住宅の改修工事等における 低

1

住宅の改修工事等における 低 VOC 塗装の施工について

社団法人東京建設業協会

熊野 康子 (

)

2011/3/22

内容

1.

2.

3.

4.

5.

6.

7.

ペット用建材・主婦のライフスタイル

8.

3

住宅の特徴



→



⇒室内環境汚染物質への対応

(

)



マンションリフォームは個別と全体がある

⇒近隣への配慮

(

)

室内環境汚染物質とは



沸点

-19.2 ℃、無色、刺激あり 0.08ppm

0.40ppm

0.50ppm

＊発癌性ランク

1

5

ホルムアルデヒドを含む建材













F

;

（日本の建築基準法の規格）

他にはどんな物質があるのか

トルエン

(

)

0.9

倦怠感、知覚異常、吐き気

塗装用シンナー、ｱｽﾌｧﾙﾄにも含まれる

キシレン

(

)

0.9

倦怠感、知覚異常、吐き気

塗料用シンナー、ｱｽﾌｧﾙﾄに含まれる

7

他にはどんな物質があるのか

可塑剤

塩化ビニル系建材に含まれる。フタル酸ジ オクチル（ＤＯＰ）が代表格。長期間で分解 し目や気管を刺激する。タイルカーペット、

長尺シート、床

P

アセトアルデヒド

→

→

(

)

アルコール系物質

→

ＶＯＣとは

•

(

•

厚生労働省指針値

現在

13

(

)

TVOC(

)

VOC

9

厚生労働省指針値

揮 発 性 有 機 化 合 物 指 針 値^＊ ppm(ppb)

ホ ル ム ア ル デ ヒ ド 100μg/m³ 0.08ppm

ト ル エ ン 260μg/m³ 0.07ppm

キ シ レ ン 870μg/m³ 0.20ppm

パ ラ ジ ク ロ ロ ベ ン ゼ ン 240μg/m³ 0.04ppm

エ チ ル ベ ン ゼ ン 3800μg/m³ 0.88ppm

ス チ レ ン 220μg/m³ 0.05ppm

ク ロ ル ピ リ ホ ス 1(0.1) μg/m³ 0.07(0.007)ppb フ タ ル 酸 ジ － n － ブ チ ル 220μg/m³ 0.02ppm

テ ト ラ デ カ ン 330μg/m³ 0.04ppm

フタル酸ジ－２－エチルヘキシル 120μg/m³ 7.6ppb

ダ イ ア ジ ノ ン 0.29μg/m³ 0.02ppb

ア セ ト ア ル デ ヒ ド 48μg/m³ 0.03ppm

フ ェ ノ ブ カ ル ブ 33μg/m³ 3.8ppb

ノ ナ ナ ー ル 41μg/m³ 7.0ppb

Ｔ Ｖ Ｏ Ｃ 400μg/m³ *****

クロルピリホスの（ ）は小児の場合 ノナナール、TVOC は暫定値

官公庁等の動き

国土交通省 建築基準法の改正

・ホルムアルデヒド使用制限

(F

)

・クロルピリホスの禁止

文部科学省 学校環境衛生基準の改訂

⇒幼稚園、小学校、中学校、高校、大学等

ﾊﾟﾗｼﾞｸﾛﾛﾍﾞﾝｾﾞﾝ、エチルベンゼン、スチレン 東京都 認証保育園における室内化学物質

対策実施基準

11

シックハウス症候群とは

新築住宅などによって建築建材から発生する 化学物質等によるめまい、吐き気、頭痛、倦 怠感、等の健康影響のこと

→

初期症状－場所を変わることによって症状は すぐに治まる

慢性化－なかなか症状が回復しない

⇒化学物質過敏症

ＶＯＣを発生しない施工

①ＶＯＣを発生しない塗料の選定 —

・ＭＳＤＳ（製品安全データシート）の活用

・低ＶＯＣ建材の採用⇒水性化

②ＶＯＣを発生しない施工－施工時

・塗装時の条件、環境

・塗装方法と養生方法

・室内測定

-

13

ＭＳＤＳの活用法

・各材料メーカーの

HP

・組成、成分情報をみる

⇒厚生労働省指針物質は含まれているか

1

0.1%

⇒混合物（アスファルト化合物など）確認

GHS について

表示制度

2006

12

塗料などの容器に 絵表示や注意喚起 語を含むラベルを 記載

危険情報

⇒ GHS

*MSDS

2011

15

低ＶＯＣ材料の留意点

Ｆ☆☆☆☆（エフフォースター）は ホルムアルデヒドのみ

⇒その他ＶＯＣも少ないということではない

自社基準（従来品との比較

)

○日本塗装工業会

-

VOC

○接着材工業会

-4VOC

○日本壁装協会

-ISM

低 VOC タイプの塗料

弱溶剤タイプ⇒さび止めペイント、建具塗料 水系・エマルションタイプ⇒主流

各種の性能をもつ塗料あり

防カビ・防藻・汚れ防止

(

)

