• 検索結果がありません。

バークシャー種母豚の繁殖形質の遺伝的影響に関する研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "バークシャー種母豚の繁殖形質の遺伝的影響に関する研究"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

原著論文(一 般論文)

バ ークシ ャー種母豚 の繁殖 形質 の遺伝 的影響 に関する研究

垂 水 優 ・江 原 イ グ ナ シ オ1・ 佐 藤 水 咲1・ 渡 邉 正 良2・ 石 田 孝 史 ・原 田 宏 宮 崎 大 学 農 学 部 ・1宮崎 大 学 大 学 院 農 学研 究 科 ・2キリシ マ ドリー ム フ ァー ム株 式 会 社 要 約 本 研 究 で は,バ ー ク シ ャー 種 母 豚3,349頭 を用 い,繁 殖 形 質 で あ る総 産 子 数,生 存 産 子 数,生 存 率, 死 亡 産 子 数,死 亡 率,ミ イ ラ数,ミ イ ラ 率 お よび 離 乳 子 数 と妊 娠 期 間 と を 分 析 対 象 形 質,母 豚 の母 を変 量 効 果 と して 最 小 自乗 分 散 分 析 を 行 っ た 結 果,母 豚 の 母 の効 果 はす べ て の形 質 に対 して1%水 準 で 有 意 で あ り,推 定遺 伝 率 は0.24(総 産 子 数),0.21(生 存 産 子 数),0.11(生 存 率),0.11(死 亡 産 子 数),0.09(死 亡 率),0.06(ミ イ ラ数),0.05(ミ イ ラ 率),0.21(離 乳 子 数)お よ び0.38(妊 娠 期 間)で あ っ た.こ の こ と は母 豚 の 母 の 総 産 子 数,生 存 産 子 数 お よ び 妊 娠 期 間 に 対 す る遺 伝 的 影 響 が 他 の 形 質 よ り も高 か っ た こ と を示 した.こ れ らの 形 質 の 遺 伝 率 は選 抜 の効 果 を 高 め た と考 え られ た.ま た,総 産 子 数 と生 存 産 子 数 の遺 伝 相 関 の 係 数 は0.93を 示 し,総 産 子 数 に よ る選 抜 は 生 存 産 子 数 を増 加 さ せ る と考 え られ た.さ らに,産 次 はす べ て の 形 質 に 対 して 1%水 準 で 有 意 で あ り,分 娩 は5産 か ら6産 まで が 望 ま しい と考 え られ た.以 上 よ り,こ れ まで 注 目 され て い な か っ た バ ー ク シ ャー 種 母 豚 の 繁 殖 形 質,特 に産 次 の 遺 伝 的 改 良 は 雌 豚 の 能 力 を向 上 させ う る こと を示 した. キ ー ワ ー ド:バ ー ク シ ャ ー 種,繁 殖 形 質,一 腹 産 子 数 緒 言 今 日,国 内 外 のBSEお よ び 高病 原 性 鳥 イ ン フル エ ンザ の 発 生 等 の影 響 を 受 け て,消 費 者 は 畜 産 物 に対 して 低 価 格 とい うよ り もむ し ろ,安 全 で 高 品 質 な もの を求 め るよ う に な っ た.ま た,前 述 の 疫 病 の 発 生 を 受 け て 牛 肉 や 鶏 肉 の 代 替 と して 豚 肉 の 需 要 が 伸 び て い るが,近 年 の 生 産 コス トの 急 激 な 上 昇 も相 まっ て,国 産 豚 肉 よ り も輸 入 豚 肉 の 消 費 量 が 年 々 増 加 して い る の が 現 状 で あ る[1].