ベトナムにおけるハンセン病元患者自立支援プログ
ラムの事例とハンセン病元患者によるプログラムへ
の評価
著者
渡辺 弘之
雑誌名
日本ハンセン病学会雑誌
巻
85
号
3
ページ
133-152
発行年
2016-12
URL
http://hdl.handle.net/10631/00001412
doi: 10.5025/hansen.85.133
ベ トナム にお けるハ ンセ ン病元患者 自立支援 プログラムの
事例 とハ ンセ ン病元患者 に よるプロ グラムへ の評価
渡辺弘之*
新潟県立看護大学看護学部 〔受 付:2016年6月30日 、 掲 載 決 定:2016年10月4日 〕 キ ー ワ ー ド: ハ ン セ ン 病 、 ベ トナ ム 、 社 会 経 済 的 リハ ビ リ テ ー シ ョ ン(SER) ベ トナム のハ ンセ ン病専 門治療施設 ・病 院Xで は、ハ ンセ ン病元患者 の社会 経済状 況改善 を 目的 とした 自立支援 プ ロ グラムが実施 されてい る。本 研究 は 自立支援 プロ グラムについ て元 患者 の立 場か らプロ グラムに対す る評価 を フォー カス グル ープイ ンタ ビュー に よって行 って も らった。 プログ ラム参 加者 か らは肯定 的な変化 として収入 の増加 や健 康状 態の改 善な どが挙 げ られ、無 利子 で事業資 金の融 資が受 け られ る点 が評価 され た。一 方、家 畜 の病 気の流 行やハ ンセン病 を理 由 に買 い手 か ら値下 げを要 求 されるな ど の リス クが挙げ られ、事業 を行 う上 での 困難 も明 らか とな った。また若年 グルー プはプ ログラムに関心 を抱い ているが、 事 業資金 返済 に対 して不安 を抱 いてい る ことが明 らか とな った。現行 の 自立 支援 プ ログラム に対 しては事業資 金返済 開始 の時期や融 資額 の変更 な どの要望 が寄せ られた。 これ らを踏 まえ、元患 者の ニーズ に沿 った 自立支 援 プログ ラム が必要 である と考 え られ る。は じめ に
−ハ ンセ ン病元患者 の社会 経済 的状況 −
治 療 を終 え た ハ ン セ ン病 元 患 者 の 社 会 復 帰 と 自立 支 援 に あ た っ て は 、 様 々 な 取 り組 み が 世 界 の各 地 で 行 わ れ て き た 。 しか し、 元 患 者 の 社 会 復 帰 と 自立 支 援 の た め に 解 消 しな け れ ば な ら な い 課 題 が い くつ か 残 さ れ て い る 。 そ の 課 題 の一 つ と して ハ ンセ ン病 元 患 者 の社 会 経 済 的 な 問 題 が 挙 げ られ る。 Withingtonら は 、 ハ ン セ ン 病 に よ る 障 害 とス テ ィ グ マ は 元 患 者 を 失 業 や 社 会 関 係 の 喪 失 、 貧 困 とい っ た状 態 へ と導 く と指 摘 して い る他1)、Nichollsは 多 くの ハ ン セ ン 病 元 患 者 が 極 度 の貧 困 状 態 に あ り、 収 入 を 得 る機 会 に 恵 まれて こなか った こと、そ して十分な収入 がない こ と が ハ ンセ ン病 に よるステ ィグマ を克 服で きない理由で あ る としてい る2)。 本 研究 の対象 とす るベ トナム においてハ ンセ ン病対策 は公衆 衛生上 の活動 として位置付 け られ、新規 患者の早 期発見 ・治 療の体制 が確立 された こ とによ り、早 期に治療 を 開始 した患者 は発症以前 の生活 が回復可能 とな ってい る。その一方 で、罹 患を きっか けに郷里の地域社 会や家族 とのつなが りが疎遠 になった元患者 や、元患者 同士の結 婚、 また重度 の身体障害 の発生や高 齢化 によ り自立が 困 難 にな ってい る元患者 の存 在 もあ り、病院 に併 設され た ハ ンセ ン病村 な どへの定住 化が進 んでい る状況 にあ る。 ハ ンセ ン病村 とは、治療 を終 えた もの の様 々な理 由に よって帰 る場所 を持 たない元患者 に生活 の場所 を提供す る施設 で ある。 ベ トナ ムでは カ トリックな どの宗教関係 者 が差別や偏見 のた め定住 地を追 われた放浪患 者の収容 保護 活動を行 い、生活 の場 所 と簡 易な医療 の提 供を行 っ ていた。 こ うした施設 は1920年 代 か らベ トナムの各地 *Correspondingauthor: 新 潟 県 立 看 護 大 学 看 護 学 部 〒943-0147新 潟 県 上 越 市 新 南 町240 Tel&Fax:025-526-3108(勤 務 先 直 通) E-mail:hironiigata-cn.ac.jp,jaimo4456outlookcomに つ くら れ 、1927年 に は ジ ー リ ン(DiLinh)療 養 所(ラ ム ドン 省)、1929年 に は ク イ ホ ア(QuyHoa)療 養 所 (ビ ン デ ィ ン省)な どが 開 設 さ れ て お り、 現 在 の ハ ン セ ン 病 村 の 元 とな っ て い る。2016年 時 点 で ベ トナ ム 国 内 に24ヵ 所 の ハ ン セ ン病 村 が 存 在 す る が 、1975年 の 南 北 ベ トナ ム の 統 一 後 、 ハ ンセ ン病 村 は す べ て 国 の 管 理 下 に置 か れ て い る 。 ベ トナ ム で は 、 ハ ン セ ン病 の 既 往 が あ り、 身 体 障 害 の 発 生 な ど に よ り一 般 社 会 で の 生 活 が 困 難 と さ れ た 元 患 者 に 対 し、 政 府 か ら の 支 援 金(Lu㎝gxaHOi)が 支 給 さ れ て き た 。 この 支 援 金 制 度 は 、1979年12月 の ホ ー チ ミ ン市 人 民 委 員 会 決 議 に よ っ て 各 ハ ン セ ン病 村 お よ び 専 門 治 療 施 設 に 在 住 す る 元 患 者 が 公 的 支 援 の 対 象 と な っ た こ とに 基 づ い て 開 始 さ れ た(ホ ー チ ミ ン市 人 民 委 員 会 第336号 決 議 、336/UB-QD)。 この 決 定 は ベ トナ ム 南 部 の ハ ン セ ン病 村 在 住 者 が 対 象 とな り、 支 援 金 制 度 開 始 当 初 は 元 患 者 お よ び家 族 一 人 当 た り8万 ドン(約3 ドル 、 当時 の 実 勢 額)が 支 給 さ れ て い た 。 そ の 後1996 年2月 に 発 表 さ れ た ベ トナ ム 政 府 基 本 方 針(http://moj. gov.vn/vbpq/1ists/vn%20bn%20php%201ut/view_detail. aspx?itemid=9368)で は ハ ン セ ン 病 元 患 者 の 社 会 統 合 支 援 と と も に元 患 者 へ の 支 援 金 支 給 が 明 記 され 、 ベ トナ ム 国 内 の す べ て に こ の 支 援 金 制 度 が 適 用 とな っ た 。 こ の 支 援 金 は 一 時 的 に 金 額 の 変 更 が あ っ た が1990年 か ら2014年 ま で24万 ドン が 支 給 さ れ て い た。 こ の金 額 か ら こ れ らの 元 患 者 は 「24万 ドン患 者 」 と 呼 ば れ 、 政 府 か ら の 支 援 を 受 け る 認 定 患 者 と して 扱 わ れ る 。 認 定 患 者 とな る と生 活 支 援 金 の 他 、 ハ ン セ ン 病 村 に お け る 住 宅 の 無 償 貸 与 や 米 ・魚 醤 な ど の 現 物 支 給 が 行 わ れ る 他 、 ベ トナ ム 国 内 外 のNGOか ら月 に6ド ル 程 度 の生 活 支 援 金 が支 給 さ れ て い る1。 しか し、 近 年 の ベ トナ ム で は 物 価 の 上 昇 が 著 し く、IMFの デ ー タ に よ れ ば ベ トナ ム の 消 費 者 物 価 指 数 は2005年 を100と し て2014年 に は240.125ま で 上 昇 し て い る(http://www.imf.org/ externa1/pubs/ft/weo/2015/01/weodata/download. aspx)。 ベ トナ ム政 府 は こ う し た物 価 の上 昇 に 対 応 す る た め 、2014年 末 か ら支 援 金 を76万 ドン(約38ド ル) に 引 き 上 げ た。 そ の た め 支 援 金 の 支 給 対 象 と な る患 者 の 基 本 的 収 入 は 月 に 約42ド ル 程 度 と な る 。JETROに よ る とベ トナ ム の 一 人 あ た りGDP(名 目)は2,171ド ル (2014)と な っ て お り(https://www.jetro.go.jp/world/ asia/vn/basic _01.html)、 ベ トナ ム の 一 般 国 民 と比 較 し た場 合 、 元 患 者 の 社 会 経 済 状 況 は低 い水 準 に あ る 。 Nichollsは ハ ン セ ン病 の 患 者 の 多 くが 経 済 的 な 困 窮 状 態 に あ る とい う事 実 を 踏 ま え 、 「社 会 経 済 的 状 況 的 の 改 善 」 を 目指 した 社 会 経 済 的 リハ ビ リテ ー シ ョン(Social andEconomicRehabilitation,以 下SERと す る)の 概 念 を 掲 げ た2)。 