堤の法面勾配0として30。 を採用することとし た. また, 相対水深IzILが0.096以上においては, QR2/HLはhlLに依存しないと いう前節の結果に基づいて, Iz = 50 c

m

T

=

l.

3

s (IzI L

=

0.2 1

7)の条件の下で実験 を行うことにした.

さらにQR3/HLの Boll に対する依存性を調べるため に, 式(2.3)で示された7

- 15 -

(21)

CYI日lヌ1)

(断而[�I) :集波堤;

'

一小

実験装置の概略および3次元越波構造物の諸量 図-2.9

(22)

表-2.2 3次元越波構造物に対する実験条件

周期 法先水深 hの波長 相対水深 i皮品 波形勾配 天端品 相対天端両 集波堤

T h L h/L H H/L hc hc/H

の寸法

(sec) (cm) (cm) (cm) (cm)

1.3 0.27 a-g

4.8 0.0210 2.6 0.55 lj

5.2 1.09 //

7.9 1.64

//

2.0 0.27

//

7.3 0.0314 4.0 0.55 lj

8.0 1.09

12.0

ト64

1.3 50.0

23トO

0.217 2.6 0.27 //

9.7 0.0419 5.3 0.55 //

10.6 1.09 lj

15.9 1.64 lj

3.3 0.27 lj

6.7 0.55

12.1 0.0524 9.9 0.82 lj

13.2 1.09 lj

16.6 1.37

19.8

ト64

集波比

Bi/Bo

集波堤 集波堤の 相対集 集波堤

4' 6 8 10 11* 12 14

波の進行 波堤長 の 開角度

μc )

寸法 方向長さ 出口幅

33.4 53.1 70.0 84.0 90.0 95.5 104.9

1 (cm) lIL Bo (cm)

集波堤の入口幅

BI (cm)

a 26.3 0.114 5.3 5.3 21.2 31.8 42.4 53.0 58.3 63.6 74.2

b 39.5 0.171 7.9 7.9 31.6 47.4 63.2 79.0 86.9 94.8 110.6

C 52.9 0.229 10.6 10.6 42.4 63.6 84.8 106.0 116.6 127.2 148.4 d 66.1 0.286 13.2 13.2 52.8 79.2 105.6 132.0 145.2 158.4 184.8

e 79.2 0.343 15.8 15.8 63.2 94.8 126.4 158.0 173.8 189.6

221.2

f 100.0 0.433 20.0 20.0 80.0 120.0 160.0 200.0 220.0 240.0 280.0

___g 121.5 0.526 24.3 24.3 97.2 145.8 194.4 243.0 267.3 291.6 340.2

*

81/80=4,11の実験はH/L= 0.0524の波に付してのみ行われた。

ー17 -

(23)

つのパラメータのうちBollを除いた全てのパラメータを固定して予備実験を行っ た. その結果, QR3/HLは Bollにそれほど強くは依存しないが, Bollが 0.2のと き極大値をとることが分かった. 従って, 今回の実験では最適値としてBoll= 0.2

を用いることとした. e = 300 ,hl L注0.096, Boll = 0.2といっ条件の下では式

(2.3 )に含まれる無次元パラメータは5つに減少し,

となる.

仏3 _

+ ( H hc B I 1 \

HL V \ L . H . Bo . L J (2 . 4 )

波形勾配HIL 相対天端高hclH, 集波比B,IBo, 相対集波堤長l/Lをそれぞれ 独立に広範囲に変化させることによりQR3/HLの定量化のための実験を行った(表

-2.2参照) .

HILは0.0210 ---

0. 0524 の問で変えられ, hclHは天端高hcを系

統的に調節することにより5段階で変えられている. またBJiBoの値 も 1から 1 4 の間で系統的に変えられている. この範囲を集波堤の開角度μで表わすと 00 ----

10 4.9。 に対応する. 本実験においてBJiBoとμの値が1対1に対応しているのは Boll = 0.2という固定された条件の下で実験 が行われているため であり, μ = 2 tan-1 (

0.2

( BIIBo

- 1

) / 2)なる関係 がある. 1の最大長さは半波長程度のものを対 象とし, l/Lを0.

1 1 4から0.526の範囲で変えた.

集波堤の寸法a ... eの実験にお いては集波堤は越波堤上にあり, fとgの実験 では集波堤は越波堤よりも長くなっ ている.

