へき地校高校生英語学習者における英語タスク活動の縦断的研究 : コミュニケーションタスクの実践と評価
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(2) へき地校高校生英語学習者における英語タスク活動の縦断的研究. へき地校高校生英語学習者における 英語タスク活動の縦断的研究 ─ コミュニケーションタスクの実践と評価 ─. 江. 草. 千. 春. (北海道利尻高等学校). (. ). リーディングに関する研究であり,スピーキングに関す. .は じ め に. るものは現在の所ない。. 近年の中等教育では,入試対策などで,長年,主流を 占めている文法訳読式の授業に加えて, 話すこと くこと. 以上の点から,本研究では,へき地の高等学校で. 月間のタスク活動を通して英語学習が実践できるのかを. の技能を伸ばすのに効果があるコミュニケー. 検証する 。また,それをどのように絶対評価に結びつ. ション活動を用いた授業が少しずつ取り入れられてい る。また,. 英語が使える日本人. 計画 (文部科学省,. 能力を高めるにはどうしたらよいか議論が活発になって )。加えて,この能力を高めるた. きている(石塚,. けるかを考察していく。. の育成のための行動. )により, 実践的コミュニケー. ション能力 の育成が重要視されている。そして,この. めの つの教材として,コミュニケーションタスク(タ. .理論的背景 近年,英語の授業において ン能力. を高めるために,タスクが教材の (. )は,タスクにつ. 校種を問わず数多く行われている(小泉・山内,. いて次のように論じている。. 一方,平成 年. ,. ) 。. 月から高等学校における学習指導要. 領の改訂により, 目標に準拠した評価 ,つまり,絶対 評価が導入された。なかでも,スピーキングに関しては,. ・現実の世界での言語使用に関連する活動 ・言語形式というよりもむしろ意味伝達に重点が置か れる活動. 第二言語習得研究により,言語運用能力が流暢さ,正確. ・制限時間内に遂行される活動. さ,複雑さなどの尺度によって測定されることが多い. ・タスクを行った結果が評価される活動. ,. つとして. などの教科書で散見. されている。. ,. 実践的コミュニケーショ. オーラル・コミュニケーション. スク)を用いた研究が中学校,高等学校,大学など,学. (. ヶ. 聞. ) 。. さらに,英語教育の分野におけるへき地教育研究は,. そして,このタスクを用いた研究は数多く行われている. 郡部の高校生における英文読解ストラテジーについて調. が,学習者の言語運用能力は流暢さ,正確さ,複雑さ,. 査・分析した研究(卯城, ける の研究(卯城,. )と,郡部の中学生にお. を用いた英文読解指導について )がある。しかしながら,いずれも. という )。. つの尺度で測定されることが多い(. ,. によると,流暢さは. 語彙化. されたシステム(まとまりのある表現)を使いながら,.
(3) 江 草 千 春. 時間の制限に対処していく力 ,正確さは. 制御できる. 正確さ,複雑さの. 能力を使ってなるべく誤りを生じさせないように言語を 用いる力 ,そして,複雑さは. 自分の能力の限界を引. まず,流暢さについては,大きく分けてポーズ,沈黙. れる。. )。 前 者 に つ い て は , ポー ズ の 数 を 数 え る 方 法 ,. ( ,. この流暢さ,正確さ,複雑さの尺度を用いながら,日 本では,どのようなタスク研究が行われているかを,事 ) ,縦断的研究,. 前活動におけるプランニング(. タスクの特徴の つの観点に区分して述べる。. 方法(. ). つのタスクを用いて実験を行ってい. に焦点を当てたグループに分けられ, 間違. い探しタスク と. ,. ストーリー作りタスク. の. つを用. いて,異なるプランニングのグループが言語運用能力に 与える影響を調査している。結果は, 形式. )に分けられる。. ,. を数える方法(. 分間のプラ. る。