那須野が原博物館紀要 第 16 号 2020 はじめに 現在の那須野が原博物館の前身は、旧西那須野町 時代の昭和 52 年(1977)に、明治開拓地の旧三島 農場事務所に位置していた三島別邸の一部を移築し て開館した。しかし、資料の保存や展示に制約があ り、さらには、平成 5 年(1993)の西那須野町郷土 資料館(以下、郷土資料館)焼失という悲劇を味わっ て、プレハブの仮住まい状態が続いた。 郷土資料館は、開設当初から地域住民の支えがあ り、那須野ヶ原開拓史研究会や「石ぐら会」などの 自主団体が学校教育や生涯学習活動と連携して活動 していて、総合的な博物館の必要性を町当局に提案 していた。 そうした地域住民の声が実り、平成 16 年(2004) に(仮称)那須野が原博物館建設の計画がなされた。 また、平成 14 年(2002)12 月末頃から「地域に親 しまれる博物館でなければ」という声も上がり、平 成 15 年(2003)3 月に「博物館と共に歩む会検討 委員会」という名の下に、那須野が原の歴史・文化 に関心を持つ人や郷土資料館を愛する人たちが集 い、夜遅くまで博物館と連携した市民活動の夢や課 題を語り合った。そして、その活動が結実し、平成 15 年 10 月 18 日、那須野が原博物館完成の約半年 前に「ミュージアムフレンズなすの」が誕生した。 会の活動は 15 年と短い間ではあったが、市民活 動としての成果や課題について得るものがあったと 自負している。ここでは、会の活動を記録すること により、次に生まれるであろう新たな市民活動への 期待と指針としたい。 1 会設立までの経緯 (1)名称について 「博物館と共に歩む会検討員会」の話し合いでは、 那須野が原の自然環境や地域文化の特色を彷彿さ せ、親しみを持てる名前にということになり『にしっ ぱら』『みくまり』『なすのミューゼ』『ミュージア ムフレンズなすの』の 4 つが候補に挙がった。 最終的には「館主導の案内ボランティアや活動で はなく、市民が主体的に活動できる会にしよう」と 『ミュージアムフレンズなすの』に決定し、『みくま り』を会報名とした。 (2)組織と活動内容 「博物館と共に歩む」をテーマに話し合い、以下 のようなことが決まった。 ①事務局 ⅰ総務…学芸員および各部門との連携・調整 ⅱ庶務…文書作成・記録等および会の円滑運営・ 補佐 ⅲ会計…会費・運営費等の徴収管理 ②活動部門 ⅰ受付・案内…来館者への解説およびサ−ビス・ 「石ぐら会」活動への協力と連携 ⅱ学習・講座…地域文化醸成と継承 ・自主研究および研修・講座の企画運営 ・「親子土曜講座」(仮称)の企画運営 ・見学研修会の企画運営 ⅲ製作・販売…ミュ−ジアム・グッズの開発・製 作・販売 ・委託開発販売 ・自主開発および販売 ⅳ広報…博物館活動の広報と諸機関との連携 ・自主研究・講座の記録 ・研究集録の編集 ・博物館のPR(会報) ③研修部門…会員の資質向上および研鑽活動 ・博物館活動の学習および研修 ・文化財学習および研修 ※協力団体部門…ボランティア部活動への派遣・協 力および連携 『石ぐら会』『那須野ヶ原開拓史研究会』『那須文 化研究会』『西那須野古文書研究会』『西那須野土 器づくりの会』『那須野が原の自然調査会』『民俗 の会』 (3)趣意書と会則 上記のような意見集約の下、博物館や会の活動に
「ミュージアムフレンズなすの」の活動記録
木村 康夫
那須塩原市那須野が原博物館 〒 329-2752 栃木県那須塩原市三島 5 丁目 1 番地目指します (1)自主研究や学習を行います (2)文化継承と郷土愛を育みます (3)博物館活動の支援協力を行います 2 会員の資格…会の趣旨に賛同いただける個人や企業 3 会費 (予定) (1)個人会員…年会費 2,000 円 (2)家族会員…年会費 3,000 円 (3)法人会員…年会費 (要検討) 4 会員の特典 (1)会の諸活動に参加できます (2)ミュージアムグッズや図書類を割引料金で購入 できます (3)博物館や会の各催し物の案内・広報誌が配布さ れます (4)法人会員は広報誌に掲載されます ※この会は、博物館と共に活動することで、私たち地 域住民に身近で親しみの持てる施設になるようなボラ ンティア活動も考えています。