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圧力と大気圧

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Academic year: 2021

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1 -~思考力別実験を通して、考える力を育む理科学習~

第1学年

理科学習指導案

指導者 T1 ○○ ○○ T2 ○○ ○○ T3 ○○ ○○ 単 元 圧力と大気圧 指導観 ○ 自然の事物・現象は複雑多様であり,それを,体系的に捉えることは極めて困難なように考えら れる。しかし,自然の事物・現象を分析的に調べていくと,それぞれの事象の原理に一つの共通性 があることが分かってくる。この,共通的な原理の一つが「物理」である。自然の事象は,複雑で あるが,その基本となるものは,いくつかの単純な原理であり,その原理を学ぶことは,事象を科 学的に捉える上で意義深い。 この単元は、その物理分野の「身近な物理現象」として、身近で,日常的な問題を直接に扱う単 元であり,生徒の興味関心を効果的に引き出すことができる単元でもある。また,日常の事象を科 学的に扱う活動を通して,日常生活で出会う事象を科学的な事象と関連付けて総合的に見る力を育 てることもできる。 圧力については、はたらく力の強さが同じでも,触れあう面積によって,影響が異なる事例を日 常生活の中で多くみることができる。また、大気圧については,その中で生活している我々には, その存在を感じることは難しい。しかし、生徒が,地球上を厚く覆っている空気の層を,空間的に イメージすることで、その重さにより大気圧が生じることをとらえることができる。このように感 覚的に捉えられない物を,理論の上で理解することは,科学的な見方・考え方を育てる上で大変重 要である。 尚、大気圧の学習は,第二分野の「天気とその変化」の学習の基礎になるものである。 ○ 生徒は,力と圧力のちがいをはっきり区別できていないものが多い。たとえばスポンジにレンガ をのせて広い面を下にしたときとせまい面を下にしたときで,どちらが圧力が大きいかという発問 をすると,せまい方が大きいのはわかるのである。しかし,レンガがスポンジを押す力の大きさを 聞くと両方同じであるにもかかわらず,同じようにせまい方が大きいと答えてしまう生徒が多い。 大気圧ということになるとさらにわかりにくくなる。日常生活ではその存在を実感できないし,大 気圧の元になる空気に重さがあることを理解していない。また、私たちがその大気圧に押されてい るということは,実感していない。 これまでの学習成績やレポートによる評価では、科学的思考力が比較的高い生徒が 35%,中程度 が45%,低い生徒が 20 %である。 ○ 本単元の指導にあたって、できるだけ日常生活の中に見られる身近な事象を取り上げ、生徒の興 味関心を高めるとともにその中から物理の原理を導き出すように指導したい そのために、先ず圧力に関しては、画鋲が壁に刺さる現象や紙コップに人が乗っても壊れない現 象から力が働く面積の大きさによって効果に違いが出ることから学ばせる。 次に、空気に重さがあることに気づかせることによって、大気圧が生じることを理解させる。さ らに、大気圧は、日常生活の中に見られる大気圧現象を多く検証させることによって、見えない大 気圧を理論的に説明できるように仕組みたい。その際、生徒の思考力を鑑みて、大気圧現象の検証 ができるようにいくつかのグループに分け、それぞれのグループでの指導と援助を充実させるため に三名の教師による指導を行う。最後に、各グループの実験結果を発表させることによって、思考 力の向上を図りたい。 目 標 (1)圧力に関心を持ち、身のまわりの現象と関連づけて調べようとする。 【関心・意欲・態度】 (2)実験結果から、力の効果は一定の面積で表されることや空気に重さがあることを見いだすことがで きる。 【科学的な思考】 (3)実験結果から、大気圧の存在を説明することができる。 【科学的な思考】 (4)測定結果から圧力を計算したり、空気を空き缶に詰めることで空気の重さを調べたりすることがで きる。 【観察・実験技能・表現】 (5)大気圧によって生じる現象を実験によって表すことができる。 【観察・実験技能・表現】 (6)圧力についての知識を身につけ、大気圧を空気の重さによって生じることを理解し、日常生活で起 こる現象と関連していることがわかる。 【知識・理解】 ※ 合理的な判断力 多面的・総合的な見方 自ら考え、自ら問題を解決していく資質や能力 情報を処理する力

