SMTPセッションの強制切断によるspamメール対策
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(2) 941. SMTP セッションの強制切断による spam メール対策. 時にブラックリストを参照し,登録されている IP アドレスから SMTP セッション確立要. 送の確実性よりもスループットを重視するため,受信 MTA が一時的なエラーを返しても再. 求があればこれを拒否する方式である.インターネット上で公開されている多くのブラッ. 送処理1 を行わないものが多い.. クリストは DNS(Domain Name System)を用いて提供されており,Spamhaus ZEN 1) ,. SCBL 2) ,SORBS 3) などがよく知られている.しかし,一般にブラックリストは見逃し. tempfailing では,このような挙動の違いを利用して spam 発信 MTA の判定を行い,spam メールの受信を拒否する.具体的には,送信 MTA が受信 MTA に対してメール配送を試み. (false negative)や誤検出(false positive)が多く4) ,文献 5) では実在するあるブラック. ると,受信 MTA はこれが 1 回目の配送であるか 2 回目以降の配送(再送)であるかを判. リストの有効性が低いことが示されている.特に,転送などにより同一の MTA から spam. 別する.もし,1 回目の配送であれば,受信 MTA はあえて受信を拒否することで再送を促. メールとそうでないメール(以下,正常メール)が混在して配送される場合には,当該 MTA. し,逆に 2 回目以降の配送であれば通常どおりの受信処理を行うようにする.. がブラックリストに登録され正常メールまで受信を拒否される事例も存在する. 一方,tempfailing は,信頼できない MTA からの電子メール配送を一時的に拒否するこ. tempfailing には,配送拒否の時期や再送判定基準などの違いによりいくつかの実装が存 在する.本章では tempfailing に分類される従来の実装とその問題点について述べる.. とにより,再送処理を行わない MTA からの電子メールを排除する手法である.spam メー. 2.1 greylisting. ルの送信 MTA の多くは再送を行わないことから,この手法は spam メールの効果的な排除. greylisting では SMTP セッション中に(送信 MTA の IP アドレス,エンベロープ From. 6),7). .同手法に基づく代表的な方式. アドレス,エンベロープ To アドレス)の 3 つ組を取得し,これを再送判定に用いる.1 回. として,greylisting 6) ,5-way handshake 8) などがある.しかし,これらの方式には,送信. 目の配送では 3 つ組を短期間(文献 6) での推奨値は 4 時間)登録し,RCPT コマンドに. MTA が再送しない場合,あるいは再送を異なる MTA から行う場合は,正常メールであっ. 対する応答として一時的エラーを送信 MTA に返す.この登録期間中に同一の 3 つ組の配. てもこれが受信者に配送されず,またこれに対処するには管理者による MTA の登録が必要. 送があればこれを再送と見なして受信処理を行う.ただし,登録後一定期間内(同 1 時間). が期待でき,実際に有効に機能することが知られている. 7). になるなどの問題があることが知られている . そこで,本論文では,tempfailing 方式において上記のような問題を軽減するための spam 対策方式を提案する.本方式では SMTP セッションを受信側 MTA で途中で強制切断する ことにより送信側 MTA の再送処理を促す.これにより tempfailing と同様の効果を得なが ら,電子メールのヘッダや本文を取得することが可能になる.また,取得したヘッダや本文 を活用して管理コストの低減や再送されないメールの回復を図ることも可能になる. 以下,2 章では,従来の tempfailing の問題点について議論し,3 章では提案方式の詳細. の再送は再送と見なさず再び一時的エラー応答を返す.再送が確認された 3 つ組は長期間 (同 36 日間)登録され,この期間中に同じ 3 つ組の配送があれば一時的エラー応答を返さ ず,ただちに受信処理を行うようにする. 同様の方式に「お馴染みさん方式」10) がある.この方法では 3 つ組の代わりに送信 MTA の IP アドレスのみを用いる点が greylisting と異なる.. greylisting の問題点としては,通常メールの配送遅延があげられる.すなわち,RFC2821 では再送間隔は 30 分以上とすることが推奨されているため,ホワイトリスト(無条件で受. について述べる.4 章では提案方式に基づいて試作したシステムの実装方法と同システムの. 信を行う MTA の IP アドレスを登録したもの)に登録されていない MTA からの配送はた. 評価について述べる.. とえ上記の再送と見なさない期間を短縮したとしても 30 分以上の遅延が生じることが予想. 2. 従来の tempfailing 手法とその問題点 RFC2821. 9). される. また,再送が初回配送時とは異なる MTA から行われる場合には,さらに以下のような問. によると,SMTP セッション中に受信 MTA から一時的なエラーを表す 400. 題が生じる.大規模なドメインでは,負荷分散のために複数の MTA を用意し,前回とは. 番台の応答を受け取った場合,あるいは受信 MTA の障害などの理由により通信を完了でき. 異なる MTA を用いて再送を試みることがある.このような場合では再送のたびに異なる. なかった場合,送信 MTA は一定の期間待った後に再送処理を行ったり,複数の MX が指. MTA が用いられるため,受信 MTA では毎回再送でないと判定され,そのつど一時的なエ. 定されている場合には次の順位の受信 MTA への配送を試みたりしなければならない.とこ ろが,spam メールの発信に用いられる MTA(spam 発信 MTA)は一般に spam メール配. 情報処理学会論文誌. Vol. 50. No. 3. 940–949 (Mar. 2009). 1 複数 MX 指定時における次順位 MTA への配送も含む.. c 2009 Information Processing Society of Japan .
