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~13トリソミーまたは18トリソミー患者の心疾患に対する集中治療について~ (概要) 先天性心疾患に対する集中治療、具体的には、例えば、動脈管開存施術を行う為の薬物療法(閉鎖目的のインドメ タシン、及び/或いは、メフェナム酸、開存維持目的のプロスタグラジン E1 の投与)や、症状緩和目的の手術または 心内修復手術などは、標準的な治療方法である。しかしながら、13 トリソミーまたは 18 トリソミー症候群患者におけ る生存効果は評価されておらず、上述の標準的治療法が選択肢になるかどうかについては議論の対象となっている。 そこで、2000~ 2005 年の期間で、出生後 6 時間以内に筆者らが勤務する病院の新生児病棟に移送された、13 トリ ミーまたは 18 トリソミー新生児、全 31 名を、遡及的に追跡調査した。 当病院の治療方針は、明らかに3つの期間で異なるものである。第一期では、動脈管開存への薬物投与療法、並び に、心臓手術の両方が差し控えられた。第二期では、動脈管開存への薬物療法は選択肢として与えられたが、心臓手 術は差し控えられた。一方、第三期では、この二つの治療方法は、いずれも用いられた。 新生児の平均生存期間はそれぞれ、第一期 13 名で 7 日、第二期 9 名で 24 日、第三期 9 名で 243 日だった。 第三期の患者は、他期の患者に比べ、生存期間が著しく長かった旨が、単変量解析かつ多変量解析で確認された。 この一連の調査で、13 トリソミーまたは 18 トリソミー患者の心疾患において、動脈管開存施術の為の薬物療法や 心臓手術などの集中治療は、患者らの生存期間を延ばすと証明された。したがって、これらトリソミーに関する心臓 病害に対し、上記の医療手法が治療の1つ選択肢となる事を示している。 これらのデータは、13 トリソミーまたは 18 トリソミー患者の最適・最善治療を考える際、臨床医や家族にとって参 考になるものである。 【緒言】 13 トリソミーおよび 18 トリソミーは、染色体異常により起こりがちな病害であり、その特長は、患者の多重奇形と 極めて短命という事である。人口に基づく調査では、いずれの染色体異常患者においても平均生存期間は 3~14 日間で あり、『13 トリソミーまたは 18 トリソミーどちらの 1 年生存率は 10%である(Root and Carey, [1994]; Wyllie ら, [1994]; Embleton ら, [1996]; Rasmussen ら, [2003]による)』と示している。13 トリソミーの特徴としては、口唇口蓋裂、小眼球かつ無眼球、軸後指過剰症などがあり、18 トリソミーの特徴と しては、胎内成長障害、頭蓋や顔面の特徴的な外観、指の重なり、爪の低形成、短い第一趾と短胸骨などが挙げられ る[Carey,[2005]]。また、13 トリソミーまたは 18 トリソミー患者の 80~100%に先天性心疾患が発症している。 13 トリソミーまたは 18 トリソミーに関連して、最も多い心臓病害としては、心房中隔欠損症(ASD)、心室中隔欠損 症(VSD)、動脈管開存症(PDA)、心臓弁膜症などがある(Van Praagh ら, [1989]; Musewe ら, [1990]による)。 先天性心疾患の患者において、動脈管開存への薬物療法(閉鎖ないし開存維持)や心臓手術(修復的手術または症状 緩和の為の手術)は、心臓血管系の構造を改良する為の治療法の選択肢として定着している。
単一疾患である PDA や、ASD など動脈管依存性心疾患に該当しない PDA、また VSD などは、肺循環過剰や体循環不足 の原因となる。このような場合、PDA を閉鎖し肺血量を減少させる事が有益であるので、インドメタシンやメフェナム 酸投与による PDA の薬理学的閉鎖が適した手法となる。 一方、PDA の自然閉鎖は、重篤な肺動脈弁狭窄を伴う肺動脈閉鎖やファロー四徴症のような肺循環を動脈管に依存す る患者に対しては、チアノーゼの悪化の原因となり、また、大動脈狭窄や左心低形成のように、体循環を動脈管に依 存する患者においては全身の臓器虚血の原因となる。こうした患者には、プロスタグランジン E1(PGE1)を投与し、 薬理学的に動脈管を開存維持させる必要がある。 通常、何らかの心臓疾患がある患者に対して、症状緩和や平均寿命延長の為に心臓手術が提案される。患者の大半 に対しては、治療法として、心内修復術が選択される。しかし他方で、心臓以外の合併症がある場合や、乳児期初期
