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国際結婚した女性の社会参加における主体性と学習

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Academic year: 2021

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国際結婚した女性の社会参加における主体性と学習

著者

南 紅玉

学位授与機関

Tohoku University

学位授与番号

11301甲第17121号

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課 程 博 士 学 位 論 文

国 際 結 婚 し た 女 性 の 社 会 参 加 に お け る 主 体 性 と 学 習

総 合 教 育 科 学 専 攻 成 人 継 続 教 育 論 研 究 コ ー ス 氏 名 : 南 紅 玉

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目 次 序 章 研 究 の 課 題 と 方 法 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 は じ め ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 第 1 節 国 際 結 婚 を め ぐ る 先 行 研 究 の 検 討 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 第 2 節 国 際 結 婚 研 究 の 視 角 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 18 第 3 節 研 究 の 方 法 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 24 第 4 節 本 論 文 の 構 成 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 25 第 1 章 東 北 農 村 に お け る 国 際 結 婚 の 現 状 ― 統 計 的 根 拠 に よ る 分 析 か ら ― ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 28 は じ め ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 28 第 1 節 日 本 の お け る 国 際 結 婚 の 現 状 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 28 第 2 節 国 際 結 婚 急 増 の 背 景 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 32 第 3 節 東 北 農 村 に お け る 「 外 国 人 花 嫁 」 の 定 住 動 向 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 38 お わ り に ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 47 第 2 章 東 北 農 村 に お け る 「 外 国 人 花 嫁 」 の 定 住 状 況 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 49 は じ め ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 49 第 1 節 山 形 県 最 上 地 域 に お け る 外 国 人 花 嫁 の 概 況 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 49 第 2 節 最 上 地 域 の 外 国 人 花 嫁 の 定 住 過 程 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 51 第 3 節 福 島 県 奥 会 津 地 域 の 外 国 人 花 嫁 の 概 況 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 60 第 4 節 奥 会 津 地 域 の 外 国 人 花 嫁 の 定 住 過 程 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 62 お わ り に ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 71 第 3 章 地 域 社 会 へ の 参 加 と 「 生 活 に 埋 め 込 ま れ た 学 習 」 ― 国 際 結 婚 を し た 外 国 人 女 性 の 初 期 適 応 ― ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 74 は じ め ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 74 第 1 節 研 究 の 方 法 と 対 象 者 の 概 況 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 74 第 2 節 家 庭 内 で の 学 習 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 82

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第 3 節 地 域 社 会 へ の 参 加 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 89 第 4 節 仕 事 を 通 し て の 学 習 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 93 第 5 節 参 加 コ ミ ュ ニ テ ィ の 広 が り ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 98 お わ り に ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 102 第 4 章 定 住 過 程 に お け る 就 労 を 通 し た 学 習 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 105 は じ め ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 105 第 1 節 国 際 結 婚 し た 女 性 の 就 労 意 識 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 106 第 2 節 職 場 に お け る 主 体 性 構 築 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 112 第 3 節 仕 事 に よ る 意 識 の 変 化 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 119 第 4 節 生 活 と 仕 事 の 両 立 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 130 第 5 節 ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 再 構 築 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 136 お わ り に ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 142 第 5 章 国 際 結 婚 し た 女 性 の 起 業 を 通 し た 社 会 参 加 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 148 は じ め ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 148 第 1 節 調 査 対 象 者 の 概 況 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 149 第 2 節 B5 さ ん の 事 例 か ら み る 起 業 の 失 敗 要 因 ・・・・・・・・・ 152 第 3 節 D5 さ ん の 事 例 か ら み る 起 業 の 成 功 条 件 ・・・・・・・・・ 156 第 4 節 起 業 の 条 件 と 社 会 参 加 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 163 お わ り に ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 167 終 章 本 研 究 の 成 果 と 課 題 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 170 第 1 節 各 章 の ま と め ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 170 第 2 節 本 研 究 の 成 果 と 意 義 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 175 第 3 節 残 さ れ た 課 題 と 展 望 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 178 参 考 文 献 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 179

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序 章 研 究 の 課 題 と 方 法

は じ め に 国 際 交 流 の 進 展 が 著 し く な っ て き た 今 日 、 グ ロ ー バ リ ゼ ー シ ョ ン が も た ら す 機 会 と 影 響 力 に 引 き 寄 せ ら れ 、 世 界 各 地 で 女 性 の 国 際 移 動 も 頻 繁 に な っ て き た 。 そ れ に 伴 っ て 、 近 年 ア ジ ア 諸 国 で は 国 際 結 婚 が 増 加 し 、 一 つ の 社 会 現 象 と し て 関 心 を 呼 び 起 こ し て い る 。 2006 年 度 版 世 界 人 口 白 書 で も 言 及 し て い る よ う に 、「 結 婚 は こ れ ま で も 現 在 も 女 性 の 移 動 の 重 要 な 要 因 と な っ て い る 。」 (p.24) 国 際 結 婚 で 最 も 社 会 的 な 議 論 を 呼 ん で い る も の は 、 急 増 す る 発 展 途 上 国 の 女 性 と 先 進 国 の 男 性 と の 結 婚 で あ る 。 様 々 な 社 会 的 背 景 が あ る な か 、 自 国 よ り 恵 ま れ た 経 済 的 機 会 を 求 め る 女 性 が 結 婚 を 通 し て 外 国 に 移 住 し 、 移 住 先 社 会 に 適 応 し な が ら 生 活 し て い く こ と に は 様 々 な 困 難 が 伴 う こ と が 懸 念 さ れ て い る 。 ア ジ ア 諸 国 の 国 際 結 婚 を し た 女 性 の 越 境 移 動 の 傾 向 を み る と 、 主 な 受 け 入 れ 国 と し て 日 本 、 韓 国 、 台 湾 が 挙 げ ら れ る が 、 最 近 で は 急 速 な 経 済 発 展 を 遂 げ て い る 中 国 も 受 け 入 れ 国 と な っ て き た 。 送 り 出 し 国 と し て は 、 中 国 、 韓 国 、 フ ィ リ ピ ン 、 ベ ト ナ ム 、 タ イ 、 モ ン ゴ ル 、 イ ン ド ネ シ ア な ど の 東 ア ジ ア 及 び 東 南 ア ジ ア 諸 国 が あ る 。 上 述 し た よ う な 先 進 国 の 男 性 と の 結 婚 は「 上 昇 婚 」と も い わ れ る 。 こ う し た 理 由 で 外 国 に 移 住 す る 女 性 た ち は 、「 移 動 先 社 会 で 、都 市 ― 農 村 、 男 性 ― 女 性 、 本 国 人 ― 外 国 人 、 マ ジ ョ リ テ ィ ― マ イ ノ リ テ ィ の 諸 関 係 に 直 面 し な け れ ば な ら な い 。 こ の 移 動 に よ り 、 本 国 の そ れ と は 異 な る 、さ ら な る 周 辺 化 を 経 験 す る 恐 れ も 待 ち 伏 せ て い る 。」( 賽 漢 卓 娜 2011) 多 重 に 周 辺 化 さ れ た 状 況 を 如 何 に 切 り 開 き 、 移 住 先 社 会 に 適 応 し て い く か は 、 当 事 者 の 女 性 た ち の 課 題 だ け で は な く 、 女 性 を 受 け 入 れ る 社 会 全 体 と し て 対 応 し て い か な け れ ば な ら な い 課 題 で も あ る 。 今 後 ま す ま す 国 際 化 が 広 が っ て い き 、 外 国 人 や 移 民 が 増 加 し て い く

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で あ ろ う 社 会 の 安 定 的 な 発 展 の た め に 、 国 際 結 婚 し た 移 住 女 性 の 研 究 は 重 要 な 意 味 を も つ だ ろ う 。 日 本 に お け る 国 際 結 婚 は 、 ア ジ ア 諸 国 の 女 性 と 日 本 人 男 性 と の 結 婚 が 増 加 し 、国 際 結 婚 全 体 の 大 半 を 占 め て い る こ と が 特 徴 的 で あ る 。 国 際 結 婚 は 1980 年 代 後 半 か ら 急 増 し 始 め た が 、そ の 中 で も「 農 村 の 国 際 結 婚 」の 増 加 が 社 会 的 に 注 目 を 集 め た 。1980 年 代 に 農 村 部 で は 「 農 村 の 嫁 不 足 」 問 題 の 解 決 策 と し て 行 政 介 入 に よ る 積 極 的 な 「 外 国 人 花 嫁 」 受 け 入 れ 策 が と ら れ 、 保 守 的 な イ メ ー ジ が 強 い 日 本 の 田 舎 に「 ム ラ の 国 際 結 婚 」と い う 現 象 が 起 こ っ た 。そ の 時 期 、「 グ ロ ー バ ル な 経 済 格 差 や 家 父 長 制 」 が 背 景 に あ り 、 し か も そ の 多 く が 「 結 婚 仲 介 業 」 を 通 し て 成 立 し た 結 婚 で あ る た め 、 結 婚 後 の 生 活 に 多 く の 問 題 が 起 き て い る こ と か ら 、 社 会 的 に は 「 望 ま し く な い 移 動 」 で あ る と い う 批 判 を 受 け た こ と も あ っ た 。 ま た 、 言 語 や 文 化 の 違 い が 結 婚 後 の 生 活 に 様 々 な 影 響 を 与 え る こ と が 懸 念 さ れ 、 国 際 結 婚 し た 女 性 の 定 住 や 国 際 結 婚 家 庭 の 幸 せ な 暮 ら し の た め に 社 会 的 な 支 援 や サ ポ ー ト の 必 要 性 に つ い て の 議 論 も 多 数 あ っ た 。 そ の 後 、特 に 2000 年 に 入 っ て か ら は 多 様 化 し て い く 国 際 結 婚 に 向 け ら れ た 研 究 の 視 点 も 追 加 さ れ 、 様 々 な 研 究 ア プ ロ ー チ も 見 ら れ る よ う に な っ た 。 国 際 結 婚 が 急 増 し た 1980 年 代 か ら 30 年 近 く の 歴 史 を 経 た 現 在 ま で 多 く の 関 連 研 究 が 蓄 積 さ れ て き て い る 。 以 下 で は 、 既 存 の 研 究 の 成 果 と 限 界 を 明 ら か に し 、 本 研 究 の 視 点 と 研 究 課 題 を 提 示 し て い く 。 第 1 節 国 際 結 婚 を め ぐ る 先 行 研 究 の 検 討 1 国 際 結 婚 全 般 の 研 究 動 向 国 際 結 婚 に 関 す る 研 究 動 向 を 把 握 す る た め 、 ま ず 国 際 結 婚 の 関 連 文 献 の 量 的 な 変 化 を 見 て い く こ と で 、 既 存 研 究 の 全 体 的 な 傾 向 を 検 討 す る 。 そ の 際 、 方 法 と し て 論 文 検 索 サ イ ト CiNii(サ イ ニ ー )で 検 索 で き る 文 献 を 対 象 と し 、2015 年 現 在 検 索 可 能 な 研 究 論 文 及 び 研 究

