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信州綿内村における山割制度の変質過程

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Academic year: 2021

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(1)

綿

一  序 口                                                       ゆ   信 州 綿 内 村 は 藩 政 時 代 二 十 有 余 の 組 (概 ね 現 在 の 部 落 に 相 当 す る ) か ら 成 る 須 坂 藩 領 の 一 村 落 で あ っ た が 、 当 時 既 に 戸 数 約 八 百 、 村 高 三 千 石 余 の 大 村 で あ っ た た め 、 明 治 以 後 も 綿 内 だ け で 一 箇 の 行 政 村 と な り 、 昭 和 三 十 五 年 に は 川 田 ・ 保 科 両 村 と 合 併 し て 、 長 野 県 上 高 井 郡 若 穂 町 に 編 入 さ れ た 。 当 村 の 山 型 制 度 に つ い て は 、 さ き に 江 戸 時 代 に お け る そ の 創 始 事 清               を 明 ら か に し た が 、 小 稿 に お い て は 、 天 保 二 年 ( 一 八 三 一 )   に は じ め て 実 施 さ れ て よ り 後 、 今 日 に 至 る ま で の 推 移 に つ い て 述 べ 、 そ の 間 に お け る 制 度 の 変 質 過 程 を 考 察 し て み た い 。 二   幕 末 の 停 止 と 明 治 初 年 の 再 開 鷺   天 保 二 年 山 割 制 度 創 始 以 来 、 江 戸 時 代 末 期 に 至 る 間 の 事 情 は 、 史 料 に 乏 し い た め 詳 細 を 明 ら か に な し 得 な い が 、 こ の 時 期 の 著 し い 傾 向 は 割 地 権 の 移 転 ( 質 入 . 売 買 ) が 頻 り に 行 わ れ る よ う に な っ た こ と で あ る 。 文 政 十 年 九 月 山 割 議 定 書 (若 穂                                                       ヘ   ヘ                                                        ヘ   ヘ                                    へ 町 綿 内 上 町 区 有 ) に ﹁ 割 山 被 仰 付 砿 上 者 、 如 何 様 難 渋 二 趣 砿 共 、 譲 引 決 而 致 間 鋪 砿 、 讐 内 々 二 而 も 書 入 等 致 砿 得 は 、 早 速 惣 へ     ヘ     ヘ     ヘ     ヘ     ヘ     へ 細 江 引 上 可 申 込 、 其 節 違 義 串 間 鋪 砿 ﹂ (傍 点 筆 者 、 以 下 同 じ ) と あ っ て 、   こ こ で は 質 入 に つ い て 特 に 触 れ て い る わ け で は な           信 州 綿 内 村 に お け る 山 割 制 度 の 変 質 過 程                                               = 二 、

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          信 州 綿 内 村 に お け る 山 割 制 度 の 変 質 過 程                             ﹂            一 四 . い が 、 書 入 が 禁 止 さ れ て い る の で あ る か ら 、 恐 ら ズ 割 山 の 質 入 も 含 め て あ ら ゆ る 種 類 の 譲 渡 を 禁 止 し よ う と し た も の で あ ろ う 。 こ の よ う な 禁 止 規 定 が 実 際 に 守 ら れ て 、 違 反 し た 場 合 に は そ の 割 出 を 村 へ 没 牧 す る こ と が 行 わ れ る 限 り 、 山 割 制 度 は 入 会 制 度 と 別 物 で は な く 、 範 疇 的 に 砿 む し ろ 入 会 関 係 の 一 特 殊 形 態 で あ ゑ と 考 え ね ば な ら な い 。 と こ ろ が 、 当 村 に は じ め て 山 割 が 実 施 ざ れ た 天 保 二 年 ( 一 八 三 一 ) か ら 僅 か に 四 年 後 天 保 六 年 の 左 の 如 き 割 山 の 質 流 証 文 (綿 内 上 町 区 有 ) が あ る 。 ﹁             割 出 質 流 讃 文 之 事 、 '  .  ・  '  ■                                    , 一 ・ 名 所 前 山 田 は 印 て 組 三 番 割 之 内 壱 割 弩 壱 升 ・ 代 金 壱 両 罎 二 請 取 ・ 纂 山 一在 に 所 実 正 二 御 籤 ・ 然 ル 上 懸 嚢 中 山 相 改     實 殿 御 支 配 可 被 成 砿 、 其 節 毛 頭 故 障 之 儀 串 間 敷 盗 、 尤 御 高 之 儀 は 御 相 談 之 上 、 我 等 方 二 御 預 り 直 中 砿 得 は 、 年 々 十 二 月 十 五 日 限     御 年 貢 我 等 方 江 御 勘 定 可 被 成 砿 、 為 後 念 質 流 譲 文 防 如 件                 ・    ﹁    .              、                                                             同 所 上 町           天 保 六 年 末 十 二 月     .            ,                        山 主 、 平       蔵                                                             同 所 同 断                                 .                                             ⋮          受 人 、 小     助               線 内 村 山 新 田                     吉 郎 右 衛 門 殿 .                                                  .                ﹂ こ れ に よ る と 流 地 と な っ た 割 山 の 高 は 依 然 と し て 質 置 主 が 預 り 置 き 、 従 っ て 年 貢 も 質 取 主 が 質 置 主 の 手 を 経 て 納 入 す る こ と に し て い る 。 こ れ は こ の 質 関 係 が あ く ま で 割 当 期 間 の み の も の で 、 割 替 期 が 来 れ ば 質 物 た る 割 山 は 再 び 割 受 人 た る 質 置 主 の 手 に 返 還 さ れ た か ら で は な い か と 思 わ れ る 。 質 取 主 の 住 む 山 新 田 は 当 村 の 入 会 山 に 囲 ま れ た 地 域 の 最 も 奥 に 位 置 す る 部 落 で あ っ て 、 自 ら 山 林 の 利 益 を 最 も 多 く 享 受 す る た め 、 ・ 当 時 特 に こ の 部 落 の 住 民 の 手 に 質 入 の 形 で 割 山 が 集 中 し つ つ あ っ た よ う で あ る 。   ﹁ 文 政 十 年 九 月 吉 日 、 割 山 一 件 諸 人 用 弁 議 定 書 控 ﹂ (綿 内 上 町 区 有 ) と 表 記 さ れ た 記 録 末 尾 に も 、

(3)

﹁       割 出 質 入 之 事 ( 天 保 七 年 ) 申 年 一 、 讃 岐 壱 番 割 之 内   右 四 人 割 分       代 金 壱 両 壱 分 也 殉 讃 岐 五 番 之 内   右 颪 割 分 、       代 壱 分 蔵 朱 也 } ノ 入 九 番 之 内 、 〆 お お お お 四 み く い み 人 き め つ よ         分   へ 〆 九 八 煎 左 兵 木 衛 衛   門 〆 お お お お 四 み く い み 人 き め っ よ     右 四 割 分         代 壱 両 成 分 也   〆 十 割     . 代 メ 三 両 蔵 朱 也 右 は 山 新 田 喜 助 殿 江 質 入 二 致 置 中 砥       信 州 綿 内 村 に お け る 山 割 制 度 の 変 質 過 程 .、 ' P 一 五 ,

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信 州 綿 内 村 に お け る 山 割 制 度 の 変 質 過 程 = ハ

一洞

                                    九 左 術 .門                                     〆   煎   人         右 鼠 割             代 三 分 也         し   へ   ぬ     右 は 山 新 田 喜 三 郎 後 家 泣 質 入 二 致 直 中 砿       .          ﹂                      -              . と あ っ て 、 天 保 年 間 山 新 田 の 住 民 に 対 す る 割 山 質 入 が 頻 繁 な り し 有 様 が う か が わ れ る 。 ま た 後 に 全 文 を 掲 げ る 明 治 三 年 ( 一 八 七 〇 ) 三 月 の ﹁ 綿 内 村 割 山 規 定 書 ﹂ (若 穂 町 役 場 所 蔵 ) に ﹁ 先 年 内 々 二 而 売 買 い た し 砿 者 ハ 云 々 ﹂ と あ り 、 そ の 場 合 の 処 置 が 後 述 す る 如 く 細 か く 規 定 さ れ て い る か ら 、 明 治 三 年 以 前 恐 ら く 幕 末 に お い て も 質 入 の み な ら ず 、 内 密 の 売 買 が か な り 広 汎 に 行 わ れ て い た こ と が 容 易 に 推 測 さ れ る 。 か く し て 割 山 譲 渡 の 禁 止 規 定 や 、 そ の 罰 則 と し て の 没 牧 規 定 が 有 名 無 実 に な っ て く る と 、 村 の 管 理 権 が 弱 ま り 、 反 対 に 持 主 が 割 山 に 対 し て 有 す る 権 利 即 ち 割 地 権 が 強 化 さ れ て 、 こ こ に 山 割 制 度 は 単 な る 入 会 関 係 か ら 逸 脱 し て 、 私 有 制 へ の 過 渡 的 性 格 を 帯 び て く 惹 。 か つ て 山 割 実 施 以 前 に 山 割 反 対 を 唱 え た 人 々 が 、 ﹁ 草                                                                                           山 軒 別 割 仕 、 当 時 差 当 り 宜 敷 砿 而 も 、 追 年 譲 引 二 相 成 嵐 く ・ 、 後 年 山 不 持 二 相 成 に 者 ハ 後 悔 可 仕 事 ﹂ と 憂 慮 し た 事 態 が こ                                   こ に 早 速 生 じ つ つ あ っ た と い え よ う 。   こ の よ う な 事 情 も い く ら か 影 響 し た か と 思 わ れ る が 、 文 久 二 年 ( 一 八 六 二 ) に 至 っ て 、  須 坂 藩 は 綿 内 村 の 山 割 を 廃 し 、 以 前 の 通 り の 入 会 草 山 に ひ き 戻 し た 。   ﹁ 綿 内 村 割 山 再 規 定 書 ﹂ と 表 記 さ れ た 袋 入 書 類 (若 穗 町 役 場 所 蔵 ) 中 に 、 左 の 如 き 取 極 書 が 認 め ら れ て い る 。 ﹁         割 山 規 定 取 極 } 札 之 事 綿 内 村 入 會 草 山 之 吋 半 分 、 天 保 二 郷 年 拾 ケ 年 御 試 と し て 割 出 二 被 成 下 御 高 被 仰 付 候 所 、 去 ル 戌 年 春 中 以 思 召 先 之 年 之 通 人 會 草 山 二 被 '

