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宇井さんとの出会い: 沖縄地域学リポジトリ

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Academic year: 2021

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Title

宇井さんとの出会い

Author(s)

西, 泉

Citation

沖縄大学地域研究所年報 = The Institute of Regional Study,

The University of Okinawa Annual Report(17): 18-18

Issue Date

2003-03-31

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/9906

(2)

宇井さんとの出会い

宇井さんとの最初の出会いは2部の宇井ゼミだっ た。東京の短期大学を辞めて沖縄大学に赴任して ほんとうに大丈夫なのか確かめるために、1987年 の秋、ぼくは沖縄大学を訪問した。下見である。 そこで学長に宇井さんを紹介してもらい、その 日の晩、宇井ゼミに飛び入りで参加した。 ゼミの最初に宇井さんは出席をとった。「喜屋 武、山城、金城、島袋…」と読み上げて、「名前 がヤマトとは全然違っているでしょう」とぼくに コメントする。生まれてはじめて沖縄に渡ったぼ くはなるほど「違うな」と思う。ある社会人学生 が質問をした。 「この本に出てくるのですが、フェーン現象っ てなんのことですか?」 宇井さんはていねいに答える。その説明はわか りやすく、ぼくのあやふやなフェーン現象につい ての知識の穴をその回答が全部埋めてくれた。質 問をした学生もきっと一生フェーン現象がなんで あるか忘れないだろう。 ゼミのあと大学から歩いて数分のところにある お宅にお邪魔した。缶ビールを片手に話し込む。 沖縄では惣菜などをいろいろな店で売っているの で一人暮らしでも不便はない、肉がまるごとつまっ ている中国製の缶詰がこちらでは手に入るから重 宝する、なんていう話しである。 宇井さんは話題が豊富である。あっという間に 時間が経った。11時をまわったころだった。電話 が鳴る。宇井さんは時計を見上げて「まあ、(電 話をかけてくる時間としては)ぎりぎり許せる時 間だな」と咳きながら受話器を取る。「紀子か1 今、沖縄大学に来ようという奇特な人がここに居 るんだが話してみるか?」と受話器に話しかけて

西

おられた。こうして奥様の名前が紀子さんだとい うこともこの日知るところとなる。 その後、1988年から10年以上、教養科の同僚と して一緒に働くことになった。その間いろいろな ことを教えていただいた。そして様々なことがら について語り合った。 奈良の寺で真言宗の僧侶をしていた友が水銀中 毒に侵されたときも真剣に相談に乗っていただい た。古いお寺では建物や仏像を守るために、多く の防虫剤を使うらしい。2週間に一度、宇井さん のゼミが終わった後、大学近くの居酒屋で彼女の ために二人で対策会議をひらいた。その結果をぼ くはメールで彼女に伝えた。 寺を辞め、アメリカに戻って治療した彼女は徐々 に健康を回復した。ぼくには1年近く続いたこの 会議での、宇井さんとの語らいが、ひとつの財産 となって残った。 1 8 -D ・ ● B へ ∼

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