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豊島新時代における人材育成基本方針 人材育成|豊島区公式ホームページ

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全文

(1)

豊島新時代における

人材育成基本方針

平成

29

3

(2)

第1編

総論

第1章.改定の趣旨・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

3

第2章.人材育成の課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

7

第3章.目指す職員像と職場像・・・・・・・・・・・・・・・・

15

第2編

各論

(3)

第1編

(4)
(5)
(6)

改定の趣旨

1.

改定の背景

豊島区では、平成12年に人材育成に関する計画を策定し、その後、17年度、22 年度と、区の状況に合わせた改定を行ってきました。

平成17年度に改定した人材育成計画では、長引く厳しい財政状況を乗り越え、 地方分権が進む中で自治体間競争を勝ち抜くために、自治体職員はどのような人材

となるべきかを示し、「先を読むこと」、「区民とパートナーシップを築くこと」、「少

数精鋭組織の中で能力を発揮すること」ができる職員を目指しました。

平成22年度の改定にあたっては、こうした取り組みが職員の中に根付く中で、 さらに「区民目線」を大切にし、区民満足とは何かを考える職員を目指すものとし

ました。また、文化や環境政策など、他自治体をリードする取り組みを進め、さら

には平成 27年に完成する新庁舎にふさわしい職員となるべく、一丸となって努力 を重ねてきました。

最初の計画策定以来10数年にわたり、求められる職員像の実現に向け様々な取 り組みを行ってきました。その中で、特にここ数年は、東日本大震災を教訓とした

防災力の強化をはじめ、安全・安心なまちづくりを目指したセーフコミュニティ国

際認証決定、消滅可能性都市への対応など、社会情勢の変化から生まれる新たな重

要課題にも積極的に取り組むと姿勢とスピード感を磨いてきました。

新庁舎移転から間もなく2年を迎え、豊島区は、2020 年東京オリンピック・パ

ラリンピックを視野に、新しい都市像としての国際アート・カルチャー都市づくり

や持続発展都市の実現、実現に向けての新たな協働の形である新公民連携の推進、

さらなる女性にやさしいまちづくりなど、新時代を切り拓く新たなステージ、まさ

に、「基本計画」に示された「豊島新時代」の扉を開こうとしています。

この、「豊島新時代」の扉を開き、さらに飛躍させるためには、新しい時代を担う

職員の育成とともに、これまで培った能力を全ての職員が最大限発揮し、その能力

の結集による組織力の強化を進めながら、区民サービスの飛躍的な向上、発展し続

ける地域社会を実現しなければなりません。

人材育成基本方針では、今後10 年、20 年先の区政を担う職員を「豊島新時代」 を担うにふさわしい職員として、どのような育成をしていくべきか、10 年後を見

(7)

2.

人材育成基本方針の構成

本方針は、豊島新時代の区政の実現のため、3つの「人材育成の課題」に対応す

る3つの「職員・職場像」の実現と、そのための取り組みを柱に構成しています。

第2編各章では、目指す姿に向かって誰が、何に、どう取り組むかを明記しました。

第1章

改定の趣旨

第2章

人材育成の課題

第1章

人材育成の方針(体系) 第3章

目指す職員・職場像

第2章

育成の主体

第3章

育成の視点

「人材育成の課題」の詳細を明示

課題.1 豊島新時代を担う職員の育成

課題.2 全職員の能力を引き出し発揮させる育成 課題.3 人を育てる職場づくりと組織力の強化

「人材育成の課題」を解決し、職員と職場を「目指す姿」 にするために、誰が、どのような視点で、どのような取り 組みを行うかの全体図を明示

育成の主体が、人材育成を行う上で配慮すべき視点を明示

第2節:「職場づくり」に関する具体的な取り組み 「人材育成の課題」の課題3に対する取り組みを明示 「人材育成の課題」1から 3 に対応する「目指す職員像と 職場像」と「基本姿勢」を明示

1. 新たな課題に果敢に挑戦し、

としまの魅力を高めていく職員 2. 自らの力を伸ばし、発揮し、

としまを堅実に支えていく職員 3. 互いに認め、学び、助け合い

としまの組織力につなげていく職場 [基本姿勢] 全体の奉仕者としての高い倫理観と、

豊島区職員としての誇りを持つ職員

豊島区が取り組むべき「人材育成の課題」を明示

人材育成に取り組む体制と役割を明示

第3節:「能力育成」に関する具体的な取り組み 第 1 節:「制度の整備」に関する具体的な取り組み 職場づくりと能力育成の土台となる制度の整備を明示

第4章

具体的な

(8)

3.

本方針の位置付け

○豊島区が必要とする人材を育成するための基本となる考え方を示すものです。

○単年度の取り組みについては、「豊島区職員研修等実施計画」で提示します。

4.

計画期間

○5年に1度見直しを検討し、必要な改定を行います。

(9)

第2章

第2章

人材育成の

(10)

人材育成の課題

豊島区が迎える新たな時代「豊島新時代」の扉を開き、さらに飛

躍させるために、以下の三点を人材育成の課題とします。

豊島新時代を担う職員の育成

全職員の能力を引出し発揮させる育成

(11)

課題 1.豊島新時代を担う職員の育成

常に進化し続ける豊島新時代においては、従来の手法に固執せずに、新

たな視点を持って、

新たな課題を解決できる能力と意欲を持った職員の育

成が求められています。

平成28年3月に策定した「豊島区基本計画(2016-2025)」に示されたとおり、 本区は、持続発展都市に向けた4つの柱として、「女性にやさしいまちづくり」、「高 齢化への対応」、「様々な地域との共生」、「日本の推進力」を掲げています。

これらを実現するためには、人口減少社会を踏まえた様々な民間主体との新たな

連携方法の模索、区民の多様性を認め合うダイバーシティの観点、姉妹・友好・交

流都市など様々な地域との共生など、新たな視点を持って果敢に課題に取り組む姿

勢が職員に求められます。

特に、「国際アート・カルチャー都市」の実現を目指す本区は、今後、2020年東

京オリンピック・パラリンピックを見据え、国内外に多様な魅力を創造・発信し、

訪れたいまち、住み続けたいまちとしての魅力を一層向上させていかなければなり

ません。国際都市としてのさらなる進展により、外国企業、外国人居住者の増加も

予想され、職員の多文化共生への理解も必須のものとなっています。

また、この新たな課題を効率的・効果的に解決するためにも、職員はワークスタ

イルの変革を実践し仕事と生活の調和を図りながら、全力をもって職務を遂行する

ことが求められます。

このように地域社会と区行政が大きく変動する本区においては、自らのワークス

タイルの変革を果たしながら、新たな視点を持って新たな課題を解決できる能力と

(12)

