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日本におけるジオパーク研究の動向と相関用語の整理: 沖縄地域学リポジトリ

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(1)

Title

日本におけるジオパーク研究の動向と相関用語の整理

Author(s)

肖, ?

Citation

沖縄地理(17): 31-36

Issue Date

2017/6/25

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/21786

Rights

(2)

沖 縄 地 理 第17号 31-36頁 (2017)

a

OkinawaJournal of Geographi叫 Studies

I

No.17

p.31-36 (2017)

日本におけるジオパーク研究の動向と相関用語の整理

肖 銀

(北海道大学大学院生)

I

研究の背景と目的

近年, 日本においても,ジオパークを観光客が訪

れるようになるという現象やそれを期待した地域振

興の研究が行われるようになってきたが,歴史が浅

いこともあって,研究対象・方法などに偏りがみら

れる.さらにジオパークに関連する用語として,

r

オツーリズム J,

r

ジオガイドJ,

r

ジオストーリーJ

「ジオサイト J,

r

ジオツアーJなどが,整理・統合

されないまま使われており,この分野の研究に対す

る理解の妨げになっている可能性も考えられる.

先行研究としては,日本におけるジオツーリズ

ムの展開する可能性について「ジオツーリズムと

は何か

わが国におけるその可能性 Jを発表し

た横山 (

2

0

0

8

,2

0

1

0

)

や,ジオパークの研究動向

や先行研究を整理した論文としては「ジオパーク

とジオツーリズムの成立に関する一考察」におい

てジオパークとジオツーリズムの定義を中心に整

理した深見 (

2

0

1

0

)

が挙げられる.

しかし現在, 日本で行われているさまざまなジ

オパーク研究全体の動向を,主として使われてい

るキーワードによって整理した研究は見当たらな

い.そこで本研究では,文献研究により,日本に

おけるジオパークに関する研究動向を概観すると

ともに,相関用語の整理を試みる.

E

研 究 方 法

ジオパークに関わるキーワードとして, Iジオ

ツーリズム J,

r

ジオガイドJ,I

ジオストーリーJ,

r

オサイト

J

r

ジオツアー」の 5つのキーワードを

想定した.

しかし,実際に検索する中で,アンド検索も必

要であることが分かり,前者を

A

群とし,

I

ジオパー

ク&地域資源

J

, I

ジオパーク&地域振興

J

r

ジオ

ノ号ーク&防災教育

J

, Iジオパーク&観光振興」を

B群とする,計 9のキーワードで, C

i

N

i

i

の論文検

索と国会図書館(以下

NDL

と表記)の雑誌記事検

索を行った(表 1

).

これ以外に,たとえば「地質

j

というキーワー

ドなども考えられるが, I

地質公園」や「地質観光J

など分野が異なる記事・論文がほとんどである 1

6

件もの記事・論文が抽出されてしまうことなどか

ら,本研究では, A群・ B群計 9のキーワードに

限定して,整理することとした.

1

ジオパークに関する雑誌記事・論文数の検索結果

A 群

B

検索キーワード ジオツー ジオ ジオス ジオ ジオ ジオパーク ジオパーク ジオ防パ災教ー育ク ジオパーク リズム ガイド トーリー サイト ツアー &地域資源 &地域振興 &1íJj~~W &観光振興

本数

59

2

1

4

56

92

20

44

24

1

0

C

i

N

i

i

初出

2007

2011

2011

2007

2000

2010

2008

2009

2008

本数

64

4

1

1

49

9

1

20

56

1

5

8

NDL

初出

2008

2010

2011

2007

2000

2009

2008

2009

2008

(2017年4月20

日現在のデータをもとに筆者作成)

(3)

肖 担

E

研 究 結 果

1.用語の登場時期

C

i

N

i

i

を基準に,

A

群のキーワードを見ていくと,

「ジオパーク」の初出は

2003

r

ジオツーリズム」

2007

年である.ジオパーク活動を直接的に関連

する用語であると考えられる「ジオガイド」と「ジ

オストーリー」は

2

0

1

1

r

ジオサイト」は

2007

r

ジオツアー

J

2000

年に登場した

. B

群では,

「ジオパーク&地域資源」は

2010

r

ジオパーク

&防災教育

J

2009

r

ジオパーク&地域振興」

と「ジオパーク&観光振興

J

2008

年であった.

2

.