(5)

  仰 付 御 高 除 二 相 成 候 所 、 村 方 惣 代 之 者 御 支 配 様 江 被 召 出 御 尋 御 座 に 処 、 割 田 二 い た し 度 組 方 之 者 而 巳 罷 出 、 わ り 山 二 致 度 華 中 上 候 二   付 、 猫 又 同 年 秋 中 割 山 二 被 仰 付 帳 二 付 、 村 方 之 内 入 會 二 致 度 組 方 も 有 之 候 所 、 双 方 願 上 候 廉 御 敢 用 無 御 座 、 右 出 御 引 上 二 相 成 一 回 春   恐 入 罷 在 に 処 、 此 儘 二 面 は 村 方 一 同 作 物 春 草 其 外 新 等 二 差 支 難 渋 仕 候 間 、 此 度 村 方 一 同 一 致 池 上 右 山 御 下 ケ 被 成 下 盗 様 頼 入 、 粗 々 一   同 示 談 仕 候 左 之 通   、 一 、 十 三 度 6 南 太 良 江 掛 リ 先 年 五 拾 六 人 壼 と 割 之 所 、 戴 タ 割 入 舎 草 山 二 致 、 右 替 地 大 太 良 難 場 除 キ 鍬 形 二 掛 リ 威 タ 割 分 割 山 二 い た し       可 申 事     一 、 前 山 田 組 上 之 方 山 向 後 立 木 等 二 は 一 切 致 間 数 事       (慶 応 二 年 )     一 、 来 賓 春 中 わ り 替 仕 向 十 ケ 年 目 二 壼 度 宛 相 互 二 実 意 ヲ 以 割 替 可 致 候 事   右 之 通 二 而 細 々 一 同 示 談 行 届 キ 一 和 仕 候 、 然 ル 上 は 質 地 流 地 は 不 及 車 引 宛 等 二 面 も 一 切 致 間 敷 砿 、 依 之 為 後 鑑 規 定 取 極 一 同 連 印 仰 而   如 件 ・                                                            綿 内 村                               噛                    .  ,      .        割 山 願 人 惣 代                                                                               万 年 鴫 粗 忽 代 、 -                  ・               慶 應 元 丑 年 五 月                                                                                     宇       平 ㊥                                                                                       (以 下 九 名 略 )                                                                             入 舎 願 人 惣 代                                                                               山 新 田 粗 忽 代                                                                                     藤       市 ㊥                                                                                       (以 下 三 十 二 名 略 )                                         .          .              名 主     見                                                        .              牧   又 右 衛 門一 ㊥                                                                             立 入 人                                                                               森   組 信 州 綿 内 村 に お け る 山 割 制 度 の 変 質 過 程 一 七

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信 州 綿 内 村 に お け る 山 割 制 度 の 変 質 過 程 同   断   五 条 村 佐 野 七 八 ㊥ .                                                                           青 木 藤 右 衛 門   ㊥           L こ こ に ﹁ 成 年 ﹂ と あ る の は 、 文 久 二 年 ( 一 八 六 二 ) 成 年 で あ る と 思 わ れ る 。 明 治 三 十 九 年 ﹁ 縮 舟 村 公 有 山 林 営 林 方 法 ﹂ に ・ 藩 政 時 代 以 来 割 山 で あ っ た 部 分 に つ い て ﹁ 古 来 村 民 入 会 山 ナ ル 処 、 天 保 年 間 領 主 須 坂 藩 ノ 許 可 ヲ 得 、 村 内 戸 数 二 分 割 貸 与                 ヘ   ヘ    ヘ   ヘ シ 割 山 ト 称 ス 、 后 文 久 三 年 領 主 命 シ テ 復 旧 セ シ ム 、 村 民 中 之 ヲ 便 益 ト セ サ ル モ ノ 多 ク 、 明 治 三 年 村 民 協 議 成 リ 、 領 主 二 請 ・                                                                               ヘ ビ 、 再 ヒ 割 山 ト ナ ス ﹂ と 記 さ れ て い る が 、 こ こ に 文 久 三 年 と あ る の は 恐 ら く 二 年 の 誤 り で あ ろ う 。   こ れ ら に よ る と 、 天 保 二 年 ( 一 八 三 一 ) 従 来 の 入 会 草 山 の 半 分 に お い て 山 割 が 実 施 さ れ て 以 来 、 十 箇 年 と い う 試 行 期 間 満 了 後 文 久 二 年 ( 一 八 六 二 ) に 至 る ま で ど の よ う な 経 過 を 経 た か 詳 細 は 不 明 で あ る 。 文 久 二 年 の 春 い か な る ﹁ 思 召 ﹂ に よ る も の か 、 そ の 内 容 は こ れ も 明 ら か で は な い が 、 山 割 は 廃 止 さ れ 、 山 割 実 施 以 前 と 同 じ 入 会 草 山 と な り 、 山 高 を 免 除 さ れ る に 至 っ た 。 ・ そ の 後 村 民 の 願 望 に よ り 同 年 秋 再 び 山 割 が 実 施 さ れ る こ と と な っ た が 、 村 民 の 中 に は 山 割 実 施 以 前 の 如 き 入 会 形 態 を 希 望 す る 者 も あ っ て 願 出 た た め 、 両 者 競 願 の 形 勢 と な っ た 。 か つ て 山 割 が は じ め て 実 施 さ れ る 以 前 の 文 政 末 年 に ・ 同 様 の 紛 争 が あ っ た 際 、 結 局 藩 は 両 方 の 願 書 ど も に 差 戻 し 、 入 会 草 山 を 綿 内 村 か ら 引 上 げ 、 村 民 の 利 用 を と め た こ と が あ     つ た 。 ' こ の 度 も 全 く 同 様 な 経 過 を 辿 り 、 ﹁両 方 の 願 と も 聞 届 げ ら れ ず 、 遂 に 綿 内 村 の 草 山 は 藩 に 引 上 げ ら れ て し ま っ た 。 こ の ま ま で は 村 民 の 肥 料 及 び 燃 料 に 困 難 を 来 す た め 、 慶 応 元 年 ( 一 八 六 五 ) に 至 り 、 割 山 願 人 と 入 会 願 人 と の 間 で 示 談 が ま                                                                           ● と ま り 、 山 割 実 施 を 前 提 と し て 草 山 の 下 渡 し を 藩 に 願 出 る こ と と な っ た 。   右 割 山 規 定 取 極 一 札 の 箇 条 以 下 拡 、 示 談 取 極 の 内 容 で あ る が 、 、こ の 点 に つ い て は 、 山 割 再 開 の 騰 が 熟 し た 明 治 三 年 ( 一

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〆 9 八 七 〇 ) に 今 度 は 割 山 願 人 と 入 会 願 人 と い う 区 別 な く 、 全 村 一 体 と な (、 て よ り 具 体 的 な 左 の 如 き ﹁ 割 山 規 定 書 ﹂ ( 若 穂 町 役 場 所 蔵 ) が 取 極 め ら れ た 。     ﹁   、  御 引 上 ケ 山 内 規 定 之 事       一 、 十 三 度 よ り 南 太 郎 江 掛 り 先 年 五 拾 六 人 壱 割 之 所 、 ニ タ わ り 入 會 草 山 二 い た し 、 右 替 地 大 太 郎 難 場 除 鍬 形 江 懸 り ニ タ 割 分 割 山 二 致         可 申 事         (明 治 四 年 )       一 、 来 未 年 春 中 割 替 可 致 事     右 之 通 郷 中 細 々 示 談 行 届 砿 町 、 御 役 所 江 御 下 ケ 願 立 仕 、 御 聞 済 二 相 成 盗 節 は 、 當 午 年 十 二 月 迄 二 先 年 所 持 之 者 伐 採 可 中 砥 、 万 一 心 得     違 二 而 残 し 置 砿 分 八 郷 中 二 而 引 取 、 勝 手 次 第 二 執 斗 ひ 可 申 事         但 シ 、 先 年 内 々 二 面 売 買 い た し 孤 老 ハ 、 今 般 元 金 返 金 致 シ 山 引 取 、 鎌 二 面 伐 採 二 相 成 砿 之 品 は 双 方 半 分 宛 馴 致 可 致 砿 、 其 飴 ハ 買         主 二 面 伐 採 可 申 に 、 且 當 時 金 子 出 来 兼 砿 も の ハ 當 暮 迄 二 返 金 可 致 砿 、 其 者 之 儀 ハ 當 年 切 取 分 不 残 買 主 二 而 引 取 可 中 砥 、 極 難 流 者         は 拾 ケ 年 買 主 二 て 支 配 い た し 、 元 金 無 之 共 山 返 し 可 申 事     前 文 之 通 取 極 メ 御 役 所 へ 御 願 立 仕 砿 庭 、 早 速 御 下 ヶ 二 相 成 砿 、 然 ル 上 ハ 規 定 之 通 り 違 失 無 之 様 堅 く 相 守 り 可 申 、 為 後 日 郷 中 粗 々 惣 代     三 役 人 井 立 入 人 一 同 連 印 仕 盗 処 傍 而 如 件                                                                                 上 町 組 惣 代                 明 治 三 度 午 年 三 月                                                             大   治   郎   ㊥                                                                                                 (以 下 六 十 三 名 略 )   .  ﹂   こ れ ら に よ る と 、 慶 応 元 年 ( 一 八 六 五 ) に は 一 部 替 地 の こ と と 一 部 植 林 禁 止 区 域 を 定 め 、 更 に 割 山 の 質 入 ・ 書 入 と も に 禁 ず る 等 の こ と を 約 し 、 翌 年 即 ち 慶 応 二 年 春 よ り 十 年 毎 割 替 の 予 定 で 山 割 の 再 開 を 願 出 た が 、 す ぐ に は 許 可 が お り な か っ た も の と み え る 。 明 治 三 年 ( 一 八 七 〇 ) 三 月 に は 、 更 に 具 体 的 な 申 合 せ を 行 っ て 藩 役 所 ( 須 坂 藩 知 事 堀 直 明 ) へ 願 出 た と こ ろ 、 漸 く こ の 度 は 許 可 さ れ 、 翌 四 年 春 割 替 え て こ こ に 山 割 が 再 開 さ れ る こ と に な っ た 。 こ の 申 合 せ に よ る と 、 ・割 替 に 先 立 っ て 明 治 三 年 十 二 月 ま で に 、 こ れ ま で の 割 受 人 が 夫 々 の 割 山 の 毛 上 を 伐 採 す る こ と と し た ゆ ま た こ れ ま で 内 密 に 売 買 し て             信 州 綿 内 村 に お け る 山 割 制 度 の 変 質 過 程                                   一 九 .