プランニングがあるグループでは, 形式 ,あるい は, 意味. )やポーズや,沈黙の総時間を測定する ,. 一方,後者については,非流暢さの尺度として,繰り返. ,. ンニングがある つのグループと,統制群のグループの 計 グループで,. ,. し,出だしの言い間違え,言い換え,ためらいなどの数. (. 例えば,プランニングに関しては, が挙げられる。彼女は,高校生を対象に,. つに区分される(藤森,. の使用,そして,語数の使用の. と定義さ. き出しながら,チャレンジ精神で発話する力. つに区分して概観する。. に焦点を. ,. )と,ユニットあたり(. など)の語数を測定する方法(. ,. ,. ),. そして, 分間あたりの語数を測定する方法(小泉・山 ,. 内,. ,. )がある。. 次に,正確さについては,大きく分けて特定の文法項 目に焦点を当てて測定する方法(. )と,. 一般的な正確さを測定する方法(. )の. つに区分される(藤森,. )。前者については,動. 当てたグループが他の グループと比べて,流暢さと,. 詞の過去形や冠詞の使い方など,ある特定の文法項目に. 語彙的複雑さが高まる,と報告している。. 関するエラーを測定する方法( )が挙げら. 次に,縦断的研究に関しては,瀧口( れる。彼は,中学生を対象に,中学 年 年. 月までの. 月から中学 ヶ月間. では流暢さが高まり,後半の ヶ月間では統語的複雑さ が高まる,という結果を得ている。一方,小泉・山内 (. )は中学生を対象に,中学. 中学 年. 月の. 年. 月と. ヶ月後の. 回にわたり,自己紹介のタスクを用い. て,言語運用能力の変化を調査している。そして, (. )がある。一方,後者については,特定の文法項目 ,. 方法( ,. )がある。. 的複雑さの. つに区分される(江草・横山,. )。前. 者については,ユニットあたりの節の数の割合を測定す ,. る方法( ,. ,. )と,ユニットあたりの語数を測定 ,. する方法( ). ,. 複雑さに関しては,大きく分けて統語的複雑さと語彙. ヶ. 月間で語彙力と流暢さが高まる,と報告している。 タスクの特徴に関しては,. ,. ではなく,全ての節あたりの正しい節の割合を算出する. ヶ月間に 回のタスクを行い,言語運用. 能力の変化を調査している。その結果,前半の. ,. ,. )がある。一方,. 後者については,名詞,形容詞,副詞,動詞の異語数の ,. ,. が挙げられる。彼らは,大学生を対象に,タスクの特徴. 合計を測定する方法(. を情報処理作業量と情報の分布の関係からとらえ,その. 総語数に対する異語数の割合を測定する方法( ,. 特徴が言語運用能力にどのように影響を与えるか調査し ている。そして,作業量が多いタスクは,正確さが高ま り,逆に,作業量が少ないタスクは,流暢さが高まる。. ),そして,. ,. 語毎の総語数に対 ,. する異語数の平均を測定する方法( 江草・横山,. )と,. )がある。. また,双方向性の情報の分布を持つタスクは,単方向性 のタスクと比べて,複雑さが高まる,という結果を得て のように,タスクの特. いる。また,. 徴を分析する際の指標となるのが,河合・平田・新井・ 横山・大場(. )によって示された,. 項目からなる. 前節で説明したように,高校生を対象に,通常の授業 における活動の. つとしてタスクを. ヶ月間行い,流暢. ). さ,正確さ,複雑さの言語運用能力が,どのように変化. をもとにして整理・統合されたもので,タスク分類項目. するのかを考察する。そして,スピーキングにおいて絶. の定義と解説が示されている。. 対評価をする際に,どのように具体的な規準を定め,評. タスク分類項目関連図である。これは,. (. .研 究 課 題. このように,様々な観点からタスク研究が行われてい るが,学習者の言語運用能力を測定するのに用いられて いる測定方法にはどのようなものがあるのか,流暢さ,. 価していけばよいか,第二言語習得研究で用いられる測 定方法を応用しながら,考察していく。.
