• 検索結果がありません。

再帰反射材の配置の工夫が街区の日射反射特性に与える影響

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "再帰反射材の配置の工夫が街区の日射反射特性に与える影響"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

44th Symposium on Human-Environment System

HES44 in Nara, 5-6 Dec., 2020

1

再帰反射材の配置の工夫が街区の日射反射特性に与える影響

二岡佳子

1)

, 吉田伸治

2)

1)

奈良女子大学,

2)

奈良女子大学

Study on improvement of solar radiation reflective characteristics with effects of

layout of retro-reflective materials

Kako Futaoka

1)

, Shinji Yoshida

2)

1)Nara Women’s University 2) Nara Women’s University

Abstract: Recently, retroreflective materials have attracted attention as one of effective countermeasures against urban heat island phenomena. However, it has been pointed out that increase of the incident angle to the surface weakens the retroreflective performance of these materials along with growing the specularity. In order to improve the summer heat environment of the city block, it is necessary to recurse much of the solar radiation even during the time when the sun is high. The purpose of this research is to evaluate the effect of layout of retro-reflective materials on solar radiant reflection characteristics of city block by a model experiment. We carried out comparison of the distributions of both incident and reflected energy between combinations of installing materials to both the exterior building wall and the ground surfaces in each case by using the model experiments. From the investigation, it was found that installing the RR materials to the building and the ground surfaces improved the solar radiant reflection performance of the city block, and also strengthened the directivity of the reflection.

Key words: Retroreflective materials, Urban heat island, Experiment

要旨:【目的】近年、ヒートアイランド対策として再帰反射材が注目されている。しかし、入射角が大きくなると 再帰反射成分は著しく低下し、替わりに鏡面反射成分が著しく増加することが指摘されている。本研究は、建物 壁面に導入した際に起こりうる、高高度からの夏季の日射の照り返しによる屋外温熱環境の悪化への対策として、 再帰反射材の併用が街区の日射反射特性に与える影響を評価する。【方法】街区模型の壁面に入射仰角 70°で平行 光を入射させ、フォトダイオードを用いて入射・反射エネルギーを計測する。再帰反射材・白紙・黒色塗料の 3 種を試料とし、壁面並びに床面の試料の組み合わせを変化させ、それぞれのケースの入射・反射エネルギーの分 布を比較する。【結果】再帰反射材の併用により街区の日射反射性能が向上することが明らかとなった。また、反 射率が同程度の白紙(完全拡散面)と比較すると反射エネルギーの指向性が強まることも明らかとなった。 キーワード:再帰反射材、ヒートアイランド、実験

1.はじめに

年々深刻化するヒートアイランド現象に対して、 様々な対策が提案・導入されている。その中の一つと して、街区の蓄熱量及び冷房負荷を削減するために建 物外表面を高反射率化することが挙げられるが、これ を低層面や壁面に適用すると照り返しに伴う周辺環境 の悪化が懸念される。近年、この照り返しの緩和が期 待される再帰反射材の建材利用に関する研究が行われ ている。再帰反射材は、入射した光を再び元の入射方 向に再帰させる特性を有している。しかし Rossi ら (2015)によると、図 1 に示すように再帰反射材の反射 光のうち再帰反射成分となる割合は入射角度によって 大きく変化する。入射角が小さいときは主に再帰反射 するが、入射角が大きくなると再帰反射成分は著しく 低下し、ほとんどが鏡面反射する。つまり、太陽高度 の高い夏季正午付近の時間帯においてはその効果を十 分に発揮できず、建物の高反射率化と同じく、照り返 しにより周辺環境が悪化する可能性がある。この課題 に対して Beatrice ら(2016)は、再帰反射材の配置の工 夫によって街区の日射反射性能を向上させる方法を調 査しており、図 2 のような配置を提案している。本研 究では Beatrice らと は異なる再帰反射材・条件の模 型実験、並びに数値解析を行うことにより、再帰反射 材の配置の工夫が街区の日射反特性へ及ぼす影響を分 析する。本報では模型実験の結果を報告する。

B-1

(2)