さ ま ざ ま な 国 に お い て ハ ンセ ン病 元 患 者 に 対 す る リハ ビ リテ ー シ ョ ン プ ロ グ ラ ム が 実 践 され て い る が 、 そ の多 くは 病 院 や ハ ンセ ン病 村 な どの施 設 内 で行 わ れ 、 そ の 内容 は 農 業 や 畜 産 、 縫 製 技 術 の 習 得 な どが 中心 とな っ て い る。Nichollsは こ う した 状 況 に つ い て 「元 患 者 た ち は 自 らの 生 存 の た め とい う理 由 で、 施 設 にお け る 完 全 な 依 存 者 と な ら ざ る を 得 な い 」 と し、 農 業 や 畜 産 、 縫 製 技 術 の習 得 とい っ た 施 設 ベ ー ス で 行 わ れ て い る リハ ビ リ テ ー シ ョ ン プ ロ グ ラ ム(施 設 に 根 ざ した リハ ビ リ テ ー シ ョン、Institution-basedRehabilitation,IBR)を 「時 代 遅 れ 」 で あ る と批 判 す る2)。 同 時 に 、 そ う した プ ロ グ ラ ム は 元 患 者 に わ ず か な 社 会 参 加 と収 入 を もた ら し て は い る もの の 、 元 患 者 が以 前 の 生 活 を 取 り戻 し、 自分 の家 族 と と も に過 ごす とい う機 会 ま で は 実 現 して い な い と し て い る2)。 Nichollsの 主 張 は ハ ン セ ン病 元 患 者 が一 般 地 域 社 会 で 生 活 す る とい う こ と を前 提 と して お り、 元 患 者 の 経 済 的 収 入 の 確 保 と社 会 復 帰 、社 会 的 統 合 を 同 時 進 行 さ せ な が ら元 患 者 の 社 会 復 帰 を構 想 し てい る 。 そ の 構 想 で は職 業 訓 練 の 提 供 と小 規 模 な事 業 を 営 む た め の ロー ン提 供 が 想 定 さ れ 、 同時 に 一 般 地 域 社 会 に お け る理 解 と協 力 を 働 き か け て い く活 動 が 提 唱 さ れ て い る。 Devadasも ま た 、 従 来 の ハ ンセ ン病 対 策 に お け る社 会 経 済 的 な 自立 支 援 の 優 先 順 位 の 低 さ に つ い て批 判 し て い る3)。Devadasに よれ ば 、 ハ ン セ ン病 元 患 者 に対 す る 自 立 支 援 の 目 的 は 可 能 な 限 りそ の 社 会 生 活 を 回 復 さ せ る こ とに あ り、 ま た 自立 支 援 は 元 患 者 の 経 済 的 な 自立 を 目 的 と した 生 産 活 動 の 回復 で あ る とさ れ る3)。 こ れ ら の 先 行 研 究 で は 、 ハ ン セ ン 病 元 患 者 の 社 会 経 済 的 な 状 況 の 改 善 を 図 り な が ら、 一 般 の 地 域 社 会 に お い て ハ ン セ ン 病 元 患 者 が 通 常 の 生 活 を 営 め る よ うに 働 き か け る とい う方 向 性 が 示 さ れ て い る 。 ま た 、Nicholls, Withingtonら 、Devadasの 先 行 研 究 に 共 通 し て い る点 は 、 従 来 のハ ンセ ン病 対 策 にお い て 社 会 経 済 的 問 題 が軽 視 さ れ て い る こ とへ の批 判 、 そ して 一般 地 域 社 会 へ の統 合(integration)を 念 頭 に置 い た 自立 支 援 の実 践 とい う 志 向 性 を 持 つ こ と で あ る 。 しか し、 一 般 の 地 域 社 会 にお い て 元 患 者 に対 す る支 援 を提 供 して い く上 で の 困 難 性 も指 摘 され て い る。 た とえ ぼDevadasは ハ ン セ ン病 患 者 に 対 す る 社 会 的 な 受 容 と い う問 題 を 取 り上 げ、 身 体 障 害 や視 覚 障 害 、 聴 覚 障 害 を 脚注1障 害の程度 が軽 く日常 での生活 に支障が ない と診断 された患者 の場合、支援金 支給 の対 象 とはな らず、早期 帰宅が促 されてい る。
持 つ 人 び とが 一 般 地 域 社 会 にお い て 家 族 と生 活 して い て も偏 見 を 持 た れ る こ とは 少 な い の に 対 し、 ハ ンセ ン病 患 者 の 場 合 、 病 気 に伴 う ス テ ィ グ マ が 存 在 す る こ とか ら、 元 患 者 が 一 般 地 域 社 会 に受 け入 れ られ る状 況 を つ く り出 す こ とが 必 要 で あ る と述 べ る3)。 ハ ンセ ン病 に 伴 う ス テ ィ グマ が 解 消 され な い とい う問 題 に つ い て は 、別 の 視 点 か らの 分 析 も あ る 。Withington らは 、 ハ ンセ ン 病 患 者 がMDTに よ っ て 回 復 して も、 ハ ン セ ン病 の治 療 履 歴 を有 す る こ とで 社 会 経 済 的 な 問 題 に 直 面 して い る 回 復 者 が い る と指 摘 し、 現 在 の ハ ンセ ン病 対 策 が 診 断 とMDTの 供 給 に 限 定 して 行 わ れ て い る と い う点 を 批 判 す る1)。 ま たWithingtonら はMDTの 開 発 と普 及 が 劇 的 な 治 療 効 果 を も た ら し、 流 行 を減 少 させ る こ と とな っ た もの の 、 現 在 の ハ ン セ ン病 対 策 に お い て社 会 経 済 的 な 問題 とハ ン セ ン病 に伴 う身 体 障 害 の 問 題 、 ハ ン セ ン病 に対 す る 社 会 的 な ス テ ィ グ マ の 問題 に 対 し て は 十 分 に 対 応 さ れ て い な い と指 摘 し て い る1)。 この 点 につ い てNichollsは 「定 期 的 な 収 入 は ス テ ィ グ マ を 克 服 し うる」 と述 べ て お り、 所 得 向 上 ば か りで な くス テ ィ グ マ 解 消 の た め の手 段 と して社 会 経 済 的 リハ ビ リテ ー シ ョン が 位 置 付 け ら れ て い る2)。 どの よ う に して 元 患 者 の 社 会 経 済 的 な 問題 を 解 消 す る か とい う点 に つ い てWithingtonら は バ ン グ ラ デ シ ュ の ハ ン セ ン病 元 患 者 を 対 象 と し た社 会 経 済 的 リハ ビ リテ ー シ ョ ン につ い て 紹 介 して い る1)。 そ こで は 、 ハ ンセ ン病 元 患 者 に対 し収 入 創 出 の た め の ロ ー ン が 提 供 さ れ て お り、 雑 貨 小 売 店 や 生 鮮 食 料 品 の 販 売 、 脱 穀 な どの 小 規 模 事 業 、 農 業 と農 業 生 産 物 の 加 工 、 養 鶏 な どの 家 畜 繁 殖 、 リキ シ ャな どに よ る運 輸 とい っ た活 動 に対 す る 融 資 が 行 わ れ て い る1)。 ま た元 患 者 へ の 社 会 経 済 的 な支 援 と して 職 業 訓 練 や 教 育 な ど の支 援 も行 わ れ て い る が 、 小 規 模 事 業 の た め の事 業 資 金 融 資 の 利 用 者 が 多 い と報 告 され て い る1)。 Ishidaら は ミ ャ ン マ ー の ハ ンセ ン病 村 在 住 の 若 者 を対 象 に 職 業 訓 練 の ニ ー ズ に つ い て 調 査 を 行 っ た4)。 そ の結 果 、 所 得 創 出 の た め 職 業 訓 練 を受 け る こ とは 、 家 族 が貧 困 の 連 鎖 か ら抜 け 出 し、 仕 事 を 得 るた め の最 適 な 方 法 で あ る と若 者 た ち は認 識 し て い た4)。 ま た 職 業 訓 練 は 自信 の 回 復 や 能 力 開 発 とい っ た 側 面 ば か りで な く、 経 済 的 な 安 定 を 構 築 す る も の で あ る と若 者 た ち か ら受 け 止 め られ て い る 。 そ の 一 方 、 「た だ の 従 業 員 に な りた い 」 とい う よ う に 自分 で 仕 事 を 手 が け る 際 の 投 資 を 敬 遠 す る 傾 向 や 、 ハ ン セ ン病 村 か ら来 た と言 わ れ て嫌 な 思 い を した く な い とい う こ と か ら村 の 中 で就 労 で き る 場 所 が ほ しい と い うニ ー ズ も報 告 され て い る4)。 そ の 他 、 ハ ンセ ン 病 村 の 若 者 た ち は 自分 に と っ て何 が 適 した仕 事 で あ る か 見 出 せ な い 状 態 に あ り、 また 自 己肯 定 感 も低 い との 報 告 が な さ れ て い る4)。 これ らSERの 理 念 と し て示 さ れ て い る 一 般 地 域 社 会 で の 生 活 実 現 に 向 け て 元 患 者 を 支 援 す る とい う方 向 性 は 正 しい と考 え られ る が 、 現 実 に 目 を 向 け れ ば 先 行 研 究 で 指 摘 さ れ て い る よ うな 様 々 な 困 難 が 存 在 す る 。 ま た Ishidaら の研 究 にみ られ る よ うに 、 施 設 内 で の 就 労 を 希 望 す る意 見 も存 在 す る 。 ハ ン セ ン病 元 患 者 が 社 会 と関 わ る上 で どの よ う な対 策 ・支 援 が 必 要 で あ る か とい う点 に つ い て様 々 な 課 題 が 残 され て い る が 、 そ の 解 消 につ い て は 各 国 で試 行 錯 誤 が 繰 り返 さ れ て い る。