活動への参加は自由で すので、できる方はご協力ください。 ミュージアムフレンズなすの(仮名)設立準備会 ②会則 市民主体の活動にしたいと考え、以下のような会 則とした。 第 1 条 (名 称) この会は、「ミュージアムフレンズなすの」と言う。 第 2 条 (目 的) この会は、那須野が原を愛好する人々の集まりで、 博物館活動に協力し、教養と郷土愛を培い、地域文化 向上に努める。 第 3 条 (活 動) この会は、前条の目的を達成するために次の活動を 行う。 (1)博物館活動への協力 (2)自主講座や学習活動の企画・運営 (3)ミュージアムグッズ開発・製作・販売 (4)図書・図録等の販売 (5)会報の発行や活動資料の保管 (6)その他、本会の目的達成のために必要な諸活動 第 4 条 (会員と特典) 会員とは、本会の趣旨に賛同し所定の手続き (入会・ 更新) をし、会費を納めた個人・家族・法人会員で構 成される。但し、法人会員は A,B,C の 3 ランクに分け、 会員特典は一律に扱う。 会員は会員証の交付を受け、次の特典を受けること ついて、市民に理解してもらうには、どのような文 面が良いのか、どのような活動にすれば博物館との 連携が図れるのか、多くの意見が交わされ協議結果 を設立総会で諮った。以下に、趣意書と設立総会の 審議内容 (会則と各部の活動趣旨) を記す。 なお、趣意書による会員募集の呼びかけを積極的 に行い、設立総会の案内時 (平成 15 年 9 月 19 日) の会員総数は 86 名 (個人 45・家族 22・法人 19) を 数えた。また、設立記念事業として、井上二美子さ ん (那須町役場湯本支所長:当時) による語部口演 会も行われた。 ①趣意書 (仮称)那須野が原博物館 と共に歩む会 ミュージアムフレンズなすの(仮名) を設立します 冬は那須おろしに耐え夏は一滴の水を慈しみなが ら、生活を創り文化を育んできた那須野が原の貴重な 遺産が語りかける広場に、あなたも参加してみません か。 (仮称)那須野が原博物館は、私たち地域住民が支 え愛する博物館でありたいと考えます。また、郷土資 料館活動から生まれた学習研究団体と手を携えて、優 れた地域文化情報の発進基地として共に学び豊かな教 養を身につけることも、私たち地域住民として大切な ことだと思います。 そこで、古代から現代へと絶えることなく積み重ね てきた那須野が原の豊かな自然や貴重な歴史文化を私 たち地域住民自らが育み伝える団体、「ミュージアム フレンズなすの」(仮名)を設立します。 先人たちが残してきた貴重な文化遺産や自然に触 れ・学ぶ活動を通して、人生をより豊かにしてみませ んか。 1 会の活動…博物館を愛し親しむ住民参加の活動を 写真 1. 総会風景①
イ 活動計画、および収支予算 ウ 会則・規定の制定、および改廃 エ その他の重要事項 オ 役員の選出 (2)緊急決議の重要事項が生じたときは、臨時総会 を開催することができる (3)役員会は必要に応じて会長が招集開催する 第 9 条 (経 理) 会の経理は、会費・寄付金・活動収入等を持って充 てる。 第 10 条 (会 計) 会の会計年度は、毎年 4 月 1 日に始まり翌年 3 月末 日に終わる。 第 11 条 (事務局) 会の活動を円滑に進めるために、事務局を那須野が 原博物館内に置くものとする。 第 12 条 (その他) この会則に定めるもののほか、必要な事項は別に定 める。 その後、役員会において、何度か会の活動内容の 見直しが行われ、会則の改定を図った。 1 本会則は設立総会 (H15,10,18) の決議採択で実行と なる。 2 第二回定期総会 (H17,4,17) の 6 号議案の第 4 条 (会 員・特典) の条文追記「会費滞納会員の除籍処置」 を決議採択した。 