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出席者名簿 委員及び幹事役職 氏名 所属及び職名 会長 齋藤満保 宮城大学食産業学部教授 委員 菅原悟 全国農業協同組合連合会宮城県本部米穀部長 委員 井城克廣 公益社団法人みやぎ農業振興公社常務理事 委員 高澤まき子 仙台白百合女子大学人間学部健康栄養学科准教授 委員 川口尚 東北農政局生産部長

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(1)

主要農作物品種審査会

日時:平成 28年 9 月 16日(金) 午前10時00 分~正午 会場:宮城県庁行政庁舎11階 第2会議室

次 第

1 開 会

2 あいさつ

3 委員紹介

4 協 議

(1) 大麦品種「ホワイトファイバー(旧:東山皮糯109号)

」を奨励品種に指定する

ことについて

(2) 小麦系統「東北229号」を奨励品種に指定することについて

(3) 平成28年度奨励品種決定調査に供する品種(麦類)について

5 閉 会

<配布資料>

・平成 28年度主要農作物品種審査会資料

・平成 27年度(28年産)麦類奨励品種決定調査成績概要及び参考資料

(2)

出 席 者 名 簿

○委員及び幹事 役 職 氏 名 所属及び職名 会 長 齋藤 満保 宮城大学食産業学部 教授 委 員 菅原 悟 全国農業協同組合連合会宮城県本部米穀部長 委 員 井城 克廣 公益社団法人みやぎ農業振興公社常務理事 委 員 高澤 まき子 仙台白百合女子大学人間学部健康栄養学科准教授 委 員 川口 尚 東北農政局生産部長 委 員 秋山 耕 宮城県農業会議副会長 委 員 國分 牧衛 東北大学名誉教授 委 員 加藤 房子 宮城県生活協同組合連合会 常務理事 委 員 小島 俊夫 宮城県農林水産部次長(技術担当) 幹 事 廣上 佳作 宮城県農林水産部農産園芸環境課長 幹 事 金岡 裕司 宮城県農林水産部食産業振興課部技術副参事兼技術補佐(総括) 幹 事 堀内 保昭 宮城県農林水産部農業振興課技術副参事兼技術補佐(総括) 幹 事 星 信幸 宮城県古川農業試験場 水田利用部長 幹 事 佐野 幸一 宮城県古川農業試験場 作物育種部長 ○事務局等 役 職 氏 名 所属及び職名 助言者 小野寺 博稔 農業・園芸総合研究所バイオテクノロジー開発部上席主任研究員 事務局 滝澤 浩幸 宮城県古川農業試験場 水田利用部 主任研究員 事務局 國嶋 広達 宮城県古川農業試験場 水田利用部 技師 事務局 橋本 和博 農産園芸環境課 技術補佐(農作物生産対策担当) 事務局 松原 馨一 農産園芸環境課農産食糧班 班長 事務局 高城 拓未 農産園芸環境課農産食糧班 技師 事務局 津和本 亮 農産園芸環境課農産食糧班 技師

(3)

平成28年度

主要農作物品種審査会資料

平成28年9月

(4)

知事からの諮問

審議事項

大麦品種「ホワイトファイバー(旧名称:東山皮糯109号」を奨励品種に

指定することについて

資料1

小麦系統「東北229号」を奨励品種に指定することについて

資料2

平成28年度奨励品種決定調査に供する品種(麦類)について

資料3

参考資料

奨励品種の決定基準(国)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(主要農作物種子法,主要農作物種子制度運用基本要綱,運用通達・別記1)

宮城県奨励品種決定基準

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

宮城県主要農作物奨励品種区分基準

・・・・・・・・・・・・・・・

宮城県主要農作物基幹・特定品種の移行・廃止等の基準について

・・

宮城県主要農作物の基幹品種,特定品種の区分

・・・・・・・・・・

奨 励品種決定調査の方法(国)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(主要農作物種子法,主要農作物種子制度運用基本要綱,運用通達・別記2)

宮城県奨励品種決定調査方法

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

主要農作物品種審査会条例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

主要農作物品種審査会構成員名簿・・・・・・・・・・・・・・・・・11

奨励品種特性表(水稲)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12

ⅩⅠ奨励品種特性表(大豆)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13

ⅩⅡ奨励品種特性表(麦類)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14

ⅩⅢ水稲奨励品種の年次別作付面積

・・・・・・・・・・・・・・・・・15

ⅩⅣ大豆奨励品種の年次別作付面積

・・・・・・・・・・・・・・・・・16

ⅩⅤ麦類奨励品種の年次別作付面積

・・・・・・・・・・・・・・・・・17

(5)
(6)
(7)

大麦「ホワイトファイバー」を奨励品種に指定することについて

資料1

(1)

指定しようとする品種名

大麦「ホワイトファイバー」

(2)

指定する根拠

宮城県奨励品種決定基準の1により奨励品種として指定する。 (参 考) 宮城県奨励品種決定基準 1 奨励品種の採用基準 知事は,奨励品種に採用する場合には,おおむね次の基準のいずれかを満たしている 品種のうち,普及上特に支障となる欠点のないものの中から選択するものとする。 (1)収量,病虫害抵抗性,品質その他の栽培上の重要な特性及び生産物の利用上の重要 な特性を総合的に勘案し,既存の奨励品種(以下「対照品種」という。)と比較して明 らかに優れていると認められること。ただし,奨励品種に採用しようとする品種が, 普及対象地域の範囲又は生産物の用途について制限のある場合を妨げない。 (2)収量,病虫害抵抗性,品質その他の栽培上の重要な特性及び生産物の利用上の重要 な特性のいずれかについて,対照品種と比較して明らかに優れていると認められるこ と。 2 奨励品種の廃止基準 略

(8)

(3)新しく奨励品種に指定する品種について

大麦「ホワイトファイバー」 イ 来歴 「ホワイトファイバー」は平成10年に長野県農事試験場麦類育種指定試験地において,早生,多収, 耐雪性、糯性を育種目標として,「東山系糯437」を母,「東山皮96号(後のファイバースノウ)」を父 として人工交配し,派生系統育種法により選抜固定された系統である。宮城県では平成23年より「東 山皮糯109号」の地方番号系統名で配布を受け,奨励品種決定調査を行ってきた。 平成28年1月に「ホワイトファイバー」として品種登録出願された。 ロ 系譜 赤神力 モチムギC 姫系605 赤神力 四国裸46号 白珍力 会系8号 ハシリハダカ (会津2号) 会津4号 コビンカタギ 細麦3号 東山皮1号 会津裸3号 ミノリムギ バンダイハダカ 中泉在来 丸珍1号 東山皮85号 会 系22 号 (シュンライ) 東山系糯437 岩手大麦1号 コウゲンムギ 中泉在来 (北陸5号) はがねむぎ コウゲンムギ 東山54号 (北陸5号) 東山皮38号 東山皮68号 ホワイト ファイバー 信濃1号 コウゲンムギ シュンライ (北陸5号) シュンライ 東山皮1号 東山皮50号 東山皮96号 コウゲンムギ (ファイバースノウ) 三月 (北陸5号) 東山皮86号 剣吉1号 はがねむぎ 会津6号 岩手大麦1号 ミユキオオムギ コウゲンムギ (北陸5号) 北陸皮26号 会系21号 ユキワリムギ 会系34号 (会津6号)

(9)

ハ 特性一覧表 注1)※部分は,育成地及び特性検定地における評価 注2)表中のデータは,全調査年数分の平均値。また,現地調査は,全調査地点の平均値。 注3)*印の硝子率は,糯種の硝子率検査基準が未設定のため,粳種の検査基準で実施。 注4)加工適性の平成24~26年は東北農業研究センターによる分析。炊飯白度は平成27年を除く。 β-グルカン含有率は育成地の成績。 <β-グルカン> 大麦には,血中コレステロール正常化作用, 食後血糖値上昇抑制作用,満腹感の持続作用 といった機能性を有することが明らかになっ ている。これらの機能性は,大麦に含まれる 食物繊維のうち,水溶性食物繊維の主成分で あるβ-グルカンが豊富であることが要因と されている。大麦は他の穀物と比較して水溶 性食物繊維量が多いが,糯性大麦は粳性大麦 よりもさらに水溶性食物繊維量が多い。 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 とうもろこし(玄穀) 大豆(全粒) 小麦粉(中力粉1等) 米(精米) 米(玄米) 大麦(押麦) 糯性大麦 食物繊維量(g/100g) 図 主要穀類の食物繊維量 (日本食品標準成分表2010から作成,糯性大麦は(株)はくばくの測定値) 水溶性食物繊維 不溶性食物繊維 交配組合せ 東山系糯437/東山皮96号    ※東山皮96号:後のファイバースノウ 特 性 長所 1.糯性でβ-グルカン含有率が高い。    2.精麦白度が高い。    3.「シュンライ」より多収である。 短所 1.赤かび病抵抗性が「シュンライ」と同程度の「やや弱」である。 試 験 地 試 験 年 度 系統名・品種名 ホワイトファイバー シュンライ ホワイトファイバー シュンライ 播性の程度 ※ Ⅰ~Ⅱ Ⅰ~Ⅱ - -出穂期(月.日) 4.29 4.27 4.28 4.27 成熟期(月.日) 6.11 6.11 6.4 6.3 稈長(cm) 91 84 86 83 穂長(cm) 4.6 4.1 4.5 4.3 穂数(本/㎡) 487 468 320 321 糯粳の区分 糯 粳 - -耐倒伏性 やや強 強 - -穂発芽性 ※ 中 易 - -うどんこ病抵抗性 ※ やや強 中 - -赤かび病抵抗性 ※ やや弱 やや弱 - -オオムギ縞萎縮病(Ⅰ+Ⅲ型)抵抗性 ※ 強 やや強 - -オオムギ縞萎縮病(Ⅱ型)抵抗性 ※ やや弱 やや弱 - -子実重(kg/a) 53.4 49.6 32.3 28.3 対標準比率(%) 108 100 114 100 容積重(g/l) 663 670 690 705 千粒重(g) 35.8 38.3 36.8 39.2 外観品質 中中 中下 中中 中中 硝子率(%) * 41.6 48.9 砕粒率(%) 0.6 1.5 55%精麦白度(%) 46.5 45.2 炊飯白度(%) 34.3 36.9 β-グルカン含有率(%) ※ 7.5 3.9 ホワイトファイバー 系 統 名 低い方が望ましい 38%以上が望ましい 高い方が望ましい 糯種は粳種より高い 古川農業試験場 現地調査(大河原町,石巻市) 平成23~27年 平成25年~27年 加工適性は平成24~27年注 3) 40%以下が望ましい