課題 2.全職員の能力を引き出し発揮させる育成

豊島新時代における高度化

多様化した行政課題を解決するため、

また、

着実な業務遂行により区政を支えるために、

全ての職員の能力を引出し発

揮させる育成が求められています。

(1) 各年代に対する育成

20 歳代・30 歳代の職員

20 歳代・30 歳代の職員は、豊島区の次代を担う人材であり、最も成長

が求められる人材です。現在の即戦力としてのみならず、区の将来のため

にこの世代の職員の意欲と能力を向上させることが求められます。 また、20 歳代・30 歳代の主任主事・係長は、自身の職層に求められる

役割に対し不足している能力と経験を認識し、得意分野を伸ばすとともに

苦手分野を克服することにより、更なる成長が求められます。

40 歳代・50 歳代の職員

40歳代・50歳代の職員は、豊富な経験・知識を持ち合わせていますが、

受講対象となる研修が少なく、新たな知識・能力の習得及び能力開発をす

る機会が限られています。

40歳代・50 歳代の職員は、各職場の中心的な役割を担う人材として、

新たに必要とされる知識・能力を常に学び続けることが求められ、これに

対し、人事・人材育成部門は、学ぶ機会を設けることが求められます。 また、40 歳代・50歳代の主任主事・係長は、自身の職層に求められる

役割のレベルに留まることなく、培ってきた経験・知識を十分に発揮し区

政に貢献することが求められます。

(2) 環境が変化した職員

新規採用職員・昇任した職員

新規採用職員・昇任した職員は、チャレンジ精神に燃え高い意欲を持っ

ていますが、一方で、新しい環境に適応できるか、新たな職責を果たせる

かといった不安を抱えやすい状況です。

新規採用職員・昇任した職員の不安を払拭し、意欲を成果につなげてい

(13)

職場を異動した職員

自治体の業務は多岐にわたっているため、異動先によっては一から業務

を学ばなければいけないことがあります。特に業務内容が大きく変わった

場合には、戸惑いを感じ自信を失う場合もあります。

職場を異動した職員が新しい職場で業務を円滑に進めるためには、新職

場でのやりがいを見出させることと、新職場で必要な能力を習得する機会

を設けることが必要です。

(3) 業務遂行に課題を抱える職員

平成28年4月の地方公務員法の一部改正により、「能力及び実績に基づく人 事管理の徹底」が求められるようになりました。

限られた人材の活用や公務能率向上といった人事管理上の観点から、業務遂

行に課題を抱える職員が公務員として能力を発揮できるよう体制を整備し、育

成していくことが、これまで以上に求められます。

(4) 再任用職員

再任用職員は、本来、正規職員と同等の職責を担うものですが、定年退職後

は補助的業務を担うという意識や、それを容認する組織文化が残っています。

また、職位や給与でも定年退職前と差異があることから、モチベーションが

上がらない職員もいます。

再任用職員のモチベーションを高め、さらに長年にわたり公務で培った能力

や経験を十分に発揮することが求められます。

(5) 管理職

管理職は、組織目標の達成とともに、育成の責任者という大変重要な役割を

担っています。しかしながら、職員の育成が係長任せになっていたり、短期的

な育成の視点や一方的な指導にとどまっているという状況もみられます。

管理職は、人材育成のキーパーソンとして、職員の状況をきめ細かく把握し、

中長期的な育成の視点を持って、各職員に合った育成を行う必要があります。

また、管理職自身も自ら能力を高め、豊島新時代にふさわしいリーダーとな

(14)

課題 3.人を育てる職場づくりと組織力の強化

人を育てるためには、

それに適した環境が必要です。

このため、

職員個々

の能力開発と並んで人を育てる職場をつくることが最重要課題です。

また、職員個々を結び付け、組織の力に変えることも職場の役割です。

豊島区が真に区民サービスを向上させるために、

職員個々の能力を結集し

組織力を強化する職場が求められています。

(1) 育成の土壌づくり

現在、本区においては、職員が職場で「人材育成」について考え取り組む機

会が十分であるとは言えません。

人を育てる職場をつくるためには、まず、「育成の土壌」をつくることが重要

です。職員全員が、「職員の成長=区民サービスの向上」という認識を持ち、人

材育成に積極的に関わり、「人を育てることを尊し」とする組織風土を醸成す

ることが求められています。

(2) 地域への関心、区民への奉仕の心の醸成

職員にとって、地域と区民への奉仕は基本理念ですが、日々の仕事をこなす

ことに追われる中で、これらの意識が希薄化する可能性があります。

地域のニーズや特性を踏まえた効果的な事業を行うために、また、より一層

区民に寄り添った業務を行うためにも、全職員が、地域への関心、区民への奉

仕の心を常に持ち続けることが求められます。

(3) 社会人としての基礎(接遇、身だしなみ、挨拶)づくり

本区では、以前より、接遇、身だしなみの向上に取り組んできましたが、未

だに、区民から接遇、身だしなみに関する苦情を頂くなど、十分な状況とはい

えません。

職員が、区民から信頼されるためには、全職員が、接遇や身だしなみといっ

た社会人としての基礎を身につけることが求められます。

また、今後、官民協働の事業が増えていくことが見込まれるなか、民間事業

者と円滑に事業を推進するためには、職員一人一人が社会人としての基礎を身

につけ、相手方からの信頼を得るとともに、職員が自信をもって相手方と仕事

(15)

(4) 知識・技術の継承

職員数の37%を占める50歳代の職員が、今後、段階的に退職します。 知識・経験が豊富な職員の退職後も区民サービスの質を維持するためには、

各職場において、職員の知識・技術の継承を確実にするための取り組みが求め

られています。

(5) 女性活躍の推進

本区は、平成28年度現在、係長級のうち女性が占める割合は50.7%と半数 を超えているものの、年代別にみると30 歳代の女性係長の数はゼロとなって います。一方で、40歳代後半から50歳代にかけて昇任選考を受験する傾向も みられ、女性が妊娠・出産・育児でキャリアが中断されることや、経験を十分

積んでから受験を視野に入れているといったことが推測できます。

女性が活躍するためには、制度を整備するだけでなく、全ての職員が共に働

く職員の働き方を理解し、互いに能力を発揮できる職場づくりが求められます。

その上で、女性の登用や活躍を後押ししていくことが必要です。

(6) ワーク・ライフ・バランスの実現

国の「仕事と生活の調和憲章」で示されたとおり、職員が自分の仕事にやり

がいや充実感を感じ、仕事上の責任を果たし、組織に貢献するためには、仕事

と生活のバランスをとることが不可欠です。

「ワーク・ライフ・バランス」を実現するためには、個人がワークスタイル

の変革を実践するとともに、職員同士が、互いの状況を認め合い、助け合える

職場をつくることが求められます。

(7) 職場での適正な事務処理の確保

昨今、本区においては、根拠法令の改正や、新システム導入、ひいては繁忙

期のケアレスミスなどにより、不適切な事務処理による事故が続いて発生して

います。職員一人一人の「責任感や危機意識」の向上と同時に、情報共有やチ

(16)

いつの時代も、官民問わず、「次代を担う若手職員の育成」は重要な課題です。

特に豊島区では、「最近、若手職員が増えたな」と実感している人も多いのではないかと思います。 若手職員が明るく、一所懸命仕事に取り組む姿は、見ていて元気をもらえますし、自分の初心を思い 出す機会にもなります。

