=一〇
統計比率とその推定方法
馬
場
士
口行
一 は し が き 統計比率︵Q自富缶ω費。。。みe。江。︶、あるいは統計的比率︵ωけ巴ω二。巴冨ぎ︶は、統計的平均値とともに、統計調査の結果の 集計・公表において、さらに進んで統計分析において、重要な指標を提供する。 統計比率の実質的意義については、従来主としてドイツ社会統計学派の研究があり、わが国に適いてもその流れをく む学者により考察されてきた。しかしながら、これらはいすれもいわゆる全部調査︵完全調査・悉皆大量観察︶を基調とす るものであって、標本調査法︵統計調査代表法︶における問題、 ととにその形式的意昧についての考察はおこなわれてお らないQ 他方、数学的確率論にもとすく任意標本調査法は、主として英・米両国において、 一九二〇年代から展開され、基本 誘導統計値−i統計的平均・統計比率−一の推定法についても、平均の推定︵﹀く9品①一。五目讐⑦︶、比の推定︵菊巴? ③ 。ω銘日簿①︶の諸方式が創案され、実用化されている。 わたくしは、標本調査法を代表標本を基軸とする統計調査代用法と解し、代表性を平均性においてとらえる任意標本 ④ 調査法と、代表性を典型性においてとらえる典型調査法の二つとする。わたくしは本稿においてとの観点から、統計比率の実質的意義と形式的意味を反省し、その推定方法の基礎を、その実質的意義と、標本選出の方法とから吟味する。 そして従来統計調査代用法において、問題とされることの少なかった典型調査法の立場から、統計比率の意義ならびに 推定方法をとりあげ、任意標本調査法における推定方法と対比して考察し、現在における統計比率のもつ問題点を睨ら かにしょうと思う。 ①② たどえば次の諸書を参照。 蜷川虎三、統計利用の基本問題、岩波書店、昭和七年、第四章 統計利用の意義と形態。︵蜷川①︶ 同、統計学概論、岩波書店、昭和九年、第三章 統計利用の実際。 ︵蜷川②︶ ℃㊤巳固器冨日高①き≧に。日①ぎΦω訂諺諜鮮く㊤冨ぴq菊8ゴ曽伍竃Φ5①さ日当O︵大橋隆憲・足利末男共訳、フラスケンパー、一般統計 学、農林統計協会、昭和二八年︶ ③たとえば次の諸書を参照。 寓・国.頃磐ωoP毛.三国霞註月毛.ρ巨悪。押QQ帥露且。ω弩く。物忌①窪&ω磐山目冨。昌噂く9一欝MH”臼。ぼ≦ぽ矯欝ωo房・ ぎPZo毛嘱。鼻噛お㎝Qo。 窯・国・U2Bぎαq堕ω9B①目げOO﹃矯Ohω”ヨO嵩旨帥q噛匂O匡昌ぐ唄筥O矯卿ωO昌ロ厚層H昌ρbZO≦唄O﹁ぎHO㎝O︵斎⋮藤金一郎部分訳、標本調査の理 論、培風館、昭和二八年︶ 類●ρOoo冒魯礪qり帥日℃Mぼひq頴。ぽ一ρ億oq。”旨。ぎ≦辞鴇簿qDo器噸貯。.噂ZΦ皇猷霞F6器● 拙著、誤差法則と抽出理論、関書院、昭和二四年。︵拙著ω︶ 拙著、杜会統計学と抽出理論︵増補版︶、有斐閣、昭和三〇年。 ︵拙著②︶ ④ 拙著1、2Q 拙稿、 ﹁標本調査法におけ菊代表性の二二﹂彦根論叢第三四号、昭和三一年=一月。 ︵拙稿ω︶ 拙稿、﹁標本調査法の基本問題﹂京都大学経済学会、経済論叢第七九巻第四号、昭和三二年四月。 ︵拙稿②︶ 拙稿、 ﹁標本調査法の課題﹂彦根論叢第四六・四七合併号、昭和三三年九月。 ︵拙稿偶︶ 統計比率とその推定方法︵馬場︶ ︸二一 軌
、 ==一
二統計比率とその問題
基本的な統計比率は、二つの相対応する統計値の比であらわされる。以下わたくしは、とれをe構成比率、⇔関係比 率、⇔同種比率︵指数︶と区分し、その実質的意義ならびに形式的性質を吟味しようと思うQ O 構 成 比 率 たとえば、全人口に対する男子人口の割合とか、全出生児数に対する男子出生児数の割合︵男子出生率︶というように、 統計調査においてある特性︵たとえば性別︶をとるとき、その特性により構成因子がA、非Aに区分され、総数sがaと bとに分れるとする。このとき ① 国 び σ 一 騨+σ.H﹂門、 帥+ぴ11﹂門 O をそれぞれ、特性A、非Aの構成比率とよぼう。この特性により、対象である社会的集団が、A、B、Cなどに分かれ るとき、ωの形を反復用いると、構成比率@