病院Xの 自立支援 プログラムの概要
本研究 が対象 とするベ トナムのハ ンセ ン病専 門治 療施 設(以 下病 院Xと す る2)で は、1990年 代 か ら自立 支 援 プログラムが導入 されて いる。そ の背景 として、病 院 Xで はハ ンセ ン病 の 治療 が 終 了 して も社会 復 帰 が進 ま ず、 また政 府か らの支援金以外 に収入 がない こ とか ら社 会 経済 的に困窮状態 にあ る元患者 の 問題 が存在 していた た めで あ る。 病 院Xで は カ トリックの シス ター た ちが 元患者 の 自立支援 として縫製技 術な どを教 えて きた もの の得 られ る収入 が少 な く、患者 の社会経済 状況 の改 善に まで は至 らなか った。その ため所得創 出のた めの 自立 支 援 プログラムが導入 され る こととな った。 病 院Xの 自立 支援 プロ グラ ムは元 患者 の経 済 状況 の 改 善 を 目的 と して行 われ て い る が、Nichollsの述 べ る SERの よ うな一般社会 での生活 を念頭 に置 い たものでは な い。病 院Xの 自立 支援 プロ グ ラム の場合 、ハ ンセ ン 病村 での生活を継 続 したい とい う元患者 の要望 が多い こ とか ら、一般社会 への復帰 を志向す るので はな く、ハ ン セ ン病村 を生活 の基 盤 としなが らハ ンセ ン病村 内部 で就 労 し、現 金収入 を増や したい とい う元患 者のニ ーズを反 映 してい る。 そ の意 味 にお い て病 院Xの 自立支 援 プ ロ グラムは施設 に根 ざ した リハ ビリテーシ ョン と位 置付 け られ る。 プ ログ ラムの運 営 であ るが、病 院Xで は海外 のNGO か ら資金提供 を受 けて行 ってい る3。病 院Xで は元 患者 脚注2本 研 究 は対 象 者 の 方 に 匿 名 を 条 件 に調 査 協 力 を 依 頼 し た が、 プ ラ イ バ シ ー の 露 見 を 危 惧 す る 対 象 者 へ の配 慮 と して 、病 院 名 を 匿 名 化 し て表 記 し て い る 。 脚注3病 院Xの 自立 支 援 プ ロ グ ラ ム に は オ ー ス トラ リア のNGOで あ るAustrahanVeteransVietnmReconstructionGroup(AVVRG) が 資 金 援 助 を 行 っ て い る 。表1プ ログ ラム の種 類 と融 資金 額 種類 融資ざれる額 返済開始の時期 農 業1,000,000VND 養 鶏1、500,000VND 養 豚10,000,000VND 肉 牛 肥 育12,000,000VND (約50ド ル) (約75ド ル) (約500ド ル) (約600ド ル) 融 資か ら6か 月 後 融 資か ら6か 月 後 融資 か ら1年 後 融資 か ら1年 半 後 に 対 し て 自立 支 援 プ ロ グ ラ ム へ の 参 加 を 呼 び か け て お り、 病 院 内 の シ ス ター が プ ロ グ ラ ム参 加 を 検 討 して い る 元 患 者 に対 し、 プ ロ グ ラ ム の 概 要 説 明 や 相 談 を 受 け 付 け て い る。 ま た シ ス ター た ち は 、 プ ロ グ ラム を利 用 して 事 業 を 始 め た参 加 者 へ の ア ドバ イ スや 相 談 な ども 随 時 行 っ て い る 。 プ ロ グ ラ ム は 農 業 、 養 鶏 、 養 豚 、 肉 牛 肥 育 の事 業 が 用 意 さ れ 、 参 加 希 望 者 は こ の 中 か ら 自 由 に 選 択 して事 業 を 行 う。 な お 、農 業 に は野 菜 や 果 物 の 栽 培 の他 に 、耐 塩 ユ ー カ リな ど樹 木 栽 培 が 含 まれ て い るが 、 農 業 生 産 物 は 販 売 単 価 が低 い た め 、 副 業 や 自家 消 費 の た め に 行 わ れ て い る ケ ー ス が 多 い 。 融 資 さ れ る金 額 は 表1の 通 りで あ る。 農 業 と 養 鶏 は 融 資 を 受 け た 日か ら6か 月 後 に 返 済 が 開 始 さ れ 、 養 豚 は1年 後 、 肉牛 肥 育 は1年 半 後 か らの 返 済 開 始 とな る。 融 資 を 受 け た プ ロ グ ラ ム 参 加 者 は 、 月 単 位 で 分 割 さ れ た 金 額 を 返 済 す る。 プ ロ グ ラ ム 参 加 者 は 最 初 の融 資 で 種 鶏 、 種 豚 、 種 牛 を 購 入 す る他 、 飼 料 な ど も購 入 す る。 個 体 が 繁 殖 し、生 ま れ た 仔 が あ る程 度 大 き くな る と市 場 に 出荷 す る。 豚 を 例 に と る と、 豚 は1年 間 に2.5回 出 産 す る。 子 豚 の 体 重 は1kg前 後 で 、2か 月 後 に は 体 重 が 約20kg程 度 に 成 長 す る。 個 体 の 大 き さ に も よ る が 、 市 場 で は 一 頭 あ た り 90万 ドン(約45ド ル)か ら100万 ドン(約50ド ル) で 販 売 で き る。 豚 の 妊 娠 周 期 は 約114日(約4か 月 弱)で 、 出 産 後 か ら 約1か 月 の 期 間 を お い て か ら再 び 妊 娠 さ せ る。 損 益 分 岐 点 と な る 出 産 数 は 子 豚6匹 で、 豚 が 一 回 に つ き 子 豚 を6匹 以 上 出産 す る と利 益 が 出 る が 、6匹 を 下 回 る 場 合 は 損 益 とな る。 病 院Xの 自立 支 援 プ ロ グ ラ ム は 以 前 、 グ ル ー プ 単 位 で事 業 お よ び 事 業 資 金 返 済 を 行 うマ イ ク ロ ク レジ ッ ト方 式 が 採 られ て い た 。 しか し、2000年 代 か ら養 鶏 以 外 は 個 人 単 位 の事 業 に 切 り替 え られ た。 そ の 理 由 と して 、 養 豚 や 肉 牛 肥 育 で 成 功 した 元 患 者 た ち が グル ー プ 生 産 制 の 共 同 責 任 を 敬 遠 し、 グル ー プ を 抜 け て 独 自 に事 業 を 拡 大 した い とい う要 望 が 寄 せ ら れ た た め で あ る。 現 在 で は 、 養 鶏 の み が グ ル ー プ単 位 で 事 業 お よ び 事 業 資 金 返 済 を 行 う こ と とな って い る 。 本 研 究 を 実 施 し た 時 点 で 、 病 院X内 の ハ ン セ ン 病 村 在 住157世 帯 の う ち130世 帯 が こ の 自立 支 援 プ ロ グ ラ ム に 参 加 して い る。
調査の経緯 と本研究の目的
筆者 は病 院Xお よ び付設 の ハ ンセ ン病 村(X村)に おいて2003年 よ り外部調査 者 として入院患者 お よび元 患 者 を対象 とした調査 を行 って きた が、病 院Xの 施設 管理者 に調査結果 の報告 を行 った際、病院 内のハ ンセ ン 病村 に滞在す る元 患者 の経 済状態改善 につい ての意見を 求 め られ た。病 院Xと して は、 さまざ ま な形 で元患 者 の生活 支援 ・自立 支援 に取 り組ん できた もの の、その効 果 について評価 が必要 とい う認識 に達 してい た。 そ の際 に施設 管 理者 か らの要 請 を受 け、 病 院Xで 元 患者 を対 象 に行 われてい る 自立支援 プロ グラムが どの よ うな効果 を もた らし、 また課 題を抱 えてい るのか とい う 点 について調査 を行 うこ ととな った。 した が って本 研究 で は、以下 の研究 課題 を設 定す る。 まず病 院Xで 行 わ れ てい る 自立 支援 プロ グラ ムを参 加 者お よび元患者 の視点か ら評 価す る ことでそ の効果 と課 題を 明 らか に し、社 会参加へ のニー ズを把 握す る。 そ し て、 その結 果か らハ ンセ ン病 元患者 の社会 経済状況 の改 善 に今後 どの よ うな対策 が必 要 とな るか とい う点 につい て明 らかに したい 。研究方法