(10)

ニ 特性概要 (イ)形態的特性 a 稈長は「シュンライ」より長い。 b 穂長は「シュンライ」より長い。穂数は「シュンライと」同程度である。 c 耐倒伏性は“やや強”で“強”の「シュンライ」よりやや劣る。 (ロ)生態的特徴 a 播性程度は“Ⅰ~Ⅱ”である。 b 出穂期は「シュンライ」より遅く,成熟期は「シュンライ」と同程度で,宮城県における早 晩性は“早生”である。 c 収量性は「シュンライ」より高い。 d 穂発芽性は“中”で“易”の「シュンライ」より穂発芽しにくい。 e 赤かび病抵抗性は「シュンライ」と同じ“やや弱”である。 (ハ)品質・加工適性 a 容積重は「シュンライ」と同程度で,千粒重は「シュンライ」より小さい。 b 原麦の外観品質は「シュンライ」よりやや優れる。 c 硝子率は「シュンライ」より低く,55%精麦白度が「シュンライ」より高い。 d 糯性でβ-グルカン含有率が「シュンライ」より高い。 ホ 奨励品種に指定しようとする理由 近年,大麦の健康機能性がメディアに取り上げられたことに加えて,消費者の国産農産物志向も 強いことから,国産大麦の需要が高まっている。宮城県産大麦についても,平成28年産までは,販 売予定数量を購入希望数量が上回る「逆ミスマッチ」が続いていたが,平成29年産については一転 して,大麦全体で約600tの「ミスマッチ」(販売予定数量>購入希望数量)となっている。これは, 昨年の豊作により各メーカーが過剰在庫を抱えたことに加えて,実需者が品質上の理由から他県産 への切り替えを進めたことに由来する。 このような背景から,平成28年度宮城県麦類生産流通基本方針では,ミスマッチの解消に向けて 「機能性を有する品種の導入など,新規需要の開拓とあわせた生産拡大を進める」こととしている。 現在の大麦奨励品種の「シュンライ」(基幹品種),「ミノリムギ」(基幹品種)は,奨励品種とし ての期間が長く,用途に応じて実需者と強い結びつきがある。実需者からは,これらの品種の安定 供給に加えて,現在販売している機能性を表示した製品の原料が全て外国産大麦であることから, 原料を国産大麦に切り替えたい意向があり,大麦主産県である本県に対して,機能性を有する品種 の作付けが強く要望されている。 「ホワイトファイバー」は,平成23年度から奨励品種決定調査で検討した結果,糯種であること から機能性成分であるβ-グルカン含有率が粳種より高く,また,「シュンライ」と比較して多収で あり,その他の栽培特性も劣る点はみられなかったため,実需者の要望を満たしており,販売上有 利な品種である。 以上のことから,「ホワイトファイバー」を奨励品種に指定し,実需者ニーズに応えるとともに, 県産大麦の需給ミスマッチの解消と安定生産・供給を図る。 ヘ 普及見込み地帯及び面積 (イ)普及見込み地帯 山間高冷地を除く県下一円 (ロ)普及見込み面積 150ha

(11)

(ハ)「ホワイトファイバー」で代替する品種及びその面積

品種名 熟期 作付面積の推移 作付目標

26年産 27年産 28年産 (見込み)面積

ホワイトファイバー 早生 - - - 150ha

シュンライ 早生 750ha 768ha 747ha 650ha ミノリムギ 中生 290ha 296ha 305ha 300ha 合計 1,040ha 1,090ha 1,067ha 1,100ha 注)合計には,その他品種も含む。

ト 栽培上の留意点

(イ)赤かび病抵抗性が「シュンライ」と同じ“やや弱”なので,適期防除に努める。 (ロ)穂発芽性が“中”なので,刈り遅れによる品質低下を避けるため,適期収穫に努める。

(12)

チ 普及見込み地帯における試験成績 (イ)奨励品種決定調査(基本調査)成績 表1 基本調査成績(平23~27年) 注)倒伏程度,主要病害及び穂発芽 0:無,1:微,2:少,3:中,4:多,5:甚 表1(続き) 注) 品質概評 1:上の上,2:上の下,3:中の上,4:中の中,5:中の下,6:下 有望度 ◎:極有望,○:有望,△:再検討,×:打ち切り <概評>「シュンライ」と比較して,出穂期は2日遅く,成熟期は同程度。稈長と穂長は長い。収量は 多く,容積重は同程度,千粒重は小さい。外観品質はやや優れる。 品種名 試験 出穂期 成熟期 稈長 穂長 穂数 倒伏 赤さび うどん 赤かび 縞萎縮 寒雪害 年度 (月.日) (月.日) (cm) (cm) (本/㎡) 程度 病 こ病 病 病 (冬損程度) ホワイトファイバー 平23 5.2 6.14 101 4.8 543 3.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 平24 5.4 6.17 89 4.2 530 0.0 0.0 0.0 1.0 0.0 0.0 0.0 平25 4.29 6.13 75 4.8 451 0.0 0.0 0.0 5.0 0.0 4.0 0.0 平26 4.25 6.4 95 4.2 484 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 平27 4.23 6.6 93 4.8 428 0.0 0.0 0.0 0.5 0.0 0.0 0.0 シュンライ 平23 5.1 6.14 92 4.2 521 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 (標準) 平24 5.4 6.17 79 3.8 559 0.0 0.0 0.0 1.0 0.0 0.0 0.0 平25 4.28 6.13 68 4.5 461 0.0 0.0 0.0 5.0 0.0 5.0 0.0 平26 4.23 6.4 90 3.7 384 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 平27 4.19 6.5 89 4.1 415 0.0 0.0 0.0 0.5 0.0 0.0 0.0 ミノリムギ 平23 5.6 6.16 98 4.3 533 1.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 (比較) 平24 5.9 6.20 100 4.1 536 0.0 0.0 0.0 1.0 0.0 0.0 0.0 平25 5.2 6.14 91 4.1 463 0.0 0.0 0.0 4.0 0.0 3.0 0.0 平26 4.27 6.5 103 4.0 492 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 平27 4.24 6.8 95 4.4 460 0.0 0.0 0.0 0.5 0.0 0.0 0.0 ホワイトファイバー 平均 4.29 6.11 91 4.6 487 0.7 0.0 0.0 1.3 0.0 0.8 0.0 シュンライ 4.27 6.11 84 4.1 468 0.0 0.0 0.0 1.3 0.0 1.0 0.0 ミノリムギ 5.2 6.13 97 4.2 497 0.3 0.0 0.0 1.1 0.0 0.6 0.0 穂発芽 品種名 試験 子実重 同比率 容積重 千粒重 品質 年度 (kg/a) (%) (g) (g) 概評 ホワイトファイバー 平23 32.1 105 631 34.8 3.5 △ 平24 60.6 107 682 36.1 3.0 ○ 平25 52.8 111 613 34.3 5.0 △ 平26 65.4 104 681 38.6 2.5 △ 平27 56.1 110 706 35.3 4.0 ◎ シュンライ 平23 30.6 100 650 37.6 4.0 (標準) 平24 56.4 100 685 37.3 4.0 平25 47.5 100 594 36.6 6.0 平26 62.8 100 703 42.4 2.5 平27 50.9 100 716 37.4 4.0 ミノリムギ 平23 29.0 95 657 35.7 4.5 (比較) 平24 58.3 103 693 36.6 2.5 平25 58.7 124 653 36.9 4.0 平26 62.8 100 689 37.9 2.5 平27 46.4 91 718 35.2 4.0 ホワイトファイバー 平均 53.4 108 663 35.8 3.6 シュンライ 49.6 100 670 38.3 4.1 ミノリムギ 51.0 103 682 36.5 3.5 有望度

(13)

(ロ)奨励品種決定調査(現地調査)成績 表2 現地調査成績(平25~27年) 注)倒伏程度,主要病害及び穂発芽 0:無,1:微,2:少,3:中,4:多,5:甚 試験 出穂期 成熟期 稈長 穂長 穂数 倒伏 赤か 縞萎 年度 (月.日) (月.日) (cm) (cm) (本/㎡) 程度 び病 縮病 石巻市 ホワイトファイバー 平25 5.3 6.8 73 4.1 197 0.0 1.0 0.0 0.0 平26 4.26 5.30 96 4.6 258 0.0 0.0 0.0 0.0 平27 4.25 6.5 83 4.9 359 0.0 0.0 0.0 0.0 シュンライ 平25 5.2 6.7 73 4.8 190 0.0 1.0 0.0 0.0 (標準) 平26 4.25 5.28 90 4.4 226 0.0 0.0 0.0 0.0 平27 4.20 6.2 80 4.2 279 0.0 0.0 0.0 0.0 ミノリムギ 平25 5.6 6.11 80 4.5 176 0.0 1.0 0.0 0.0 (比較) 平26 4.28 5.30 102 4.1 310 0.0 0.0 0.0 0.0 ホワイトファイバー 平均 4.28 6.4 84 4.5 271 0.0 0.3 0.0 0.0 シュンライ 4.26 6.2 81 4.5 232 0.0 0.3 0.0 0.0 ミノリムギ 5.2 6.5 91 4.3 243 0.0 0.5 0.0 0.0 大河原町 ホワイトファイバー 平25 5.1 6.7 93 4.8 502 1.0 1.0 0.0 2.0 平26 4.26 5.30 85 4.2 283 3.5 0.0 0.0 0.0 平27 4.22 6.3 79 4.6 195 0.0 0.0 0.0 0.0 シュンライ 平25 5.2 6.8 88 4.3 600 2.0 1.0 0.0 2.0 (標準) 平26 4.27 6.1 86 3.8 309 2.0 0.0 0.0 0.0 平27 4.22 6.3 75 3.9 169 0.0 0.0 0.0 0.0 ミノリムギ 平25 5.5 6.11 103 5.1 493 2.0 1.0 0.0 1.0 (比較) 平26 4.29 6.2 98 4.1 404 2.0 0.0 0.0 0.0 ホワイトファイバー 平均 4.27 6.3 85 4.5 326 1.5 0.3 0.0 0.7 シュンライ 4.27 6.4 83 4.0 359 1.3 0.3 0.0 0.7 ミノリムギ 5.2 6.7 101 4.6 449 2.0 0.5 0.0 0.5 全地点 ホワイトファイバー 平均 4.28 6.4 85 4.5 299 0.8 0.3 0.0 0.3 シュンライ 4.27 6.3 82 4.2 295 0.7 0.3 0.0 0.3 ミノリムギ 5.2 6.6 96 4.5 346 1.0 0.5 0.0 0.3 穂発芽 品種名 場所