低

VOC

⇒植物成分などを原料とした塗料

17

塗料選定時の留意点 ( 内装 )

サンプル

(

)

⇒複数の人数で確認

高温時臭気が高くなる可能性 環境・性能⇒共用室の壁（よごれ対策の塗料

)

共用扉、手すり 等

(

)

⇒水系のものがある

塗料選定時の留意点 ( 外装 )

汚れ対策

⇒低汚染型塗料、防カビ、防藻

⇒次の塗替えまでの期間

フッ素樹脂系塗料 （長い）

ｱｸﾘﾙｼﾘｺﾝ樹脂系塗料

ウレタン樹脂系塗料

↓

アクリル樹脂塗料 （短い）

臭気対策⇒水性外装塗料

環境対策⇒遮熱塗料

(

)

19

塗料施工時の留意点

塗料の確認 入荷した塗料の確認

⇒名前、品番、成分など－資料を保存

⇒手直しの時も同じ材料を使用

⇒材料の写真撮影にて表示確認

・施工時の確認

⇒塗装条件を守る (

)

⇒立会いを行い、写真撮影実施

⇒終了した日時を記録

・法規 大気汚染防止法、悪臭防止法

20

外装塗装方法について

ローラー塗り 住宅では主流

長所 塗料の飛散が少ない

(

)

短所 施工時間がやや長い

ミストなどが発生するが量は少ない 吹き付け

長所 施工時間が比較的短い

短所 塗料飛散が多い

(

)

21

室内ＶＯＣ測定

（精密）測定方法 アクティブ方式

（厚生労働省、国土交通省、文部科学省）

5

30

（国土交通省、文部科学省）

5

8

24

アクティブ方式による測定

測定方法（ﾎﾙﾑｱﾙﾃﾞﾋﾄﾞ、ｱｾﾄｱﾙﾃﾞﾋﾄﾞ）

・ＤＮＰＨ捕集管で

30

・採取後高速液体ｸﾛﾏﾄｸﾞﾗﾌｨｰにて分析 測定方法（トルエン、キシレン他 ＶＯＣ）

・各種補集管で

2

30

・採取後ｶﾞｽｸﾛﾏﾄｸﾞﾗﾌｨｰ質量分析にて分析 測定方法（農薬類ｸﾛﾙﾋﾟﾘﾎｽ、ﾀﾞｲｱｼﾞﾉﾝ他）

・

₂

600

・採取後ｶﾞｽｸﾛﾏﾄｸﾞﾗﾌｨｰ質量分析にて分析

23

測定条件

測定手順

1

2

3

4

アクティブ方式の測定 ( サンプラー）

左：

DNPH

VOC

TENAX

25

アクティブ方式の測定 ( 例 )

写真提供;住化分析センター

採取（床から

1.2

1.5

パッシブサンプラー方式による測定

アルデヒド用、ＶＯＣ用の

2

（写真は

SUPELCO

27

パッシブサンプラー方式の測定 ( 例 )

左;VOC測定用

右;ホルムアルデヒド測定用 SUPELCO社製

写真提供

;

採取（床から

1.2

1.5

簡易測定 方法 の例

検知管方式（北川式ガス検知管・ﾄﾙｴﾝ）

29

簡易測定方法（検知管方式）

デ ピ

（精密）測定法の特徴

アクティブ方式

長所 ・検出限界が比較的低く、感度がよい

・測定時間が短い

短所 ・専門とする分析業者に依頼が必要 パッシブサンプラー方式

長所 ・分析業者でなくても測定対応可

・同時に多数箇所の測定可

短所 ・検出限界が比較的高く感度が低い

・測定時間が長い（冬季

24

31

簡易測定方法の特徴

長所

・その場である程度の濃度がわかる

・測定時間が比較的短い

・手軽な価格帯で、取り扱いが比較的簡単 短所

・測定値が精密測定値とは違う場合あり

・取り扱いに慣れが必要（検知管方式など）

⇒精密測定前の予備測定として活用

室内ＶＯＣ測定のクレーム事例

測定値が指針値を上回る

→

(

)

→

→

パッシブサンプラーは測定時間が長いため細心 の注意が必要

(

)

外部環境が測定値に影響をもたらすことがある 建材が臭気を吸い込む場合もある

33

新しいタイプの塗料 ( 外装 )

高反射率塗料（遮熱塗料）

近年地球温暖化、ヒートアイランド現象などの 影響が深刻になっている

その対策のひとつとして建物の蓄熱軽減、空 調に費やされるエネルギー減による

CO ₂

塗料は屋上緑化と比較して施工が容易である のも特長である

⇒

汚れ防止塗料

(

)

従来の水性エマルション塗料よりも、

1 ．

2.