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であるため治療できない複雑な心臓障害である場合は、症状緩和の為の(姑息的)手術が好ましい。 しかしながら、動脈管開存に対する薬物療法や心臓手術が 13 トリソミーまたは 18 トリソミー患者の寿命を延長で きるかどうかは依然として不明である。2003 年、Rasmussen らは多様な死亡原因の資料を分析し、13 トリソミーまた は 18 トリソミー患者の場合、心臓欠陥の合併症を持つ患者の方が、そうでない患者よりも、生存期間が長い事を突き 止め、その結果、心臓欠陥は、13 トリソミーまたは 18 トリソミー患者の生存に対して、悪影響を及ぼしていなかった と提示した。また、Embleton ら[1996]は、人口に基づく 18 トリソミー調査に準拠して、出生児の 34 名中 31 名の死 亡は心臓欠陥に関係がなかったと特定し、心臓手術を施しても、18 トリソミー児の生存期間を延ばす事は殆どなく、 従って、心臓手術の実施は理にかなっていないと結論付けた。更に、Wyllie ら[1994]は、人口に基づく 13 トリソミ ー調査に準拠し、心臓病変が原因で早期死亡した児は出生児 16 名中 0 名であったと突き止め、これにより、13 トリソ ミー児において心臓手術は理にかなう手法ではない、と結論付けた。 一方、詳細な観察記録を検証した、病院などの医療機関に基づく、複数案件の調査では、13 トリソミーまたは 18 トリソミー患者において、心不全や肺高血圧を伴う心臓欠陥は早期死亡に繋がる主要疾患である、と示している。 Kinoshita ら[1989]は、病理学的研究により 18 トリソミー患者の主要死因は、先天性心疾患による心不全や肺出血で あると突き止めた。Musewe らの心エコー検査[1990]や Van Praagh らの剖検調査(解剖調査)[1989]では、先天性心 疾患は、早期に過度の肺高血圧の進行を引き起こし、一部の 13 トリソミーまたは 18 トリソミー児にとって早期死亡 の重要な原因になる可能性がある、と見解を示した。また、近年[2006 年]Kosho らの報告では、<帝王切開、挿管に よる蘇生、適切な呼吸補助、経腸栄養法(必要であれば、先天性消化管奇形に対する姑息術または修復術)、先天性心 疾患への薬物療法などの>集中治療下にある 18 トリソミー患者は、生存期間が改善された(生存期間の中央値;152,5 日、1 年生存率は 25%)と云う内容であった。患者は、突然の心停止ないし心肺停止、または肺高血圧に関連すると思 われる事象で死亡する事がよくあるが、これは心不全や肺高血圧を伴う先天性心疾患が原因になるものである。 日本赤十字社医療センター(JRCMC)は、800 床の内 12 床を新生児集中治療室、内 40 床を新生児/早産児病棟に持つ 総合病院であり、全国で 62 ある妊婦・周産期の総合医療センターのうちの一つとして認定されている。主に東京主要 都市南東部から、集中治療を必要とする妊婦や新生児が移送されており、新生児集中治療室や新生児/早産児病棟へ年 間約 550 名の新生児の受け入れがある。JRCMC では、13 トリソミーまたは 18 トリソミー患者の心臓欠陥において、3 つの期間でそれぞれ明瞭に異なる治療方針が採択されていた。第一期、PDA に対する薬物療法や心臓手術の両方が差し 控えられた。第二期、PDA に対する薬物療法は選択肢となったが、心臓手術の選択肢はなかった。第三期、両方を選択 肢として選ぶ事ができた。本調査は、2000~2005 年の間、JRCMC に移送された 13 トリソミーまたは 18 トリソミー患者 の生存に関する分析であり、PDA に対する薬物療法および/かつ心臓手術が彼らの生存期間を延ばすかどうかの調査で ある。 【方法】 患者に対する施設の治療方針 13 トリソミーまたは 18 トリソミーの疑いがある新生児全員に対し、G バンド分染法(染色体分析の一つ)が行われ、 日齢 4~8 日間で核型(1 細胞中の染色体構成)が確認された。患者は、核型が確認されるまでは、所定の十分な治療と 診察を受けた。 2002 年 8 月以前は、13 トリソミーまたは 18 トリソミー患者の心臓欠陥に対する当該病院の治療方針としては、重 症新生児に対して、普段から行っている、一般的な支持的療法を用いるものであった。心不全の症状が進行した患者 へは、ジゴキシン、利尿剤、カテコールアミン等を投与し、チアノーゼの所見があれば酸素を適用し、 必要の際は輸 血した。挿管については、推奨される手法ではあったが、実際のところ、核型が確定された後は行われなかった。PDA に対する薬理学的閉鎖や開存維持は、症状緩和の為の手術および心内修復手術同様、成されなかった。2002 年 8 月かpg. 3
ら、13 トリソミーまたは 18 トリソミー患者の生存期間延長の希望として、PDA の薬物療法が一つの選択肢となった。 メフェナム酸かつ/およびインドメタシンの投与による PDA に対する薬物療法は、正常な核型を持つ患者に対して、心 不全の原因が PDA にある事が確実もしくは推測された場合に提示される手法であった。また、肺循環や体循環が動脈 管に依存している患者の管開存に対しては頻回に心エコー検査を行い、詳しい観察がなされたが、こうした 13 トリソ ミーまたは 18 トリソミー患者において治療介入がない場合は、動脈管は大きく開存維持している事が多かった。管収 縮の兆候が見られた場合は PGE1 が投与されたが、この期間に心臓手術はなされなかった。2003 年 11 月、もはや 13 トリソミーまたは 18 トリソミー患者においても心臓手術を除外する事はない、と当該病院の治療方針が改訂された。 