職員構成はどう変化しているのか。前回人材育成基本方針を改定した平成 22 年度と、6年後の平 成 28 年度を比較してみます。

【職員構成】

平成 22 年は、20 代以下の職員 1 人の周りには、仕事の上でも、また、社会人としても最も身近な お手本である 30 代の職員が3 4 人ほどいたことになります。

また、新規採用職員が少なかったこの時期、「いつまでも職場では「若手」側だった」、「新規採用職員 と同じ職場になったことがなかった」という人も多かったのではないでしょうか。

しかし、豊島区では平成 23 度以降採用数が大きく増え、年齢構成に変化が見られました。

上のグラフを見ると、平成 23 から 28 年の採用数は 449 人。職員の約 4 人に一人が、前回の人材 育成基本方針改定後に採用されたことになります。本区は若い職員の活気あふれる自治体です。採用 時の高い志をいつまでも持っていてもらえるような育成ができれば、豊島区はさらによい自治体になります。

若手職員をどう育成していくのか・・・。みんなで考えなければならない大切なテーマです。

(17)

第3章

目指す職員像

(18)

目指す職員像と職場像

豊島区職員は、

「豊島新時代」を担う者として、以下の基本姿勢

を不断に確認し高めていくとともに、以下の職員像・職場像を目指

します。

姿

目指す職員像と職場像

新たな課題に果敢に挑戦し、

としまの魅力を高めていく職員

自らの力を伸ばし、発揮し、

としまを堅実に支えていく職員

互いに認め、学び、助け合い

としまの組織力につなげていく職場

全体の奉仕者としての高い倫理観と、

(19)

姿

全体の奉仕者としての高い倫理観と、

豊島区職員としての誇りを持つ職員

私たちは、全体の奉仕者として、住民の生命、財産、安全を守るとともに、一方

で住民に義務を課し、その権利を制限することもあります。このような仕事に従事

する我々には高い倫理感が求められます。また、区民生活の向上と区政の発展の実

現には、職員が自らの職務に誇りを持ち真摯な気持ちで取り組むことが不可欠です。

このため、「全体の奉仕者としての高い倫理観と、豊島区職員としての誇りを持

つ職員」を、本区職員全員が不断に確認し高めていく基本姿勢とします。

この「基本姿勢」と「目指す職員像・職場像」は、互いに密接に関連しあい一方

が高まればもう一方も高まる相関関係にあります。

職員は、この基本姿勢を確固たる土台として、その上に、目指す職員像・職場像

に必要な能力・資質を積み上げていくことが求められます。

目指す職員像と職場像

1.

新たな課題に果敢に挑戦し、 としまの魅力を高めていく職員

常に進化し続ける豊島新時代においては、従来の手法に固執せずに、新たな

視点を持って、新たな課題を解決できる能力と意欲を持った職員が求められま

す。

このため、本区が目指す職員像の一つ目を「新たな課題に果敢に挑戦し、と

しまの魅力を高めていく職員」とします。

<具体的な姿>

(1) 未知の課題に挑戦する気概を持ち、課題発見力・調査能力・政策立案能力等

課題解決に必要な能力のある職員

(2) 新たな時代の潮流をとらえる先見性と想像力のある職員

(3) 民間事業者とも対等にわたりあえる専門知識と高いコミュニケーション能力

のある職員

(4) ダイバーシティ時代における多様性を尊重する職員

(20)

2.

自らの力を伸ばし、発揮し、 としまを堅実に支えていく職員

豊島新時代における高度化・多様化した行政課題を解決するために、また、

着実な業務遂行により区政を支えるために、全ての職員が能力を引出し発揮す

ることが求められます。

このため、本区が目指す職員像の二つ目を「自らの力を伸ばし、発揮し、と

しまを堅実に支えていく職員」とします。

<具体的な姿>

(1) 区政と区民のために、自己研鑽を怠らず、常に成長を望む職員

(2) 自らのキャリアデザインを明確に持ち、自らの成長を計画的に考える職員 (3) 自ら考え自ら行動し、積極的・主体的に業務改善に取り組む職員

(4) 自分の仕事に誇りを持ち、業務を着実に遂行する職員

(5) 区民の声をとらえ、区民の立場で考え、区民に寄り添って、区民サービスを

行う職員

3.

互いに認め、学び、助け合い

としまの組織力につなげていく職場

人を育てるためには、それに適した環境が必要です。このため、職員個々の

能力開発と並んで人を育てる職場をつくることが最重要課題です。

また、職員個々を結び付け、組織の力に変えることも職場の役割です。豊島

区が真に区民サービスを向上させるために、職員個々の能力を結集し組織力を

強化する職場が求められています。

このため、本区が目指す職場像を「互いに認め、学び、助け合い としまの

組織力につなげていく職場」とします。

<具体的な姿>

(1) 職員同士、他者の状況を認め、周囲を思いやり、お互いが助け合える職場 (2) お互いに教えあい、お互いに成長できる職場

(21)

第2編

(22)
(23)

第1章

人材育成の方針

(24)

人材育成の方針(体系)

本区では、「育成の主体」が「育成の視点」を持ち、人材育成の土台となる「制度」 を整備し、「職場」をつくり、職員の「能力」を育成します。それにより、職員の能力 を向上し組織力を強化して、目指す職員像・職場像を実現します。

目指す職員像・職場像

職員

能力結集による組織力強化

能力育成

職場づくり

制度の整備

職場

人事・人材育成

部門

全職員

部長

課長

係長

主任

主事

職員の能力向上

(25)

第5章

(26)

育成の主体(体制と役割)

以下の体制のもと、その構成員である育成の主体(全職員、職場、人事人材育成部 門、部長、課長、係長、主任主事)は、人材育成の役割を果たします。

1.

体制

育成の主体である全職員、職場、人事・人材育成部門、部長、課長、係長、主任 主事が連携して、職員一人ひとりの能力・意識・事情を踏まえた育成を行いま す。

2.