(3) 942. SMTP セッションの強制切断による spam メール対策. ラーが返されることになる.これに対処するには,このような挙動をする送信 MTA を管理. では直接セカンダリ MTA に配送しようとして再送判定が正しく行われない危険性がある.. 者が手作業でホワイトリストに登録する必要があり,管理コストの増大につながる.. さらに,日本では一部の中小企業などで見られるように 1 つのグローバル IP アドレスしか. さらに,greylisting では誤検出が発生した場合に利用者や管理者がこれを回復できない 点が問題となる.もし初回時に送られた正常メールを受信拒否し,その後送信 MTA が再送 をしなかった場合,この正常メールは宛先に配送されず,誤検出が発生したことになる.こ れに対処するためには再送しない送信 MTA をホワイトリストに登録する必要があるが,利 用者や管理者が得られる情報は(送信 MTA の IP アドレス,エンベロープ From アドレス,. 利用できないドメインも多く12) ,そのようなドメインではこの実装をそのまま採用できな い点も問題となりうる.. 3. SMTP セッションの強制切断による spam メール対策方式 前章で述べたように,従来の tempfailing は通常メールの配送遅延が大きい,再送を正. エンベロープ To アドレス)の 3 つ組だけでヘッダや本文は記録されないため,送信 MTA. しく判定できない危険性がある,誤検出が発生した場合に利用者がこれを認識できないな. をホワイトリストに登録すべきかどうかの判定が困難である.再送を行わない MTA は本. ど,いずれも運用上あるいは性能上の問題があった.そこで本章では tempfailing において. 来であれば RFC2821 に違反しており,誤検出の責任も送信 MTA 側が負うべきであるが,. SMTP セッションの強制切断機能を導入することにより,従来の tempfailing 手法が持つ. 残念ながら現実にはこのような MTA も存在するため11) ,greylisting 導入における問題と. 問題点を軽減する方式を提案する.. 3.1 システム構成と提案方式の概要. なりうる.. 2.2 5-way handshake. 本方式では,通常の MTA に SMTP セッション強制切断機能を導入する構成も可能であ. 5-way handshake ではプライマリ MTA およびセカンダリ MTA の 2 台の MTA を用意. るが,既存の MTA をそのまま用いながら同機能を持つメールゲートウェイを新たに導入す. し,プライマリ MTA への配送を拒否することによりセカンダリ MTA への配送を促す.そ. る構成も可能である.説明を容易にするため,以下ではメールゲートウェイを新規導入する. の際,プライマリ MTA への SMTP セッション確立時に送られる SYN フラグ付きパケッ. 構成を想定する.この場合のシステム構成図を図 1 に示す.メールゲートウェイは便宜上プ. ト(以下,SYN パケット)に対して受信 MTA は RST フラグ付きパケット(以下,RST. ライマリメールゲートウェイ(PMG: Primary Mail Gateway)とセカンダリメールゲート. パケット)の送出によりセッション確立を拒否する.これにより多くの正常な MTA に対し. ウェイ(SMG: Secondary Mail Gateway)の 2 台で構成されており,それぞれ同図におけ. て短時間での再送を促し,greylisting で問題となっていた通常メールの配送遅延を大幅に. る各末端 MTA(図中右端の Server)のプライマリ MX,セカンダリ MX として指定され. 軽減することが可能となる.. るように DNS が設定されているものとする.なお,後述するように PMG と SMG は同じ. 再送判定は,送信 MTA とセカンダリ MTA との間での SMTP セッション確立の直前に. 動作を行うため,1 台のメールゲートウェイが PMG と SMG を兼ねることも可能である.. おける,同一送信 MTA からプライマリ MTA への SYN パケット送信の有無に基づいて行. これらのメールゲートウェイは RST パケット送出による SMTP セッションの強制切断. われる.SYN パケット送信の有無を必要とするのは,MX レコードの優先度を無視して直. 機能を持ち,PMG への初回配送時にはヘッダあるいは本文を受信した時点で強制切断を行. 接セカンダリ MTA への配送を行うような spam 送信 MTA を排除するためである.. うように動作する.これにより,従来の tempfailing と同様に再送しない送信 MTA からの. しかし,この方式では,再送が初回配送時とは異なる MTA から行われる場合には再送 判定が正しく行われず通常メールを受信できないという問題点は解決されていない.また,. RST パケット受信後にセカンダリ MTA への配送を試みない MTA の存在が確認されてお り8) ,ホワイトリストに登録しない限りそのような MTA から配送される正常メールが宛先 に配送されない状態になる問題も依然として存在する.このほかにも,新たな問題点とし て,一部の MTA は正常に配送を完了した受信 MTA をしばらく記憶し,次回の配送にも同 じ受信 MTA に配送を試みるため,1 度セカンダリ MTA への配送が成功すると次回の配送. 情報処理学会論文誌. Vol. 50. No. 3. 940–949 (Mar. 2009). 図 1 提案手法のシステム構成例 Fig. 1 A system layout of the proposed method.. c 2009 Information Processing Society of Japan .