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          信 州 綿 内 村 に お け る 山 割 制 度 の 変 質 過 程                                               二 〇 い た 場 合 に は 、 元 金 を 返 済 し て 割 山 を 旧 に 復 し 、 鎌 を 以 て 伐 採 で き る よ う な 毛 上 は 折 半 、 以 外 の も の は 買 主 が こ れ を 伐 採一 す る こ と と し た 。 す ぐ に 元 金 を 返 済 で き な い 者 は 当 年 暮 ま で に 返 金 し 、 そ の 代 り 当 年 の 牧 益 は 全 部 買 主 が 牧 得 す る こ と と ・ し た コ ま た 極 貧 に し て 到 底 元 金 返 済 不 可 能 な 者 は 次 の 割 替 期 ま で 十 年 間 は 買 主 が 支 配 し 、 十 年 経 て ば 元 金 が 返 済 さ れ な く ・ て も 買 主 は 山 を 返 さ ね ば な ら ぬ こ と と な っ た 。 山 割 当 の 組 合 せ 方 法 に 関 し て は 明 治 五 年 以 降 の 山 割 人 別 帳 が 各 細 密 に 多 数 現 存一 ( 若 穂 町 役 場 所 蔵 ) す る 。 こ れ ら に よ っ て み る に ・ 殆 ん ど 天 保 度 の 山 割 創 始 の 場 A ⑳ と 同 様 で あ る か ら ・ 詳 細 は 省 略 す 、 る が 、 一 戸 当 り 約 一 反 宛 三 箇 所 計 約 三 反 宛 の 割 山 が 割 当 て ら れ た 。 三   新 割 山 の 設 定 と 旧 割 山 の 解 体 ●   明 治 四 年 ( 一 八 七 一 ) 山 割 再 開 後 、 明 治 三 十 八 年 ( 一 九 〇 五 ) に 至 る 間 は 、  恐 ら く 再 開 当 時 の 申 合 せ に 基 づ き 、 十 年 毎 割 替 を 以 て 山 割 が 実 施 さ れ 来 っ た も の と 思 わ れ る 。 と こ ろ が 明 治 三 十 八 年 に 至 っ て 、 旧 来 の 割 山 以 外 に 新 た な 割 山 が 設 定 さ れ 、 こ れ と 同 時 に 旧 来 の 割 山 に 関 し て も 制 度 上 若 干 の 変 更 が 見 ら れ た 。             ま ず 当 時 の ﹁ 綿 内 村 有 山 林 管 理 規 程 ﹂ ( 以 下 ﹁ 管 理 規 程 ﹂ と 略 称 す る ) の 割 山 に 関 す る 部 分 を 左 に 掲 げ よ う 。     ﹁ 第 一条   村 有 山 林 (原 野 中 包 含 ス ル モ ノ ァ リ ) ハ 左 ノ 種 別 二 依 リ 管 理 方 法 ヲ 定 ム ル モ ノ ト ス         第 一 種   従 前 ノ 森 林         第 二 種 辛 瑚 會 ㎜ 既 植 林 地 包 含       (中 略 )                                                           へ   も   へ   も   ヘ    へ     第 三 条   第 一 条 第 二 種 ノ 一 、 割 出 弐 百 参 拾 弐 町 五 反 参 畝 弐 拾 五 歩 ハ 旧 例 ヲ 因 襲 シ 、 左 ノ 諸 項 二 依 リ 処 理 ス ル 事         一 ﹂ 割 地 権 利 ノ 売 買 . 譲 受 ハ 従 前 ノ 通 り 村 役 場 備 置 ノ 割 出 名 簿 ニ ヨ リ 之 レ ヲ 処 理 ス 、 此 ノ 場 合 二 於 テ ハ 双 方 出 頭 シ 、 名 前 ノ 付 換

(9)

'         ヲ 請 求 シ 、 名 簿 二 捺 印 ス ル 事         但 シ 、 売 買 ・ 譲 受 ハ 本 村 在 籍 人 二 限 ル 事     二 、 割 地 賞 典 年 限 ハ 五 拾 ケ 年 ト ス     三 、 貸 地 料 ハ 年 々 豫 算 ノ 定 ル 処 二 依 ル 事     四 、 前 各 項 ノ 外 総 テ 営 林 方 法 ノ 定 ル 処 二 依 ル 事 第 四 条   第 一 条 第 二 種 ノ ニ 、 入 舎 山 百 診 町 弐 反 六 畝 拾 歩 ノ 匹 ( 肱 喋 灯 庭 坂 靴 鰍 撒 畑 鍔 疎 櫨 聯 馳 ) ハ 左 ノ 各 項 二 依 リ 処 理 ス ル 事     一 、 反 別 五 拾 六 町 壱 反 四 畝 歩   未 植 林 地 ノ 十 分 ノ 六   、 ・         右 ハ 造 林 ノ 目 的 ヲ 以 テ 、 左 記 各 号 ノ 方 蔽 ニ ヨ リ 、 在 家 以 下 弐 拾 弐 区 二 分 割 貸 與 ス ル モ ノ ト ス         一 2 3 4 各 区 ノ 在 籍 戸 数 ヲ 率 ト シ 、 抽 籤 二 依 リ 、 甲 乙 ニ ケ 処 二 於 テ 分 貸 ス 〃 事   但 シ 、 山 新 田 ・ 大 柳 ・ 清 水 ノ 三 区 ハ 甲 ・ 乙 ニ ケ 処 、 温 湯 区 ハ 甲 一 ケ 処 ク チ ニ 於 テ 、           (法 脱 力 ) . 各 区 ハ 営 林 方 二 拠 ル ノ 外 、 適 当 ノ 方 法 ヲ 定 メ 、 七 ケ 年 以 内 二 悉 ク 造 林 ヲ 為 ス ベ シ 如 何 ナ ル 事 由 ア ル モ 各 戸 二 分 割 ス ル ヲ 得 ス 貸 地 ノ 年 限 ハ 五 拾 グ 年 ト ス 貸 地 料 ハ 年 々 豫 算 ノ 定 ム ル 処 二 依 ル               未 植 林 地 十 分 ノ 一 、 五                           左 記 戸 数 平 等 二 分 貸 ス ル モ ノ ト ス , 抽 籤 二 依 ラ ス 場 処 ヲ 択 ハ シ ム     5 . 二 、 反 別 拾 四 町 参 畝 歩                           ,                                              ﹂     右 ハ 前 項 ノ 目 的 及 ヒ 方 法 二 依 リ 、     田 中 区 ・ 春 山 区 一 菱 田 区 ・ 岩 崎 区 ・ 町 田 区 ・ 大 橋 区 ・ 島 区 ・ 森 区 ・ 温 湯 区 ・ 清 水 区 ・ 山 新 田 区 隔 大 柳 区 . 在 家 区 及 ヒ 此 他 ノ     区 民 ニ シ テ 、 従 来 ヨ リ 千 曲 河 岸 二 共 有 地 ヲ 有 セ サ ル 戸 数       (中 略 )             附         則 ' 一 、, 第 四 条 ノ 在 籍 戸 数 ノ 調 査 ハ 左 ノ 例 ニ ヨ ル 事     一 、 本 籍 ヲ 有 シ 現 住 ス ル 者     二 、 寄 留 者 ニ シ テ 明 治 三 拾 八 年 四 月 一白 ノ 現 在 ニ ヨ リ 一 戸 ヲ 構 へ 、 満 二 年 以 上 村 ノ 負 担 ヲ ナ シ 、 尚 引 績 キ 負 担 ス ル モ ノ 信 州 綿 内 村 に お け る 山 割 制 度 の 変 質 過 程 一 =

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O             信 州 綿 内 村 忙 お け る 山 割 制 度 の 変 質 過 程                                               一 一二         二 、 規 程 中 年 限 二 関 ス ル モ ノ ハ 総 テ 明 治 三 拾 八 年 四 月 一 日 ヲ 以 テ 起 算 ス ル 事         三 、 割 地 境 界 ハ 裾 ヨ リ 峰 二 通 ウ ス ヘ キ 事               但 シ 、 場 処 ノ 特 択 ヲ ナ ス モ ノ モ 又 此 例 二 依 ル         四 、 全 ク 岩 石 ノ 不 毛 地 ハ 之 ヲ 取 除 ク 事         五 、 裾 五 間 通 り ヲ 割 地 外 ト シ 共 同 地 ト ナ ス 事         六 、 第 四 条 ノ 甲 地 ・ 乙 地 ハ 左 区 別 二 依 ル 事                                             (雁 )               甲   温 湯 浦 ・ 大 峡 ・ 根 守 ・ 南 太 郎 ・ ﹁ 野 ・ 蓮 花 ・ 讃 岐               乙   日 向 . 宇 津 木 沢 ・ 堂 ノ 入 ・ .大 太 郎 ・ 中 坪 根 ・ 大 坪 根 ﹂ ﹂                                                                                                         (下 略 ) ﹂   村 有 山 林 の 管 理 ・ 運 営 は 右 の 管 理 規 程 に よ る の 外 、 左 の 如 き 同 年 の ﹁ 綿 内 村 公 有 山 林 営 林 方 瀞 ﹂ ( 以 下 ﹁ 営 林 方 法 ﹂ と 略 称 す る ) に 依 拠 す る こ と と さ れ た 。     ﹁ (上 略 )     e   字 春 山 立 九 千 九 百 三 拾 六 番           一 、 山 林 反 別 八 町 九 反 四 畝 四 歩                           ・           (中 略 )         字 東 山 一 万 百 四 拾 五 番           一 、 山 林 反 別 九 町 参 反 弐 畝 拾 参 歩                 合 計 反 別 弐 百 参 拾 弐 町 五 反 参 畝 弐 拾 五 歩                                 ヘ   ヘ    ヘ   ヘ    ヘ   ヘ    ヘ   ヘ    ヘ   ヘ    ヘ   へ         右 山 林 ハ 左 ノ 事 由 二 因 リ 、 特 二 蒼 林 方 法 ヲ 設 定 シ 難 キ モ ノ ト ス                     事         由                   ,             古 来 村 民 入 倉 出 ナ ル 処 、 天 保 年 間 領 主 須 坂 藩 ノ 許 可 ヲ 得 、 村 内 戸 数 二 分 割 賞 典 シ 割 出 ト 称 ス 、 后 文 久 三 年 領 主 命 シ テ 復 旧 セ ・             シ ム 、 村 民 中 之 ヲ 便 益 ト セ サ ル モ ノ 多 ク 、 明 治 三 年 村 民 協 議 成 リ 、 領 主 二 請 ヒ 、 再 ヒ 割 出 ト ナ ス 、 合 有 丑 無 芯 島 隠 那 借 か 齢 称             も    へ    も     も    カ    も     へ    も     も    ヘ    ヘ  ロ  ヘ    ヘ                                       ヘ   ヘ             ヲ シ テ 売 買 譲 受 ス ル 事 ヲ 規 定 セ リ 、 如 上 ノ 事 情 二 因 リ 、 特 二 蒼 林 方 法 ヲ 設 定 ス ル 容 易 ノ 業 ニ ア ラ ス ト ス '