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表2(続き) 注) 品質概評 1:上の上,2:上の下,3:中の上,4:中の中,5:中の下,6:下 有望度 ◎:極有望,○:有望,△:再検討,×:打ち切り ※平成26年度の有望度は,石巻市では「シュンライ」と同評価であったため,大河原町では収穫 時に茎の折損が多かったため,×の評価となっている。 <概評>「シュンライ」と比較して,出穂期は同程度~2日遅く,成熟期は同程度。穂長はやや長い。 収量は多く,容積重は同程度,千粒重は小さい。外観品質は同程度。 試験 子実重 同比率 容積重 千粒重 品質 年度 (kg/a) (%) (g) (g) 概評 石巻市 ホワイトファイバー 平25 21.8 90 689 35.1 3.5 △ 平26 35.2 105 712 37.4 2.7 × 平27 42.6 109 726 37.4 4.0 ○ シュンライ 平25 24.3 100 692 39.2 3.5 (標準) 平26 33.5 100 738 38.6 2.7 平27 39.2 100 722 38.6 4.0 ミノリムギ 平25 23.8 98 678 34.0 3.0 (比較) 平26 41.2 123 723 37.3 2.7 ホワイトファイバー 平均 33.2 103 709 36.6 3.4 シュンライ 32.3 100 717 38.8 3.4 ミノリムギ 32.5 100 701 35.7 2.9 大河原町 ホワイトファイバー 平25 38.9 125 606 36.8 6.0 △ 平26 23.2 171 716 37.2 3.2 × 平27 25.5 110 675 32.8 3.5 ○ シュンライ 平25 31.0 100 637 39.5 5.0 (標準) 平26 13.6 100 737 40.2 3.5 平27 23.1 100 680 35.2 3.5 ミノリムギ 平25 26.8 86 594 34.1 6.0 (比較) 平26 28.4 209 708 36.6 3.2 ホワイトファイバー 平均 29.2 129 666 35.6 4.2 シュンライ 22.6 100 685 38.3 4.0 ミノリムギ 27.6 122 651 35.4 4.6 全地点 ホワイトファイバー 平均 31.2 114 687 36.1 3.8 シュンライ 27.5 100 701 38.6 3.7 ミノリムギ 30.0 109 676 35.5 3.7 有望度 場所 品種名

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表3 基本調査耕種概要 表4 現地調査耕種概要 試験 栽培 播種期 1区面積 播種量 基肥(kg/a) 追肥 年度 様式 (月.日) (㎡) (kg/a) (N-P2O5-K2O) (N kg/a) 平23 ドリル 10.13 12 2 0.9 0.8-0.8-0.8 0.5 幼穂形成期,減数分 裂期の合計 平24 ドリル 10.15 12 2 0.9 0.8-0.8-0.8 0.5 〃 平25 ドリル 10.18 12 2 0.9 0.8-0.8-0.8 0.5 〃 平26 ドリル 10.20 12 2 0.9 0.8-0.8-0.8 0.5 〃 平27 ドリル 10.20 12 2 0.9 0.8-0.8-0.8 0.5 〃 備考 区制 試験 栽培 播種期 1区面積 播種量 基肥(kg/a) 追肥 年度 様式 (月.日) (㎡) (kg/a) (N-P2O5-K2O) (N kg/a) 石巻市 平25 ドリル 10.31 12 2 0.9 0.68-0.68-0.68 0.42 幼穂形成期、減数分 裂期の合計 平26 ドリル 10.24 12 2 0.9 0.68-0.68-0.68 0.10 幼穂形成期 平27 ドリル 10.22 6 2 0.9 0.68-0.68-0.68 0.57 株直し追肥、幼穂形 成期の合計 大河原町 平25 ドリル 11.7 12 2 0.9 0.68-0.68-0.68 0.21 幼穂形成期 平26 ドリル 10.28 12 2 0.9 0.68-0.68-0.68 0.21 幼穂形成期 平27 ドリル 11.6 6 2 0.9 0.68-0.68-0.68 0.50 幼穂形成期、減数分 裂期の合計 区制 備考 場所

(16)

リ 加工適性試験成績 表5 搗精試験成績 注1)平成24~26年は東北地域麦類品質連絡試験において東北農業研究センターが,平成27年は古川 農業試験場が分析した。 注2)搗精時間は平成24年を,炊飯麦白度は平成27年を除いた平均値である。 <概評>「シュンライ」と比較して,硝子率が低く,精麦白度は高い。炊飯白度は低い。 品種名 年度 硝子率(%) 搗精時間 分.秒 搗精率(%) 砕粒率(%) 精麦白度 (%) 炊飯麦 白度(%) ホワイトファイバー 平24 48.5 - 55.1 0.3 46.7 34.2 シュンライ 48.5 - 54.9 3.6 44.3 35.7 ミノリムギ 45.5 - 55.1 0.4 50.4 35.6 ホワイトファイバー 平25 46.0 14.03 55.2 1.9 43.6 34.5 シュンライ 51.0 11.08 55.2 1.9 42.3 36.4 ミノリムギ 53.0 11.43 55.1 2.0 46.1 36.1 ホワイトファイバー 平26 50.0 13.15 55.2 0.1 48.8 34.1 シュンライ 44.0 10.57 55.1 0.2 49.0 38.7 ミノリムギ 39.0 10.59 55.0 0.1 48.7 35.7 ホワイトファイバー 平27 21.8 9.20 55.4 0.0 46.8 -シュンライ 52.0 8.21 55.2 0.2 45.2 -ミノリムギ 47.0 8.18 55.3 0.0 46.1 -ホワイトファイバー 平均 41.6 12.13 55.2 0.6 46.5 34.3 シュンライ 48.9 10.9 55.1 1.5 45.2 36.9 ミノリムギ 46.1 10.20 55.1 0.6 47.8 35.8

(17)

ヌ 特性検定試験成績 表6 各特性検定試験地における成績 耐寒性(長野県農試):12月初旬被覆後,1月中旬の厳寒日に除覆し,健全株1.00,回復可能株 0.75,生 育不良株 0.50,枯死寸前株 0.25,枯死株 0.00の5段階による被害度から強弱判 定。 耐雪性(常盤現地、温井現地):強弱判定は耐寒性に準ずる。 耐寒雪性(岩手県農研センタ-):越冬株歩合に越冬直後の被害度を考慮して強弱を判定。 耐凍上性(長野県野菜花き試):10月中旬,下旬の2回播種。越冬株歩合を重点に,葉枯れ程度を参考にし て強弱を判定。 うどんこ病抵抗性(長野県農試):標準の倍量施肥で栽培し,周囲をスプレッダー(カシマムギ)で囲み, 自然感染による圃場検定を行ない0(無)~9(激甚)の発病指数から 強弱を判定。 赤かび病抵抗性(長野県農試、作物研):赤かび病抵抗性簡易検定ハウス使用のポット検定。開花期に赤か び病菌の分生胞子懸濁液を噴霧接種。発病指数から強弱判定。 系統名 試験 耐寒性 耐寒雪性 耐凍上性 または 年度 品種名 飯山市 飯山市 岩手県 長野県 (平成) 常盤 温井 高冷地 中信試 17 中 判定不能 判定不能 - 中 - - 18 判定不能 判定不能 強 やや強 やや強 中 中 -   19 中 強 判定不能 やや弱 弱 やや強 やや弱 -   20 中 判定不能 強 中 弱 弱 中 - ホワイトファイバー 21 強 強 やや強以下 中 中 強 中 - 22 判定不能 中以下 やや強以下 中 強 判定不能 弱 - 23 強 やや強 判定不能 - - 強 - - 24 やや弱 強 判定不能 やや弱 - 判定不能 - 中 25 強 強 判定不能 中 - 判定不能 - 中 26 強 強 判定不能 やや強 - やや強 - やや弱 17 やや強 判定不能 判定不能 弱 中 やや弱 弱 - 18 判定不能 判定不能 やや強 中 中 中 弱 -   19 中 やや強 判定不能 弱 強 弱 やや弱 -   20 やや強 判定不能 やや強 やや弱 強 やや弱 やや弱 - シュンライ 21 強 やや強以下 やや強以下 やや弱 強 強 中 - (標準) 22 判定不能 中以下 やや強以下 やや弱 中 判定不能 やや弱 - 23 強 中 判定不能 やや弱 - やや弱 - - 24 やや強 強 判定不能 弱 - 判定不能 - やや強 25 やや強 強 判定不能 - - 判定不能 - やや弱 26 強 中 判定不能 - - 中 - 弱 17 中 判定不能 判定不能 - 中 中 弱 - 18 判定不能 判定不能 やや弱 - - やや弱 中 -   19 中 弱 判定不能 - 弱 弱 やや弱 -   20 やや強 判定不能 やや強 - 中 やや弱 中 - セツゲンモチ 21 強 やや強以下 やや強以下 - - 弱 弱 - (比較) 22 判定不能 中以下 やや強以下 - - 判定不能 弱 - 23 強 やや弱以下 判定不能 - - 中 - - 24 中 中 判定不能 - - 判定不能 - - 25 強 やや弱 判定不能 - - 判定不能 - - 26 やや強 中 判定不能 - やや強 - - 17 強 判定不能 判定不能 やや強 中 中 弱 - 18 強 強 強 やや強 中 中 中 -   19 強 極強 判定不能 中 強 やや強 やや弱 -   20 強 判定不能 極強 強 中 中 やや弱 - ファイバースノウ 21 強 やや強以下 やや強以下 やや強 強 強 中 - (参考) 22 判定不能 強 やや強以下 やや強 強 判定不能 やや弱 - 23 強 やや強 判定不能 やや強 - 強 - - 24 強 強 判定不能 やや強 - 判定不能 - やや強 25 やや強 強 判定不能 やや強 - 判定不能 - やや弱 26 強 強 判定不能 やや強 - 中 - 中 ホワイトファイバー 平成 やや強 強 強 中 中 やや強 やや弱 中 シュンライ 21~ やや強 やや強 やや強 やや弱 やや強 中 やや弱 やや弱 セツゲンモチ 26年度 やや強 中 やや強 - やや弱 やや弱 やや弱 - ファイバースノウ 平均 強 強 強 強 やや強 やや強 やや弱 中 原村試験地 育成地 育成地 作物研 耐雪性 うどんこ病 赤かび病 病害抵抗性

