【韓国】
10 月の市場動向トピックス
年間の訪日韓国人旅行者数が初めて 300 万人を突破 2015 年は、1 月から 10 月まで各月での訪日韓国人旅行者数の記録更新が続き、これまで年 間の訪日韓国人旅行者数は 2014 年の 275.5 万人が最高であったが、2015 年は 9 月末時点 の数字で 2014 年の訪日客数を上回り、さらに 10 月の実績である 370,800 人を加えると、300 万人の大台を突破した。6 月には中東呼吸器症候群(MERS)により一時的に勢いが弱まった ものの、7 月以降は再び回復し、残り 2 ヶ月を残した時点で 300 万人を超えることとなった。 引き続き円安基調が継続しているほか、2015 年の冬ダイヤでは釜山発着の路線を中心に大 幅な増便となったほか、地方空港と韓国を結ぶチャーター便も多数予定されており、今後も順 調な推移が見込まれる。10 月の主なプロモーション活動
韓国で人気のパワーブロガーを招請し、中国四国や北陸、中部などへの取材ツアーを実施した。 北陸新幹線やしまなみ海道サイクリング、北陸の周遊切符やレンタカーによる旅行など、様々 な旅行の楽しみ方を豊富な写真とともにブログで発信し、日本各地の魅力を幅広く周知するこ とで秋シーズンの訪日旅行需要を喚起した。 韓国現地のソーシャルコマースである「チケットモンスター」とのタイアップにより、日本の各地域の 旅行商品を集めた企画展を実施した。中国四国や北海道、沖縄、大阪など各地の旅行商 品を販売するとともに、各地のグルメをテーマとして、旅行商品の各ページでは地域ごとの食の 情報を併せて発信することで日本各地への旅行需要を喚起した。 ブロガー招聘による情報発信 旅行会社等との共同広告【中国】
10 月の市場動向トピックス
10 月として過去最高の 491,200 人が訪日 10 月の訪日中国人者数は前年同月比 99.6%増の 445,600 人となり、10 月として過去最高記 録を更新した。2013 年 9 月以降、26 か月連続で各月の過去最高を更新している。 好調だった国慶節前後の訪日旅行 国慶節時期の訪日旅行は全体として好調で、中国最大手のオンライン・トラベル・エージ ェントの C-trip によると、国慶節期間中に最も人気の高い旅行先は日本であった(2 位: タイ、3 位:韓国)。 訪日クルーズの増加、航空路線網の拡充 クルーズによる訪日客数は、昨年 10 月の約 26,000 人(12 隻)から約 110,000 人(46 隻)に大 幅増加、4 か月連続で 10 万人を超えた。冬ダイヤ移行に伴い、北京・上海・広州など中国主 要都市との航空路線網が強化されたことも訪日旅行増加に大きく寄与している。 景況感の悪化による市場のトレンドの変化 一部旅行会社からは「景況感の悪化による旅行意欲の減退」や「日本を含む外国旅行全体 の販売鈍化」が報告されていることから、中国人訪日者数の伸び率は、今後縮小していく可能 性があり注視が必要。10 月の主なプロモーション活動
JNTO ウェブサイトにて日本の文化や習慣の紹介・マナー等の啓発を目的にした 4 コマ漫画 『Enjoy Japan!』の隔週連載を 10 月より開始した。言語は英語と中国語で、外国人旅行者と 日本人の 3 名のキャラクターが日本旅行を通じて日本独自のマナー等を学んでいく構成となって いる。 題名:(第一話)日本でこんなに行列が多いのはなぜ!? URL: http://www.welcome2japan.cn/vj/enjoyjapan【台湾】
10 月の市場動向トピックス
紅葉シーズンの到来 台湾からの訪日客数は 10 月として過去最高の 343,600 人を記録し、33 ヶ月連続で各月の過 去最高を更新するとともに、1 月~10 月までの累計では昨年の年間総数を上回り、初めて 300 万人を突破した。紅葉シーズンを迎え、双十節連休(10 月 9 日~11 日)に合わせた日 本各地への紅葉鑑賞が人気を博した。 台湾南部路線増便の動き 高雄・台南発日本路線の拡充の動きが見られ、台湾南部市場からの更なる訪日旅行需要の 高まりが見込まれる。 【参考】 10/25~ 中華航空 高雄-那覇 週 2 便 高雄-熊本 週 3 便 高雄-福岡 週 2 便 10/28~ 中華航空 台南-関空 週 2 便10 月の主なプロモーション活動
10 月 16 日から 19 日の 4 日間にわたり開催された「2015 ATTA 台中国際旅行展覧会」にビジット・ ジャパンブースを出展した。ジャパンパビリオンには 18 の自治体や企業が出展し、日本各地の魅力を 発信した。ビジット・ジャパンブースには台湾の旅行会社 9 社が参加し、訪日旅行商品の販売を行 った。 ビジット・ジャパンブース/ステージ PR ビジット・ジャパンブース/訪日旅行商品販売【香港】
