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山下 万平 論文内容の要旨

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Academic year: 2022

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(1)山下 万平 主. 論文内容の要旨 論. 文. Subcutaneous transplantation of engineered islet/adipose-derived mesenchymal stem cell sheets in diabetic pigs with total pancreatectomy 膵全摘糖尿病ブタに対する細胞工学を利用した 膵島/脂肪由来間葉系幹細胞複合シート皮下移植の検討 山下万平、足立利幸、足立智彦、大野慎一郎、松村尚美、前川恭一郎 堺 裕輔、日髙匡章、金高賢悟、黒木 保、江口 晋. (Regenerative Therapy, 16 (2021) 42-52). 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科医療科学専攻 (主任指導教員:江口 晋 教授). 緒 言 1 型糖尿病の根治療法である経門脈的膵島移植には、移植膵島の早期消失、低い膵島 生着率、移植膵島量の制限といった課題がある。これら課題の克服のため、当科では 皮下への膵島移植実験を行い、これまでに糖尿病ラットを用いた実験で、細胞工学を 用いた骨髄由来間葉系幹細胞(BM-MSC)シートを作製し、シート上に膵島を播種した 膵島/BM-MSC 複合シートが膵島保護効果を持ち、高血糖を改善させることを報告し た(Tissue Eng Part C Methods, 2015)。また、in vitro では、ヒト fibroblast シート とヒト膵島の共培養を行った結果、高い viability が維持され、fibroblast からの各種 サイトカイン産生によるヒト膵島保護効果についても報告した(Cell Transplant, 2016)。さらに、低酸素環境である皮下組織へ移植する細胞シートに用いる支持細胞 は、脂肪由来間葉系幹細胞(ADSC)が fibroblast や BM-MSC よりも膵島保護効果や血 管新生において適していると報告した(Islets, 2018)。これらの結果を踏まえ、ヒト臨 床応用に向けた前段階として、糖尿病ブタに対する allogenic 膵島/ADSC シートの皮 下移植実験を行った。.

(2) 対象と方法 約 10kg の雌ブタ(月齢 2 ヶ月)鼠径部より皮下脂肪を採取し ADSC を分離、2 週間培 養した。温度反応性培養皿(35mm)に ADSC を播種しシートの足場を作製した。播種 する膵島は約 250kg の成熟ブタ(5 歳)膵臓より分離し 24 時間培養した。移植前日に 温度反応培養皿の ADSC に 10,000IEQ の膵島細胞を播種、移植直前まで培養した。 皮下脂肪を採取したブタはレシピエントとして移植当日に全身麻酔下に膵全摘術を 施行、1 型糖尿病モデルとして使用した。その後温度反応培養皿から膵島/ADSC をシ ート状に回収し、腰臀部の皮下に移植した。術後は持続血糖モニターで血糖値の推移 をモニタリング、血液検査で適宜インスリン分泌量を測定した。移植 10 日目に経静 脈内ブドウ糖負荷試験(IVGTT)を行い、14 日目にグラフト摘出を行った。. 結 果 温度反応培養皿に播種する ADSC 細胞数(2.0×106 vs 1.0×106 cells/sheet)はシートの 厚さ[32.0 vs 25.7 nm, p<0.05]、嫌気代謝の割合[Lactate/Glucose = 0.036 vs 0.047, p<0.05]を比較し 2.0×106 cells/sheet とした。膵島機能を ADSC シート上と膵島単体 で比較し、viability[91.8 vs 81.7 %, p<0.05]、血管新生を促す IL8[381.6 vs 249.5 pg/ml, p<0.05]、糖尿病増悪を示す IL16[1,875.3 vs 2,179.2 pg/ml, p<0.05]、糖刺激 へのインスリン分泌を示す ISI[2.8 vs 0.8, p<0.05]と膵島/ADSC シートの有効性を確 認した。事前に 1 型糖尿病モデルブタ(n=5)は正常ブタと比較し膵全摘直後から高血 糖、7 日目インスリンの欠乏(0.3 以下 vs 0.877 μIU/ml, p<0.05)、ケトン体の産生 [2,065 vs 118.0, p<0.05]を確認した。移植実験(n=2)では血糖は移植直後に低値を示 すが 7 日目より正常化、グラフト摘出後は高値を示し、摘出後 7 日、1 日でそれぞれ 死亡した。インスリン分泌量は移植直後高値を示したが、7 日目から正常化、グラフ ト摘出後は感度以下となった。移植 10 日目に行った IVGTT は糖刺激に応じてイン スリン分泌がみられ、60 分後に血糖は正常化した。摘出したグラフトはインスリン 免疫染色にて膵島の存在を確認した。. 考 察 膵島細胞の皮下移植の利点として、膵島の移植量に制限がないこと、門脈内注射に伴 う移植膵島の消失を避けられること、グラフト除去が容易にできることがあげられる が、膵島単体では生着を得られない。本研究では膵島/ADSC シートを皮下移植し血 糖を正常化できることが大動物でも実証できた。膵島を ADSC シートに接着するこ とで膵島の構造および細胞外基質が保たれ、膵島保護に有利となることは報告されて おり、本研究でも in vitro で膵島単体と比較して膵島の viability や血管新生、糖刺激 に優れた反応性が示された。移植実験では 14 日と短期間ではあるがインスリン分泌 と血糖の正常化、糖刺激へのインスリン分泌、摘出グラフト内の膵島細胞の存在が確 認された。一方、本実験では免疫抑制による外科処置の感染リスクを踏まえ免疫抑制 は行っておらず、免疫システムで移植膵島が消失する可能性を考慮し短期でのグラフ ト摘出を行っている。免疫抑制が膵島/ADSC シートに及ぼす影響、至適な皮下移植 膵島量を確認し、皮下移植がヒト臨床応用に有用となる可能性が示唆された。. (備考)※2000 字以内で記述。A4 版。.

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