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青年期における現実自己 : 理想自己間のズレの捉え方と精神的健康との関連性

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Academic year: 2021

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(1)青年期における現実自己一理想自己間のズレの捉え方と 精神的健康との関連性  学校教育学専攻 臨床心理学コース.    M10051丑     浦智美  【問題と目的】. いるほど精神的健康度は高い。.  Rogers(1961)は二成功した心理療法において.  仮説2:不合理な信念が強いと、現実一理想. 神経症のクライエントの現実自己と理想自己の. 自己間のズレの捉え方は自己非難、諦めにつな. 一致度が増加し、現実自己が肯定的に評価され. がる。 【方法】. るようになったことを報告している。最近の心 理学研究においても林ら(1999)は現実自己と理. 対象者:大学・院生286名(A総合大学153名、. 想自己のズレが大きいほど不適応であることを. B単科大学133名、うち男性88名、女性198. 量的に示した。しかしChodorkoff(1954)は、. 名、平均年齢:20.7歳、SD=2.05). 現実自己と理想自己間のズレと適応の関係はU. 調査方法:質問紙調査. 字型のような曲線の関係であることを示した。. 調査内容. また山本(1992)は、現実自己の低さが不適応と. ①フェイスシート:性別、年齢、学部. 結びつくことを示している。このように現実一. ②理想自己の内容(5項目を記述). 理想自己間のズレと適応との関連については一. ③現実自己一理想自己間のズレ得点について. 貫した見解が得られていない。一方、山田(2004).  ②の5つの内容にそれぞれ「まったく当ては. は、なりたい自己像からのズレの大きさは、自. まらない(1点)」∼「非常に当てはまる(7点)」. 分をもっと高めたいという“成熟のしるし”と. 7評定で現実自己得点をつけてもらった。現実. しても機能しているのではないかと述べている。. 自己得点が6又は7の場合はズレがないとの回. つまり、ズレの大小のみによって精神的健康や. 答に当たるため除外し、1∼5点がつけられた. 不適応が説明されるわけではないので他の変数. 項目の得点を逆転させ、その平均点を算出し個. の影響についても考える必要がある。そこで本. 人のズレ得点とした。. 研究では現実一理想自己のズレの捉え方に焦点. ④理想自己と現実自己のズレにおけるとらえ尺. を当てる。またズレの捉え方に影響を与える要. 度(姜・相川、2009)。「ズレの受け入れ」「有. 因として、不合理な信念(㎜1is&Dryden,1987). 能感」「自己非難」「詰め」の4つの下位尺度か. を設定する。. ら構成される。. 《仮説》. ⑤日本版不合理な信念測定尺度短縮版(森・長.  仮説1:現実一理想自己間のズレが大きくて. 谷川、1994). も、受容的もしくはその克服可能性を見出して. ⑥精神的健康を測定する尺度. 一110一.