1.対 象 者 とイ ン タ ビ ュー 方 法 本 研 究 は、 現 在 病 院Xの 自 立 支 援 プ ロ グ ラ ム に 参 加 して い る 、 あ る い は 参 加 経 験 の あ る 元 患 者 、 そ して 参 加 を 検 討 し て い る 元 患 者 を 対 象 と し た 。 調 査 は イ ン タ ビ ュ ー ガ イ ドを 用 意 し、 フ ォ ー カ ス グ ル ー プ イ ン タ ビ ュー 法 に よ って 調 査 を 行 っ た 。 フ ォー カ ス グル ー プ イ ン タ ビ ュ ー と は、 特 定 の テ ー マ を 設 定 し集 団 で デ ィ ス カ ッ シ ョン を行 い 、 そ の 内 容 を デ ー タ と して 収 集 す る イ ン タ ビ ュー 方 法 で あ る5)。 イ ン タ ビ ュ ー へ の協 力 要 請 お表2イ ン タ ビュー ガ イ ド プログラム参加者への質問 1自 立 支 援 プロ グラム を利 用 しよ う と思 ったき っか け は何 で すか 。 2事 業 が軌 道 に乗 る まで大 変 だ った ことは何 で すか。 3事 業 を 行 う上で 困 って いる こ とは何 です か。 4自 立 支援 プロ グラム のメ リッ トは何 だ と思 い ます か。 5自 立 支援 プロ グラム を利 用 して 自分 の生活 が変 わ った こ とは何 です か。 6プ ログ ラム の事業 以 外 に手 が けて みた い こ とは何 です か。 7プ ログ ラムへ の要 望 ・改善 点 があ った ら教 えて 下 ざい。 若年 グルー プへ の質 問 1現 在 どん な仕 事 を してい ます か。 2こ れ か らどん な こ とを勉強 してみ たい です か。 3将 来 どん な仕 事 を してみ たい です か。 4ど ん な職 業能 力 開発 プ ログラ ムが あ った ら参 加 して みた いで すか 。 5病 院 の 自立支 援 プ ログラム に参 加 してみ た い と思 い ます か。 6自 立 支援 プ ログ ラムの メ リッ トは何 だ と思 い ますか 。 7自 立 支援 プ ログ ラム に対す る要 望 があ った ら教 えて くだ ざい 。 よ び グル ー プ 編 成 は 病 院Xの シ ス タ ー を 通 じて 依 頼 し た 。 グル ー プ 編 成 は 現 在 の 自立 支 援 プ ロ グ ラ ム へ の 参 加 状 況 を 基 準 と し、 現 在 プ ロ グ ラム に参 加 し て い る 元 患 者 を 抽 出 し た(プ ロ グ ラ ム 参 加 者 グル ー プ)。 この グ ル ー プ を 男 性 グ ル ー プ と女 性 グル ー プ に 分 け 、 そ れ ぞ れ グ ル ー プ単 位 で イ ン タ ビ ュー を 行 っ た。 ま た 、 自立 支 援 プ ロ グ ラ ム に 関 心 を 持 って い る が 未 参 加 の 元 患 者 、 過 去 に プ ロ グ ラ ム に 参 加 経 験 の あ る 元 患 者 は 比 較 的 年 齢 層 が 若 い こ と か ら これ を 若 年 グル ー プ と した 。 若 年 グ ル ー プ に は40歳 代 前 半 の 対 象 者(女 性2名)が 含 ま れ て い る が 、 この 女 性2名 は 過 去 に プ ロ グ ラ ム の 参 加 経 験 が な い こ と、 中 高 年 齢 層 の 参 加 が 多 い 自立 支 援 プ ロ グ ラ ム参 加 者 グ ル ー プ と比 較 し た 場 合 、40歳 代 前 半 は 若 年 グ ル ー プ と して 扱 っ て よい の で は な い か とい うシ ス ター の判 断 を 尊 重 し、 若 年 グル ー プ と し て イ ン タ ビ ュ ー を 行 っ た 。 そ の た め、 本 研 究 で は プ ロ グ ラ ム 参 加 者 グ ル ー プ(男 性 ・ 女 性)と 若 年 グル ー プ の 合 計3グ ル ー プ に イ ン タ ビ ュー を行 っ て い る 。 イ ン タ ビ ュ ー は2014年8月 の3日 間 を か け て 病 院 Xの 集 会 室 で行 っ た 。 ベ トナ ム人 コー デ ィ ネ ー ター に 司 会 を 依 頼 し、 イ ン タ ビ ュ ー ガ イ ドに 沿 っ て 質 問 を 行 っ た(表2)。 質 問 か ら 別 の 話 題 が 派 生 して い っ た 場 合 に は 、 そ の 話 題 の 流 れ を遮 らず 、参 加 者 の 自発 的 な発 言 を 引 き 出 せ る よ う配 慮 した 。 ま た発 言 が 控 え め な 参 加 者 に 対 して は 、質 問 な どを通 じ て発 言 の 機 会 を 多 く取 る よ う に し、 参 加 者 全 体 の意 見 が 反 映 さ れ る よ うに 努 め た 。 イ ン タ ビ ュ ー 時 間 は 平 均 して 約1時 間15分 で あ る。 参 加 者 た ち か らは 、 ふ だ ん は こ の よ う に集 ま って 話 す こ とが な く、他 の人 の 話 が 聞 け て よか っ た とい う感 想 を 頂 い た 。 プ ロ グ ラ ム へ 参 加 を 希 望 す る 元 患 者 に 対 し て は病 院 の シ ス ター が 個 別 に プ ロ グ ラ ム の 概 要 に つ い て 説 明 し、 事 業 開 始 後 の フ ォ ロー も個 別 に行 わ れ て い る 。 そ の た め 手 が け て い る 事 業 につ い て 元 患 者 同 士 が お 互 い に意 見 交 換 や 情 報 交 換 を す る とい う機 会 が な い との こ と で あ っ た 。 得 ら れ た デ ー タ に つ い て は ベ トナ ム 語 お よ び 日本 語 の 逐 語 録 を 作 成 し、2015年8月 に患 者 自治 会 を 通 じて 参 加 者 にベ トナ ム 語 逐 語 録 に 目を 通 して も ら っ た。 日本 語 逐 語 録 はQSRInternationa1社 の 定 性 デ ー タ 分 析 ソ フ ト NVIVO10forWindowsを 用 い て コ ー ド化 した 。NVIVO は 質 的 研 究 ・定 性 調 査 の デ ー タ 分 析 に 特 化 し た ソ フ ト ウ ェ ア で あ り、 イ ン タ ビ ュー に お け る発 言 の 分 類 や キ ー ワ ー ドの抽 出 な ど、 そ の 機 能 を 生 か した イ ン タ ビ ュ ー 結 果 の 構 造 分 析 が 可 能 で あ る。 2.倫 理 的配 慮 本研究 はホーチ ミ ン市保健局 に調査 の申請を行 い、調 査 ライセ ンスを取得 した上 で行 った。研 究計画書 お よび 質 問項 目は病院Xお よび病 院Xの 患者 自治会 に提 出 し、 内容 につ いての承認 を得 た。 また研究計 画 につい ては大 阪大学 グローバル人 間学研究科 倫理委 員会の承認 を得た 上 で調査 を行 った。 調 査対象者 に対 しては強制 を伴わ ない 自由意志 を原 則 とした ものであ り、 イ ンタビ ューデー タの匿名化 および デー タ公 表 に伴 う不 利 益 は一切 生 じない とい う説 明を 行 った上 でイ ンタビ ュー協力 を依頼 した。
表3各 グル ー プの 人数 と平均 年 齢 参加人数 平均 年齢(SD) プ ログ ラム参 加者 男性 グル ー プ グル ー プ 女性 グル ー プ 9名 8名 594(±11.770) 61.5(±13.575) 若年 グル ー プ 8名 32.9(±6578) 表4参 加 してい る事 業 事業名 性別 参加者数 養鶏 男性 女性 5 6 養豚 男性 女性 1 2 肉牛肥育 男性 女性 3 0 兼業しているケースを含む
結 果
1.対 象 者 の 属 性 プ ロ グ ラ ム参 加 者 グル ー プ か ら は男 性 グ ル ー プ9名 、 女 性 グ ル ー プ8名 、 若 年 グ ル ー プ8名(男 性1名 、 女 性7名)の25名 か らデ ー タ が 得 られ た 。 若 年 グル ー プ に は 治 療 が 終 了 した 元 復 者 と治 療 中 の 患 者 が 含 ま れ る。 参 加 者 の 平 均 年 齢 は 男 性 グ ル ー プ で59.4歳(SD=± 11.770)、 女 性 グ ル ー プ で61.5歳(SD=±13.575)、 若 年 グル ー プ32.9歳(SD= ±6.578,男 性1名 、女 性7 名)で あ る(表3)。 2.プ ロ グ ラ ム 参 加 者 の 状 況 男 性 ・女 性 グル ー プ に お け る 自立 支 援 プ ロ グ ラ ム 参 加 状 況 は表4の 通 りで あ る。 3.抽 出 ざ れ た カ テ ゴ リー 自立 支 援 プ ロ グ ラム 参 加 者 グル ー プ へ の イ ン タ ビ ュー を 分 析 した 結 果 、7つ の カ テ ゴ リー と18の カ テ ゴ リー が 抽 出 さ れ 、 若 年 グル ー プ へ の イ ン タ ビ ュ ー で は7つ の カ テ ゴ リー と16の サ ブ カ テ ゴ リー が抽 出 さ れ た 。 カ テ ゴ リー お よ び サ ブ カ テ ゴ リー の 詳 細 に つ い て は 表5、 6の 通 りで あ る 。 4.プ ログラム参加者 グルー プの結果 1)プ ログラム に参加 した きっかけ プ ログラム参加 の動 機 として、生活費 の不足や子 ども の教育費捻 出な どの《経済 的な事情 》が挙げ られ た。「生 活 費 の不足 」 を挙 げた女 性(72歳)は 、 国か らの支 援 金 と食糧 支給の みで生活 してい た。 この女性 は一週 間 に 1回 病 院外の市場 に買 い物 に出かけ ていたが、物価 の上 昇 に伴い、10日 に1回 に買 い物 の回数 を減 らし、生 活 必需 品 の購 入 も極 力見送 ってい た。 「子 どもの教育 費捻 出」 を理 由 に挙 げた男 性(61歳)は 、子 どもを病 院 内 の学校 ではな く、で きれ ば病院外 の学 校 に入学 させたい と考 えてい た。病 院 内の学 校で あればほ とん ど費 用が か か らな い とい う メ リ ッ トが あ っ た もの の 、 子 ども に は 一 般 社 会 との 関 係 を形 成 し て ほ しい と考 え 、 あ え て病 院 外 の 学 校 へ 入 学 させ て い る。 プ ロ グ ラ ム参 加 の 動 機 を 「経 済 的 理 由」 と した 男 性(74歳)は 、 以 前 自己 資 金 で 養 鶏 を 行 っ て い た が 、 鳥 イ ン フ ル エ ンザ の 影 響 で鶏 が 死 ん で しま い 、 初 期 投 資 の 費 用 を 回 収 で き ず 、 経 済 的 に 困 窮 して い た とい う。 