@
@
艨@叩 ∵⋮⋮ス・貼+ぴ吉⋮︶ ②
を得る。 ② すでにわたくしが指摘したように、社会的・経済的集団現象は、本来運動しているものであり、とれを数量的につか むために、時点的あるいは時雨的存在をとらえ、静態統計値・動態統計値を得たのである。したがって構成比率は、本 ③ 来社会的集団現象の動きのなかに、変化し変質・交替してゆくものである。したがってとれは、静態統計・動態統計い すれにおいても老えられる。また構成比率を生ぜしめる特性も忌質的・量的いすれをも取りうるのであるり人口調査に おいて、性別・職業別などは質的特性であり、年齢・所得金額などは量的特性である。つぎに構成比率はつねに、 図﹀陣 ︾μ十︾憶十⋮⋮⋮:・十︾屠 一 MQD一uω鱒+ω博+:⋮⋮⋮・+ω宕 ㊤ の形であらわされることを示そう。 人口調杏において、男子の割合を調べるとする。入口の構成因子︵単位︶を個入ととれば、個人の総数Nと、そのう ち男子の総数Aとを数えれば、構成比率A一Nを得る。このとき調杏される個人に順次に番号をつけると、次のような 表ができる。 男 調査 番号 1 1 1← :− −← 1 1 噌■ ﹁占 ::. :− 1 2 3 4 5: ⋮: :::N
A
N
計 とのとき調査単位ごとに男の個別比率を考えると ド 9 炉 炉 O:⋮・:⋮・・:一 なる系列︵集合︶を得る。これを家族︵世帯︶単位にまとめ、 あるいは調査する場合には ㈲ ㈲薄懸睡数
馬馬馬。馬馬⋮・ ⋮− ⋮−−細 ふ亀亀ふ銑⋮: ⋮⋮・蝕 1 2345⋮⋮⋮⋮⋮−⋮−⋮− ⋮:−・N 計1!ΣSi lΣAi 統計比率とその推定方法︵馬場︶ =一三 〈6) 9一二四 の表を得る。とこに
k闇﹁ レ﹁ 陣:⋮⋮⋮・陵 の
Qり幽. QDに. P Qつ属 ︵ は家族ごとの男子の割合をしめす佃別比率であり、㈲すなわち 図︾凶 ︾ 十︾博十︾篇十⋮⋮⋮⋮十﹀名 ︶ 図﹁11Q。卑Q。ゆ+ωq.+⋮・⋮⋮・+。。2 ⑱ は全人口における男子の割合をしめす講成比率となる。 ⑥の形の表は、人口調査の場合、家族を単位とするときのほか、一般にωの集計について、何入かすつまとめる場合、 あるいは世帯別、集落別︵最小調査区別︶、地区別、地域別、あるいは職業別に、次第に集計範囲をぴろげて行くとき、 いすれもその形となる◎しかも@
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艨Eハ蕪人幽・ω・+砂・ω卑辮・ε\︵ω一十ω博十ω。。︶ ⑨
のように、⑧は⑦の加重算術平均となっている◎もちろん亀、3。、鼠などをすべて等しくとる場合には、単純算術平均 となるゆ いすれにしろ、との例において、系列︵集合︶㈲あるいは⑦から出発して、次第にその平均をとって、全平均⑧にい たっている。そしてSが相当大きくとられたとき、⑦、の形の比逡が、たがいにほぼ等しい値を示しているとき全入口に おいて、たとえば地域的にみて安定的な比率をもつとき、すでに人口の性別構成につき、安定的な経験法則が、地域性 にかかわらす存在することを示すであろう。あるいはまた職業別分類について、その値に相当の差異がある場合、また ︼っの経験法則が見出され、いわゆる階層別分類の基盤となる。要するに上の例において、構成比率は分子・分母の統計値が、具体的な事実・現象の数量的反映であって、全人口の性別構成という事実を数量的に示すものであるが、単に それに止まるのではないQ性別構成比率の安定性や各種の特殊性をそのなかに含んでいる一つの平均であり、統計的法 則を啓示する端初となっているQ 以上は、集団の構成単位を数えあげる場合であるが、構成単位について測る場合には、もっと上の関係がはっきりと 出てくる。