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リアルタイムLinuxにおける仮想マシンのリアルタイム性能評価

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第 76 回全国大会. 3A-3. リアルタイム Linux における仮想マシンのリアルタイム性能評価 渡邉 和樹 † †. 鶴 薫†. 三菱電機株式会社 情報技術総合研究所. ないことで、VM 同士の影響を抑制する構成とし た。また、NIC は集約を検討しているシステムを 近年、計算機を集約する手段として仮想化技 想定し、物理ポートを 2 つ専有させた上で 術が注目されている。仮想化技術により、1 台の Active-Standby の冗長構成を構築した。 物理計算機で複数の仮想計算機(以下、VM)が動 作可能となり、省スペース化を達成できる。 表 1 物理計算機と VM の仕様 我々は、リアルタイム性が必要な産業用シス 環境 仕様 詳細 テムの筐体数削減を目的とし、Linux ベースの仮 物理計算機 CPU Xeon E5645 6 コア 2CPU RAM 合計 10GB 想化技術である KVM[1]の適用を検討している。 NIC 合計 6 ポート 仮想化技術を適用したシステムでは、仮想化の OS RedHawkLinux 6.3 オーバヘッドによる応答遅延や、複数の VM にお VM CPU 仮想 CPU2 個 けるリソースの共有による性能低下が生じる。 RAM 2GB(オーバコミットなし) ゆえに、リアルタイム性が必要なシステムに仮 NIC 2 ポート専有、Active-Standby 想化技術を適用する際、これらの現象がシステ で bonding 構成を構築。 ムの性能に与える影響を考慮する必要がある。 VM1 VM2 VM3 本稿では、KVM を適用した環境におけるホスト RH RH RH OS およびゲスト OS として、リアルタイム Linux vC vC vC vC vC vC RedHawkLinux + KVM である RedHawkLinux[2]を動作させ、リアルタイ ム性能を評価したので、その結果を報告する。 C0 C1 C2 C3 C4 C5 C6 C7 C8 C9 C10 C11 Xeon E5645 Xeon E5645 具体的にはタイマやネットワーク割込み時の応 RAM 6GB I/O RAM 4GB 1GbE 答性能の評価と、複数の VM を同時に動作させた 対向 NIC スイッチ サーバ 際、VM 同士における干渉によって、CPU、メモリ、 図 1 評価環境の構成 ネットワーク性能に与える影響を評価した。 本評価では以下 5 項目について測定を行った。 2.KVM と RedHawkLinux ① タイマ応答性能:周期処理に対するリアル KVM は Linux カーネルに実装された仮想マシン タイム性能を評価する。測定には自製プログラ モニタである。KVM の特徴として、VM の管理に ムを用いる。タイマで周期処理を実現する方式 Linux カーネルの機能を用いることが挙げられる。 には周期タイマとワンショットタイマがある。 そのため、VM のリアルタイム性能はホスト OS の そこで、測定プログラムは周期タイマによるも リアルタイム性能に影響される。 の( 図 2 )と、ワンショットタイマによるもの( RedHawkLinux はリアルタイム拡張が施された 図 3) を 用 意 し た 。 前 者 は 10 ミ リ 秒 間 隔 で ディストリビューションである。RedHawkLinux SIGALRM シグナルが発生するようにタイマを設 では、カーネルに対して Linux コミュニティに 定し、ハンドラの起床間隔を測定する。後者は よるリアルタイム拡張の他に、独自のリアルタ ハンドラが起床した際、10 ミリ秒後に SIGALRM イム拡張が施されている。KVM のホスト OS およ シグナルを発生するように設定し、次にハンド びゲスト OS に RedHawkLinux を用いることで、 ラが起床するまでの時間を測定する。測定は VM 高いリアルタイム性能が期待できる。 で stress[3]、対向サーバで netperf[4]を実行 し、CPU と I/O に負荷をかけて行う。 3.リアルタイム性能評価 ② ネットワーク応答性能:外部入力に対する 物理計算機と VM の仕様を 表 1に、評価環境の 応答性能を評価する。測定には自製プログラム 構成を 図 1に示す。評価は 1~3 つの VM を動作 を用いる。本プログラムはパケットを送信後、 させて行う。各 VM に対して、物理 CPU コア 2 つ 対向サーバからの ACK パケットを受信し、ハン 専有させ、かつメモリのオーバコミットを行わ ドルするまでの間隔を測定する。本プログラム Performance Evaluation of Real-time Linux in virtual machine. を 20 プロセス動作させ、応答時間を測定した。 Kazuki WATANABE†, Kaoru TSURU† † Information Technology R&D Center, Mitsubishi Electric ③ CPU 性能独立性:複数 VM で CPU バウンドな. 