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報 告 な ど を テ ー マ 別 に 分 類 し 、 さ ら に 年 代 別 に そ の 数 の 変 動 を み て い く ( 図 表 序 -1)。 CiNii で 検 索 で き る 国 際 結 婚 の 関 連 文 献 は 496 件 あ っ た 。 表 1 で 見 て と れ る よ う に 、 ジ ャ ー ナ ル や 書 評 、 ま た は 議 事 録 ・ 講 演 資 料 等 が 含 ま れ る 「 そ の 他 」 の 項 目 に 検 索 総 数 の 約 6 割 が 分 類 さ れ 、 こ れ ら は 研 究 論 文 に 該 当 し な い 。 そ れ を 除 く 研 究 や 研 究 報 告 が 全 部 で 207 件 あ る 。 さ ら に そ れ ら を 年 代 別 に 分 け て み る と 、 以 下 の よ う な 傾 向 が 見 ら れ る 。 戦 後 か ら 1979 年 ま で 国 際 結 婚 に 関 す る 研 究 は 全 く な さ れ て い な か っ た 。1980 年 代 に 入 っ て か ら も 国 際 結 婚 に 関 す る 研 究 は 見 受 け ら れ な か っ た が 、1985 年 以 降 に な る と 、農 村 の 国 際 結 婚 に 関 す る 議 論 が み ら れ る よ う に な っ た 。 し か し 、 こ の 時 期 に な っ て も 研 究 論 文 に 該 当 す る も の は 少 な く 、 ジ ャ ー ナ ル な ど で の 評 論 を 含 め た 農 村 の 結 婚 難 の 問 題 を 取 り 上 げ た 論 説 が 目 立 っ て い る 。 1990 年 代 に 入 っ て か ら 、国 際 結 婚 に 関 す る 研 究 が 多 少 現 れ る よ う に な っ た 。特 に 90 年 代 後 半 に な っ て 農 村 の 国 際 結 婚 に 関 す る 調 査 報 告 や 法 律 に 関 連 す る 議 論 が 盛 ん に 展 開 さ れ る よ う に な っ た 。 さ ら に 地域 家族 女性 文化 教育・言語 法律 歴史 比較 外国 日本人妻 統計 その他 計 1945〜1959 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 5 5 1960〜1969 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1970〜1979 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 5 5 1980〜1984 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 3 1985〜1989 4 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0 9 15 1990〜1994 3 0 0 0 0 1 1 0 0 1 0 10 16 1995〜1999 5 12 1 2 1 7 4 0 2 1 1 28 64 2000〜2004 1 3 0 5 2 2 4 0 2 10 0 62 91 2005〜2009 4 6 3 8 11 5 2 3 15 3 1 62 123 2010〜2015 4 8 9 2 15 4 2 0 16 11 0 103 174 計 22 29 13 17 29 22 13 3 35 26 2 289 496 図表序-1 CiNii (サイニー) 国際結婚に関する研究 テーマ別分類 注:①国際結婚をキーワードに検索可能な文献が対象 ②分類項目は題目もしくは内容を参照 ③その他の項目にはジャーナル・会議録・書評など論文形式ではないものを含む ④色付けした部分は農村の国際結婚が対象である。

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そ の 研 究 ア プ ロ ー チ も 多 様 化 し て い る こ と が 文 献 の テ ー マ 別 の 数 字 の 変 化 か ら 見 て と れ る 。具 体 的 な 数 字 を み る と 、1990 年 代 前 半 ま で 文 献 総 数 が 20 件 に 満 た な か っ た が 、1990 年 代 後 半 に な る と 64 件 と 3 倍 程 度 増 加 し て い る 。 法 律 や 歴 史 に 関 す る 研 究 も 以 前 よ り 増 え て い る が 、 全 体 的 に 農 村 の 国 際 結 婚 を め ぐ る 研 究 に 偏 っ て い る こ と が 特 徴 的 で あ る 。 2000 年 に 入 っ て か ら 、国 際 結 婚 の 研 究 傾 向 に は 変 化 が 現 れ た 。特 に 注 目 す べ き と こ ろ は 2000 年 ~ 2004 年 の 研 究 動 向 で あ る 。 こ の 時 期 か ら は 外 国 に お け る 国 際 結 婚 や 日 本 人 女 性 と 外 国 人 男 性 と の 結 婚 を 対 象 と す る 研 究 に 変 わ っ て い く 。 さ ら に 、 国 際 結 婚 家 庭 、 文 化 や 言 語 の 側 面 に 注 目 し た 研 究 が 増 え た こ と か ら 、 国 際 結 婚 の 進 展 に 伴 う 新 た な 課 題 解 決 に 向 け た 研 究 が 進 め ら れ て い く 動 き が 見 て と れ る 。 2005 年 以 降 に な る と 、国 際 結 婚 に 関 す る 研 究 は 全 体 的 に 量 的 な 増 加 が み ら れ 、 さ ら に 各 領 域 で の 研 究 が 幅 広 く 行 わ れ て い る こ と が わ か る 。 そ の 中 で も 外 国 の 国 際 結 婚 の 研 究 や 日 本 人 女 性 と 外 国 人 男 性 と の 結 婚 を 対 象 と し た 研 究 が 継 続 的 に 増 加 し て い る こ と が 特 徴 的 で あ る 。2000 年 代 前 半 と 比 較 し 、日 本 国 内 の 国 際 結 婚 の 研 究 が 再 び 増 え 、 そ の 研 究 領 域 も 多 岐 に 渡 る よ う に な っ て き て い る 。 2015 年 ま で の 研 究 は 全 体 的 に 三 つ の 枠 組 み に 分 け る こ と が で き る 。一 つ は 、日 本 人 男 性 と ア ジ ア 人 女 性 の 結 婚 に 関 す る 研 究 で あ り 、 量 的 に 圧 倒 的 に 多 数 を 占 め て い る 。 も う 一 つ は 、 日 本 人 女 性 と 外 国 人 男 性 の 結 婚 に つ い て の 研 究 が 挙 げ ら れ る 。三 つ 目 は 、2000 年 か ら 急 増 し た 諸 外 国 の 国 際 結 婚 に 関 す る 研 究 で あ る 。 以 上 の よ う な こ と か ら 、 日 本 に お け る 国 際 結 婚 の 研 究 動 向 を 以 下 の よ う に ま と め る こ と が で き る 。① 国 際 結 婚 の 研 究 は 1990 年 代 の 前 半 ま で 極 め て 少 な か っ た が 、1990 年 代 後 半 か ら 農 村 の 国 際 結 婚 を 中 心 に 、 日 本 人 男 性 と ア ジ ア 人 女 性 の 結 婚 を 対 象 と し た 研 究 が 急 増 し た 。② 1990 年 代 ま で 研 究 関 心 が 農 村 の 国 際 結 婚 、と り わ け 日 本 人 男 性 と 外 国 人 女 性 と の 結 婚 に 偏 っ て い た が 、2000 年 以 降 か ら 外 国 に お け る 国 際 結 婚 、 ま た は 日 本 人 女 性 と 外 国 人 男 性 と の 結 婚 を 対 象 と し

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た 研 究 が 増 え て き た 。 全 体 的 に み る と 、 日 本 に お け る 国 際 結 婚 の 研 究 は 、 依 然 と し て 農 村 の 国 際 結 婚 、 と り わ け 日 本 人 男 性 と ア ジ ア 人 女 性 の 結 婚 を 対 象 と し た 研 究 を 中 心 に 行 わ れ て い る と い え る 。 こ の よ う な こ と を ふ ま え て 、 次 に 、 国 際 結 婚 に 関 連 す る 研 究 内 容 に つ い て 年 代 別 に 具 体 的 に 検 討 し て い く 。 2 農 村 の 国 際 結 婚 ( 1) 1980 年 代 ジ ャ ー ナ リ ズ ム に よ っ て 大 き く 取 り 上 げ ら れ た 農 村 に お け る 嫁 不 足 の 問 題 は 社 会 問 題 と し て 認 識 さ れ る よ う に な っ た 。1980 年 代 中 ご ろ か ら 農 村 地 域 の 自 治 体 も 結 婚 難 問 題 を 深 刻 に 受 け 止 め る よ う に な り 、 行 政 主 導 型 の ア ジ ア 人 女 性 と の 集 団 的 な 国 際 結 婚 が 活 発 化 す る よ う に な っ た 。1980 年 代 末 に な っ て こ の テ ー マ の 調 査 報 告 が 発 表 さ れ 、そ の 後 の 国 際 結 婚 の 研 究 の 基 礎 を 作 っ た 。そ の 中 で も 光 岡( 1987 年 )、 宿 谷 ( 1988 年 )、 佐 藤 ( 1989 年 )、 日 暮 ( 1989) な ど の 研 究 が 先 駆 的 な 研 究 結 果 を 示 し た 。 こ れ ら の 研 究 は 主 に 農 村 の 結 婚 難 と ア ジ ア か ら き た 花 嫁 を め ぐ る 問 題 を 調 査 し 、 報 告 し た も の で あ る 。 光 岡( 1987)で は 、農 家 の 結 婚 難 は 1950 年 代 半 ば か ら 全 国 的 に 進 行 し て 問 題 と な っ た と し 、 農 山 村 の 結 婚 難 に 関 す る 現 状 を 愛 知 県 に お け る 詳 細 な 実 態 調 査 に 基 づ い て 論 じ た 。 そ の 中 で は 農 家 世 代 の 結 婚 観 や 国 際 結 婚 に 関 す る 意 識 調 査 を 実 施 す る と と も に 、 結 婚 対 策 に 関 す る さ ま ざ ま な 意 見 を 紹 介 し 、 農 村 地 域 で は 国 際 結 婚 に 関 心 が 持 た れ 始 め て い る こ と を 提 示 し た 。 光 岡( 1989 年 ) で は 、表 面 化 し て い な い 国 際 結 婚 の 問 題 点 を 指 摘 し 、仲 介 業 者 介 入 の「 猛 ス ピ ー ド 婚 」 が も た ら す 結 婚 後 の 生 活 上 の 問 題 及 び 地 域 社 会 の 発 展 途 上 国 の 女 性 へ の 偏 見 や 差 別 の 問 題 に つ い て 懸 念 を 示 し た 。 ア ジ ア か ら の 花 嫁 問 題 に つ い て 、 新 聞 な ど で の 盛 ん な 報 道 を 背 景 に 宿 谷( 1988)で は 、「 女 の 身 か ら み た 現 実 は ど う な の か 」と い う 問 い を 出 発 点 と し 、 現 地 調 査 を も と に ア ジ ア 人 花 嫁 の 問 題 の 全 体 像 を 把 握 す る こ と を 目 的 に 具 体 的 な 事 例 に 言 及 し な が ら 国 際 結 婚 に 関 す