検索ワードごとの記事・論文の傾向と特徴

C

i

N

i

iで検出された記事・論文を基準として,検

索ワードごとの傾向や特徴を整理した.学会や大

学発行の雑誌に掲載された論文を学術論文として

いる.

A

群について

ジオツーリズム

「ジオツーリズム」については,渡辺

(

2

0

0

7

)

平野

(

2

0

0

7

)

が初出である.このキーワードで検

索された記事の多くは『地学雑誌』や『地図~,

r

刊地理学~,

r

観光学論集

J

r

人文地理』といった,

地域資源の活用や地域観光の発展をテーマにした

雑誌に掲載されており,ジオツーリズムを通じた

ジオパーク誘致による地域経済活性化,地域観光

振興などの期待が大きかったことが分かる.

学術論文の中でも,ジオツーリズムは日本にお

ける展開する可能性についての研究は,横山

(

2

0

0

8

2

0

1

0

)

と深見

(

2

0

1

3

)

,津

(

2

0

1

3

)

4

本であった.

ジオガイド

「ジオガイド」に関する 5本の論文・記事, 4本

H

本地理学会発表要旨集に掲載された要旨で

あった.具体的に取り上げていた事例は山陰海岸

ジオパーク(新名

2

0

1

0

)

,島原半島ジオパーク(大

2

0

1

1

)

,阿蘇ジオパーク(渡辺

2

0

1

1

)

であった.

ジオガ

イド」をテーマに

する学

術論文としては,

2

r

ジオストーリー」の記事・論文教

2011 2012 2013 2014 2015 2016

C

i

N

i

i

2

NDL

5

4

3

2

4

2

(

2

0

1

7

年 4月

2

0

日現在のデータをもとに筆者作成).

伊豆半島在住の高校生に対してジオパークのガイ

ド養成過程における大地の成り立ちの理解とその

価値を論じた論文のみであった(小山ほか

2

0

1

1

).

ジオストーリー

「ジオストーリー」は

2011

年から記事・論文数

が増加した(表 2

)

. 対象としている事例は,海岸,

温泉,火山,湧水などであるが,地場産業を題材

とするものも出てきている.ジオストーリー研究

の学術論文は,ほとんど『地学雑誌~

(

6本)と『観

光科学研究~

(

3

本)に掲載された.地質学と観光

学分野の学者が「ジオストーリー」に関心を寄せ

ることが分かった.

ジオサイト

「ジオサイト」について,雑誌記事の初出は

2007

年である.学術論文が

4本で,そのうち 3本は安

藤・粕川

1

(

2

0

1

2

2013

2

0

1

4

)

によるものであった.

このほか高橋・尾方

(

2

0

1

0

)

がある.

ジオツアー

「ジオツアー」に関する

92

本の論文・記事のうち,

学術論文は

9

本であった.最も古いのはパイカル

地方と日本列島を比較するジオツアーの可能性を

論じた研究であった(室田

2

0

0

0

)

.千葉県銚子市

において「銚子ジオツ

-9

ズム」を提案した研究

(安藤・粕

)11

2

0

1

1

)

や渡名喜島におけるジオツアー

の試行に関する議論も出た(田代・伊藤

2

0

1

1

).

B群について

「ジオパーク&地域資源」

「ジオパーク&地域資源」の初出は

2009

年で,

20

本が抽出されたが,

A

群との重複を除外し,さ

らに学術論文に絞ると

1

0

本になる.このうち,ジ

(4)

-32-日本におけるジオパーク研究の動向と相関用語の整理

10本論文・記事が該当する.学術論文としては,

オパークに関する事例研究は「山陰海岸ジオパー

観光学で注目されているダークツーリズムの概念

ク 」 を 扱 っ た 小 寺

(

2

0

1

1

) 及び先山・松原.三回

ジオパークにおけるダークツーリズム

を紹介し,

「糸魚川ジオパーク」を扱った坂口・

(

2

0

1

2

)

の適用可能性について考察する論文

1

本 の み で あ

る(鈴木 2

0

1

4

)

.

3本であった.

「ジオパーク&地域振興」

「ジオパーク&地域振興」

飯塚・菊地

(

2

0

1

5

)

44本が抽出されたが, A群との重複や分野違いの

ものを除外し,さらに学術論文に限定すると,地

質観光情報の開発と利用による地域振興を論じた

細井・滝本・岡本

(

2

0

0

9

), 事 例 研 究 と し て の オ }

ストラリア(菊地・有馬

2

0

1

1

), 糸 魚 川 ジ オ パ ー

ク ( 竹 之 内

2011

), 島 原 半 島 ジ オ パ ー ク

2

0

1

1

)

,スペイン・ピレネー山脈のソプラルベジオ

(河本

2014),山陰海岸ジオパーク

などの

7

本が該当した.