たとえば工場調査において、ある期間、工場での総生産価額がS円、そのうち商品Wの生産価額がへ円であ るとすると、前出⑥とおなじ形の表を得るQそして⑦はおのおのの工場において、商品Wの生産価額の比率をあたえ、 ⑧は全工場についてその割合をあたえる構成比率である。そしてすでに考察した各工場での比率の安定・差違・平均の 考え方は、との場合にもすっかりあてはまる。 以上要するに、いわゆる構成比率は、全体に対する部分の割合を示すのであるが、とれを調査に即し、あるいは分類 集計に即して考えると、つねに⑧の形に帰せられるのである。もちろんある集団が、ある特性によりA・Bに類別され るとき、総和Sに対し、構成比率△S、B﹁Sを得るほか、A﹁Bの形も考えられる︵男子人口対女子人口︶。しかしこれは A一Sと旦Sとの比として求められる第二次的統計比率とみなされるQ ⇔ 関係 比 率 ω 第一種関係比率一つぎに同一集団において、構成単位iがもつ特性がたがいに関係づけられている場合を考え よう。いわゆる関係比率に属するもので、大別して因果比率と相関比率とされる。 たとえば家計調査において調査世帯iの実収入額を亀、食物の支出額をムとすると、 墨亀はこの世帯における収入 額に対する食物費支出の割合を示している。 統計比率とその推定方法︵馬場︶ =一五﹂
一二六 羅特性Al特性・ 馬馬馬⋮⋮: Al. ふ&ρ鯨::⋮: −駈 1 2 3■ :N 計liΣS五1ΣAl ⑩ ま
差にN項からな桑例︵集合︶含は、各世帯に存る、かかる紫の集合であり、釜は全世帯にわたる比率で
あり、塾亀の﹁種の平均と考えられる。この場合、支出缶が収入鋭の構成部分と考えうるときは、構成比率にぽかなら ない。しかし島とSとをたがいに関係している︵因果的に︶とみるならば、むしろ関係比率−特に因果比率一とみる べきであろうQ次に再調査に嶺て、商品Wの生産登・皇濡額A・の関係をみる表A享なわ垂饗関係紫︵・
のとき相関比率︶をあたえる。農業経営調査において、農家の⋮耕作面積と収穫高との関係をみるとき、この関係比率を得る。 関係比率が因果的か、相関的かは一応の区別にすぎない場合が多い。 とうした同一集団における関係比率についても、構成単位を群にまとめ、たとえば地理的には集落別、地帯別、地域 別、地区別にまとめて、次第にとの形の平均をとるものと考えられる。以上、統計値について考察した関係比率は、形 式的には、測定値集団の場合についても全くあてはまる。たとえば人体測定学において、個人の身長と体重との比率を 問題にする場合であるQこれは一般に他の形の比率についてもあてはまるQわたくしは以上考察した関係比率を第一種 となづけよう。 ② 第二種関係比率一関係比率において、次に問題となるのは、二つの異種の集団︵静態または動態︶において、両方の構成単位あるいは調査単位が、たがいに関連しているとき、両者の特性間の比率を求める場合がある。たとえば出 生率をとると、出生児集団︵動態︶と、その出生児を生んだ基礎となっている人口集団︵静態︶の両者がむすびつけられ るQとの場合、入口をどうとるかが問題である。このときやはり、上に述べたように、地域別に次第に、個別比率から 総合比率にまとめられ、平均化して全国一本の畠生率が得られる。そしてその形式はまったく上の⑥、⑦、⑧の順を追 っているQこの種の関係比率を第二種としておとう。
⇔同種比率︵指数︶
⑦ 最後に同種の相異なる二つの集団を対比する場合を考える。すなわち、社会的集団現象の推移、量的変化を、二つの 時点聞の対比ないし、二つの期間の対比どして考察しようとするもので、いわゆる指数に外ならない。たとえば、人口数 ⑧ の変化率、生産高の変化率などこれにあたる。之の場合二つの集団︵特性値の集合︶の対応関係が、実際的な問題となる。 同種比率の形式的平均化も、上の二つの場合とおなじく⑥、㈱、⑧の順に器こなわれる。なお時間的または時点的変化の渠に、場所的比較.事物的比較も考えられ・うが、覆かかる指轟轟ら血祭、舞的な意蓼もつか