(4) へき地校高校生英語学習者における英語タスク活動の縦断的研究. .方. 表. 法. タスクにおける授業計画. 活動段階. .. 活動内容. 被験者・授業内容. そのテーマでよく使われる重要表現を学習. 北海道内のへき地に指定されている高等学校に在学す 年生で, オーラル・コミュニケーション. る. の科. そのテーマでの頻出語彙・表現をプリント. 事 前. で学習. 目を履修している 名を被験者とした。この科目におい. リスニング,ペアでスピーキング練習. て,前期は主に実用英語技能検定(英検)や, などのリスニング問題を教材として用いながら, 聞くこと. 話すこと. の技能を伸ばすことを目標に タスクに基づく学習. していた。後期は,これに加えて 方法 (. ,. )を参考にしながら,. タスクを. 回行った。. ヶ月間で. 本 番. ペアで情報を伝達(発話を録音) 情報をワークシートに書き込む. 事. インタビューの結果を英文にして発表. 後. レコーダーに録音し,筆者がトランスクリプトに起 .. タスク. こした。 (. 本研究では,教科書である ,. )を参考にしながら. つのタスクを. 筆者が作成し,それぞれのタスクで用いた。最初のタス )では,. ク(タスク. というテーマで行わ. れた。このテーマは, テレビ. が題材とされ,好きな. .. 測定方法. 流暢さ,正確さ,複雑さの測定方法として,先行研究 種類の測定方法を採用し,タスク中. でよく用いられた. の発話が分析された。以下に,定義を述べる。. 番組,好きな俳優・女優を尋ねたり, 日にどれくらい テレビを見るかを質問したりするタスクである。 のタスク(タスク. )では,. マで行われた。これは, 私の. 番目. というテー 日の日課 が題材とされ,. . .. 流暢さ. 流暢さの測定方法としては,次の る。 (. 起床時間,今日の時間割,放課後の活動などを質問する タスクである。そして, 番目のタスク(タスク は, 私の夢. つが用いられてい. )で. 人・. が題材とされ,将来の目標,将来行って. される(. ). 分間当たり. 秒以上の沈黙の回数で測定 ,. ,. ) 。. みたい国,なぜその国に行きたいのかについて質問をす. (. るタスクである。 これら つのタスクは,いずれもペアで情報の送り手 と受け手に別れて,相手に情報を伝える. 情報格差型タ. ,. 山内,. スク である。また,同じタスクの特徴を持つように河. ただし,. )が作成したタスク. 合・平田・新井・横山・大場(. ). 分間あたりの語数の割合で測定される(小泉・ ,. ,. )。. ,などのつなぎ言葉,日本語の発. 話,繰り返しは含まない。. 分類項目関連図を用いて,タスク分析を行った。その結 果,情報の分布が単方向性で,情報処理作業量が少なく, 作業の操作が情報検索型という共通する特徴があった。 それゆえ,これら つのタスクは流暢さに効果があると. . .. 正確さ. 正確さの測定方法としては,次の方法が用いられてい る。. 推測される 。. (. ). 発話された全ての節の中で,正しく発話された節 .. 授業計画・手順. 本研究では, 期は,. 年. 日(. )にタスク. ク. 月. 日(. 回行った。実施時. )にタスク ,. を行った。そして,. もう一度タスク. 月. 日(. 年. 月. ,. )に. を行った。. 時間,計. ,. ,. ) 。. 月. )にタス. 日(. つのタスクを行うのに,事前段階で 事後段階で. ,. の割合で測定される(. ヶ月間にタスクを. . .. 複雑さ. 複雑さの測定方法としては,次の. つが用いられてい. る。 時間,本番,. 時間で授業を行った(表. 参. 照)。いずれのタスクも,本番段階における発話は全て,. (. ). これは,統語的複雑さを測定するもので, あたりどれくらいの語数が,発話されている.