(18)

表6(続き) 注)WBはウェスタンブロッティング法によるウイルス検定。 オオムギ縞萎縮病(Ⅰ+Ⅲ型)抵抗性(栃木農試):ウイルス汚染圃場に裁植。被害程度等の観察から0(無) ~6 (激甚) の7段階に分級し,強弱を判定。26年度はウェスタンブロ ッティング法によるウイルス検定を実施。 オオムギ縞萎縮病(Ⅱ型)抵抗性(作物研):ウイルス汚染圃場に裁植。発病程度等の観察から0(無)~6 (激甚) の7段階に分級し,強弱を判定。 オオムギ萎縮病抵抗性(JSBWMV)(作物研):ウイルス汚染圃場に裁植。発病程度等観察から0(無)~6 (激 甚) の7段階に分級し,強弱を判定。ELISA検定も実施。 穂発芽性(長野県農試):成熟期後に採取した穂を20℃の恒温槽中に立て,7日間潅水。観察により難易を 判定。 播性(長野県農試):3月上旬より10日間隔で播種し,指標品種と比較した出穂状況により判定。 <概評>「シュンライ」と比較して,耐寒性は同程度,耐雪性は優れるが,耐凍上性は弱い。うどん粉病 にはやや強く,赤かび病抵抗性は同程度。穂発芽性は“中”,播性は“Ⅰ~Ⅱ”である。 系統名 試験 穂発芽性 播性 または 年度 萎縮病 品種名 Ⅱ型 (JSBWMV) (平成) 17 - - - - - - - 18 - - - - - - Ⅱ   19 - - - - - - ~Ⅲ   20 強 - - - - - ~Ⅲ ホワイトファイバー 21 強 - - - - - ~Ⅱ 22 強 - - - 弱 - Ⅰ~Ⅱ 23 中 やや強 - - やや強 中 Ⅰ~Ⅱ 24 強 弱 - - 弱 中 Ⅰ~Ⅱ 25 強 やや弱 - やや弱 やや弱以下 中 Ⅰ~Ⅱ 26 やや強 (+) 弱 弱 やや易 Ⅰ~Ⅱ 17 - - - - - - ~Ⅱ 18 - - - - - - Ⅰ   19 - - - - - - ~Ⅲ   20 強 - - - - - ~Ⅲ シュンライ 21 強 - - - - - ~Ⅱ (標準) 22 強 - - - 弱 - Ⅰ~Ⅱ 23 弱 やや弱 - - やや弱 易 Ⅰ~Ⅱ 24 強 弱 - - 弱 易 Ⅰ~Ⅱ 25 やや弱 やや弱 - 弱 やや弱以下 (中) Ⅰ~Ⅱ 26 中 - 中 極弱 易 Ⅰ~Ⅱ 17 - - - - - - ~Ⅱ 18 - - - - - - Ⅱ   19 - - - - - - ~Ⅲ   20 強 - - - - - ~Ⅲ セツゲンモチ 21 強 - - - - - ~Ⅱ (比較) 22 - - - - - - Ⅰ~Ⅱ 23 - 中 - - 中 やや難 Ⅰ~Ⅱ 24 強 やや弱 - - やや弱 やや難 Ⅰ~Ⅱ 25 強 やや弱 - - やや弱 難 Ⅰ~Ⅱ 26 強 - - やや難 Ⅰ~Ⅱ 17 - - - - - Ⅴ 18 - - - - - Ⅴ   19 - - - - - Ⅴ   20 強 - - - - Ⅴ ファイバースノウ 21 強 - - - - Ⅴ (参考) 22 強 - - 弱 - Ⅳ 23 中 - - 中 易 Ⅴ 24 強 - - やや弱 易 Ⅴ 25 強 - やや弱 やや弱 易 Ⅴ 26 強 (+) 中 極弱 (やや難) Ⅴ~ ホワイトファイバー 平成 強 中 (+) やや弱 やや弱 中 Ⅰ~Ⅱ シュンライ 21~ やや強 やや弱 - やや弱 弱 易 Ⅰ~Ⅱ セツゲンモチ 26年度 強 - - やや弱 やや難 Ⅰ~Ⅱ ファイバースノウ 平均 強 (+) やや弱 やや弱 易 Ⅴ 育成地 栃木農試 作物研 WB 作物研 作物研 育成地 病害抵抗性 大麦縞萎縮病  Ⅰ+Ⅲ型

(19)

(4)新しく奨励品種に指定しようとする系統の奨励品種区分について

イ 大麦「ホワイトファイバー」の奨励品種区分 大麦「ホワイトファイバー」を特定品種として指定する。 ロ 区分の根拠 宮城県主要農作物奨励品種区分基準の2 及び 3 による。 (参考) ○宮城県主要農作物奨励品種区分基準(平成19年2月9日改正) (名称区分) 2 奨励品種は次の名称に区分する。 (1)基幹品種 生産・流通対策上,基幹となる品種 (2)特定品種 基幹品種を補完する品種 (区分基準) 3 品種の構成は,基幹品種を熟期別に設定し,さらに,これを補完する特定品種を配 することとする。 採用については,「主要農作物種子制度の運用について」(昭和61年12月18日 付け61農蚕第6800号農産園芸局長通達)別記1「奨励品種の決定基準」1の(1) に定めるもののほか,下記の項目に照らし総合的に勘案して決定する。 (1)基幹品種 生産,流通対策上,基幹となる品種として生産振興を図る必要のある品種 (2)特定品種 ア 特定の気象・土壌条件に栽培が適している品種 イ 特定の用途に対し,一定量の需要が見込まれる品種 ウ 作業体系及び各種危険分散の要求を満たす品種 エ 生産者並びに消費者ニーズ等が特に強い品種 オ 暫定的に普及が望まれる品種 ハ 区分の理由 宮城県では現在,食用の大麦品種として「シュンライ」「ミノリムギ」を奨励しているが, これらは一般的な製品(押麦,米粒麦,麦茶)の原料として使用されており,実需者が求 める機能性成分を多く含む製品の原料には適さない。 「ホワイトファイバー」は糯種で,機能性成分であるβ-グルカン含有率が高いことか ら,用途は機能性表示を行う製品の原料として使用されることが見込まれる。このため,「ホ ワイトファイバー」を奨励品種のうち「特定品種」に区分する。

(20)

小麦「東北229号」を奨励品種に指定することについて

資料2

(1)

指定しようとする系統名

小麦「東北229号」

(2)

指定する根拠

宮城県奨励品種決定基準の1により奨励品種として指定する。 (参 考) 宮城県奨励品種決定基準 1 奨励品種の採用基準 知事は,奨励品種に採用する場合には,おおむね次の基準のいずれかを満たしている 品種のうち,普及上特に支障となる欠点のないものの中から選択するものとする。 (1)収量,病虫害抵抗性,品質その他の栽培上の重要な特性及び生産物の利用上の重要 な特性を総合的に勘案し,既存の奨励品種(以下「対照品種」という。)と比較して明 らかに優れていると認められること。ただし,奨励品種に採用しようとする品種が, 普及対象地域の範囲又は生産物の用途について制限のある場合を妨げない。 (2)収量,病虫害抵抗性,品質その他の栽培上の重要な特性及び生産物の利用上の重要 な特性のいずれかについて,対照品種と比較して明らかに優れていると認められるこ と。 2 奨励品種の廃止基準 略

(21)

(3)新しく奨励品種に指定する系統について

小麦 「東北229号」 イ 来歴 「東北229号」は平成13年に東北農業研究センターにおいて早生,安定多収,耐寒雪性,耐病性,難穂 発芽性,強稈,外観品質良,高製粉性,高製麺適性を有するめん用品種を目的として,F1雑種「関東1 23号/東北214号//関東123号/東北209号」を母とし,「もち盛系C-3170a」を父とした人工交配(盛交W0 1-41)の組合せから派生系統育種法により,選抜固定された系統である。宮城県では平成23年より配 布を受け,奨励品種決定調査を行ってきた。 ロ 系譜 V illa glori 農林33号 東北106号 (シモフサ コムギ) 東北27号 伊賀筑後オレゴン ヤールワイツェン 東北79号 北関東44号 東北122号 東北141 号 ナンブコムギ 農林33号 アオバコムギ 農林27号 (F9) Hope×Timstein Ⅱ 39-44 農林58号 東北118号 東北229号 Ag.glaum (F 2) W A-3 東北118号 フルツ1号 さび系23号 東北108号 東北214 号 農林29号 農林61号 ウシオコムギ 極早生2 関 東95号 西海120号 シロワセコムギ オマセコムギ 東海80号 Combine 関東99号 関系W 361 (シロ ガネコムギ ) Co 60処理 関東66号 関東100号 関東87号 関東77号 アオバコムギ 農林61号 ニチリンコムギ 関東75号 関系W364 (バンド ウワセ) ヒヨクコムギ 北関東48号 農林20号 農林68号 四国87号 西海95号 関 東123号 (F 2) 半数体倍加 関東79号 関東82号 Fest iguay 関東107号 徐 州 関東5 6号 農 林26号 伊賀筑後オレゴン 新中長 埼玉29号 鴻巣26号 Ardit o (農林7号) Palo Duro 東北209号 関東123号 白火 もち盛系C-D1479 もち盛系C-3170a 関 東107号 半 数体倍加 (もち姫 ) (タマイズ ミ) ( タマイズミ ) (ゆきちか ら) (アオ バコムギ)

