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学 位 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 氏

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Academic year: 2021

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(様式第9号)

学 位 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

Rini Riffiani

審 査 委 員

會見 忠則 霜村 典宏 早乙女 阿座上弘行 上野

Study of fruiting body formation and clamp cell formation in the monokaryon of the edible mushroom Mycoleptodonoides aitchisonii (Bunaharitake)

食用きのこ Mycoleptodonoides aitchisonii(ブナハリタケ)のモノカリオ ンにおける子実体形成とクランプ細胞形成に関する研究

審査結果の要旨(2,000字以内)

本研究では,まず,食用きのこ,Mycoleptodonoides aitchisonii(ブナハリタケ)の いくつかのダイカリオンから分離したモノカリオンにおいて,子実体を産生し,真正ク ランプ細胞を形成することを見出し,担子胞子分離株の詳細な解析を行った.ダイカリ オンである M. aitchisonii TUFC50005株から分離した担子胞子分離株のほとんどは,原 基,または若い子実体のような構造を形成した.その内,モノカリオン TUFC50005-4 株 のみが完全な子実体を形成した.その子実体の形態を詳細に調べると,減数分裂後に核 は 1 つしかなく,担子胞子は 2 つしか生成しなかった.以上のことから,このきのこで は,子実体およびクランプ細胞の形成,減数分裂には二核化が必要ないことが示された.

次に,このきのこの一部の担子胞子分離株が,完全な子実体と真のクランプ細胞を形 成できる形質の遺伝について検討した.真正クランプ細胞が観察された頻度を,ダイカ リオンとモノカリオンの間で比較すると,ダイカリオンでの頻度は,モノカリオンでの 頻度よりもはるかに高かった.TUFC50004 株からの担子胞子分離株であるダイカリオン TUFC50004(F1)および TUFC50004-7×TUFC50004-18(F2)からの担子胞子分離株間で交 配不和合性グループを調べた.両方の交配和合性グループは2グループに分割されたた め,ブナハリタケは二極性きのこであった.さらに,減数分裂後には,交配型に関する 組換え体が分離できなかっため,ブナハリタケの交配型遺伝子座はサブユニット構造を 持たない単一遺伝子座である可能性が示唆された.クランプ細胞形成可能なモノカリオ ンの表現型とその交配型との間に遺伝的連鎖は観察されなかった.従って,モノカリオ ンがクランプ細胞を形成能力は,交配型遺伝子座に連鎖していないことを示した.

(2)

最後に,交配型を制御すると考えられる,ホメオドメインタンパク質遺伝子2(Mahd2)

の遺伝子の解析を行った. M. aitchisonii 50005-18(Maspi 18)株のMahd2のORFは,

1851 bpの長さで,614アミノ酸をコードし,MAHD2の推定分子量は69.93 KDaであった.

また,この Mahd2 の遺伝は,交配型の遺伝と完全にリンクしており,本遺伝子が,交配 型を制御していると結論付けた.Mahd2の転写解析により,クランプ細胞を産生できない モノカリオンよりもクランプ細胞を産生できるモノカリオンの方が Mahd2 の発現が高い ことを示した. 真のクランプを形成できるモノカリオン TUFC 50005-4株において,Mahd2 の最高の相対発現レベルが観察できた.これらの結果は,A交配型ホメオドメインタンパ ク質で調節されたクランプ細胞形成の頻度が,Mahd2遺伝子の高発現によって促進され,

本遺伝子に連鎖していない別の遺伝子が,子実体形成やクランプ細胞形成を制御してい ることを見出した.また,本菌株には,通常 hd2 遺伝子と対になって存在している hd1 遺伝子がゲノム上のhd2近傍に見出されなかったことから,HD1タンパク質とHD2タンパ ク質のヘテロダイマー形成もクランプ細胞形成制御に不要であることが明らかとなっ た.

このように,きのこでは,多くの場合,子実体やクランプ細胞形成に二核化が必要で あるとされているが,必ずしも必要ではなく,特にクランプ細胞形成には,一つのホメ オドメインタンパク質遺伝子の発現によってのみ制御される現象であることを見出し た.きのこの形態形成に二核化が不要であることを見出した本研究成果は,新規性が高 く子実体やクランプ細胞形成機構の解明に極めて重要であり,非常に高く評価される.

以上のことから,本学位論文は,博士学位論文として十分な価値を有すると判定した.

参照

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