中国・内モンゴル自治区における民族音楽の研究 : モリンホールの教育を事例として
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(2) ており、また、外国への関心が高く異文化. 内モンゴル自治区におけるモリンホール. を違和感なく受け入れることにより、多様. 音楽教育と伝統文化の継承という現象を. な青少年文化を創り出しているように見. 踏まえて、中国という大傘の影に少数民族. える。. として位置付けられるモンゴル族がいか. アンケート調査によれば、「教育目的」、. にして他文化と白文化の交錯を繰り返し、. r伝承文化目的」、r生活目的」という言. 伝統文化を通して自民族アイデンティテ. い方にまとめることができよう。まず、モ. ィを構築したかを見てきた。. リンホールを勉強する理由として「現実生. 本研究は内モンゴルにおけるモリンホ. 活のため」という答えが遥かに多かった。. ール音楽学習者への聞き取り調査をもと. その次に、「モンゴル民族文化を継承する」. に、彼らのモリンホール音楽の教育を通し. という回答とr趣味による」という回答が. て民族アイデンティティがどのように構. 多かった。これは、モリンホール音楽が社. 築していたかを考察した。. 会経済の発展に伴い文化資源として使わ. 本調査研究の中では、r草原に昇る落ち. れるようになっていることが例えると同. ない太陽」は「中華民族」を象徴する曲と. 時に、民族文化の発展を視野にいれている. して特別な位置づけをも・っているが、この. のである。. 曲においては指導要領で用いられている. モリンホール音楽の習得目的からみれ. 表現が意図的であって、学習者の考えた音. ば、モンゴル民族の音楽は「モンゴル民族. 楽との間にずれが生じている。学校教育の. 的なもの」という心理的葛藤を通して、音. 指導要領では、中国という国家的要素を前. 楽的にも音楽外的にも地域に根差したフ. 面に出していた。. ォークロアの諸要素に依拠しながら、それ. 中国は内モンゴルにおいて,民族音楽を. でも偏狭な民族主義に陥ることなく、芸術. 大衆化して国の音楽の一部にする、という. 音楽としての普遍的な意味を同時に得る. 壮大な文化的側面での統合の試みがあっ. ようになった。ある時には中国文化と融合. た。これは当時の世界の潮流の中で見てみ. し合い、またある時には対時しながら、い. るとかなり独白な目論みであった。民謡こ. かにして民族文化を育むことができるか. そ民族の宝であり、民族独自の新しい音楽. という一つの葛藤の歴史、即ちその底流に. の源泉となる、と考えられていたのである。. あるモンゴル民族対漢民族の心理的葛藤. こうした状況を一般化すれば、民族のア. が、さらに固有の地方主義的発展と相侯っ. イデンティティそのものが脅かされたと. て、モンゴル伝統音楽文化の独自の展開を. 感じた場合に音楽のアイデンティティが. 促したともいえる。. 問題視され、表面に浮上してくることが分. 第3章では、中国・内モンゴル自治区に おける楽曲の考察をして、民族アイデンテ. かる。. ィティとしてのモリンホールについて述 べた。. 以上のように研究と考察を行って、中国. 主任指導教員 (草野次郎). 指導教員 (草野次郎).
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