役割

(1) 全職員が担うべき役割

① 職員は、豊島新時代を担うために、常に自己研鑽に励みます。

② 職員は、全体の奉仕者としての自覚を持ち、あらゆる機会を活用して自 己の能力開発に励みます。

③ 職員は、自己を成長させるにあたり、区民への奉仕と地域愛を基本理念 とします。

(2) 職場が担うべき役割

① 職場を、職員相互に教え学び高め合う人材育成の基本の場とします。 ② 職場を、仕事の経験をとおし豊島新時代を担う職員を育てる場としま

す。

③ 職場を、職員が自己啓発、OJT、集合研修で学んだことを実践し、更な る成長をするための場とします。

(3) 人事・人材育成部門が担う役割

① 人事・人材育成部門は、人事の所管として、職員の異動・昇任が人材育 成につながるよう、制度・環境を整備します。

② 人事・人材育成部門は、課長、係長と職場での人材育成が円滑に行われ るよう、人材育成のための制度・環境を整備します。

(27)

(4) 部長が担うべき役割

① 部長は、参事から課長まで、管理職の指導・育成をします。

② 部長は、特別職とともに豊島区が目指す職員像・職場像を探究し、職員 を導きます。

③ 部長は、特別職とともに豊島区の組織風土を作り、職員を導きます。

(5) 課長、係長が担うべき役割

① 課長、係長は、人材育成を自己の職務と認識し、豊島新時代を担う職員 を育成します。

② 課長は、職員と共に職員のキャリアデザインを描き、課長は係長と共に その達成のために必要な経験と知識を提供します。

③ 課長、係長は、職員と共に、人が育つ職場を作ります。

(6) 主任主事が担うべき役割

① 主任主事は、後輩、若手職員の身近な指導者、相談者として、係長が行 なう人材育成の補佐をします。

② 主任主事は、自ら身に付けた業務知識・ノウハウを他の職員に積極的に 伝えるなど、職場内の知識・技術の継承に努めます。

③ 主任主事は、職場のリーダーとして、係長が行なう職場づくりの補佐を します。

3.

職層に応じ求められる育成に関する能力

平成28年4月1日に「豊島区職員の標準職務遂行能力に関する規程」が施行さ れました。この規程は、地方公務員法に規定する標準職務遂行能力に関し必要な事 項を定めたものです。下表の職員は、本規定にて示された育成に関する能力を、組 織統率、業務遂行をする上で発揮することが求められます。

『豊島区職員の標準職務遂行能力に関する規程』抜粋

職 標準職務遂行能力

部長 組織統率 指導力を発揮し、部下の統率を行い、成果を挙げることがで きる。

統括課長 課長

組織統率・ 人材育成

(28)

係長 に業務を進め、担当業務全体のチェックを行い、確実に業務 を遂行することができる。

主任主事 業務遂行 経験を活かして、同僚・後輩を指導・助言・育成するととも に、意欲的に業務に取り組むことができる。

豊島区を支える 40、50 代のベテラン職員は、平成 28 年 4 月 1 日現在、職員全体の 66.3%で す。下のグラフからもわかる通り、今後はそのベテラン職員が段階的に定年退職を迎えます。

この世代は、IT の進化、行財政改革をはじめとする様々な意識改革、制度改革の前後を経験し、ま た、「24 時間戦えますか?」という言葉が流行語ともなったバブルからその崩壊、さらにはその後の長きにわ たる景気低迷期をという、社会の激変を目の当たりにしながら仕事をした世代です。

その中で培ってきた、文書を書く、法令・根拠を調べる、予算を立て、決算を行うなど公務員の基本、ま た、それらに基づく許認可・検査・相談・窓口業務などを手作業で行ってきた時代を経て、次世代へ伝えな ければならない多くのスキルを持った世代であると言えます。

IT の活用が当たり前になった区役所の仕事の中で、その仕事の根拠と共に、自身の持っている経験・ノ ウハウを後輩に正しく、そして確実に伝えていくことは、ベテラン職員の大きな責務です。

また、定年退職を迎え、長い公務員生活で培った経験を活かした仕事をする再任用職員は、約半数 が管理監督者(係長以上)を経験しています。また、管理監督者は未経験であっても、長きにわたりベ テラン職員として区を引っ張ってきた大先輩でもあり、若手職員の多い本区では、年齢の近い先輩や上司 とはまた違う役割を果たしています。特に豊島区の歴史や経緯については多くの情報や経験値をもってお り、組織の事務ミスや事故を防ぐ体制を構築するうえでも、再任用職員の活躍は重要な課題です。

(29)
(30)

育成の視点

「育成の主体」が、人材育成を行う上で配慮すべき視点を示します。

育成の主体は、二つの「人材育成の基本の視点」と、三つの「人材育成の課題に対 する視点」を持って職員育成に取り組みます。

1.

人材育成の基本の視点

育成の主体が、人材育成を行う際に常に持つ視点です。

地域を愛し、区民から信頼される職員の育成

職員は、地域のために働くものとして、地域愛を持ち、地域に関わることに 誇りを持つことが求められます。また、区民から信頼されるために必要な姿勢、 能力、知識等を身に付け、区民へのサービスを確実に行うことが求められます。 このため、本区では「地域を愛し、区民から信頼される職員」を育てるとい う視点で、職員の育成に取り組みます。

能力・実績本位を基準とした育成

平成28年4月、地方公務員法の一部が改正され、任命権者は、成果主義の 原則に則り、人事評価を基礎とした能力及び実績に基づく人事管理を実施する こととなりました。また、「標準職務遂行能力」が定められ、各職層に応じ、職 務を遂行する上で発揮することが求められる能力が明確になりました。

(31)

2.

人材育成の課題に対する視点

第 1 編第 2 章で示した「人材育成の課題」に取り組む際に、育成の主体が持つ べき視点です。

「課題

1.豊島新時代を担う職員の育成」に対する視点

豊島新時代を担う職員に求められる、新たな視点、新たな課題を解決できる 能力と意欲を育てるには、研修や自己啓発での能力開発に加え、仕事を通して 多様な経験をさせ、学ばせることが必要です。課長、係長は「経験が人を育て る」ということを認識し、職員を育成します。

「課題

2.

全職員の能力を引き出し発揮させる育成」

に対する視点

全ての職員の能力を引出し発揮させるために、職員の年齢、性別、職層、多 様化した雇用形態を踏まえ、画一的な人材育成ではなく、長期的かつ継続的な キャリア形成や、職員の特性に合わせた育成プランの作成等、一人ひとりの能 力・事情を踏まえ、職員を育成します。

「課題

3.人を育てる職場づくりと組織力の強化」に対する視点

人を育てる職場を作るためには、職場の全員が人を育てるという意識を持つ ことが必要です。職員全員が「共育」(指導・教育を行う側と受ける側が共に学 び成長する)の意識を持ち、互いに教え学び合う職場をつくります。

(32)

女性職員の活躍推進

豊島区では、平成 28 年 3 月に「豊島区特定事業主行動計画」を改定しました。

この計画は、次世代育成支援対策推進法と女性活躍推進法に基づき地方自治体で策定が義務 づけられている計画ですが、豊島区では女性職員のみならず、「すべての職員が自分のキャリアやライフプ ランを考えるとともに、共に働く職員の働き方を理解することで、職場全体の意識を高め、互いに能力を 発揮できる職場づくり」を目指しています。

平成 28 年 4 月1日現在、豊島区の女性係長級職員は全体で見ると 50.7%ですが、そのうち、 保育士や都からの派遣・任期付等の職員を除いた係長、総括係長の割合を見ると、女性の割合が少 し低くなります。

また、22 年と 28 年の年齢別の係長数を比較すると、28 年は 50 代の女性係長数が増えているこ とがわかります。つまり、女性は受験資格を得てすぐではなく、子育てが一段落してから受験を考える人 や、ある程度の経験を積んでから昇任を考える人も多いのではないかと考えられます。

どのタイミングで受験をするかについては様々な考え方があると思います。そうした受験の選択肢を増や していくこと、受験しやすい制度に変えていくこともちろん重要です。しかし、子育てや介護をしながらでも 十分係長の仕事や自分のチャレンジしてみたい仕事に就ける環境整備も同じように重要です。

先日行った職員意識調査では、「女性の登用において不平等だと思うこと」の回答に男女差が表れて います。現在進められている「ワークスタイル変革」が目指す「残業しない働き方」は、その意味からも重要 だと思いますが、皆さんはどう思いますか。

(33)

第4章

具体的な

(34)

第1節

「制度の整備」に関する

具体的な取り組み

本区では、人事・人材育成に関する各制度を個別に捉えるのではなく、制度同士を

サイクルで関連付け、職員が継続的に成長するよう、制度を整備します。

1.