(4) 943. SMTP セッションの強制切断による spam メール対策. メール配送を排除する効果を有しながら,従来の tempfailing とは一時エラーを発生させる. ルについて 1 回分の通信に要する通信量が増加し,これにともなって遅延時間も 1 回分の. 時期が異なり,初回配送時にヘッダや本文を取得できるため,これらの情報を再送判定や誤. 通信に要する時間だけ増加するが,誤検出が発生した場合にメッセージ全体を回復すること. 検出発生時の回復に用いることが可能になる.また,5-way handshake と同様に複数の MX. が可能である.通信量や配送遅延時間の増加は,特に大きいサイズのメッセージを受信する. を設定しているため,強制切断により初回配送に失敗すると,多くの送信 MTA は次の優先. 場合に顕著になる.これに対して,強制切断をヘッダ受信後に行う場合には,ヘッダ部分の. 度を持つ SMG へただちに配送を試み,SMG ではこれを受理する.これにより greylisting. 通信に要する通信量だけが増加するため,通信量や配送遅延時間の増加はメッセージサイズ. における配送遅延を軽減することが可能となる.. にかかわらず比較的小さく抑えられるが,誤検出が発生した場合に差出人アドレスや件名な. 3.2 再送判定処理の改善. どヘッダ中に含まれる情報のみ回復可能で,メッセージ全体を回復することができない.. 従来の tempfailing では,再送判定において電子メールのヘッダや本文をまったく利用せ. このような理由により,本方式では利用者自身が強制切断の時期を自由に設定できるよう. ず,送信 MTA の IP アドレスやエンベロープ From,エンベロープ To のような SMTP セッ. な機能(以下,切断時期設定機能)を導入する.設定可能な動作は accept(最初のセッショ. ションの情報のみに基づいて行っていたため,再送のたびに異なる MTA を用いて配送が試. ンで受信する),header(ヘッダ受信後に強制切断する),body(全文受信後に強制切断す. みられる場合に正しく判定できなかった.これに対して,提案方式ではヘッダあるいは本文. る)の 3 通りである.. を受信した後に SMTP セッションを強制的に切断するため,従来の送信 MTA の IP アド. このような機能を導入すると,複数のエンベロープ To が指定されたときにどのような動. レスの代わりにヘッダあるいは本文に含まれる情報を用い,さらにエンベロープ From,エ. 作を行うかが問題となる.これに対しては,表 1 に示すように,宛先に対する動作の組合. ンベロープ To を組み合わせて再送判定を行う.これにより,従来のように異なった MTA. せによって実際に選択される動作を変更するようにする.宛先操作については,初回受信. からの再送に対しても正しく再送判定を行うことが可能になり,管理コストの減少が可能に. (accept)の宛先と再送時受信(header および body)の宛先が混在する際に必要で,初回. なる.. 受信時には初回受信の宛先のみ残し,逆に再送時には再送時受信の宛先のみ残すようにす. IP アドレスの代わりに再送判定に用いる情報は,メッセージの同一性を判定できるもの. る.たとえば,3 番の行は初回受信(accept)の宛先とヘッダ受信後切断(header)の宛先. であればヘッダあるいは本文に含まれる任意のものが利用できる.その候補としては,たと. が混在し,全文受信後切断(body)の宛先が含まれない場合に対応し,切断時期は全文受. えばヘッダ中の Message-ID,Date,Received などのフィールド,あるいは本文のハッシュ. 信後(body)とするが,PMG 自身はメッセージを受理し,初回受信の宛先のみを残して. 値などがあげられる.ただし,ヘッダ受信後に強制切断する場合には,本文に含まれる情報. 末端 MTA に配送する.. を再送判定に用いることができないという点に注意する.. なお,初回受信と再送時受信の宛先が混在する際には,初回受信時に取得したメッセージ. なお,Message-ID,Date あるいは本文のハッシュ値など,複数の宛先に配送されるメッ 表 1 複数の宛先が指定されている場合の動作 Table 1 Action with multiple recipients.. セージに共通の情報だけを用いて再送判定を行うと,再送でないメッセージを誤って受信す る危険性があることに注意する.すなわち,複数の宛先に同一内容のメッセージが個別の. SMTP セッションで配送されると,2 通目以降が初回配送時に 1 通目と同じメッセージの. 強制切断設定. #. 再送と誤認識されて受信される.これを防ぐためには,少なくともエンベロープ To との組 合せで再送判定を行う必要がある.. 3.3 強制切断の時期 3.1 節で述べたように,本方式では PMG が初回配送時にヘッダあるいは本文を受信した 時点で強制切断を行う.強制切断をどの時点で行うかは通信量や配送遅延時間,あるいは誤 検出後の回復に影響を与える.すなわち,強制切断を本文受信後に行う場合,すべてのメー. 情報処理学会論文誌. Vol. 50. No. 3. 940–949 (Mar. 2009). 1 2 3 4 5 6 7. accept. header. 動. body. ○ ○. ○ ○. ○ ○. ○ ○. ○ ○ ○ ○. 切断 時期. 作 初回 配送. 宛先 操作. accept header body body body body body. あり なし あり なし あり なし あり. なし なし あり なし あり なし あり. c 2009 Information Processing Society of Japan .