3 第九回定期総会 (H24,4,22) の 5 号議案で第 3 条 (活 動) 4 条 (会員、特典) 6 条 (役員) 8 条 (会議) の部 分改正と組織改正を決議採択した。 4 臨時総会 (H25,06,29) の 2 号議案で第 2 条 (目的) 3 条 (活動) 7 条 (組織) の部分削除を決議採決した。 付則 決裁権限の規定 H15,10, 制定 ③各部の活動趣旨について それぞれの部の活動を明確にするため、以下のこ ができる。 (1)会の活動に参加できる (2)ミュージアムグッズ・図書類を割引で購入でき る (3)博物館や会の各催しの案内・広報紙が配布され る (4)会発行の無料入館券で博物館展示室に入り観覧 できる (5)ショップでの購入は会員証提示で会員割引の購 入ができる ただし、2 年連続し会費未納の会員は未納 2 年目の 会費督促納付期限日をもって除籍される。 第 5 条 (会 費) 会費は、年額会費とし次の通りとする。但し、年度 後半 (10 月 01 日以降) の入会は半額とする。 ・個人会員 2,000 円 ・家族会員 3,000 円 ・法人会員 A = 30,000 円、B = 10,000 円、 C = 5,000 円 第 6 条 (役 員) 次の役員を置き、総会で選出される。任期は 2 年とし、 再任は妨げない。 ・会 長 1 名 ・副会長 1 名 ・監査役 2 名 ・幹 事 若干名 (部門長、個人・家族・法人会員) ・会 計 1 名 2 項 役員の職務は次の通りとする。 ・会 長 本会を代表し会務を総括する ・副会長 会長を補佐し、会長に事故あるときはその 職務を代行する ・監査役 会の運営ならびに監査を行なう ・幹 事 会務を運営・監査し、その実施に携わる ・会 計 会の会計実務を担当し、年度収支予算等を 作成する 第 7 条 (組 織) 会の組織は別添の組織図による。 (組織図は省略し た) 第 8 条 (会 議) 会議は、総会および役員会とし、会長がその議長を 務める。 (1)総会は、定期総会を年1回会長が招集開催し、 出席会員の過半数の賛同を得て、次の事項を決 議する。 ア 活動報告、および収支決算報告 写真 2. 総会風景②
やじろべえ・凧・独楽などを作り遊ぶ ・那須野が原の自然を楽しもう…人間と自然が共生 できる可能性を探る 3 案内活動グループでは (1)活動の趣旨 博物館所蔵の維持管理支援および博物館活動の研 修を通して、見学者への案内説明を行ない、博物館 の地域理解に努める。 (2)具体的な活動構想 ・見学者の依頼を受けての案内活動 ・博物館活動の学習および研修 ・博物館の所蔵品の維持管理や整理支援 ウ ショップ運営部 1 ショップ運営の方針 (1)運営にあたっては、博物館活動と連携を図り協 力支援するとともに地域文化発展の一翼を担うこ とを目指す。 (2)郷土の歴史や自然、伝統文化に根ざしたグッズ を販売することにより郷土を見直し、郷土に対す る愛着心を育む。 (3)取り扱う物品については、委託品のほかに、で きるだけ地元作家の作品や地域の人材を活用して 製作したもの、および地域で入手できる材料を生か した製品を中心とする。 2 活動内容及び留意点 (1)ミュージアムショップにおいて委託・購入・自 主開発製品を販売する。 (2) 購入・自主開発にあたっては、市場調査・販売 予測・投資回収等必要な調査を行った上で計画を 立て、役員会の決裁を受けて活動する。 (3)製作にあたっては、グループでアイデアを出し 合い楽しいグッズづくりをする。 (4)販売にあたっては、グッズやレジの扱いを心得 て、金銭授受を正確に行うとともに、適切な会計 処理及び現品管理を行う。 (5)他部門や各団体と協力・連携して活動する。 3 活動の組織と役割 (1)ショップ会計…金銭管理・現品管理 (2)企画・調整グループ…立案・調整・審査 (3)開発・制作グループ…自主開発製品・手作りグッ ズ製作 (4)販売グループ…販売・現品管理 4 取扱品について (1)取扱品目 書籍類 標本類 美術・工芸品 体験キット自 とを協議した。 