1.はじめに. Corporation.. 1-31. Copyright 2014 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(2) 情報処理学会第 76 回全国大会. SIGALRM(10ms周期). SIGALRM. セット. イベントハンドラ. SIGALRM セット. 応答時間(ミリ秒). 31.768 10.016. 10.048. 周期タイマ. 16.720. ワンショットタイマ 負荷無し. 負荷あり. 図 4 タイマ応答性能 ネットワーク応答性能. 15864. 15000 10000 5000 0. 表 2 性能独立性測定結果と VM 数 1 の時との性能比 VM 数 1 台 VM 数 2 台 VM 数 3 台 CPU 性能 11750881 11737089 11737089 (stone/秒) (100%) (99.88%) (99.88%) メモリ性能 21.331 21.211 21.304 (秒) (100%) (99.43%) (99.87%) ネット性能 1816.7 1707.85 1794.11 (trans/秒) (100%) (90.01%) (98.75%). 計測範囲. 図 2 周期タイマによる測定 SIGALRM. 40 30 20 10 0. 図 5 ネットワーク応答性能. t イベントハンドラ. タイマ応答性能(10ミリ秒間隔). ACK受信までの時間 (マイクロ秒). 処理を行う際の影響を測定する。測定には CPU ベンチマーク Dhrystone を用いて、stone と呼 ばれる処理の実行回数を比較した。 ④ メモリ性能独立性:複数 VM でメモリアクセ スする際の影響を測定する。測定には自製プロ グラムを用いる。本プログラムは 1GB のメモリ を 4KB 間隔で書換る際に要する時間を測定する。 ⑤ ネットワーク性能独立性:複数 VM で同時に ネットワーク I/O を行った際の影響を測定する。 測定にはネットワークベンチマークである netperf を用いる。各 VM から対向サーバに対し て、TCP_RR 方式のベンチマークを行い、単位時 間あたりの通信回数を比較する。. t. 計測範囲. ゲスト OS に RedHawkLinux を用いた際のリアル タイム性能を検証した。結果、周期タイマとネ 4.評価結果 ットワーク割込みにおいてリアルタイム性能を 担保できない結果となった。これは仮想割込み 測定結果を 図 4、図 5、表 2に示す。測定結果 を通知する I/O スレッドに競合が生じたためと より、以下の結果が確認できた。 考えられ、対応策として KVM の vhost 機能や ① タイマ応答性能:負荷がない場合、応答遅延 RedHawk の CPU Sheild 機能の適用が考えられる。 は周期タイマで 16μ秒、ワンショットタイマで また、各 VM でリソースを専有するように割り 48μ秒となった。負荷をかけた場合、周期タイ 当てて評価した結果、CPU とメモリ性能において マで約 21.8 ミリ秒、ワンショットタイマで約 VM 同士の影響が抑制されたことを確認した。ネ 6.7 ミリ秒となり、遅延が発生した。 ットワーク性能では、相関性は確認されなかっ ② ネットワーク応答性能:多く試行で 3 ミリ秒 たが、VM 数が増加すると性能が変動することを 以内の応答となったが、突発的に大きな遅延が 生じ、最大応答時間は 15.864 ミリ秒となった。 確認した。 今後、KVM の vhost 機能の適用検討を行いリア ③ CPU 性能独立性:VM1 台の場合と、複数台の ルタイム性能の改善を目指す。また、より性能 場合における性能差は約 0.12%となり、VM 同士 面で有利な LXC[5]の適用を視野に入れ、リアル の影響はほぼ無い結果となった。 タイム性と集約の両立を目指す予定である。 ④ メモリ性能独立性:VM1 台の場合と複数台の 場合における性能差は約 0.57%となり、VM 同士 参考文献 の影響はほぼ無い結果となった。 [1] Kivity, A., et al.: kvm: the Linux virtual machine monitor, OLS'07, pp.225--230 (2007). ⑤ ネットワーク性能独立性:VM1 台の場合と複 [2] RedHawkLinux: http://www.ccur.co.jp/realtime/ 数台の場合における性能差は約 9.99%となり、 redhawk.html 性能のゆらぎが確認された。 図 3 ワンショットタイマによる測定. [3] stress: http://weather.ou.edu/~apw/projects/ stress/ [4] netperf: http://www.netperf.org/netperf/ [5] LXC: http://linuxcontainers.org/. 5.まとめ 本稿では、KVM 適用環境において、ホスト OS と. 1-32. Copyright 2014 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

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