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る 問 題 を 解 説 し た 。「 望 ま し い 国 際 結 婚 、双 方 が 対 等 な 立 場 に 立 っ て の 国 際 結 婚 を 誕 生 さ せ る た め に は 、 い ま あ る 「 花 嫁 」 を 迎 え る 側 の エ ゴ イ ズ ム を 自 覚 し 、大 き な 意 識 転 換 を 図 ら な け れ ば な ら な い 。」そ の た め に 、「 ア ジ ア と 日 本 の 関 係 を 見 直 す こ と 」、「 都 市 と 農 村 の 関 係 を 見 直 す こ と 」、「 男 と 女 の 関 係 を 見 直 す こ と 」が 重 要 だ と 指 摘 す る 。 農 村 に お け る 結 婚 難 の 実 情 、 行 政 に よ る 国 際 結 婚 の 実 態 報 告 、 斡 旋 業 者 に 関 し て 、 佐 藤 ( 1989) は 法 社 会 学 の 視 点 か ら 現 状 分 析 を 行 っ た 。 そ こ で は 、 農 村 の 国 際 結 婚 は 結 婚 業 者 が 絡 ん だ 「 集 団 的 見 合 い 婚 」 で あ り 、 人 権 尊 重 時 代 の 結 婚 の 形 と し て 不 適 当 だ と い う 認 識 を 示 し た 。そ し て 、「 現 代 の 農 村 に み る 国 際 結 婚 は 、あ ま り に も 男 性 本 意 で 、 両 性 の 合 意 の み に も と づ い て 成 立 す る と い う 近 代 婚 姻 か ら も 女 性 に 対 す る 人 権 的 視 点 が 遠 い 」 と 指 摘 し た 。 上 述 し た よ う に 、1980 年 代 の 国 際 結 婚 に 関 す る 研 究 は 、急 増 し た 「 ム ラ の 国 際 結 婚 」 の 社 会 的 背 景 に つ い て の 分 析 を 中 心 に 展 開 さ れ て い た 。 さ ら に 、 国 際 結 婚 に 対 す る 地 域 住 民 の 受 け 入 れ 状 況 や 当 事 者 た ち の 結 婚 動 機 、 結 婚 後 の 問 題 点 を 取 り 上 げ る な ど 、 豊 富 な 事 例 調 査 結 果 が 残 さ れ て い る 。 し か し 、 そ れ ら の 研 究 は 国 際 結 婚 に 関 す る 問 題 が 顕 在 化 し た こ と を 受 け て な さ れ た 初 期 段 階 の 研 究 で あ り 、 い ず れ も 実 態 記 述 に 留 ま っ て い た 。 ( 2) 1990 年 代 1990 年 代 に 入 っ て も 農 山 村 の 結 婚 難 と 国 際 結 婚 は 引 き 続 き 社 会 的 関 心 を 引 き つ け た 。 特 に 山 形 県 最 上 地 域 に お け る 行 政 主 導 の 国 際 結 婚 へ の 政 策 的 な 取 り 組 み に 関 す る 調 査 研 究 が 盛 ん に 行 わ れ る よ う に な っ た 。 そ の 中 で も 、 住 民 意 識 調 査 に 基 づ く 報 告 書 と し て 発 表 さ れ た の が 松 本・秋 武( 1994・1995)、中 澤( 1996)、高 木・松 本( 1997) 仲 野 ( 1999) な ど で あ る 。 松 本・ 秋 武( 1994・1995)で は 、山 形 県 最 上 郡 A 村 の 住 民 意 識 に 基 づ き 、 国 際 結 婚 が 地 域 社 会 に 及 ぼ し て い る 影 響 を 調 べ た 。 た だ し 、 当 時 の 調 査 は ま だ 21 名 と い う 数 少 な い「 外 国 人 花 嫁 」が 対 象 で 、ま

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た 地 域 に 入 っ て 4 年 目 で あ る と い う 状 況 を 踏 ま え た も の で あ っ た 。 課 題 と し て は 、( 1 ) 国 際 児 の ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 問 題 、( 2 ) 結 婚 の 方 法 、 生 活 形 態 、 家 族 形 態 、 国 籍 、 性 格 も 異 な る 女 性 た ち を 「 外 国 人 妻 」 と カ テ ゴ リ ー 化 し て 論 ず る こ と の 問 題 、( 3 )「 外 国 人 妻 」 が 困 惑 す る 「 ヨ メ 」 と い う 役 割 か ら 派 生 す る 問 題 を 挙 げ 、 そ れ ら の 多 く は 日 本 人 の 花 嫁 た ち に も 共 通 し て い る 、 と い っ た 指 摘 を し た 。 中 澤 ( 1996) は 、 山 形 県 最 上 地 域 の 外 国 人 花 嫁 151 人 に ア ン ケ ー ト 調 査 を 行 い 、 ア ジ ア 地 域 出 身 の 外 国 人 花 嫁 の 現 状 に 焦 点 を 当 て 、 彼 女 ら の 日 常 生 活 と 将 来 に 関 す る 意 識 を 把 握 す る こ と に よ っ て 、 基 本 的 な デ ー タ の 抽 出 を 行 っ た 。 課 題 と し て は 、 地 域 社 会 へ の 定 住 化 と 生 活 不 安 の 解 消 、 家 族 ・ 地 域 住 民 の 異 文 化 お よ び 多 文 化 受 容 へ の 理 解 、 地 域 高 齢 化 に 向 け た 家 族 内 世 帯 間 扶 養 の 方 向 性 な ど を 提 起 し た が 、 そ の 解 決 策 ま で は 言 及 し て い な い 。 こ の よ う な 農 村 の 国 際 結 婚 を め ぐ る 地 域 住 民 や 外 国 人 妻 を 対 象 と し た 調 査 報 告 は 、 地 域 住 民 の 国 際 結 婚 に 対 す る 意 識 の 変 化 を 捉 え よ う と し た も の で あ っ た 。ア ン ケ ー ト 調 査 に よ る こ れ ら の 調 査 結 果 は 、 回 答 者 の 偏 り 、 サ ン プ ル 数 と 質 問 項 目 の 少 な さ な ど の 限 界 が あ る た め 、 そ の 結 果 か ら 一 般 的 な 結 論 を 導 き だ す こ と は 困 難 で あ っ た が 、 そ の 後 の 研 究 の 礎 石 と し て 有 意 義 な 方 向 性 が 示 唆 さ れ た 。 国 際 結 婚 が も た ら す 問 題 を 取 り 上 げ た 調 査 と は 別 に 、右 谷( 1998) は 、 国 際 結 婚 を 通 し て 日 本 社 会 に あ る 伝 統 的 な 「 家 」 と い う 家 族 形 態 に 注 目 し 、 保 守 的 特 質 を 有 す る 農 村 に と っ て 、 外 国 か ら 嫁 を 迎 え 入 れ る こ と が 農 村 社 会 及 び 家 族 に も た ら し た 変 化 を み よ う と し て い た 。 右 谷 は 、 家 産 や 農 地 継 承 と い っ た 物 質 的 側 面 で の 「 家 」 の 機 能 が 現 代 で は「 親 の 老 後 の 世 話 」へ と 変 化 し て お り 、「 農 村 に と ど ま る も の は 「 家 」 意 識 に 取 り 込 ま れ 、 そ れ を 維 持 す る た め の 模 索 の 結 果 の 一 つ と し て 国 際 結 婚 を 行 う に 至 っ た 」と 指 摘 し て い る 。そ の 結 果 、 外 国 人 妻 の 日 本 へ の 同 化 を 強 調 す る 傾 向 が 強 く 、 そ の 期 待 を 知 ら ず に 嫁 い だ 外 国 人 女 性 と の 生 活 の 軋 轢 が 生 じ る こ と を 提 示 し た 1990 年 の 半 ば ま で の 先 行 研 究 は 、農 村 の 国 際 結 婚 の 研 究 に 大 き な

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影 響 を 与 え た 。 こ れ ら の 研 究 は 、 国 際 結 婚 を 農 村 社 会 の 課 題 と し 、 農 村 社 会 及 び 農 家 の 近 現 代 的 体 質 へ の 批 判 、 結 婚 仲 介 業 者 の 問 題 、 さ ら に 女 性 の 出 身 国 と 日 本 と の 経 済 格 差 に 起 因 す る 偏 見 問 題 な ど を 指 摘 し た 。 同 時 に 、 国 際 結 婚 し た 女 性 の 弱 者 性 に 注 目 し 、 人 権 及 び 差 別 の 問 題 、 同 化 を 一 方 的 に 強 い ら れ る 可 能 性 を 示 唆 し た 。 ま た 、 当 事 者 へ の 実 態 調 査 を 通 し て 、 外 国 人 女 性 の 生 活 適 応 上 の 言 語 や 文 化 、 さ ら に は 生 活 面 、 精 神 面 で の 困 難 を 浮 か び 上 が ら せ 、 地 域 及 び 社 会 か ら の 支 援 の 在 り 方 を 論 考 し た 。 し か し 、 こ れ ら の 研 究 は 受 け 入 れ 側 の 農 村 社 会 か ら の 視 点 が 中 心 に な っ て お り 、 当 事 者 で あ る 国 際 結 婚 し た 女 性 の 適 応 ・ 受 容 過 程 を 長 期 的 時 間 推 移 で と ら え る 質 的 な 考 察 が で き て い な い 。 3 多 様 化 す る 国 際 結 婚 の 研 究 2000 年 代 に 入 っ て か ら 国 際 結 婚 の 研 究 は 多 様 化 し 、エ ス ニ シ テ ィ や 多 文 化 共 生 、 ジ ェ ン ダ ー 、 言 語 教 育 、 文 化 適 応 な ど の 視 点 が 加 わ る よ う に な っ た 。90 年 代 の ア ジ ア 人 女 性 の 農 村 社 会 の 受 容 が 問 題 化 さ れ 、そ の 解 決 に 向 け た 議 論 が 多 く な さ れ た こ と に 対 し 、2000 以 降 は 国 際 結 婚 の 家 族 関 係 や 夫 婦 関 係 、 異 文 化 適 応 、 さ ら に は 女 性 自 身 を 主 体 的 行 為 者 と し て 捉 え よ う と す る 視 点 が 増 え て き た 。 ( 1) 異 文 化 適 応 と 夫 婦 関 係 国 際 結 婚 の 増 加 に 伴 い 、 離 婚 す る 国 際 結 婚 家 庭 の 増 加 も 見 ら れ る よ う に な っ た 。 国 際 結 婚 家 庭 の 問 題 に 関 し て 、 葛 ( 1999・ 2000) で は 、 日 本 人 夫 の 家 事 ・ 育 児 へ の 非 協 力 や 暴 力 な ど の 家 庭 問 題 を 抱 え て い る 外 国 人 妻 た ち が 、 法 的 ・ 社 会 的 に 弱 い 立 場 に あ る 為 、 日 本 人 夫 と 対 等 な 関 係 が 築 け ず に た だ 耐 え て い る こ と を 余 儀 な く さ れ て い る こ と を 報 告 し た 。 松 本 ( 2001) で は 、 国 際 結 婚 し た 夫 婦 の 社 会 的 ・ 文 化 的 属 性 が 異 な る 要 因 か ら 、 外 国 人 女 性 が 日 本 の 家 族 へ の 適 応 の 過 程 で 文 化 的 及 び 情 緒 的 な 不 都 合 を 招 く 可 能 性 を 指 摘 し た 。 松 本 は 、 フ ィ リ ピ ン 人