鹿 児 島 県 や 宮 崎 県 を 中心 とす る 南 九州 地 域 で は,こ の よ う な 消 費 者 の ニ ー ズ に応 え る た め,バ ー ク シ ャー 種 を肥 育 豚 と して 利 用 し,黒 豚 の 名 で 銘 柄 豚 と して の 普 及 に努 め て い る.バ ー ク シ ャー 種 の 肉 質 は 筋 繊 維 が 細 い た め 柔 らか く,ま た,脂 肪 融 点 が 高 い た め 軟 脂 にな り に く く,食 べ た と き も脂 が べ と つ か ず さ っ ぱ りと して い る と い う報 告[2]が あ り,肉 質 面 で 優 れ た 品 種 と して 評 価 され て い る.し か し,繁 殖 形 質 につ い て は 他 の 品 種 に 比 べ て 産 子 数 が 少 な い と い う 報 告 [3]が あ る.豚 の産 子 数 は重 要 な経 済 形 質 の 一 つ で あ る が, 従 来 我 が 国 にお け るバ ー ク シ ャー 種 豚 の 系 統 造 成 で は,繁 殖 形 質 は 雌 の 記 録 しか 得 られ ず 個 体 選 抜 によ る改 良 が 困 難 で あ るた め,主 な 選 抜 形 質 と して は あ ま り取 り上 げ られ な か った. そ こで 本 研 究 で は,産 子 数 増 加 を 目的 と し,一 代 祖 まで 確 認 で きて い るバ ー ク シ ャー 種 母 豚 の一 腹 産 子 数 等 の繁 殖 情 報 を用 い,繁 殖 形 質 に及 ぼす 要 因 につ い て検 討 を行 っ た. 材 料 お よ び 方 法 本 研 究 には,宮 崎 県 キ リ シマ ド リー ム フ ァー ム 株 式 会 社 よ り提 供 さ れ た2003年7月 か ら2006年2月 ま で に 生 産 され た,一 代 祖 ま で 確 認 で き るバ ー ク シ ャ ー 種3,349頭 の 母 豚 記 録 を用 いた.な お,統 計 分 析 に供 す るす べ て の繁 殖 形 質 につ いて 明 らか に異 常 と思 わ れ る値 と母 豚 の母 か ら み て 後 代 が2頭 以 下 の 記 録 は 除 い た. 分 析 対 象 形 質 に は,母 豚 の 繁 殖 形 質 に対 す る要 因効 果 を 検 討 す る 目的 で,総 産 子 数,生 存 産 子 数,生 存 産 子 数 を総 産 子 数 に対 す る割 合 と して 表 した 生 存 率,死 亡 産 子 数,死 亡 産 子 数 を総 産 子 数 に対 す る割 合 と して 表 した 死 亡 率,ミ イ ラ数,ミ イ ラ数 を総 産 子 数 に対 す る割 合 と して 表 した ミ イ ラ率,妊 娠 期 間 お よび 離 乳 子 数 を取 り上 げた.な お,離 乳 子 数 に関 して,分 娩 後,自 身 の産 子 以 外 も受 け入 れ て 哺 乳 をす る場 合(里 子)が あ り,哺 乳 開始 時 は里 子 の 出 し入 れ が 行 わ れ るの で,哺 乳 開 始 頭 数 が 実 際 に産 ん だ頭 数 と異 な る場 合 が あ る.す な わ ち,離 乳 子 数 に は 子 を産 む 能 力, 里 子 お よ び 哺 育 能 力 の3つ の 要 因 が 含 まれ,遺 伝 率 お よ び 産 子 数 等 と の遺 伝 相 関 は意 味 を 成 さ な い と考 え られ る. 連 絡 者:原 田 宏(te1・fax:0985-58-7199,e-mail:[email protected])