目標設定

本区では、組織の業績と職員の意欲・能力の向上を図るために、「目標による

組織運営」を導入しています。これは、上司と部下が組織目標という共通認識の

もとに個人の目標を設定し、目標を明確にして組織を運営するものです。

(1) 組織目標

組織の方針や目標を明らかにし、組織目標の達成を通じて成果重視の行政

経営への転換を図ります。また、組織目標と個人目標をリンクさせること

で、「組織の要求」と「個人の欲求」の統合を図り、本区のマネージメント体

質を強化します。

(2) 個人目標

自ら個人目標を立てることで、自主性や職務遂行への意欲をこれまで以上

に引き出します。更に、目標設定や実践の過程で、課題発見能力や課題解決

能力の向上を図ります。また、主事と主任主事の個人目標には「5 年後の到達

目標」欄を設け、自身のキャリアを考えさせる機会としています。

目標設定

職場

づくり

能力

(35)

2.

「職場づくり」に関する制度

(1) OJT

OJTは、仕事を行う中で、その仕事を遂行するのに必要な知識、技術等を

計画的に指導するもので、職員に応じた指導ができることや、上司や先輩と

のコミュニケーションを通じ相互の信頼関係を構築することができるなど、

人材育成において果たす役割は非常に大きい手法です。

本区では、OJTを職員育成の大きな柱の一つととらえ、毎年度、各課にて

OJT実施計画書および結果報告書を作成し、計画的に取り組んでいきます。

また、人事課では、集団指導の講師謝礼金等の助成などOJTに対する支援 を実施します。

【OJTの区分】

区 分 内 容 具体的取り組み例 個別指導

個 別 の 計 画 的 職 員 育成

職員個々の能力に応じた育成目標の設定と 計画的指導 (新規採用職員、転入者等) 職 員 が 自 主 的 に 設

定する OJT

職員個人が自主的に職務に関する課題を設 定し、上司、先輩職員、OJT リーダー等の指 導・援助を受けながら実施する OJT 集団指導

課 、 係 等 で 行 う 学 習・業務改善活動

職務に関する課題の研修会

転入職員研修会

職務能率向上、接遇等に関する業務改善 所 属 長命 令

に よ る派 遣 の研修

職 務 の 遂 行 に 必 要 な、外部研修機関に よる研修の受講

他自治体、公益団体、民間団体等が行う研 修会、講習会の受講

(2) フレッシャートレーナー制度

新任職員は、大きな期待と夢を抱いていると同時に、未知の仕事や人間関

係に不安を持っています。新任職員がスムーズに職場の一員となって業務を

遂行できるよう、先輩職員をフレッシャートレーナーとして指定し、新任職

員の業務内外の様々な相談にのるなど、新任職員をサポートします。トレー

ナーは、一人の新任職員に対し複数指名することができるものとします。

(3) 職員表彰制度

(36)

表彰制度を継続して実施することにより、職員の主体的な取り組みを促進

し、チャレンジ精神や業務改善に取り組む意識の旺盛な職員を育て、モラー

ルの高い活力ある組織風土を醸成します。

(4) ハラスメント対策

職場におけるハラスメントは、人格と尊厳を侵害するばかりか、職場環境

にも影響を与え、個人と組織のパフォーマンスを低下させるものです。区で

は、ハラスメント防止対策委員会を設置し、相談体制を定めています。ハラ

スメント防止推進に当たっては、何よりもハラスメントを許さない職場づく

りが大切になります。毎年「職場のハラスメントに関する職員意識調査」を

実施し実態の把握に努めるとともに、管理監督者だけでなく一般職員も対象

に悉皆研修などを実施し、職員に対する一層の意識啓発を図っていきます。

3.

「能力育成」に関する制度

職員の能力を引出し発揮させるためには、長期的かつ継続的なキャリア形

成や、職員の特性に合わせた育成プランの作成等、一人ひとりの能力・事情

を踏まえた育成が必要です。

このため、本区では、下図のとおり複数のキャリアパスを想定し、その実

現のために、自己啓発、研修、人事異動など必要な人事・人材育成に関する

制度を整備します。また、能力発揮の基礎となる心身の健康についても取り

組んでいきます。

【複線型キャリアパス】

※今後の行政系人事制度改正を踏まえたキャリアパス

(37)

【種別B:中堅層】一定の業務経験を持つ者等の種別

【種別C:ベテラン層】豊富な経験・高い専門性を持つ者等の種別

(1) 自学の促進

職員が自ら、そして互いに学び合うことは人材育成の基本です。自ら進ん

で受講した通信教育の経費および職務に関連した公的資格取得について助成

し、自発的に学習する意欲をもった職員を支援します。

また、自主勉強グループに対し、助成金の交付と職務専念義務の免除を認

めます。

さらに、人材育成や昇任選考参考書に係る書籍を揃えた人材育成ライブラ

リーも組み合わせ、職員が自ら学ぶ「自学」を促進します。

(2) 能力を高め、引き出す集合研修

23 区が共同で設置・運営している特別区職員研修所で実施する研修と豊島

区が実施する研修のメニューを組み合わせて、職層研修、選択必修研修、専

門研修、実務研修、特別研修として実施します。

(3) 人事異動の方針

① 世代別方針

世 代 方 針

新 規 採 用 ロ ー テ ー シ ョ ン

期間層

事務系については、育成期間を 10 年と します。

原則 3 年のローテーションにより、広い視 野を身につけ、自分の適性を探す期間とし ます。

中堅層

キャ リア開発の視点を重視し、 自分の進 むべき方向を決めていく期間とします。

中高年層(40 代後半∼) 自 分 が 得 意 と す る 分 野 を 発 揮 す る 期 間

とします。

比較的長いローテーションとします。

※ 特定の職種については、その専門性に鑑み、比較的長い期間を異動ロ ーテーションとします。

② 昇任時異動

昇任時には、職場を変えることにより、立場の違いの自覚やモラール

アップを図り、能力の向上につながるよう、昇任時異動の原則を継続し

経験者採用を除く

新規採用ローテーション 終了後∼40 代前半

(38)