(5) 江 草 千 春. かが測定される(. ,. ,. とは, (. ) 。. のことを指し, )は. 主節とそれに付随する従属. 節によって構成されるものである と定義している。 (. の間で流暢さが低くなって と同様の傾向を示した(表. 結果になり,. ) 。. 参. 照)。 に関しては,. これは,語彙的複雑さを測定するもので,発話さ ,. と. ヶ月間を通しては,流暢さが高くなるという. いるが,. ). れた形の異なる動詞の数で測定される( ,. 関しても,. (. 生を対象に, ヶ月間にタスクを. )と,中学. 回行った小泉・山内. )が同じ方法で測定していた。結果は,. (. 小泉・山内ともに, ヶ月,. ,. ヶ月と時間が経つごとに. 流暢さが高くなり,有意差も確認された(表 , 参照)。 から. また,本研究に関しても,. .分 析 結 果 分析結果については,流暢さの測定方法である. にかけて. ,小泉・山内の研究と同. 流暢さが高くなり,. 。 様の傾向を示した(表 参照). と,複雑さの測定方法である に関しては,. から. にかけてそれぞれ流暢. 表. における. (. )のデータ. ヶ月後. ヶ月後. さ,複雑さが上昇した。加えて,流暢さの測定方法であ に関しては,. から. にかけて. 流暢さが減少したものの,. から. にかけて. る. 。 は上昇した(表 参照) 表. 流暢さ,正確さ,複雑さにおける本研究のデータ. 表. における本研究のデータ. 表. における小泉・山内(. )のデータ. ヶ月後. .考. 表. 察. における. 前節での分析結果を受け,ここでは,被験者に,授業 の一環として行った. (. ヶ月後. )のデータ. ヶ月後. ヶ月間におけるタスクの実践の結. 果を,縦断的研究を行った他のタスク研究(小泉・山内, ,. )と比較しながら,考察する。. 加えて,第二言語習得研究で用いられる測定方法を応用. 表. における本研究のデータ. しながら,絶対評価を試みる。 .. 流暢さにおける比較. 本研究では,流暢さは, と,. の回数である である. の. 分間当たり. 秒以上の沈黙. 分間当たりの語数の割合. つの方法で測定された。. に関しては,中学生を対象に, タスクを. 回行った. 定していた 。結果は,. ( と. ヶ月間に. )が同じ方法で測 の間では,沈. 黙の回数が増え流暢さが低くなっているが, ヶ月間を 通しては,流暢さが高くなった(表. 参照)。本研究に. .. 複雑さについて から. ここでは,. にかけて複雑さが高. について述べる(表. まった. あたりの語数で測定された。しか. 測定方法は, しながら, 藤森 ( (. 参照)。この. ) が指摘するように,. は,. )では流暢さの測定方法とされるように,. 流暢さと連動して上がる傾向がある。そのため,複雑さ.
(6) へき地校高校生英語学習者における英語タスク活動の縦断的研究. 表. における本研究のデータ. . .. 関心・意欲・態度. 関心・意欲・態度. の評価. の評価規準は, つなぎ言葉を. 用いるなど,不自然な沈黙をせず話し続けていたか 以下を. 評価基準としては, そのものを測定する方法としては, 不安定な要素がある。 それゆえ,本研究についても,複雑さが上がったとは言 い切れないと考えられる 。. 以上を. で. である。. ある。これに対応する測定方法は, ,. を. ,. とした。 , とも. では,評価が. であっ. では,沈黙の回数が減り,評価が. となっ. 結果は,ペア たが,. 。 た(表 参照) .. 絶対評価について. 前節では,タスクの実践の結果について考察を述べた. . .. 表現の能力. 表現の能力. が,ここでは,その結果を絶対評価に結びつけて考察を. の評価. の評価規準は, 文法に従って正しく. 話すことができたか である。これに対応する測定方法. 加える。 であり,設定. は,. した目標に対してどの程度到達しているかを評価する方. 絶対評価とは, 目標に準拠した評価. ,. 法であり,単元ごとにテスト,観察,提出物,面接など. 結果は,. )。. とも評価が. を用いて多面的に評価する必要がある(松浦,. である。評価基準としては, を. ,. 以上を. 以下を とした。. ,. 両方において,ペア. ,. であった。. また,絶対評価を行うために,次の つの観点が設けら . .. れている。. 知識・理解. 