この様に、心臓欠陥に起因する症状を持つ当該患者らにおいては、主治医の新生児生理学者、小児循環器専門医、 外科医等が、その治療によって心臓の深刻な症状を軽減できる/生存期間延長となる/人工呼吸器なしで自宅へ退院で きる等の可能性が十分にあると確信した場合に、心臓手術が行われる事となった。主治医は両親へ、その心臓手術に 伴う予測不可能なリスクや予期せぬ結果などについて説明を行い、両親は、外科的介入(外科手術)に同意するか否 かを決断する。心臓以外の疾患に関しては、正常な核型を持つ患者と同様、薬物療法が行われた。医師は、救命手術 や深刻な結果を防ぐための手術を患者の親に提案し、親のインフォームド・コンセント(納得診療)を得られた場合、 手術を行った。提案された手術は、気管切開、腎瘻造設、気管食道瘻の緩和、腸閉塞の治療、髄膜瘤の閉鎖、水頭症 のシャント術などである。多指[多趾]症や口唇裂などの外見改善のための整形手術は施されず、調査期間を通して、 当該病院の心臓以外の疾患に関する治療方針への変更はなかった。 調査対象患者グループ 本件調査の対象となる患者の基準は、(1)13 および 18 トリソミーであると細胞遺伝学的に立証され、(2)2000 年 1 月~2005 年 12 月間に、生後 6 時間以内に JRCMC に入院した患者である。 モザイクは、除外基準とした。13 トリソミー9 名と 18 トリソミー22 名の新生児は、対象患者となりうる基準を満たし たので、入院日に基づく治療群に割り当てた。それぞれ 2000 年 1 月~2002 年 7 月、2002 年 8 月~2003 年 10 月、2003 年 11 月~2005 年 12 月に入院した患者により治療群 A、B、C は構成された。 A 群の患者は、PDA に対する薬物療法、心臓手術の両方が差し控えられた。B 群の患者は、PDA に対する薬物療法と いう選択肢はあったが、心臓手術という選択肢はなかった。C 群の患者は、両方を選択肢として選ぶ事ができた。 2004~2005 年間に、心臓手術のため 18 トリソミー患者 3 名が、それぞれ日齢 69 日、185 日、250 日で JRCMC に移送さ れた。この 3 名の患者に付いては、本研究には含まれていない。それ以外の、13 トリソミー、18 トリソミーの患者は、 当該調査期間に、JRCMC に入院していない。 データ集計と統計分析 2006 年 5 月、病院の諸記録から患者のデータを集計し、周産期の状態、先天性心疾患、心臓以外の疾患、PDA に対 する薬物療法、心臓手術、治療方針、生存状態、そして、死因を再調査した。 3つの治療群の生存曲線はカプラン・マイヤー法を適用、ログランクテストで比較し、生存と関連変数の関係を、 単変量かつ多変量解析にて調査した。関連変数項目は、対象治療群、性別、異常染色体、在胎期間、在胎期間別出生 体重の標準値との割合、5 分後のアプガー指数とした。在胎期間別出生体重の標準値は、厚生省が集計した 1994 年の 調査結果により導いたものである。単変量解析には、Cox 比例ハザードモデルを適用し、AP 値 0.05 未満を、統計的に 有意とした。前進ステップワイズ法の Cox 比例ハザードモデルは、閾値 0.05 とする回帰係数の多変量解析として用い た。治療群とその他関連変数の関係は、フィッシャーの直接確立検定を用いて調査した。これらすべての統計分析は、SAS(統計分析システム)ソフト(バージョン 8.2)(SAS Institute 社)を用いて行っ た。
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【解析結果】 表 1 は、患者の出生前および周産期の調査結果、表 2 は、心臓欠陥と心臓以外の奇形に関する一覧、表 3 は、治療 介入方法の種類、予後、死因を示している。30 名の患者において先天性心疾患があると診断された。患者 1 は、3 時 間という短い生涯において、蘇生が継続的に必要であった為、心エコー検査は行われなかった。患者 1 の両親は検死 (死体解剖)を希望せず、先天性心疾患の発生の有無は、不明であった。 表1. 出生前および周産期の調査結果 患者 核型 出生前 診断 在胎期間 (週/日) 帝王 切開 挿管による 蘇生 Neonatal transfer 出生時体重 (g) アプガー指数 (1 分/5 分) Group A 1 47, XY, +18 24/2 + 410 1/2 2 47, XX, +18 39/5 + 2,246 5/6 3 47, XY, +18 羊水穿刺 38/3 + 1,510 2/5 4 47, XY, +18 超音波 33/0 + 1,278 2/4 5 47, XY, +13 超音波 33/3 + + 2,400 4/8 6 47, XY, +18 羊水穿刺 31/6 1,239 1/4 7 47, XX, +18 超音波 42/0 2,518 6/7 8 47, XY, +13 27/4 + 936 2/6 9 47, XX, +18 超音波 36/3 + + 1,568 2/8 10 47, XX, +18 超音波 40/0 + 1,882 6/6 11 47, XX, +18 超音波 37/1 + 1,436 6/8 12 47, XX, +18 超音波 37/6 1,880 6/7 13 47, XX, +13 36/6 + 1,498 