(2)

垂 水 ・江 原 ・佐 藤 ・渡 邉 ・石 田 ・原 田 そ こで,本 来 な らば 里 子 数 を考 慮 した 哺 乳 開 始 頭 数 に対 す る 離 乳 子 数 の 割 合(育 成 率)と して 算 出 す べ きだ が,今 回 は 母 豚 が 育 て た 子 豚 数 の み に着 目 し分 析 を行 った. 供 試 豚 の 産 次,分 娩 時 日齢 な らび に 妊 娠期 間,総 産 子 数, 生 存 産 子 数,生 存 率,死 亡 産 子 数,死 亡 率,ミ イ ラ数,ミ イ ラ率 お よ び 離 乳 子 数 の 概 要 は 表1に 示す とお りで あ る. 表1.供 試豚 の 基 本統 計 量 Mean±SD:平 均値 ±標 準 偏差,CV:変 動係 数(%),Min.:最 小 値,Max.:最 大値 各 分 析 対 象 形 質 に対 す る遺 伝 お よ び 環 境 要 因 の 効 果 を明 らか に す る た め,Harvey[4]の 最 小 自乗 分 散 分 析 プ ロ グ ラ ムLSMLMW(Ver.PC2)を 用 い て 分 析 を 行 っ た. 要 因 効 果 と して,母 豚 の 母 を変 量 効 果,産 次 を主 効 果,分 娩 時 日齢 を 回 帰 と した.な お,生 存 産 子 数,死 亡 産 子 数 お よ び ミイ ラ数 は,夜 間 を除 いて 分 娩 直 後 に確 認 され た 数 で あ る.分 析 に用 い た数 学 モ デ ル は 以 下 に 示す とお りで あ る. Yij=μ+Li+Mj+a1(Dij-D)+eij た だ し,Yij.分 析 対 象 形 質 の観 測 値,μ:全 平均,Li: i番 目 の 母 豚 の 母 に 共 通 の 変 量 効 果(i=383水 準),Mj:j 番 目 の産 次 に 共 通 の母 数 効 果(j=7水 準),a1:分 娩 時 の 日齢 へ の1次 偏 回 帰 係 数,Dij:供 試 豚 の分 娩 時 日齢,D): 分 娩 時 の 日齢 の 算 術 平 均,eij:残 差 で あ る. な お,本 分 析 に あ た り予 備 分 析 を行 っ た 結 果,交 互 作 用 で は 有 意 性 が 認 め られ な か った こ とか ら,本 分 析 で は交 互 作 用 の 効 果 は 考 慮 しな か った. 結 果 お よ び 考 察 最 小 自乗 分 散 分 析 を 行 っ た 結 果,表2に 示 す よ う に母 豚 の母 お よ び 産 次 の効 果 は す べ て の 形 質 に対 して,1%水 準 で 有 意 性 が 認 め られ た.分 娩 時 日齢 につ いて は,い ず れ の 形 質 に対 して も有 意 性 を示 さな か った. 表2.各 繁 殖 形 質 に対 す る分 散 分 析 表 **:P〈0.01,NS:有 意 性 な し. TP:総 産 子 数,SN:生 存 産 子 数,SNP:生 存 産 子 割 合(SN/TP),DPN:死 亡 産 子 数, DPNP:死 亡 産 子 割 合(DPN/TP),MN:ミ イラ数,MNP:(MN/TP),GL:妊 娠 期 間,WN: 離 乳 子 数. また,バ ー ク シ ャー 種 母 豚 の 母 の 遺 伝 的 影 響 を明 らか に す るた め に,遺 伝 率,遺 伝 相 関 お よ び 表 型 相 関 を求 め,表 3に 表 した. 表3.各 繁殖 形 質 の遺 伝 的 パ ラ メ ータ 右上:遺伝相関,左下:表型相関,※遺伝率±標準誤差. 形質名の略号は表2と同様である. 