(2)

2 -単元指導計画 6時間計画 時 学習活動・内容 手だて 評価規準 1 1 圧力に関する実験を行う。 ○ 先を丸く削った太さがちがう釘 【考】力の効果は力が働 を手のひらに軽く同じ大きさで押 く面積に関係することに 圧 ○ 力の効果のちがい し当てたときの痛みのちがいを感 気づく。(挙手による確認) ○ 力がはたらく面積のちが じさせ、力の効果のちがいに気づ 力 い かせる。 【知】スポンジの上に置 ○ 力の大きさとはたらく面 ○ 紙コップの並べた上に板をの くレンガの面を変えたと と 積のちがいを確かめる実験 せ、人が乗っても壊れないことか きのスポンジのへこみ方 らはたらく面積のちがいに着目さ のちがいを確認すること は せ、仮説を立てさせる。 ができる。(様相チェック) ○ 仮説の検証を実験7(スポンジ 何 の上のレンガ)で行わせる。 2 圧力の定義を知る。 ○いくつかの事例から帰納的に考え 【知】圧力についての知 だ ○ 力の効果を圧力というこ させ、公式を導き出させる。 識を身につけている。(様 と。 相チェック) ろ ○ 圧力は力の大きさに比例 ○圧力大きさを計算によって求めさ 【技】計算によって圧力 し,力を受ける面積に反比 せる。(p.40「問い」や学習プリ を求めることができる。 う 例すること。 ントで考えさせる。) (学習プリント) ○ 圧力(N/m2) =力の大 (2) きさ(N)/力を受ける面積 (m2)で求めること。 ○ 圧力の単位 N/m2 Pa (パスカル)と表すこと。 2 1 空気の重さを測定する。 ○久住登山の体験から空気の重さに 【技】空き缶に空気をつ ○ 空気の重さを調べる実 導く。 める前後で重さが変わる 空 験方法。 ○空き缶に空気を入れて重さを量ら ことから,空気に重さが ○ 空気の重さにより圧力が せることで空気の重さを確認させ あることを見いだすこと 気 生じること る。 ができる。(学習プリント) ○ この圧力を大気圧(気圧)○空気の圧力に関して説明する。 の ということ 【知】大気圧は,空気の ①空気の重さにより圧力が生 ※アンケート形式で選択させ、大気 重さによって生じること 圧 じること。 圧を実感することができる実験のグ を理解する。(学習プリン ②この圧力を大気圧(気圧) ループ分けの資料とする。 ト) 力 ということ。 ③気体では圧力があらゆる向 を きに伝わること。 ④地表の大気圧の大きさが, 調 およそ1013 hPa であること。 べ ※大気圧を感じることができる ○アンケートを準備する。 実験をいくつか紹介し、大気圧 よ の説明ができそうなものを選択 する。 う 2 大気圧を実感する実験計画 ○思考力別に九つのグループごと分 【関】大気圧に関心を示 (4) を立てる。 け、三つのグループに一人ずつ指 し,身のまわりの現象と ○肉眼で見ることができない 導者を配置する。 関連するものを調べよう 大気圧を感じることができる ○実験方法を記入した実験プリント とする。(実験計画書、様 実験を考える。 を準備する。 相チェック) 3 大気圧を実感する実験計 ○実験結果の原因を探らせ、大気圧 【技】大気圧に関心を 画に基づき実験を行い、実 の存在を理論的に説明させるための 示し,身のまわりの現 験結果から大気圧の存在を プリントを準備する。 象と関連するものを調 説明する。 ○各グループごとに結果の分析から べることができる。(実 大気圧の存在について討議させるた 験計画書) めに、ホワイトシートを準備する。 【考】実験結果の分析 から大気圧の存在につ いて説明できる。(実 本 時(5/6) 験計画書) 4 大気圧による身近な現象を ○各グループごとに説明をさせるた 【知】 大気圧による現 知り、気圧の変化に関心を持 めに、ホワイトシートを準備する。 象についての知識を身に つ。 ○説明以外にも大気圧による身近な つけている。(ノートチェ 現象があることを紹介する。 ック) ○2 年生で学習する気象との関係を 説明する。