ア 事務局 1 職務分掌を明確にし、会及び事務局体制の確立を 図る。 2 博物館及びその関係先との連携・対応に当たる。 3 各部門間の連携を密にし、諸活動を効果的に推進 する。 4 会計処理システムを構築し、会計実務の円滑化を 図る。 5 会報や活動記録を発行し、会や博物館の活動状況 を会員に知らせる。 イ 学習活動部 1 自主学習グループでは (1)活動の趣旨 博物館主催の展示および講演会を通しての疑問や 興味を中心に、自主的に学習したり見学会や研修の 場を設けたりして、博物館活動への理解と関心を高 める活動を行なう。 また、関係する研究団体の成果を地域に還元する ことを図ると共に、研究団体の活動支援も行なう。 (2)具体的な活動構想…博物館の企画展やテーマ展 と連携する ・見学会や研修会の企画運営 ・那須野が原の誕生に立ち合う…那須野が原の地質 と自然 ・古代のロマンを求めて…日本のあけぼのと那須野 が原 ・日本近代の足跡を探る…日本の近代化と那須野が 原 ・生活の歴史をひもとく…旧村の歴史と文化 ・「町史」や「地区誌」に学ぼう…新たな地域学習 の探求 2 体験学習グループでは (1)活動の趣旨 博物館の知的財産をもとにして、地域文化や自然 を次世代に継承すると共に、豊かな郷土愛を育てる 活動を行なう。 (2)具体的な活動構想 ・那須野が原を作ろう…扇状地の成り立ちを追体験 する ・古代人の生活をしよう…縄文土器や生活用具を作 り古代食を味わう ・電気のない生活を楽しもう…昔の生活や文化を追 体験する ・伝承遊びで楽しもう…お手玉・竹とんぼ・風車・
②平成 17 年度 主開発製品 その他 (2)取り扱い方法 委託 購入 自主開発 (加工外注・手作り) その他 (3)活動の仕方 定期活動 随時活動 平成 15 年度は、主に、事務局の体制づくりや ショップ活動部の販売部門や製作部門の活動を行 い、博物館の販売コーナーの品揃えに勤しんだ。ま た、会報「みくまり」の発行についての編集会議を 6 回ほど行い、平成 16 年 1 月 17 日に創刊号を発行 した。 平成 16 年 4 月 10 日、三島公民館において第1回 の定期総会を開催した。会員数は 138 (個人 86 名、 家族 33 名、法人 19 名) になった。那須野が原博物 館の開館と同じくして、活動が始まった。 2 各部の活動内容(学習活動部・ショップ運営部) 平成 16 年度から平成 30 年度までの 15 年間を、 経年報告で振り返る。 (1)学習活動部 ①平成 16 年度 写真 3. 総会風景③ 表 1. 平成 16 年度講演会・見学研修会 表 2. 平成 16 年度学習会 写真 4. 学習会風景 表 3. 平成 17 年度講演会・見学研修会 表 4. 平成 17 年度学習会
③平成 18 年度 ④平成 19 年度 ⑤平成 20 年度 表 5. 平成 18 年度講演会・見学研修会 写真 5. 講演会風景① 表 6. 平成 18 年度学習会 表 7. 平成 19 年度講演会・見学研修会 表 8. 平成 19 年度学習会 写真 6. 見学研修会① 表 9. 平成 20 年度講演会・見学研修会
⑥平成 21 年度 ⑦平成 22 年度 ⑧平成 23 年度 表 15. 平成 23 年度講演会・見学研修会 ⑨平成 24 年度 表 10. 平成 20 年度学習会 表 11. 平成 21 年度講演会・見学研修会 表 12. 平成 21 年度学習会 表 13. 平成 22 年度講演会・見学研修会 表 14. 平成 22 年度学習会 写真 7. 講演会風景② 表 16. 平成 23 年度学習会 表 17. 平成 24 年度講演会・見学研修会
⑩平成 25 年度学習活動部事業計画 ⑪平成 26 年度 ⑫平成 27 年度 表 18. 平成 24 年度学習会 写真 8. 地域学習会① 表 19. 平成 25 年度講演会・見学研修会 表 20. 平成 25 年度学習会 表 21. 平成 26 年度講演会・見学研修会 表 22. 平成 26 年度学習会 写真 9. 見学研修会② 写真 10. 地域学習会② 表 23. 平成 27 年度講演会・見学研修会 表 24. 平成 27 年度地域学習会