妊 娠 期 間 の遺 伝 率 が0.38と 最 も高 く,ミ イ ラ率 の 遺 伝 率 が0.05と 最 も 低 い結 果 とな っ た こ と か ら妊 娠 期 間 に つ い て は,選 抜 の 有 効 性 が 示 唆 さ れ た.Olivierら[5]の 報 告 に よ る と,初 産 次 と2産 次 の 総 産 子 数 に対 して 選 抜 を行 っ た 結 果,遺 伝 率 は0.02±0.15と 非 常 に 低 か っ た と さ れ て い る.本 研 究 の 総 産 子 数 お よ び 生 存 産 子 数 の 遺 伝 率 に つ いて は0.24お よ び0.21と 比 較 的 高 い 値 と な り, 選 抜 にお い て 有 効 で あ る可 能 性 が 示 唆 さ れ た.制 限 付 き 最 尤 推 定(REML)法 に よ っ て 総 産 子 数 お よ び 生 存 産 子 数 の 遺 伝 的パ ラメ ー タ を推 定 した 報 告[6,7,8,9]で は, 両 者 の 差 は極 め て 小 さ い もの の,総 産 子 数 の遺 伝 率 が 生 存 産 子 数 の そ れ を上 回 って い る と され て お り,本 研 究 で も 同 様 の 結 果 を 示 し た.死 亡 産 子 数 に つ い て は,0.11と 比 較 的 低 い 値 とな っ た.こ の 結 果 は,従 来 報 告[9,10,11] さ れ て い る死 亡 産 子 数 の 遺 伝 率0.04∼0.11と 同 様 の 結 果 を示 した.生 存 率 お よ び 死 亡 率 の遺 伝 率 は,そ れ ぞ れ0.1 前 後 と報 告[12,13]さ れ て お り,本研 究 で もそ れ ぞ れ0.11 お よび0.09と ほ ぼ同 様 の 結 果 を示 した. 遺 伝 相 関 につ いて は,総 産 子 数 と生 存産 子 数 の 間 で0.93 で あ り,高 い正 の相 関 係 数 が 得 られ,報 告[7]と ほ ぼ 同 様 の値 を示 した.こ れ らの ことか ら,総 産 子 数 が 増 加 す る と 同時 に生 存 産 子 数 も増 加 す る傾 向が 認 め られ,選 抜 の 際 の有 効 性 が 示 唆 され た.総 産 子 数 と死 亡 産 子 数 お よ び 総 産 子 数 と ミイ ラ数 との 間 で は,そ れぞ れ0.44お よ び0.49 で あ り,比 較 的 高 い正 の相 関係 数 が 得 られ た こ とか ら,総 産 子 数 につ いて 選 抜 す る と生存 産 子 数 の増 加 と 同時 に死 亡 産 子 数 お よ び ミイ ラ数 が 増 加 す る傾 向 が認 め られ,改 良 の 際 は総 産 子 数 が 大 き い だ け で な く,死 亡 産 子 数 お よ び ミ イ ラ数 が 小 さ い も の を選 抜 す る こと が必 要 と考 え られ た.総 産 子 数 と生 存 率 との 間 で は-0.27と 負 の 相 関 係 数 を 示 し, 総 産 子 数 の増 加 は 生 存 率 の減 少 を も た らす と示 唆 さ れ た. こ の原 因 は,妊 娠 時 の飼 養 管 理 お よ び産 子 数 増 加 に よ る分 娩 時 間 の延 長 か ら,分 娩 時 の事 故 が起 こ りや す い た め で は な いか と思 わ れ た.総 産 子 数 と死 亡 率 お よ び総 産 子 数 とミ イ ラ率 で は,0.21お よ び0.26と 比 較 的 高 い正 の相 関係 数 を示 した.生 存 率 と死 亡 率 お よ び ミ イ ラ率 との 間 で は,そ れ ぞ れ-0.91お よ び-0.77と 高 い値 を示 し,生 存 率 の 増