(3)

3 -本時の主眼 大気圧によって起こる現象 を実験によって確かめ、現象 と大気圧の関係を説明するこ とができる。 準 備 【生徒】 教科書、ファイル(実験プリン ト) 【教師】 各グループ別実験道具 デジカメ、ホワイトシート 高思考力:温度変化による体積 変化を用いた大気の差による現 象 中思考力:水圧と大気圧の差 による現象 低思考力:大気圧だけでおこ る現象 展 開 過程 学習活動・内容 手だて 評価規準 配時 1 本時のめあてを確認する。 ○久住登山での袋の 3 導 大気圧の実験を行い、その現象を説明し

よう

がらめあてを確認 入 する。 2 思考力ごとに前時の分けた各グループごとに実 ○大グループを3つ 【技 】大気圧 35 験を行う。 に分け、 に関心を示し, Aグループ(高思考力) さらに小グループ 身の まわりの A-1:空き缶に水を入れて沸騰させた後、蓋 を3つに分けるこ 現象 と関連す をして冷やす。(7 班) とで、それぞれの るも のを調べ A-2:空き缶に水を入れて沸騰させた後、水 思考力と関心に沿 るこ とができ 展 の入ったトレーに逆さに伏せる。(8 班) った実験を行わせ る。(実験プリ A-3:瓶に吸い込まれるゆで卵(9 班) る ント) Bグループ(中思考力) ○次時に大気圧存在 A:実 験 プ リ ン B-1:ストローで吸える液体(4 班) を説明することを トに 頼らず、 B-2:ホースを持ち上げたときの水の上昇(5 見通して、記録を 実験 を進める 班) とることを指示し ことができる B-3:縮まないペットボトルの中の風船(6 班) ておく。 B:実 験 プ リ ン Cグループ(低思考力) ○ A,B,C の各グルー トに従って実 C-1:マグデブルグ半球の実験(1 班) プにT1,T2,T3 が一 験を進めるこ C-2:へこむラップ(2 班) 人ずつ指導にあた とができる。 C-3:逆さにしてもこぼれないコップの水(3 る。 班) ○前時の計画で確認 開 しておいた必要な ○前時に計画しておいた実験計画書通りに必要な 道具を各グループ 道具や装置を準備 ごとに分けておく。 ○実験方法の習得 ○結果の記録 ○発表準備について は、大気圧の存在 を実験結果を通し て説明できるよう にしておく。 3 実験結果をもとに、各自考察する。 ○生徒の考察を援助 【考 】実験結 12 ま 9つの小グループ内で協議し、考えを深める。 する図入りの実験 果の 分析から ○実験結果の考察 プリント準備する。大気 圧の存在 と ○協議を深めるため につ いて説明 のホワイトシート できる。(実験 め を準備する。 プ リ ン ト ・ 様 相チェック) A : ホ ワ イ ト シ ー ト に 図 を 書 き 込 み な が ら 協議している。 B:実 験 プ リ ン ト に 考 察 を 記 入できる。 ~思考力別実験を通して、考える力を育む理科学習の展開~ 前時までに,生徒達は実験によって空気にも重さがあり, そのために圧力が生じることを学習している。しかし,肉眼 で見ることができない大気圧は,日常生活の中で感じ取るこ とは困難である。そこで,大気圧の存在を示すことができる 実験を生徒に行わせ、その実験結果をもとに大気圧の存在を 理論的に説明させることで科学的思考力(考える力)の向上 を目指したい。そのために、生徒を高思考力,中思考力,低 思考力の3グループに分ける。各グループには、能力に合っ た指導を行うために1人ずつ指導者を配置する。さらに、生 徒の関心を高め、個々への責任と学習意欲を高めるために、 各グループを3つの小集団に分け、異なる実験を行わせる。

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