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の肝特異的および性特異的な発現制御の分子機構

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Academic year: 2021

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(1)

博 士 ( 薬 学 ) 佐 々 木 恭 正

学 位 論 文 題 名

CYP2C12 遺伝子の 発現制御 機構に関する研究 学位論文内容の要旨

  ラ ッ トのJJT臓に おけ る 薬物 代謝 能に は´ 阯 差が 存rEする 。 その 原囚 の1っと して 、ラ ッ ト で は 雌 性 と 雄 性 と で 各 々 特 異 的 に 発 現 す る チ 卜 ク 口 ー ムP450 (CYP)の 存 在 が 挙 げ ら れ る 。 木 研 究 で は 、 | 堆 性 ラ ッ ト に 特 異i的 に 発 現 す るCYP2C12の 発現 制御 機構 を転写レベルで解 析し、多くの知1見を得た。 すなわち、|堆性ラットの〃1:臓を門1いたl1 VIVO解 析 法 を 確 立 し 、 そ の 手 法 を 用 い てCYP2C12遺 伝 子 の 成 ・ 艮 ホ ル モ ン(GII)依 存性、肝特異性、 性特異性の分子機構を叨ら かにした。

(1)ラ ット 肝 にお けるCYP2C12遺伝 子の 発 現';0御 キ幾榊 のむ| Vl¥‑0解析法の開発

  CYP2C12遺 伝 子 の 発 現 制 御 機 構 の 研 究 が こ れ ま で I到 雛 で あ っ た L‖ 山 と し て 、 CYP2C12を 発 現 す るni:ir]来 の 培 養 糾1胞 が 存 在 し な か っ た こ と が 挙 げ ら れ る 。 こ の 問 題 を 解 決 す る た め 、 新 規 の 実 験 系 と し て ラ ッ ト の 亅 J1: 臓 に 直 接 遺 伝 子 を 注 入 す る ダ イ レ ク ト DNAイ ン ジ ェ ク シ ョ ン 法 を CYP2C12遺 伝 子 の lliL,写 制 御 機 榊 の 解 析 に 適 用 し た 。 CYP2C12遺 伝 子 の 5 ‐ 上 流 . 5L32か ら 十 16ま で の 領 域 を ル シ フ ウ ラ ー ゼ に 述 糸 占 し た レ ポ 一 夕 ー プ ラ ス ミ ド (I̲uc5132)を 構 築 し 、 雌1生 ラ ッ 卜 のJJlJ戯 に 直 接 沚 人 し た 。 そ の 転 写 活 性 を 測 定 し た と こ ろ 、 Luc5132fl: 入 出K分 に お い て 、 CYP2C12の プ 口 モ ー ター に山 来 した 有 意な 転写活´ドJ三が検川.jさ れた。このヰz;´′j.7 I´I:は・ トm仆を功除し て、

Gl・Iが 分 泌 さ れ な く な っ た Ilypoxフ ッ ト で は 个 く 倹 fIiさ れ ず 、IIYl)oxフ ツ 卜 にGlI を 持 続 「 I Jに 投 与 す る と 回 復 し た 。 し た が っ て 、 ホ fW究 で 川 い た ダ イ レ ク 卜 DNA ン ジ ェ ク シ ョ ン 法 は 、 CYP2C12遺 伝 子 のGI‑I依 存fI′ 、Jilii,写 制 御 機 雑 を 解 析 す る 実 験 系 とし て有 用 であ る こと が 明ら か とな った 。

(2)ラ ッ 卜CYP2C12遺 伝 子 の 成 長 ホ ル モ ン 依 存 的 な 発 現 制 御 の 分 子 機 構

  上 述 の むl VIVO解 析 法 を 用 い て 、GI‑I依 存 的 な 発 現 制 御 領 域と 、そ の制 御領 域 に結 合 す る囚 子を 探索 した 。5 . 上 流領 域を 殴階I:nに 欠火 させ たレ ポ ータープラスミドを 用 い た 検 討 か ら 、 そ のtt川 御 領 域 が‑4213か ら‑4162に 仔 ´rす る こ と を 兄 いiHし た 。 こ の領域巾には、転写因子、signal transducer¥ncl;Ic(iv;clorofLranscription (STAT)の糾 合 配 列と 類似 した バリ ン ド口 ーム 配列 、GII responsive elemcnc (GIIRE)が行fI三した。