(3)

加 は 死 亡 率 お よ び ミ イ ラ 率 を減 少 さ せ る傾 向 が 認 め られ た.妊 娠 期 間 と総 産 子 数 お よ び 妊娠 期 間 と生存 産 子 数 の 間 で,そ れ ぞ れ-0.10,-0.16で あ り,低 い値 で は あ る が 負 の相 関係 数 が得 られ た こ とか ら,総 産 子 数 お よ び 生存 産 子 数 に対 す る遺 伝 的改 良 は,妊 娠 期 間 の増 加 を もた らさ な い と考 え られ た.生 存 産 子 数 と 生 存 率 との 間 で は,0.12と 低 い値 で あ る が正 の相 関 を示 し,生 存 率 が増 加 す る と生存 産 子 数 も増 加 す る こ とが示 唆 さ れ た.死 亡 産 子 数 と死 亡 率, ミ イ ラ数 と ミ イ ラ率 と の 間 で は,そ れ ぞ れ0.96,0.97と 高 い正 の相 関 を示 し,死 亡 産 子 数 お よ び ミ イ ラ数 が多 い個 体 は,死 亡 率 お よび ミイ ラ率 が 高 くな る傾 向 が 認 め られ た. 総 産 子 数 と離 乳 子 数,生 存 産 子 数 と離 乳 子 数 の 間 で はそ れ ぞ れ 報 告[7]よ り も高 い値 を 示 し,総 産 子 数 お よ び 生存 産 子 数 の多 い個 体 は離 乳 子 数 が多 い傾 向 が認 め られ た. 表 型 相 関 に つ い て は,総 産 子 数 と生存 産 子 数,総 産 子 数 と離 乳 子 数 お よ び 生 存 産 子 数 と離 乳 子 数 の 間 で 報 告[7] とほ ぼ 同様 の値 を示 した が,生 存 産 子 数 と死 亡産 子 数,生 存 産 子 数 と ミ イ ラ数 と の 間 で そ れ ぞ れ-0.12,-0.08で あ り,低 い負 の相 関係 数 が得 られ た.遺 伝 相 関 で は正 の相 関 係 数 で あ っ た こ とか ら,環 境 要 因 の改 善 に よ り,死 亡産 子 数 お よ び ミ イ ラ 数 が減 少す る こ とが推 察 さ れ た. 産 次 の 効 果 は,表2に 示 し た とお りす べ て の形 質 に 対 し1%水 準 で有 意 性 が 認 め られ た.す べ て の分 析 対 象 形 質 に対 す る産 次 の効 果 に つ い て検 討す る た め に,産 次 別 最 小 自乗 平均 値 を 図1か ら図5に 示 した. 図1.産 次 別 総 産 子 数(TP)お よび 妊 娠 期 間(GL)の 最 小 自乗 平 均 値 異 符 号 間 に有 意 性 あ り(P<0.01) 図2.産 次 別生 存 産子 数(SN)お よび 生 存産 子 割 合(SNP) の 最 小 自乗 平 均 値 異 符 号 間 に有 意 性 あ り(P<0.01). 図3.産 次別 死亡 産子数(DPN)お よび死 亡産子 割合(DPNP) の 最 小 自乗 平 均 値 異 符 号 間 に有 意 性 あ り(P<0.01) 図4.産 次 別 ミ イ ラ 数(MN)お よ び ミ イ ラ 割 合(MNP) の 最 小 自 乗 平 均 値 異 符 号 間 に有 意 性 あ り(P<0.01). 図5.産 次 別 離 乳 子数(WN)の 最 小 自乗 平 均 値 異符 号 間 に有 意 性 あ り(P<0.01) 総 産 子 数,生 存 産 子 数 お よ び 生 存 率 につ いて は 同 様 の 推 移 が 認 め られ た.そ れ ぞ れ3産 次 で 最 も 高 い 値 とな っ た こ と か ら,こ の 時 期 に母 豚 が 性 成 熟 に 到 達 した と推 察 さ れ た.ま た,ど ち らの 形 質 も4産 次 以 降 は 徐 々 に 頭 数 が 減 少 す る傾 向 が み られ た.死 亡 産 子 数 につ いて は,1産 次 に高 い 値(0.40)で あ っ た こ と か ら生 殖 器 官 あ る い は 胎 子 を育 成 す る た め の ホ ル モ ン分 泌 等 の 生 理 的 能 力 が 未 熟 な ま まで の妊 娠 が 原 因 で は な い か と推 察 され た.2産 次 か ら 6産 次 は 徐 々 に減 少 して い く傾 向 が 認 め られ た が,7産 次 (0.33頭)に は1産 次 と同 様 の高 い値 を示 した.こ れ らは 死 亡 産 子 数 に つ い て の報 告[12]よ りも低 い 値 を示 し た. 死 亡 率 につ いて は死 亡 産 子 数 と同 様 の 傾 向 を示 した.1産

(4)

