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著者 白井 康太

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Academic year: 2022

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乳腺の形態形成におけるsyntaxin‑4の細胞外提示と その役割

著者 白井 康太

URL http://hdl.handle.net/10236/00026498

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2016 年度 修士論文要旨

乳腺の形態形成における syntaxin-4

の細胞外提示とその役割

関西学院大学大学院理工学研究科 生命科学専攻 平井研究室 白井 康太

乳腺の管は枝分かれした樹状構造をつくる. 樹状構造は管状の上皮組織が不規則に分岐 し, 非対称な構造を形成することから,増殖や遊走といった細胞挙動が組織の中で同調せず, 不均一になっていることが予想される. 本研究では上皮組織の中で細胞挙動の不均一性が 生み出される機構を明らかにすることで乳腺の樹状構造が形成される機構の解明を目指し た. 上皮組織中の近接する細胞間で細胞挙動の違いが生み出されるためには非拡散性のタ ンパク質が一部の細胞に発現する必要があると考え, 刺激に応答して機能発現する膜タン パク質 syntaxin に着目した. syntaxin ファミリーは SNARE 複合体を形成し, 小胞輸送 の膜融合を補助するタンパク質群である. 一方, 形質膜に局在する syntaxin-1, -2, -3 およ び -4 はアポトーシスやカルシウムの流入といった刺激に応じて細胞外へ反転し, 形態形 成因子として機能することが報告されている. そのため, 組織の形成過程で syntaxin は 一部の細胞外表面に提示され, 局所的な挙動変化を誘導している可能性がある. 先行研究 より, 乳腺中の syntaxin-2 / epimorphin は間質組織特異的に発現し, 乳腺の形態形成を促 進していることが明らかになった. 一方で, 上皮細胞のみでも分岐構造は形成されるが, そ れ自体が発現する syntaxin の細胞外機能は未解析であった. そこで, 上皮細胞自身に発 現する syntaxin が上皮組織に見られる細胞挙動の不均一性に関与するのか検証した. 乳 腺上皮組織に syntaxin-4 が発現していることを確認し, アポトーシスや機能分化を誘導 する薬剤で細胞を処理したところ, syntaxin-4 は一部の細胞から外部提示され, 外部提示 した細胞は集団の中で不均一になっていた. 乳腺上皮細胞株 SCp2 細胞に対して細胞外

syntaxin-4 の強制発現を行ったところ, 細胞形態の扁平化や遊走能の上昇といった上皮間

葉転換 (EMT) に似た細胞挙動の変化を誘導し, 三次元培養下における分岐形態形成を促 進した. 以上の結果より, 組織形成の過程で刺激を受けた一部の細胞から syntaxin-4 が外 部提示され, 自身もしくはその周囲に存在する細胞は組織の中で局所的に遊走能が上昇し ている可能性がある. 作用機序を解析したところ, syntaxin-4 は上皮細胞の遊走性を減弱 させる laminin-1 に直接結合し, その機能を阻害した. laminin-1 との結合に必要な

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SNARE ドメインの組み換えタンパク質によって syntaxin-4 全長の強制発現の影響が阻 害されたことから laminin-1 に結合し, 機能を調節している可能性がある. その一方で, syntaxin-4 の N 末 端 か ら 3 番 目 の ヘ リ ッ ク ス ド メ イ ン の 組 み 換 え タ ン パ ク 質 は laminin-1 に 結 合 せ ず に そ の 機 能 を 阻 害 し た. し た が っ て, 細 胞 外 syntaxin-4 は

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定の相互作用因子を介して, laminin-1 による細胞遊走の抑制機能を阻害することが分かっ た.

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