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妻 と 日 本 人 夫 の 国 際 結 婚 夫 婦 に 焦 点 を あ て た 調 査 を 通 し て 、 日 本 人 夫 と の 関 係 が 家 庭 内 で の 外 国 人 妻 の 孤 立 感 と 相 関 関 係 に あ り 、 外 国 人 妻 に と っ て 日 本 人 夫 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が 多 い と 感 じ ら れ る ほ ど 、 家 庭 内 で の 自 分 の 居 場 所 や 安 堵 感 が 得 ら れ や す い こ と を 明 ら か に し た 。 国 際 結 婚 夫 婦 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 態 度 と 言 語 能 力 の 関 連 性 に つ い て 検 証 し た 研 究 に は 、施( 1999・2000)や 伊 藤( 2005・2006、2007、 2009) が あ る 。 施 に よ る と 、 夫 は 妻 の 使 用 言 語 の 低 い 場 合 と 高 い 場 合 と で コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 態 度 が 異 な っ て い る の に 対 し 、 妻 の 率 直 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 態 度 は 、 夫 の 使 用 言 語 能 力 か ら も 自 分 自 身 の そ れ か ら も 影 響 を 受 け な い の だ と い う 。ま た 、「 妻 日 本 人・夫 外 国 人 」 の 夫 婦 よ り も 「 夫 日 本 人 ・ 妻 外 国 人 」 の 夫 婦 の 方 が コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が 活 発 で 率 直 で あ り 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 情 緒 的 共 有 感 も 高 い こ と を 指 摘 し た 。 つ ま り 、 男 性 の 積 極 的 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン へ の 参 加 が 、 夫 婦 間 の 関 係 性 の 構 築 に 重 要 で あ り 、 特 に 「 夫 日 本 人 ・ 妻 外 国 人 」 で あ る 国 際 結 婚 家 庭 の 場 合 、 夫 に よ る 外 国 人 妻 の ス ト レ ス 解 消 の 手 助 け が で き る こ と が 推 測 で き る 。 伊 藤( 2005・ 2006・ 2009)で は 、「 夫 日 本 人 ・ 妻 外 国 人 」の 国 際 結 婚 夫 婦 と 日 本 人 同 士 で 結 婚 し て い る 夫 婦 と の 比 較 を 通 し て 、 国 際 結 婚 夫 婦 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 態 度 の 認 識 の 特 徴 を 明 ら か に し 、 国 際 結 婚 夫 婦 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に つ い て 、 出 身 国 と そ の 文 化 の 違 い と い う 視 点 か ら 、価 値 観 や 習 慣 の 理 解 や 共 生 に 焦 点 を あ て て 論 じ た 。 伊 藤 (2005)で は 、全 体 的 に 国 際 結 婚 者 は 、日 本 人 同 士 結 婚 者 よ り 互 い の 価 値 観 等 が 似 て い な い と 認 め な が ら も 、 夫 婦 間 の 価 値 観 な ど の 違 い に よ る 摩 擦 で 傷 つ く こ と は 少 な く 、 日 本 人 同 士 結 婚 者 よ り も 自 分 自 身 が 相 手 の 価 値 観 等 を 理 解 し よ う と 勤 め て い る こ と を 明 ら か に し た 。 そ し て 、 類 似 性 ・ 同 質 性 を 過 度 に 意 識 す る こ と や 違 い を 意 識 し す ぎ る こ と の 危 険 性 を 指 摘 し 、 類 似 性 や 相 違 の 認 識 に は 、 配 偶 者 の 理 解 や 理 解 努 力 が 大 き く 関 連 し て い る こ と を 指 摘 し た 。 ま た 、 伊 藤 ( 2009) で は 、 日 本 人 同 士 の 夫 婦 に お い て し ば し ば 指

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摘 さ れ る よ う な 、「 関 係 構 築 の た め の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に 積 極 的 な 妻 と 、 無 関 心 で 自 己 中 心 的 な 夫 」 の よ う な 図 式 は 、 伊 藤 の 調 査 に お い て も 確 認 さ れ た こ と に 対 し 、 国 際 結 婚 夫 婦 の 間 で は そ の 傾 向 は 見 出 さ れ な か っ た と い う 。 こ の 結 果 は 、 国 際 結 婚 夫 婦 の う ち 、 外 国 人 妻 は 日 本 人 夫 と 比 べ 、 自 分 が 不 適 切 で 円 滑 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 態 度 を と れ て い な い と 認 識 し て い る こ と が 一 因 で あ る と 考 え ら れ て い る 。 そ の た め 、「 夫 日 本 人 ・ 妻 外 国 人 」 の 国 際 結 婚 夫 婦 に お い て は 、 日 本 人 同 士 夫 婦 と 比 べ 、 互 い に 親 和 的 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 態 度 を と っ て い る と 認 識 さ れ て い る 。 し か し 、 夫 婦 間 で 使 用 さ れ る 主 な 言 語 が 、 日 本 人 夫 の 母 語 、 す な わ ち 日 本 語 の み で あ る と い う 偏 在 性 と 、 そ れ に 伴 う 外 国 人 妻 の 言 語 面 で の 負 担 、 及 び 外 国 人 妻 の 職 業 的 地 位 の 低 さ は 、 対 等 な 夫 婦 関 係 構 築 の あ る 種 の 桎 梏 と な る と 示 唆 し た 。 上 述 し た よ う に 、 国 際 結 婚 の 夫 婦 の 中 で 、 外 国 人 妻 が 抱 え る 問 題 と し て 、 生 活 場 で の 言 語 ・ コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 問 題 と 夫 婦 間 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 問 題 が 挙 げ ら れ て い る が 、 い ず れ の 研 究 も 社 会 全 体 の 意 識 や 制 度 の 見 直 し を 強 く 指 摘 し て い る 。 個 人 の 問 題 で は な く 、 周 囲 の 人 々 の 関 わ り 方 な ど 、 周 り と の 関 係 性 を 変 化 さ せ る こ と に よ っ て 多 文 化 共 生 に 近 づ く 可 能 性 を 示 唆 し た 。 ( 2)「 日 本 人 妻 ・ 外 国 人 夫 」 の 研 究 2000 年 以 降 、海 外 に 居 住 す る 日 本 人 女 性 と 外 国 人 男 性 の 国 際 結 婚 に つ い て の 研 究 も 増 え た 。 竹 下 ( 2001) で は 、 台 湾 に 居 住 す る 台 湾 人 夫 ・ 日 本 人 妻 の カ ッ プ ル を 取 り 上 げ 、 移 住 者 で あ る 日 本 人 妻 の 生 活 適 応 の 程 度 及 び 夫 の 日 本 文 化 の 受 容 と 社 会 環 境 に よ る 結 婚 満 足 度 に つ い て 量 的 な 調 査 を 行 っ た 。 台 湾 で は 、 日 本 人 の 妻 の 北 京 語 ( ま た は 台 湾 語 ) で の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 が 高 い ほ ど 、 夫 、 妻 と も に 結 婚 満 足 度 が 高 く 、 こ の 傾 向 は 日 本 人 妻 よ り も 台 湾 人 の 夫 の 方 に よ り 強 く 現 れ る と い う 。 現 地 の 言 語 を 外 国 人 妻 が ど の 程 度 で き る か に よ っ て 結 婚 満 足 度 が 異

