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学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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博 士 ( 工 学 ) 数 井 誠 人

学 位 論 文 題 名

自動走行システムのための道路消失点及び レーンマーキングの推定に関する研究

学位論文内容の要旨

  本 論 文は 射影 不変 量を 利用 した 自動 走行 シス テム のた めの 消 失点 及び レーン マ ー キ ン グ の 推 定 に 関 す る 研 究 の 結 果 を ま と め た も の で あ る ・   近 年 の 交 通 事 故 件 数 は 年 間90万 件 近 く に 達 し , 交 通 事 故 に よ っ て 年 間9千 人近 い 人々 が命 を落 して いる .事 故原 因の ーつ に運 転中 の疲 労 に伴 う注 意カの 低下 や 居眠 り運 転が 挙げ られ る. その ため ,特 に長 距離 ドラ イ バー や高 齢ドラ イバ ー のた めの 運転 支援 ・自 動走 行シ ステ ムの 必要 性が 以前 か ら指 摘さ れてき た . 近 年 ,CPUやCCDの 発 達 に よ り , 画 像 処 理 に よ る 自 動 走 行 シ ス テ ム の 研 究・ 開 発が 活発 化し てお り, 一部 では 車線 逸脱 防止 シス テム の 実用 化が 始まっ てい る ‐

  画 像 処理 によ る運 転支 援・ 自動 走行 シス テム では ,車 両の 進 行方 向や 走行可 能領 域 を決 定す るた めに ,車 載カ メラ で撮 影し た画 像か ら路 面 上の レー ンマー キン グ 等の エッ ジを 検出 し, 消失 点及 びレ ーン マー キン グの 形 状を 推定 する必 要が あ る. 消失 点や レー ンマ ーキ ング の推 定に 関し て, 従来 多 くの 研究 結果が 報告 さ れて いる .

  こ れ らの 研究 の大 きな 課題 は, 時々 刻々 と変 化す る路 面状 況 に応 じて ,車両 制御 に 必要 な路 面標 示の 情報 を安 定し て得 られ るシ ステ ムを 構 築す るこ とであ る. 従 来手 法は ,悪 天候 や路 面の 掠れ ,あ るい は他 車両 によ る 隠蔽 によ って路 面標 示 のエ ッジ が良 好に 抽出 され ない 状況 にお いて 消失 点方 向 やレ ーン マーキ ング の 推定 を誤 るこ とが ある .

  本 論 文で は, 従来 手法 の上 記問 題点 を解 決す るた め, 消失 点 及び レー ンマー キン グ を安 定し て推 定で きる 手法 に関 する 検討 を行 って いる . 本論 文で は,特 に複 比 を用 いた レー ンマ ーキ ング 等の 路面 標示 のエ ッジ の検 出 手法 を提 案して しゝ る .

  そ し て, 複比 を用 いる こと で従 来行 われ てき た恣 意的 なパ ラ メー 夕設 定を少 なく で きる こと が示 され てい る. また ,走 行環 境の 変化 に対 し て安 定し て路面 標 示 の エ ッ ジ を 検 出 で き , 消 失 点 を 推 定 で き る こ と が 示 さ れ て い る ・   本 論 文 で は , ま ず 第2章で 消失 点推 定の 原理 を説 明し て いる .消 失点 は実 空 間 中 の 平 行 直 線 群 を 画 像 面 ヘ 射 影 変 換 し た と き に ,投 影 され た直 線群 の交 点

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と して求めら れる.ま た,本章 では消失 点推定に用いるHough変換の説明を 行っている.従来の消失点推定手法による計算機シミュレーションを行い,問 題点を明らかにする.

  

第3章では,道路面を画像面へ投影する2次元射影変換の説明を行っている・

そして,本論文で共通して用いる複比について説明している.複比は射影変換 のもとで不変な量であり,対象の形状が変化しない限り,視点の位置によらず 常に同じ値を保つ.

  

第4章では,複比を用いた新たなエッジ検出手法について提案している.さ らに,道路構造令で定められている路面標示の設置様式に基づぃたエッジ検出 の高速化と高精度化について検討している.計算機シミュレーションにより,

従来のレーンマーキングのエッジ検出手法と比較して複比を用いたエッジ検出 が有効であることを示している.

  

第5章では,第

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章で提案した手法による抽出エッジから,直線路における消 失 点及びレー ンマーキ ングをHough変 換を用いて推定する手法の説明を行っ ている.第4章と同様に複比を用いることで,従来手法と比較して安定した推 定結果が得られることを計算機シミュレーションにより示している.提案手法 では,路面標示毎に複比を設定することで,路面標示の変化を検知し,安定し た消失点推定を可能としている.

  

第6章では,第

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章で提案した手法によって推定された消失点座標に基づき,

曲線路におけるレーン形状のパラメータを推定する手法を提案している.計算 機シミュレーションにより,ロバスト推定法と比較して,安定したレーン形状 の推定ができることを示している・

  

第7章では,まとめとして本研究の成果,及び将来への展望について述べる.