(5) 944. SMTP セッションの強制切断による spam メール対策. の処理が初回受信の宛先と再送時受信の宛先で異なる点に注意する.すなわち,まず初回受. (7). 信の宛先については,送信 MTA がメール送信を完了していないにもかかわらず受信側では メール配送が行われる.これは RFC1047 13) で示されるように強制切断をともなわない通 常のメール配送においても起こりうる状況であり,特に問題にならない.一方,再送時受信. 切断時期が header の場合(表 1 の 2 番)には,PMG/SMG は RST パケットをた だちに送信 MTA に送出して SMTP セッションを強制切断し,送信 MTA に再送を 促す.また,受信したヘッダを誤検出時に備えて保存し,終了する.. (8). そうでなければ,切断時期が body の場合(表 1 の 3∼7 番)に該当する.この場合,. の宛先については,同じメッセージを取得するが配送は行わない.メッセージの取得は誤検. PMG/SMG は全文を受信後に RST パケットを送信 MTA に送出して SMTP セッ. 出発生の確認を行うためのものであり,誤検出されたメッセージを後に回復したとしても,. ションを強制切断し,送信 MTA に再送を促す.また,受信したヘッダおよび本文を. これがただちに正常なメール配送を意味するものではない.. 誤検出時に備えて保存する.. 3.4 全体の処理手順. (9). これまでに述べた方法をまとめた,システム全体の典型的な処理手順の例を以下に示す.. 初回配送がありの場合(表 1 の 3,5,7 番)には,PMG/SMG は宛先アドレスのう ち初回受信(accept)の宛先のみを残し,その宛先に受信したメッセージを中継して. この例では, (エンベロープ From アドレス,エンベロープ To アドレス,Message-ID)の. 終了する.そうでなければ(表 1 の 4,6 番の場合),初回受信する宛先がないため. 3 つ組を用いて再送判定を行うものとする.. 単に終了する.. なお,以下の手順においては PMG と SMG を区別せずに扱っているが,これは通常の. MTA の中にも MX の優先度の指定に従わないものが存在するためである. (1). 送信 MTA は,PMG/SMG との間で SMTP セッションを開始する.. (2). 送信 MTA は PMG/SMG に対して MAIL FROM コマンドおよび RCPT TO コマ. (4). 誤検出時に備えて保存していたヘッダおよび本文を削除して終了する.. 3.5 メールゲートウェイの統合 2.2 節で述べたように,一部のドメインではグローバル IP アドレスを 1 つしか利用でき. MTA 宛の配送であればこれらのコマンドに対して肯定応答(250 OK)を返し,こ. ないため,図 1 のように複数のメールゲートウェイを必要とするシステム構成は採用でき. れらのアドレスを後の再送判定で用いるために記録しておく.また,PMG/SMG は. ない. これに対して,提案方式では 1 台のメールゲートウェイが PMG,SMG の両方を兼用す. 決定する.. る構成が適用可能である.この場合,図 2 に示すように右辺の異なる MX レコードを複数. 切断時期が accept の場合(表 1 の 1 番)には,PMG/SMG は通常どおり受信し,. 用意し,これらが同一の IP アドレスを持つように設定する必要がある.この構成により,. 末端 MTA に中継して終了する.. 利用する IP アドレスは 1 つに抑えつつ,複数のメールゲートウェイを導入する構成とほぼ. そうでなければ切断時期が accept 以外の場合(表 1 の 2∼7 番)に該当する.この. 同様に配送遅延時間の短縮効果を期待できる.また,PMG,SMG 間での再送判定情報の共. 場合,送信 MTA は引き続いて DATA コマンドを発行する.PMG/SMG は同コマ ンドを受け付けた後,ヘッダの内容を受信する.. (5). 受信(accept)の宛先を削除して残りの宛先に受信したメッセージを中継する.また,. ンドを発行し,差出人アドレスおよび宛先アドレスを指定する.PMG/SMG は末端. 指定された宛先に対応する強制切断設定を参照し,表 1 のどの行の動作を行うかを. (3). ( 10 ) PMG/SMG は再送されたメッセージを通常どおり受信し,宛先アドレスのうち初回. $ORIGIN example.com. @ IN MX 10 pmg IN MX 20 smg pmg IN A 192.0.2.123 smg IN A 192.0.2.123. PMG/SMG はヘッダ中の Message-ID フィールドを抜き出し, (エンベロープ From アドレス,エンベロープ To アドレス,Message-ID)の 3 つ組に基づいて再送判定 を行う.判定の結果,初回配送と判定された場合には ( 6 ) に進み,再送と判定され た場合には ( 10 ) に進む.. (6). PMG/SMG は(エンベロープ From アドレス,エンベロープ To アドレス,MessageID)の 3 つ組を記録する.. 情報処理学会論文誌. Vol. 50. No. 3. Fig. 2. 940–949 (Mar. 2009). . . 図 2 メールゲートウェイ統合時の DNS 設定 A sample DNS setting for a single mail gateway.. c 2009 Information Processing Society of Japan .