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な る こ と を 提 示 し た 。 つ ま り 、 日 本 人 妻 が 台 湾 で の 生 活 に 適 応 し 、 台 湾 社 会 で 受 け 入 れ ら れ て い る と 感 じ る こ と が 良 好 な 夫 婦 関 係 の 形 成 に 重 要 で あ る こ と が わ か る 。 し か し 、 日 本 人 妻 た ち は 自 国 文 化 を 捨 て 、 一 方 的 に 台 湾 の 文 化 に 適 応 し て い る の で は な く 、 日 本 の 文 化 を 保 持 し な が ら 、 台 湾 の 文 化 や 社 会 に 適 応 し て い る こ と も 明 ら か に な っ た 。 さ ら に 、 竹 下 (2001)の 日 本 人 妻 た ち の 社 会 的 ネ ッ ト ワ ー ク に 注 目 し た 調 査 で は 、 日 本 人 妻 た ち は 台 湾 に 移 住 す る 以 前 に 形 成 さ れ た 日 本 で の 社 会 的 ネ ッ ト ワ ー ク を 維 持 し つ つ 、 台 湾 に お い て 新 た に 日 本 人 と の ネ ッ ト ワ ー ク を 形 成 す る こ と に よ っ て 、 日 本 人 と し て の ア イ デ ン テ ィ テ ィ を 保 持 し て い る こ と を 明 ら か に し た 。 ま た 、 台 湾 で の 長 期 定 住 に 伴 い 、 台 湾 人 と の ネ ッ ト ワ ー ク を 形 成 し 、 台 湾 社 会 に 適 応 し て い る こ と も 分 か っ た 。 鈴 木 ( 2003) で は 、 バ リ 島 の 日 本 人 国 際 結 婚 女 性 を 例 に 、 夫 の 出 身 国 に 居 住 す る こ と に な っ た 妻 が 、 ど の よ う な 経 緯 に よ っ て 国 籍 を 変 え る 気 持 ち に 至 る か 、 ま た 、 国 籍 を 変 更 す る 場 合 の 理 由 は 何 か を 明 ら か に し た 。 さ ら に 、 国 籍 変 更 が 文 化 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ ( 文 化 的 帰 属 感 ) に 及 ぼ す 影 響 に つ い て 考 察 し た 。 鈴 木 は 、 イ ン ド ネ シ ア 国 籍 に 変 更 す る 日 本 人 女 性 は 「 実 生 活 上 の 快 適 さ 」 と 「 永 住 の 決 意 ( 覚 悟 )」と い う 2 つ の 理 由 を 挙 げ て い る と し 、当 事 者 が お か れ て い る 社 会 ・ 文 化 環 境 の 中 で 、 両 者 の 理 由 が 複 雑 に 絡 み 合 い 、 国 籍 変 更 に 至 る と 推 察 し た 。 そ し て 、 国 籍 変 更 は 自 分 自 身 と 日 本 ( 両 親 を 含 む ) と の 関 係 、 自 分 自 身 と の 新 し い 国 と の 関 係 ( 自 分 の 居 場 所 を 見 つ け ら れ る か ど う か ) な ど を 慎 重 に 再 吟 味 す る 過 程 で あ り 、 ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 問 題 と 深 く 関 わ っ て い る こ と が 示 唆 さ れ た 。 以 上 の よ う な 海 外 に 住 む 日 本 人 妻 を 対 象 と す る 研 究 以 外 に 、 外 国 人 男 性 と 結 婚 し 日 本 に 居 住 し て い る 国 際 結 婚 カ ッ プ ル に 関 す る 研 究 も あ る 。 国 際 結 婚 に よ り 日 本 に 移 住 し て い る 男 性 の 場 合 、 結 婚 移 住 女 性 と は 異 な る 側 面 が み ら れ た 。 竹 下 ( 2002) で は 、 日 本 人 女 性 と 結 婚 し 、 エ ス ニ ッ ク ビ ジ ネ ス を

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展 開 し て い る 外 国 人 夫 を 対 象 に 、 日 本 で の 定 住 プ ロ セ ス の 中 で 、 何 故 、 そ し て い か に エ ス ニ ッ ク ビ ジ ネ ス を 展 開 し て い る か を 明 ら か に し 、 さ ら に 日 本 の 地 域 社 会 に い か な る 影 響 を 与 え て い る か を 考 察 し た 。 調 査 の 結 果 、 国 際 結 婚 し た 外 国 人 夫 の 場 合 、 外 国 人 労 働 者 と し て 日 本 社 会 に 組 み 込 ま れ て い る の で は な く 、 日 本 人 妻 の 協 力 を 得 、 自 ら の エ ス ニ シ テ ィ を 活 用 し て レ ス ト ラ ン を 経 営 し 、 経 済 的 上 昇 移 動 を 図 る こ と を 明 ら か に し た 。 ま た 、 彼 ら は 経 営 す る レ ス ト ラ ン を 通 し て 、 日 本 に 異 文 化 を 流 入 し 、 浸 透 さ せ て い る と し て い る 。 竹 下 ( 2002) は 、 エ ス ニ ッ ク ビ ジ ネ ス を 説 明 す る も の と し て 「 排 除 仮 説 」 を 吟 味 し て い る 。 こ の 仮 説 と は 、 移 民 た ち の 「 言 語 能 力 の 不 足 、 社 会 的 差 別 な ど に よ り 労 働 市 場 か ら 排 除 さ れ 、 生 活 の 糧 を 得 る た め に は 自 営 業 に 向 か わ ざ る 得 な い こ と が 、 特 定 の エ ス ニ ッ ク 集 団 の 自 営 業 へ 集 中 を も た ら し た 」 と す る も の で あ る 。 し か し 、 日 本 人 女 性 と 結 婚 し た 外 国 人 男 性 が レ ス ト ラ ン を オ ー プ ン し た 理 由 と し て 、 労 働 市 場 か ら 排 除 さ れ た と い う だ け の 理 由 で は な い こ と が 分 か っ た 。 こ れ は 、 ア ジ ア 系 移 住 者 に と っ て 自 営 業 や 起 業 が 他 に 選 択 が な い た め に 選 ば れ た の で は な く 、 む し ろ 経 済 的 な 達 成 と 独 立 の た め に 選 ば れ て い る と い う 田 嶋 (1998)の 議 論 と 一 致 し て い る と み て い る 。 ま た 、 エ ス ニ ッ ク レ ス ト ラ ン の 経 営 者 た ち が ビ ジ ネ ス だ け で は な く ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 も 行 い 、 地 域 の 人 々 に 自 国 へ の 理 解 を 深 め る ア プ ロ ー チ を し て い る こ と も 明 ら か に し た 。 工 藤 (2009)で は 、パ キ ス タ ン 人 男 性 と 結 婚 し た 日 本 人 女 性 40 名 へ の 聞 き 取 り 調 査 及 び 参 与 観 察 を 通 し て 、 社 会 ・ 経 済 的 諸 条 件 を 整 理 す る こ と で 、国 境 間 移 動 に 媒 介 さ れ る 、「 家 族 」と し て の 繋 が り 方 の 再 生 産 や 創 造 に つ い て 考 察 し た 。 パ キ ス タ ン 人 夫 と 日 本 人 妻 の 居 住 パ タ ー ン と し て 、 夫 が 日 本 で ビ ジ ネ ス を 続 け 、 妻 が 子 を 連 れ て パ キ ス タ ン の 夫 方 親 族 ま た は 第 三 国 で 生 活 し 、 相 互 に 移 動 を 繰 り 返 す と い う ト ラ ン ス ナ シ ョ ナ ル の 家 族 が 増 え て い る と い う 。 在 日 パ キ ス タ ン 人 男 性 の 「 貧 し い 国 か ら の 出 稼 ぎ 者 」 と い う ス テ レ オ タ イ プ 的 な イ メ ー ジ に 対 し 、 国 際 結 婚 し た パ キ ス タ ン 人 の な か

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に は 都 市 部 で 一 定 の 教 育 を 受 け た 中 間 層 の 出 身 の 人 が 少 な く な い 。 し か し 、 全 体 的 に み る と 、 日 本 人 と の 結 婚 は 、 パ キ ス タ ン 人 男 性 た ち に 、「 日 本 人 配 偶 者 」と し て 日 本 に 居 住 し 、働 く 権 利 を 付 与 さ れ る こ と で 、 日 本 で 就 労 や 自 営 業 を す る 場 合 が 多 い 。 工 藤 は 、 パ キ ス タ ン 人 夫 が 日 本 で 在 留 許 可 を 得 る と 、 親 族 を 呼 び 寄 せ 、 パ キ ス タ ン と 日 本 と の 間 を 親 族 が 相 互 に 往 還 す る ト ラ ン ス ナ シ ョ ナ ル な 家 族 の ネ ッ ト ワ ー ク を 生 み 出 さ せ る こ と を 明 ら か に し た 。 ま た 、 パ キ ス タ ン の 宗 教 や 家 族 形 態 の 規 定 の な か で は 、 子 ど も が 誕 生 す る と 、 子 を ム ス リ ム と し て 育 て る こ と が 優 先 さ れ る 。 そ の た め 、 夫 は 日 本 を 拠 点 に ビ ジ ネ ス を 継 続 し 、 妻 子 で パ キ ス タ ン あ る い は 第 三 国 に 移 動 す る と い う 国 境 を 超 え た 家 族 の 分 散 の 傾 向 が あ る こ と を 明 ら か に し た 。 工 藤 は 、 家 族 の 分 散 が そ の 後 、 固 定 的 な 居 住 パ タ ー ン と し て 定 着 す る の で は な く 、 妻 子 が 日 本 に 戻 る ケ ー ス も 少 な く な い こ と を 指 摘 し て い る 。 そ の 背 景 要 因 と し て 、 日 本 人 女 性 が 夫 の 合 同 世 帯 内 の 権 威 体 系 に お い て 経 験 す る 周 縁 性 や 困 難 、 ま た 経 済 的 先 進 国 で あ る 第 三 国 へ の 移 住 の 際 の ビ ザ の 問 題 や「 ア ジ ア 人 差 別 」 な ど の 困 難 さ が あ る こ と を 挙 げ て い る 。 国 際 結 婚 に よ り 多 様 化 す る 家 族 の 問 題 は 、 そ の 受 け 入 れ 国 の 社 会 的 ・ 文 化 的 な 受 容 が 求 め ら れ る 。 目 黒 (2007)に よ れ ば 、 結 婚 は 夫 と 妻 と な る 2 人 が そ れ ぞ れ の 過 去 に 展 開 し て き た 社 会 関 係 を 一 つ の 家 族 ネ ッ ト ワ ー ク と 再 編 す る も の で あ る 。 し か し 、 国 際 結 婚 し た 女 性 は 、 一 方 的 に 夫 の ネ ッ ト ワ ー ク に 組 み 込 ま れ 、 母 国 で 形 成 し た 社 会 資 源 が 利 用 で き ず 、 夫 側 の 家 族 や 社 会 ま た は 文 化 へ の 適 応 を 一 方 的 に 押 し 付 け ら れ る こ と が 問 題 で あ る 。 国 際 結 婚 で 国 際 移 動 を し て い る 女 性 た ち に は 、 日 本 国 内 だ け に 限 ら ず 海 外 に お い て も 、 ジ ェ ン ダ ー や 異 文 化 へ の 適 応 な ど 重 層 的 な 困 難 に 直 面 し か ね な い こ と は 明 白 な 事 実 で あ る 。「 移 民 の 女 性 化 」が 進 む 今 日 の 国 際 的 情 勢 の な か 、近 年 の 日 本 国 内 の 国 際 結 婚 に 関 す る 研 究 で も 国 際 結 婚 し た 女 性 を 結 婚 移 民 と し て 位 置 づ け 、 議 論 す る 傾 向 が み ら れ る よ う に な っ た 。