2

2.再帰反射材の反射特性把握

2.1 実験概要 予備実験として、本実験に使用する再帰反射材の反 射特性を把握するための実験を行った。Case0-1 として 床面に設置した RR 材に入射角 20°でコリメートライ トを照射する。Case0-2 として壁面に設置した再帰反射 材に入射角 20°で照射する。Case0-1 の結果から本研 究に使用する再帰反材の反射の様子を把握する、また、 case0-1,2 の比較から、試料設置面と測定装置の位置関 係による差異を確認する。 2.2 実験方法 実験風景を写真 1 に示す。奈良女子大学 E 棟 4 階の 暗室に街区を模した模型を設置し、入射・反射エネル ギーを測定する。測定には上向き・下向きのフォトダ イオードを組み合わせた自作測定装置を用いた。この 装置は以前の研究にて動作確認を済ませている。測定 点詳細図を図 3,4 に、模型の立面図を図 5,6 に示す。 黒色塗料を塗ったスタイロ上に光沢のない黒紙で覆っ た 2 つの壁を配置した。対向壁面に邪魔されることな く測定面における入反射エネルギーの分布を漏れなく 把握するために、各ケースによって壁間の幅を変えて いる。設置した試料面に対して入射角 20°でコリメー トライトを照射し、測定範囲内の各点における入射・ 反射エネルギーを測定する。測定装置からの出力はデ ータロガーに 500ms の間隔で記録され、結果の評価に はこれらのデータの 20 秒平均値を用いた。 2.3 結果・考察 各試料の入射・反射エネルギーの測定結果について 述べる。結果に使用した各試料の値はそれぞれの入射 強度で基準化したものである。以下に基準化の手順を 示す。 1)それぞれの試料において、直接光が入射した位置を 定める。 2)直接入射位置の測定値の平均値を求める。 3)各測定点の値をそれぞれの平均値で除したものを基 準化した値として扱う。 Light フォトダイオード 写真 1 実験風景 コリメートライト 直径 6cm 照度 410lx 波長ピーク 635nm

20°

25 cm 125cm 測定点 x y 30 ㎝ 図 4 立面図 図 3 測定点詳細

Case0-1 用模型

Case0-2 用模型

図 6 立面図 図 5 測定点詳細 100 ㎝

20°

RR 材 RR 材 RR 材 入射角:大 ➡鏡面反射成分:大 入射角:小 ➡再帰反射成分:大 図 2 ベアトリスら(2016)により提案 された RR 材の配置に関する概念図 0 30 60 90 120 150 180 210 -120 -90 -60 -30 Angle of incidence: 10° sample1 sample2 0 30 60 90 120 150 180 210 -120 -90 -60 -30 Angle of incidence: 70° 図 1 反射エネルギーの角度分布 y x

(3)

3

図 7 にそれぞれの入射・反射エネルギーの水平分布 を示す。入射エネルギーはどちらのケースにおいても 入射位置でのみ検出され、値もほぼ同じ結果となった。 反射エネルギーについて分析する。Case0-1 では再帰反 射位置と鏡面反射位置にほぼ同程度の強い値を検出し た。この結果より、本研究に使用する再帰反射材は入 射角 20°時には鏡面反射と再帰反射成分が同程度とな る反射特性を有していることが分かった。Case0-2 でも 再帰反射位置にピークが出現していた(鏡面反射成分 は床面で吸収されるので測定面には出現しない)。また、 本実験ではピークの生じる領域の左側、すなわち照射 壁面近くにも反射成分の到達を表す値が検出される結 果となった。これについては、今後詳しく分析する必 要があると考えられる。Case0-1 よりもピーク値は半分 程度になっているが、これは試料面と壁面との距離が 離れたことが原因であると考えらる。

3.再帰反射材の配置の工夫

3.1 実験概要 実験条件を表 1 に、模型の立面図と測定点詳細図を 図 8,9 に示す。照射壁面へ入射仰角 70°でコリメート ライトを照射させ、各条件の入射・反射エネルギーを 測定する。本実験では case2 を基本ケースとして定め た。これは床面を地表面、照射壁面を建物外表面と想 定すると、一般的な街路空間の建物外表面に再帰反射 材を設置した場合に相当する。また case1 は一般的な 建築材料で被覆された外表面を想定したケースに相当 する。case1,2 の比較により入射仰角 70°の時の再帰 反射材の壁面設置効果を評価する。一方 case3,4 は、 case2 において懸念される建物外表面に用いた再帰反 射材からの照り返しによる影響を緩和させることを意 図したケースである。case3 は、床面にも再帰反射材 を併用することにより建物壁面からの鏡面反射成分を 再び上方へと再帰反射させることを意図している。 case4 は床面を完全拡散型の高反射材を用いて上方へ と日射を反射させることを意図している。case2~4 の 比較により再帰反射材の配置工夫が街区の日射反射特 性に与える影響を分析する。 3.2 実験結果・考察 各ケースの入射・反射エネルギーの測定結果につい て述べる。結果に使用した値は予備実験と同様の手順 で基準化したものである。 図 10 に計測された入射・反射強度の水平分布を示す。 また、図 11 に AA’断面における反射強度の分布を、 図 12 に BB’断面における反射強度の分布を示す。入射 エネルギーはどのケースにおいても同様の結果となっ た。反射エネルギーについて分析していく。case1,2 の 総 合上向き反射エネルギー量は同程度で、分布も非常 に似ていたが、case2 においては再帰部分に分布がや や集中する結果となった。特に壁面近傍(x=0.5)での推 移が顕著である。再帰反射材を併用した case3 では、 case1,2 よりも総合上向き反射、ase3 では、case1,2 よりも総合上向き反射エネルギー量が増え、かつ再帰 反射位置、床面からの鏡面反射位置の二点にピークが 生じた。このうち再帰反射成分に関しては照射壁面中 央近傍(x=0.5,y=7)で顕著であった。再帰反射材の併用 により総合上向き反射エネルギー量を増加させること ができたといえる。最後に case4 では床面に用いた白 反射 入射 Case0-2 Case0-1 図 7 水平分布図 反射 入射 照射壁面 床面 対向壁面 case1 白紙 黒色塗料 黒紙 case2 再帰反射材 黒色塗料 黒紙 case3 再帰反射材 再帰反射材 黒紙 case4 再帰反射材 白紙 黒紙 表 1 計測ケース 図 9 測定範囲詳細図 図 8 立面図 対向壁面 再帰反射 鏡面反射 床面 70 y x B B’’ A’ A 対向壁面 照射壁面 22c