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・ ⇔ 現 在 ノ 林 況     ヘ   ヘ   ヘ    ヘ   ヘ    ヘ   ヘ   へ     各 自 ノ 経 営 二 依 リ 、 概 シ テ 矮 林 以 上 ノ 林 相 ヲ 保 テ リ     割 貸 年 限 ハ 五 拾 ケ 年 ト ス     、但 、 満 限 后 据 置 ク 事 ア ル ベ シ     割 地 料 ハ 年 々 豫 算 ノ 定 ム ル 処 ニ ヨ 〃 字 前 山 田 九 千 六 百 三 拾 八 番 イ 号 一 、 山 林 反 別 壱 町 六 反 四 畝 弐 歩 (中 略 )                                、 字 温 湯 浦 一 万 八 拾 五 番 ノ 内 一 、 山 林 反 別 拾 参 町 歩         合 計 反 別 百 参 町 弐 反 六 畝 拾 歩 ● ノ 内 ' ω   反 別 七 拾 町 壱 反 七 畝 歩 現 在 林 況     柴 秣 生 ニ シ テ 樹 木 ナ シ     右 ハ 古 来 村 民 ノ 入 會 ニ シ テ 、 新 株 ノ 供 給 之 レ ニ 依 リ テ 充 足 シ 、 利 益 ヲ 均 等 二 牧 得 シ 来 り タ 〃 事 實 ヲ 酌 量 シ 、     在 家 区 以 下 弐 拾 弐 区 二 分 割 シ 、 貸 与 、 造 林 経 営 ヲ ナ サ シ ム ル モ ノ ト ス       一 、 貸 地 ノ 配 当 ハ 別 二 定 ム ル 規 程 二 依 ル 事       一 、 貸 地 ノ 年 限 ハ 五 拾 ケ 年 ト ス           但 シ 、 満 限 ノ 後 置 据 ユ ル 事 ア ル ペ シ       一 、 造 林 ハ 左 ノ 各 号 二 依 ル ノ 外 、 適 磨 ノ 方 法 ヲ 設 定 シ 、 七 年 内 二 全 部 ノ 造 林 経 営 ヲ 了 ル ベ キ 事           但 シ 、 各 区 二 於 テ 設 定 シ タ 〃 営 林 方 法 ハ 、 管 理 者 ノ 承 認 ヲ 経 テ 施 行 ス ベ シ       一 、 伐 採 ハ 輪 伐 法 二 依 リ 、 毎 年 ノ 伐 採 面 積 喬 林 ハ 全 面 積 ノ 四 拾 分 ノ 一 以 内 、 矮 林 ハ 拾 分 ノ 一 以 内 ト ス 信 州 綿 内 村 に お け る 山 割 制 度 の 変 質 過 程 一 ご 二 左 ノ 方 法 ニ ヨ リ

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・           ・信 州 綿 内 村 に お け る 山 割 制 度 の 変 質 過 程 .            ■        、 、                  二 四                 -                . 但 シ 、 喬 林 八 四 拾 年 以 上 、 矮 林 ハ 拾 年 以 上 ヲ 経 サ レ ハ 伐 採 セ サ ル 事             } 、 伐 採 后 ハ 直 チ ニ 左 ノ 播 植 万 法 9 1施 ス ペ シ                   苗 木 植 栽 ・ 萌 芽 育 成 ・ 天 然 下 種 ノ 育 成             一 、 手 入 法 ハ 樹 齢 二 慮 ジ 、 雑 草 ノ 刈 除 ・ 下 枝 ノ 切 撓 へ ・ 間 伐 及 ヒ 補 植 等 ト ス             一 、 保 護 法 ハ 区 長 其 責 二 任 シ 、 随 時 見 回 ヲ ナ シ 、 又 区 民 ヲ シ テ 見 回 ラ シ ム             ピ 、 ・貸 地 料 ハ 年 々 豫 算 ノ 定 ム ル 処 二 依 ル ・         回   反 別 参 拾 参 町 九 献 拾 歩         (下 略 )                ,                                                                      ﹂   ま た 左 の ﹁ 綿 内 村 有 山 林 貸 与 条 例 ﹂ ( 以 下 ﹁ 貸 与 条 例 ﹂ と 略 称 す る ) は 昭 和 三 十 一 年 ( 一 九 五 六 ) 一 月 二 十 六 日 村 議 会 に お い て 議 決 さ れ た も の で あ る が 、 そ の 内 容 は 議 決 当 時 新 た に 考 案 さ れ た わ け で も 、 将 又 旧 来 の 制 度 を 全 面 的 に 改 正 し た も の で も な く 、 む し ろ 前 年 ( 昭 和 三 十 年 ) が 明 治 三 十 八 年 ( 一 九 〇 五 ) 以 来 丁 度 五 十 年 目 で 、 所 定 の 割 当 期 間 が 満 了 し 、 こ こ に 割 替 年 度 を 迎 え て 、 従 来 実 施 し て き た 山 割 の 割 度 を 一 応 整 理 し た 上 で 周 知 せ し め ん と す る も の で あ っ た か と 思 わ れ る 。 従 っ て そ の 骨 子 は 明 治 三 十 八 年 当 時 の 制 度 と 殆 ん ど 変 り な い の で 、 説 明 の 便 宜 上 こ こ に そ の 全 文 (第 九 条 ま で ) を 掲 げ て お く 。 ﹁ 第 一 条 第 二 条 第 三 条 此 の 条 例 は 現 在 貸 与 し て あ る 綿 内 村 有 山 林 に 対 し 、 今 後 の 維 持 管 理 を 明 確 に す る 為 、 左 記 の 通 り 各 種 別 毎 に 目 録 を 付 し 条 例 を 改 定 す る 。 貸 与 村 有 林 種 別 左 記 之 通 り と す 。   イ 、 旧 割       明 治 参 年 貸 与 せ る 村 有 山 林 を 旧 制 と 称 す 。   ロ 、 新 割       明 治 蹴 八 年 貸 与 せ る 村 有 山 林 を 新 割 と 称 す 。   ハ 、 特 別 割     イ 、 ロ 、 以 外 に 貸 与 せ る 村 有 山 林 を 特 別 割 と 称 す 。   二 、 麦 在 家 割   昭 和 廿 参 年 貸 与 せ る 村 有 山 林 を 麦 在 家 割 と 称 す 。 貸 与 村 有 山 林 の 賃 貸 借 の 権 利 義 務 を 左 記 の 通 り と す 。

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, 第 四 条 第 五 条 第 六 条 第 七 条 第 八 条 イ 、 旧 割 は 権 利 の 売 買 譲 渡 は 従 前 通 り 認 め 、 村 役 場 設 置 の 割 出 台 帳 に よ り 之 を 処 理 す 。 名 護 書 替 に 付 て は 、 双 方 出 頭 申 請       書 を 提 出 、 台 帳 に 捺 印 す る 。         但 し 、 権 利 の 譲 渡 は 本 村 在 住 民 に 限 る 。   ロ 、 新 割 は 従 前 通 り 飽 迄 区 を 対 照 に 貸 与 す る も の に て 、 在 家 区 以 下 廿 弐 区 に 分 割 貸 与 し お く も の と し 、 如 何 様 の 事 由 あ る       も 各 家 へ 分 割 す る 事 を 認 す 。       分 割 貸 与 せ る 場 合 は 、 権 利 の 利 益 を 失 う の み な ら す 、 村 に 於 て 没 収 す る 。   ハ 、 特 別 割 ば 各 人 に 分 割 貸 与 せ る も の に て 、 他 人 に 権 利 譲 渡 を 認 す 。         但 し 、 一 筆 毎 取 扱 を 異 に す 。   二 、 麦 在 家 割 は 新 割 と 全 様 の 取 扱 と す 。 ' 村 有 山 林 貸 与 は 植 栽 意 識 の 昂 揚 、 並 に 各 区 の 育 成 強 化 を 計 り 、 村 民 福 祉 の 増 強 を 目 的 と す 。 村 有 山 林 賃 貸 借 契 約 を 左 記 の 通 り と す 。 賃 貸 人 は 村 長 と し 、 賃 借 人 は イ ロ ハ ニ 別 に 係 は ら ず 、 本 村 在 住 民 に し て 他 湘 へ 転 出 の 場 合 権 利 は 失 効 す る 。   イ 、 旧 割 は 現 在 の 賃 借 人 毎 に 賃 貸 借 契 約 を 締 結 す る 事 。   ロ 、 新 割 は 各 区 長 賃 貸 借 契 約 を 締 結 す る 事 。   ハ 、 特 別 割 は 各 人 毎 に 賃 貸 借 契 約 を 締 結 す る 事 。    .  、   二 、 麦 在 家 割 は 薪 割 と 金 棟 に 締 結 す る 事 。                          脚 村 有 山 林 賃 貸 料 は 村 議 会 に 於 て 決 定 し 、 各 区 長 宛 通 知 、 区 長 に 於 て は 賃 貸 料 取 縄 め 、 牧 人 役 へ 納 入 す る 定 め に し て 、 賃 貸 借 別 は 左 記 の 通 り と す 。 . ・ イ 、 旧   割     甲 ・ 乙 ・ 丙 別   ロ 、 新   割    甲 ・・ 乙   別   ハ 、 特 別 割     旧 割 の 丙 別   二 、 麦 在 家 割     薪 割 の 甲 別                                                       (緯 ) 村 有 山 林 賃 貸 借 年 限 に 関 し て は 、 総 て 従 前 よ り 引 継 ぎ た る 経 偉 に よ り 、 昭 和 三 十 一 年 四 月 一 日 を 以 而 起 算 す る 。 村 有 山 林 賃 貸 借 年 限 は 五 拾 年 毎 に 割 督 す る も の と す 。 信 州 綿 内 村 に お け る 山 割 制 度 の 変 質 過 程 二 五 '