うことと「博物館」という堅苦しさを取り除きたい という思いで、活動をスタートした。 しかし、子ども対象の体験学習は、スタート時点 で躓いた。まず、参加者があまりにも少なすぎた。 広報活動が思うようにできなかったために、外部の 指導者に迷惑をかけるという問題も起きた。 そこで、平成 17 年度からは、講演会や会員同士 による見学研修会と学習会に切り替えた。しかし、 参加者が増えることはなく、参加者も固定化した傾 向が数年続いた。臨時役員会などをとおして、会則 の見直しや講演会・見学研修会を増やすなどの打開 策を講じたが、改善は見られなかった。 もう一つの問題点は、博物館の「案内ボランティ ア」という明確な目的を持てなかったことにある。 「石ぐら会」の「学校案内ボランティア」に対して、 将来の「大人の案内ボランティア活動に」と考えて いたのだが、会員には、そのことが「敷居が高い」 と思わせることとなった。 さらに、各講座の担当者も固定化したり限定した りするようになり、会員の興味関心に応えられなく なっていった。そこで、博物館を拠点に活動してい る他の団体の活動内容を知ることによる連携活動を 図ったが、そこでも目的は達成できなかった。後期 ⑬平成 28 年度 ⑭平成 29 年度 ⑮平成 30 年度 学習活動部の目的は、石ぐら会が行っている学校 案内ボランティアとの棲み分けであった。そこで、 土日の子どもたちや大人に、博物館を楽しんでもら 表 25. 平成 28 年度講演会・見学研修会 表 26. 平成 28 年度地域学習会 表 27. 平成 29 年度講演会・見学研修会 表 28. 平成 29 年度地域学習会 表 29. 平成 30 年度講演会・見学研修会 表 30. 平成 30 年度地域学習会 写真 11. 講演会風景③ 写真 12. 見学研修会③
プの清掃・商品整理・売り上げの記録・レジ打ち・ 売上金や釣銭の集計・活動記録簿記入など、多岐に わたる。また、来館者や購入者への接待などのサー ビス業務もある。 そこで、売り上げ商品と売上金管理、また、お客 さんに渡すレシートを記録するレジスターの扱い方 などについて、業者に指導を仰ぐ研修や商品の包装 方法・接客マナー研修も積極的に実施した。 現在は、特別展の図録や県内外の研究グループや 個人の研究書・自主出版物など、一般書店では購入 できない貴重な書籍を中心に、那須野が原博物館な らではの商品を扱っていて、「文化を売っている道 の駅」という評価も得ている。 製作係は、那須野が原博物館ならではの商品を テーマに、ブローチ・布製品の袋類などの手作り製 品を商品化し、手軽に購入できる品物や価値のある 品物を製作している。 書籍類は、学術的興味を持った来館者には喜ばれ るが、那須野が原博物館に来た記念になる手芸品は、 手軽で、しかも、親しみやすいので、気兼ねなく購 入できるところから、家族連れなどに好評である。 ショップ部活動の中で、記録すべきことは、平成 27 年度の那須野が原博物館での「大恐竜展」での 忙しさである。多くの来館者が予想できたので、事 前に他の博物館からも情報を集めて、来館者の対応 やレジ対策を行ったが、展示期間中に 3 万人を超え る人の動きには、流石に「猫の手も借りたい」状況 となった。 展示関係の商品や数量、および、注文方法につい ては、博物館の職員の指導や協力をいただいた。ま た、レジ係の当番も複数体制として来客対応に備え たが、予想以上の来館者にショップ部全員が関わり、 協力・連携が強くなった。 ショップ部全体としての活動には、レジ係を中心 にした「企画委員会」 (年 2 〜 3 回) 「全体会」・「研 修会」がある。那須野が原博物館の燻蒸期間を利用 しての研修会は、会の活動の活動に参考になる施設 や観光地に行っている。部員の親睦を深めながら、 活動の向上・充実も図っている。 