1/5 Group B 14 47, XY, +18 超音波 26/2 + 604 4/4 15 47, XX, +18 超音波 31/0 + + 896 1/1 16 46, XX, +13, der (13;13)(q10;q10) 超音波 39/1 + 2,120 5/7 17 47, XY, +18 超音波 42/0 + 1,968 3/5 18 47, XX, +13 超音波 37/1 + 1,882 4/4 19 47, XY, +13 40/0 + 2,906 5/8 20 47, XY, +13 38/6 + + 3,098 6/8 21 47, XY, +18 超音波 34/2 + 1,124 3/7 22 47, XY, +18 超音波 32/0 + + 1,214 5/8 Group C 23 47, XX, +18 超音波 32/3 + + 746 6/8 24 48, XXY, +18 超音波 38/5 1,402 6/8pg. 5
25 47, XX, +18 羊水穿刺 40/3 1,744 6/9 26 47, XY, +18 超音波 36/2 1,874 2/7 27 47, XY, +18 超音波 38/6 + 2,126 7/8 28 47, XX, +18 超音波 38/3 1,686 7/8 29 47, XX, +18 超音波 37/1 + 1,460 6/8 30 47, XY, +13 超音波 35/4 2,067 5/8 31 47, XX, +13 38/2 + 2,894 8/9 表2. 心臓欠陥と心臓以外の奇形に関する一覧 患者 心疾患 PDA 閉鎖効果 循環を動脈管 に依存 中枢神経系統 の 異常 胸郭器官の 奇形 腹部器官の奇形 A 群 1 2 VSD, PDA CH 3 VSD, MS CH, 全前脳症 4 VSD, PDA TEF 5 VSD, PDA, AS LH HN 6 VSD, PDA + CH TEF OC7 DORV, CoA, PDA + CH
8 ToF, PDA OC
9 DORV, MA, hypo LV, IAA, PDA, AS + DE
10 VSD, MS, PDA
11 DORV, MA, CoA, CH
12 VSD, PDA, CoA + TEF
13 VSD, PDA +
B 群
14 MS, VSD, IAA, Hypo LV + TEF AA, HN
15 TA, VSD CH TS, LH 16 VSD, PDA + DE HN 17 VSD, PDA + OC 18 ToF + 19 VSD, PDA, CoA 20 ToF, PA + 21 VSD, PDA + TEF AA 22 VSD, PDA + CH
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C 群
23 VSD, PDA, CoA + CH TEF
24 VSD, PDA, CoA + CH TEF
25 VSD
26 ToF CH HN
27 VSD, PDA + CH
28 VSD, PDA, CoA + 髄膜瘤 HN
29 VSD, PDA + CH
30 VSD, ASD, PDA + CH OC, HN
31 VSD, PDA + TS OC, HN
VSD, 心室中隔欠損;, PDA, 動脈管開存; AS, 大動脈弁狭窄症; CoA, 大動脈縮窄; DORV, 両大血管右室起始症; MA, 僧帽弁閉鎖; hypo LV, 左室低形 成; IAA,大動脈弓離断症; ToF, ファロー四徴症; MS, 僧帽弁狭窄症; PA, 肺動脈閉鎖; TA, 三尖弁閉鎖, ASD, 心房中隔欠損; CH,小脳形成不全; TEF,気
管食道瘻; LH,肺低形成; DH, 横隔膜弛緩症; TS, 気管狭窄症; OC, 臍帯ヘルニア, HN, 水腎症; AA,肛門閉鎖. 表3. 治療介入方法の種類、予後、死因 患者 薬物療法 心臓手術 心臓以外の手術 (手術時の日齢) 退院 (日齢) 生存日数 (日) 死亡要因 死亡の主原因 A 群 1 0 HF, 呼吸停止, 気胸, RF RF 2 0 CHD, HF, PH, 呼吸停止, 無 呼吸 HF 3 0 CHD, PH, DE, RF RF 4 0 CHD, HF, PH, TEF, 呼吸停止, RF RF 5 腎瘻造設術(0) 3 CHD, HF, PH, RF, KF RF 6 6 CHD, HF, PH, TEF HF 7 7 CHD, HF, PH, RF HF 8 OC 修復術 (0) 7 CHD, HF, 無呼吸, RF HF 9 8 CHD, HF, PH, DE, RF HF 10 19 CHD, HF, PH HF 11 44 CHD, HF, PH, 無呼吸 HF 12 60 CHD, HF, PH HF 13 96 CHD, HF, PH, KF, 気管狭窄 HF B 群 14 0 CHD, PH, KF, TEF, AA 腹腔内出血
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15 気管切開術 (0) 0 CHD, PH, 気管狭窄, 呼吸停
止, RF
RF