3

.

実 証 研 究 論 文 教 と 調 酎 橡

の 初 出 は

2008年で,

ジオパークについての事例研究や実証研究と考

えられる学術論文数を抽出した(表

3

)

.

全 3

4

本の

うち,ジオツーリズム分野が

8本と 24%を占める.

さらにこれらの論文における調査研究の主な対

象 を , ① ジ オ パ ー ク ② 観 光 者 ③ 地 域 住 民 ④ そ の

(大野

他で分類した(表

4)

.ほとんどの論文で,ジオパー

(石川

ノ〈ーク

事例研究や実証研究の学術論文数

A

事例研究

論文教

8

5

司 A Z O 一 句3

検索キーワード

ジオツーリズム

ジオガイド

ジオストーリー

ジオサイト

ジオツアー

ジオパーク&地域資源

ジオパーク&地域振興

ジオパーク&防災教育

ジオパーク&観光振興

3

2016)

「ジオパーク&防災教育」

「ジオパーク&防災教育」の初出は

2009年で,

24本論文・記事が該当する.このうち,日本火山

学会講演予稿集には

1

0

本記事が掲載された.重複

や分野違いなどを除外し,学術論文に絞ると

4

が抽出され,このうち

1

本が島原半島ジオパ}ク

を取り上げていた.

7

B

(

2

0

1

7

4

2

0日現在のデータをもとに筆者作成).

の 初 出 は

2008年で,

「ジオパーク&観光振興」

「ジオパーク&観光振興」

調査・研究の対象

A ﹃ 勺 & A ﹃ A ﹃ 4 U Z 且

そのほか

2

2

地域住民

2

2

観光者

2

4

ジオパーク

3

検索キーワード

ジオツーリズム

ジオガイド

ジオストーリー

ジオサイト

ジオツアー

ジオパーク&地域資源

ジオパーク&地域振興

ジオパーク&防災教育

ジオパーク&観光振興

注 :1

本の論文で異なる対象を調査しているも

があり,表

3

の論文数とは必ずしも

致しない.

(

2

0

1

7

4

2

0日現在のデ

タをもとに筆者作成)

.

(5)

肖 銀

タや地域住民を対象にした調査が釘われているが,

観光者やジオガイド会対象にした調査は少ない傾

向が読み取れるー

4

晶用識の整理

ジオパークに関連する用語であると考えられる

「ジオツーロズム

J

r

ジオスト一日一

J

について,

初期の学術論文から,その定義会草整理した.

平 野

(

2

8

) は

r

ジオツーリズム

j

について,

「地質や自然に対する興味や関心と明確なテー?を

持った子供や市民がフィーノレドを訪れ,現地の地

質や自然の実物・木物に触れて感じ,学び,遊び,

楽 し み , 体 験 い オ ン サ イ ト イ ン ブ ォ メ ー シ ョ ン

を取得することを目的とした地質ジャンノレのオン

サイトツーリズム

J

(

p

.

6

4

) という定義を用いてい

る.横山

(2010)

r

ジオツーリズム

j

を「地球

の遺産を,経験し,学び,楽しむための旅れをする

J

と主張した.河本

(2011)

rG曲 硝

E

c

o

J

と表現し,

f

ジオツーリズム

J

f

地球科学的{地学的)資源

を煮たる対象とするエ立ツーリズム

j

ととらえる

ことを提唱する.

J

オ ス ト ー ロ ー

J

Il)定義について,天野ほか

(2011)

は.

r

地 質 的 な 現 象 の 相 ぷ 作 用

B

関連性を

説明する地質的なストーヲー」を定義した.もう

一つ定義は

r

地形・地質とそのとにのる生態系や

人 々 の 暮 ら し を 関 連 づ け る 地 理 的 な ス ト ー リ ー

J

である(大野

2011

,井上ほか

2012

さまざまな論文を検討したが.Hl語の定義なし

に用いている論文が,思いのほか多かったことも,

自戒をこめて記述しておかなければならないと考

える同

N

考 察

k

の研究結果から,ジオパークについての研

究は.

r

ジオツーリズム

J

分野を除けば

B

学術論文

がまだまだ少ないことが分かつた.事例研究や実

証研究となると,さらに限られる.