(22)

ハ 特性一覧表 注1)※部分は,育成地及び特性検定地における評価。 注2)*印部分は東北農業研究センター,**印部分は阿部製粉株式会社が古試産の子実で実施 注3)表中のデータは,全調査年数分の平均値。また,現地調査は,全調査地点の平均値。 系 統 名 東北229号 長所 1.製パン適性が優れる。 特 性    2.「ゆきちから」より多収である。    3.赤かび病抵抗性が「ゆきちから」より強い「中」である。    4.穂発芽性が「難」である。 短所 1.うどんこ病抵抗性が「ゆきちから」より弱い「中」である。 試 験 地 試験年度 系統名・品種名 東北229号 ゆきちから 東北229号 ゆきちから 播性の程度 ※ Ⅴ Ⅴ - -出穂期(月.日) 5.8 5.9 5.12 5.14 成熟期(月.日) 6.25 6.27 6.27 6.28 稈長(cm) 82 85 74 77 穂長(cm) 8.2 8.8 8.5 8.8 穂数(本/㎡) 561 475 551 453 耐倒伏性 強 強 - -穂発芽性 ※ 難 中 - -うどんこ病抵抗性 ※ 中 強 - -赤かび病抵抗性 ※ 中 やや弱 - -縞萎縮病抵抗性 ※ 強 強 - -子実重(kg/a) 57.8 51.2 52.8 49.3 対標準比率(%) 113 100 107 100 容積重(g/l) 828 815 789 792 千粒重(g) 38.6 39.0 36.8 38.7 外観品質 中上 中中 中中 中中 原粒蛋白質含有率(%) 10.9 11.0 パン用は高い方が望ましい 原粒灰分含有率(%) * 1.79 1.72 低い方が良いが,硬質小麦は値が高い 製粉歩留(%) * 71.2 70.6 高い方が良いが,粉色とのバランスが重要 ミリングスコア * 82.0 82.0 高い方が良い(製粉性の指標値) 60%粉灰分含有率(%) * 0.46 0.45 0.4%以下が望ましいが,硬質小麦は値が高い 60%粉粗蛋白質含有率(%) * 10.5 10.9 パン用は高い方が望ましい 粉の明度(L*) * 88.1 87.9 粉の赤み(a*) * 0.18 0.21 粉の黄色み(b*) * 11.7 12.0 アミログラム(でん粉糊化特性)  最高粘度(B.U.) * 1104 997 400B.U.以上あれば二次加工上の問題はない  ブレークダウン(B.U.) * 390 300 値が大きいと粘弾性,なめらかさに優れる ファリノグラム(生地の物理性)  生地の形成時間(min) * 6.4 4.4  生地の安定度(min) * 28.3 7.6  生地の弱化度(B.U.) * 19 52  バロリメーターバリュー * 74 62 エキステンソグラム(生地の伸長特性)  チャートの面積(cm2 198 101  生地の伸長抵抗(B.U.) * 784 364  生地の伸長度(mm) * 200 204  形状係数 * 4.0 1.8 パン用は3程度が望ましい 製パン試験体積(ml) ** 1671(1604~1784) 1769(1480~2037) 年次間の差は小さい方が望ましい パン官能試験合計点(点) ** 77.3(76.8~78.4) 76.5(74.9~79.4) ( )内は調査期間中の値の幅 パン用は値が大きい方が良い 製 粉 特 性 粉 色 パン用は明るく白い色が好まれる ゆきちからと同程度で粉色上の問題はない 生 地 物 性 パン用は時間が長い方が良い パン用は時間が長い方が良い パン用は値が小さい方が良い パン用は70以上が良い(生地物性の指標値) パン用は値が大きい方が良い パン用は値が大きい方が良い 加工適性は平成23~26年 平成24年~27年 組合せ 関東123号/東北214号//関東123号/東北209号/3/もち盛系C-3170a      ※関東123号:後のタマイズミ,東北214号:後のゆきちから 古川農業試験場 現地調査 平成23~27年 (登米市,涌谷町,美里町,石巻市,大河原町)

(23)

ニ 特性概要 (イ)形態的特性 a 稈長は「ゆきちから」と同程度である。 b 穂長は「ゆきちから」よりやや短い。穂数は「ゆきちから」より多い。 c 耐倒伏性は「ゆきちから」と同じ“強”である。 (ロ)生態的特徴 a 播性程度は“Ⅴ”である。 b 出穂期は「ゆきちから」より1日早く,成熟期も「ゆきちから」より2日早い。 c 収量性は「ゆきちから」より高い。 d 穂発芽性は“難”で“中”の「ゆきちから」より穂発芽しにくい。 e 赤かび病抵抗性は“中”で“やや弱”の「ゆきちから」より強い。 (ハ)品質・加工適性 a 容積重と千粒重は「ゆきちから」と同程度である。 b 原麦の外観品質は「ゆきちから」より優れる。 c 蛋白質含有率,パン官能試験評価等は「ゆきちから」より年次変動が小さい。 d 製パン性に関係する生地物性は「ゆきちから」より優れる。 ホ 奨励品種に指定しようとする理由 近年,大手製パン業者が国産小麦を原料とした商品開発に取り組むなど,国産小麦の需要は増大 している。宮城県産小麦については,平成27年産までは需要と供給が概ね均衡していたが,平成28 年産以降,逆ミスマッチ(販売予定数量<購入希望数量)が続いており,更なる増産が必要であるこ とに加えて,実需者からは,品質の向上と均質化や,二次加工適性が高い品種の導入が要望されて いる。 現在の小麦奨励品種である「ゆきちから」(特定品種)は,平成15年に奨励品種に指定された,パ ン,中華麺用の硬質小麦品種であるが,実需者からはパン生地の膨らみが劣ることが指摘され,実 際の利用は外国産麦とのブレンドや菓子パンにとどまり,需要が頭打ちになっている。また,栽培 面では赤かび病抵抗性が弱い等の欠点を抱えており,後継品種の導入が求められている。 「東北229号」は,平成23年度から奨励品種決定調査で検討した結果,「ゆきちから」より赤かび 病抵抗性が強く,成熟期がやや早く,多収で外観品質も優れることから,収量・品質の向上には有 利な系統である。 また,加工適性に関係する製粉試験や製パン試験では,「ゆきちから」より年次間の品質変動が小 さい,外国産麦に近い結果も得られるなど加工面でも優れている。 以上のことから,「東北229号」を奨励品種に指定し,実需者ニーズに応えるとともに,県産小麦 の需給ミスマッチの解消と安定生産・供給を図る。 ヘ 普及見込み地帯及び面積 (イ)普及見込み地帯 山間高冷地を除く県下一円 (ロ)普及見込み面積 400ha

(24)

(ハ)「東北229号」で代替する品種及びその面積

品種名 熟期 作付面積の推移 作付目標

26年産 27年産 28年産 (見込み)面積 東北229号 中生の早 - - - 400ha ゆきちから 中生の早 282ha 326ha 372ha -

ト 栽培上の留意点

(イ)赤かび病抵抗性は「ゆきちから」より強いが,“中”程度なので「ゆきちから」と同様の防除を 行う。

(ロ)うどん粉病抵抗性が“中”なので,適期防除に努める。

(25)

チ 普及見込み地域における試験成績 (イ)奨励品種決定調査(基本調査)成績 表1 基本調査成績(平23~27年) 注)倒伏程度,主要病害及び穂発芽 0:無,1:微,2:少,3:中,4:多,5:甚 表1(続き) 注)品質概評 1:上の上,2:上の下,3:中の上,4:中の中,5:中の下,6:下 有望度 ◎:極有望,○:有望,△:再検討,×:打ち切り <概評>「ゆきちから」と比較して,出穂期は1日,成熟期は2日早い。稈長は同程度で,穂長は短い。 穂数は多い。赤かび病の発生は少ない。収量は多く,容積重,千粒重は同程度。外観品質は優れる。 試験 出穂期 成熟期 稈長 穂長 穂数 倒伏 赤さび うどん 赤かび 縞萎縮 寒雪害 年度 (月.日) (月.日) (cm) (cm) (本/㎡) 程度 病 こ病 病 病 (冬損程度) 東北229号 平23 5.11 7.2 91 8.3 613 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 平24 5.14 6.26 89 8.0 642 0.0 0.0 0.0 1.0 0.0 0.0 0.0 平25 5.8 6.24 72 7.7 491 0.0 0.0 0.0 1.8 0.0 0.0 0.0 平26 5.3 6.18 79 8.8 597 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 平27 5.3 6.22 79 8.2 461 0.0 0.0 0.0 1.0 0.0 0.0 0.0 ゆきちから 平23 5.13 7.3 93 9.0 531 2.0 0.0 0.0 1.0 0.0 0.0 0.0 (標準) 平24 5.15 6.30 82 8.9 542 0.0 0.0 0.0 2.0 0.0 0.0 0.0 平25 5.9 6.25 76 8.0 364 0.0 0.0 0.0 4.0 0.0 0.0 0.0 平26 5.4 6.20 87 9.7 458 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 平27 5.4 6.25 87 8.6 480 0.0 0.0 0.0 2.0 0.0 0.0 0.0 東北229号 平均 5.8 6.25 82 8.2 561 0.1 0.0 0.0 0.8 0.0 0.0 0.0 ゆきちから 5.9 6.27 85 8.8 475 0.4 0.0 0.0 1.8 0.0 0.0 0.0 品種系統名 穂発芽 試験 子実重 同比率 容積重 千粒重 品質 年度 (kg/a) (%) (g) (g) 概評 東北229号 平23 60.9 111 848 39.6 2.5 ○ 平24 65.1 113 799 36.9 3.0 ○ 平25 49.1 126 813 36.1 3.5 ○ 平26 62.6 116 855 41.7 2.7 △ 平27 51.2 101 824 38.6 2.0 ◎ ゆきちから 平23 54.8 100 835 39.3 3.5 (標準) 平24 57.4 100 790 37.5 4.0 平25 39.1 100 814 38.7 3.0 平26 54.0 100 835 40.6 3.0 平27 50.9 100 800 38.9 4.0 東北229号 平均 57.8 113 828 38.6 2.7 ゆきちから 51.2 100 815 39.0 3.5 品種系統名 有望度