(2)  1)GHQの日本語短縮版. 子をそれぞれ目的変数とした回帰分析を行った。.  2)充実感尺度(大野、1984). その結果、回帰分析の重決定係数R2は、r諦め」. でR2=.018(p<.05)、「自己非難」でR2. 【結果】. 1)理想一現実自己のズレ得点および捉え方と. =.108(p<.001)と有意であり、不合理な信念は. 「諦め」について1.8%、「自己非難」について. GHQおよび充実感との関連 ズレの捉え方尺度の各因子「受け入れ」「有能感」. r自己非難」r詰め」の中央値を基準として、島. 10,8%と説明率は低いものの、影響があること が分かった。. 群、低群に分類した。そして、ズレ得点(ノ』・群・. τ‘比1:ズレ 3      れ   1=よる    占の.  h. ヨ1.一1     王ヨ.一;    正目.呈三    21.5日    囲.9’    王4.ロロ. 中群・大群)とズレの捉え方名因子(島群・低群). 101グ   且四一. O.田〕「5.洲  O.岨〕「5.1ヨ〕 凹.ω ’“.唖〕 理.岨     5=.呈0    50.顯     田.日正    54.一王    5丁.5,. 帖.〃.  空.田. 04.;帥 ’岨.1刷  O.袖 ■値1軸  色η) ■宙.勉.            仙. を独立変数、充実感尺度得点およびGHQ得点.  To出皇=ズレ 3 と    21=よる  占①.  ズレ. をそれぞれ従属変数とした2要因の分散分析を 打つだ(㌃ab1e1−4)。その結果、GHQ得点に対. ズレ. ヨ1、!6    王’.09. 囲.帥   舶.ヨ1   !≡.4一   至4.41. 記.16〕 ■“、明〕. 帖.㈲’“.τヨ〕 帽.l1〕■}、朋〕. ψ.1ヨ   冊.岨. 珊.岨   5’.珊   5ヨ.13   研.11. ○王.肥〕 ■佃.;4〕. と.  ズレ中      ズレ… ヨ.団■. 5出ゴ. σ5曲   曲㎝}  宙.o帥   亀帥.        u Tヨ比3≡ズレ{3. してrズレ得点」r受け入れ」r有能感」に主効.  ズレ大 四.岨    四.訓.   21=よる  占①. と.  ズレ        ズし… ズレ 囲.拮,   珊.岨   四.η   阯.10. 且蛆■■. 帖,1,〕’嘔.正O〕 帖.ヨ引’“.0{〕. 果が見ら、「ズレ得点」と「受け入れ」、「ズレ得. 岨.館    岨.□o. ㈹.1則 ㍗1,.刊〕. 刷.即   岨.花   5i.盟   酬.理. 藺囲■■■. O.鴉〕  O.田〕  佑.11〕  血.醐.        蠣. 点」と「有能感」、「ズレ得点」と「諦め」に交.  T8出41ズレ.  ズレ. 互作用が見られた。単純主効果の検定の結果、. と.  ズレ中        ズレ小 プレ. 里6.引    ヨ1.釦. 丘ヨ.oヨ     ,1、一ヨ     !’.i9     −4.τヨ. {4.8η■O.01〕. 嘔.ヨ引■“.蛆〕 帖.刊〕「ヨ.蝸〕. 5!.王ヨ     ’ヨ.5転. 盟.引   ;1.“   冊、□4   54.冊. 岨.肪〕’“ヨ.岬〕. ズレ大群に関して「受け入れ」に差が認められ. 也.31)  O.田〕  曲.07)  も鋤. 丁艶I. 10割■■.        n 【考察】. た。(F(2,283)=9,58、高<低、p<0.01)。ま. たズレ中群およびズレ大群に関して「有能感」.  「有能感」が高ければズレの程度が大きくて. に差が認められた。(F(2,283)=7.94、高<低、. も充実感は高くGHQは低いこと、また「受け. p<.01)(F(2,283)・・15.75、高<低、p<.001)。. 入れ」が高ければズレの程度が大きくても充実. またズレ大群において「諦め」に差が認められ. 感に差はないがGHQは低いことが明らかに. た。(F(2,283)=7.30、小<高、P〈O.O1)。. なった。このことより仮説1は支持された。ま. そして充実感尺度得点に関してはズレ得点およ. た不合理な信念が現実一理想自己間のズレの. び捉え力下位尺度それぞれに主効果が見られ、. 捉え方に与える影響ついても認められたため、. 「ズレ得点」と「有能感」、「ズレ得点」と「諦. 仮説2は支持された。だが説明率が低いため、. め」に交互作用が見られた。単純主効果の検定. 例えば強迫傾向や抑うつ傾向などの他のパー. の結果、ズレ中群および大群に関してr有能感」. ソナリティ要因との関連を検討することが課. に差が認められた(F(2,283)=13.45、低<高、. 題である。ズレに対する捉え方に焦点を当てる. p<.001)(F(2,283)=15,01、低<高、p<.001)。. アプローチは、学生相談などの比較的健康度の. またズレ大群に関してr詰め」に差が認められ. 高い青年を対象とした短期的なカウンセリン. た(F(2,283)=9.49、高<低、p=.05)。. グの場で活用できることが考えられる。. 2)ズレの捉え方への不合理な信念の影響.         主任指導教員(遠藤裕乃).  不合理な信念を説明変数、ズレの捉え方4因.            指導教員(遠藤裕乃). ■111一.

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