• 検索結果がありません。

腫瘍内不均一性を基にしたがんの予後解析

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "腫瘍内不均一性を基にしたがんの予後解析"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

腫瘍内不均一性を基にしたがんの予後解析

菊竹, 智恵

http://hdl.handle.net/2324/2236052

出版情報:九州大学, 2018, 博士(理学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)

(様式6-2)

氏 名 菊竹 智恵

論 文 名 腫瘍内不均一性を基にしたがんの予後解析

論文調査委員 主 査 九州大学 教授 久保田 浩行 副 査 山口大学大学院医学系研究科 教授 浅井 義之 副 査 九州大学 准教授 柴田 弘紀

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

がん細胞が持つ変異の組み合わせは、細胞間によって異なっていることが知られている。この状 態のことを腫瘍内不均一性(intratumor heterogeneity; ITH)という。ITHは、薬剤耐性やがんの 再発に繋がる可能性があることから、がん治療において大きな障壁となりうる。近年のゲノム解析 技術の発展により、個人のがん細胞間に違いに着目したITHに関する解析が可能となり、がんの進 化経路についてさまざまな解析が進められてきている。しかしながら、がんがどのように進化し、

そしてその進化過程ががん患者の予後とどのように関係しているかについては十分に解析されてい ない。そこで本研究では、ITH とがん患者の予後との関係についての知見を得ることを目的とし、

2つの研究を行った。

1 つ目の研究では,がんの進化過程においてどのような変異が生じると予後悪化につながるのか について、乳がん患者のデータを用いて解析を行った。各サンプルの持つ変異情報から得たVAF(変 異アレル頻度)を用いて解析を行った結果、HMCN1 VAF が乳がんの予後と関連している可能 性があることが明らかとなった。さらに、CA9 および CASP14 の発現量の上昇に基づく腫瘍内の 悪性度の亢進や、リンパ節への転移との関連についても確認されたことから、HMCN1の変異はが ん細胞の浸潤および転移と関連している可能性も示唆された。HMCN1は細胞外マトリックスタン パク質の1つであるという知見を踏まえ、遺伝子の変異に起因するHMCN1の不安定化の結果、十 分な細胞接着が阻害され、乳がんの浸潤や転移が促進されると考えられた。

2 つ目の研究では、がんがどのような進化過程をたどると予後悪化につながるのかを明らかにす るため、16 種類のがんのデータを用いて解析を行った。本研究では多次元的に ITH を評価するた めに、各サンプルの持つ変異の VAF の分布の形状を用いて解析を行った。VAF の分布の形状を定 義する3種類のパラメータを使用し、これらのパラメータに基づいてサンプルを5つのクラスター に分類し生存時間解析を行った結果、7 種類のがんで予後と有意に関連しているクラスターがある ことを見出した。この結果より、VAFの分布を用いることで、がん細胞にとって好ましい進化の状 態を予測することが可能であると考えられた。また、予後と関連するVAFの分布はがんの種類によ って大きく異なっており、がん細胞内におけるより多くの突然変異の蓄積が必ずしもより悪い予後 に関連するとは限らないという知見が得られた。

がん患者の予後に影響を与える遺伝子変異は、診断や薬剤による治療ターゲットとして有用であ ることから、予後解析の重要度は非常に高い。したがって本研究は、ITHやがんの進化過程に基づ く最適な治療法の確立を目指す上で重要な貢献をしたもので、価値ある業績であると認める。

よって、本研究は博士(理学)の学位を得る資格を有するものと認める。

参照

関連したドキュメント

出版情報:九州大学, 2020, 博士(理学),

出版情報:九州大学, 2019, 博士(歯学),

出版情報:九州大学, 2019, 博士(歯学),

出版情報:九州大学, 2018, 博士(学術),

出版情報:九州大学, 2018, 博士(工学),

出版情報:九州大学, 2018, 博士(工学),

出版情報:九州大学, 2018, 博士(工学),

出版情報:九州大学, 2018, 博士(医学),