(6) 945. SMTP セッションの強制切断による spam メール対策 表 2 初期の試作システムの運用結果 Table 2 Operation result of the first prototype system.. 有が不要になり,実装が容易になるという利点も生ずる.ただし,耐故障性の面では,図 1 の構成の場合は 2 台のメールゲートウェイのうち 1 台が故障しても遅延時間は大きくなる. 再送数. ものの配送は可能であるのに対して,1 台のメールゲートウェイしかない構成の場合はこれ. PMG SMG total. が故障すると配送が不可能になることから,図 1 の構成のほうが優れている.. 5,340 5,076 10,416. 未再送数. 34,415 9,888 44,303. 受信数. 39,755 14,964 54,719. 4. 試作システムの実装と評価 前章で述べたシステム構成および動作手順に基づき,我々は spam メール対策システムの 試作を行った.試作システムは切断時期設定機能を実装していない初期のシステムと,同機 能を実装した後期のシステムの 2 種類作成した,以下では,それぞれの試作システムの実装 と評価について述べる.. した後に再送されたメールと再送されなかったメールの数を算出した.その結果を表 2 に 示す. この表から,試作システムが処理した全メール 54,719 通のうち,81%にあたる 44,303 通 のメールを試作システムにおいてブロックできたことが分かる.これは我々の経験における. 4.1 初期の試作システム. 従来の greylisting と同等の性能であり,これより提案方式の SMTP セッション強制切断機. 初期の試作システムでは 2 台のメールゲートウェイを用い,MTA プログラムとして send-. 能がブロッキング機能として十分に動作するといえる.. mail を稼動させた.本システムでは管理者の設定により初回配送時のヘッダ受信後あるい. 4.2 後期の試作システム. は本文受信後に SMTP セッションの強制切断を行うようにした.SMTP セッションの強制. 後期の試作システムではメールゲートウェイは 1 台とし,MTA プログラムとして sendmail. 切断には外部プログラムを導入して SMTP セッションを監視し,初回配送時のヘッダ受信. を一部改造したものを用いた.改造の内容はヘッダ終了に関する milter(mail filter)の実. 後あるいは本文受信後に RST パケットを生成して送信 MTA,メールゲートウェイの両方. 行時期に関するもので,本来であれば本文受信後に実行されるが,これをヘッダ受信直後に. に送るようにした.再送判定方法としては,3.4 節で述べた 3 つ組を用いるようにした.. 実行されるようにした.強制切断の方法は,ヘッダ受信後あるいは本文受信後に呼び出され. 試作システムの動作試験として,まず外部ネットワークから隔離された実験ネットワーク. た milter が外部プログラムに通知して送信側,受信側の双方に RST パケットを送るように. において,試作システムの基本動作を調査した.その結果,SMTP セッション強制切断機. した.ただし,表 1 における 2,4,6 番の処理を行う場合には送信側,受信側の双方に同時. 能,再送判定機能のいずれもが正しく動作することが確認された.. に RST パケットを送るのに対し,3,5,7 番の処理を行う場合には,外部プログラムは送. 次に,動作試験の一環として試作システムを外部のネットワークにつなぎ,実際に外部か. 信側に先に RST パケットを送りながら,受信側から肯定応答が送られるのを待ち,これを. ら送られてくる spam メールの処理を行った.この試験運用では,近々廃止される予定の岡. 受信すると受信側にも RST パケットを送るように動作する.また,宛先操作には milter を. 山大学内のあるドメイン宛の電子メールを試作システムがいったん受け取るように MX レ. 用いた.再送判定方法としては,原則として 3.4 節で述べた 3 つ組を用いるようにしたが,. コードを書き換え,その後試作システムが本来の末端 MTA に受け取った電子メールを配送. 後述するように Message-ID フィールドの代わりに Date フィールドを用いる場合もあった.. するようにした.このドメイン宛に送信される電子メールの大半は宛先不明メールで,ま. 試作システムの動作試験として,後期の試作システムで新たに導入した,切断時期設定機. た,その多くが spam メールであると思われるが,その確認には受信者の同意が必要となる. 能が正しく動作するかどうかを確認した.その結果,表 1 に示すすべての組合せについて. ため行うことができず,実際の spam メールの割合は不明である.この試験運用では,この. 正しく動作することが確認された.. ような環境において,2006 年 1 月 29 日から 2 月 5 日までの 7 日間連続して試作システム. 次に,試作システムの評価を行った.初期の試作システムでは,提案方法と従来方法との 比較を行えなかったため,後期の試作システムではいくつかの無料のメールサービス,匿名. を運用した. 試験運用では,提案方式のブロッキング機能の有効性を確認するため,試作システムのロ. メールサービス,メーリングリスト(ML),メールマガジンおよび個人のメールアドレス. グを解析し,動作試験の期間中に試作システムで処理したメールのうち,初回の配送に失敗. を用いてメールを送信し,強制切断後の再送の有無,再送に用いる MTA,再送までの最小. 情報処理学会論文誌. Vol. 50. No. 3. 940–949 (Mar. 2009). c 2009 Information Processing Society of Japan .
(7) 946. SMTP セッションの強制切断による spam メール対策 表 3 後期の試作システムの運用結果 Table 3 Operation result of the second prototype system.. ドメイン名(サービス) cc.okayama-u.ac.jp(大学) nifty.com(ISP) listbox.com(spf-discuss ML) yahoo.com(無料メール) gmail.com(無料メール) aol.com(無料メール) hotmail.com(無料メール) yahoogroups.jp(無料 ML) freeml.com(無料 ML) mag2.com(メールマガジン) trashmail.net(匿名メール). MTA ソフトウェア sendmail sendmail postfix ? ? ? SMTPSVC ? qmail qmail postfix. 再送. 再送 MTA. ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○. 同一 同一 同一 同一 別個 同一 同一 同一 同一 同一 同一. 4.3 誤検出に関する考察 最小配送遅延. 0 (sec) 1 1 10 385 6 6 1 399 3,264 6. 