16 Indo (days 3-5) 10 CHD, HF, PH, DE, KF, PHE HF
17 23 CHD, HF, PH, PHE HF
18 PGE1 (day 1-death) 24 CHD, 無呼吸 肺炎
19 26 55 CHD, HF, PH, 低血糖,無呼吸 突然死
20 PGE1 (day 1-death) 61 CHD, HF, 無呼吸 HF
21 Indo (days 3-9) 91 CHD, HF, PH, TEF, RF, KF 栄養障害
22 MA + Indo (days 5-12) 367 CHD, HF, PH, RF HF C 群 23 3 CHD, HF, PH, TEF, RF 胃破裂 24 7 CHD, HF, PH, TEF, RF, PHE HF 25 + 117 207 無呼吸 突然死 26 105 238 CHD 肺炎 27 MA (day 4) 243 CHD, PH, 無呼吸 肺炎 28 + MC 修復術 (0), VP シャント術(81) 253 601 生存 29 MA + Indo (days 2-6) + 108 740 生存 30 Indo (day 10) + OC 修復術 (0), 腸閉塞、渙散(175) 782 生存 31 Indo (days 3-9) OC 修復術 (0) 83 834 生存
Indo, インドメタシン; MA, メフェナム酸; CHD, 先天性心臓欠陥; HF, 心不全; PH, 肺高血圧; RF, 呼吸不全; KF, 腎不全; PHE, 肺出血; MC, 髄膜瘤;
OC, 臍帯ヘルニア; VP, 脳室腹腔短絡術 挿管および心臓手術においては検査を行い、詳細を調べる必要有。 動脈管開存への薬物療法 薬物療法実施が提案された患者 10 名の親の内、9 名が同意した(患者 17 の親は、この治療を受けない事を選択した)。 患者 7 名に対し、動脈管閉鎖を促進するメフェナム酸かつ/およびインドメタシンを投与した(表Ⅲ)。 患者 16 において、インドメタシンの継続投与を行ったが閉鎖はみられず、腎機能障害が悪化したため中止した。患 者 29 において、メフェナム酸とインドメタシンの投与を行ったが効果がなく、後に緊急心臓手術を行った。残る 5 名 の患者に対し PDA 閉鎖のための薬物療法は、心不全改善において効果的で、再開存は見られなかった。また、患者 18 と患者 20 においては PDA 閉鎖による肺血量減少が見られた為、動脈管開存維持のための PGE1 投与による薬物療法を 試みた。両患者において心エコー検査で、継続的な動脈管開存が確認され、有害事象(副作用)は認められなかった。 体循環を動脈管に依存するすべての患者(患者 7,9,12,23,24)においては、繰り返し心エコー検査を行ったが、PGE1 を使用せず心臓手術を行うまで持続的に動脈管が開存していた事が明らかになった。 心臓手術 核型異常の確認後、C 群の患者 4 名に心臓手術という選択肢が与えられ、患者 3 名の親が手術に同意した。
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患者 25 は心不全が悪化し、心室性頻脈で心肺蘇生が必要であったため、日齢 69 日で挿管、日齢 72 日で肺動脈絞扼 術(PAB)の手術を受け、体動脈圧は 68/50mmHg から 86/52mmHg に上昇し、肺動脈圧は 56/50mmHg から 38/30mmHg に降 下した。超音波での左心室拡張/収縮期径(LVDd/Ds)は、術前 18.0/11.4 mm から術後 15.4/10.0 mm に縮小した。術 後 7 時間で気管内チューブを取り外し、日齢 117 日に退院したが、日齢 207 日に自宅で突然死した。恐らく中枢性無 呼吸が原因と思われる。 患者 28 は、日齢 1 日で挿管し、髄膜瘤閉鎖術が行われた。日齢 10 日には大動脈縮窄修復術と肺動脈絞扼術が選択 的に行われ、肺動脈圧は 58/22mmHg から 33/18mmHg に降下したが、体動脈圧は 60/34mmHg と依然として変わらなかっ た。日齢 16 日で抜管し、日齢 253 日に退院した。その後、進行性心不全は見られたが挿管や人工呼吸器の必要はなく、 日齢 303 日の心臓カテーテル検査では、体動脈圧 108/72mmHg、肺動脈圧 36/12mmHg、肺体血流量比 1.67、肺動脈抵抗 4.0 U m2であった。日齢 340 日、体重 3,950g で心室中隔欠損閉鎖術と肺動脈絞扼術が行われたが、水頭症や髄膜瘤、 術中の心肺バイパス法などによって引き起こされた呼吸抑制障害により、人工呼吸器を外す事ができなかった。 日齢 601 日、入院中ではあるが挿管による機械的換気により心肺状態は安定している。 患者 29 は、日齢 2~6 日にかけてメフェナム酸とインドメタシンを投与したが動脈管は大きく開存したままで 進行性心不全が見られたが、挿管や人工呼吸器は必要としなかった。日齢 7 日、PDA 閉鎖術と肺動脈絞扼術の外科手術 が行われ、体動脈圧は 43/33mmHg から 50/38mmHg に上昇し、肺動脈圧は 38/18mmHg から 24/8mmHg に降下した。術前の 左心室拡張/収縮期径(LVDd/Ds)は、12.3/8.0mm から術後 10.7/5.9mm に縮小した。