(4) 立候補制度の実施

本人の将来設計・特定した職場への強い希望を叶える(キャリア開発)人

事制度として、立候補制度を実施します。

【立候補制度のメニュー】

専門能力活用型 能力開発型

概 要

過 去 に 培 っ た 経 験 知 識 等 を 活 か す た め、 同 一部 署 ま た は 関 連 部署 に 希望 者を配置します。

自 己 啓 発 等 で 身 に つ け た知識を活かす、または、 今 後 身 に つ け た い 知 識 等 を 業 務 の 中 で 習 得 す る た め、本人の希望する職場に 配置します。

対 象

行政系 2 級職∼係長職 で 40 歳以上(総括係長除く) 過去の経験 3 年以上

行政系 2 級職 5 年以上 (総括係長を含む)または 業務系で 30 歳以上

希望できる 職場

区の組織ならどこでも可。希望は原則、課までとし て、希望する業務内容も応募用紙に記載します。

(5) 希望降任制度

少子高齢化の流れから、子の看護や親の介護等で管理監督者として、職責

を果たしがたいなどの理由で、一定期間の降任を望む職員が増加することが

予想されます。こうした職員の負担を一時的に軽減し、その事由が消滅した

ときに再度昇任し、管理監督者として活躍できる場を提供できるよう、希望

降任制度を継続して運用していきます。

【降任制度のイメージ】

(6) 成績不振者への再教育

所属長と人事課が連携し、指導・育成にあたることにより、勤務実績が著

しくよくない職員の改善に努めます。

また、所属長は、人事課長と協力して、職員に対して、以下のとおり「職

員の矯正を目的とした研修」を受講させます。

再三の指導や育成の機会を講じたにもかかわらず勤務実績が改善しない職

員に対しては、分限処分も視野に入れ、適切に対応していきます。

一時降任

再 昇 任

一定期間

事由消滅後 一定期間

(39)

<職員の矯正を目的とした研修>

所属長は、人事評価最下位者と面談のうえ、特別区研修所及び豊島区が実

施する研修のうち「本人の矯正に有効と考えられる研修」を5つ選び受講を 命じ、研修事前事後に本人が作成するレポート及び面談を基に、指導・育成

及び人事評価を行います。

※「職員の矯正を目的とした研修」は、地方公務員法(昭和25年法律第

261号)、職員の分限に関する条例(昭和50年豊島区条例第19号)、豊島区職

員の分限処分に関する指針(平成28年3月20日副区長決定)、職員の分限に 関する条例第3条第1項に規定する分限の基準に関する措置を定める規則 (平成28年3月3日特別区人事委員会規則第1号)に基づいて実施します。

(7) 健康増進・疾病予防

「職員健康だより」や「安全衛生セミナー」などを通じて、職員が日頃か

ら健康管理を心がけるきっかけづくりを行うとともに、健康診断受診後の保

健指導の充実を図るなど生活習慣病予防等に関する取り組みも行っていきま

す。また、定期健康診断(人間ドックを含む)や各種がん検診の受診率の向

上を目指すとともに、「自らの健康は自らが守る」意識を醸成、啓発します。

(8) 心の疾患対策

「ストレスチェック」の実施や「職員こころの相談事業」を中心とした産

業保健スタッフによる早期対応体制の充実を図り、メンタルヘルス不全の予

防に努めます。「メンタルヘルスセミナー」や「セルフケアセミナー」の実施

により、メンタルヘルスに関する職員の理解を深めます。

また、精神疾患により病気休職した職員の職場復帰訓練を実施し、円滑か

つ確実な職場復帰を目指すとともに、所属と産業保健スタッフの連携によ

る、復職後のアフターケアの充実を図ります。

4.

「人事評価」に関する制度

(1) 精度の高い人事評価の実施

人事評価は、職員の任用、給与、分限その他の人事管理の基礎とすること

及び人事評価の結果を人材育成に活用し、職員の能力及び職務能率の向上を

図ることを目的として実施しています。

(40)

の開示、評価結果に対する苦情相談制度を導入しています。

(2) 職層に応じ求められる能力

平成28年4 月1 日に「豊島区職員の標準職務遂行能力に関する規程(平成

28 年 3 月 23 日 訓令甲第 2 号)」が施行されました。この規程は、地方公務員

法(昭和 25 年法律第 261 号)第 15 条の 2 第 1 項第 5 号に規定する標準職務遂

行能力に関し必要な事項を定めたものです。

職員は、本規定にて示された職層に応じ求められる能力を、職務を遂行す

る上で発揮することが求められます。

詳細な内容については、巻末の参考資料をご参照ください。

(3) 評価結果の活用

人事評価は、職員一人ひとりの能力や適性を活かしながら、組織として必

要とする人材の育成と有効活用のために実施しますが、その結果を次のよう

な人事諸施策で活用しています。

① 昇任管理

(昇任選考等)

② 配置管理

(人事異動、人事交流等)

③ 昇給管理

(昇給区分判定等)

(41)

第2節

「職場づくり」に関する

具体的な取り組み

人を育てる職場づくりと組織力の強化

人を育てる職場をつくり、組織力を強化するために、以下の取り組みを行います。

(1) 育成の土壌をつくる

育成の土壌をつくるためには、職員全員が人材育成に関わる機会を設け、定期

的に人材育成について考えることが必要です。

具体的には、以下の取り組みを行います。

① 職員は、研修や自己啓発で学んだことを職場に持ち帰り、OJT やミーテ

ィングなどにより、他の職員と共有します。

また、職員は、個人目標に当年度の能力開発目標を設定し、計画的に

自身の能力育成に取り組みます。

② 課長と係長は、課の組織目標の人材育成の項目を活用し、OJT や自主勉

強会を計画的に実施します。また、メールや朝礼などで、自部署の職員

に、区政や自部署の課題や目標を積極的に伝えます。

係長級職員は、個人目標にて部下の育成や自己の能力開発について目

標を設定します。人事評価においては、「人材育成力」を係長級職員の

評価要素の一つとします。

③ 人事・人材育成部門は、自己啓発および自主勉強を行う職員・グループ

に対し助成をします。

また、毎年、育成に関するアンケートを実施し、どのような研修や育

成手法が望ましいか調査し、結果を翌年度の研修に反映します。

(2) 地域への関心、区民への奉仕の心の醸成

職員が地域への関心、区民への奉仕の心を常に持ち続けるためには、職員が、

実際に現場に出て、地域を回り、区民の方々と触れ合う機会を作ることが必要

です。

具体的には、以下の取り組みを行います。

(42)

