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言語・体験活動の充実による思いやりの心の育成 : ワークショップの手法を用いて

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Academic year: 2021

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(1)言語・体験活動の充実による思いやりの心の育成    一ワ』クショップの手法を用いて一.    教育実践高度化専攻 小学校教員養成特別コース.         P09078B.        白押彰大 1研究報告書の構成. て言及し,体験活動への結びつきを強調してい. 第I章研究の概要. る。. 第1I章道徳の時剛こおけるワークショップの実践.  このような豊かな体験を児童にさせるには,. 第皿章 本研究の成果. 一方的に知識を注入する講義や授業だけでは. 第w章研究のまとめ. なく,学習者が自ら参加・体験すうことで,学 びを深めることが求められる。その要求に応じ. 2 研究の所在. た学習方法の一つがワークショップ(中野,.  平成20年告示の「小学校学習指導要領解説. 2005)であることに着目した。. 道徳編」では,思いやりの心を育むには「多様. な人との直接的なかかわり合いの機会を多く. 3本研究の目的. し,人間愛を根底とした親切な行為の意義を実.  杜研(2006)は,ワークショップを展開し. 感できる機会をつくっていくこと」が重要であ. ていくためには学習のサイクルを組み込むこ. ると,道徳教育と教育的な体験活動の結びつき. とが必要だとしている。林(2001)は,経験. を強調している。体験活動及ぴ言語活動を充実. したことを再認識し,概念化することが必要な. させ,児童の道徳的実践力を育てる指導方法の. のだと論じた。. 確立とその検証を試みた。.  それらを参考.  思いやりについて,Eisenberg(1982)は「自. に,価値認識から. 分の身に比べて人の身について思うこと,相手. 考え,自ら体験す. の立場や気持ちを理解しようとする心」と定義. る場,思考を深め. づけ,思いやり行動が発揮される向社会的行動. る言語活動であ. の生起過程を示した。. るワークショッ.  菊池(1988)は,思いやり行動は自己の報酬や. プと組み合わせて参加体験型の授業計画を作. 損失などに関わらないものなどと,思いやり行. 成した。この実践を通じて,道徳の時間の中で. 動であると規定できる4要素をあげている。. ワークショップ型の学習活動を取り入れるこ.  平成20年告示の小学校学習指導要領解説. とで,児童の「思いやりの心」という道徳性が. 道徳編では,思いやりとは「相手の立場を推し. 変容するのか検証することを目的とした。. はかり,自分の思いを相手に向けることである」. と定義し,内容項目において各学年にわたって. 4 研究の対象と方法. 指導することを求め,さらに,学習指導要領で.  本研究は,6学年児童1クラス33名を対象. は,「よい人間関係を築くには,相手に対する. に,道徳の授業を3時間行った。その際,1時. 思いやりが不可欠である」と,人間関係につい. 間は「思いやり」の題材を扱った資料による授. 一134一.

(2) 業で価値を深め,その後の2時間の1時間は,.  また,1年生に対しての親切を考えたワーク. 問題解決型のワークショップを行った。.もう1. ショップの後のリフレクションと,遠足後のリ. 時間は,この実践の後に,実地研究校の総合的. フレクションから,児童の記述した文章を抜き. な学習の時間に設定されている1年生との校. 出し,分類した数を比較した。比較した項目は,. 外学習(遠足)に向けて,r1年生向けての親. 校外学習前のr当目1年生にどのようなことが. 切を考える」という主題の下に行った。このよ. できるか」という項目と,校外学習後の「1年. うに,体験活動の場を設定をもとにした3時間. 生に対してどのようなことができたか」という. の実践と校外学習の前後とで児童の道徳性が. 項目である。. 変容するかを調べる。.  ワークショップの後のリフレクションには 31の記述があったものが,校外学習後のリフ. 5結果と分析. レクションでは58となり,前後で1,8倍の差.  実践は,M1croso丑O舶。e皿xce12007アドイ. があった。. ンソフトの統計ツールを使用し,事前意識調査 と各授業後,そして体験活動後のリフレクショ. 6課題. ンシート及び授業の発話記録をもとに,クロス.  これらの実践を行った結果,研究の意図する. 集計などから分析・検討した。. r思いやりの心」という道徳性の変容に効果が.  毎授業後,活動後のリフレクションにおいて,. あったと考えられるが,ワークショップを行う. 学習指導要領にある内容項目の「だれにでも親. という一連の活動が,児童の道徳性の育成に影. 切にすることは大切である」,という質問項目. 響を及ぼしていたのであって,どの方法のどの. に回答させた。図はその回答の平均を表してい. 活動が,児童の道徳性の発達にとって影響があ. る。「とても思う,思う,あまり思わない,全. るのか明確に判断することはできなかった。. 然思わない」という4段階への回答を,とても.  そのため,様々なワークショップをする中で,. 思うから4点として,次に3点,2点,1点と. 一つの方法に的を絞って,学級全体の児童や個. した。その児童の回答の平均を見ると,授業を. 人に焦点を当て,検討していくことが必要にな. 行っていくことに,親切にすることは大切であ. る。. ると回答しているように,児童の道徳性が高ま っていることが分かる。. 7 引用・参考文献 (1)文部科学省,『小学校学習指導要領解説 道徳編』、2007. (2)中野民夫,『ワークショップ』,岩波新書,2005. (3)国立教育政策研究所社会教育実践研究センター,.  『参加型体験学習に関する調査研究報告書』,2006 (4)林忠幸,『体験的活動の理論と展開一r生きる力」.  を育む教育実践のために一』,東信堂,2001 (5)國分孝康,『構成的グループ・エンカウンター』,.  男女別にも道徳性の高まりを比較した。この.  誠信書房1992. 一連の実践の中で,事前意識調査の段階で,男. 修学指導教員   坂口隆康. 女における道徳性に対する意識の差はなかっ た。その後の体験活動後の分析においても,男 女に高まりに差はなかった。. 一135一.

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