どうかにかかっている。 以上において、わたくしは基本的な統計比率を二つの統計値の比と考えるとき、構成比率、関係比率、同種比率︵摺 数︶が取りあげられるととを述べ、これらが実質的・形式的に、いすれも構成単位、調査単位、集計単位よりみて、個 別比率から次第に総合比率として、平均化される点を指摘したのである。 ①たとえば蜷川虎三博士は統計比率を次のように分類しておられる。︵前出、蜷川ω、二八一頁以下および蜷川②、ご九八頁以下︶統計比率灘鱗擁蕪襲︷編盆景難
統計比率とその推定方法︵馬場︶ 二一七一二八 まだ局訂ω舞舞O霞は比率︵<①﹃げ餌剥け昌一〇〇N四げ一①旨︶を次の三つに区分している。 ︵前出書、上田訂。。犀餌旨ロ興.︾.ゆH癖︶ 9帯鎌。同ロロ暢N餌匡。昌︵構成比率︶
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冨。ωω鑓三〇ロ09ぎユ。図母三㊦昌︵測度比率、指数︶ 切①N邑注昌鴨器岳魯︵関係比率︶ ②前出、拙著1、2、前出拙稿1、2、3。 ③この点については、上杉正一郎、﹁統計調査の社会性﹂、大阪市立大学商学部、経営研究、第三〇号、昭和三一年一〇月を参照。 ④この点については、すでにわたくしは前出拙著ω、特にその第五章、統計的法則について一1抽出理論に関連して一において 指摘した。 ’ ⑤この形は、次の第一種関係比率とみることが出来る。 ⑥⑦ 注①の引用書参照。 ⑧前出国昏。。o昌露。・<o困.H“℃。。。α以下および℃●観。。以下参照。三統計比率の推定方法
わたくしは、標本調査法を代表標本を基軸とする総計調査代用法と規定し、代表性を典型的においてとらえる典型調 査法と、平均性においてとらえる任意標本調査法に区分したゆそして本来の標本調査法はこの両者の統㎜として把握す ① べきものと考える。 そとで前節においてその実質的意義と形式的性格を考察した統計比率につき、その推定方法を意えるとき、上の両方 法についてその性質を吟味し、次にその総合統﹁をはかることとなるりさて形式的には、基本的な統計比衷は、その種 類の如何を血間わす、いすれも個別比率・ ︾鳳 ︾㎏ ﹀騎 ﹀鵠 一 1剖. ﹂判. ω‘.、⋮:⋮⋮.ω乞 α ’の平均として
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により求められる。したがって②の推定の問題はますωなるN個の個別比率から,適当なn個 鋤一 帥悼 帥禺 , 、ノ サ のコロゆ ロコのラ お も り ほく ロαμ 9 ωロ を選定し、その平均として 図些 斜十欝十⋮⋮一:・十鋤昌 ︶N11凹臼11ωμよ等−⋮⋮⋮+。・。 但
を求め、rをRの推定値とみられうるかという点にある。なおおRよびrは@
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司図9 司︵ω・+の騨.−⋮:⋮.些し と書きうる。したがって角、亀の算術平均の推定値と・して、馬、馬の算術平均をとりえないかとも考えられる。すなわ ち、Rは比率の平均か、または平均の比率かと考えられ、rはその推定値として、両方面から吟味されうるわけである。 O 典型調査法における問題 .前節に嶺て、個別比甕票・総合離婁にいたるには、数次の段階を経る・考きれる点を述べた。そ毛あ
統計比率とその推定方法︵馬場︶ =一九ニニ○ ユ
る段階簿ける紫畿が淫その値達し手るとき、平均暴はまた・れらの値・ほぼ等しい婆とるであろう。