2. 3. 2 実験結果と考察

図-2.10 (a)---(d)は, l/L = 0.286の条件の下でHILの値を0.0210 ----0.0524 の間で変化させた場合のQR31HLとBJiBoの関係をhclHをパラメータとして示し たものである. 図中の曲線は それぞれのhclHの値のときのデータに対して描か

れた近似曲線である. 本節で示される以下の図中に捕かれた近似曲線は, 全てデー タに2次関数をあてはめ最小2乗法近似に基づいて決定されたものである. パラ メータ HIL, l/L hdHの値が固定された場合, ßdBoが増加するにつれてQR3/HL は増大し, 極大値をとった後に減少する傾向 があることが分かる. また, 当然の結 果とも言えるが, あるHIL, l/L , BdBoの値に対しては, hclHが大きくなるにつ れてQR3/HLは小さくなっている. なお, HILが大きくなるとQRJIHLは全体的 に大きな値をとる傾向が見られる. このような傾向は図-2.10では示されていな い他のl/Lの値に対するグラフにおいても共通に見られた.

- 18 -

(24)

0.30・

0.20・

Q::;

01

0.10 ・

日ユ-一巳一

忌��号二'çーーーくトー+

df;:!こ::£二よぎ二玄 二 玄二会

� -

....J

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()l

0. 1 0

包〈V QAr ロ〈ザσム ロοG E E80〈U 巴00合

巴 〆

15

0.00 10 0

B,/Bo

(a)

10 15

B,/Bo

(b)

0.30・

I ;"�. .. 1 日七二 j 臼\

-8- 027 -+- 0

刊I

.... [ _ J

0.30・

一+ー

1,,7

・・a・

1(>.1

斗足、.~~。 イ Ai t 凪 G 〈ぷ 〈》 忌 ハ)九\ AA AV o 司r 人γ

ι C 1 五 百

-8 日門川畑

斗0.20・

01

E民

〈? 日 O A 臼〈いG

\ム

一口。。ム 日

。合 。 口 八V/ 04 白壁

0.20・

15

0.00・

5 B,/Bo 0 (c)

10 10

B,/Bo

(d)

15

図-2.10 QR〆'HLとB〆'80の関係( l/L

=

0.286, (a) H/L

=

0.0210,

(b) 0.0314, (c) 0.0419, (d) 0.0524)

QR3/HLとBJ!Boの関係を普遍表示する為に, QR3/HLとBJ!Boに関する代表諸量 を図-2. Î Îのように定義する. (QR3IHL)max は最大無次元越波量であり, その値

における集波比を(B,IBo)Rmaxとする. また, B,IBo

= 1

, つまり集波効果がない場 合の越波量を(QR3/HL)ネと定義する.

図-2. Î 2は, QR31HLとBJlBo の関係を示した全てのグラフから図-2. Î Îで 定義された代表諸量を読み取り,

QR31HLおよびB,IBoを規格化して示したもので

ある. ここでφR3とlf/R3は,

� (OR3 1 HL) - (OR3 1 HLh

'VR3 = (

3 1 HL)maxー(OJu 1 HLh (2.5)

。 一 nm B P 〆 一 I M W 一 戸 一 B 2J ρH V (2.6)

ー19 -

(25)

(QR3IHLJmax

足 、

(QR3IHLJ*

BIIBo (BIIBoJRmax

図-2.11 無次元越波量を普遍表示するための代表諸量

と定義されている.

'PR3

=

0.5付近では多少のばらつきが見られるもの

の,

QR31HL

は図中の近似曲線 で十分普遍的に表示されることが分かる. この普遍曲線を用いて 任意のBtlBo , hdH ,

HIL, l/L における無次元越波量 QR31HLを評価するために

は, 定義式(2.5)と(2.6) で用いた代表量(QR3IHL)max,

(QR3IHL) * ' (B

tlBO)Rmax と hdH, H/L, l/Lの関係を定量化する必要がある.

図-2.13

(a)

---- (d)は HILのそれぞ、れの値に対してl/Lをパラメータとして ( QR3IHL)maxとhdHの関係 および(QR3IHL) *とhclHの関係をプロットしたもので ある. 両者とも hclH の増加とともに単調に減少するが, 0.0114豆l/L豆0.0526 の範囲においては, l/Lにほとんど依存せず図中の曲線 で十分近似できることが分 かる.

次に(QR3IHL)max および (QR3IHL) * の HIL への依存性を調べるために, 図-

2.1 3で得られた 近似曲線を HILをパラメータとして示したものが図-2.14で

ある. 両者とも HILの値が大きい程大きな値を取っており, 近似曲線の聞にわず かではあるが系統的なHILへの依存性が認められる.