術後 24 時間後に抜管し、日齢 106 日に安定した状態で退院した。その後、日齢 301 日での心カテーテル検査では、体動脈圧 120/55mmHg、肺動脈圧 19/9mmHg、 肺体血流量比 0.8、肺動脈抵抗 2.8 U/m2であり、心電図記録では、断続的に重度の房室ブロックが見られた。この女 児は、日齢 349 日、体重 3,814g で心室中隔欠損閉鎖術、肺動脈絞扼術、長期ペースメーカーの植込みを行い、術後 17 時間で抜管し、16 日後自宅へ退院した。日齢 740 日、この女児の心肺状態は安定しており、寝返りをしたり、笑った り泣いたりするが、一方で、ハイハイをしたり、喃語を話す事はない。 患者 30 は、日齢 30 日でインドメタシンの投与を受け、PDA は閉鎖したが、心室中隔欠損からの肺血流量が多く、心 不全が悪化する結果となった。無呼吸発作が頻繁に発生し、日齢 78 日に挿管した。肺動脈絞扼術の翌日、体動脈圧は 50/26mmHg から 75/36mmHG に上昇し、肺動脈圧は、40/19mmHg から 34/18mmHg に降下した。左心室拡張/収縮期径 (LVDd/Ds)は、術前 18.5/13.5mm が術後 15.6/9.6mm に縮小した。術後、心不全は改善し、頻回だった無呼吸発作も 著しく減少した。この男児については、術後 3 日目に抜管し、日齢 782 日にして心不全はなく生存しているが、ハイ ハイをしたり喃語を話す事はない。 生存 A 群では、最初の入院から 96 日以内(中間値 7 日)に、B 群では、367 日以内(中間値 23 日)に全患者が死亡した。 患者 22 のみ 1 年生存したが、退院する事はなかった。患者 19 のみ退院できたが、日齢 55 日で死亡した。C 群では、9 名中 5 名が死亡した。すなわち、本データ収集中における現在、4 名は生存中である。データ収集後、直ちに死亡した と仮定しても、患者の生存は 3~834 日(中間値 243 日)に及び、5 名の患者は人工呼吸器または酸素吸入措置なしで 退院し、4 名の患者は 1 年以上生存した事になる。 図 1 は、対象 3 グループのカプラン・マイヤー生存曲線である。生存は、A 群と C 群間(P=0.003)、B 群と C 群間 (P=0.01)の両方において著しく異なるが、A 群と B 群間では大差がない(P=0.13)。Figure 1. The Kaplan-Meier survival estimates of the three treatment groups. 図 1.3つの群の、カプランマイヤー生存曲線による生存予測表 [Normal View 24K | Magnified View 33K]
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C 群(P=0.001)における単変数解析において、5 分後のアプガースコアの高さと長期生存は大変深い関係性がある と分かった。単変数解析において、性別(P=0.48;女性は僅かに生存期間が長い)、異常染色体(P=0.38;13 トリソ ミーは僅かに生存期間が長い)、在胎期間(P=0.051;期間が長い程僅かに生存期間が長い)、在胎期間における出生 児の標準体重との割合(P=0.35;標準体重との割合が高いほど、僅かに生存期間が長い)は生存期間とあまり関係が ない事が分かった。 すなわち、治療群とこれらのどの変数(項目)においても、深い関係性は見られなかった。単変数解析において A 群とB群間の生存期間には大差がなかったので、多変数解析の際、両群を一つにまとめた。多変数解析にて、治療群 (A群+B群対C群)と 5 分後のアプガースコアは回帰係閾値を満たした事が分かった。 複数の死因 Kosho ら[2006]の論述の通り、死因は、死に至らしめる基本的要因と、死に至る主因に分けられる。最も発生頻度の 多い死因は心不全で、死去の発生率は、A 群 13 名中 9 名(69%)、B 群 9 名中 4 名(44%)、C 群 5 名中 1 名という発生 率であり、心臓治療を強化する事で、死去の発生率は減少した。二番目に発生頻度が多い死因は、呼吸器不全で、A 群 4 名、B 群 1 名であった。心臓関連の要因は、死去に関与する最も多い基本的要因であり、先天性心疾患(25 名、 93%)、肺高血圧(21 名、78%)、心不全(20 名、74%)、肺出血(3 名、11%)等であった。「気管支肺疾患」が、二 番目に多く発生した致死要因であった。上記の「気管支肺疾患」については、次の具体的病害が含まれる:即ち、呼 吸器不全(12 名、44%)、気管食道瘻(6 名、22%)、肺出血(3 名、11%)、横隔膜内臓脱出症(横隔膜弛緩症)(3 名、 11%)、気管狭窄症(2 名、7%)、気胸(1 名、4%)等であった。その他の致死要因は、腎不全(腎機能障害)(5 名、19%)、 無呼吸(5 名、19%)、出生時の呼吸停止(4 名、15%)、輸血を要する貧血(3 名、11%)等であった。 【考察】 心臓疾患中心の、3 つの異なる治療方針の下に展開された 13 トリソミーまたは 18 トリソミー31 名の詳細な臨床経 過を、上述の通り、論述してきた。