ま た 《病 院 か らの 勧 め ・紹 介 》 に よ っ て 参 加 した とい う回 答 は、 生 活 困 窮 状 態 に あ る元 患 者 に 対 して病 院 の シ ス ター が プ ロ グ ラ ムへ の 参 加 を勧 め て い る こ とに よ る。 そ の 他 、 既 に 自己 資 金 で 養 鶏 な どを 手 が け て い た元 患 者 もお り、 融 資 を 受 け て 規 模 を 広 げ た い とい う理 由 や 、 や る こ とが な く何 か を 始 め た い とい う動 機 に よ る参 加 も み られ た 。 2)事 業 を 始 め て か ら の 困 難 事 業 開始 後 、 参 加 者 た ち は さ ま ざ ま な 困難 に遭 遇 す る が 、 事 業 を 行 う上 で の リス ク要 因 と して 《 飼 料 代 の 不 足 ・高 騰 》 、 《 病 気 の流 行 》、 《 買 い 手 か らの 値 引 き の 要 求 》 が 語 られ て い る 。 プ ロ グ ラ ム で 貸 与 さ れ る事 業 資 金 に は豚 や 鶏 へ の飼 料 代 が 含 ま れ て い る が 、 個 体 が成 長 し、 ま た そ の数 も増 え て くる と、 融 資 さ れ た 資 金 だ け で は不 足 が 生 じて くる 。 そ の た め プ ロ グ ラ ム 参 加 者 は個 別 に飼 料 を 購 入 しな け れ ば な らな い が 、 飼 料 代 の 高 騰 や 価 格 の変 動 な どに よ っ て 捻 出 が 困 難 に な っ て い る。 ま た 、 飼 料 代 の 不 足 が 事 業 を 不 安 定 に さ せ て い る 状 況 に つ い て 「エ サ 代 を稼 ぐた め に 草 む し りの 仕 事 に 出 た り して 、 や っ とエ サ 代 を 工 面 し た (男 性 養 鶏74歳)」 とい っ た 語 りが み られ た 。 ま た 鳥 イ ン フ ル エ ンザ や 豚 青 耳 病 な どの 流 行 に よ っ て 個 体 が 死 亡 して し ま い 、 借 りた 事 業 資 金 の 返 済 だ け が 残 っ て し ま っ て い る事 例 もみ られ た 。 そ う した 苦 難 を 乗 り越 え、 大 き く成 長 した個 体 を 売 りに 出 して も、 買 い手 か らは 値 引 き を 要 求 さ れ る とい う事 態 に多 くの 参 加 者 が 直 面 し て い る 。 買 い 手 は 「ハ ン セ ン 病 元 患 者 が 育 て た 家 畜 」 で あ る こ とや 、 「ハ ン セ ン 病 の病 院 内 で育 て た 家 畜 」 で あ る こ とな どの理 由 に値 引 き を 要 求 す る。 イ ン タ ビ ュー で は 、値 引 き に応 じれ ば利 益 は下 が っ て し ま う も表5プ ログ ラム参 加 グル ー プ カテ ゴ リー表(1) 【カ テ ゴ リー 】 《サ ブカ テゴ リー》 性別 コー ド例 、参 加 してい る プログ ラム の種 別(/以 下 は兼業 してい る仕 事) 【プ ログラ ムに参 加 した き っか け】 《経済的な事情》 女性 ・病院 か ら 「養鶏 の プ ロ グラム が あ るが、 参 加 して みな い か」 とい う誘 いが あ った。 当時生 活 す るお金 に 困 っ て いたの で、 参加 してみ た(養 鶏72歳) 男性 ・2004年 か ら子 どもが 学校 に通 うよ うにな って お金 が必 要 にな り、牛 の肥 育 を始 めた(肉 牛肥 育61歳) ・以 前 、 自己 資金 で 養鶏 を手 が け てい た が、 鳥イ ン フル エ ンザ の影 響 で鶏 が 全部 死ん で しま った。 プ ロ グラム があ る こ とは知 って いた が、 借 りた お金 が返 済 で き るか ど うか分 か らな い の で、 あえ て参 加 しな か った。 経 済 的 に困 って いた こと と、 他 の人 が プロ グラム を利 用 して成 功 して い るのを みて 参加 しよ うと思 った(養 鶏/ 養 鴨74歳) 《病 院 か らの勧 め ・紹 介 》女性 ・3年前 に この プ ログラム につ い て病 院の シス ター か ら紹介 しても ら って参 加 した。最初1,000万 ドン(約500 ドル)借 りて養 豚 を始 め、1年 か け て返済 した(養 豚61歳) 男性 ・最 初 は病 院の シス ター の勧 めで プ ログ ラム を利用 した。病 院 か らお金 を借 りて養豚 を 始め た(養 豚54歳) ・病 院 か らプ ログ ラムを 利用 して みな い か と誘 われ た ので参 加 してみ る ことに した(養 鶏62歳) ・外 国 の団体 が支 援 して くれ る とい うの で牛 の肥育 を始 め た(肉 牛 肥育68歳) 《自己資金で始めた事業 女性 ・初 め は 自己資 金 を使 って 自宅 で養 鶏 をや ってい た。 も う少 し鶏 の数 を増 や した い と考 えて い たの で、 このプ を拡 大 したい 》 ログ ラム を利用 して養 鶏の 規模 を大 き くしたい と思 って参 加 した(養 鶏53歳) ・自己資 金 でア ヒル の繁 殖を や って いた が、養 鶏 もや って みた くて 参加 してみ た(養 鶏/養 鴨62歳) 男性 ・2011年 に 自己資 金で 養鶏 を始 め たが 、鳥 イ ンフ ルエ ンザ で鶏 が ほ とん ど死ん で しまい、数羽 しか残らなかっ た。 その 時 は100羽 以 上数 を増 や したが 、9割 が 死 んで しま った。 も う少 し数 を増 や した い と思 っ て病 院の プ ログラ ムを利 用 する よ うにな った(養 鶏/建 設 労働46歳) 《や る ことが なか っ た/ 女性 ・ず っ と住ん で いたTB村(注:ハ ン セン病 村 の名 称)が 閉 鎖 にな って、病院Xに 移って来たばか り。何か始め 何 か を始 めた い》 た い と思 って参 加 してみ た(養 鶏72歳) ・や る ことが なか ったの で養鶏 を始 め た(養 鶏53歳) 【事業 を始 め てか らの 困難 】 《飼料 代 の不 足 ・高騰 》 女性 ・実 際 に養鶏 を始 め てみ る と鶏 の エサ代 が思 った以 上 に高 いの で困 って い る(養 鶏53歳) ・エ サ代 が高 騰 して いる こ と(養 鶏53歳) ・最 近は 物価 が上 が って エサ代 を捻 出 する のに 大変 苦労 して い る(養 鶏72歳) ・鶏 の エサ代 が 高 くて 、エサを購入するお金を工面するのに とても苦労 した。今でも同 じ悩みがあって、不安 で い っぱい(養 鶏/養 鴨62歳) 男性 ・自分 は養 豚 をや って い るけれ ど、エサ の値段 の 問題 が あ ってね。 時期 によ ってエ サの 値段 が変 わ って くる(養 豚54歳) ・乾 季 にな る と草 が生 え な くな って くるか ら、 藁 を買 わ な くて はな らない 。 だけ ど、 藁 を買 うお金 がな い。 元 手 のお 金は あ るけれ ど、 藁 を買 って しまった らそ のお 金が な くな って しまう(肉 牛 肥育58歳) ・病 院 か らお金 を借 りて養 鶏 を始 め たん だ けれ ど、 エ サ を飼 うお 金 が足 りな くな った 。エ サ代 を 稼 ぐた め に草 む しりの仕事 に 出た り して、 や っ とエサ代 を工 面 した(養 鶏74歳) 《病気 の流 行》 女性 ・7,8月 、11,12月 は気候 が変 化 しや す く、 豚 の病 気が 流行 る時 期 なの で病気 が心 配(養 豚61歳) ・養鶏 を始 め てみ る と、みていたのとは違って結構大変な仕事だった。労力も使うし、鳥インフルエンザが流行 っ た こ ともあ って鶏 の 健康 管理 も大 変(養 鶏72歳) 男性 ・養鶏 で 一番 困 ってい る のは、 鳥 イ ン フル エ ンザの 流 行。 鶏 が大 き くな る のを 待 って いた ら、 今度 は鳥 イ ンフ ル エ ンザが流 行 して 鶏が 全部 死ん で しま った(養 鶏/建 設 労働46歳) ・養鶏 を 始 めた が、 鳥 イ ンフル エ ンザ で みん な死 ん で しま った。 それ で も病 院 か ら借 りた 資金 を 返済 しな くて は な らない か ら、外 へ稼 ぎ に行 って いる(養 鶏/工 場 労働39歳) 《値引 き を要求 され る》 女性 ・最初 は なか なか 鶏 が売 れな くて 困 った。 売 ろ うと思 っても 買い 手か ら値 引 きを要 求 ざれ て しま う。 「この病 院 の 中に は(ハ ン セ ン病 の)患 者 た ちが いて 、そ うい う患者 が育 て てい るん だろ う、だ か らも っと値 引き して くれ」 と言 わ れて しまう(養 鶏72歳) ・売 る時 にな る と相手 か ら値 段 を買 い叩 かれ て しま う(養 鶏/養 鴨62歳) ・売 る時 に値 引き を要 求 されて しま うのに 困 ってい る(養 豚61歳) ・自分 も他 の人 と同 じかな 。 「安 くして くれ、 安 く しない と売 れな いだ ろ う」 と言わ れ て しま う(養 鶏72歳) ・値 引き を要 求 ざれ て しま うか ら高 い値 段 で売 れ な くて、最近はあまり利益が出ない。いろいろ不安に感 じて い る(養 鶏72歳) ・売 る時 に値 引き を要 求 ざれて 利益 が少 な くな って いる のが 悩み(養 鶏53歳)