垂 水 ・江 原 ・佐 藤 ・渡 邉 ・石 田 ・原 田 次 で は,総 産子 数 は3産 次(8.0頭)と ほ ぼ 変 わ らな い値(7.8 頭)で あ る の に対 し,生 存 率 は 最 小 値92.5%を 示 し,死 亡 率 は 最 大 値4.7%を 示 した.こ の こ とは,先 程 死 亡 産 子 数 で述 べ た理 由 に加 え,分 娩 時 の事 故 が 多 い こと も原 因 と 考 え られ た.こ の た め,1産 次 は 妊 娠 中 の 母 豚 の 生 理 的 発 達 を妨 げな い よ う な十 分 な飼 養 管 理 と分 娩 時 の事 故 を 防 ぐ 注 意 が 必 要 と窺 わ れ た.ミ イ ラ数 につ い て は,1産 次 か ら 5産 次 は ほ ぼ 同 様 の 値 を示 し,6産 次 お よび7産 次 にそ れ ぞ れ 比較 的 高 い値 を示 した.ミ イ ラ率 に つ い て は ミ イ ラ数 と同 様 の 傾 向 を示 した.よ っ て,6産 次 以 降 総 産 子 数,生 存 産 子 数 お よ び 生存 率 は減 少 し,死 亡 産 子 数,死 亡率,ミ イ ラ数 お よ び ミ イ ラ率 は増 加 す る 傾 向 が あ る こ とか ら,6 産 次 を境 に して 母 豚 の能 力 が 低 下 す る こ とが 示 唆 さ れ た. 一 般 的 に,全 国 の 農 場 で は6産 か ら7産 で 母 豚 を 更 新 す る とい わ れ て お り,本 研 究 の 結 果 か ら もそ れ 以 上 に産 次 を 重ね る こ とは,集 団 の 平 均 能 力 を 低 下 さ せ る 原 因 に な り得 る と考 え られ た.妊 娠 期 間 につ い て は1産 次 で 最 も高 い 値(115.57日)を 示 し,前 述 と 同様,生 殖 器 官 が 十 分 に 発 達 して いな い こ と が影 響 して い る と推 察 され た.2産 次 以 降 は ほ ぼ 同 様 の値(115.28か ら115.33日)を 示 し た. 離 乳 子 数 に つ い て は1産 次 が 最 も低 い 値(6.8頭)で あ っ た. これ は 生 存 産 子 数 が 多 くな い 上,泌 乳 量 も十 分 で な い こ と が 原 因 で あ る と推 察 さ れ た.2産 次 以 降 は7.54か ら8.06 頭 と各 産 次 を 比 較 して も大 き な 増 減 は 認 め られ な か っ た. す な わ ち,離 乳 子 数 は2産 次 以 降,母 豚 の 哺 育 能 力,飼 養 条 件 お よ び 温 度 管 理 等,他 の 要 因 によ り影 響 され る の で は な いか と推 察 され た. これ らの 結 果 よ り,総 産 子 数 で の 選 抜 は 生 存 産 子 数 を増 加 させ るの に有 効 で あ る と考 え られ る もの の,生 存 率 を減 少 させ,同 時 に死 亡 産 子 数 お よ び ミイ ラ数 を増 加 させ る傾 向 が あ る.し た が って,産 子 数 の 改 良 には 生 存 産 子 数 の利 用 が 望 ま し い と推 察 され た.ま た,死 亡 産 子 数 お よび 死 亡 率 は6産 次 に 向 か って 減 少 したが,7産 次 に高 い値 を示 し た こ とか ら母 豚 の 適 度 な 産 次 構 成 を保 ち 改 良 す る こ と を考 え る と,供 用 年 限 は5産 か ら6産 が 望 ま しい と推 察 さ れ た. 以 上 の こ と を考 慮 して 検 討 を進 めれ ば,一 腹 産 子 数 の増 加 お よび 改 良 の 効 率 化 が 見 込 まれ,結 果 と して 肉豚 増 産 が 可 能 で あ る と考 え られ た. 謝 辞 本 研 究 を遂 行 す る に あた り,終 始 ご協 力頂 い たキ リシ マ ド リー ム フ ァー ム 株 式 会 社 の関 係 各 位 に深 く謝 意 を表 しま す. 文 献 1) 食 肉鶏 卵 に 関す る最 近 の情 勢 に つ い て.農 林 水 産 省, 2008. 2) 川 井 田 博.鹿 児 島 県 黒 豚 の 産 肉 性 と 肉 質 特 性.肉 の 科 学,28:1-8.1987. 3) 家 畜 改 良 増 殖 目 標.農 林 水 産 省,2005.

4) Harvey WR. User,s Guide for LSMLSW and MIXMDL PC-2 ver, Mixed model Least-squares

and Maximun Likehood Computer Program. Ohio State Univ. Coloumbus. 1990.

5) Ollivier L. Pig news and information, 3 : 383-388. 1982.