10 月の市場動向トピックス
10 月として過去最高を記録、航空路線の増加が訪日需要を後押し 10 月の訪日香港人数は、前年同月比 66.9%増の 129,100 人と、同月過去最高を更新し、訪 日香港人旅行者数は 33 か月連続で各月の過去最多を記録した。香港エクスプレス航空が 10 月 27 日から広島便を週 2 便で新規就航したほか、10 月 25 日より福岡便もこれまでの週 7 便から週 14 便に増便した。日本行きフライトの選択肢が増えたことが、訪日需要を後押しし ている。 大手旅行会社によるチャーター便の実施大手旅行会社(EGL ツアーズ、Package ツアーズ、Wing On トラベル)によるチャーター便が合計 10 本実施された。札幌行き 7 本、米子行き 3 本が運航され、各社ともに集客率は好調で、地 方の人気が高まっていることが窺える。 温泉や紅葉鑑賞を目的とした訪日需要が増加 旅行会社へのヒアリングによると、10 月から「温泉」や「紅葉鑑賞」が訪日旅行の大きな動機と なっており、関西や札幌、中部・北陸地域等を中心に温泉旅館に宿泊する紅葉鑑賞ツアーが 数多く造成されている。
10 月の主なプロモーション活動
10 月 17 日(土)、一般消費者を対象として、四国の鉄道旅行・ドライブ旅行を紹介する「四国 レール&ドライブ旅行セミナー」を開催した。JNTO 香港事務所の Facebook で参加者を募集し たところ、136 名が参加した。鉄道やレンタカー事業者によるおすすめルート紹介のほか、旅行 雑誌「新暇期(Weekend Weekly)」の記者によるプレゼンを行い、参加者から好評を得た。 旅行雑誌「新暇期(Weekend Weekly)」の記者・カメラマン・モデルを招請し、四国(大歩危・ 小歩危、祖谷温泉、剣山、蕎麦打ち体験等)の取材を行い、24 ページ分の特集記事が掲載 された。 割引航空券の販売 四国鉄道&ドライブ旅行セミナーの様子 新暇期(Weekend Weekly)取材の様子【タイ】
10 月の市場動向トピックス
先月に続き、各月の過去最高を継続的に記録 10 月は学校休暇による旅行商品販売の押し上げや広告キャンペーンの実施による訪日意欲 の喚起により、引き続き各月の過去最高の 86,000 人、対前年比 8.3%を記録した。通年では ソンクラーンに続き 2 番目に旅行客が多いシーズンとなるが、タイ経済の減速の景況を受けて、 大幅の増加とはならなかった。10 月の主なプロモーション活動
ウェブキャンペーン事業の継続実施による秋冬旅行促進 先月に引き続き「Japan Story」特設サイト(www.japanstory.org)での写真投稿やクイズを展 開した。同時に、新聞や雑誌、屋外広告、オンライン広告などでのメディア出稿を行い、口コミ による訪日意欲の喚起を図った。 旅行会社との共同広告事業の実施 タイの主要旅行会社とタイアップし、訪日旅行商品の共同広告を実施し、商品の販売促進を 図った。共同広告のイメージとなるビジュアルは、広告宣伝事業で作成し、「Japan Story」特設 サイトにも掲載しているクリエイティブビジュアルを掲載し、認知度の向上や相乗効果を図ってい る。 ウェブキャンペーンページ 旅行会社との共同広告【シンガポール】
10月の市場動向トピックス
訪日シンガポール旅行者数 前年同月比25.1%増の25,200人。 14ヵ月連続で各月の過去最高を更新 原油安に起因する燃油サーチャージ安が引き続き継続している。6月からの訪韓(MERS)需要 の冷え込み、8月からの訪タイ(爆破テロの発生)需要の冷え込みは依然継続しており、シンガ ポールからの9月訪韓実績の対前年比は-22%。訪タイ実績の対前年比は-19%と他国に比 べて戻りが鈍いことからも、訪日数増への影響が継続していると推察される。 上記要因に加え、9月から実施している現地女性層に人気のスープ店チェーン「Soup Spoon」 との共同訪日キャンペーン、それに連動したオンライン旅行会社の特別料金販売キャンペーンの 訪日販売実績が好調である。加えて、10月24日(土)、25日(日)に開催した、FIT旅行者をタ ーゲットにした「Japan Travel Seminar」(詳細後述)では想定来場者数を大幅に上回る来場 者数となり、多彩な訪日プロモーションの成果も、旺盛な訪日需要を後押しした。10月の主なプロモーション活動