(4)

4

紙への入射位置を中心とした同心円状の分布を示し た。ピーク強度は case3 より小さく case1,2 と同程 度である。しかし総合上向き反射エネルギー量は case3 と同程度の結果となった。床面を高反射材に することで、街区全体の反射性能が底上げすること ができると考えられる。また case3,4 の結果から、 再帰反射材を併用することで、街区の反射光の指向 性が強まることがわかった。

4.まとめ

フォトダイオードを用いた模型実験により、再帰 反射材の配置の工夫が街路空間における日射反射特 性に与える影響を分析した。実験結果から、再帰反 射材を二平面に併用することで、街区の日射反射性 能の向上、及び反射光の指向性が強まることが分か った。今後は、数値解析により様々な条件下での、 再帰反射材の配置の工夫による街区の日射反射特性 への影響を評価する予定である。本報での成果は、 それら様々な条件下で再帰反射材の効果を評価する 際の、結果の妥当性を考慮する参考データとして活 用する。また、本報では光のみを扱っていたが、今 後の解析では温熱環境への影響についても分析する 予定である。

6.文献

Federico Rossi et al.: Retroreflective façades for urban heat island mitigation: Experimental investigation and energy evaluations, Applied Energy valume145, pp.8-20, 2015.5

Beatrice Castellani et al.: Investigation On The Optic-Energy Interaction Between Retro Reflective Façades And Pavement In Urban Canyons, PROCEEDING of 4TH INTERNATIONAL CONFERENCE on COUNTERMEASURES to URBAN HEAT ISLANDS, SUB10_FP-0006, 2016 <連絡先> 二岡佳子 〒630-8506 奈良市北魚屋東町 奈良女子大学 人間文化総合科学研究科 住環境学専攻 [email protected] 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 0 5 10 反射強度 [-] y軸

case1 case2 case3 case4

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 0.5 5.5 10.5 15.5 20.5 反射強度 [-] x軸 y=7.0

case1 case2 case3 case4

図 12 BB’断面図 図 11 AA’断面図 入射 反射 ca se1 ca se4 ca se3 ca se2 図 10 水平分布図

図 12  BB’断面図 図 11  AA’断面図

参照

関連したドキュメント

絡み目を平面に射影し,線が交差しているところに上下 の情報をつけたものを絡み目の 図式 という..

光を完全に吸収する理論上の黒が 明度0,光を完全に反射する理論上の 白を 10

大気浮遊じんの全アルファ及び全ベータ放射能の推移 MP-1 (令和3年7月1日~令和3年9月30日) 全ベータ放射能 全ベータ放射能の

実験に使用した装置を図 1 に示す。装置は照射容器,液相循環ライン,気相サンプリング ライン,ガス注入ライン等から成る。照射容器はステンレス製で,容量は

放射線の被ばく管理及び放射性廃棄物の廃棄に当たっては, 「五

このうち、放 射化汚 染については 、放射 能レベルの比較的 高い原子炉 領域設備等を対象 に 時間的減衰を考慮す る。機器及び配管の

このうち、放 射化汚 染については 、放射 能レベルの比較的 高い原子炉 領域設備等を対象 に 時間的減衰を考慮す る。機器及び配管の

このうち、放 射化汚 染については 、放射 能レベルの比較的 高い原子炉 領域設備等を対象 に 時間的減衰を考慮す る。機器及び配管の