6) Southwood OI, BW kennedy. Estimation of direct and maternal genetic variance for litter size in Canadian Yorkshire and Landrace swine using an animal model. Journal of Animal Science, 68:1841-1847. 1990.

7) Roehe R, BW Kennedy. Estimation of genetic parameters for litter size in Canadian Yorkshire and Landrace swine with each parity of farrowing treated as a different trait. Journal of Animal Science, 73:2959-2970. 1995.

8) Alfonso L, JL Noguera, D Babot, J Estany. Estimates of genetic parameters for litter size

at different parities in pigs, Livest. Prod. Science, 47:149-156. 1997.

9) Serenius T, ML Sevon-Aimonen, A Kuse, EA Mantysaari, A Maki-Tanila. Selection potential

of different prolificacy traits in the Finnish Landrace and Large White populations. Acta Agric. Scand, 54:36-43. 2004.

10) Holm B, M Bakken, G Klemetsdal, O Vangen. Genetic correlations between reproduction and production traits in swine, Journal of Animal Science, 82:3458-3464. 2004.

11) Mango J, I Misztal, S Tsuruta, M Culberson, W Herring. Threshold-linear estimation of genetic parameters for farrowing mortality,

litter size, and test performance of Large White sows, Journal of Animal Science, 83:499-506. 2005.

12) Damgaard LH, L Rydhmer, P Lovendahl, K Grandinson. Genetic parameters for within-litter variation in piglet birth weight and change in within-litter variation during suckling. Journal of Animal Science, 81:604-610, 2003. 13) Lund MS, M Puonti, L Rydhmer, J Jenson.

Relationship between litter size and perinatal and pre-weaning survival in pigs. Journal of Animal Science, 74:217-222. 2002.

(5)

Abstract

Genetic

Influences

of the Sow Reproductive

Traits

in Berkshire

Yuu TARUMI, Ignacio EHARA' , Misaki SATO' ,

Masayoshi UVATANABE 2 , Takafumi ISHIDA and Hiroshi HARADA

Faculty of Agriculture, University of Miyazaki,1 Graduate School of Agriculture, University of Miyazaki,

2Kirishima Dream Farm Co., Ltd.

In this study, 3,349 Berkshire sows were examined in order to clarify the effects of genetic and environmental factors on their gestation length (GL) and litter size as the reproductive traits. The indexes of litter size were

divided into the total parishioners (TP) and the number of the survival (SN) or the death parishioners (DPN), the mummies (MN) and those ratios (SNP, DPNP and MNP) for the total parishioners and the number of the weaning piglet (WN) as analysis objects. As a result of least squares analysis of variance with use of random effects of dam,

the effect of dam was significant (P<0.01) for all traits, and heritability estimates from this study were 0.24 (TP), 0.21 (SN), 0.11 (SNP), 0.11 (DPN), 0.09 (DPNP), 0.06 (MN), 0.05 (MNP), 0.21 (WN) and 0.38 (GL). These estimates indicated that the dam's genetic contribution to TP, SN and GL was higher than the other traits. The heritability for these traits was encouraging for within breed selection. The genetic correlation coefficient between TP and SN showed 0.93, and it was thought that the selection by TP brought a good result to SN. In addition, as for the effect of the parity was significant (P<0.01) for all traits and it was thought that the parturition was desirable as for five to six for an in-service term. From these results, it was suggested that the genetic improvements of the reproductive traits was one of the important subjects while considering their parity for the Berkshire sows which was not focused very much till now.

参照

関連したドキュメント

行列の標準形に関する研究は、既に多数発表されているが、行列の標準形と標準形への変 換行列の構成的算法に関しては、 Jordan

[r]

 介護問題研究は、介護者の負担軽減を目的とし、負担 に影響する要因やストレスを追究するが、普遍的結論を

今日のお話の本題, 「マウスの遺伝子を操作する」です。まず,外から遺伝子を入れると

According to multi- variate analysis, expression of CD42b, a platelet marker, in our biopsy specimens from advanced gastric cancer with preoperative DCS therapy was

挿し木苗生産システムの開発を行った。2種のフタバガキ科樹種、S/to剛Sc伽jca

小田25)は「デトラヨ■一ドフエノールフタレンナ

 哺乳類のヘモグロビンはアロステリック蛋白質の典