図-2.15

(a)

---- (d) からは, それぞぞ、れのHILに対してfぽBl〆IBoωjμ片川R附tむ何I行ma

増加とともに若干のj減成少傾向がみられるが, 全体的にみると それほど明瞭ではなく ほぼ一定値をとるように思われる. また , パラメータl/Lへの明瞭な依存性も認め

- 20-

(26)

1.5・

ハU

'EEA

=

・6 0.5・

0.0

0.0 0.5

ハU

1.5

'PR3

図-2.12

φ'R3とPR3の関係( H/L = 0.0210 --.... 0.0524,

hc /H

= 0.27 --.... 1.64,

lJL

= 0.114 --.... 0.526)

られない. 図-2.16は図-2.15で示されたデータを一緒にして, HILをパラ メータとしてプロットしたものである. (B/BO)Rmax はl/LおよびHILの値に対 し, 際だった依存性は認められず図中の実線問/BO)Rmax キ11でほぼ近似できる ものと思われる. BoIlが0.2に固定されていることおよび(B/BO)Rmax キ11であ ること を考慮すれば 本実験の範囲においては集波堤の開角度μが約90? の場合 に最大無次元越波量が生ずることになる.

結論として, 3次元越波構造物に2次元規則波が入射する場合, 獲得される越 波量は, 図-2.14,2.16から(QR3IHL)max,(QR3/HL)

*'

(B,IBO)Rmaxを求め, 図- 2.12で示される関係を用いて算定可能となる.

- 21 -

(27)

一JM・Ae一

0.30

....J

0.20

aJ

0.10

()J �

rQR3/HLh 1/し

• 0.171

A 0.286

• 0.433

rQR〆'HLJm"Jx

。 ð O

0.30

..J *

ミ0.20

c.::

。j

E

記0.10

、 Q::

()j

0.00 0.00 0.0

0.0 1.0 1 . 5 2.0

hc/H (b)

0.5 2.0

1 . 5 1.0

hc/H (a)

0.5

r QR3/HLJm"Jx (QR3/HLル I/L

・ 0.114

o • 0.171

...

0.229

ð A 0. 286!

:> ... 0.3 -l31

o • O.-DJi

.c.j

( ) . 5261

0.30

、J

ー持

E

ミ0.20

aJ

。10

。J � (QR3/HLμI/L

• 0.171

A 0.286

・ 0.433

(QR3/H LJI1l"Jx

。 。

0.30

4 *

3こ長0.20

()j

=

。10

。j

2.0 1.5

I . () hc/H

(d)

0.00 0.5 0.0 2.0

1.5

トO

hc/H

(じ)

0.00 0.5 0.0

(QR〆'HL)maxおよび(QR.〆'HL)虫とhclHの関係 ((a) HIL = 0.0210, (b) 0.0314, (c) 0.0419, (d) 0.0524)

図-2.13

、 \

.、 、

、 、‘、

、 ・ 、

-一Y \

、 、 L

可、

\\ \\ 、、 、 、

\、 、、 、 、 、 、、 \、、

、 、

、 、

、 、

、 ・、

‘ 、

\ .

、 、 、

. 、

、 、 . \ \ 、 、 \

、 、 、

、、 、 ・ 、 、 、 、 、

、 、 x

\

γt

h L

\

rL

川問

、 . \

\

\ 、 、

.

PH

、、

、 〆,tt 、 0 ~ \ .

、 . 、

\

、 、

、 、

、 、

、 、

\一二、(む畦.仕[L)キ

2.0 HIL

0.0210

一一ー

0.0314

- 0.0419 - - - 0.0524 0.30

0.20

-ー'. " .ー.

0.10

ゴ斗ミ\品ミんど4・

F Zヘ斗ミ\み

.之内三

トO

1.5 0.5

0.00 0.0

hclH

(QR〆'HL)maxおよび(QR.JHL)虫とhclHの関係 図-2.14

- 22 -

(28)

OムO O ム O 15

15

。 。 O Q

ョ10 E ct:

O

A00 。

。 。 三10 ー、

2ヒ

Q 句 、、

5

2.0 トO 1.5

hclH (a) 5

2.0 1.5

hclH 1.0

(b) 0.5 0.5

ohU切A

GAd

c>

DハロE 15

� 10

E足

句 。

、三、

G

。 0

6

15

ぎ10 -、 ct:

、三込

2.0 トO 1.5

IzclH

(d)

0.5 5

2.0 1.0 1.5

hclH (c) 5

(B〆'BO)RmuxとhdHの関係(

(a)

HIL

=

0.0210,

(b)

0.0314,

(c)

0.0419,

(d)

0.0524 )

図-2.15

円門]

AA臼ム

A

口 口

15

ハU g E ミヘ 。 句 、 白 」

5

0 0.0 0.5 ハU 1.5 2.0

IzclH

( B,/Bo)Rn聞とhdHの関係

図-2.16

- 23 -

(29)

2. 4

所要越波量に対する構造物寸法の評価法

前節までの結果に基づいて, 必要な越波量を獲得するための構造物の寸法を決 定する手順を, フローチャートとして図-2.17に示す. 本節で示す設計例は3次 元越波構造物を対象としている.