表5プ ログ ラム参 加 グル ー プ カ テゴ リー表(2) 【カ テ ゴ リー 】 《サ ブカ テ ゴ リー》 性別 コー ド例 、参 加 して い るプ ログ ラム の種別(/以 下 は兼 業 してい る仕事) 男性 ・困 って い るの は売値 の問 題 だね。大きくなった豚を売ろうとすると買い叩かれて しまう。最初はこっちの売 値 を聞 いて くるん だ け ど、 あ れ これ 理 由を つ け られて値 段 を 下 げ られ て しま う。 買 い手 の 方 は 「あん た たち はハ ン セ ン病 の患 者 だろ う?こ こで売 れ なか った ら、 も っ と遠 い と ころ まで 出か けて い って 売 る しか ない よ」 と言 って くるか ら、 値段 を 下 げざ るを得 な い(一 同 うなず く)。買い 手の 方 はみ んな ここ(病 院X)で 育 てて い る豚 だ と知 って い る。 苦労 して育 て て も値段 を 下 げな くて はな らな いか ら、 利益 が 出な くな って しま う(養 豚54歳) ・育て た牛 を売 る時 にな って相手 か ら買 い叩 かれ て しま うこ と(肉 牛肥 育68歳) ・一番 困 った のは、相手から 「(元患者たちが)こ ういう病気(ハ ンセン病)だ から安 くしろ」 って言われるこ と。 鶏 がち ゃん と健 康 に育 って いる か って い う ことも 気 にな るん だ けれ ど、 ち ゃん と した値 段 で売 れ る か ど うか いつ も心 配 して いる。 買 い叩 かれ て しま うと、利 益 が出 ない か らね(養 鶏62歳) ・苦労 して鶏 を育 て て も、売る時になると値段を下げうと言われて しまう。でも、そうや ってでも売 って行か ない と、 今度 は売 る場 所が な くな って しま う(養 鶏74歳) ・買い 手 の方 は 「鳥 イ ンフル エ ンザ が流 行 ってい る ら しいね 。今 売 らな い と も っと売 れな くな るよ」 とい って 値 引 き を迫 って くる。 それ 以 外 にも 「まだ鶏 の 大 きざ が足 りない か らも う少 し安 く して ほ しい」 な ど と言 わ れる(養 鶏/建 設 労働46歳) 《思 うよ うに利 益 が 女性 ・借 りたお金 の返 済 は6か 月 後 か ら始 まるけ れ ど、まだ鶏は十分に成長 していないか ら安い値段で しか売れない。 出 ない》 鶏 を 育て てい る間 はエ サ代 もか か るか ら、 なか なか利 益 が出 な くて今 も困 って い る(養 鶏72歳) ・利 益 が出 ず、お金が足 りな くな って とても心配 した(養 鶏/養 鴨62歳) ・数 年 前 まで は ある程 度 利益 が 出 てい た けれ ど、 最近 は豚 を 育 てて い ても なか な か売 れ ない し、 利益 も出 な く な った。 こ こ数 年 間で 物価 が とて も上 が った し、 豚 の病気 が流 行 した影 響 もあ る(養 豚49歳) ・時 々損 を出 して しま って、落ち込んだ り、もう辞めたいと思うことがある。生き物を相手にする仕事は心配 事が 絶 えな い し、性 格 的 に こ うい う仕 事 は 自分 に合 って いな いの で はな い か と思 う時 があ る。 で も旦 那 ざん がい つも 励 ま して くれ て いる ので、 続 けて いる(養 豚49歳) 男性 ・元手 にな る牛 を買 うとき は700∼800万 ドン(約350∼400ド ル)く ら いの お金 がか かる。 そ うや って 始め て も、生 まれ た仔 牛 は一 頭 あた り300万 ドン(約150ド ル)く らい で しか売 れ ない。 場 合 によ って は200数 十万 ドン位 まで下 げな い と売れ な い時 もあ る。売 値 が安定 しない し、利益 が少 な くな って い る(肉牛肥 育61歳) ・今困 って い るの は、牛が思 うように売れないこと(肉 牛肥育58歳) ・養 豚 を行 って い るが、最近はあま り利益が出ていない(養 豚54歳) 【事 業の状 況 】 《成功 例》 男性 ・最初 の5年 間で 牛が5頭 に増 え、今までの8年 間で11頭 に増えた(肉 牛肥育68歳) ・繁殖 した 牛が 売れ た ので、借 りた事業資金を返済することができた(肉 牛肥育61歳) ・今 まで牛 が3頭 に増 えた(肉 牛肥 育58歳) 《失敗 例》 女性 ・自立 支援 プ ロ グラム を利 用 し、1997年 から養豚を行 っていた。 しか し、病気で豚が死んで しまったため、養 豚 を辞め た。 現在 は養 鶏 をや って い る(主 婦/養 鶏41歳) 男性 ・過去2年 間 に2回 事 業資 金 を借 りたが 、2回 とも失敗 して しまった。借 りた金額は一回につき400∼500万 ドン(約18,400円 ∼23,000円)。 鳥 イ ン フル エ ンザの 影 響で 売 る 時期 を逃 して しま い、 利 益が 出 なか った。 借 りた 事業 資金 の返 済の た め、 今 は病 院の 外 の工 場で 木材 加 工 の仕 事 を して いる。 しか し自分 は病 気の 影響 で あま り重 い仕事 が でき ない(養 鶏/工 場 労働39歳) ・自分 は プ ログラ ムを利 用 した けれ ど、養鶏が失敗 して しまい、結果的に借金となったので落ち込んで しまった。 で も この プ ログ ラム のメ リッ トも よ く分 か って いる ので、 も しまた借 りる こ とが でき た ら またや ってみ た い と思 ってい る(養 鶏/建 設 労 働46歳) 【自立 支援 プ ログ ラム に対 する評 価】 《プロ グラム の 女性 ・一番 の メ リッ トは金利 を 取 られ な い こと。他で借 りると金利が高 いからお金を借 りる ことができない(養 鶏 メ リ ッ ト》 72歳) ・他 で借 りる の と違 って金利 を支 払 わな くて よ い こと(養 鶏53歳) ・他 の人 と同 じ。金利を取られない ことが一番のメ リッ トだと思っている(養 鶏/養 鴨62歳) ・自分 た ち(ハ ンセ ン病元 患者)の よ うな 貧 しい人 に もお金 を貸 して くれ る こ と。国から一人あたり24万 ドン 支給 され てい る けれ ど、 暮 ら して い くの には 十分 で ない し、 みん な お金 が な い。 も う少 し支給 の 額 を増 や し て くれれ ば 自分 でも何 か でき る と思 う(養 鶏72歳) ・貧 しい人 た ちに対 す る支援 と して は とて もよ い と思 う。 自分 も含 め て、ハンセン病の患者はみな経済的に困っ て いる けれ ど、銀 行 は信 用が な い とお金 を貸 して くれ ない(養 豚61歳) 男性 ・お金 を借 りる ときに 金利 がつ かな い こ とだね(養 豚54歳) ・金利 が無 い って い う ことが一 番の メ リッ トか な(肉 牛肥 育61歳) ・金利 を払 う必 要 がな い ことだ ね(肉 牛 肥育58歳)
表5 プ ログラ ム参 加 グル ー プカ テ ゴ リー表(3) 【カ テ ゴ リ ー 】 《サブ カテ ゴ リー》 性別 コー ド例 、参 加 して いる プ ログラ ムの種 別(/以 下 は兼 業 してい る仕 事) ・何 か事 業 を始 め よ う と して お金 を借 りた い と思 って も、 誰 も貸 して くれ な い し、 も とも と 自分 たち は手 元 に 資 本 がな い。 銀 行で お金 を借 りる こ とが でき て も金利 が 付 くか ら利 子 を支 払わ な くて は な らな い。 この プ ロ グラム か らお金 を借 りても金 利 は取 られ ない。 そ こが いい と ころ(養 鶏62歳) ・他 の人 た ち と同 じ。 金利 が ない こ と(養 鶏/工 場 労働39歳) 《プ ログ ラム に参加 して 女性 ・以 前 に較べ れ ば現金 収入 を得 られる よ うにな った か ら、少 しは生活 が よ くな った と思 う(養 鶏72歳) からの肯定的変化》 ・養 鶏 の仕事 は け して楽 では な くて、い ろい ろ大 変だ け ど、生 活 は前 と較べ れ ば よ くな った と思 う(養 鶏53歳) ・仕 事 を始 め る前 はや る ことが な くて退 屈 した り、 落 ち込 ん だ りす る こと もあ った。 養 鶏や ア ヒル を飼 い 始 め て か ら 同 じ養 鶏 をや ってい る仲 間 とい ろい ろ相談 した り、他 の 人 と出 か けた り して生 活 が楽 し くな った と感 じて い る。 もち ろん 仕事 の 大変 さ は ある し、 時 々損 を出 した り してい るけ れ ども、 今 辞 めて しま った らも っ と落 ち込ん で しまう と思 うか ら、 この仕事 を続 けた い と思 って い る(養 鶏/養 鴨62歳) ・わ ず か ばか りだ けれ ど 自分 で お金 を稼 げ る よ うにな った こと。 それ に仕 事 を始 め て か ら健 康 状態 が よ くな っ た こと(養 鶏72歳) ・仕 事 をや ってい くうち にだ ん だん 楽 しくな って きた 。 