後期の試作システムの試験運用では誤検出の例は確認されなかったが,実際の運用では 様々な理由により誤検出の発生が考えられる.そこで,本節では起こりうる誤検出の発生原 因とその対策について議論する.. 4.3.1 Message-ID を持たないメッセージの配送 RFC2822 14) によれば,Message-ID フィールドはオプションであって必須ではない.そ のため,(エンベロープ From,エンベロープ To,Message-ID)の 3 つ組に基づく再送判 定は失敗する可能性がある.実際に yahoo.com や yahoogroups.jp からのメールについて は Message-ID フィールドがないものもあった. この問題への対策としては,Message-ID の代わりに本文のハッシュ値か,必須である. Date フィールドを用いる方法が考えられる.前者は再送判定を確実に行える(見逃しが少 時間を測定した.ただし,初期のシステムの試験運用で使用したドメインはすでに廃止され. ない)が,本文を最後まで受信する必要が生じる.一方,後者は同じ時刻(1 秒以内)に同. ていたため,本評価では新たなドメインを用意した.このドメインでは一般のメールは送受. じ送信アドレスから同じ宛先アドレスに 2 通以上のメールが配送された場合には 2 通目以降. されておらず,見逃し率や誤検出率は意味を持たないため,評価していない.. を再送なしで受け取ってしまう可能性があるが,ヘッダ受信後にただちに SMTP セッショ. 代表的なドメイン(サービス)における測定結果を表 3 に示す.. ンを切断して通信量を削減することが可能である.. この表に示されているように,調査した範囲ではすべての送信者が再送機能を持ってい. 4.2 節で述べたように,後期の試作システムでは Message-ID フィールドが含まれないメッ. た.異なる MTA を用いて再送を行うドメインはいくつか存在し,gmail.com もその 1 つ. セージについては代わりに Date フィールドを用いる再送判定機能を実装し,その結果,た. であった.このようなドメインからのメールは従来の greylisting および 5-way handshake. とえば yahoogroups.jp からの一部のメッセージのように Message-ID がないメッセージも. では再送を受け付けず管理者がホワイトリストに登録する必要があったが,提案方式ではこ. すべて受信できることを確認した.. のようなメールでもホワイトリストへの登録を必要とせずに受信できることが確認できた.. 4.3.2 再送を行わない MTA. 再送時間については,多くのドメインが 10 秒以内で再送を行っており,greylisting と比. 後期の試作システムの試験運用では確認されなかったが,2.1 節でも述べたように,正常. 較すると提案方式が再送時間の短縮に一定の効果を有することが確認された.しかし,特に. メールを配送するにもかかわらず再送を行わない送信 MTA も一部存在する.その場合,従. qmail を使用しているドメインや gmail.com については再送に 6 分以上かかり,なかには. 来の tempfailing 手法ではそこから送られるメッセージが宛先に配送されないことになる.. 1 時間近くかかるものもあった.一方,5-way handshake では qmail からの再送は 1 秒以. ホワイトリストへの登録によりこのような MTA からのメッセージを受信することは可能. 内に行われる8) .この再送時間の違いは,qmail については 5-way handshake で行われた. であるが,2 章で述べたように,ユーザや管理者が知ることが可能なのは送信 MTA の IP. ようにプライマリ MX とのセッションの確立に失敗した場合にはただちにセカンダリ MX. アドレス,エンベロープ From,エンベロープ To の 3 つだけであるため,送信 MTA をホ. とのセッション確立を試みるが,提案方式で行われたように 1 度プライマリ MX とのセッ. ワイトリストに登録すべきかどうかの判定が一般には困難である.. ション確立に成功した場合には,その後配送が一時的に失敗しても同一のプライマリ MX. 提案方式でもホワイトリストに登録しない限りこのような MTA からのメールを正常に. に対して再送を試みるためである.gmail.com についても異なる MTA から再送する点を. 受信することができない.しかし,提案方式において本文を受信した後に強制切断する技法. 除いて同様の理由で再送時間の違いが現れたと思われる.. を用いると,再送されなかったメッセージをすべて一時的に保存できるため,たとえば保存 したメッセージの送信者アドレスとサブジェクトを提示し,必要があれば後でそれを回復す. 情報処理学会論文誌. Vol. 50. No. 3. 940–949 (Mar. 2009). c 2009 Information Processing Society of Japan .
(8) 947. SMTP セッションの強制切断による spam メール対策. ることが可能になる.その結果,もしそれが正常なメッセージであれば,そのメッセージを. 4.4.1 再送判定処理の改善に関する管理・運用コスト. 送信した MTA をホワイトリストに登録すればよい.. まず,再送判定処理の改善にともなって発生する管理・運用コストについて考察する.こ. なお,自組織内から提案方式を導入した MTA を用いてメール発信を行う場合,MUA (Mail User Agent)の多くが再送を行わない点が問題となりうる.これについては,この ような MTA の代わりに MSA(Message Submission Agent)を用いて発信するようにす. の場合,再送判定に用いられる 3 つ組の管理が新たな管理・運用コストとして問題となり うる. しかし,この 3 つ組については,1 通あたりのデータ量が greylisting の場合と同程度でた かだか数百バイトであり,これを保存する期間も greylisting と同程度でよいことから,必. れば問題ない.. 4.3.3 再送時におけるエンベロープ From アドレスの変化 後期の試作システムの試験運用では確認されなかったが,初回時と再送時でエンベロープ. 要なデータ量も greylisting と同程度でありほとんど問題にはならない.. 4.4.2 誤検出からの回復に関する管理・運用コスト. From が異なるような正常な送信 MTA も存在する.たとえば,送信 MTA がメッセージの. 次に,再送しない MTA から配送されたメールの保存にともなって発生する管理・運用コ. 配送を試みるたびにエンベロープ From に配送時刻を埋め込むのであれば,このような現象. ストについて考察する.この場合,保存されるヘッダあるいは本文の管理,およびヘッダや. が起こる.このような例として,文献 11) では BATV 15) があげられている.その場合,従. 本文の取得にともなう通信量や配送遅延時間の増加が管理・運用コストとして問題となり. 