② 職員は、日々の業務に追われ、区の最新情報や歴史に目を向けることを

怠りがちです。管理職は、区政や地域の活動を伝える計画や広報媒体を

職員に示し、自部署の業務が区の最新情報や歴史に密接に関係している

ことを認識させます。

また、課長と係長は、積極的に職員を地域へ出し、地域や区民と接す

る機会を作ります。

③ 人事・人材育成部門は、地域で活躍されている方のお話を伺う「人 ま

ち・としまセミナー」や、フィールドワークを通し地域を知る「まち歩

き」研修を、若手職員を対象に実施します。

(3) 社会人としての基礎(接遇、身だしなみ、挨拶)づくり

人は環境に左右されがちです。全職員が、社会人としての基礎を身に着け、

社会人として恥ずかしくない立ち振る舞いができるようになるためには、個人

の取り組みだけではなく、職場全体で改善の取り組みを行うことが必要です。

具体的には、以下の取り組みを行います。

① 職員は、研修で学んだ接遇・身だしなみを厳守し日々実践します。

② 課長は、自部署の接遇・身だしなみに関する問題を把握し、接遇改善 OJT

にて改善目標と目標達成のための行動計画を策定し、年度末に改善度合

いを評価します。

また、接遇・身だしなみが改善されない職員に対し、指導を行います。

③ 職場での取り組みとして、PDCA に基づいた接遇改善 OJT を、全課で実施

します。

④ 人事・人材育成部門は、毎年 3 月に、全職員に対し身だしなみに関する

セルフチェックを実施し、結果を、接遇改善のための取り組みに反映し

ます。また、接遇改善に取り組み効果を出した部署を表彰する仕組みを

検討します。さらに、OJT リーダーに必要とされるコミュニケーション

や、コーチングに関する研修や、規採用職員を対象に、接遇・身だしな

みに関する研修を実施します。

(4) 知識・技術の継承

ベテラン職員の知識・技術継承を確実に行うためには、職員任せではなく、知

識・技術の継承を行うための仕組みと職場づくりが必要です。

具体定期には、以下の取り組みを行います。

① 知識・技術継承が必要な職場は、若手職員は知識の習得を、ベテラン職

(43)

② 課長と係長は、業務分担においてベテラン職員と若手職員を組ませるよ うに配慮し、ベテラン職員から若手職員への知識・技術継承が行われる 体制を作ります。

③ 知識・技術継承が必要な職場は、ベテラン職員を OJT リーダーに任命し、 知識・技術継承に関する OJT を実施します。

④ 人事・人材育成部門は、人事異動の世代別方針として、中高年層(40 代 後半∼)は自分が得意とする分野を発揮する期間とし比較的長いローテ ーションとすることで、知識・技術の継承を図ります。

(5) 女性活躍の推進

育児などで働ける時間が制限されている女性が活躍するためには、職場での取 り組みと制度の整備が必要です。また、自分の能力に対し過小評価をしている 女性職員に対しては、自信を持たせる取り組みが必要です。

女性活躍の推進に関する具体的な取り組みは、平成 28 年 3 月に策定した「豊 島区特定事業主行動計画(改訂版)」に示した取り組みを実施します。

(6) ワーク・ライフ・バランスの実現

「ワーク・ライフ・バランス」を実現するためには、互いの状況を認め合い、 助け合える職場を作る必要があります。

具体定期には、以下の取り組みを行います。

① 長時間 労働是正、有給休暇取得率の 向上について計 画的に取り組むよ う、全職員の個人目標にワーク・ライフ・バランス欄を設けます。 ② 平成28年3月に策定した「豊島区特定事業主行動計画(改訂版)」に

示した取り組みを実施します。

③ 平成 28 年5月から、管理職で構成する「ワークスタイル検討 PT」を設 定し、ワーク・ライフ・バランスの実現を目指したワークスタイル変革 に取り組んでいます。これまで、会議の進め方や超過勤務縮減に向けた ルールの設定をはじめ、19時消灯を導入することにより、業務の効率 化のみならず職員個々や組織文化の改革に努めています。今後も、柔軟 な勤務時間のあり方を検討するなど、更なるワークスタイルの変革に向 けた取り組みを進めていきます。

(7) 職場での適正な事務処理の確保

(44)

42

故の原因を「組織体制・機能等の問題」、「職員意識・資質などの問題」、 「職場環境などの問題」の 3 項目に分類し、対応策を示しています。

上記報告書の「重点取り組み方針」で示された対応策を、人事課、所管部 署、関係部署が連携して実施します。

(45)

第3節

「能力育成」に関する

具体的な取り組み

「豊島新時代を担う職員の育成」及び「全職員の能力を引出し発揮させる」ために、 以下の取り組みを行います。

1.

豊島新時代を担う職員の育成

豊島新時代を担う職員に求められる、新たな視点、新たな課題を解決できる能力 と意欲を育てるには、研修や自己啓発での能力開発にとどまることなく、仕事を通 して多様な経験をさせ、学ばせることが必要です。

具体的には、以下の取り組みを行います。

① 職員は、個人目標や自己申告により自らのキャリアを明確に持ち、業務、研 修、自己啓発、OJT 等あらゆる機会を活用し、自身を成長させます。

また、自身の能力の開発のために立候補制度を活用します。

② 管理職は、地域の課題に対するプロジェクトチームを部内に立ち上げ、係員 が模索する機会を設けます。

また、課長は、日々の業務の中で職員の能力・性格を把握し、個人面談時 に「豊島区職員研修等実施計画」を基に本人に合わせた育成指導を行います。

さらに、課長と係長は、日々の業務の中で積極的に、職員を地域へ出し、 地域の人とかかわる機会を作ります。

③ 人事・人材育成部門は、自己啓発を行う職員及び自主勉強を行うグループに 対し助成をします。

また、毎年度、研修の見直しを行い、職員が新たに求められる能力を育成 するための研修を実施します。

(46)

2.

全職員の能力を引き出し発揮させる育成

「豊島新時代を担う職員の育成」の具体的な取り組みに加え、以下の取り組みを 実施します。

(1) 各年代に対する育成

20 歳代・30 歳代の職員

20 歳代・30 歳代の職員の意欲と能力を向上させるためには、自らのキャ リアパスを描かせ、その実現のために必要な経験と知識を提供することが必 要です。

具体的には、以下の取り組みを行います。

① 20歳代・30 歳代の職員は、キャリア形成研修を受講し、自らのキャリ アパスを明確に持ち、その実現に向け自己研鑽します。

② 課長と係長は、20 歳代・30 歳代の職員の経験を増やすために、分掌事 務の整理、業務の担当替え等、課内でジョブローテーションを積極的に 行います。

③ 人事・人材育成部門は、20 歳代・30 歳代の職員が広い視野を身につけ、 自分の適性を探すために、採用10年目までの職員は、原則、10年で3 か所異動させます。

また、20 歳代・30 歳代の職員のキャリアに対する意識と知識を高め るために、主任主事昇任選考対象者となる前年にキャリア形成研修を受 講できるようにします。

40 歳代・50 歳代の職員

40 歳代・50 歳代の職員が、新たに必要とされる知識・能力を常に学び続け るためには、意欲を高め、知識・能力を学ぶ機会を設けることが必要です。 具体的には、以下の取り組みを行います。

① 40 歳代・50 歳代の職員は、OJT や日常業務の中で、後輩、部下の育成を 行うとともに、自らも新たな知識・能力を学びます。

② 管理監督者は、40歳代・50歳代の職員をOJTリーダーに任命するなど して、部下・後輩の指導の中で、40 歳代・50歳代の職員自身が成長す る機会を設けます。