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      信 州 綿 内 村 に お け る 山 割 制 度 の 変 質 過 程                                             二 六         但 し 、 割 替 不 可 能 と 認 め る 場 合 は 其 儘 据 置 く 事 。 第 九 条   村 有 山 林 賃 借 人 に 於 て 、 左 記 条 項 に 違 犯 し た 場 合 は 、 村 議 会 の 決 議 に よ り 賃 貸 借 契 約 を 取 消 す コ         一 .前 各 条 に 違 犯 し た 場 合         2 ﹁賃 貸 料 を 一 ケ 年 以 上 納 入 な き 場 合         3 ⋮村 有 山 林 に 不 当 の 損 害 を 与 へ た 場 合           (下 暗 ) ﹂ 以 上 三 つ の 規 定 の 関 連 を 表 示 す る と 左 の 如 く に な る 。   , ︹ 管 理 規 定 ︺             ︹ 営 林 方 法 ︺               ︹ 貸 与 条 例 ︺     第 三 条 ・  .            H           し     ・  第 二 ・ 三 ・ 五 ・ 六 条 の 夫 々 イ 項 (旧 割 )     第 四 条 一 項                ⇔ の ω                 同 右 回 項 ( 新 割 )   , 第 四 条 二 項                 口 の ω ﹂            同 右 ハ 項 (移 別 割 ) 従 っ て 明 治 三 十 八 年 以 後 は 右 三 種 の 割 山 が 併 存 す る こ と に な る が 、 貸 与 条 例 第 二 条 に 従 っ て 以 下 こ れ ら を 夫 々 旧 割 ・ 新 , 割 . 特 別 割 と 称 し た い 。 貸 与 条 例 第 二 ・ 三 ・ 五 ・ 六 条 の 夫 々 二 項 に 見 え る 麦 在 家 割 は 昭 和 年 代 に は い っ て か ら 設 定 さ れ た も の で あ る か ち 後 に 述 べ る こ と に す る 。   ま ず 新 割 及 び 特 別 割 で あ る が 、 こ れ ら は 旧 割 二 百 三 十 二 町 余 に 加 え て 、 咀 治 三 十 八 年 に は じ め て 設 定 さ れ た も の で あ .る 。 同 年 、 従 来 共 同 で 管 理 経 営 し で い た 入 会 山 百 三 町 余 (管 理 規 程 第 四 条 、 営 林 方 法 ⇔ ) の う ち 三 十 三 町 余 を 従 前 通 り と し 、 七 十 町 余 の 柴 秣 山 を 造 林 目 的 を 以 て 二 分 し 、 五 十 六 町 余 を 戸 数 に 応 じ 在 家 以 下 一. 一十 二 の 区 に 割 当 て ( 薪 割 ) 、 残 る 十 四 町 余 は                   千 曲 河 岸 の 共 有 地 を 有 せ ざ る 区 及 び 戸 に 対 し て の み 各 戸 平 等 に 割 当 て た ( 特 別 割 ) 。 何 れ も 七 箇 年 以 内 に 造 林 を 完 了 す べ き こ と 、 貸 与 、 (割 当 ) 期 間 は 五 十 年 と 定 め ら れ た 。 然 し 右 の 内 薪 割 は 各 区 に 対 し 、 甲 地 (里 山 ) と 乙 地 (奥 山 ) と を 組 合 せ て 二 巴

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箇 所 宛 割 当 て ら れ た が 、 割 当 に 際 し て 山 に 近 い 山 新 田 ・ 大 柳 ・ 清 水 は 甲 。 乙 二 箇 所 に お い て 、 温 湯 は 甲 一 箇 所 に お い て 抽 籤 に よ ら ず 、 優 先 的 に 選 択 す る こ と が 認 め ら れ 、 ま た 新 劇 は 各 区 に お い て さ ら に 各 戸 に 分 割 す る こ と を 堅 く 禁 止 さ れ て い . た 点 が 特 別 割 と 異 な る 。   ﹁ 管 理 規 程 ﹂ 第 四 条 第 一 項 第 2 号 、, 営 林 方 法 口 の ω 第 三 項 に 記 さ れ て い る よ う に 、 ・薪 割 山 の 運 営                             に 際 し て は 各 区 毎 に 施 行 細 則 を 定 め て こ れ に 当 っ た 。   .次 に 旧 割 に お い て は ﹁ 旧 例 因 襲 ﹂   (﹁ 管 理 規 程 ﹂ 第 三 条 ) の 方 針 が と ら れ 、 持 主 各 自 の 経 営 バ ﹁ 営 林 方 法 ﹂ e ) に ま か さ れ た q ﹁ 営 林 方 法 ﹂ に 明 記 さ れ て い る よ う に 、 旧 来 の 事 情 に よ り 、 画 ゴ 的 な 営 林 方 法 を 設 け て 持 主 に 強 制 す る こ と は 困 難 で あ っ た 。 そ れ 程 に 村 有 山 林 で あ り 乍 ら 、 村 の 管 理 権 が 弱 ま っ て 各 持 主 の 権 利 が 強 固 に な っ て い た わ け で あ る 。 特 に 旧 来 の 事 情 と し て ﹁ 営 林 方 法 ﹂ に 記 載 さ れ て い る 諸 事 項 の 中 で も 、   明 治 十 五 年 ( 一 八 八 二 ) に 買 手 が 綿 内 村 民 で あ る 場 合 に 限 り 割 山 の 権 利 を 売 買 で き る よ う に な っ た こ と は 、 割 山 の 性 格 に 重 大 な 変 化 を 与 え る も の と し て 注 目 す べ き 事 実 で あ る 。 ﹁ 管 理 規 ﹂ 程 L 及 び ﹁ 貸 与 条 例 ﹂ に よ れ ば 、 そ の 後 こ の 売 買 ・ 譲 渡 は 役 場 に 備 付 け ら れ た 台 帳 の 名 義 書 換 に よ っ て 処 理 ざ れ ,る こ と と な P た 。 ' 割 替 に つ い て は 慶 応 元 年 再 開 願 出 の 折 、  ﹁ 向 十 ヶ 年 目 二 壱 度 宛 、 相 互 二 実 意 ヲ 以 割 替 可 致 候 事 ﹂ ( 上 掲 ﹁ 割 田 規 定                                                                           取 極 一 札 ﹂ ) と 申 合 せ て お り 、 ま た 史 料 の 上 に ﹁ 十 年 割 山 ﹂ と い う 名 称 も 残 っ て い る か ら 、 上 述 の よ ヶ に 恐 ら く 明 治 四 年 再 開 後 + 年 毎 に 割 董 ら れ て き た も の と 思 わ れ る 岬 明 治 = 一+ 八 年 か ら 割 当 期 間 が 延 長 さ れ ・ 五 + 年 と 定 め ち れ た ・ こ の 割 当 期 間 の 麺 長 は そ の 結 果 、 割 受 人 各 戸 と 割 山 と の 結 び つ き を 強 め ( 割 地 権 の 強 化 を も た ら す が 、 割 当 期 間 を 延 長 せ し め た ` 原 動 力 と し て 、 私 的 所 有 を 確 立 せ ん と す る 村 民 の 意 識 的 な 運 動 が あ っ た と は 思 わ れ な い 。 そ の 動 機 に は 史 料 に よ っ て 立 証 ﹂ す る こ と こ そ で き な い が 、 繰 返 さ れ る 割 替 の 煩 雑 さ を で き る だ け 避 け た い と い う こ 之 も み っ た で あ ろ う 。 然 し そ れ に も ま し て 重 要 な の は 、 村 有 山 林 の 利 用 目 的 の 変 化 が 、 割 当 期 間 延 長 と い う 事 実 の 底 流 と な っ て い た と 思 わ れ る こ と で あ る 。 綿 内 村 の 割 出 は 元 来 入 会 草 山 で あ ヶ 、 そ の 利 用 に 際 し て は 採 草 に 比 重 が あ っ た と こ ろ 、 ・山 割 実 施 を 契 機 と し て 薪 材 の 造 成 に           信 州 綿 内 村 に お け る 山 割 制 度 の 変 質 過 程               .                            二 七 ・