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( 3) 結 婚 移 民 女 性 ・ 主 体 性 構 築 2005 年 以 降 、 日 本 国 内 の 国 際 結 婚 、 と り わ け「 日 本 人 夫 ・ 外 国 人 妻 」 を 対 象 と す る 研 究 が 再 び 増 え る よ う に な っ た 。 議 論 の 中 心 は ジ ェ ン ダ ー 及 び 外 国 人 妻 の 主 体 性 構 築 に 集 中 し て い る 。 王 ( 2005) で は 、 日 中 国 際 結 婚 に お け る 中 国 人 側 を 対 象 と し て 、 国 際 結 婚 生 活 の 満 足 度 、 適 応 度 及 び サ ポ ー ト の 必 要 度 を 調 査 し た 。 こ の 調 査 に よ る と 、人 間 関 係・交 流・文 化 体 験・言 語 等 の 領 域 で は 、 都 市 部 に 住 む 女 性 の 方 が 農 村 部 に 住 む 女 性 よ り 満 足 度 が 高 く 、ま た 、 都 市 部 で は 、国 際 結 婚 し た 外 国 人 男 性 と 外 国 人 女 性 を 比 較 し た 場 合 、 男 性 の 方 が 女 性 よ り 満 足 度 が 高 い こ と が 明 ら か に な っ た 。 ま た 、 適 応 度 及 び サ ポ ー ト の 必 要 度 の い ず れ に 関 し て も 、 都 市 部 の 女 性 が 優 位 に あ る こ と が 明 ら か に な っ た 。 こ の 研 究 で は 、 国 際 結 婚 生 活 の 満 足 度 と 適 応 度 と の 間 に は 有 意 な 相 関 関 係 が 存 在 し 、 国 際 結 婚 家 庭 、 特 に 満 足 度 の 低 い 傾 向 に あ る 農 村 部 の 女 性 へ の 適 応 の た め の サ ポ ー ト の 必 要 性 を 示 唆 し た 。 劉 ( 2006) で は 、 都 市 部 に 住 む 韓 国 人 妻 を 対 象 と し 、 日 本 文 化 へ の 適 応 ・ 変 容 を み る た め の 調 査 分 析 を 行 っ た 。 そ の 際 、 中 澤 (1996) で 提 示 し た 4 段 階 評 定 と の 比 較 分 析 が 行 な わ れ て い た が 、 そ の 結 果 は 興 味 深 い も の で あ っ た 。劉 は 、中 澤 (1996)で の 農 村 に お け る ア ジ ア 系 外 国 人 妻 の 生 活 と 居 住 意 識 に 関 す る 調 査 分 析 の 中 で 、 韓 国 人 妻 50 人 の 分 析 結 果 を 参 考 ・ 引 用 し 、 都 市 部 の 韓 国 人 妻 と 比 較 を し た 。 比 較 項 目 と し て 、 家 庭 内 の 食 生 活 、 近 所 付 き 合 い 、 夫 の 両 親 と の 関 係 、 夫 の 異 文 化 理 解 度 、 暮 ら し の 満 足 度 、 宗 教 が 含 ま れ て い る 。 以 上 の 項 目 の な か で 宗 教 及 び 夫 の 異 文 化 理 解 度 以 外 の 項 目 に お い て 、 農 村 部 の 韓 国 人 妻 の 方 が 都 市 部 の 韓 国 人 妻 よ り 適 応 度 が 高 い と い う 結 果 が 見 ら れ た 。 こ の よ う な 研 究 方 法 の 妥 当 性 に は 疑 問 が 残 る も の の 、 以 上 の 結 果 か ら 農 村 部 で 暮 ら し て い る 外 国 人 妻 が 直 面 し て い る 農 村 特 有 な 家 族 形 態 や 生 活 様 式 が 妻 た ち の 日 本 文 化 へ の 適 応 を 促 し て い る こ と が 推 測 で き る 。 こ う し た 知 見 に は 、 農 村 社 会 特 有 の 社 会 制 度 が 外 国 人 妻

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へ 及 ぼ す 負 面 的 な 影 響 へ の 批 判 的 議 論 に つ い て 再 検 討 の 余 地 が 示 さ れ て い る 。 柳 蓮 淑( 2005)で は 、韓 国 人 女 性 60 名 へ の ア ン ケ ー ト 及 び イ ン タ ビ ュ ー 調 査 を 通 し て 国 際 結 婚 に よ る 日 本 農 村 地 域 へ の 移 動 プ ロ セ ス や そ の 要 因 究 明 お よ び 日 本 に お け る 生 活 実 態 に 焦 点 を 当 て 、 彼 女 た ち の 定 住 過 程 で 明 ら か に な っ た 事 実 、 問 題 点 、 ま た そ れ を 解 決 す る 過 程 で 起 こ る 主 体 的 な 生 き 方 の 可 能 性 を 韓 国 人 妻 の 特 徴 か ら 言 及 し た 。 こ の 調 査 で は 、韓 国 人 女 性 の 結 婚 に よ る 移 動 の 要 因 は 、「 本 国 に お け る 社 会・経 済 的 地 位 」、と り わ け 女 性 の 婚 姻 上 の 地 位 と 関 連 し て い る こ と を 再 確 認 し た 。 ま た 、 婚 姻 に 至 る 過 程 に お い て は 比 較 的 に 早 い 時 期 に 移 住 し た 韓 国 人 女 性 の 斡 旋 に よ る も の が 多 く 、 結 婚 時 の 年 齢 が 他 の 国 と 比 較 し て 高 年 齢 層 で あ り な が ら 、 高 学 歴 で 専 門 職 に 従 事 し た 経 験 を も つ 人 が 多 い こ と が 特 徴 的 で あ る と 指 摘 し た 。 柳 は 、 韓 国 人 女 性 の 日 本 側 家 族 と の 葛 藤 に 対 し て 、 自 己 の 主 張 に そ っ た 形 で 解 決 を 図 る 事 例 が 多 い こ と か ら 、 既 存 の 「 一 方 的 な 抑 圧 さ れ る 嫁 像 」 と は 異 な る 現 実 が あ る と 指 摘 し た 。 そ し て 、 日 本 に お け る 同 国 人 の ネ ッ ト ワ ー ク に 積 極 的 に 参 加 し 、 エ ス ニ ッ ク ・ ビ ジ ネ ス の 起 業 な ど 、主 体 的 な 生 き 方 を 展 開 す る 事 例 も 存 在 す る こ と か ら 、 韓 国 人 妻 の 日 本 農 村 の 生 活 に お け る 主 体 と し て の 可 能 性 を 示 唆 し た 。 さ ら に 、韓 国 人 女 性 の 主 体 性 に 関 し て 、柳 (2006)で は 、保 守 的 な 夫 家 族 と 世 帯 間 交 渉 を 行 い 、 最 終 的 に 主 導 権 を 獲 得 す る 女 性 の 事 例 を 取 り 上 げ 、 定 住 過 程 の 中 で 女 性 た ち が 主 体 性 を 発 揮 し て い る こ と を 示 し た 。 柳 は 、 3 人 の 韓 国 人 妻 の イ ン タ ビ ュ ー 調 査 の 分 析 か ら 、 親 と 同 居 す る 傾 向 が 強 い 農 村 で の 生 活 で 、 夫 よ り 両 親 と の 関 係 上 の 葛 藤 が 顕 著 に 表 れ る こ と を 指 摘 し 、 日 本 で の 生 活 が 長 期 化 す る に つ れ て 、 自 身 が 持 つ 社 会 的 資 源 を 最 大 限 に 活 用 し 、 主 体 的 な 「 交 渉 」 に よ っ て 世 帯 間 の 地 位 向 上 を 実 現 し 、 世 帯 内 ジ ェ ン ダ ー 関 係 の 再 編 を 進 め て い る 実 態 を 明 ら か に し た 。そ の 中 で 、起 業 や 就 労 を 通 し て 、 経 済 的 な 自 立 や 社 会 進 出 を 実 現 し 、 世 帯 内 の 地 位 を 向 上 さ せ た 成 功

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例 も 提 示 し た 。 し か し 、 こ れ ら の 研 究 は 質 的 な 調 査 を 通 し た 緻 密 な 分 析 を 行 っ た も の で は な い た め 、 韓 国 人 妻 の 主 体 的 な 生 き 方 を 具 体 的 に 明 ら か に す る 研 究 に は な っ て い な い 。 賽 漢 卓 娜( 2006)で は 、こ れ ま で の 外 国 人 花 嫁 に 関 す る 研 究 に は 、 研 究 者 に よ る 偏 見 が あ る た め 、 異 文 化 結 婚 の 当 事 者 で あ り 、 移 住 者 で も あ る ア ジ ア 人 妻 た ち の 主 体 性 が 曖 昧 で あ る と し て い る 。さ ら に 、 移 住 し た 新 し い 社 会 に お け る 、 い わ ば 「 再 社 会 化 」 と し て の 異 文 化 適 応 過 程 の 実 態 を 捉 え 、 外 国 人 妻 の 適 応 パ タ ー ン の 多 様 性 を 理 解 で き な け れ ば 、 出 身 国 の 異 な る 個 人 の 多 様 な 問 題 を 把 握 で き ず 、 そ の 問 題 防 止 も で き な い と 指 摘 し た 。 賽 漢 卓 娜 ( 2007) で は 、 東 海 地 域 の 近 郊 農 村 部 に 住 む 中 国 人 妻 を 対 象 と し た 事 例 研 究 を 通 し て 、 送 り 出 し 側 の 地 域 に 注 目 し て 結 婚 移 民 の プ ロ セ ス を 分 析 し 、 国 際 結 婚 の プ ッ シ ュ 要 因 を 検 証 す る こ と で 、中 国 人 女 性 の 国 際 結 婚 の 要 因 に は 、 従 来 強 調 さ れ て い る 経 済 格 差 の 要 因 以 外 に 文 化 的 要 因 や ジ ェ ン ダ ー 的 要 因 が あ る こ と を 提 示 し た 。 国 際 結 婚 を 通 し た 移 民 女 性 の 主 体 性 構 築 の 可 能 性 に つ い て 言 及 し た 邱 (2003)で は 、 川 崎 市 在 住 の フ ィ リ ピ ン 人 妻 の 社 会 参 加 に つ い て 論 考 し た 。 そ の 際 、 就 労 を 媒 介 と し た 「 移 民 女 性 の 主 体 性 構 築 」 の 既 存 の 議 論 を 概 観 し 、エ ス ニ シ テ ィ 研 究 に「 ジ ェ ン ダ ー 」と「 階 級 」 の 視 点 を 加 え る 重 要 性 、 さ ら に 、 エ ス ニ シ テ ィ と ジ ェ ン ダ ー の 両 面 に お い て 周 辺 化 さ れ た フ ィ リ ピ ン 女 性 の 一 部 と し て の 妻 た ち が 、 社 会 参 加 と い う 手 段 を 通 し て 、 受 け 入 れ 国 の 社 会 に お け る 不 平 等 な 構 造 か ら の 解 放 を ど の よ う に 図 っ て い く の か を 検 証 し よ う と し た 。 邱 は 、 受 入 国 の 社 会 に お い て 周 辺 化 さ れ る フ ィ リ ピ ン 人 の 社 会 参 加 を 可 能 と さ せ る 条 件 と し て「 個 人 の 特 質 」と「 川 崎 市 の 地 域 特 性 」 の 両 方 か ら 検 討 を 行 い 、彼 女 た ち に と っ て 社 会 参 加 と は 、「 仕 事 か ら の 相 対 的 剥 奪 感 」 と 「 周 辺 化 さ れ る 地 域 か ら の 相 対 的 剥 奪 感 」 を 解 消 す る た め に 意 義 を 有 す る 活 動 で あ る こ と を 示 し た 。ま た 、「 高 学 歴 」 「 流 暢 な 日 本 語 」「 明 る い 性 格 」と い っ た 個 人 資 本 を 擁 す る 彼 女 た ち