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(ロ)奨励品種決定調査(現地調査)成績 表2 現地調査成績(平24~27年) 注)倒伏程度,主要病害及び穂発芽 0:無,1:微,2:少,3:中,4:多,5:甚 試験 出穂期 成熟期 稈長 穂長 穂数 倒伏 赤かび 縞萎縮 寒雪害 年度 (月.日) (月.日) (cm) (cm) (本/㎡) 程度 病 病 (冬損程度) 石巻市 東北229号 平24 5.13 6.26 75 8.1 344 0.0 1.5 0.0 0.0 0.0 ゆきちから 平24 5.15 6.28 73 9.2 303 0.0 1.5 0.0 0.0 0.0 大河原町 東北229号 平24 5.13 7.2 70 8.8 464 0.0 2.0 0.0 0.0 0.0 ゆきちから 平24 5.14 7.3 70 9.1 368 0.0 2.0 0.0 0.0 0.0 登米市 東北229号 平24 5.20 7.2 73 8.4 560 0.0 1.0 0.0 0.0 3.0 平25 5.12 6.26 76 8.3 468 0.0 1.0 0.0 0.0 0.0 平26 5.1 6.18 89 9.4 706 0.3 1.0 0.0 0.0 0.0 平27 5.7 6.24 90 8.7 687 1.5 2.0 0.0 0.0 0.0 ゆきちから 平24 5.22 7.4 76 8.9 432 0.0 2.0 0.0 0.0 3.0 平25 5.13 6.27 80 7.9 488 0.0 4.0 0.0 0.0 0.0 平26 5.4 6.18 91 9.8 513 0.0 1.0 0.0 0.0 0.0 平27 5.9 6.25 95 9.3 679 1.0 1.0 0.0 0.0 1.0 東北229号 平均 5.10 6.25 82 8.7 605 0.5 1.3 0.0 0.0 0.8 ゆきちから 5.12 6.26 86 9.0 528 0.3 2.0 0.0 0.0 1.0 涌谷町 東北229号 平24 5.21 7.2 62 8.3 394 0.0 1.0 0.0 0.0 0.0 (平24~26) 平25 5.13 6.25 67 7.6 810 0.0 2.0 0.0 0.0 0.0 美里町 平26 5.8 6.27 70 9.9 402 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 (平27) 平27 5.7 6.19 72 7.4 679 0.0 1.0 0.0 0.0 0.0 ゆきちから 平24 5.21 7.2 64 8.6 386 0.0 2.0 0.0 0.0 0.0 平25 5.15 6.26 68 8.0 610 0.0 3.0 0.0 0.0 0.0 平26 5.1 6.28 75 9.0 281 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 平27 5.9 6.21 76 8.1 473 0.0 3.0 0.0 0.0 0.0 東北229号 平均 5.13 6.26 68 8.3 571 0.0 1.0 0.0 0.0 0.0 ゆきちから 5.14 6.27 71 8.4 437 0.0 2.0 0.0 0.0 0.0 全地点 東北229号 平均 5.12 6.27 74 8.6 541 0.2 1.3 0.0 0.0 0.3 ゆきちから 5.14 6.28 76 8.7 490 0.1 2.0 0.0 0.0 0.4 場所 品種系統名 穂発芽

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表2(続き) 注)品質概評 1:上の上,2:上の下,3:中の上,4:中の中,5:中の下,6:下 有望度 ◎:極有望,○:有望,△:再検討,×:打ち切り <概評>「ゆきちから」と比較して,出穂期,成熟期ともに1~2日早い。稈長,穂長ともに同程度, 穂数は多い。赤かび病の発生は少ない。収量は多く,容積重は同程度,千粒重は小さい。外観品質は 同程度。 試験 子実重 同比率 容積重 千粒重 品質 年度 (kg/a) (%) (g) (g) 概評 石巻市 東北229号 平24 35.7 110 722 35.3 4.0 ○ ゆきちから 平24 32.5 100 737 33.9 4.5 大河原町 東北229号 平24 61.8 116 785 40.0 5.0 △ ゆきちから 平24 53.3 100 778 42.8 5.0 登米市 東北229号 平24 45.1 102 725 32.9 3.5 △ 平25 47.9 97 771 37.1 2.0 ○ 平26 68.0 99 851 37.2 2.7 △ 平27 70.3 101 801 36.6 1.5 △ ゆきちから 平24 44.1 100 733 34.9 4.5 平25 49.2 100 775 40.3 2.0 平26 68.9 100 844 38.3 3.0 平27 69.8 100 804 37.0 2.0 東北229号 平均 57.8 100 787 36.0 2.4 ゆきちから 58.0 100 789 37.6 2.9 涌谷町 東北229号 平24 41.2 104 791 36.0 5.0 △ (平24~26) 平25 52.5 109 791 37.1 4.0 ○ 美里町 平26 55.9 140 861 40.0 3.0 ○ (平27) 平27 49.9 105 795 36.2 ○ ゆきちから 平24 39.5 100 794 38.7 4.0 平25 48.3 100 794 41.5 5.0 平26 39.9 100 860 41.6 3.0 平27 47.7 100 797 38.0 東北229号 平均 49.9 114 810 37.3 4.0 ゆきちから 43.9 100 811 40.0 4.0 全地点 東北229号 平均 52.8 106 791 37.0 3.5 ゆきちから 49.9 100 787 38.4 3.8 有望度 場所 品種系統名

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表3 基本調査耕種概要 表4 現地調査耕種概要 試験年度 栽培 様式 播種期 (月.日) 1区面積 (㎡) 区制 播種量 (kg/a) 基肥(kg/a) (N-P-K) 追肥 (N kg/a) 備考 平23 ドリル 10.13 12 2 0.9 0.8-0.8-0.8 1.0 幼穂形成期,減数分 裂期,穂揃期の合計 平24 ドリル 10.15 12 2 0.9 0.8-0.8-0.8 1.0 〃 平25 ドリル 10.18 12 2 0.9 0.8-0.8-0.8 1.0 〃 平26 ドリル 10.20 12 2 0.9 0.8-0.8-0.8 1.0 〃 平27 ドリル 10.20 12 2 0.9 0.8-0.8-0.8 1.0 〃 場所 試験 年度 栽培 様式 播種期 (月.日) 1区面積 (㎡) 区制 播種量 (kg/a) 基肥(kg/a) (N-P-K) 追肥 (N kg/a) 備考 石巻市 平24 ドリル 10.21 12 2 0.9 0.68-0.68-0.68 0.42 幼穂形成期,穂揃期 の合計 大河原町 平24 ドリル 11.12 12 2 0.9 0.68-0.68-0.68 0.21 幼穂形成期 登米市 平24 ドリル 11.16 12 2 0.8 0.68-0.68-0.68 0.26 幼穂形成期 平25 ドリル 10.29 12 2 0.8 0.68-0.68-0.67 0.75 幼穂形成期,減数分 裂期,穂揃期の合計 平26 ドリル 10.16 12 2 0.8 0.68-0.68-0.68 0.75 〃 平27 ドリル 10.26 6 2 0.9 0.68-0.68-0.68 0.78 〃 涌谷町 平24 ドリル 11.22 12 2 0.9 1.02-1.02-1.02 1.21 幼穂形成期,減数分 裂期,穂揃期の合計 平25 ドリル 11.6 12 2 0.9 0.85-0.85-0.85 1.40 〃 平26 ドリル 11.7 12 2 0.9 0.85-0.85-0.85 1.03 〃 美里町 平27 ドリル 10.23 6 2 0.9 1.0-1.0-1.0 1.40 〃

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リ 加工適性試験成績 表5 製粉試験成績 注1)「東北229号」と「ゆきちから」は古川農業試験場産である。 注2)製粉試験は東北地域麦類連絡試験において東北農業研究センターが実施した。 注3)「1CW」はカナダ産ウェスタン・レッド・スプリングNo.1の略。パン用の標準となる外国産麦。 <概評>「ゆきちから」と比較して灰分がやや高い。製粉歩留がやや高く,BM率が低い。 系 統 名 試験 灰分 蛋白 製粉 BM セモリナ セモリナ ミリング 品 種 名 年度 含量 含量 歩留 率 生成率 粉砕率 スコア % % % % % %   東北229号 平23 1.92 11.3 72.6 22.7 64.3 92.0 82.3 平24 1.68 11.5 71.1 21.5 63.7 91.8 82.0 平25 1.80 12.9 71.0 20.5 65.3 90.2 80.4 平26 1.75 11.7 70.2 21.1 64.2 90.3 83.5 ゆきちから 平23 1.83 11.4 72.0 26.1 63.7 89.7 81.5 平24 1.61 11.5 70.1 24.8 62.8 89.5 81.8 平25 1.78 13.3 70.7 27.2 62.2 89.3 81.2 平26 1.65 11.7 69.7 25.4 62.5 89.0 83.2 1CW 平23 1.57 13.2 74.1 19.1 68.3 91.2 84.2 平24 1.65 13.7 73.8 20.6 66.9 91.5 83.1 平25 1.55 12.8 73.6 21.2 66.9 90.7 83.5 平26 1.55 13.2 72.7 20.5 66.8 90.3 83.2 東北229号 平均 1.79 11.9 71.2 21.5 64.4 91.1 82.0 ゆきちから 1.72 12.0 70.6 25.9 62.8 89.4 82.0 1CW 1.58 13.3 73.6 20.4 67.2 90.9 83.5 ビューラーテストミルによる製粉試験 原粒分析

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表6 粉品質分析成績 注)60%粉の色相は,平成23年はミノルタCM-3500dで,平成24-26年は日本電色ZE6000で測定。 平均値は平成23年を除く。 表6(続き) <概評>「ゆきちから」と比較して,60%粉の灰分は同程度で,色相は明度,赤み,黄色みともに近似 する。アミログラムの最高粘度とブレークダウンはやや大きい。ファリノグラムは吸水率が低く,生 地の形成時間と生地の安定度が長く,弱化度が小さく,バロリメーターバリューが大きい。エキステ ンソグラムは生地の力の程度(面積)と伸長抵抗が大きく,伸長度は同程度。形状係数は大きい。 系 統 名 試験 糊化開 最高粘度 最高 ブレーク 吸水 生地の 生地の 生地の バロリ 面積 伸張 伸長 形状 品 種 名 年度 始温度 時温度 粘度 ダウン 率 形成時間 安定度 弱化度 メーター 抵抗