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          信 州 綿 内 村 に お け る 山 割 制 度 の 変 質 過 程             、                            二 八                                                                                                       .重 点 が 移 り つ つ あ っ た こ と 、 購 入 肥 料 の 普 及 が そ の 前 提 と な っ て い た こ と 等 に つ い て は 、 別 稿 に お い て 既 に 述 べ た 。 こ の 傾 向 は ﹁ 営 林 方 法 ﹂ e に 現 在 の 林 況 と し て ﹁ 概 シ テ 矮 林 以 上 ノ 林 相 ヲ 保 ﹂ つ 、 と 述 べ て い る の に よ っ て も う か が い 知 ら れ ・る 。 ま た ﹁ 営 林 方 法 ﹂ 口 の ω に よ る と 、 上 述 の 新 割 ・ 特 別 割 は 当 時 ﹁ 柴 株 金 ニ シ テ 樹 木 ナ ﹂ き 入 会 山 で あ っ て 、 こ れ に よ . っ て 村 民 は 古 来 薪 ( 燃 料 ) と 秣 ( 飼 料 ) と を 得 て い た が 、 こ れ を 新 た に ﹁ 弍 拾 弍 区 二 分 割 シ 、 ∴ 貸 与 、 造 林 経 営 ヲ ナ サ シ ム ル ﹂ こ と と な っ た 。 当 然 の 事 乍 ら ﹁ 営 林 方 法 ﹂ と し て 造 林 の 外 、 立 木 の 伐 採 制 限 ・ 伐 採 後 の 植 林 ・ 樹 木 の 手 入 等 が 規 定 . さ れ て い る ρ .こ れ ら を み て も 、 山 林 に 求 め ら れ る も の が 肥 料 . 飼 料 . 燃 料 等 か ら 用 材 へ と 変 化 し つ づ あ る こ と を 察 知 で き る 。 こ の よ う な 用 材 を 得 る た め に は 、 ﹁ 営 林 方 法 ﹂ に 示 さ れ て い る 通 り ﹁ 喬 林 ハ 四 拾 年 以 上 、 矮 林 ハ 拾 年 以 上 ﹂ め 期 間 が 必 要 で あ り 、 そ こ か ら 五 十 年 と い う 割 当 期 間 が ま ず 薪 割 と 特 別 割 に つ い て 考 え ら れ た も の と 思 わ れ る β 旧 割 は 各 持 主 の 自 由 な 経 営 に 士 か さ れ て い た か ら 、 依 然 草 山 に し て お く 事 も 可 能 で あ っ た わ け で あ る が 、 然 し 用 材 に 対 す る 需 要 の 増 加 は 、 恐 危 く 旧 劇 山 の 用 途 を も 変 更 さ せ る こ と と な り 、 こ の 際 そ .の 割 当 期 間 も 延 長 さ れ る こ と と な っ た も の で あ ろ う 。 か ぐ し て 割 当 期 間 の 十 年 か ら 五 十 年 へ の 延 長 と い う 事 実 は 、 そ の 背 景 に 採 草 か ら 燃 料 採 取 、 さ ら に は 用 材 の た め の 植 林 へ と 、 村 有 山 林 の 利 用 目 的 が 変 化 し つ つ あ っ た と い 51 状 況 を 配 し て 理 解 さ れ ね ば な ら な い 。   以 上 は 明 治 三 十 八 年 当 時 新 た に 設 定 さ れ た 新 割 と 特 別 割 及 び 従 来 か ら 実 施 さ れ 来 っ た 旧 割 の 制 度 の 大 要 で あ る が 、 ・ こ れ ら の う ち 前 二 者 、 新 割 と 特 別 割 と は 昭 和 三 十 一 年 の 貸 与 条 例 に 規 定 さ れ て い る 通 り 、 今 日 に お い て も 尚 厳 重 に 実 施 さ れ て 、い み 。 ヒ の 外 今 日 で は 薪 割 と 同 様 に 取 扱 わ れ て い る も の に ﹁ 麦 在 家 割 ﹂ と 称 す る も の が あ る 。 貸 与 条 例 に よ る と 、 こ れ は                                                                                 昭 和 二 十 三 年 に ば じ め て 設 定 さ れ た も の で 、 そ れ ま で 村 有 山 林 の 利 益 を 享 受 し 得 な か っ た 麦 在 家 区 十 五 戸 に 対 し 、 約 一 町 歩 の 村 有 山 林 を 貸 与 し た も の で あ る 。   ﹂ 方 旧 割 は 上 述 の 如 く 明 治 十 五 年 以 来 、 村 内 に 限 り そ の ,権 利 の 売 買 が 認 め ら れ て き た た め 、 一 部 の 人 々 の 手 中 に 集 中 す

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写 る 傾 向 が 生 じ 、 昭 和 三 十 一 年 の 割 替 期 迄 に は 旧 割 の 権 利 を 有 す る 者 は 村 民 の 僅 か 十 % に 満 た ぬ 程 度 と な り 、 区 に よ っ て は   殆 ん ど 旧 割 を 有 し な い 区 さ え 生 じ た 。 殊 に 山 に 近 い 区 の 住 民 に よ っ て 占 有 さ れ る 結 果 と な り 、 山 新 田 の 住 民 が 旧 割 全 体 の   三 分 の 一 、 清 水 ・ 大 柳 ・ 温 湯 の 住 民 が 同 じ く 三 分 の 一 を 保 持 し 、 残 る 三 分 の 一 が 右 以 外 の 区 民 の 手 に 分 散 す る と い う 状 況 で .   あ っ た が 、 中 に は 一 戸 で 二 百 割 、( 約 二 十 町 ) 余 を 保 持 す る 材 木 商 す ら 発 生 し た 位 で あ る 。 当 初 は も と よ り 権 利 の 売 買 は 割 替   期 ま で の 期 限 つ き で あ っ た 筈 で あ る が 、 こ の よ う な 売 買 が 行 わ れ 、 買 主 が そ こ に 植 林 す る よ う に な っ て く る と 、 年 限 が 来 て   も 村 へ の 一 斉 返 還 は 実 際 問 題 と し て 実 行 困 難 と な り 、 割 替 が 事 実 上 不 可 能 と な っ て く る 。 明 治 三 十 九 年 の ﹁ 営 林 方 法 ﹂ e の   罰 当 期 間 五 十 年 の 規 定 の 但 書 に ﹁ 満 限 后 据 置 ク 事 ア ル ベ シ ﹂ と あ る の は 当 時 既 に 据 置 か ざ る を 得 な い 状 態 に な っ て い た か 、   或 い は 将 来 こ の 事 あ る を 予 測 し て い た と さ え 思 わ れ る 。 昭 和 三 十 一 年 の ﹁ 貸 与 条 例 ﹂ で は 同 じ く 割 替 規 定 ( 第 八 条 ) の 但 書         ヘ   ヘ    ヘ   ヘ    へ     に ﹁ 割 替 不 可 能 と 認 め る 場 合 は 其 儘 据 置 く 事 ﹂ と 一 層 具 体 的 に 割 替 が 事 実 上 不 可 能 な 状 態 と な る 事 、 . ま た は な っ て い る こ   と を 示 唆 し て い る 。 然 し こ れ だ け の 事 情 で あ れ ば 満 期 と な っ て も こ れ ら の 規 定 に 基 づ い て そ の ま ま の 状 態 で 据 置 く こ と が   で き た 筈 で あ る 。 然 し 本 来 村 有 の 山 林 を 殆 ん ど 私 有 林 と 同 様 の 状 態 に ま で 進 行 し た ま ま に し て お く こ と は 不 合 理 で あ る ど     の 批 判 が あ り 、 そ こ に た ま た ま 生 じ た の が 当 村 の 上 水 道 問 題 で あ っ た 。 こ の 建 設 資 金 を 調 達 ず る た め に 、 旧 割 を 当 時 の 持   主 に 売 渡 ← て 、 割 山 を 名 実 と も に そ の 持 主 の 私 有 地 之 な し 、 そ の 代 金 を 以 て こ れ に 充 当 し よ う と い う 計 画 が 考 案 さ れ 、 昭   和 三 十 一 年 七 月 の 村 議 会 に お い て 旧 割 山 の 売 渡 し 処 分 が 議 決 さ れ た 。 翌 三 十 二 年 六 月 二 十 五 日 付 を 以 て 、 こ の ﹁ 村 有 財 産   の 処 分 お よ び 事 業 の 実 施 に つ い て ﹂ 県 の 承 認 (長 野 県 指 令 三 二 地 方 五 〇 八 号 ) を 得 、 い よ い よ 旧 割 の 解 体 が 実 行 さ れ る 運 び と   な っ た 。 然 し 売 渡 し 処 分 の 実 行 に 当 っ て は か な り に 困 難 な 問 題 が 多 く 、 昭 和 三 十 二 年 綿 内 旧 割 山 小 作 人 (現 保 持 者 ) 組 合 が   結 成 さ れ た 。 同 組 合 の 村 民 に 対 す る ア ピ ー ル に よ る と 、 旧 割 は ﹁ 特 殊 な 割 地 の 小 作 地 で あ り 、 又 村 内 売 買 を 認 め て 来 た 土 地  一 を 、 ' 更 に 多 額 の 財 産 支 出 を 要 す る 買 受 け 問 題 は 私 達 の 重 大 問 題 で 、 方 法 如 何 に よ っ て は 農 家 経 済 の 破 た ん と も な り か ね ﹂             信 州 綿 内 村 に お け る 山 割 制 度 の 変 質 過 程                     .                、    二 九

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● '           信 州 綿 内 村 に お け る 山 割 制 度 の 硬 質 過 程                       .                    三 〇 `な い と い う 立 場 か ら 、 小 作 権 の 尊 重 ・ 現 在 の 小 作 人 に 対 す る 売 渡 し ・ 個 人 登 記 等 を 主 張 し た 。 こ れ 航 は 概 ね 容 認 さ れ た よ う で あ る が 、 そ の 後 価 格 の 決 定 と 代 金 の 納 入 方 法 等 に つ い て 論 議 を 重 ね 、 昭 和 三 十 五 年 四 月 に 至 っ て 漸 く 瑞 穂 町 綿 内 旧 割     ・綿 内 旧 割 學 別 等 級 表 、 ﹁       山 処 理 委 員 会 と 、 同 じ く 小 作 人 組 A . と の 間 晟 立 し 叢 決 審 垂                                               づ き 、 左 の 如 く 決 定 し た 。

甲 、 ,地 乙 四 五 東 扇 清 宮 大 小 大 太岩 前 北 山 .水 豆 曲 曲 釦 ・ 崎 平 山 林 皮 屋 尾 部 り 田 脇 上   上 上 上'上 上 上 上 中 中 中 中1上 中 中 中 中 下 下 下 下 上 中 下 下 下 '中 下 下      下下 下 石 尾 沢 上 南 太 郎 ﹁ 仲 太 郎   リヒ コ 太     郎 太 郎 夕 日 上 上'上 上 .中 中.中 下 下 下 下 下