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が 受 入 国 の 社 会 で 生 き て い く た め の 活 路 と は 、 単 な る 社 会 参 加 に 留 ま ら ず 、 む し ろ や り 甲 斐 の あ る 正 規 の 職 業 に 従 事 す る こ と に あ る と 提 示 し た 。 主 婦 の ( 再 ) 就 職 問 題 は 日 本 人 女 性 だ け で は な く 移 民 女 性 も 同 様 に 直 面 す る 深 刻 な 問 題 で あ り 、「 働 く 」こ と は 、彼 女 た ち が 本 当 の 自 立 を 獲 得 す る た め に 必 要 と さ れ る 前 提 条 件 で あ る 。「 正 規 の 職 業 」獲 得 と い う 回 路 こ そ が 、 彼 女 た ち が 抱 え る 相 対 的 剥 奪 感 を 脱 す る た め の 最 も 重 要 な 手 段 で あ る こ と が 示 唆 さ れ た 。 農 村 の 国 際 結 婚 に 関 し て の 継 続 的 な 研 究 と し て 、武 田( 2006・2008) で は 、新 潟 県 魚 沼 地 域 に お け る「 外 国 人 花 嫁 」の 実 態 を 調 査 分 析 し 、 農 村 コ ミ ュ ニ テ ィ の 変 化 に 迫 ら れ 、 そ う し た 農 村 社 会 に 編 入 さ れ た ア ジ ア の 女 性 た ち を 主 体 的 行 為 者 と し て 捉 え る 必 要 性 を 提 示 し た 。 そ し て 武 田 (2009)で は 、 結 婚 移 民 女 性 の 適 応 ・ 受 容 過 程 か ら 農 村 の 家 族 と 社 会 の 変 化 を 考 察 し よ う と し た 。 武 田 は 、 農 村 の 結 婚 移 民 女 性 の 適 応 ・ 受 容 過 程 を 考 察 す る に は 、 農 村 を 取 り 巻 く 社 会 経 済 環 境 と 個 人 化 が 進 む 家 族 の 変 化 、 地 域 住 民 の 国 際 結 婚 に 対 す る 意 識 や 態 度 、 ま た 市 民 組 織 に よ る 支 援 活 動 な ど か ら 重 層 的 に ア プ ロ ー チ す る こ と が 求 め ら れ る が 、 既 存 の 研 究 は ス テ レ オ タ イ プ 化 さ れ た 「 農 村 花 嫁 」 や 「 ア ジ ア 人 花 嫁 」 を 前 提 に し た 議 論 が 多 い こ と を 指 摘 し た 。 ま た 、 家 族 関 係 や 夫 婦 関 係 は 、 家 族 員 の 成 長 や 発 達 過 程 、 家 族 内 の 役 割 の 変 化 、 日 々 の 絶 え 間 な い 交 渉 や 駆 け 引 き と 相 手 に 対 す る 共 感 や コ ミ ッ ト メ ン ト に よ る 配 慮 の も と に 変 化 し 続 け る と 指 摘 し た 。 さ ら に 、 農 村 社 会 に お け る 結 婚 移 民 女 性 の 主 体 的 行 為 者 と し て の 可 能 性 を 検 討 す る こ と で さ ら に 厳 し さ を 増 し て い る 農 村 の 機 能 に 対 す る 再 評 価 や 農 村 に 変 化 を も た ら す 促 進 剤 に な る 可 能 性 を 探 ろ う と し た 。 武 田 は 、80 年 代 後 半 に 来 日 し た 4 組 の 国 際 結 婚 夫 婦 へ の 調 査 を 通 し 、 国 際 結 婚 夫 婦 に 言 語 や 社 会 資 源 の 非 対 称 性 が 存 在 し て い る が 、 彼 ら は 各 自 の 方 法 で 様 々 な 危 機 に 対 処 し な が ら 家 族 内 の 安 定 と 均 衡 状 態 を 作 り だ し 、 家 族 員 の 間 で 緊 張 状 態 を 処 理 す る た め に は 取 引 、

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交 渉 が 展 開 さ れ る と い う 。 ま た 、 結 婚 移 民 女 性 の 社 会 的 ネ ッ ト ワ ー ク 形 成 は 子 ど も を 介 し た 日 本 人 市 民 と の 接 触 や 、 既 存 の 集 落 組 織 や 婦 人 会 、 市 民 組 織 な ど が き っ か け に な っ て い る こ と を 提 示 し 、 地 域 社 会 の 中 に 異 文 化 を 媒 介 す る 市 民 層 を 厚 く す る 必 要 性 を 指 摘 し た 。 し か し 、 彼 女 の 研 究 で は 、 国 際 結 婚 女 性 の 主 体 性 に 関 す る 具 体 的 な 議 論 や 農 村 社 会 の 構 造 変 容 が 国 際 結 婚 女 性 の 適 応 と 互 い に ど の よ う な 影 響 に あ る の か に つ い て は 十 分 に 論 じ ら れ て い な い 。 第 2 節 国 際 結 婚 研 究 の 視 角 1 社 会 状 況 を 踏 ま え た 多 様 な 実 態 の 把 握 既 に 上 述 し た よ う に 急 増 し た 国 際 結 婚 の 問 題 性 に つ い て ( 宿 谷 1988)( 佐 藤 1989)( 仲 野 1998) な ど の 研 究 で 明 ら か に し た よ う に 、 農 村 の 国 際 結 婚 の 始 ま り は 、 農 村 社 会 及 び 行 政 が 農 村 の 嫁 不 足 を 問 題 化 し 、 そ の 解 決 策 と し て 多 く の 自 治 体 が 行 政 主 導 の 国 際 結 婚 の 斡 旋 を 広 め た 事 実 が あ る 。90 年 代 ま で の 研 究 は 、行 政 主 導 の 結 婚 斡 旋 の 是 非 を 問 う と 同 時 に そ の 背 後 に 存 在 す る 民 間 の 国 際 結 婚 斡 旋 業 者 の 関 与 と お 見 合 い 結 婚 の 実 態 を 暴 き 、 行 政 及 び 農 村 社 会 の 体 制 自 体 に 対 す る 批 判 的 視 点 を 示 し た 。 こ れ ら の 研 究 は 国 際 結 婚 女 性 本 人 か ら 苦 境 を 聞 き つ け 記 録 す る こ と で 、 結 婚 斡 旋 業 者 が 介 入 す る 不 自 然 な 「 集 団 お 見 合 い 」 を と お し て 成 立 し た 結 婚 の 問 題 点 を 示 し 、 ア ジ ア の 女 性 を 犠 牲 に し 、 国 際 結 婚 女 性 を 地 域 の 国 際 化 の シ ン ボ ル と し て 利 用 す る 行 政 を 非 難 す る な ど 「 ム ラ の 国 際 結 婚 」 を 否 定 的 に 捉 え て い る 視 点 が 目 立 っ た 。 つ ま り 、 国 際 結 婚 を 社 会 問 題 化 す る 研 究 で あ っ た 。 近 年 報 告 さ れ た 多 く の 事 例 は 、 研 究 者 た ち に よ り 作 り 上 げ ら れ た 「 農 村 の 文 化 へ の 一 方 的 な 同 化 」 や 「 差 別 を 受 け る 可 哀 想 な 外 国 人 花 嫁 像 」 は 、 外 国 人 女 性 の 個 人 的 な 資 質 や 家 庭 状 況 及 び 受 容 社 会 の 状 況 に よ り 、そ れ と は 相 反 す る 事 実 も 存 在 し て い る こ と を 示 唆 し た 。 農 村 の 社 会 的 状 況 が 国 際 結 婚 し た 女 性 に 与 え る 適 応 条 件 が 、 必 ず し