日々の清掃で

“

”

汚れ防止塗料 一般エマルション塗料

油汚れ

中央部中性洗剤拭き 泥水汚れ

手垢汚れ

新しいタイプの塗料(内装)

35

その他 内装用塗料・建材

①クロスの上から施工する塗料 専用シーラー

+

②木材保護塗料

臭気が強い 内装用で水性化塗料あり

③調湿建材

珪藻土、シラスなどがベース

臭気を吸収するが臭気の再放出がある クロスの上からの施工可のものがある

ペット建材について

人間にとって使いやすい材料

⇒人間とペットが調和

<

>

つめなどで傷がつかないフローリング

→(

)

⇒動物にとって滑らず傷もつきづらい

37

今後予測される市場

アフターケアマーケットの増大 ペットの健康、快適性、高級化

小型犬生涯費用

300

400

⇒サプリメント、健康食、消臭機能材

ペット用保険、しつけに関するもの

これからのペット用建材－珪藻土

結合材の種類 特徴

1 水溶性樹脂系 水溶性（水に溶解して乾燥後、硬化）

2 合成樹脂

エマルション系

水分が蒸発して皮膜を形成

ローラー施工ができるものはこの系統が多い

3 石灰系 気硬性（乾燥硬化後、二酸化炭素と反応し、強度UP） 消臭性、 殺菌性あり

4 石膏系 水硬性（水と反応して硬化）、無収縮性

5 セメント系 水硬性（水と反応して硬化）、耐水性、収縮性

脱臭・調湿から人気が高くなってきている

毛がつきやすい、思ったほど効果がないなどの 報告⇒合成樹脂エマルジョン系の場合が多い

39

市販されているペット用建材 1

①腰壁用シート

耐衝撃性あり

市販されているペット用建材 2

②消臭タイルカーペット

・消臭機能がある

・フローリング床材の上に置くタイプが多い

・家庭で洗濯が可能

・遮音性能がある

41

市販されているペット用建材 3

③消臭天井材

・消臭機能がある天井材

*

（アンモニアなどは天井に昇りやすい）

・マイナスイオンを発生する

④消臭壁用パネル

・クロスの上から施工可能

・調湿効果大（結露防止）

*

主婦のライフスタイルにおける

建築仕上げ材の需要に関する調査研究

- ²⁰⁰⁹

-

2006

⇒ 74,534

最近の傾向 女性のライフスタイルの変化

⇒ DEN(

)

⇒居住空間や家事へのこだわり

43

1- アンケート調査について

無記名によるアンケート調査

標準的なマンションの購入層として社内の首都圏地区 社員より抽出した社員及び配偶者を対象

210

95

図２　回答者の 年齢構成 0%

50%

100%

50代 40代 30代 20代

図１　女性の就業状況 26%

26%

31%

3%

14%

社員 パート 専業主婦 独身 その他

女性の就業状況と家 族構成の傾向

＜社員＞

子供がいない、大学生より も上の子供がいる

＜専業主婦・パート＞

高校生以下の子供が複数 いる

2- キッチン・収納部のアンケート

-

-

カビの発生を防止できる建材や

収納内の脱臭に関する希望が多い

⑪大型クローゼットオプション(男性)

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7

1.床傷シ ート

2靴棚板3和服毛皮

4.帽子バッ クフック

5.臭気カ ビ建材

6.天井鏡 7.脱臭襖 8.押入れ家具

フルタイム パート時々 専業

⑪大型クローゼットパーツ(女性)

0.10 0.2 0.3 0.4 0.50.6 0.7 0.8 0.9

1.床傷シ ート

2靴棚板3和服毛皮

4.帽子バッ クフック

5.臭気カ ビ建材

6.天井鏡 7.脱臭襖 8.押入れ家具

フルタイム パート時々 専業

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3- その他パーツに関するアンケート

脱臭シートや掃除具収納に人気

特に女性に人気が高い⇒臭気を気にする

⑬その他収納パーツ(男性)

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9

1.棚板傾け 2.ﾌﾟﾗｽﾁｯｸ棚板

3.脱臭シ ート

4.エアシャ ワー

5.ブーツﾎﾙﾀﾞｰ 6.転倒防止

7.消音た たき

8.よごれシ ート 9.ごみト

レー 10.ﾌﾟﾗﾝﾆﾝｸﾞ

11.ﾄﾞﾗ ｲﾔｰﾌｯｸ

12.清掃具

フルタイム パート時々 専業

⑬その他収納パーツ(女性)

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8

1.棚板傾け 2.ﾌﾟﾗｽﾁｯｸ棚板

3.脱臭シ ート

4.エアシャ ワー

5.ブーツﾎﾙﾀﾞｰ 6.転倒防止

7.消音た たき

8.よごれシ ート 9.ごみト

レー 10.ﾌﾟﾗﾝﾆﾝｸﾞ

11.ﾄﾞﾗｲﾔｰﾌｯｸ 12.清掃具

フルタイム パート時々 専業

最後に

塗料の研究開発は目覚しく、多機能の塗料 開発されている⇒まずは水性塗料を検討し 性能を把握した上で採用している

↓

居住者や近隣への安全

その他の建材についても同様に、成分を確認 し厚生労働省指針値が定められた化学物質 を含有しない建材の使用や施工法を推進