深 見

(2014)

r

地域にとってジオツーリズム

の活動告とより加速させる効果が期待怠れる

j

と述

ベ,さらに「地域住民が,白地域がジオパ}タに

登録されるこ

eと,ジオツーリズムが積極的に展

開されることに対してどのような意思を有してい

るか,また,それがどのように反映されてきたか

が注目される機会は意外に少ない

J

(p.30)

とも指

摘しているが,これはジオツーリズムに限ったこ

とではなく

z

より多くの;事例を研究する必要があ

ろ う . そ し て 「 議 が 顧 客 な の か ?

J

r

何 を 求 め て

訪 れ る の か

J

というマーケティング観点なしに観

光客誘致が成功しないとするならば,政策論的・

観光開発論的な視点からの研究でも,観光者を対

象とした研究の一層の積み重ねが求められる.

また,ジオパークに関連する用言語の定義をごく

簡単に整理したが,この分野の研究をさらに深め

るためには,用語の鞍現・統合も必要と考える,

(受付 2017年 3

10

日}

(受理 2017年 6月 初 日 }

文献

安藤生大圃給

)11

正光

(2自11)

:銚子ジオツーリズムの提案:

解感ヶ浦ジオツアーの内容と効果 千葉科学大学紀聖書,

4

1-10.

安藤生大・粕J

I

I

I

E光

(2012)

千葉県銚子市のジオサイトを

利用した体験型地学教育の効果千薬科学大学紀要,

5

1-14.

安藤£巨大・粕J

I

I

J

E光銚子

(2013)

:ジオパークの騨風ヶ浦ジ

オサイトを利用した体験型地学教育的効巣 千葉科学大

学紅要,

6

75-87.

安藤生大・粕J

I

I

J

E

(2014)

:銚子ジオパ]タの騨風刺繍ジ

オサイトを利用した体験型地学教育の効果{その

2)

.千

葉科学大学紀襲,

7

11-23岨 天野一男・松原典孝・細井

f

享・本田尚

E

4

、峯慎官

'

J

.

藤ム久

(2011)

:茨域県北ジオパーク構想での茨城大学の

活動:ジオパ}ク推進における大学の活動例 地学雑誌

120

78680

6 岩松 監事 (2

7)

今なぜジオパ}クか。地質ニュ}月

p 635

8-14. 石)11宏之 (2016)

:持続可能な地域の発展に地域遺産を活か

すジオパークの経緯と活動における大学や博物館の迷携

(6)

-34-日本におけるジオパーク研究の動向と格闘用語の車整理 体制のあ型車:山臨海岸ジオパ}タ推進協議会を事例と し て 博 物 館 学 雑 誌 41,2, 1-12, 井上泰子・町田尚久 (2012) :

r

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5

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f

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J

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(

*

1

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W

J

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:;-9

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r

ガンガラ}の谷Jガイドツア} とジオサイトとしもての可能性ー持縄地王車, 10, 3540 窪田 武(却O曲):パイカノレ地方と日本列島を比較するジ オツア}の吋能性:!7ーノレドワイドピジネスの諜境経済 的考察に肉けて 闘志社大学ワールドワイド1:"ジキスレ ピュー, I (1), 63-91. 回代 監・尾方隆幸 (2012) 沖縄島北部で実施したジオツ アー参加者の意識.沖縄地理, 12, 17-24. 額獲 格 (200富)。ジオパークに聖書むこと一一一人文地王理的立 場から,地理, 53 (9). 55-57. 滝本毒事南・総井 淳・間本南署幹 (2012) 地域凝輿を目標と した地質観光情報の開発と利照的試み 茨 城 ジ オ パ ] ク設立を目指して. (総特集ジオパーク 1:地球科学がつ くる持続的な地蟻社会)月刊地球, 31 (7), 394401 竹 之 内 耕 (2011):糸魚川ジオパーク在地域振興z地撃雑誌, 120 (5)

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r

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(7)

肖 銀 書室見議 (2014):

r

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345-科書 柏

1

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t

p

o

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065-100065 C 0 9 0

参照

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 近年、日本考古学において、縄文時代の編物研究が 進展している [ 工藤ほか 2017 、松永 2013 など ]

いない」と述べている。(『韓国文学の比較文学的研究』、

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