また比率鋤鏡がいくつかの値の組にわかれるとみられるとき、この点から比率の階層別iびいてその基盤となってい る集団︵構成比率、第一種関係比率の場合︶、あるいは集団の対応関係︵第二種関係比率、指数の場合︶の階層わけが考慮される のである。そこで典型調査法をとる場合、問題とする統計比率の基盤となる集団。対応関係につき、全体の典型とみう る部分をとり得るとき、ωから典型的な㈲を選定することが出来る。とのことは統計比率を比率の平均、平均の比率の いすれを考えてもあてはまる。なお上の基盤において質的に階層わけしうる場合、各階層のなかにおいて右の老察をな しうる。 ◎ 任意標本調査法における問題 任意標本調査においては、集団の構成因子をそのまま、あるいはこれをまとめて抽出単位をつくり、かかる抽出単位 の集合を抽出母域︵dロ一く⑦﹁ロロ①︶と考える。そしてある特性につき取ったこれらの特性値の集合を母集団︵勺。で巳豊op︶と し、ここから任意抽.出した単位の集合を標本とするとき、標本平均から母集団平均を椎参するのが、いわゆる平均推定 法であり、任意標本調査法の基本的な推定法である。 ます構成比率において、たとえば男子人口の割合を考える。抽出単位を個人ととるとき、男ならば一、女ならば0な る値をあたえると、すでに述べたように②は母域における男子入口の割合Pを、ωは任意標本におけるその割合Pを あらわし、PをもってPを推定することとなる。したがって、この形の比率の推定については、平均の推定の論理をそ のまま適用することが出来るQ しかしながら上例において抽出単位を世帯とか、地区とかにとれば、Rの推定は、平均点定法をとるかぎり、畿およ び亀の総和︵または平均︶の推定にわかたれるQこのとき全集団において構成される抽出母域に拙、Sという二つの特性値︵母集団︶がむすびつけられ、任意抽出により得た標本は、 衡と角なる特性値をもつわけである。 さて、N個の抽出単位からn個を任意抽出するとき、馬、Sの平均︵﹁A、一S︶の推定値はそれぞれ鞠、㍉の平均値 ︵万、百︶により与えられる。このとき⋮a、︸sはともに︸A、︸Sの不偏推定値であり、その分散︵<β。nド昌8︶の公式から、 ﹁a、一sを得たとき、一A、﹁Sの存在範囲も確率的にあたえられる。従って粗雑にいってR、すなわち﹁A﹂Sの推定値は
・すな豊⊥夏参得るし、またRの存轟囲は
刺fωq︵酬︶ 酬+。。q︵酬︶ ︿図く 明+G。噺︵ω︶ ωf。。鼠例︶︶
⑦ とみうるであろう。とこに晦は一aの分散く母︵酬︶の平方根を示している。しかしながら上の考え方は、︸A、一Sの存 在範囲がいすれも別個に確率的にあたえられるから、精密とはいいえない。 以上構成比率について述べたととは、そのまま関係比率ならびに同種比率について適用するととが出来よう。ただし 抽出母域、母集団の概念規定にいくらか修正を加える必要がある。形式的にはN個の抽出単位が、たがいに対応する二 つの特.性缶、Sをもっとき、このN個からn個を任意抽出したと考えれば十分であるQ つぎに抽出標本に即して、ωすなわち 図距 Pμ十帥博十・:・::・:・十簿昌 同縫凹9119+♂+⋮⋮⋮⋮+の昌 を考えると、との分母、分子の各項は抽出に伴う確率変数であり、したがってrはまた抽出に伴う確率変数をあらわす とととなる。との標本における比rは、母野における比R︵図︸、図Q。一︶の推定値として如何なる性質をもつだろうか。 とれが比推定の問題であり、単純任意抽出法のほか、いろいろの抽出方式においてその数学的理論が展開されている。 次に単純任意抽出法において考察しよう。先ずrはRの偏りをもつ推定値︵切一9ωO島㊦ロ9θ一5P卯梓O︶である。すなわち確率変 、 統計比率とその推定方法︵馬場︶ ニニ一数rの確率的平均︵期待値︶はRに等しくはないQしかしN、 次にrの分散は近似的に次式で与えられる。 窯へ2i口︶ 図︵﹀﹃菊ω剛︶ゆ く母︵同︶11 昌︵2−H︶︵図Qo一︶芯 その推定式は 只21嵩︶ 図︵♪一N9︶隠 2︵コー一︶︵凹ρ︶輸 nが相当大きい場合、 (月ィ目昏ンぴ Z睡d︶ (一 ネH昏レ呼口囲6︶ 一三二 その偏りは無視しうるのである。 ⑧ (9) H