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も 負 の 側 面 的 だ け で は な く 、 そ れ が 女 性 た ち に 与 え る 影 響 に つ い て よ り 多 面 的 に 捉 え て い く こ と が 望 ま し い だ ろ う 。 そ の た め に は 、 国 際 結 婚 し た 女 性 が 生 活 し て い る 地 域 社 会 の よ り 具 体 的 な 状 況 を 踏 ま え 、 彼 女 た ち の 生 活 実 態 と の 関 係 を 考 慮 し 、 適 応 の 実 態 を よ り 質 的 に 見 て い く 必 要 が あ る 。 そ の 点 に お い て 、 既 存 の 研 究 は ま だ 至 っ て い な い こ と を こ こ で 指 摘 し た い 。 2 生 活 の 主 体 と し て の 女 性 た ち も ち ろ ん 国 際 結 婚 に は 多 く の 社 会 的 な 問 題 が 潜 ん で お り 、 そ の 当 事 者 た ち は 実 際 の 生 活 の 中 で 多 く の 困 難 に 直 面 す る こ と に な る 。 こ の 点 は 従 来 の 研 究 が 指 摘 し て き た 点 で あ る 。 山 形 の 精 神 科 医 で 国 際 結 婚 女 性 の 支 援 を す る NPO の 活 動 に も 携 わ っ て い る 桑 山 ( 1995) の 国 際 結 婚 女 性 の ス ト レ ス に 関 す る 研 究 は 、 当 時 の 国 際 結 婚 女 性 へ の 支 援 が 充 分 で は な い こ と を 指 摘 し た 。 そ の 中 で 、 外 国 人 女 性 が 日 本 で の 生 活 の 中 で 経 験 す る 困 難 や ス ト レ ス を 詳 し く 分 析 す る こ と で 、 外 国 人 女 性 が 農 村 地 域 の 中 で 生 活 し て い く た め に 、 適 切 な 支 援 や サ ポ ー ト 、 ま た ケ ア が 必 要 で あ る と 主 張 し た 。 こ の よ う な 国 際 結 婚 し た 外 国 人 女 性 を 被 支 援 者 と す る 研 究 は 、 国 際 結 婚 家 庭 、 特 に 外 国 人 妻 が 直 面 す る 一 番 大 き な 問 題 点 が 言 語 や 文 化 の 差 異 で あ り 、 そ の 違 い か ら く る 問 題 点 を 克 服 し な が ら 生 活 を 継 続 し て い く プ ロ セ ス を 長 い ス パ ン で 分 析 を し て い く 必 要 性 を 提 示 し 、 生 活 者 と し て の 個 々 人 の 生 活 実 態 に つ い て 踏 み 込 ん だ 分 析 を 行 っ て い く 必 要 性 を 示 唆 し た 。 2005 年 以 降 の 国 際 結 婚 女 性 当 事 者 の 主 体 性 に 着 目 し た 研 究 で は 、 村 の 中 で 地 域 に う ま く 溶 け 込 む 国 際 結 婚 女 性 や 、 保 守 的 ジ ェ ン ダ ー 秩 序 に 厳 し い 夫 の 家 族 の な か で 主 導 権 を 獲 得 す る 国 際 結 婚 女 性 の 世 帯 間 交 渉 の 事 例 も あ っ た 。 そ れ ら は 日 本 で 定 住 を 続 け る た め 国 際 結 婚 し た 女 性 た ち が 定 住 の 生 活 の 中 で 奮 闘 し 続 け て お り 、 こ れ に よ っ て 主 体 的 に 行 動 を し て い る 女 性 の 存 在 を 提 示 し 、 国 際 結 婚 女 性 の 研 究 に 新 た な 視 点 を 付 与 し た 。 確 か に 国 際 結 婚 の 急 増 時 代 と 比 較 し て

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近 年 は 定 住 し て い る 国 際 結 婚 女 性 が 多 く の 場 面 で 活 躍 し 、 日 本 の 地 域 社 会 に 溶 け 込 ん で い る 。 し か し 、 長 年 の 定 住 歴 を 持 ち 日 本 で 生 活 し て い る 国 際 結 婚 女 性 た ち を め ぐ っ て は 、 以 下 の よ う な 問 い が 残 さ れ て い る 。 ① 定 住 に 伴 う 様 々 な 困 難 を 如 何 に 克 服 し て い る の か 。 ② 定 住 が 長 期 化 す る こ と に よ り 、 彼 女 た ち 自 身 及 び 家 族 、 ま た は 生 活 に ど の よ う な 変 化 が 起 き た の か 。 ③ 生 活 の 主 体 と し て の 真 の 主 体 性 構 築 を す る こ と は 可 能 な の か 、 可 能 で あ れ ば そ れ は ど の よ う に 実 現 し て い る の か 。 こ れ ら の 諸 点 は 、 こ れ ま で の 先 行 研 究 で は い ま だ 明 ら か に さ れ て こ な か っ た 。 そ れ は 、 社 会 や 制 度 的 な 支 援 の 仕 方 だ け で は な く 、 国 際 結 婚 し た 女 性 自 身 の 実 状 や 変 化 に 注 目 し 、 適 応 過 程 に 起 き る 変 化 や 現 状 を よ り 現 実 的 に 分 析 す る こ と 抜 き に は 解 決 で き な い 。 今 ま で 、 社 会 教 育 分 野 で は マ イ ノ リ テ ィ 支 援 と い う 側 面 で 国 際 結 婚 女 性 の 支 援 に 多 く 関 わ っ て き た 。 例 え ば 、 公 民 館 や 町 、 NPO な ど が 連 携 し て 国 際 結 婚 女 性 向 け の 日 本 語 教 室 や 生 活 支 援 の た め の 講 座 な ど を 積 極 的 に 開 催 し て い る 。 実 際 に 、 地 域 住 民 を 動 員 し 多 く の ボ ラ ン テ ィ ア が 日 本 語 教 育 に 貢 献 し て い る 。 特 に 、 国 際 結 婚 急 増 期 で は 町 が 国 際 課 を 設 け 国 際 結 婚 家 庭 に つ い て 数 多 く の サ ー ビ ス を 行 っ た お り 、 今 も 新 規 参 入 者 に つ い て は 手 厚 い 支 援 を し て い る 。 し か し 、 国 際 結 婚 女 性 は ほ と ん ど が 成 人 期 に 来 日 し て い る た め 、 成 人 向 け の 教 育 を 行 う 際 、 ど の よ う な も の が 必 要 な の か 、 ま た 人 間 が 成 人 期 か ら 、 さ ら に 発 達 し 続 け て い る と い う 観 点 か ら す る と 、 国 際 結 婚 女 性 は 、 生 活 の 中 の 学 習 を 通 し 、 絶 え ず 変 化 し て お り 、 そ の 変 化 に 伴 っ て 、 必 要 と さ れ る 支 援 の ニ ー ズ も 絶 え ず 変 化 し て い る と い え る こ と を 踏 ま え た 対 応 が 必 要 と な る 。 し か し 、 現 存 の 社 会 教 育 で の 教 育 や 支 援 の シ ス テ ム は 新 規 参 入 者 向 け の も の が 多 く 、 絶 え ず 変 化 し て い る 国 際 結 婚 女 性 へ の 持 続 的 な 支 援 や サ ポ ー ト が で き て い る と は 言 え な い 。 国 際 結 婚 で 来 日 し た 女 性 た ち が 家 庭 だ け で は な く 自 立 し た 一 人 の 人 間 と し て 、 生 活 し 、 コ

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ミ ュ ニ テ ィ と 関 わ り あ い 、 ネ ッ ト ワ ー ク を 作 っ て い き 、 十 全 な 社 会 参 加 を し て い か な け れ ば な ら な い 。 3 成 人 学 習 の 視 点 の 必 要 性 農 村 の 国 際 結 婚 し た 女 性 の 適 応 過 程 は 、 一 般 の 移 民 の 適 応 過 程 と 異 な り 、農 村 コ ミ ュ ニ テ ィ で 暮 ら す こ と が 前 提 と な る 。彼 女 た ち は 、 地 域 社 会 か ら 、 各 家 族 ・ 家 庭 の 一 員 で あ り 、 同 時 に 地 域 住 民 の 構 成 員 と し て の 役 割 が 求 め ら れ て い る 。 来 日 初 期 の 国 際 結 婚 女 性 の 多 く は 基 本 的 な 生 活 に 必 要 な 言 語 ス キ ー ル や 文 化 資 本 が 無 い か 不 足 し て い る 。 そ の た め に 、 こ れ ま で の 研 究 で は 生 活 上 の 問 題 点 や 困 難 に 関 わ る 初 期 適 応 期 に つ い て の 議 論 が 多 く な さ れ 、 行 政 や 民 間 団 体 に よ る 言 語 や 生 活 適 応 の 支 援 策 の 展 開 も あ る ( 安 藤 2009)。 し か し 、 こ の よ う な 初 期 適 応 期 へ の 支 援 に 焦 点 を 置 く 議 論 は 、 国 際 結 婚 を し た 女 性 た ち を 日 本 社 会 へ の 新 参 者 と し て 、 ま た 「 欠 損 」 す る 者 、「 支 援 を 受 け て 学 ぶ 存 在 」 と し て 問 題 に し て き た と い え る 。 長 期 定 住 し て い く 中 で 展 開 す る 彼 女 た ち の ニ ー ズ に 対 応 す る た め に は 、 既 存 の 教 育 ・ 学 習 形 態 で は 十 分 で は な い こ と は す で に 実 践 の 中 で 指 摘 さ れ て き た 。 そ れ だ け で は 、 彼 女 た ち の 主 体 性 や 資 源 や 自 律 的 な 学 習 を 無 視 す る こ と に な る 。 子 育 て や 家 庭 生 活 だ け で は な く 地 域 社 会 に お い て も 主 体 的 に 参 加 し 、 自 ら 生 活 を 切 り 開 い て い く 事 例 も あ る が 、 そ の プ ロ セ ス を 具 体 的 に 分 析 し た 研 究 は ま だ な い 。 武 田 ( 2011) は 、 一 般 に あ る 国 際 結 婚 し た 女 性 の ス テ レ オ タ イ プ と し て 、 女 性 た ち の 被 抑 圧 的 な 状 況 を 強 調 し た 封 建 的 な 農 村 の 家 族 や 社 会 の 中 で 一 方 的 に 同 化 を 迫 ら れ て い る 「 か わ い そ う な 女 性 」 と い う も の と 、「 手 段 的 結 婚 」を す る「 ず る が し こ い 女 性 」と い う も の を あ げ 、 こ れ ら は 彼 女 た ち の エ ー ジ ェ ン シ ー 、 す な わ ち 機 能 や 媒 介 す る 能 力 を も つ 存 在 を 過 小 評 価 す る こ と に な る と 指 摘 し て い る 。 つ ま り 、 ど ち ら に し て も こ う し た ス テ レ オ タ イ プ 化 と し て の 側 面 を 、 国 際 結 婚 を 通 し て 越 境 移 動 を す る 社 会 現 象 を 構 造 的 に 捉 え よ う と す る 際 の 視 点 で は あ る と し て も 、 武 田 も 指 摘 し て い る よ う に 、 日 本 社

図 表 1-3 は 山 形 県 の 外 国 人 登 録 者 数 を 示 し た も の で あ る が 、 全 国 と 比 較 し て 、 急 速 な 増 加 を 見 せ て い る 。 特 に 1995 年 以 降 か ら 2001 年 の 間 の 増 加 幅 が 大 き い 。そ し て 、2005 年 か ら は 減 少 傾 向 を 見 せ て い る 。 こ の よ う な 動 向 の 主 な 原 因 と し て 日 本 人 の 配 偶 者 か ら 永 住 者 へ の 切 替 え が 進 ん で い
図 表 1-4 は 福 島 県 の 県 人 口 と 外 国 人 登 録 者 数 を 比 較 し た も の で あ る が 、 県 人 口 が 1997 年 を ピ ー ク に 減 少 傾 向 を 示 し て い る の に 比 べ 、 外 国 人 登 録 者 数 は 一 貫 し て 増 加 し て い る 。 ま た 、 年 齢 別 の 構 成 か ら は 20~ 30 代 に か け て 女 性 が 著 し く 多 く な っ て い る こ と か ら 、日 本 人 男 性 と 結 婚 し て 定 住

参照

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