来の tempfailing 手法ではそこから送られるメッセージが宛先に配送されないことになる.. うる.. この問題は提案方式でも発生するが,その対策として再送判定からエンベロープ From を. このうち,ヘッダあるいは本文の管理については,これらのいずれを保存する場合でも初. 除外し, (エンベロープ To,Message-ID)の 2 つ組を用いるようにする方法が考えられる.. 回配送時から受信者が誤検出に気付いて回復するまでの期間(たとえば数日間)は保存して. これは一般に Message-ID が同一のメッセージは同じ送信者から送信したと考えられるため. おく必要があり,保存期間が再送判定に用いられる 3 つ組と比較すると長い.また,特に本. である.しかし,この場合でもエンベロープ From だけでなく Message-ID も再送のたびに. 文を保存する場合には 1 通あたりのデータ量が大きくなるため比較的大きな記憶容量を必. 変化するような場合,あるいは Message-ID がない場合には再送を正しく判定できず,ホワ. 要とし,たとえばすべてのメールについて本文を保存する場合には,保存期間中に配送され. イトリストへの登録を行うしかない.. るすべてのメールを保存できるだけの容量が必要になる.. 4.4 管理・運用コストに関する考察 これまでに述べたように,提案方式では異なった MTA からの再送に対してもホワイト. しかし,従来の greylisting との比較の観点では,たとえば誤検出からの回復のために差 出人アドレスや件名などヘッダに含まれる情報の一部を保存し,これを自動的に利用者に配. リストへの登録を行わずに受信することが可能であり,その意味で管理コストの低減が可能. 信するだけでも従来の greylisting が提供する利便性を十分上回っているといえる.その場. になる.一方,提案方式の導入により,保存したヘッダや本文の管理などの新たな管理コス. 合,1 通あたりのデータ量はたかだか数百バイトとなるため,たとえば保存期間中に 100 万. トが発生する.また,通信量の増加など,運用コストもある程度の増加が見込まれる.そこ. 通のメールを処理する環境1 では追加で必要となる記憶容量は数百メガバイト程度であり,. で,以下では提案方式導入にともなう管理・運用コストに関して議論する.. MTA に標準的に搭載されるディスク容量と比較するとあまり大きくなく,十分実用に耐え. 一般に,管理・運用コストは利用者に対する利便性とトレードオフの関係にあるため,単 純な比較は困難である.また,管理・運用コストはたとえばディスク容量やネットワーク. うる. 一方,ヘッダや本文の取得にともなう通信量や配送遅延時間については,保存期間にかか. 帯域など,MTA の利用可能な資源量にも大きく依存する.そこで,特に断りのない限り,. わらずつねに発生する.その増加量については再送されないメールの比率や強制切断の時期. MTA の利用可能な資源量にある程度余裕がある状況において従来の greylisting と同程度. などに依存するが,たとえば 4.1 節のように再送されないメールの比率が全体の 80%であ. の利便性を利用者に提供する場合を想定し,greylisting と比較した管理・運用コストの増. る状況において本文を取得した後に強制切断を行う場合を想定すると,従来の tempfailing. 減について考察する.なお,提案方式の導入あるいは初期設定に要するコストについては, 1 岡山大学における約 5 日分の流通量に相当する.. 一時的なものであるため議論しない.. 情報処理学会論文誌. Vol. 50. No. 3. 940–949 (Mar. 2009). c 2009 Information Processing Society of Japan .
(9) 948. SMTP セッションの強制切断による spam メール対策. では全体の 20%分のメールを受信すればよいのに対して,提案方式では再送されないメー ルについては 1 回,再送されるメールについては 2 回通信を行うことから,全体の 120%分 のメール受信が必要となる. しかし,この場合でも tempfailing を用いずにすべてのメールを受信してからフィルタリ ングを行う方法と比較すると,メールの受信処理件数は 20%の増加にとどまる.また,強 制切断の時期を本文取得後の代わりにヘッダ取得後に変更することにより通信量や配送遅延 時間の削減が可能であることから,提案方式は通信量や配送遅延時間の観点でも実用に耐え うると思われる.. 5. む す び 本研究では,従来の tempfailing の問題点である,異なる MTA からの再送への対処およ び誤検出時の再送されないメッセージの回復を可能にするため,SMTP セッションをヘッ ダあるいはメッセージ全体の受信後に強制切断する spam メール対策方式を提案した.ま た,提案方式に基づいて試作システムを実装して試験運用を行い,その有効性を確認した. さらに,多くのドメインからのメール配送について遅延時間が 5-way handshake と同程度 に短縮できることも確認した.本方式は利用者ごとに強制切断機能の有無や切断時期を設定 できる点も従来の方式には見られない特徴である. 今後の課題として,長期にわたる実運用を通じての提案手法の性能評価があげられる.ま た,初回配送時にメッセージを受信しながらその内容に応じて動的に動作を変更するような. 5) Ramachandran, A., Dagon, D. and Feamster, N.: Can BNS-Based Blacklists Keep Up with Bots?, Proc. 3rd Conference on E-Mail and Anti-Spam (CEAS 2006 ), pp.55–56 (online) (2006). available from http://www.ceas.cc/2006/14.pdf 6) Harris, E.: The Next Step in the Spam Control War: Greylisting (online). available from http://projects.puremagic.com/greylisting/whitepaper.html (accessed 200806-10) 7) 吉田和幸:greylisting による spam メールの抑制について,情報処理学会分散システ ム/インターネット運用技術研究会研究報告,No.2004-DSM-35, pp.19–24 (2004). 8) 山口榮作,鈴木常彦:TCP Handshake 制御を利用した spam 対策システム,大学情 報システム環境研究,No.8, pp.60–68 (2005). 9) Klensin, J.: Simple Mail Transfer Protocol, RFC 2821, IETF (2001). 