全身支持治療や動脈管開存に対する薬物療法のみを行った事との比較の結果、動 脈管開存に対する薬物療法と心臓手術との両方の施術により、生存期間が著しく向上する事が分かった。筆者らが知 る限りでは、本研究は、13 トリソミーまたは 18 トリソミー患者の生存において、選択的心臓手術を始めとする集中治 療効果の初めての調査報告書である。 当該調査研究上の制約 この調査研究では、複数の制約がある。第一に、13 トリソミーと 18 トリソミー両方の患者が被験者に含まれている という事である。しかし、核型の違いはあるにしろ、種々の疾患に付いては、心疾患(欠陥の変化や肺高血圧の早期 発症)、死への経過(死因として最も一般的に知られている無呼吸や短命)など、様々な臨床的特徴が共通点として存 在している[Taylor, [1968]]。第二に、非盲検で年代順配列に基づいた比較は統計の信頼性を低める。しかし、複数 の調査によって、13 トリソミーまたは 18 トリソミー患者の生存は経時的には改善しない事が分かっている[Root and Carey, [1994]; Rasmussen et al., [2003]]ので、この点においては僅かな影響でしかないと確信している。第三に、 何より、研究上、重要な制約は、被験者数が小さすぎる事である。動脈管開存への薬物療法
本研究では、薬物療法で動脈管開存が閉鎖する成功率は 71%で、その後の再開存は起こらなかった。この一連の調査 で、インドメタシンやメフェナム酸投与による薬理学的な PDA 閉鎖の成功率および再開存率は、早産児におけるそれ らの報告より悪いという結果は導かれなかった(成功率 70~90%;再開存率 20~30%)[Gersony ら [1983]; Sakhalkar and Merchant, [1992]; Weiss ら [1995]; Yoda ら [1999]]。だが一方、1 名の患者において腎機能障害が悪化し、インド
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メタシンの投与を中断せざるを得なかった。腎不全を引き起こす事もある尿路異常は、13 トリソミーまたは 18 トリソ ミー患者において、時折、報告されている[Barakat and Bulter[1987]]。インドメタシンやメフェナム酸を用いるP DA閉鎖のための薬物療法は、13 トリソミーまたは 18 トリソミー患者に対して適切な治療の選択肢として提示される が、それらの投与においては、腎機能を注意深く観察すべきである。 肺循環を動脈管に依存する患者 2 名は、超音波検査により動脈管閉鎖が見られたので PGE1 を投与したところ十分な 開存効果があり、中枢性無呼吸などのいかなる副作用もなかったのに対し、体循環を動脈管に依存する患者 6 名は動 脈管閉鎖が見られなかった。Kosho ほか[2006]の一連の研究調査では、患者 4 名に PGE1 を投与し、うち 2 名は、長期 投与(88 日、33 日)後、中断した、とある。中枢性無呼吸は早期幼児への PGE1 投与における深刻な副作用であるが、 13 トリソミーや 18 トリソミーにもよくみられる合併症であり、突然死をもたらす可能性がある。PGE1 は循環を動脈 管に依存するトリソミー患者にとって治療の選択肢となり得るが、動脈管閉鎖の検出に併せての PGE1 の投与について は、慎重に当該投与の開始を決定し、また治療中の呼吸状態と管開存を綿密に観察する事が必須であろう。 心臓手術 時折発表される報告書では、13 トリソミーまたは 18 トリソミー患者における心臓手術の有効性を論述している。 [Van Dyke and Allen, [1990]; Baty ら [1994]; Teraguchi ら [1997]; Stromme ら [2000]; Derbent ら [2001]]. また、Graham ら[2004]は、13 トリソミーまたは 18 トリソミー患者 35 名の心臓手術症例を報告した。患者 21 名は心 内修復術、患者 4 名は症状緩和の為の姑息術の後に心内修復術、患者 10 名は症状緩和の為の姑息的手術のみを行った。 病院での生存率は 91%で、心臓手術は上記の患者にとって安全であった事を示している。しかしながら、Graham らの 研究調査は、外科的介入(外科的治療)によって患者の生存期間が延びたかどうかを証明する為の研究調査ではなか った。心疾患に対しては、心内修復手術が行いやすいものではあるが、筆者らは、本件の一連の研究調査において、 全ての手術症例に対し、症状緩和の為の姑息的手術を選択した。つまり、正常核型の患者が、同じ位の体重で同様の 心臓欠陥を持つ場合は、主に心内修復手術の方がむしろ好ましい。 13 トリソミーまたは 18 トリソミー患者において、<症状緩和の為の姑息術を最初に適用する事を推奨するべきかど うか>については、は本研究では、明確に論じてはいないが、これら一連の研究調査において、姑息術が好ましいと するのは、以下の事項の推察による:第一に、正常核型を持つ患者と比べ、こうした患者にとって心内修復術による 生存利益は大きくない。