10月24日(土)、25日(日)の2日間、FIT旅行者をターゲットにした「Japan Travel Seminar」を 開催し、2日間で計766名が参加した。日本の地方自治体や観光事業者等のプレゼン等を中 心に実施した。セミナー会場に隣接して設置した日本の各自治体や現地旅行会社等のブース では、セミナー終了後に訪れる来場者達の賑わいが衰えず、アクセスの方法など具体的な質問 を真剣に行う姿が見受けられた。
【マレーシア】
10 月の市場動向トピックス
前年同月比 18.7%増の 28,500 人 10 月の訪日マレーシア人は対前年同月比 18.7%増であり、10 月としては過去最高の 28,500 人を記録した。10 月 1 日よりエアアジア X がクアラルンプール-新千歳線を就航し、これに伴い、 就航キャンペーン価格が打ち出され訪日需要を引き上げた。9 月 1 日より就航となった全日空 クアラルンプール-成田線も、就航に伴う各社プロモーション料金の告知、新聞広告等による 記事の掲載が行われ、知名度向上につながった。一方、より一層深刻化しているリンギット安、 ナジブ首相の資金流用問題などの政治・経済の不安は依然として継続している。このような情 勢を反映して、消費意欲の減退により、マレーシアからの各国アウトバウンドは依然マイナス基 調にある中、訪日旅行については対前年比増と堅調に推移している。10 月の主なプロモーション活動
10 月 25 日(日)~30 日(金)に、マレーシアの主要日刊紙、雑誌記者を招請し、中部地方に てファムトリップを実施した。大阪、三重、岐阜、石川、長野等、各地を周遊し、マレーシアの方 に人気である忍者村や白川郷を訪れた。のどかな景色や雄大な自然は好評で、熱心に写真 に収める姿も見られた。 本取材結果は 2 月の Japan Travel Fairrや 3 月の MATTA に合わ せた掲載を予定しており、中部地域の露出を高めることで、マレーシアからの訪日促進が期待さ れる。 訪日旅行最大のピークシーズンである 11 月~12 月を見据え、9 月から 11 月までの 3 か月間、 Facebook や Google を使ったウェブ広告キャンペーンを実施している。9 月‐10 月の 2 か月間で のインプレッション数は約 15 百万に上り、多くのマレーシア人に対し、日本の四季、地方の魅力 を PR することが出来た。今後のピークシーズンに向け、訪日需要の喚起が期待される。 Facebook 広告 メディア招請事業(三重県・忍者村にて) ‘【インドネシア】
10 月の市場動向トピックス
訪日者数 16,800 人、10 月単月の実績として過去最高を記録 10 月のインドネシア人訪日者数は、前年同月比 37.9%増の 16,800 人と、10 月としては過去 最高を記録すると共に、10 月までの累計(161,700 人)で、昨年の年計(158,739 人)を上回っ た。ルピア安の継続、経済成長の鈍化、個人消費の落ち込みが継続する中、訪日旅行者数 は 2 桁増の堅調な伸びを維持した。2014 年 3 月の事務所開設以降の現地旅行業界やメディ アとのネットワーク拡大、旅行フェアや共同広告、テレビ番組での PR 等を通じた継続的なプロモ ーションが成長を下支えしている。特に、例年閑散期となる秋の魅力を積極的に PR してきたこ とが、10 月の訪日需要底上げにつながった。年初からの累計でも、インドネシアからの主要渡航 先が前年割れをしている中、日本は唯一 30%以上の大幅増を記録している。 ヘイズ被害が近隣国に拡大 インドネシアの森林での大規模な野焼きで発生した煙が周辺国に流れ込む煙害(ヘイズ)が、 近隣のシンガポール等で拡大した。これによりガルーダ・インドネシア航空やマレーシアの LCC で あるエアアジアなどの航空便の欠航が相次いで発生するなど、インドネシアを含む周辺国の観 光にも影響が発生した。ヘイズ被害による日本直行便への影響等は報告されていないものの、 シンガポール経由便利用客への影響など、状況の推移を注意深く見守る必要がある。10 月の主なプロモーション活動
10 月 8 日~18 日、在スラバヤ日本国総領事館と共同で、インドネシア各地の特産品などを 集めたイベント「東ジャワ物産展」に出展し、訪日旅行のプロモーションを実施した。パンフレット や旅行情報の提供の他、浴衣の着付けや茶道体験、日本のネイル体験コーナーを実施し、 終日多くの来場者を得て盛況であった。紅葉をテーマにしたフォトパネルも好評であった。 10 月 8 日~11 日、スラバヤで開催された「Supermal Travel Fair」に初出展した。会場となったスーパーモールは中華系富裕層が居住するエリアに所在し、訪日旅行が可能な所得層に対し て、効果的、効率的に訪日旅行の魅力を発信することができた。特に週末には、これから旅行 ピークを迎える冬の旅行情報だけでなく、桜や芝桜の時期の訪日旅行情報を求める来場者が JNTO ブースに訪れた。また、今回は日本のみが NTO としてブース出展しており、出展する現地 旅行会社との関係強化を図ることができた。