=

七 八 九 下 下 ﹁ 一 、 単 価 ( 一 坪 当 ) 等     級 一 二 二 一 三 単 四 一 五 六 } 七 一 八 、ア 価 ・・   三 ⊥ 三 七 =葱 一三 ・ 三 二 五 二 五 二 一   充 ﹁ U     二 、 売 買 金 納 入 方 法       e   昭 和 三 十 五 年 十 一 月 末 日 ま で に 納 入 し た 者 に 対 し て は 、 上 記 の 単         価 に 対 し 、 二 割 の 奨 励 金 を 出 す       ⇔   昭 和 三 十 六 年 三 月 末 日 ま で に 納 入 し た 者 に 対 し て は 、 上 記 の 単 価         に 対 し 、 一 割 の 奨 励 金 を 出 す       ⇔   上 記 期 日 ま で に 納 入 出 来 な か っ た 者 に 対 し て は 、 十 ケ 年 均 等 償 還         と す る         ' . 偵 し 上 記 単 価 の 一 割 を 引 い た 額 と し 、 ・年 利 七 分 の 利 息 を つ け る       ㈲   昭 和 三 十 五 年 十 一 月 末 日 ま で に 納 入 出 来 な か っ た 者 に 対 し て は 、         本 年 度 に 限 り 、 小 作 料 を 納 入 願 う こ と       ㈲ 髄 登 記 の 方 法 は 現 状 通 り と し 、 図 面 上 に て 行 う .,            ・L 右 に 定 め ら れ た 九 等 級 を 現 地 に 適 用 し て 、 上 に 掲 げ た ﹁ 線 内 旧 割 山 字 別 等 級 表 ﹂ ボ 作 成 さ れ た 。 こ れ ら に 基 づ い て 代 金 の 支 払 が 済 み ﹁ 個 人 登 記 が 完 了 し た 塒 に 、 `旧 割 が 完 全 に 解 体 す る こ 乏 に な る わ け で

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地 管 馬 坊 堂 大 小 久     之 坪 坪 保 越 平 入 根 根 地丙 購 ノ 他 岐 上 上 上     上 上 中 中 中 上 上 中 南 下 下 下 中 中 下 下 下 下 上 上 中 中 下 下 下 下 ︹ 備 考 ︺ 其 他 の 内 地 と に 追 河 ・ 日 向 ( 日 陰 ) 宇 津 木 沢 ㎏ 土 井 久 保 。 鼓 岩 ・     木 曽 殿 城 つ 里 宮 ・ 北 妙 徳 を い う あ る が 、 右 納 入 方 法 第 二 項 に よ っ て 昭 和 三 十 六 年 三 月 末 日 で 概 ね 完 了 し 、 こ こ に 天 保 二 年 創 始 以 来 漸 次 私 有 地 化 の 道 を 歩 ん で 来 た 旧 割 が 完 全 に 私 有 林 に 転 化 を 終 え る こ と と な っ た 。 四   結 口   以 上 信 州 綿 内 村 の 山 型 制 度 に つ い て 、 天 保 二 年 創 始 以 後 昭 和 三 十 ' 一 年 旧 割 出 廃 止 決 定 に 至 る 経 緯 を 略 述 し た 。 新 割 ﹂ 特 別 割 . 麦 在 家 割 等 は 設 定 以 来 、 未 だ そ の 制 度 に 変 更 な く 、 そ の ま ま 今 日 に お い て も 実 施 さ れ て い る 。 二 ﹂方 旧 割 は 元 来 入 会 山 で あ り ( 当 初 は 村 の 共 同 体 的 規 制 が 強 固 に 維 持 さ れ て い て 、 割 山 と い っ て も 入 会 関 係 の 単 な る 二 形 態 に す ぎ な か っ た の で あ る が 、 そ の 段 階 か ら 脱 け 出 て そ の 歴 史 的 ・ 過 渡 的 性 格 を 顕 わ に し 、 漸 次 私 有 地 へ と 接 近 し て 遂 に ば 私 有 地 化 す る に 至 る 。 山 割 制 度 の こ の 変 質 過 程 は 二 つ の 側 面 に 分 っ て 捉 実 る こ 、と が で き る 。 一 は 割 当 期 間 の 延 長 で あ り 、 他 は 割 受 入 が 割 山 に 対 し て 有 す る 権 利 即 ち 割 地 権 の 拡 大 で あ る 。 幽ま ず 割 当 期 間 .の 延 長 は 三 段 に わ た っ て 進 行 し た 。 天 保 二 年 に 創 始 し た 時 は 十 年 間 試 み に 実 施 し て み た の で あ っ て そ の 後 の こ と は 不 定 で あ っ た が 、 明 治 初 年 の 場 合 は 十 年 に 一 度 ず つ 定 期 的 に 割 替 え る と い う 申 合 せ が 成 立 し 、 こ こ に ﹄ つ の 前 進 が あ っ た 。 つ い で 明 治 三 十 八 年 に は 薪 割 の 設 定 と 同 時 に 、 一 挙 五 十 年 に 延 長 さ れ た 。 こ の 背 後 に は 既 に 江 戸 時 代 か ら 始 ま っ て い ,た 入 会 山 ま た は 割 山 の 利 用 目 的 の 変 化 が 密 接 な 関 連 を も っ て い た 。 即 ち 綿 内 村 入 会 山 は 元 来 草 山 で 、 肥 料 ゆ 飼 料 ゆ 燃 料 等 の 供 給 源 で あ .り 、 就 中 採 草 に 重 点 が あ っ た が 、 山 割 実 施 を 契 機 と し て .、 漸 次 薪 山 に 変 化 す る 傾 向 が あ .つ た 。 こ れ に は .           信 州 綿 内 村 に お け る 山 割 制 度 の 変 質 過 程                                             ﹂ =

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9           信 州 綿 内 村 に お け る 山 割 制 度 の 変 質 過 程                                         、  ミ ニ 採 草 を 不 必 要 な ら し め た 購 入 肥 料 の 普 及 が 前 提 と な っ て い た 。 明 治 時 代 に は い り 、 さ ら に 用 材 の た め の 植 林 へ と 重 点 が 移 、 行 ず る に 及 び 、 十 年 と い う 短 期 間 で は も は や そ の 目 的 に 適 し な く な っ た 。 そ こ で 喬 林 を 得 る た め の 期 間 た る 四 十 年 を 越 え て 、 五 十 年 と い う 割 当 期 間 が 採 用 さ れ た も の で あ ろ う 。 然 し 動 機 は そ の よ う な 技 術 的 な も の に す ぎ な く て も 、 こ の 割 当 期 間 の 延 長 が 結 果 と し て 、 各 戸 の 割 山 に 対 す る 結 合 を 強 化 し 、 次 に 述 べ る 割 地 権 の 移 転 と 相 ま っ て 、 私 有 制 成 立 へ の 一 つ の 足 が か り に な っ た こ と は 否 定 で き な い 。 そ し て 昭 和 三 十 一 年 の 旧 割 売 渡 決 定 は 、 割 当 期 間 延 長 の 最 後 の 階 段 で あ っ た と 考 . ・ え る こ と も で き る で あ ろ う 。   次 に 割 地 権 の 拡 大 で あ る が 、 元 来 割 山 の 譲 渡 は 、 地 盤 は も と よ り 割 当 期 間 中 の 用 益 権 さ え も 認 め ら れ な か っ た 。 と こ ろ が 灰 保 二 年 創 始 後 間 も な い 天 保 六 ・ 七 年 頃 に は 早 く も 既 に 割 山 の 質 入 が 相 当 に 行 わ れ て い た 。 以 後 明 治 十 五 年 ( .一 八 八 二 ) に 至 為 間 は 禁 止 規 定 ( 文 政 + 年 九 月 山 割 議 定 書 、 慶 応 元 年 五 月 割 出 規 定 取 極 一 札 ) が あ る に も 憐 か わ ら ず 、  実 際 に は 内 密 に 割 地 権 の 移 転 (売 買 . 質 ス . 書 入 ) が か な り 一 般 的 に 行 わ れ た 。 こ こ に 至 っ て は じ め て 山 割 制 度 に 巡 渡 的 性 格 の 萌 芽 が 生 じ た と 考 え て よ か る う 。 次 の 時 期 、 即 ち 明 治 十 五 年 か ら 昭 和 三 十 一 年 に 至 る 間 は 村 内 に 限 り 、 即 ち 買 手 が 村 民 で あ る 場 合 に 限 り 、 村 の 規 定 に よ っ て 公 認 さ れ た 。 従 っ て 村 役 場 の 台 帳 に よ っ て 処 理 さ れ る わ け で 、 こ の 売 買 は 法 的 に は 成 立 し な い 、 村 内 限 り の 約 束 に 基 づ べ も の で あ っ た 。 ざ り と は い 流 、 こ の よ う な 売 買 は 村 内 限 り と い う 一 定 の 制 限 付 乍 ら 公 然 と 行 わ れ る こ と ・ に な っ た か ら 、 事 実 上 の 私 有 化 が こ の 期 間 に 進 行 し た と み て よ い 。 昭 和 三 十 一 年 旧 割 山 売 渡 決 定 後 、 村 内 売 買 が 従 来 認 め ら れ て き た 土 地 を 地 主 が あ ら た め て 買 受 け る と い う こ と に つ い て 、 持 主 等 の 間 で か な り の 抵 抗 が 感 ぜ ら れ た の は そ の た め で あ る 。 こ こ に 至 っ て 漸 く 山 割 制 度 の 過 度 的 性 格 が 顕 然 化 し た 。 然 し 乍, ら こ こ ま で の 段 階 で は 、 割 山 の 譲 渡 は 規 則 上 あ く ま で も 割 当 期 間 中 の 割 地 権 の 譲 渡 に す ぎ な い 。 昭 和 三 十 一 年 七 月 に 決 定 さ れ 三 十 六 年 三 月 概 ね 完 了 し た 旧 割 の 売 渡 に よ っ て は じ め て 持 主 は 地 盤 差 の も の を 何 ら の 制 限 も 付 せ ら れ る こ と な し に 処 分 し 得 る 権 利 を 獲 得 し 、 こ こ に 綿 内 村 の 割 山 の う ・