も う少 しお金 を借 りる こ とが でき るの な ら、鶏 や ア ヒ ル の数 を増 や した い し、 も っ と仕 事 を増 や して忙 しくな りた い(養 鶏/養 鴨82歳) 男性 ・この プ ログ ラム で お金 を借 りて事 業 を始 め る ことが で きれ ばち ょっ とずつ 生活 状 況 を改善 す る こ とがで き る し、実 際 自分 の生活 が 改善 ざれ て きた と思 う(養 鶏62歳) ・あ る特定 の 患者 だ け じゃな くて、た くざんの患者が この プログラムを利用 して自分の生活を改善できるよ う にな っ た。 自分 の場 合 は、 この プロ グラ ム に参加 す る よ うにな ってか ら精 神 的 にも ち ょっ と元 気が 出て くる よ うにな った(養 鶏74歳) ・生 活 が改善 さ れた こ と(養 鶏 ・工場 労働39歳) ・生 活 が よ くな った ね。精神的にも落ち着いた(養 豚54歳) ・以 前 よ り収 入 が増 えた こと(養 鶏73歳) ・収 入 が増 え て、経済的に安定 した(肉 牛肥育68歳)、(肉 牛肥育58歳)、(養 鶏62歳)、(養 鶏74歳)、(養 鶏 /工 場 労働39歳)、(養 鶏73歳) 【プ ログラ ムに対 す る要望 】 《返済開始時期の 男性 ・困 って いる こと も言 ってお き たい。 返済 開始 の時 期 は1年 後 じゃな くて2年 に して ほ しいね。 今 は30匹 の 豚 繰 り下 げ》 を飼 ってい る けれ ど、 最初 の年 が 一番 大 変 だ った。 豚 を大 き くさ せた い と思 うん だ け ど、返 済 開始 が一 年後 か らだ と まだ豚 が 大 き くな って いな い状 態 で売 らな くて はな らな い。 豚 が大 き くな って か ら売 れ ば値段 も高 くな る け ど、豚 が まだ 小 さか っ た ら高 く売 れな い。 買 い手 側 か らは 「豚 が まだ小 さい じゃな いか。 も っ と値 段 を下 げて くれ 」 と言 われ て しま う。 返 済 開始 の時 期 を遅 く して くれ た ら この プ ログ ラム は も っと よ くな る と思 う(養 豚54歳) ・この プロ グラ ムは 基本 的 にい い試 み だ と思 って い る。 だ け ど、 改 善 して ほ しい と思 うと ころ もあ る。 でき れ ば返 済 開始 の 時期 を延 ば して ほ しい。 養 鶏 だ と鶏 を育 て るの は最 初 の6か 月 間 で、 養豚 は 最初 の1年 が子 豚 を育 て る時 間 に充 て られ て いて、 そ れぞ れ6か 月 後、1年 後 か ら返 済が 始 まる。 豚 の方 が 時 間が かか るの は 分 か るが、6か 月 後 か ら返 済 開始 だ と鶏 が ま だ小 さ い うち に売 らなけ れ ばな らない か ら、利 益 が 出な い。 養 豚 でも養 鶏 でも みん な返 済開 始 を5年 後 くらい に設定 してほ しい。そ うす れ ば余裕 を持 って事 業が で きる し、 利益 を上 げ る ことも でき る(養 鶏62歳) ・だ いた い他 の 人た ち と同 じだけ れ ど、もう少 し返済開始の時期を遅らせてほ しいと思っている。規模を広げ る こ とが でき た ら利益 も増 や す こ とが でき る し、飼 育環 境 も改 善 す る ことが で き る。 で も6か 月後 か ら返 済 開始 が始 ま る ことを考 え る と、 規 模を 増や す こと は難 しい(養 鶏74歳) ・プ ロ グラ ムを 利用 して養鶏 を続 けた い と思 って い るが 、養 鶏 は返 済 開始 ま で6か 月 しかな い。 短 い期 間 で利 益 を上 げ なけ れ ばな らな い が、失 敗 した場合 を 考 え ると プ ログ ラム の利 用 に踏 み 出せ ない。 返 済 時期 が6か 月 とい うの は早 すぎ る。 も う少 し時間 を延 ば して ほ しい(養 鶏/建 設 労働46歳) ・鶏 の数 を 増や して規 模 を広 げ た い と考 えて い るけ れ ど、6か 月後からの返済だと鶏がまだ小ざい うちから売 りに 出さな くて はな らな い。 返済 開始 時の 時 間を延 ば して ほ しいね(養 鶏73歳) 《飼 料代 の補 助》 男性 ・最 初 に借 りた お金 は種豚 の 購入 で ほ とん ど無 くな って しま った。出産 して子豚が産まれるとエサ代がかかる。 子 豚の 数 にも よるが 、300万 ドン(約150ド ル)か ら500万 ドン(約250ド ル)く らいの お金 が必要 にな った。 プ ログ ラムか らは エサ代 の 補助 が少 な い ので や むを 得ず 外 か らお金 を借 りた が、 金利 の支 払 い もあ るの で返 済 の負 担が 大 き くな って しま った。 エサ代 の補 助 を プロ グラム か ら支援 して も らえ る と助 か る(養 豚54歳) ・ベ トナム の気候 だ と6か 月 は雨 が 降 って、残 りの6か 月 は雨 が少 な い。雨 季 に は牛が 食べ る草 が生 え るけれ ど、 乾 季 に は草 が生 え て こない の で、 エサ とな る藁 を別 に購 入 しな けれ ばな らな い。 で も藁 を買 うお金 が手 元 に ない。 プログ ラム か らエサ代 を補 助 して ほ しい と思 ってい る(肉 牛 肥育61歳) ・牛 の エサ代 を補 助 して ほ しい(肉 牛 肥育58歳)
表5プ ログ ラム 参加 グル ー プカ テ ゴ リー表(4) 【カ テ ゴ リー 】 《サ ブカ テ ゴ リー 》 性別 コー ド例、 参加 してい るプ ログ ラム の種別(/以 下 は兼 業 して い る仕事) 《融 資額 の変更 》 女性 男性 ・借 りられ る金 額 を変 更 で き る とも っ とよ い。返せ るかどうか不安に思 っている人たちはた くさんいるから、 貸付 を少 な い額 にす るな ど対応 して くれる とい い(養 豚61歳)' ・も う少 し事 業 を大 き くした い と思 って いる が、融資の額が決まっているので難 しい。も う少 したくざんの額 を借 りる ことが でき た らも っとい い と思 う(肉 牛 肥育68歳) 【今後 の ヴィ ジ ョン】 《現状 維持 》 《今後 の希 望》 女性 男性 女性 男性 ・も う歳だ し、健 康 の 問題 もあ るか ら養鶏 以外 は でき ない(養 鶏72歳) ・養 鶏 とア ヒル だ けで十 分 だ と思 ってい る(養 鶏/養 鴨62歳) ・自分 も歳 だか ら も う他 の こ とはで きな いね(養 鶏72歳) ・目が あん ま り見 えな くな って きて いる の と、健康上の問題もあるので、もう他の仕事はできないと思っている。 も う歳だ か ら(養 鶏/養 鴨82歳) ・今 は養 豚 だけ で十分 だ ね(養 豚54歳) ・自分 は他 に技術 も何 も持 ってな いか ら、今の仕事(肉 牛肥育)だ けで十分だと思 っている(肉 牛肥育68歳) ・歳 もと って い る し、健康上の問題もあるから、他の ことをや る能力が今の 自分にはないと思 っている(肉 牛 肥 育61歳) ・も う年 とった か ら、養鶏だけで十分だと思っている(養 鶏73歳) ・新 しい プロ グラム があ った ら参 加 してみ た い(養 鶏/養 鴨82歳) ・昔 、洋服直 しや修理の勉強を したことがあるから、もしできたら縫製の仕事をや ってみたい(養 鶏53歳) ・料 理 の勉強 を して みた い(養 豚/養 鶏41歳) ・今 養鶏 をや って い る場所 は広 さ が足 りな い。お金をもう少 し借りる ことができた ら飼育環境を整備 したいね (養鶏73歳) ・自分 が考 えて い るの は、溶接の仕事をや ってみたいということだね。 自分は溶接の技術を持 っているか ら、 昔 シ ス ター たち に勧 め られ て病 院 内 で小 さ な溶接 工 場 を開 いて 、仕 事 を して いた ん だ。他 の 人 たち に溶 接技 術 を教 え た りも してい た。 でも利 益 が 出な くな って2000年 に工 場 を閉 めて しま った。 も し機会 が あれ ば 自分 の家 で また小 さ な溶 接 工場 を始 め た い。 自分 の 家で仕 事 が で きる し、仕 事 が入 って きた ら収 入 も増 え る。 そ れ に他 の人 た ちに 自分 の技術 を教 える こと もで きるか らね(養 鶏62歳) ・まだ やれ る か ど うか 自信 はな いん だ け ど、牛 の肥 育 をや ってみ た い。今 は工場 に 出て 木材 加 工 の仕 事 を して いるん だ け ど、養 鶏 で失敗 して しま ったの で、ま だち ょ っと事業 に手 を 出す のは怖 い とい う感 じが して いる(養 鶏/工 場 労働39歳) ・ア ヒル の繁 殖(養 鴨)か 養豚 を や ってみ た い(養 鶏/建 設 労働46歳) 【そ の他 の問題 】 《や りたい ことをや れ る 自由が ない》 女性 ・昔 は い ろん な仕 事 を して いた。小さなカフェを開いた り、物売 りの仕事を したこともあったけれど、あんま り儲 か らな か った。 や りた い こと はあ って も、 この場 所(X村)に いた らや りた い ことを や れ る 自由 もな い か ら養 豚 をや って い る。 去年 か ら 自分の お金 で鶏 を購 入 して養 鶏 を始め て いる(養 豚61歳) のの、値引 きに応 じな ければ買い手 を失い かねない とい うジ レンマ について語 られてい る。 また個体 の販売価格 には飼料代 の値 上げ分 も反 映 され てい るが 、値 引 き して 販売 す る と飼料 代の 回収 が困難 とな り、十分 な利益が確 保 できない との語 りが み られ た。 