2︵鵬罷超︹蜜.+・夢・由図竃
( ) のようになる。 N、nが相当大きい場合、rの分布は正規分布とみなしうるのであり、従って上の分数の式を用いて、標本調査によ り得た特定のrの値から、Rの存在範囲を確率的に推定しうるのである。 次に比推定法と平均推定法との関連・対比を考察しよう。すでに述べたように、基本的な総計比率は構成比率、関係 比率︵第一種、第二種︶、同種比率に大別されるが、そのいすれにおいても、比率Rは標本における比率rから推定しうる。そ・であらかじめ、齢を智場合、や図﹀・\凹9の獲渠毛あるから熟の推定値は喬ω・︶・して求めをとが
出来る。 たとえば、構成比率についていえば、総人口を知る場合、男子の割合を比推定法により推定すれば、これより男子人 口数を推定しうるQ まな同種比率︵指数︶についていえば、 一九五五年十月一日現在の入口数を国勢調査によって知る とき、もしそれ以後満三年間の人口増加率を、比推定法により推定しうるならば、 一九五八年十月一日現在の総入口数の推定値を得るととが出来る。関係比率についても同様の考え方を適用しうる。
・て託・の場含霧妾推定法によ点の獲渠得・れる。言で・の要の優劣良短が懸とさ親。
すでに指摘したように、平均推定法によれば、推定値は不偏あり、その分布はほぼ正規分布をなす。しかしながら分散 の値が大きくなる欠点をもっているQとれに反し、比推定法によれば、推定値は偏りをもち、分散の公式も複雑となる が、分散の値は[般に、平均推定法の場合にくらべ、極めて小となるゆまたN、nが相当大きい場合、推定値の偏りも 無視されうるし、その分布も正規分布とみなしうる。このようにして比推定法もよく利用せられるのであるQ ︶、@@@
@@@
平均推定法はまた総和推定法とも考えられる。前出拙著②、前出拙稿ω、但 ㈲を参照。 拙著ω、一〇四頁、拙著②、三四頁。前出Ooo畔自。昌、三一頁以下など参照。 拙稿②、二八二頁以下、二九二頁以下 前出頃β。昌。。①昌。けρ噌くOりど即ω㎝以下、国里。。以下など。<OH母国μO刈以下。 前出do日ぎ伽q℃即H①α以下。 前出Ooo耳国P即目H以下。 たとえば、OOO聞帥ロ噂℃’目O︾囮HN切参照O たとえば、Ooo巨βP国旨♪℃.HNO参照。 国磐ωg卑。二く。一”目噛即⊆。切以下。押嵩Q。以下。 Ooo冒9。P即目H以下。 四 む す び 以上において、私は基本的な統計比率のもつ実質的意義・形式的意味をたすね、標本調査法において、その推定法が もつ問題について概観したQ 私は標本調査法を代表標本を基軸とする統計調査代用法と解するのであり、代表性を典型性と平均性との統一と規定 している。そして代表性を典型性においてとらえる典型調査法と、平均性においてとらえる任意標本調査法との統一に 統計比率とその推定方法︵馬場︶ 一三三一三四 おいて、標本調査法の性格をとらえている。との観点から、ます基本的な統計比率について、その内在的・実質的意義 を吟糊し、いわゆる統計比率の三種類i構成比率・関係比率・同種比率一に器いて、総合的比率が、個別比率の平 均・総合として意昧をもつていることを指摘し、典型性の存在を示した。 ついで私は任意標本調査法における、平均推定法と比推定法の数学的・確率論的基礎とその応用について述べた。 標本調査法は、本来統計調査代用法としての任務をもち、そのかぎりにおいて、曲淵型調査法の老え方と任意抽出法の 考え方とは、たがいに補いあい統一する性質をもつ。ととに考察した統計比率も、本来実在している社会的集団現象の 数量的表示を目指すものであり、分母・分子にある統計値とともに、実質的意義をもつものである。従って、その推定 方法においても、つねに平均性と典型性があらわれるのであって、この両者の統一的把握が、基本的な統計比率の理解 において重要性をもつものと考えるQ ︵一九五八・八・三一︶