【豪州】
10 月の市場動向トピックス
10 月として過去最高を記録 豪州からの訪日客数は、前年同月比 23.4%増の 29,600 人で、10 月として過去最高を記録し た。特にカンタス航空の成田-ブリスベン線の新規就航が追い風となった。訪日プロモーションで は特に秋の観光魅力の発信に力を入れており、旅行商品の販売実績にも反映されつつある。 旅行ガイドブック・ロンリープラネット「Best in Travel 2016」 ロンリープラネットが発表した「Best in Travel 2016」の 人気旅行先国別トップ 10 で日本が 2 位に選ばれた。 同ランキングの発表と同時にランクインした国、地域等を紹介する ガイドブック「Lonely Planet Best in Travel 2016」が発売され、 表紙には新倉山浅間公園(山梨県)の写真が採用された。10 月の主なプロモーション活動
10 月 6 日にオーストラリアでアジア専門の旅行会社「Insider Journeys」が主催する販売員向 けのセミナーに参加した。セミナーはシドニーとメルボルンの 2 都市で開催され、商品造成担当 者より販売員向けに、同社が販売するアジア各国についてのプレゼンが行われた。同社によると、 訪日商品への関心や予約が増えているとのことである。 10 月 24 日、キャンベラ市内の奈良平和公園内において、「キャンベラ・奈良・キャンドル・フェス ティバル(オーストラリア首都特別地域(ACT)政府がキャンベラと奈良市の姉妹都市提携を記 念して毎年主催)」が開催され、JNTO は、(一財)自治体国際化協会(CLAIR)と隣接するブ ースで、訪日観光の PR を行った。オーストラリアの首都であるキャンベラは、官公庁が集積して おり研究機関も多く、人口規模自体は多くないものの、訪日者の割合が比較的高い地域で、 ブース来場者も具体的に訪日旅行を計画している人が多く見られた。本イベントは毎年大きな 盛り上がりをみせており、今年も 18,000 人に上る来場者があり、キャンベラで最大の集客イベン トの一つであることを強く印象づけた。 10 月 12 日から 18 日にかけて訪日旅行を扱っている旅行会社の商品造成担当者を対象に 九州への招請事業を実施した。また 10 月 19 日から 25 日にかけて新聞、雑誌、オンラインの ジャーナリストを対象としたメディア向けの招請事業も四国を中心とした旅程で実施した。シドニ ー=羽田便の新規就航を活かし、九州への新規ツアー造成や四国に関する露出の拡大を図 ることで、今後地方への誘客が期待できる。 Insider Journeys セミナーでの日本紹介 九州招請事業(熊本城内の様子)【米国】
10 月の市場動向トピックス
19 ヶ月連続で各月過去最高を記録 2015 年 1-10 月の累計は 850,000 人を突破し、対前年比 14.7%増で好調に推移している。 また、単月では、2014 年 4 月以降、19 ヶ月連続で当該月の過去最高を記録しており、10 月 は 96,200 人であった。旅行計画時期である、年初から春にかけてのプロモーション活動が旅行 需要を高めたのに加え、米国経済とドル高円安傾向の安定化が、訪日意欲を後押しているも のと思われる。 11 月下旬には、経済成長の著しい南部より、日本航空のダラス-成田便が新規就航する予 定もあり、既存のアメリカン航空便に加え、座席供給量の増加により、訪日旅行者数の押上げ が期待できる。10 月の主なプロモーション活動
10 月 24 日から 11 月 5 日の約 2 週間、来春に新幹線の開業を控える北海道、北東北エリア を取材するメディア招請事業を行った。岩手、秋田、青森、北海道を訪問したが、紅葉の美し い時期であり、参加したジャーナリストも景色が美しいと絶賛していた。また、北海道及び東北 の各運輸局との意見交換会も実施し、米国人視点での各地域の魅力、課題について活発な 意見交換を行った。 大手旅行雑誌、「Condé Nast Traveler」に、スキー層を含む冬の魅力を発信するため、記事 広告の掲載を行った。今年度から力を入れているスキー需要を意識した内容として、スキーリゾ ートと温泉の紹介を行った。
「Condé Nast Traveler」記事掲載 メディア取材風景