知識・理解 コミュニケーションに関心をもち,積極的に言語. 識があるか を. 心・意欲・態度) 外国語を用いて,情報や考えなど伝えたいことを. の評価規準は, 文構造についての知. である。これに対応する測定方法は, である。評価基準としては,. 活動を行い,コミュニケーションを図ろうとする (関. 話したり,書いたりして表現する(表現の能力). の評価. 結果は, とも評価が. ,. 以下を ,. 以上を. ,. とした。 両方において,ペア. ,. であった。. 外国語を聞いたり,読んだりして,情報や話し手 や書き手の意向など相手が伝えようとすることを理. 表. 関心・意欲・態度 の. による分析結果. 解する(理解の能力) 外国語の学習を通して,言語やその運用について の知識を身に付けるとともにその背景にある文化な. 評価. 評価. ペア. どを理解している(知識・理解) ペア. つの観点の中から, 関心・意欲・態度. この の能力. 知識・理解. の. 表現. つの観点に関して,評価規. 表. 表現の能力 の. による分析結果. 準を設けて,江草(印刷中)が検討したように,本研究 で用いられた. つの測定方法(. ,. ,. )を用いて,実際に絶対評価を行う 。. 評価. 評価. ペア. 具体的な評価規準に関しては,国立教育政策研究所 (. )で作成されたものを使用する。また,それぞれ. の測定方法における評価基準を, した。 十分満足できる ね満足できる. と判断した場合を. の. 段階と. , おおむ. 表. による分析結果. 評価. ,. である。また,被験者は,. タスクを行ったので, ペア(ペア. 知識・理解 の. ,そして, 努力を. とした。. なお,評価を行ったタスクは,. が算出された。. ,. と判断した場合を. 要する と判断した場合を いられたタスク. ,. ペア. ,ペア. で用 人ペアで )で評価. ペア ペア. 評価.
(7) 江 草 千 春. .ま. と. タスク以外の他の要因で言語運用能力が上昇した可能. め. 性がある。. 本研究では,第二言語習得研究の成果を踏まえて,へ. 本研究で用いた. つのタスクは, タスク分析の結果,. ヶ月間の. 次の. つの理由から流暢さに効果があると推測され. タスク活動を通して英語学習が実践できるのかを,流暢. る。. つは,. き地の高等学校で通常の授業の一環として,. (. さ,正確さ,複雑さを尺度に用いて言語運用能力の伸び. ( ),. (. ), )などの研究成果. を検証した。また,それをどのように絶対評価に応用し. により,情報の分布が単方向性で,情報処理作業量が. ていくのかについて,考察を加えた。. 少ないタスクは,流暢さに効果があったからである。. その結果, ヶ月間という短い期間ではあったが,タ. (. スク活動を通して,縦断的研究の側面から実験を行った ,. 他のタスク研究(小泉・山内,. ). と同様に,流暢さに効果があると推測される。. (. もう一つは,. ),. ),. (. )の研究成果. により,作業の操作が情報検索型のタスクは,流暢さ に効果があったからである。 ただし,. また,スピーキングは,リーディングなどとは違って,. 年 月. 日は,学年末考査の日であっ. ペーパーテストのみでは評価できない点があるので,第. たため,この日は,事前,事後活動は行わず,本番段. 二言語習得研究で用いられる測定方法を応用して,タス. 階のみ行い,発話を録音した(表. の測定方法では,動詞の語形変化,例. ク中の発話を,具体的な評価規準から絶対評価をするこ とは,非常に意義があると考えられる。絶対評価は,設. 本研究では,. つの観点から様々に絶対評価を行うことは,可能であ る(表. 参照)。. ,. な. は,. 分間当たり. 秒以上. (. )は,. 分間ではなく,. 分間当たりの. 沈黙の回数で測定している。 本来であるなら統語的複雑さは,江草・横山(. ). という測定方. が指摘するように,. 法を用いるのが適切であった。しかしながら,本研究. 最後に,高等学校において, 実践的コミュニケーショ ン能力 を高めるために,高島(. )は,週に. では,従属節を伴う発話が見られなかったので,. 時間. を用いた。 つの観点のうち,スピーキングの. の授業を,自由度の高いタスク的な活動に当てるように 配慮する必要がある,と述べている。本研究では,月に 回(約. ,. の沈黙の回数で測定している。