  

以上を要約すると,本論文では複比を用いて路面標示のエッジを検出する新 しい手法,及び路面状況の変化に応じて安定して消失点及びレーンマーキング の推定を行う手法を提案している.本研究によって得られた結果から,提案手 法は路面標示のエッジ検出,及び消失点推定に非常に有効であり,大きな成果 が得られたと言える.

(3)

学位論文審査の要旨 主査

副査 副査 副査

教授 教授 教授 助教授

北島 栃内 青木 長谷山

学 位 論 文 題 名

秀夫 香次 由直 美紀

自 動走行システムのための道路消失点及び レーンマーキングの推定に関する研究

  本論文は射影不変量を利用した自動走行シ ステムのための道路消失点及びレーン マ ー キ ン グ の 推 定 に 関 す る 研 究 の 結 果 を ま と め た も の で あ る .   交通事故原因のーっに運転中の疲労に伴う注意カの低下や居眠り運転が挙げられる.

そのため,特に長距離ドライバーや高齢ドライバーのための運転支援・自動走行シス テムの必要性が以前から指摘されてきた.近年の各種のハードウェア要素の発達によ り,画像処理による自動走行システムの実現の見通しが立ち,その研究・開発が活発 化している.

  画像処理による運転支援・自動走行システムでは,車両の進行方向や走行可能領域を 決定するために,車載カメラで撮影した画像から路面上のレーンマーキング等のエツ ジを検出し,検出されたエッジから消失点方向及ぴレーンマーキングの形状を推定す る必要がある.

  消失点やレーンマーキングの推定に関して,従来多くの研究結果が報告されている.

これらの研究の大きな課題は,時々刻々と変化する路面状況に応じて,車両制御に必 要な路面標示の情報を安定して得られるシステムを構築することである.従来手法は,

悪天候や路面の掠れ,あるいは他車両の隠蔽によって路面標示のエッジが良好に抽出 されない状況においては,消失点方向やレーンマーキングの推定を誤ることがある.

  著者は,上記の問題点を解決するため,路面状況の変化に応じて,消失点及ぴレー ンマーキングを安定して推定できる手法に関する検討を行った.路面上に設置された レーンマーキング等の路面標示のエッジを複比を用いて検出する新手法を提案した,

複比を用いることにより,従来行われてきた恣意的なバラメー夕設定を少なくでき,

走行環境の変化に対して安定に路面標示のエッジを検出できることを示した.結果と して,消失点の推定も円滑に行われることを示した,

  著者は,まず第2章で消失点推定の原理を説明した.消失点は実空間中の平行直線 群を画像面へ射影変換したときに,投影された直線群の交点として求められる,また,

本章では消失点推定に用いるHough変換の説明を行った.従来の消失点推 定手法に よ る 計 算 機 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 行 い , 問 題 点 を 明 ら か に し た .

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  第3章では,道 路面を画像面へ投影する2次 元射影変換の説明を行った.そして,

本論文で共通して用いる複比について説明した.複比は射影変換の元で不変な量であ り , 対 象 の 形 状 が 変 化 し な い 限 り , 視 点 の 位置 に よら ず常 に同 じ値 を保 つ.

  第4章では,複 比を用いた新たなエッジ検出手法について提案した,さらに,道路 構造令で定められている路面標示の設置様式に基づぃたエッジ検出の高速化と高精度 化について検討した.計算機シミュレーションにより,従来のレーンマーキングのエツ ジ 検 出 手 法 と 比 較 し て 複 比 を 用 い た エ ッ ジ 検出 が 有効 であ るこ とを 示し た.

  第5章では,第4章で提案した手法による抽 出エッジから,直線路における消失点 及びレーンマーキングをHough変換を用いて推定する手法の説明を行った.消失点 推定においても複比を用いることで,従来手法と比較して安定した推定結果が得られ ることを計算機シミュレーションにより示した.提案手法は,路面標示毎に複比を設 定することにより,路面標示の変化を検知し ,安定した消失点推定を可能とした,

  第6章で は, 第5章で著 者が提案した手法によって推定された消失点座標に基づ き,曲線路におけるレーン形状のパラメータを推定する手法を提案した.計算機シミュ レーションにより,ロバスト推定法と比較して,安定したレーン形状の推定ができる ことを示した.

  第7章 で は , 著 者 は , 本 研 究 の 成 果 , 及 び 将 来 へ の 展 望 に つ い て 述 べ た,

  以上を要約すると,著者は複比を用いて路面標示のエッジを検出する手法を提案し,

それを用いて,路面状況変化の影響を受け難い消失点及びレーンマーキングの推定を 行う有効な手法を開発した.車両の運転支援,自動走行システムの開発のための基礎 研究を通じて,画像工学への貢献が大きぃと認められる.

  よ って 著者 は, 博士 (工 学) の 学位 を授 与さ れる 資格 があ るも のと認める.

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