10) 前野年紀:お馴染みさん方式 (online). available from http://moin.qmail.jp/ a4 aa c6 eb c0 f7 a4 b5 a4 f3 ca fd bc b0 (accessed 2008-06-10) 11) Levine, J.R.: Experiences with Greylisting, Proc. 2nd Conference on E-Mail and Anti-Spam (CEAS 2005 ) (online) (2005). available from http://www.ceas.cc/ papers-2005/120.pdf 12) 石島 悌,平松初珠,林 治尚:メンテナンスフリーを目指した適用時間限定型 greylisting による迷惑メール対策とその効果,情報処理学会分散システム/インターネット運 用技術研究会研究報告,No.2004-DSM-45, pp.89–94 (2007). 13) Partridge, C.: DUPLICATE MESSAGES AND SMTP, RFC 1047, IETF (1988). 14) Resnick, P.: Internet Message Format, RFC 2822, IETF (2001). 15) Levine, J., Crocker, D., Silberman, S. and Finch, T.: Bounce Address Tag Validation (BATV) (online). available from http://mipassoc.org/batv/ draft-levine-smtp-batv-01.txt (accessed 2008-06-10). 技法を導入することも今後検討したい. 謝辞 本研究の一部は平成 17∼19 年度科学研究費補助金(基盤研究(B),課題番号. (平成 20 年 6 月 10 日受付) (平成 20 年 12 月 5 日採録). 17300038)の補助を受けている.ここに記して感謝の意を表する.. 参. 考. 文. 献. 1) The Spamhaus Project Ltd.: The Spamhaus Project–ZEN (online). available from http://www.spamhaus.org/zen/ (accessed 2008-06-10) 2) IronPort Systems, Inc.: SpamCop.net–Blocking List (bl.spamcop.net) (online). available from http://www.spamcop.net/bl.shtml (accessed 2008-06-10) 3) SORBS Publishing: SORBS (Spam and Open-Relay Blocking System) (online). available from http://www.sorbs.net/ (accessed 2008-06-10) 4) Graham, P.: Filters vs. Blacklists (online). available from http://www.paulgraham. com/falsepositives.html (accessed 2008-06-10). 山井 成良(正会員) 昭和 59 年大阪大学工学部電子工学科卒業.昭和 61 年同大学大学院博 士前期課程修了.昭和 63 年同大学院基礎工学研究科(物理系専攻情報工 学分野)博士後期課程退学.同年奈良工業高等専門学校情報工学科助手. 同講師,大阪大学情報処理教育センター助手,同大学大型計算機センター 講師,岡山大学総合情報処理センター(現,総合情報基盤センター)助教 授を経て,平成 18 年より同教授.分散システム,マルチメディアシステム,マルチメディ アネットワークの研究に従事.IEEE,電子情報通信学会各会員.博士(工学).. 情報処理学会論文誌. Vol. 50. No. 3. 940–949 (Mar. 2009). c 2009 Information Processing Society of Japan .
(10) 949. SMTP セッションの強制切断による spam メール対策. 岡山 聖彦(正会員). 漣. 平成 2 年大阪大学基礎工学部情報工学科卒業.平成 4 年同大学大学院基. 平成 16 年岡山大学工学部通信ネットワーク工学科卒業.平成 18 年同. 一平(正会員). 礎工学研究科博士前期課程修了.同年同大学院基礎工学研究科博士後期課. 大学大学院自然科学研究科(電子情報システム工学専攻)博士前期課程修. 程を退学し,同大学工学部助手.平成 6 年奈良先端科学技術大学院大学情. 了.同年株式会社日立製作所入社.分散システム運用管理等に興味を持つ.. 報科学研究科助手.平成 10 年岡山大学工学部助手.平成 17 年同大学総 合情報基盤センター助手.平成 19 年同助教.博士(工学).インターネッ トアーキテクチャ,ネットワーク管理,ネットワークセキュリティの研究に従事.電子情報 河野 圭太(正会員). 通信学会会員.. 平成 12 年大阪大学工学部電子情報エネルギー工学科卒業.平成 14 年同 中村 素典(正会員). 大学大学院工学研究科(情報システム工学専攻)修士課程修了.平成 16. 平成 6 年京都大学大学院工学研究科博士後期課程単位取得退学.立命館. 年同大学院情報科学研究科(情報ネットワーク学専攻)博士課程修了.同. 大学理工学部助手,京都大学経済学部助教授,京都大学総合情報メディア. 年岡山大学総合情報基盤センター助手.平成 19 年同助教.モバイルネッ. センター助教授,京都大学学術情報メディアセンター助教授を経て,平成. トワーク,分散システムの研究に従事.IEEE,電子情報通信学会各会員.. 19 年より国立情報学研究所特任教授,現在に至る.博士(工学).日本ソ. 博士(情報科学).. フトウェア科学会,電子情報通信学会各会員.コンピュータネットワーク, 宮下 卓也(正会員). 遠隔講義等の研究に従事.. 平成 3 年岡山大学工学部電気電子工学科卒業.平成 5 年同大学大学院 清家. 巧(学生会員). 工学研究科(電気電子工学専攻)修了.平成 8 年同大学院自然科学研究. 平成 19 年岡山大学工学部通信ネットワーク工学科卒業.現在,同大学. 科(知能開発科学専攻)修了.平成 9 年東京農工大学ベンチャービジネ. 大学院自然科学研究科(電子情報システム工学専攻)博士前期課程在学中.. スラボラトリー博士研究員.平成 10 年岡山大学総合情報処理センター助. 迷惑メール対策,分散システム運用管理等に興味を持つ.. 手.平成 16 年同大学総合情報基盤センター助手.平成 17 年津山工業高 等専門学校情報工学科助教授.平成 19 年同准教授.ディジタル機器からの放射電磁雑音の 計測・予測・抑制,分散システム,ネットワークセキュリティの研究に従事.博士(工学).. IEEE,電子情報通信学会,エレクトロニクス実装学会各会員.. 情報処理学会論文誌. Vol. 50. No. 3. 940–949 (Mar. 2009). c 2009 Information Processing Society of Japan .
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