ショップ部としては、会計が運営の「心臓部」で ある。レジ係の売り上げ記録表をもとに、会計簿記 入と商品売上数の確認を行う。また、売上金は、1 週間分の収支にまとめて銀行に預金する、年 2 回の 棚卸と業者への支払い、レジ係の当番記録表による 活動費支給も会計の仕事である。 の活動は「大人の案内ボランティア養成」という目 的を諦めて、「地域学習会」として、会員同士の勉 強会に落ち着いた。 講演会や見学研修会は、博物館の特別展などに連 携した内容を意識しながら行ってきたつもりである が、「大人の案内ボランティア養成活動」に囚われ すぎた。「博物館を楽しむ活動」でよかったのでは ないかと反省している。 (2)ショップ部の活動経緯について ①ショップ部のスタート 平成 16 年 4 月、「ミュージアムフレンズなすの」 のショップ運営部としてスタ—トしたが、組織の立 ち上げについては、佐藤恭子部長のご苦労と巧みな リーダーシップに負うところが大きい。何もないと ころからの組織づくりや人集めには、佐藤部長の人 柄とネットワークが生かされ、多くの人たちが集 まった。 まず、那須野が原博物館としてのショップの在り 方を考え、ショップのある栃木県立博物館・栃木県 立美術館やさくら市ミュージアム荒井寛方記念館な どに赴き、ショップに運営方法や仕組みを学んだ。 また、協力を得ることもお願いした。 その後、ショップに置く商品についても、業者と の取引関係を整え、7 分類 (書籍関係・化石・美術 工芸品・福祉製品・おもちゃ・来館記念グッズ・食品) の商品を販売することとし、商品の受け入れ体制を 整えた。さらに、書籍などの商品を販売するレジ係 とショップ独自の製品を作る制作係の組織も立ち上 がった。 ②活動内容 レジ係は、当初は二人体制でスタートした。博物 館は月曜日が休館なので、火曜日から日曜日までの 6 日分の当番表を作成した。仕事の内容は、ショッ 写真 13. ショップ制作部の作業風景
まとめにかえて 「地域社会崩壊」という言葉が、マスコミでささ やかれるようになった。今では一般化して、日々の くらしから「文化」が遊離した時代になった。 しかし、だからこそ、那須野が原博物館は地域社 会にあって、くらしの中に文化はあるという活動を している。そして、そこに集う自主活動団体や個人 による文化創造の広場がある。 「ミュージアムフレンズなすの」は幕を下ろしま すが、那須野が原博物館の職員をはじめ多くの皆様 のご支援により、ささやかながらも、15 年という 年月の中で市民活動の足跡を刻むことができまし た。今後の新たな市民による文化創造の参考になる ことを期待して筆を置きます。これまで支えていた だきました会員の皆様、大変お世話になりました。 そして、本当にありがとうございました。 平成 23 年度からは、ショップ部の存在を強固に した佐藤恭子部長から安定した活動を行い、さらに、 組織運営に寄与した川島勝子部長にバトンタッチし た。 ③「ショップ水仙の会」となって 令和元年(2019)5 月、本体としての「ミュージ アムフレンズなすの」が解散した。那須野が原博物 館からは、ショップ部は何としても続けてほしいと の依頼を受けていたので、本体の解散を協議してき た平成 29 年度ごろから、ショップ部の在り方につ いて企画委員会や全体会で検討した。部員からは「今 日用がある (教養がある) から生きがいになってい る」「元気なうちは協力します」という温かい声が 上がった。 そこで、「ショップ水仙の会」として、新たにス タートした。「月の活動予定表」に従って、都合の 悪い日をお互いにやりくりして部員全員が協力して いる。 また、軌道に乗ってきた那須野が原博物館の「親 子体験チャレンジ」や「博物館フェスタ」に積極的 に関わることで、那須野が原博物館を市民の文化的 広場にする活動に取り組んでいる。 写真 14. ショップ部研修会 写真 15. 博物館フェスタの団体活動展示風景
表 31. 平成 18 年度ショップ運営部活動報告