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ダイヤモンド紫外線センサーを用いた火災検知システムの開発に成功

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Academic year: 2021

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同時発表: 筑波研究学園都市記者会(資料配布) 文部科学記者会(資料配付) 科学記者会(資料配付) 1

ダイヤモンド紫外線センサーを用いた火災検知システムの開発に成功

―煙や熱探知より迅速に火災を発見できる火災警報システムを実現- 平成18年 3月14日 独立行政法人物質・材料研究機構 概要 1.独立行政法人物質・材料研究機構(理事長:岸 輝雄)、物質研究所(所長:室町 英治)、 スーパーダイヤグループの小出 康夫主席研究員、Meiyong Liao 特別研究員は、電子機器開 発ベンチャーの(株)アンテック(代表取締役:末石 建二)と共同で、ダイヤモンド紫外 線センサーを用いた火災検知システムの開発に世界で初めて成功した。 2.平成18年6月からの改正消防法の施工に伴い、新築住宅においても火災警報器の設置が 義務付けられ、火災をより迅速に検知し警報する新システムの開発は、極めて重要な研究課 題の一つとなっている。 3.今回開発した火災検知システムは、当機構において開発したダイヤモンド紫外線センサー 素子(平成17年2月24日プレス発表済み)を火災センサーとして用い、(株)アンテッ クが持つ太陽光の影響を受けない信号処理技術とワイアレス通信技術を用いて、センサー部 と警報部から構成されている。センサー部は9Vの乾電池1本で駆動されており、長い寿命 を持つ。ダイヤモンド紫外線センサーの低消費電力性の特徴が発揮されている。 4.現在火災センサーとしては真空管式の光電管が実用化されているが、駆動に300V以上 の高電圧が必要なため消費電力が大きく、またそのサイズが大きく衝撃に対しても弱かっ た。今回開発したダイヤモンド紫外線センサー素子は、直径9mm、高さ5mmとコンパク トであり、衝撃にも強い。また、将来の一般家庭への普及を視野にいれ、火災検知システム は、センサー部で検出した火災情報を赤外線通信によって迅速に警報部に送り、警報音や警 報ランプを発するシステム構成となっている。 5.今日火災による死者数の90%は住宅火災であり、その50%以上が65歳以上の高齢者 で、逃げ遅れが主な原因となっている。火災を早期に発見することが、安全上極めて重要で ある。紫外線検知方式の火災センサーはまったく新しい技術方式であるが、初期出火の段階 で熱・煙検知によるセンターに比べても迅速に出火を発見することが可能であり、これから の大きな利用が期待できる。 今後はダイヤモンド紫外線センサーの感度を更に向上させ、量産技術を検討することによ って実用化を目指す。

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2 研究の背景 今日21世紀においては、ハイテク科学技術の急速な進歩によって、快適な人間生 活が保障されるに至ったが、反面人体への悪影響を及ぼす突発的な環境変化や思いも かけない不慮の環境現象が容易に発現することにも至った。火炎を高感度・迅速に検 知することができる小型・簡便なセンサーシステムの構築は、国民の安全・安心な生 活環境を確保するために極めて重要な研究課題と言える。平成18年6月からの改正 消防法の施工に伴い、新築住宅においても火災警報器の設置が義務付けられる。今後、 ますます自己責任において火災に対する安全対策を行うことが求められている。 現在火災警報器としては煙・熱検知方式が主流であるが、より迅速・早期発見が可 能な紫外線検知方式が注目されている。紫外線検知方式の火災センサーとしては、真 空管式の光電管が実用化されているが、駆動に300V以上の高電圧が必要なため消 費電力が大きく、またそのサイズが大きく衝撃に対しても弱かった。この紫外線方式 の迅速性に優れる特徴を維持しながら、屋内のみならず屋外においても火災の初期出 火を迅速に検知できる新たな火災検知システムの開発が望まれていた。 成果の内容 今回開発した火災検知システムの全体写真を図1に示す。火災検知システムは、当 機構研究グループにおいて開発した太陽光ブラインド紫外線センサー1)であるダイヤ モンド紫外線センサー素子(平成17年2月24日プレス発表済み)を火災センサー として用いている。また、電子機器開発ベンチャー(株)アンテックが持つ太陽光の 影響を受けない信号処理技術とワイアレス通信技術を用いて、センサー部と警報部か ら構成されている。センサー部は9Vの乾電池1本で駆動されており、長い寿命を持 つ。ダイヤモンド紫外線センサーの持つ低消費電力性の特徴が十分発揮されている。 今回開発したダイヤモンド紫外線センサー素子は、ハーメチックパッケージ2)され (図2)、直径9mmおよび高さ5mmのコンパクトさであり、衝撃にも強い。また、 将来の一般家庭への普及を視野にいれ、火災検知システムは、センサー部で検出した 火災情報を赤外線通信によって迅速に警報部に送り、警報音や警報ランプを発するシ ステム構成となっている。将来的には、火災検知情報を携帯電話やインターネットを 通して遠隔通信することも可能である。 波及効果と今後の展開 今日火災による死者数の90%は住宅火災であり、その50%以上が65歳以上の 高齢者で、逃げ遅れが主な原因となっている。火災を早期に発見することが、安全上 極めて重要であると言える。紫外線検知方式の火災センサーは現在主流である煙・熱 検知方式に比べてまったく新しい技術方式であるが、初期出火を最も迅速に発見する ことが可能であり、今後大きな利用分野の拡大が期待できる。 今回用いたセンサー材料であるダイヤモンド半導体は半導体材料の中で最も機械的

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3 強度が強く、最も熱伝導性が高く、最も熱的・化学的に安定な究極の半導体である。 ダイヤモンド紫外線センサーの開発研究は、国内や欧州を中心に開発が行われている が、当機構研究グループは、1年以上前から高性能な太陽光ブラインド型ダイヤモン ド紫外線センサーの開発に成功していた。そして、火災検知システムへの応用展開を はかるため、平成17年10月より、当グループと当社は共同研究を開始していた。 今回の火災検知システムは、(株)アンテックが持つ光電管紫外線センサー方式の火災 検出センサー技術を組み合わせた共同研究の成果である。 今後はダイヤモンド紫外線センサーの受光感度を更に向上させ、紫外線センサーの 量産技術を検討することによって実用化を目指す。 用語解説 1)太陽光ブラインド紫外線センサー 太陽光線に影響されることなく波長280nm以下の紫外線をセンシングできる 光センサーを太陽光ブラインド紫外線センサーと呼んでいる。 2)ハーメチックパッケージ 発光ダイオード、半導体レーザ、および半導体受光素子を封止する一般的な装着 治具ケース。ここではサファイヤ窓を用いている。 問い合わせ先: 〒305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1 独立行政法人物質・材料研究機構 広報室 TEL:029-859-2026 研究内容に関すること: 独立行政法人物質・材料研究機構 物質研究所スーパーダイヤグループ 主席研究員 小出 康夫(こいで やすお) TEL:029-860-4311 (ダイヤルイン) FAX:029-851-4005 E-mail:[email protected] 株式会社アンテック 代表取締役 末石 建二(すえいし けんじ) 〒701-4254 岡山県瀬戸内市邑久町豆田 116-3 TEL:0869-22-2155 FAX:0869-22-3141 E-mail:[email protected]

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図1.開発した火災検知システムの全体写真.

図2.開発したハーメチックパッケージされたダイヤモンド紫 外線センサー素子の写真.

参照

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