しかしながら,. )から出されている評価規準を参考にして,. 究所(. は, 語ではなく,. 動詞に関しても. どは, 語として測定した。. 段階における発話のみを絶対評価してみたが,教員の工 夫次第で,事前,事後活動に関しても,国立教育政策研. ,. 語で測定した。. その科目の目標,あるいは,生徒の実態などに即して, 評価基準を変えることが可能である。本研究では,本番. ,. えば,. 定した目標に対してどの程度到達しているかを評価する ものなので,教員は,勤務している学校や地域の特色,. 参照) 。. 理解の能力. に関しては,具体的な評価規準がない。. 時間),タスクを用いた活動を行った。教育. 国立教育政策研究所(. )によると, 話すこと. 的な示唆としては,へき地校での少人数クラスのメリッ. に関する評価規準の具体例は, 関心・意欲・態度. トを活かして,教員は,タスクを用いた活動をきめ細か. で 例, 表現の能力 で. く指導,評価を行い,生徒にフィードバックをして,次. で 例,計. 例,そして, 知識・理解. 例が記載されている。. のタスクを行う。この繰り返しを通して,知識としての 英語学力と同時に 実践的コミュニケーション能力. を. 高めることが可能であると考えられる。. 謝. 辞. 本研究においては,北海道教育大学岩見沢校の横山吉 樹先生に貴重なご助言,及びご示唆を頂きました。深く. 注. 感謝申し上げます。 本研究は,平成. 年. 学英語教育学会第. 回. 月. ・ ・. 日に行われた大. 全国大会において,一. 部口頭発表したものに修正・加筆を施したものであ る。. 参考文献 (. ). 本研究は,コミュニケーションタスクを用いた縦断 的研究であるが,通常の授業で行った実践であるため, タスク以外にも様々な活動を行っている。そのため,. (. ) (.
(8) へき地校高校生英語学習者における英語タスク活動の縦断的研究. ). ( (. ). ) (. (. ) ( (. ). ). ( (. ). ). ). (. ). 石塚博規(. 成のあり方と課題. 第. 究大会発表要綱. .. 卯城祐司( (. ) ). 回全国英語教育学会長野研. ) . 困難校生における英文読解ストラテ. 僻地教育研究. ジー. 卯城祐司( (. ) . 実践的コミュニケーション能力の育. .. ).. を用いた英文読. 解指導の可能性 ─ 郡部校生のスキーマをモデルとし. (. ) (. 僻地教育研究. て─ ). .. 江草千春(印刷中) . 高等学校英語科 オーラル・コミュ ニケーション における絶対評価への一試案 ─ コミュ ニケーションタスクを様々な測定方法から観点別評価. (. ). して ─. 英語教育. 開隆堂. ) . コミュニケーションタス. 江草千春・横山吉樹(. クにおける複雑さの測定方法について ─ 統語的複雑 (. ). さと語彙的複雑さの考察 ─. 北海道英語教育学会紀. 要 (. ). 河 合 靖・ 平 田 洋 子・ 新 井 良 夫・ 横 山 吉 樹・ 大 場 浩 正 (. ) .アクションリサーチのためのタスク分析. 学英語教育学会北海道支部 周年記念論文集 (. ). 自己紹介のタスクを用いて. ). (. ). 関東. .. 甲信越英語教育学会紀要 (. .. ) . 日本人中学生のスピーキ. 小泉利恵・山内逸美( ング能力の発達. 大. ) . 評価規準の作成,評価方. 国立教育政策研究所(. 法の工夫改善のための参考資料(中学校)─ 評価規準, 評価方法等の研究開発(報告)─ . 高島英幸( ─ (. ). ) . 文法項目別英語タスク活動とタスク. の実践と評価. 瀧口均(. 力の発達研究 ─ 標を用いて ─ (. ). 大修館書店. ). 日本人 流暢さ. 中学生のスピーキング能 複雑さ. 正確さ. の指. 関東甲信越英語教育学会紀要. . 藤森千尋(. ) . スピーチプロダクションの測定方法.
(9) 江 草 千 春. 正確さ,流暢さ,複雑さ .. 会紀要 松浦信和(. 関東甲信越英語教育学. ). 新しい評価方法と評価基準 ─ 絶対. 評価の導入とその進め方 ─. 青木昭六編. 新しい英. 語科教育法 ─ 理論と実践のインターフェイス ─. 現. 代教育社 文部科学省(. ).. ための行動計画 .. 英語が使える日本人. の育成の.
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