こ のGI・IRE配 列 が 、 | 雄 性 で 見 ら れ る 持 続 型 のGII分 泌 に 応 答性 を有 する こと を 、下 垂 休 を 切 除 し たHypoxラ ッ ト を 用 い た むlvfVO解 析 よ ル ッJら か に し た 。 さ ら に GHRE配 列 に 結 合 す るGl‑I応 答 因 子 と し て 、s'rATsを 見 い | . 川 ッ た 。 こ のSTAT5は ラ ッ ト の 肝 臓 に お い てGIIに よ り 誘 導 さ れ る | 閏 子 で あ っ た。 この こ とか ら、CYP2C12 のGII依 存 的 な 発 現 制 御 は 、GIIREに 結 合 す るSTAT5に よ り 制 御 さ れ る こ と が 明 ら か となった。

580 ‑

(2)

(3)

ラ ット

CYP2C12

の肝特異的および性特異的な発現制御の分子機構

  CYP2C12の 発 現 の 肝 特 異 性 ま た は ´H: 特 異t1! がSTAT5の み で は 説 明 で き な い こ と か ら 、s'rATsと は 別 の 転 写 制 御 医l子 がCYP2C12の 発 現 制 御 機 榊 に 関 わ るi叮 能 性 が 推 測さ れた 。そ こ で先 ず、CYP2C12のnT特異rvJな発 現を 制 御す るiliL,写制御領域を需周 べ た と こ ろ 、 上 流‑4122か ら ・4036さ ら に‑535か ら‑80の 領 域 を 新 た に 発 現 制 御 領 域 と し て 見 い 山 し た 。‑535よ り 下 流 の 領 域 に つ い て 解 析 し 、JJ「に 豊富 に 発現 する 転 写 囚 子 、HNF‑4と1INF‑6がCYP2C12の 〃1ニ 特 異wな 発 現 に 重 要 で あ る こ と を 明 ら か に し た 。 上 流‑4122か ら‑3036に つ い て も 解 析 し 、 新 規 の 転 写 制 御 領 域 で あ る 2C12‑Iと2C12‑11を 見 い 山 し た 。 さ ら に ゲ ル シ フ ト ア ッ セ イ 法 に よ り2C12‑Iと 2CJ 2‑IIに 結 合 す る 因 子 を 調 ベ 、2C12‑Iに はiI云 写 因 子CREBが 繰 合 し 、2C12‑IIに は 、C/EBPaとHNF‑3aが 結 合 す る こ と がfリ ] ら か と な っ た 。 こ れ ら の 結 果 よ り 、 CYP2C12のJ亅1:特異fl′、Jな発現 には、C/EBPa、IINF−3a、IINFー4および、FINF‑6の4つ の肝特異的因 子が重要であることが明らか となった。

  次 に 、CYP2C12の 性 特 異n′ 、Jな 発現 が どの よう な分 子 機構 によ り引 き起 こ され るか を 調 ぺ る た め 、CYP2C12の 誘 導 囚 子 の 発 現 量 を 贓 雛 両 ラ ッ ト で 比lI皎 検 討 し た 。 し か し 、 こ れ ら 嘉 秀 導 囚 子 の 発 現 量 に 性 差 は 認 め ら れ な か っ た 。 そ こ で 、CYP2C12を 発 現 し な い 雛 性 ラッ 卜が 雌 性と 同様 にCYP2C12の 誘導 能 を有 して いる 可能1! |! を 考え た。