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' ち 旧 割 の 部 分 は 完 全 な 私 有 地 に 転 化 ず る こ と と な っ た 。 以 上 か 要 ず る に 、 露 政 時 代 に は 領 主 は 何 ら が の ﹁ 思 召 ﹂ ・に よ り 、 村 民 の 利 用 を と ど め 、 綿 内 村 の 割 山 を 引 上 げ る こ と が で き た 。 ま た 村 も 規 則 に 違 反 し た 場 合 そ の 割 山 を 没 収 す る 規 約 を 有 し 、 さ ら に 割 替 が 行 わ れ る と い う こ と 自 体 が 村 の 割 山 回 牧 権 の 存 続 を 意 味 し た 。 こ れ ら の 事 実 に よ っ て 端 的 に 示 さ れ て い る よ う に 、 綿 内 村 民 の 草 山 に 対 す る 権 利 は 封 建 的 並 び に 共 同 体 的 の 二 重 の 制 約 を 蒙 っ て い て 、 所 有 権 と は は る か に 遠 い 性 格 の も の で あ っ た 軌 と こ ろ が 山 割 実 施 以 後 、 制 度 の い く つ か の 変 質 過 程 を 経 て 、  村 民 各 戸 の 割 山 に 対 す る 権 利 が 次 第 に 強 固 と な っ た 。 そ し て 明 治 以 後 村 民 各 戸 に よ る 割 山 の 売 買 が 、 村 民 を 買 手 と す る 場 合 に 限 る と は い え 、 盛 ん に 行 わ れ て く る と 、 村 も 実 際 上 持 主 か ら 割 山 を 回 牧 し て 割 替 を 実 施 す る こ と が で き な く な り 、 遂 に 昭 和 年 代 に 至 っ て 割 山 は 完 全 に 私 有 地 化 す る こ と と な っ た わ げ で あ る 。             .                        ・   山 割 制 度 の 歴 史 的 意 義 は 林 野 の 入 会 関 係 を 解 体 し て 、 そ こ に 個 人 的 ・ 私 的 所 有 関 係 を 成 立 さ せ る 過 渡 的 な 役 割 を 果 す と い う こ と ば か り で は な く 、 か く し て 私 的 所 有 関 係 が 確 立 し た 山 林 に 、 い か な る 形 で 私 的 企 業 と し て の 山 林 経 営 が 成 立 す る か と い う 点 に も か か っ て い る と 思 う 。 こ の 意 味 で 、 天 保 年 間 以 来 質 流 等 の 形 で 割 山 が 集 中 し た 山 新 田 区 に 、 こ の 共 同 体 的 規 制 の 弛 緩 し つ つ あ る 割 山 を 足 場 に し て 、 材 木 の 取 引 に 従 事 す る 商 人 が 出 現 し た こ と は 注 目 に 値 す る 事 実 で あ る が 、 こ れ ら に つ い て は 稿 を 改 め て 考 察 す る こ と に し た い 。   '                                .        -④ ③ ② ① 藩 政 時 代 の 組 と 現 在 の 部 落 ( 区 ) と の 関 係 に つ い て は 拙 稿 ﹁ 信 洲 綿 内 村 に お け る 山 割 制 度 の 創 始 事 情 ﹂ ( 彦 根 論 叢 第 七 九 号 ) 三 三 頁 所 掲 第 一 表 参 照 。 前 掲 拙 稿 。 年 代 の 記 載 は な い が 文 政 年 間 の も の と 推 定 さ れ る ﹁ 躰 意 書 ﹂   ( 若 穗 町 役 場 所 蔵 、 前 掲 拙 稿 三 三 一 四 頁 ) 。 こ の よ う な 事 態 は 当 地 方 の 幕 末 に お け る 割 出 に か な り } 般 的 で あ っ た と み え 、 近 隣 の 保 科 村 ( 松 代 藩 領 ) よ り 松 代 藩 郡 奉 行 宛 天 保 十 四 年 十 月 提 出 さ                                                                 ヤ   ヘ    ヘ    へ    う    ヘ   ヘ    ヘ    ヤ    ヤ    ヤ         ヘ   ヤ    ヘ    ヘ    ヘ    ヘ    へ    し    ぬ    ゐ    ヘ    ヘ    ヤ    へ    う    ヘ    ロ 東 琉 、﹁ 魎 唱 唱 山 、 ( 借 囎 河 赫 堺 田 区 有 ) に は 、 赤 野 田 村 の 内 山 (村 狩 山 ) に つ い て 、 ﹁ 内 山 銘 々 持 と 相 成 い ハ 、 、 難 渋 之 者 共 は 為 時 凌 譲 渡 、 手 廻 ウ 御 座 い 者 共 江 而 巳 片 寄 い は 歴 然 之 儀 二 御 座 協 、 右 ハ 宝 暦 之 度 頂 戴 仕 い 内 山 杯 も 最 初 ハ 軒 別 割 二 而 所 持 仕 罷 在 協 由 之 所 、 当 時 当 村 を 始 他 村 二 而 譲 受 置 い       信 州 綿 内 村 に お け る 山 割 制 度 の 変 質 過 程             ■                              三 三

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⑦ ⑥ ⑤ ⑨ ⑧ ⑩ ⑫ ⑪ ⑭ ⑬       信 州 綿 内 村 に お け る 山 割 制 度 の 変 質 過 程   ・                                        三 四   も        う   も   う   も   も   ヘ    ヘ    ヘ   ヘ   へ   ゐ 儀 、 村 内 二 而 も 所 持 不 仕 者 勝 二 御 座 に ﹂ と あ り 、 赤 野 田 村 の 内 山 を 軒 別 割 出 に 付 し た と こ ろ 、 国 財 者 が そ の 場 し の ぎ の た め に 割 出 を 譲 渡 す る 結 果 、 村 内 に 山 を 有 せ ざ る 者 が 多 く な っ た 、 と 歎 い て い る 。 前 掲 拙 稿 三 七 頁 。 前 掲 拙 稿 三 八 -四 一 頁 。 本 文 中 に 引 用 し た 綿 内 村 有 山 林 の 管 理 規 程 及 び 営 林 方 法 ば 上 町 区 に 保 存 さ れ て い る も の に 依 拠 し た が 、 こ れ に は .﹁ 明 治 三 十 九 年 ﹂ と 表 記 さ れ て い る 。 然 し 管 理 規 程 附 則 に よ る と 、 こ の 度 の 山 割 に 関 し て は す べ て 明 治 三 十 八 年 四 月 一 日 が 基 準 と さ れ て お り 、 ま た 薪 割 山 に 関 ナ る 上 町 区 の ﹁ 区 有 山 林 管 理 規 程 ﹂ は 明 治 三 十 八 年 に 作 成 さ れ て い る か ら 、 新 割 山 の 設 定 年 度 は 三 十 八 年 と す べ き で あ ろ う 。 明 治 三 十 九 年 ﹁ 綿 内 村 公 有 山 林 営 林 方 法 ﹂ の 引 用 文 中 、 括 弧 に い れ た 番 号 並 び に 記 号 は 筆 者 が 便 宜 上 付 し た も の で あ る Q .占 の 共 有 地 は 千 曲 川 の 川 原 に お け る 割 替 耕 地 で あ っ て 上 町 . 町 . 南 北 浦 町 ・ 東 西 古 屋 ・ 薩 ノ 町 ・ 万 年 高 等 の 各 区 民 の 一 部 が 定 期 (各 区 に よ っ て 異 な る ) 的 に 劉 替 え て い る も の で あ る   (奥 田 或 . 神 馬 仁 太 郎 両 氏 ﹁ 長 野 県 上 高 井 郡 綿 内 村 の 地 割 制 度 ﹂ 熱 帯 農 学 会 誌 第 二 巻 第 二 号 ) 。 前 掲 拙 稿 に お い て 山 割 は 耕 地 割 替 と 必 然 的 関 係 な き 事 を 綿 内 村 の 例 を 以 て 論 じ た が 、 し い て い え ば 明 治 三 十 八 年 の 特 別 割 が こ の 割 替 耕 地 を 有 せ ざ る 者 に の み 与 え ら れ て お り 、 .い わ ば 消 極 的 な 関 係 を も っ て い る と い え る 。 然 し こ れ は 綿 内 村 の 割 山 全 体 か ら み れ ば 、 ご く 僅 か だ 一 部 分 の こ と で は あ り 、 ま た 江 戸 時 代 の 山 割 制 度 に 限 定 し て 、 耕 地 の 割 替 と の 関 係 を と り 上 げ た 前 掲 拙 稿 の 論 旨 を 何 ら さ ま た げ る も の で は な い 。 こ れ は 各 区 大 差 な い も の 乏 思 う が 、 上 町 区 の 明 治 三 十 八 年 ﹁ 区 有 山 林 管 理 規 程 ﹂ に よ る と 、 各 区 で 定 め た 規 程 は 村 の ﹁ 管 理 規 程 ﹂ 及 び ﹁ 営 林 方 法 ﹂ の 原 則 を そ の ま ま 踏 襲 し 、 こ れ ら の 一 般 原 則 の 外 に 、 施 行 細 則 と し て 各 区 に 与 え ら れ た 甲 ・ 乙 二 割 の 薪 割 山 の 夫 々 に つ い て 、 実 地 に 則 し た 植 栽 方 法 等 を 一 層 具 体 的 に 規 定 し て い る 。 明 治 十 二 年 十 二 月 調 ﹁ 十 年 割 出 租 税 諸 費 割 立 帳 ﹂   (若 穂 町 役 場 所 蔵 ) 。 明 治 四 年 以 後 明 治 三 十 八 年 ま で の 間 に 割 替 が 実 施 さ れ た こ と を 示 す 適 確 な 史 料 は 見 当 ら な い か ら 、 或 い は 明 治 初 年 割 替 え た ま ま で 据 置 か れ て い た か も し れ な い 。 前 掲 拙 稿 四 一 -二 頁 。 天 保 二 年 の 山 割 の 際 、 は 印 三 番 の 山 を 割 当 て ら れ た の は 、 て 組 五 十 一 人 の 外 に ﹁ 皮 屋 五 人 分 ﹂ 計 五 十 六 人 で あ っ た が 、 こ の 皮 屋 は 後 の 麦 在 家 区 と 無 関 係 で は な か っ た と 思 わ れ る か ら 、 麦 在 家 区 が 麦 在 家 割 を 得 る 以 前 、 村 有 山 林 に お い て 全 く そ の 権 利 が な か っ た わ け で は な い か も し れ な い 。 ︹ 後 記 ︺ ' 本 稿 並 び に 前 編 (本 誌 第 七 九 号 所 載 ﹁ 儒 州 綿 噛 村 に お け る 山 割 制 度 の 創 始 事 柄 ﹂ ) を 作 成 す る に 当 り γ 長 野 県 上 高 井 郡 若 穂 町 長   石 田 治 太 郎 氏 は じ め 、 町 当 局 及 び 同 町 教 育 委 員 会 ・ 公 民 館 並 び に 多 数 の 町 民 各 位 の 絶 大 な る 御 理 解 と 御 援 助 と を 添 う し た 。 特 に   調 査 期 間 甲 、 綿 内 上 町 の 本 藤 義 松 氏 に は 終 始 御 厚 情 と 御 配 慮 と を 頂 い た 。 以 上 の 各 位 に 対 し 、 深 く 感 謝 の 意 を 表 す る 次 第 で あ る 。

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