3)事 業の状況 【事 業を始 め てか らの 困難 】 にみ られ るよ うに、 自立 支援 プログラム参加者 たちは さまざまな 困難 に直面 しな が らも事業資金 を返済 し、事業 を軌道 に乗せ てい る様子 が語 られ ている。 また、今 回のイ ンタ ビュー の対 象者 に は含 まれ ない が、病 院Xの 自立 支 援 プロ グ ラム を利用 して豚 の数を50頭 近 くにまで増や す こ とに成功 した元 患者 もい る。 この元患者 は養豚 で得 た利益 を元 に農業や 家具 用樹木 の栽 培 も手 がけてお り、 成功者 としての シン ボル的存在 とな ってい る。 そ の一 方 で 、 失 敗 例 も報 告 さ れ て い る 。 事 業 が 失 敗 し た 要 因 と して 家 畜 の 病 気 の 流 行 が 挙 げ られ て い る が 、 ベ トナ ム で は2000年 代 に 豚 青 耳 病 や 鳥 イ ン フ ル エ ン ザ の 流 行 が み られ た。 この 影 響 に よ り家 畜 が死 亡 す る な ど し て 、 事 業 資 金 返 済 の た め に病 院外 の 仕 事 に 出 か け な け れ ば な らな くな っ た事 例 が イ ン タ ビ ュー で語 られ た。 4)自 立 支 援 プ ロ グ ラ ム の 意 義 自立 支 援 プ ロ グ ラ ム の メ リ ッ トと して最 も評 価 さ れ て い る の は 「無 利 子 で あ る こ と」 で あ っ た。 ま た、 イ ン タ ビ ュ ー で は プ ロ グ ラ ム参 加 者 か ら 「生 活 が 改 善 さ れ た」 との 意 見 が 多 く出 さ れ た 。 5)プ ロ グ ラ ム に対 す る 要 望 プ ロ グ ラ ム に対 す る 要 望 と して 挙 げ られ た の は 《 返 済 開 始 時 期 の 繰 り下 げ 》 、 《 飼 料 代 の 補 助 》 、 《融 資 額 の 変 更 》 で あ る。
プ ログラム参加者 たちが最 も強 く訴 えたの は、「現行 の プロ グラムでは事業 資金の返済 開始時期 が早過 ぎる」 と い う点 である。事業資 金の返済 開始時期 は、た とえば養 鶏 の場合 だ と事業 開始 後か ら6か 月か ら、養豚 の場合 だ と1年 後か ら始 まる。返済 開始 に間 に合 わせ よ うとすれ ば、個体 が十 分 に成長 してい ない状態 で売 りに出さざ る を得 ず、 当然 販売価格 も下が り、さ らに利益 が下 がる と い う悪循環 に陥 るこ ととな る。 そのため事業 資金が負債 とな り、 プログラム に参加 したものの結果 的に は失敗 と なった事例や、病 気 の流行 な どの リス クや 「個 体が小 さ い か ら」 とい う理 由 で値 引 きを要 求され る とい う語 りも み られた。 《飼 料代 の補 助 》 であ るが、 病 院Xの 自立 支援 プ ロ グラムは主 に家畜 を扱 うため、成長 に必要 な飼 料を定期 的 に購 入 しな ければな らない。 しか し、飼料代 として融 資 される資金 は個 体が生 まれた段 階の分 しか想 定 され て お らず 、個体成長後 の飼料 代が不足 して しま うとの事情 が語 られた。 また《融 資額 の変更 》 は 「(事業 資金 を)返 せ るか ど うか不安 に思 っている人 たちはた くさんい るか ら、貸付 を少 ない額 にす るな ど対 応 して くれ る とよい」(女性 養 豚61歳)と い う意 見の よ うに、事 業資金 の返済 を不 安 視 す る参加 者 が存在 す る ことを示 してい る。一 方、 「も う少 し事業 を大 き くしたい と思 ってい るが、融資 の額 が 決 ま ってい る ので難 しい。 も う少 した くさ んの額 を 借 りるこ とがで きた らもっ といい と思 う」(男性 肉牛肥 育 68歳)と い った よ うに、軌 道 に乗 った事 業を さ らに拡 大 す るため もう少 し融 資額を増 や してほ しい との意見 も あ った。 6)今 後の ヴィジ ョン 「プロ グラム の事業 以外 に手 が けてみ たい こ と」 の質 問に対 しては、現状維持 が精一杯 で、他 の ことに手 を広 げ られない とい う回答 がみ られ た。その主 な理 由 として 加齢 とハ ンセン病 に由来 す る健康 上の問題 が挙げ られ て い る。そ の他 、「自分 は他 に技 術 も何 も持 ってないか ら、 今 の仕事(肉 牛 肥育)だ け で十分 だ と思 ってい る」(男 性 肉牛 肥育68歳)の 回答 のよ うに、「他 の こ とをや れ る技術 が ない」 とい う理 由 も述べ られ た。 その一方 で、縫製や料理 な どの勉強を してみたい とい う希望 や、今手 がけ ている事業 を拡大 したい とい う積極 的かつ 明確 なヴィジ ョン も語 られ た。 また 「もし機会 が あれ ば 自分 の家 で また小 さな溶接工 場を始 めたい。 自分 の家 で仕事が でき る し、仕 事が入 って きた ら収入 も増 え る。 それ に他 の人た ちに 自分の技術 を教 える こともでき るか らね」(男 性 養鶏62歳)と い ったよ うに、 自分 の 持つ技 術(溶 接)を 生 か した仕事 を したい とい う意見 も あ っ た 。 しか し、 「や りた い こ とは あ っ て も、 こ の 場 所(X村) に い た ら や りた い こ と を や れ る 自 由 も な い か ら養 豚 を や っ て い る 」(女 性 養 豚61歳)の よ う に 、 ハ ン セ ン病 村 で の 生 活 に不 自由 さ を感 じて い る 回 答 も み られ 、 一 般 社 会 との 違 い も浮 き彫 りに な っ て い る 。 5.若 年 グ ル ー プ の 結 果 1)仕 事 に つ い て 若 年 グ ル ー プ の 特 徴 と して 病 院 外 で の 仕 事 を 持 つ 者 が 多 い こ とが 挙 げ られ る。 ま た 、 過 去 に 自立 支 援 プ ロ グ ラ ム に参 加 して い た ケ ー ス も含 まれ て い る が 、 現 在 は プ ロ グ ラ ム に参 加 せ ず 、 病 院 外 の 就 労 で得 た 収 入 を 原 資 に 自 己 資 金 に よ って 養 鶏 事 業 を 行 って い た 。 ま た、 あ る 女 性 が 「今 病 院 の 外 の 縫 製 工 場 で2年 働 い て い る け れ ど、 も うす ぐ子 ど もが 小 学 校 に通 い 始 め る の で 仕 事 は 辞 め よ う と思 っ て い ます 。 仕 事 が あ る と迎 え に 行 け な い の で 。 経 済 的 に は 苦 し くな りま す が … 」(女 性 縫 製 業35歳)と 述 べ られ て い る よ うに 、 子 ども の教 育 と就 労 の 関 係 につ い て の 語 り もみ られ た 。 2)自 立 支 援 プ ロ グ ラ ム へ の 関心 と要 望 若 年 グル ー プ の 場 合 、 自立 支 援 プ ロ グ ラ ム へ の 関心 は あ る もの の 、 プ ロ グ ラ ム 参 加 に対 し て消 極 的 な 傾 向 が み られ た 。 そ の 理 由 と して 、た とえ ば 、「売 れ な い 時 に は ど うや っ て エ サ 代 を確 保 す る か とい う悩 み」(女 性 縫 製 業31歳) や 、 「お 金 を 借 り られ る の は い い け れ ど、 返 済 に 追 わ れ る感 じが す る し、 動 物 相 手 だ と失 敗 して しま う こ とも あ る」(女 性 縫 製 業31歳)な ど、 現 行 の プ ロ グ ラ ム に不 安 を感 じ てい る こ とが イ ン タ ビ ュ ー か ら う か が え る。 ま た 「借 り られ る お金 の 額 を増 や し て ほ しい 」(女 性 養 鶏 33歳)、 「返 済 開 始 の 時 期 を も う少 し延 ば し て ほ しい 。 豚 の 場 合 は 成 長 す る 時 間 が か か る。 高 い 値 段 で売 れ る よ う に な る た め に は 時 間 が か か る 」(女 性 主 婦/養 鶏41歳) な どの 意 見 は先 に み た 自立 支 援 プ ロ グ ラム 参 加 者 の イ ン タ ビ ュ ー 結 果 で も同 様 の改 善 要 望 と して 出 さ れ て い た。 プ ロ グ ラム 参 加 経 験 の あ る 女 性 は 、 過 去 に養 豚 を 行 っ た 際 に病 気 で 豚 を 死 な せ て い る。 ま た 、 無 事 に 成 長 し た 豚 を 売 り に 出 した 際 に値 段 を 買 い 叩 か れ る とい う経 験 を し て い る 。 し か し、 「自分 の 仕 事 を 始 め て か ら収 入 が 増 え て 、 家 族 にお 金 が 行 き渡 る よ う に な り ま し た 。子 ど も に 勉 強 さ せ る こ と も で き る よ うに な っ た し、 生 活 に 必 要 な もの が 買 え る よ う に な り ま し た」(女 性 主 婦/養 鶏 41歳)と い っ た よ う に、 プ ロ グ ラ ム 参 加 以 降 の 肯 定 的 変 化 も語 られ て い る 。 そ の 他 、 「今 の プ ロ グ ラ ム に は ヤ ギ は入 っ て い な い け