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対人困惑状況における中学生の個人特性と恥に関する研究-対人不安傾向と恥の情緒・認知・対処行動に焦点を当てて-

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Academic year: 2021

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(1) 対人困惑状況における中学生の個人特性と恥に関する研究 一対人不安傾向と恥の情緒・認知・対処行動に焦点を当てて一                                  学校教育学専攻                                 臨床心理学コース                                      M08055D                                      久保仁志         【問題と目的】. 念」,「相互作用混乱」,「自己イメージ不一致」,「相互.  対人困惑状況とは「自己の役割が混乱している状. 作用混乱」,r自尊し低減」の4因子構造を得た。. 況」と定義される場面である(樋口,2004)。内沼(1997). は対人困惑状況において感じる恥を「間の意識として.            Tab.i.        附ω発生因の因子分析結果〔π=302〕. の恥」と呼び,これを強く意識するようになることで,. 対人恐怖が起こるとしている。他にも,恥と対人不安. の関連は多くの先行研究で示唆されている(樋口, 2004;菅原,1992など)。そして,対人不安傾向は中 学生の年代から増加する(割11.2009;堀井,2002)。.  以上により,対人不安傾向が高まる中学生が,対人 困惑状況においてどのように恥を体験しているかを明 らかにすることは,対人場面で生じる恥で困っている 中学生への介入や,中学校での対人不安に関する予防 的な介入をする上での一助となることが考えられる。  本研究の目的は中学生を対象とし,対人不安傾向と,. 対人困惑状況に対する情緒,認知,対処行動の間の関 連を検討することである。            【方法】.  対象 中学1年生95名(男子36名,女子49名), 中学2年生110名(男子53名,女子57名),中学3年 生102名(男子40名,女子62名)の計307名を対象に 質問紙調査を行った。307名のデータのうち,欠損値 を除いた305名のデータを分析対象とした。  測定尺度 対象者にrあまり仲良くない人との会話 中に,話題がなくなってシーンとする」という対人困 惑状況を提示して回答を求めた。提示した状況は,予 備調査の結果,選定したものである。また,以下の② ∼④は中学生向けに改定した。 ①フェイスシート:学年と†甥11をたずねた。. 1  2  3  4.  因子1=社会的評価懸念(”=£1) 12.他の人から.私が望んでいない評価を受けるのではない か.と気になる. 9他の人が私に対して悪い印象を持つのではと不安1=なる 13.他の人に対して,思い通りの印象が与えられなかったので は,不安1=なる 2.他の人から悪く言平価されるかもしれない.と気になる. 18.他の人が私のことをどのように評価するか,気がかりだ 11.周り1二いる他の人が.私のことを悪く評価するだろう. 14.他の人からの期待を裏切ってしまった. 一.02 一」04  」05. r01 一」05一」01 一.03  .06 一」04. .04 一.03 一」D3. .19  ∫,O一.02 一.05 一」〕2  .21. .02 .10 .19.  因子2:相互作用混乱(α=.83). 誰幾驚蟻二体予  因子3:自己イメージ不一致(σ=.フ6). 驚繁ギ1;芯.  国子4=自尊心低減{V=.82). 灘驚灘  1二1二11国 因子間 関. 2  3  4 .61  .51  ,71. 1 .33 ,57.   1 .41.    1  対人不安傾向の群分け 対人不安傾向の平均得点 十0.5SDを対人不安傾向高群(98名,以下高群),平均 得点一〇.5SDを対人不安傾向低群(106名,以下低群) とした。. ②恥の発生国尺度(樋口,2004):対人困惑状況をど. 恥の発生国のt検定 恥の発生因について島群と. のように認知しているか剛頃向を測定する4因子,18. 低群でt検定を行った(Tab.2)。その結果,4つの因子. 項目(4件法)。. すべてにおいて島群が有意に高かった。. ③恥の情緒尺度(樋口,2004):対人困惑状況におけ る恥の情緒を測定する12項目(4件法)。.  恥への対処行動のt検定 恥への対処行動につい て島群と低群でt検定を行った(Tab.3)。その結果,「無. ④恥への対処行動尺度(樋口,2004)1対人困惑状況 で使用する対処行動を測定する11項目(4件法)。 ⑤対人不安傾向尺度(松尾ら,1998):対人場面で生. 視」,「客観的行動,「逃走」,「正当化」では島群が. 有意に高く,「ユーモア」は低群が有意に高かった紅 く.05)。. じる不安の感じやすさを測定する18項目(4件法)。.           【結果】. 恥の発生因の因子分析 恥の発生因について樋口 (2004)に習い,因子を4に指定し,最尤法,プロマック. ス回転による因子分析を行ったところ「社会的評価懸. 恥の発生因と恥の情緒の重回帰分析 島群と低群 それぞれについて恥の発生国4因子と,湖1j,学年を 説明変数,恥の情緒を目的変数とする重回帰分析を行 った。その結果,島群ではr社会謂面懸念」(β=.25), 「相互作用混乱」(β=.40),「自己イメージ不一致」(β. 128一.