℃ ℃ B.U. B.U. % 分 分 B.U. バリュー c㎡ B.U. mm 係数 東北229号 平23 56.6 89.1 1063 355 58.9 3.0 16.7 28 61 180 697 201 3.5 平24 57.8 88.4 1086 378 56.7 3.0 39.4 16 64 203 881 185 4.8 平25 59.6 88.2 1126 422 59.9 6.5 29.9 15 72 199 704 219 3.2 平26 59.8 89.1 1141 406 60.0 13.0 27.3 18 99 209 855 196 4.4 ゆきちから 平23 57.5 89.9 933 219 60.8 2.9 6.3 69 52 82 294 198 1.5 平24 59.1 89.5 919 280 58.3 4.3 9.8 46 60 114 440 199 2.2 平25 59.9 89.2 1073 359 62.2 5.4 6.2 58 62 103 327 232 1.4 平26 59.3 89.9 1062 342 62.1 4.9 8.2 36 74 104 396 186 2.1 1CW 平23 62.9 90.3 606 96 68.1 6.7 8.4 46 68 113 404 204 2.0 平24 59.8 89.1 676 110 66.1 6.7 8.2 46 68 117 415 209 2.0 平25 58.4 89.5 680 170 66.2 7.5 9.9 45 71 131 469 213 2.2 平26 58.9 89.2 719 201 64.9 8.7 14.0 33 88 145 529 207 2.6 東北229号 平均 58.5 88.7 1104 390 58.9 6.4 28.3 19 74 198 784 200 4.0 ゆきちから 59.0 89.6 997 300 60.8 4.4 7.6 52 62 101 364 204 1.8 1CW 60.0 89.5 670 144 66.3 7.4 10.1 43 74 127 454 208 2.2 アミログラム ファリノグラム エキステンソグラム(90分) 系 統 名 試験 灰分 蛋白 SDSセディメン 品 種 名 年度 含量 含量 テーション値 明度 赤み 黄色み 白度 % % ml L* a* b* W 東北229号 平23 0.47 10.1 72.3 89.5 0.30 12.0 84.0 平24 0.45 10.2 77.9 88.1 0.19 11.4 83.5 平25 0.49 11.5 74.1 88.0 0.36 11.9 83.1 平26 0.41 10.4 75.9 88.3 0.00 11.9 83.3 ゆきちから 平23 0.48 10.3 56.9 88.9 0.30 12.3 83.4 平24 0.45 10.4 67.7 88.0 0.14 12.3 82.8 平25 0.47 12.3 71.1 87.9 0.43 11.9 83.0 平26 0.40 10.6 63.7 87.9 0.05 11.9 83.0 1CW 平23 0.48 12.6 58.6 88.4 0.58 14.1 81.8 平24 0.48 12.6 59.1 87.8 -0.02 14.4 81.1 平25 0.48 12.3 60.3 87.9 0.00 14.2 81.3 平26 0.47 12.5 57.2 88.0 0.03 13.5 81.9 東北229号 平均 0.46 10.5 75.1 88.1 0.18 11.7 83.3 ゆきちから 0.45 10.9 64.9 87.9 0.21 12.0 82.9 1CW 0.48 12.5 58.8 87.9 0.00 14.0 81.4 テストミル60%粉 色差計

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表7 製パン官能評価 注1)古川農業試験場産のサンプルを用い,阿部製粉株式会社にて製パンした食パンでの評価による。 注2)評価は阿部製粉株式会社の官能評価パネラー10名による平均値である。 <概評>「ゆきちから」と比較して,パン体積の平均値は小さいが,年次間の変動は少ない。官能評 価の合計点はやや高く,「1CW」に近い。 パン 体積 焼き色 形均整 皮質 すだち 内色相 香り 味 触感 体積 合計点 cc (10) (5) (5) (10) (10) (10) (25) (15) (10)  (100) 東北229号 平23 1653 8.4 4.0 3.6 8.3 8.6 7.3 19.0 11.6 7.6 78.4 平24 1643 8.0 3.7 3.6 7.1 8.7 7.4 19.3 11.4 7.6 76.8 平25 1784 7.2 3.7 3.8 7.5 8.7 6.8 19.7 11.8 7.7 76.9 平26 1604 7.3 3.7 3.3 7.7 7.7 7.3 20.7 12.1 7.3 77.1 ゆきちから 平23 1669 7.9 4.4 3.3 7.3 8.3 7.1 17.9 10.9 7.8 74.9 平24 2037 7.7 3.3 3.7 7.6 8.0 7.4 17.9 11.3 9.1 76.0 平25 1890 7.8 4.1 3.7 7.5 8.7 7.2 20.2 12.0 8.2 79.4 平26 1480 8.0 3.9 3.6 7.3 8.1 7.6 19.6 10.7 6.8 75.6 1CW 平23 1722 8.0 4.0 4.0 8.0 8.0 8.0 20.0 12.0 8.0 80.0 平24 1736 8.0 4.0 4.0 8.0 8.0 8.0 20.0 12.0 8.0 80.0 平25 1875 8.0 4.0 4.0 8.0 8.0 8.0 20.0 12.0 8.0 80.0 平26 1816 8.0 4.0 4.0 8.0 8.0 8.0 20.0 12.0 8.0 80.0 東北229号 平均 1671 7.7 3.8 3.6 7.7 8.4 7.2 19.7 11.7 7.6 77.3 ゆきちから 1769 7.9 3.9 3.6 7.4 8.3 7.3 18.9 11.2 8.0 76.5 1CW 1787 8.0 4.0 4.0 8.0 8.0 8.0 20.0 12.0 8.0 80.0 官能評価 試験 年度 系統名 品種名

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参考)小麦品質評価検定項目についての解説

○製粉試験(ビューラーテストミルによる製粉)

・製粉歩留 ・・・高い方が良い 製粉して得られた小麦粉とふすまの合計量に対する小麦粉の重量割合 ・BM率 ・・・・低い方が良い テストミルのブレーキ工程とミドリング工程から得られた粉の割合 ブレーキ工程の粉は皮に近く,高灰分でふすまも混ざるので少ない方が良い ミドリング工程から得られる粉の方が良質 ・セモリナ生成率 ・・・・高い方が良い ブレーキ工程で得られる破砕された粒の製粉前重量に対する割合 ・セモリナ粉砕率 ・・・・高い方が良い 破砕された粒から小ふすまを取り除いた割合

○テストミル60%粉

・色差計粉色 ・・・・・・パン用は明るく白いものが好まれる L*(値が大きいほど明るい),a*(値が大きいほど赤い) b*(値が大きいほど黄色い),W (値が大きいほど白い) ・SDSセディメンテーション値 ・・・高い方が良い 高いと製パン適性が優れる傾向がある

〇アミログラム(ブラベンダーアミログラフによる測定)

・最高粘度 ・・・・・・400BU以上あれば二次加工上の問題はない 300BU以下は穂発芽によるでんぷんの変質があるため,加工に適さない ・ブレークダウン ・・・値が大きいと粘弾性,なめらかさに優れる 最高粘度と最低粘度の差

〇ファリノグラム(ブラベンダーファリノグラフによる測定)

・吸水率 ・・・・・・・パン用は高い方が良い 生地の硬さが一定になるまでに加えた水の量の小麦粉に対する割合 ・生地の形成時間 ・・・パン用は長い方が良い 生地が最高の硬さ(500BU)に達するまでの時間 ・生地の安定度 ・・・・パン用は長い方が良い 生地の硬さが480BUを超えてから,生地が弱くなり480BU以下に低下す るまでの時間 ・生地の弱化度 ・・・・パン用は小さい方が良い 生地が弱くなり始めてからの下降程度 ・バロリーメーターバリュー ・・・パン用は70以上が良い 生地形成状態の総合評価値

〇エキステンソグラム(ブラベンダーエキステンソグラフによる測定)

・面積 ・・・・・パン用は値が大きい方が良い 生地の伸長抵抗が強いほど面積が大きくなる ・伸長抵抗 ・・・パン用は値が大きい方が良い 生地を伸ばしたときにかかる抵抗の最高値 ・伸長度 ・・・・パン用は値が大きい方が良い 生地が伸び切れたときの長さ ・形状係数 ・・・パン用は3程度が望ましい 伸長抵抗/伸長度

(33)

