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IT好き放題:面白さは突然に

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Academic year: 2021

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(1)大.  編集端末の開発に当然ソフトウェアは必要で,アセ 学の卒業研究で,原子力か計算機かを迷って,. ンブラから作り始めた.記号表はソートして出力したい. 計算機を選択したことから,情報関係の研究に 40 年. ので,ソートのアルゴリズムを調べて,プログラムを書. 以上従事してきた.卒業の年に大学には富士通の最初. いた.バブルソートからバイナリソートにすると明らか. の大型機 FACOM 230-60 が納入された.ハードウェ. に速くなった.プログラムは面白いとこのときに感じた.. アの研究室だったので,そのアービトレータ部の回路. やっとソフトウェアに目覚めたのだ.. 図の非同期動作を議論したことを記憶している..  ソフトウェア工学の研究が研究室の主な研究テーマ.  ソフトウェアに関してはまったくセンスがなかった.. であったが,モジュール性,局所化,段階的詳細化等. 計算機工学の授業で,ニュートン法で 2 次方程式の. を実体験的に理解できたことは,非常に楽しいもので. 解を求める機械語のプログラムを説明されたが, 「そう. あった.ソフトウェア工学は,プログラミングから設計. いうプログラムがあれば動くのは当たり前で,なんで一. へ,設計から仕様へ,仕様から分析へと中心課題をど. 生懸命説明するのかな」と不思議だった.助手として. んどん上流に移した.研究室としてはそれに追随しな. この感覚はしばらくは変わらなかった.Dijkstra の構造 化プログラムの本を読んでも,Donovan の OS の本で. 基 応 専 般. sleep/awake の同期の記述を見ても, 「そう書けばそう動 くのだろうけど,それで?」と本当の意味での理解がで きなかった.  当時はゴルフボールのようなヘッドを持つ IBM のタ イプライタが論文作成に活躍していた.研究室には当. [シ ニ ア コ ラ ム]. I T. 好き放題. Messag e. 勤めた研究室がソフトウェア工学の研究室であったが,. n Favorite I T so. [No.25]. 面白さは突然に. 時としては珍しいグラフィック端末(ビームを制御してベ. いといけないし,そのようなテーマでの研究を進めた.. クトルで描画するタイプ)があり論文編集に計算機を使. しかし,体験的にその価値を感じることができず,論. っていた.修論の作成時期にはキューができて,その. 文の中から問題を見つけ,その解を提案することにな. 解決のために,入出力の高速化と多数の CRT 表示装. った.あるとき,企業の研究所長から「企業は大変な. 置が必要とされた.マイクロプロセッサが出現し,こ. のだから,研究論文のための研究と本当に役立つと思. れだと思ってインテル 8080 のチップを 12 万円以上払. う研究は分けて発表してほしい」と言われた.現場で利. って入手し,1KDR AM を組み合わせ,編集端末を作. 用される技術の研究が必要だと強く認識した.. った.入出力には 2M のディスクを使った.その制御.  教授になったとき, 「教授になるためには論文が必要. 装置のテストでは,部屋を真っ暗にし,プリアンブル. だが,今後は論文が目標でなく,本当に役に立つこと. や CRC の 1/0 をシンクロで追いかけた.京都の会社. をやりたい」 と思った.ソフトウェア工学が現場から浮く. が NASA の技術者と組んで,マイコンベースの端末を. のは,利用で技術をツールの形に落とし現場で使える. 作ったと新聞で知り,その研究所に「我々も同じような. ようになっていないからだと考え,ツールを簡単に作る. 開発をしているので比較のために 1 台欲しい」と乗り込. 環境を開発してきた.ある意味で裏支えであるが,そ. んだ.回路図からソースまでをいただいたが,今から. のプラットフォームを使った企業との共同研究で,いく. 考えると随分大胆なお願いをしたものだと思う.その. つかのツールが現場に導入された.自分の好きなことを. 後,その会社とはワークステーション開発も含めてお付. やってきて,それが役に立つのは本当に嬉しいものだ.. き合いが続いた..  書物で得られる知識と,体でその価値を感じること の間には,大きなギャップがある.どんどん,技術が. 阿草清滋 Kiyoshi AGUSA (京都大学) [正会員] [email protected] 1970 年京都大学電気工学第 2 学科卒業.1974 年京都大学情報工学科 助手.同講師,助教授を経て,1989 年名古屋大学教授.専門はソフトウ ェア工学.現在京都大学客員教授として情報戦略策定,IR などを推進.. 高度化すると,体感することが難しくなるかも知れない. でも,あるとき何かのきっかけで感じることがあるはず だ.そのときのために,好奇心と向上心を大切にして, 与えられた環境を享受し,仕事を進めることが大切で ある.. (2012 年 11 月 15 日受付). 情報処理 Vol.54 No.2 Feb. 2013. 135.

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