本論文で提案する水質改善技術を適用する閉鎖性水域の規模に応じて所要送水 量q(m3/s)が与えられる. 今, 送水量q(m3/s)を 0.35 (m3/s) (3.0 (万t/day))であ

ると仮定すると, 用いる送水管の材質, 長さ, 管径等から, この qを流すために 必要な水位差 hcが決められる . また, 構造物の設置基数を n基とすればl基当た りの所要越波量はq/n となるが, ここではn = 1として, 1基当たりの所要越波 量 をqとする. 以下に, 必要水位差を hc=0.40mと仮定して, q = 0.35 (m3/s)を 得る為の構造物の寸法を求める.

設計波はH o= 0.55 m , T = 4.0 sとする. 3次元越波構造物に対する本実験結果 は全て8 = 300 ,hlL孟0.096,Boll = 0.2の条件の下で得られたデータであり, 本 実験結果を実海域に適用する際には, この条件が満たされなければならない.

hlL

注0.096( hlLo注0.052 )の条件は構造物の設置水深を決定するパラメータである.

T= 4.0 sからLo=25.0mとなる. 設置水深の限界はhlLo= 0.052で与えられるの で, 限界の水深は1.3mとなる. 従って, 設置水深h= 4.0 mとすると, 波の浅水 変形の関係式を用いてL=21.0 mを得る. また, 波の浅水変形のグラフから h=

4.0 mにおける波高H は0.50mとなる.

法先水深h, 天端高

hc および法面勾配0が与えられていることから,

越波堤 の寸法は決定される. また集波堤の寸法は以下に示す流れにより決定される. l=

3.0 mと仮に設定すると lILは0.14になる. ここで,

lIL <

1/2を満たしていな ければならない. Bolf =

0.2であるから, 集波堤出口幅Boは0.60mになり, 単位

時間当たりの送水量 0.35(m3/s)にTを掛け, それをH,LおよびBoで割ると, 1 波当たり単位幅当たりの所要越波量QR31HLは0.222となる. ところで, hc=0.40

m,

H = 0.50 mすなわちhc /H = 0.80のとき, この構造物で獲得できる最大の越波 量(QR3IHL)max は図-2.14から 0.127である. この時, QR31HL

>

(QR3IHL)maxと なり, このlのままでは所要越波量は獲得できず, lを大きくする必要がある. 例

えばlを2イ音にするとl=

6.0

m , lIL = 0.2 9 (lIL< 1/2) となり, Boll = 0.2からBo は1.20mになる. 従って, QR31HLは0.111となり,

QR31HL

<

(QR3I HL)maxの条

件を満たす.

図-2.14 と図-2.16から(QR3IHL)maxニO.1 27 (Q R 31

, H L) *

=

0.023

(B〆

BO)Rmax = 11を得る. 次に式(2 .5)からφR3= 0.85を得る. この値を図-2.12に

- 24-

(30)

越波堤の寸法

/

基本設定 設置基数 1基

条件 設計波 Ho = 0.55 m,

T

= 4.0 s . Lり=25.0 m (LIJ = gT2/2π) 所要送水量 q =0.35m3/s

(3.0(万t/day))

必要水位差 hc = 0.40 m

設置水深 h = 4.0 m ( h1L () =

o.

16 ) 越波堤底面の波の進行方向長ざ

= (水深h+天端高hc)

I tan8

= (4.00 + 0.40

) I

tan 30v

= 7.62 m

4ニ

図-2.14

,2.16

/ /

(QRJ/'HL)m:u = 0.127 (QRJlHL) * = 0.023

// 波長L

= 21.0 m (hlL = O. 19 ) //

波高H= 0.50 m

(Ks

= 0.91)

hclH = 0.80, HIL = 0.0238

集波堤の波の進行方向の長さ{=

6.00 m

/'

YES

, , "..

, , ,

YES

B 011 = 0.2

φRl =_jQRJ I HL)一(QRJI

HL)牢

……(2.5)

(QRJ I HL)maxー(QRJI HL)*

"

, J

".. ,

"..

/'

"..ー ー_...

図-2.12

'fIR RJ l = = _jB〆Bo ) - I …...・H・..…・(2. 6) (B〆BO)Rmaxーi

YES

集波堤の寸法

β。 =1.20 m 8, = 9∞m {= 6.0 m

図-2.17 構造物の寸法を決定するためのフローチャート( 3次元越波構造物)

- 2S -

NO

NO

参照

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