(2) 魎 匝 匝 匝 団 匝 囚 囮. 一.3 ■. 当⑤ξ.             画      .1’  白帥低饒          圃コ.             エ             亙             圃.            囚            画            圃.  F} 封⊥歴㎜豆‘:剖寸{対人罪責‘盤血^血島生回か筍封佃掘1帖■O,目. F螂 寅^目晶出田にお吋{封⊥示害。醐’oo生田^唱射同宿■■■o’5. :.15),「自尊こ低減」(β=.21),低群では「社会評. にその場を放置するr無視」r謝罪」という対処行動に. 価懸念」(β=、18),「相互作用混乱」(β=.32),「自. よって不安を下げようと試みる。低群では「自分はみ. 尊こ低減」(β=、42),「学年」(β=一.03)が有意であ. じめだ」という認知が働き,「謝罪」に加えて,八つ当. った⑦5<.10)。. たりをするなど「攻撃」という対処行動を用いている。.  恥の情緒と恥への対処行動の偏相関分析 島群と 低群それぞれ恥の情緒と恥への対処行動について,各. を求めないという指摘もあり(岩瀧2009),「自尊L低. 対処行動と年齢,†甥I1を制御した偏相関分析を行った。. 減」の影響が強い島群ではr内的状態の報告」という. その結果,島群では「謝罪」(戸.28),「無視」(戸.20). 情動的サポートを求めなかったのではないかと考えら. で正の相関が見られた。低群ではr謝罪」(r=.23),. れる。. r攻撃」(j仁.25)で正の相関が,「内的状態の報告」(r. 「内的状態の報告」については,自尊心が低いと援助.  本研究から中学生では対人困惑状況におかれた時に,. :一 D32)で負の相関がみられた伽<.10)。. 恥を感じすい島群はrどのようにふるまったらよいか.  島群と低群それぞれについて重回帰分析と偏相関. 分らない」と混乱する傾向があり,恥を感じにくい低. 分析の結果をもとに図示した(Fig.1,Fig.2)。.            【考察】. 群でもr自分はみじめだ」と思い込洲頃向がある。こ れらの認知に介入する認知再構成法や,両群では用い.  恥の発因における因子分析の結果,樋口(2004)とほ. られている対処行動が少ないことから,使用できる対. ぼ変わらない因子構造を得た。このことより大学生と. 処行動を増やすことを目的としたSSTを行うなどのア. 中学生の発生因は類似している可能性が考えられる。. プローチが有用であると考える。.  恥の発生因と恥への対処行動におけるt検定の結 果,対人困惑状況において,対人不安傾向の島群は低.            Tab.2 対人不安高群  対人不安低群. 群と比較して恥を発生させやすい認知を多く行ってい 社会的評価懸念   2.36. α79. 相互作用混乱    202. 0,66. 富己イメージ不i致  2.64. 0,82. 走」,「正当化」が用いられており,低群では「ユーモ. 137 0.45−1098榊 159 0.61 −48舳 1〃 O.62−1皿4軸. 自尊心低減      2.24. 0.86. 140  0.58  −8.19軸‡. ア」が用いられていた。このように島群では恥に耐え. 押切く.o01. る,回避する,もしくはまともに受けて対処しようと.            Tab.3. た。また,恥の情緒が生じたときにとる対処行動にも 違いがみられた。島群では「無視」,喀観的行動」,「逃. いう試みが行われているが,低群では恥をユーモアに よって笑いに変えるという試みが行われていた。.  次に,重回帰分析と偏相関分析から島群と低群では. 恥の発生から対処の過程に違いが認められた島群で は恥の発生国4つの因子全てが恥の発生に影響し,特 にr相互作用混乱」の影響が強い。低群ではr自尊し 低減」の影響が強く,r自己イメージ不一致」の影響が みられなかった。情緒が生じたときの対処として島群 では「謝罪」,「無視」が用いられ,低群では「謝罪」,. 「攻撃」が用いられていた。また,低群では恥の情緒. が強くなるほど「内的状態の報告」を行わなくなるこ. 対人不安の島群と低群における恥への対処の平均値とSDおよびt検定の結果. 平均値 SD  平均値 SD  t値 1.内的状態の報告. 1,74. O.92. 1,84. O.98. 0.71. 2.修復. 1,64. 0,72. 1,51. 0,73. −1.31. −O.90. 3.謝罪. 1,76. 0,87. 1,64. 0,91. 4.ユーモア. 1,80. 0.9フ. 2,14. 1,06. 2.4パ. 5.無視. 1,90. O.91. 1.4フ. 0.81. ー3.61榊. 6.弁解. 1,24. 0,50. 1,17. 045. 一1.13. 7.攻撃. 1.30. 0,58. 1,21. 0,51. −1.15. 8、客観的行動. 246. 0,89. 1,82. 0,92. −5.03榊. 9.逃走. 1,88. 0,86. 1,43. 0,65. 一4.18榊. 10.正当化. 1,59. 0,76. 1,36. 0,62. 一2,40ヰ. 11.事案の報告. 1.81. 0.94. 1.70. 0.90. 刈.84. ‡神ρく.001、榊ρく、01.‡ρ(、05. 主任指導教員 市井雅哉. とが示された。両群でも用いられているr謝罪」は日 本でよく用いられる対処行動であるとされている(菅.   指導教員 中村菜々子. 原,1998)。すなわち島群では「どのようにふるまった. ら良いがわからない」という認知が働き,何もできず. 王29一.

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