この可能性を 検i正するため、CYP2CJ2遺伝子の欠失変興体を、雄 1吐と雌 l´.I:ラットの 肝 臓 に 注 入 し 、 そ の 転 写 活 性 を 比 較 し た 。 興I尿 深 い こ と にCYP2C12の 発 現 が 見 ら れ な い 雄 性 ラ ッ ト で 、 顕 著 な 転 写 活 性の 上昇 が見 ら れた 。こ のこ とよ り 、雌1生 と同 様に 雄 性 ラ ッ ト で もCYP2C12の 誘 導 機 榊 が 維 持 さ れ て い る こ と がImう か と な っ た 。 し た が っ て 、 雄 性 ラ ッ 卜 でCYP2C12の 発 現 が 見 ら れ な い 原 因 は 、 雄 性 ラ ッ 卜 で 特 異 的 に 働く抑‖;1J機構が存アEしているためとt佐測された。このJnJ制機構を探索するために、ヒ ス 卜 ン 脱 ア セ チ ル 化 酵 素 (llD八C) を 特 異 「lqにI弧 害 す る卜 リコ ス タチ ンAを雄 性ラ ッ トに 投与 した と ころ 、CYP2C12の 発現 が轟K分 『I´、Jに誘 導されることが明らかとなっ た 。 し た が っ て 、 雄 性 ラ ッ 卜 でCYP2C12が 発 現 し な い 原1圏 が 、 遺 伝 子 の ク 口 マ チ ン 構 造 レ ベ ル でHDACに よ り 抑 制 さ れ て い る た め で あ る こ と が 強 く 示 唆 さ れ た 。   

以上本研究より、未知であったCYP2C12 遺伝子のGII 依存的またはJJ1 :特異1 的な発 現制御澱榊を叨らかにし、さらに、性特異的な発現制御機榊について、新しいモデル を確立することに成功した。

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(3)

学位論文審査の要旨

主 査   教 授   鎌 滝 哲 也 副 査   教 授   有 賀 寛 芳 副 査   助 教 授   松 本 健 一 副 査   助 教 授   有 吉 範 高

学 位 論 文 題 名

CYP2C12 遺伝子の発現制御機構に関する研究

申請 者は 、雌 ザItラ ット に特 異n′、Jに 発現 するCYP2C12の 発現 制御 機構を転 写レベルで 解明することを目n'Jと し、1!r界「1'Jな研究成果 を得た。すなわち、本研究で は雌性ラッ トの‖.Tニ臓を川いた,′|、´ivo角ぞ析法を確立し、その手法を用いてCYP2C12遺伝子の成 長 ホ ル モ ン(GII)依 存 性 、 ‖r特 異 性 、 性 特 異 性 の 分 子 機 構 を 明 ら か に し た 。 本 研 究 は 性 特 異 的 なCYP分 子 穏 ま た は 成 艮 ホ ル モ ン(GFI)に よ る 遺 伝 子 の 発 現 制 御 機 榊 の 研 究に有用な慨念を提供す る極めて優れた研究である 。

(1) ラ ッ ト 肝 に お け るCYP2C12遺 伝 子 の 発 現 制 御 機 構 のf′lvfv〇 解 析 法 の 開 発   新 規 の 実 験 系 と し て ラ ッ ト のJn: 臓 に 直 接 遺 伝 子 を 注 入 す る ダ イ レ ク 卜DNAイ ン ジ ェ ク シ ョ ン 法 をCYP2C/2遺 伝 子 の 転 写 制 御 機 構 の 解 析 に 適 川 し た 。CYI 2C12遺 伝 予 の5‐ 上 流‑5132か ら 十16ま で の 領 亅 或 を ル シ フ ェ ラ ー ゼ に 連 結 し た レ ポ 一 夕 ー プ ラ ス ミ ド(Luc5132)を 榊 築 し 、 雌 性 ラ ッ ト のJIr臓 に 直 接 注 入 し た 。 そ の 転 写 活 性 を 測 定 し た と こ ろ 、Luc5132の ぇ1三 入 部分 にお いて 、CYI 2C12の プ口 モー ター に 由来 し た 有 意 な 転 写 活 セItが 検 ‖iさ れ た。 この 転 写活 性は 下垂 体を 切 除し て、GHが 分 泌さ れ な く な っ たllypoxフ ツ 卜 で は 全 く 検fい さ れ ず 、Ifypoxフ ッ ト にGHを 持 続 的 に 投 与 す る と 回 復 し た 。 し た が っ て 、 本f升 究 で 用 い た ダ イ レ ク トDNAイ ン ジ ェ ク シ ヨ ン 法 は 、CYP2C12遺 伝 子 のGlt依 存 的 な 転 写 制 御 機 構 を 解 析 す る 実 験 系 と し て 有 用 で あ る こ と が 明 ら か と な っ た 。