ヌ 特性検定試験成績 表8 各特性検定試験地における成績 注)「ゆきちから」等の品種は品種登録時の成績を記載。 耐雪性(育成地):圃場での被害程度を0(無)~5(甚)の基準で達観調査した結果に加え,越冬株率を参考にして,標準 品種との比較から判定した。 耐雪性(川上農試):場内圃場に株間10cmで点播。エン麦培地で培養した褐色小粒菌核病菌の接種源を散布。個体単 位で発病程度を0(無病)~4(枯死)の5段階で調査。次式で発病度を算出。 発病度(0~100)=(各発病程度×当該株数)の総和/調査株数×25。 「きたほなみ」を"やや強"、「チホクコムギ」を"やや弱"として"極強","強","やや強","中","や や弱","弱"の6段階に判定。 耐寒雪性(岩手農研):4.8×4.8㎡の間隔で1区100粒播種。越冬株数, 被害程度(指数0,5,10,20,35,50,75,90,100の9 段階), 回復程度(達観で1:ほとんど回復せず~5:良好)を用いて"強"~"弱"の5段階に判定。 縞萎縮病・うどんこ病・赤さび病(育成地):圃場での自然発病における被害程度を0(無)~5(甚)の基準で達観調査し, 標準品種との比較から判定した。うどんこ病と赤さび病は秋播の他に春播も行い, 品種間差の 顕著な方で判定した。 品 種 名 試験 耐寒性 耐寒雪性 縞萎縮病 うどんこ病 赤さび病 系 統 名 年度 育成地 育成地 川上農試 岩手農研 育成地 育成地 育成地 東北229号 平19 - - - -  平20 - 強 - 強 強 中 強   平21 - やや強 - やや強 かなり強 中 強   平22 - やや強 やや弱 やや強 強 中 強 平23 強 強 - 中 やや強 やや強 やや強 平24 - やや強 - やや強 強 強 強 平25 強 強 - 強 中 やや強 やや強 平26 - 中 - やや強 判定不可 中 やや強 平27 - やや強 - やや強 強 やや強 やや弱 ゆきちから 平19 - - - -  平20 - 中 - 強 中 強 強   平21 - 中 - 強 強 強 かなり強   平22 - やや強 中 強 中 強 かなり強 平23 強 中 - 強 中 強 強 平24 - やや強 - 強 中 強 強 平25 強 強 - 強 やや強 やや強 強 平26 - やや強 - 強 判定不可 強 やや強 平27 - 中 - 強 強 やや強 強 銀河のちから 平19 - - - -平20 - やや弱 - やや強 強 中 やや強 平21 - やや弱 - 中 かなり強 中 やや強 平22 - やや弱 弱 中 やや強 中 やや強 平23 やや強 やや弱 - 中 強 やや弱 強 平24 - やや弱 - 中 強 中 中 平25 強 やや強 - 中 やや強 やや強 強 平26 - やや弱 - やや弱 判定不可 中 中 平27 - 中 - やや弱 強 やや強 中 ナンブコムギ 平19 - - - -  平20 - 強 - 強 弱 やや強 やや弱   平21 - やや強 - 強 弱 中 やや弱   平22 - やや強 やや弱 強 弱 やや強 やや弱 平23 強 やや強 - 強 弱 強 やや弱 平24 - やや強 - 強 弱 やや強 やや弱 平25 強 やや強 - 強 やや強 やや強 やや弱 平26 - やや強 - 強 判定不可 やや強 やや弱 平27 - やや強 - 強 やや弱 強 やや弱 東北229号 平均 強 やや強 やや弱 やや強 強 中-やや強 やや強 ゆきちから 強 中-やや強 中 強 やや強 強 強 銀河のちから やや強 やや弱-中 弱 中 強 中 やや強 ナンブコムギ 強 やや強 やや弱 強 弱-やや弱 やや強 やや弱 東北229号 総合 強 中 強 中 中 ゆきちから 判定 強 やや強 強 強 強 銀河のちから やや強 やや弱 強 中 中 ナンブコムギ 強 やや強 弱 やや強 やや弱 耐雪性

(34)

表8(続き) 穂発芽性(育成地):成熟期に収穫した穂を1日及び5日間風乾した後,穂発芽検定器(15℃)に7~8日間入れ,そ れぞれ5穂ずつ発芽粒数を数え,発芽粒数を標準品種と比較して判定した。 播性(育成地):3月10日頃から2週間毎に6回播種して,出穂の有無を標準品種と比較して判定した。 赤かび病(北見農試):出穂期頃からスプリンクラーで1時間毎に8~10分間ミスト状に散水し,各品種・系統の開花 期にF.graminearum の分生子を接種。接種3週間後と4週間後(または2週間後と3週間後) に各20穂の発病度(0:無~8:穂全体に発病)を調査し,平均値から標準品種の発病度を勘 案して極強~弱の判定基準を作り判定した。 赤かび病(北農研):出穂後,スプリンクラーで散水し,自然発病した穂の発病程度を0(無),1(微),2(小),3(中),4 (多),5(甚)で調査し,標準品種との比較から強弱を判定した。 赤かび病(長野農試):ポット栽培。開花期にF.graminearumのH-3菌株の分生胞子懸濁液を2回噴霧接種。接種後, ハウス内にて温度20±5℃。8分ごとに5秒間ミスト状に散水。接種2週間目に罹病スコアで 発病程度を評価。発病程度を元に"強"~"弱"に判定。 <概評>「ゆきちから」と比較して,耐寒性は同程度で,耐雪性はやや弱い。うどんこ病と赤さび病 には弱いが,赤かび病にはやや強い。穂発芽性は“難”で,播性は“Ⅴ”である。 品 種 名 試験 穂発芽性 播性 凍上抵抗性 系 統 名 年度 育成地 育成地 長野野菜花き 北見農試 北農研 長野農試 東北229号 平19 難 - - - - -  平20 難 Ⅴ - - - -  平21 難 Ⅴ 強 強 - -  平22 やや難 Ⅴ 強 やや強 中 -平23 難 Ⅴ~Ⅵ - やや強 中 やや強 平24 難 Ⅵ - やや強 中 -平25 難 Ⅵ - 中 やや強 -平26 やや難 Ⅴ - - やや弱 -平27 やや難 Ⅴ - やや強 やや弱 -ゆきちから 平19 やや易 - - - - -  平20 中 Ⅴ - - - -  平21 易 Ⅴ 強 やや弱 - -  平22 易 Ⅴ 強 やや弱 やや強 -平23 易 Ⅴ~Ⅵ - やや弱 やや弱 弱 平24 易 Ⅵ - やや弱 中-やや強 -平25 弱 Ⅴ - 中 中 -平26 易 Ⅴ - - やや弱 -平27 易 Ⅴ - やや弱 やや弱 -銀河のちから 平19 難 - - - - -平20 難 Ⅳ - - - -平21 難 Ⅳ 強 中 - -平22 かなり難 Ⅵ 中 やや強 やや強 -平23 かなり難 Ⅳ - - - -平24 かなり難 Ⅳ - - - -平25 難 Ⅲ~Ⅳ - - - -平26 かなり難 Ⅳ - - - -平27 やや難 Ⅳ - - - -ナンブコムギ 平19 やや難 - - - - -  平20 難 Ⅴ - - - -  平21 中 Ⅴ 強 中 - -  平22 やや難 Ⅴ 強 中 やや強 -平23 やや難 Ⅴ~Ⅵ - 強 中 やや弱 平24 やや難 Ⅴ - やや強 中-やや弱 -平25 中 Ⅴ - 強 やや強 -平26 やや難 Ⅴ - - 強 -平27 中 Ⅴ - やや強 中 -東北229号 平均 やや難-難 Ⅴ 強 やや強 中 やや強 ゆきちから 易 Ⅴ 強 やや弱 中 弱 銀河のちから 難-かなり難 Ⅳ 強-中 - - -ナンブコムギ やや難 Ⅴ 強 やや強 中-やや強 やや弱 東北229号 総合 難 Ⅴ 強 中 ゆきちから 判定 中 Ⅴ 強 やや弱 銀河のちから 難 Ⅳ 中 - ナンブコムギ 難 Ⅴ 強 中 赤かび病

(35)

(4)新しく奨励品種に指定しようとする系統の奨励品種区分について

イ 小麦「東北229号」の奨励品種区分 小麦「東北229号」を基幹品種として指定する。 ロ 区分の根拠 宮城県主要農作物奨励品種区分基準の2 及び 3 による。 (参考) ○宮城県主要農作物奨励品種区分基準(平成19年2月9日改正) (名称区分) 2 奨励品種は次の名称に区分する。 (1)基幹品種 生産・流通対策上,基幹となる品種 (2)特定品種 基幹品種を補完する品種 (区分基準) 3 品種の構成は,基幹品種を熟期別に設定し,さらに,これを補完する特定品種を配 することとする。 採用については,「主要農作物種子制度の運用について」(昭和61年12月18日 付け61農蚕第6800号農産園芸局長通達)別記1「奨励品種の決定基準」1の(1) に定めるもののほか,下記の項目に照らし総合的に勘案して決定する。 (1)基幹品種 生産,流通対策上,基幹となる品種として生産振興を図る必要のある品種 (2)特定品種 ア 特定の気象・土壌条件に栽培が適している品種 イ 特定の用途に対し,一定量の需要が見込まれる品種 ウ 作業体系及び各種危険分散の要求を満たす品種 エ 生産者並びに消費者ニーズ等が特に強い品種 オ 暫定的に普及が望まれる品種 ハ 区分の理由 宮城県が奨励品種としている,パン用の小麦品種「ゆきちから」については,生産者か らは赤かび病抵抗性と穂発芽性が不十分であること,実需者からは加工適性が不十分であ ることが指摘されており,これらを改善した品種の導入が強く求められている。 このため,「ゆきちから」より赤かび病抵抗性や穂発芽性が優れ,やや熟期が早く多収で, 外観品質と製パン適性にも優れる「東北229号」を,「ゆきちから」と代替とすることとし, 奨励品種指定にあたっては,①近年,パン用国産小麦の需要が高まっており,県として, こうした需要に応える小麦生産を一層推進する必要があること,②県内小麦作付面積の約3 割にあたる400haへの普及が見込まれることから,「東北229号」を奨励品種のうち「基幹品 種」に区分する。

(36)

小麦「東北 229 号」の加工品試食評価について

古川農業試験場水田利用部

実 施 日:平成 28 年6月 14 日実施(東北 229 号現地検討会開催時)

原 料:平成 27 年涌谷町産東北 229 号

評価実施者:実需者,生産者,JA,行政関係者等 37 名

1 生中華麺

試作者:有限会社マツダ製麺

試作品:東北 229 号1等粉 100%

対照品:準大手製粉会社中華麺用粉 100%

2 食パン①

試作者:有限会社パン工房ウェルストン(石井屋)

試作品:東北 229 号ロング粉 100%

対照品:大手製粉会社パン用粉A 80%・大手製粉会社パン用粉B 20%

かなり 良い 17% やや良い 43% 同等 31% やや劣る 8%

図1 中華麺の評価(総合)

やや良い 26% 同等 63% やや劣る 11%

図2 食パン①の評価(総合)

参考1

(37)

3 食パン②

試作者:白石食品工業株式会社

試作品:東北 229 号ロング粉 100%

対照品:大手製粉会社パン用粉 100%

4 バターロール

試作者:有限会社パン工房ウェルストン(石井屋)

試作品:東北 229 号ロング粉 100%

対照品:大手製粉会社パン用粉A 80%・大手製粉会社パン用粉B 20%

かなり良い 3% やや良い 29% 同等 57% やや 劣る 11%

図3 食パン②の評価(総合)

かなり良い 3% やや良い 24% 同等 61% やや 劣る 12%

図4 バターロールの評価(総合)

参照

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