すなわち大半の 13 トリソミーまたは 18 トリソミー患者には、心臓以外に生命を脅かす疾患 が複数存在し、心内修復手術と姑息術による生存期間の延長において大差はないと考えられる。第二に、こうした患 者における心内修復手術のリスクは、姑息的手術より高くなる恐れがある。心肺バイパス手術による全身炎症反応の 有害作用は、13 トリソミーまたは 18 トリソミーの新生児や年少乳児において危険である可能性がある[Kouchoukos ら [2003]]。遺伝的症候群、幼齢、周産期の(手術前後の)輸血などは、術後感染や死亡の危険因子となると示唆されて いる。[Numa ほか l., [1992]; Ryan ほか., [1997]; Van de Watering ほか, [1998]; Allpress ほか, [2004]; Kagen ほか, [2007]].また大抵、心内修復術は姑息術より多くの時間や輸血を要する。したがって 13 トリソミーまたは 18 トリソミーの新生児や年少乳児において、術後感染や死亡のリスクを高める恐れがある[Mangram ほか[1999]]。第三に、 PAB(肺動脈絞扼術)において、こうした患者は身体発育が遅く、数年間は肺の人工拘束バンドが有効であると考えら れる事、また心内修復手術を生涯必要としないものと考えられる。 この一連の研究調査は、数々の段階を踏まなければならないような複雑な心疾患に対する難しい外科手術は含まれ ておらず、13 トリソミーまたは 18 トリソミーに関連して発生する複雑な心疾患の適切な治療については、まだ解明さ れていない。筆者らの調査期間中、患者 8 名が動脈管開存に対する薬物療法を、患者 2 名が心臓手術を、その他患者 2 名が薬物療法と心臓手術の両方を行った。1 名の患者の親を除いた全ての親がインフォームド・コンセントに同意した。 それは、重症乳児の心疾患に対するこれらの集中治療方針が、親によって容認されたという事を示している。pg. 11
また、台湾の調査研究において、国民健康保険制度の施行後は、蘇生処置をしないと同意する署名をする 18 トリソ ミー新生児の両親が減少している事が分かった。つまりは本研究調査において、心疾患の集中治療に対し高い確率で 親の同意があった事は、13 トリソミーまたは 18 トリソミーを含む全ての重症新生児・重症乳児の医療費を負担する新 生児医療費補助金制度という、日本の医療制度に関連性があるかもしれないのである。 治療方針の意義 生存期間は、A 群と C 群間、また B 群と C 群間で大きく異なったが、A 群と B 群間では大差がなかった。 従前の人口に基づく調査研究の範囲内では、A 群と B 群の患者の平均生存期間は 14.5 日、1 才児の生存率は 4.5%であ った。C 群の患者の平均生存期間は、243 日、1 年生存率は 44%であり、それは、現在までに報告されている、「人口 に基づく調査」、更には、「病院に基づく調査」の全ての事例に於いて、最長のデータであった。したがって、動脈 管開存に対する薬物療法及び心臓手術からなる心疾患に対する集中治療は、13 トリソミーまたは 18 トリソミー患者の 生存を延ばすものであると提案する。 心疾患の集中治療下における 13 トリソミーまたは 18 トリソミー患者の生存が著しく改善した事は、全般的な治療・ 管理が無意識的な強化された事に起因している可能性もある。13 トリソミーまたは 18 トリソミー患者へ心疾患の集中 治療が適用される以前は、Kosho ほか[2006]の観察事例にある様に、当該患者は、結局は先天性心疾患に伴う進行性心 不全で死亡する、という印象があったので、患者の突然、且つ、やむを得ない不可避の死去例が発生すると、筆者ら は、心臓疾患以外の疾患について、これを集中的に、治療するのを躊躇うという事もあったのである。しかしながら、 心疾患に対する集中治療の導入は、心不全の改善やより良い予後、心臓以外の疾患治療や積極的な、全般的な治療に 結実するであろう、希望を持たせてくれるものである。 結論として、動脈管開存に対する薬物療法や心臓手術からなる心疾患に対する集中治療は、心臓病以外の他の疾患 に対する治療や一般的ケアの無意識的な強化と恐らく相乗効果的に、13 トリソミーまたは 18 トリソミーの児の生存を 改善できた(平均生存期間 243 日、すなわち 1 年平均生存率 44%)。従って、こうした症候群に伴う心疾患に対する治 療の選択肢として、心疾患に対する集中治療を提案する。これらのデータは、臨床医や家族が 13 トリソミーまたは 18 トリソミー患者に最善の治療を検討するのに有用である。 参照:(省略)原文:Intensive Cardiac Management in Patients With Trisomy 13 or Trisomy 18
掲載元:American Journal of Medical Genetics Part A, Volume 146A, Issue 11 (p 1372-1380) http://www3.interscience.wiley.com/cgi-bin/fulltext/118637916/PDFSTART?CRETRY=1&SRETRY=0
翻 訳 : 林 麻美(18 トリソミーの会 会員No.418) 校閲・修正: 末次翻訳事務所