(2)ラ ッ トCYP2C12遺 伝 子 の 成 長 ホ ル モ ン 依 存 的 な 発 現 制 御 の 分 子 機 構

  上述 のf‖ vivoカ¥ 析 法を 用い て、Gl・I依 存的 な 発現 制御 領域 と、 そ の制御領域に結 合 す る 因 子 を 探 索 し た 。 上 流 .4213か ら ー4162に は 、 転 写 因 子 、STATの 結 合 配 列 と 類 似 し た パ リ ン ド ロ ー ム 配 列 、Gll responsive element (GHRE)が存 征し て いた 。こ の GHRE配 列 が 、 雌 性 で 見 ら れ る 持 続 型 のGl‑I分 泌 に 応 答 性 を 有 す る こ と を 、 下 垂 体 を 切 除 し たIlypoxフ ツ 卜 を 凡 ] い た ′nvivo解 析 よ り 明 ら か に し た 。 さ ら にGHRE配 列 に 結 合 す るGl‑I応 答 因 子 と し て 、STAT5を 同 定 し た 。 こ の こ と か ら 、CYP2C12の GH依 存 的 な 発 現 制 御 は 、G1・IREに 結 合 す るSTAT5に よ り 制 御 さ れ る こ と が 明 ら か と なっ た 。

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(3) ラットCYP2C12 の肝特異的および性特異的な発現制御の分子機構

  CYP2C12の 発 現 の 肝 特 異 性 ま た は 性 特 異 性 がSTAT5の み で は 説 明 で き な い こ と か ら 、STAT5と は 別 の 転 写 制 御 凶 子 がCYP2CJ2の 発 現 制 御 機 構 に 関 わ る 可 能 性 が 推 測さ れ た。 検利 .の 結果 、CYP2C12の〃1:特 異 的な 発現 は、C/EBPa、HNF‐3n、HNF.4 および 、lINF,6の4つのJlj:特興「|′、J囚子により制御されていることが明らかとなった。

  さ らに 、CYP2C12の性 特異 「1′、Jな 発現 がど のよ うな 分 子機 構に より 引 き起 こさ れる か を 検 討 し た ネ 占 采 、CYP2C12の 発 現 が 雌 性 ラ ッ ト で の み 見 ら れ る 原 囚 と し て 、 CYP2C12の 発 現 が 軅 性 ラ ッ ト で 特 異 『r、Jに 抑 制 さ れる 機 構が 存征 する こ とが 新た に推 測 さ れ だ 。 こ の 抑 制 機 構 を 探 索 す る た め 、 ヒ ス 卜 ン 脱 アセ チル 化 酵素 (I・IDAC) を特 異 ″ 、Jに 阻 害 す る ト リ コ ス タ チ ンAを 雄 性 ラ ッ ト に 投 与 し た と こ ろ 、CYP2C12の 発 現 が 部 分rI勺 に 誘 導 さ れ る こ と が1川 ら か と な っ た 。 し た が っ て 、 雄 性 ラ ッ 卜 でCYP2C12 が 発 現 し な い 原 因 が 、 遺 伝 子 の ク 口 マ チ ン 構 造 レ ベ ル でHDACに よ り 抑 制 さ れ て い るため であることが強く示唆された 。

  以 上 木 研 究 で は 、 未 知 で あ っ たCYP2C12遺 伝 子 のGH依 存 的 ま た は 肝 特 異 的 な 発 現制 御機 構を |リJら かに し た。 さら に、 性特 異 的な 発現 制御 機 構に つい て、新しいモデ ルを確立することに成功し、|止界「I′、Jにもユニークな研究を展開した。本りf究は分子生 物 か ら 薬 物 代i訥 | 学 に 至 る 広 範 な 分 野 で 極 め て 高 く 評 価 さ れる 。 本論 文『CYP2C12遺 伝予 の発 現4jIJ御t幾 構に 関するりf究』に含ま れるりf究成果は薬学におけ る基礎および応 用 い ず れ に お い て も 優 れ て お り 、 博 士 ( 薬 学 ) の 学 位 を 受 ける に充 分値 す るも のと 認 めた。

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