(47)

(2) 環境が変化した職員

新規採用職員・昇任した職員

新規採用職員・昇任した職員の不安を払拭し、高い意欲を成果につな

げていくことが求められます。

具体的には、以下の取り組みを行います。

① 新規採用職員・昇任した職員は、不安や疑問を抱え込まず、上司や周囲 の職員とのコミュニケーションを密に取り、求められる職責を果たしま す。また、採用・昇任時の高い意欲を用い組織を活性化します。 ② 課長と係長は、新規採用職員・昇任した職員の新しい業務への適応度合

を日々の業務の中で把握し、細やかなサポートを行います。

③ 人事・人材育成部門は、新規採用職員や昇任した職員を対象に、新たな 職位に必要な能力・知識を習得するための研修を実施します。

また、新規採用職員が、スムーズに職場の一員となって業務を遂行で きるよう、先輩職員をフレッシャートレーナーとして指定し、新任職員 をサポートします。

職場を異動した職員

職場を異動した職員が、新業務にやりがいを見出し活躍するためには、モ チベ ー ションの 維 持と新た な業 務に必 要な 能力を 習得 する機 会を設 ける こ とが必要です。

具体的には、以下の取り組みを行います。

① 異動し業務に不慣れな職員は、周りの職員への報連相を積極的に行い、 意欲を持って業務に取り組みます。

② 係長は、職場を異動した職員のモチベーションや新業務への適応度合を 日々の業務の中で把握し、細やかなサポートを行います。

③ 転入職員がいる職場では、職場内で転入職員を対象に OJT を実施しま す。また、必要に応じてトレーナー制度を設けます。

④ 人事・人材育成部門は、職場で行われる転入職員を対象にした OJT が効 果的に行われるよう、「豊島区職員研修等実施計画」にて、OJT の方法 や注意点を詳細に示します。

(3) 業務遂行に課題を抱える職員

業務遂行に課題を抱える職員を育成するために、以下の取り組みを行います。 ① 対象職員は、上司の指導や研修を活かし、自身の意欲と能力を向上しま

(48)

矯正を目的とした研修など、必要な措置を講じます。

対象職員の所属長は、人事課長と協力して、職員に対して、「職員の 矯正を目的とした研修」を受講させます。

③ 人事・人材育成部門は、人事評価が適切に行われるよう、全一次評価者 を対象に「人事評価研修」を実施します。

(4) 再任用職員

再任用職員のモチベーションを高め、能力や経験を十分に発揮させるために は、再任用職員に求められる役割を認識させることと、再任用職員を活用する ことが必要です。

具体的には、以下の取り組みを行います。

① 再任用職員は、キャリア形成研修を受講し、自身の役割を認識し、意欲 を持って業務に取り組みます。

② 課長と係長は、業務分担において再任用職員と若手職員を組ませるよう に配慮し、再任用職員から若手職員への知識・技術の継承と、再任用職 員のやりがいを引き出します。

③ 課長と係長は、再任用職員に OJT や自主勉会を企画させ、職員へ知識・ 技術の継承を図ります。

④ 人事・人材育成部門は、再任用職員に求められる役割を認識させモチベ ーションを高めるために、再任用職員 1 年目を対象としたキャリア形成 研修を実施します。

(5) 管理職

豊島区の人材育成を充実させるためには、キーパーソンとなる管理職が、職 員個々の性格・能力を把握して、職員にあった人材育成を行うことが必要です。 具体的には、以下の取り組みを行います。

① 職員が多い部署の管理職は、個人面談だけで職員の状況を把握すること は難しいです。そのため、日々の業務の中で、職員とコミュニケーショ ンを積極的に取り職員の状況を把握するとともに、職員のモチベーショ ン向上に努めます。

(49)

職員意識調査から

係長級、管理職が「仕事上で最も成長したと実感した時期」は、いずれも半数以上が「30 代」と回答 しています。

また、その要因についても、「仕事上の責任の増加」を選択した人が最も多くなっています。

30 代は、仕事の上でもリーダーになったり、係長昇任などでたくさんの部下と仕事をする人もいます。仕 事の内容がこれまでとは変わり、なかなか大変な時期でもありますが、多くの人が、「振り返ってみると、自 分が最も成長した時期だったな」と考えているようです。

言い換えれば、30 代は、多くの人がこうした経験に恵まれるチャンスともいえ、このチャンスに一人でも多 くの、「ステップアップしたい 30 代」を増やしていくことができれば、区にとっても大きな財産となります。

20 代のうちに、仕事上の責任の増加を負担と考えるのではなく、「自分の成長につながるのだ」という 気持ちになれるよう、前向きなチャレンジ精神を育成することが大切です。

(50)
(51)
(52)

『豊島区職員の標準職務遂行能力に関する規程』

(平成 28 年 3 月 23 日 訓令甲第 2 号)

標準的な職 標準職務遂行能力

1 部長 (1) 倫理 全体の奉仕者として、高い倫理感を有し、部の課題に責任を持 って取り組むとともに、服務規律を遵守し、公正に職務を遂行 することができる。

(2) 構想 区政全般を取り巻く状況を的確に把握し、先々を見通しつつ、 区民の視点に立って、行政課題について基本的な方針を示すこ とができる。

(3) 判断 部の責任者として、その課題について、豊富な知識・経験及び 情報に基づき、冷静かつ迅速な判断を行うことができる。 (4) 説明・

調整

所管行政について適切な説明を行うとともに、組織方針の実現 に向け、困難な調整を行い、合意を形成することができる。 (5) 業務運営 区民の視点に立ち、不断の業務見直しに率先して取り組むこと

ができる。

(6) 組織統率 指導力を発揮し、部下の統率を行い、成果を挙げることができ る。

2 統括課長 (1) 倫理 全体の奉仕者として、高い倫理感を有し、課の課題に責任を持 って取り組むとともに、服務規律を遵守し、公正に職務を遂行 することができる。

(2) 構想 所 管 行 政 を 取 り 巻 く 状 況 を 的 確 に 把 握 し 、 区 民 の 視 点 に 立 っ て、行政課題に対応するための方針を示すことができる。 (3) 判断 重要・困難な事務を担当する課の責任者として、適切な判断を

行うことができる。 (4) 説明・

調整

所管行政について適切な説明を行うとともに、組織方針の実現 に向け、課相互間や関係者と調整を行い、合意を形成すること ができる。

(5) 業務運営 コスト意識を持って効率的に業務を進めることができる。 (6)組織統率・人

材育成

参照

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日本全国のウツタインデータをみると、20 歳 以下の不慮の死亡は、1 歳~3 歳までの乳幼児並 びに、15 歳~17

を体現する世界市民の育成」の下、国連・国際機関職員、外交官、国際 NGO 職員等、

就学前の子どもの保護者 小学校 1 年生から 6 年生までの子どもの保護者 世帯主と子のみで構成されている世帯の 18 歳以下のお子さんの保護者 12 歳~18 歳の区民 25