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木灰と消石灰を用いたコンクリートの 圧縮強度向上

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Academic year: 2021

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木灰と消石灰を用いたコンクリートの 圧縮強度向上

学籍番号:1160037 氏名:奥田 竜二 指導教員:大内 雅博

高知工科大学システム工学群建築・都市デザイン専攻

要旨:高知県宿毛市の木質バイオマス発電所で発生した木灰を主原料としたコンクリートを開発した.消 石灰を添加することによりセメントを用いずに水により,硬化することができた.コンクリートより も低い速度で,圧縮強度が向上することが確認した.高性能 AE 減水剤を使用して軟らかくして型枠へ の充填度を上げることにより,水比を低くして圧縮強度を向上させることが出来た.

Keywords :木灰,消石灰,型枠への充填率

1.はじめに

現在、コンクリートはセメント製造の過程で副産物 や廃棄物の処理と活用に貢献している.しかし,自然 エネルギーを利用した物質循環はコンクリートで留 まっているのが現状である.本研究では,物質循環す るコンクリートを目標に,宿毛バイオマス発電所で発 生した木灰を主原料としたコンクリートを開発した.

当発電所で発生した木灰は主灰,飛灰,リドリング灰 の3種類であり,肥料の三要素のうちカリウムが大量 に含まれている(表-1)木灰を主成分としたコンクリ ートを用いて林道を建設し林業の効率を上げ,役目を 終えたブロックの自己崩壊により木の肥料成分とな り物質循環することを目指す.

表-1 木灰に含まれる肥料成分

2.使用材料

アルカリ刺激剤として消石灰を添加し,表-2 に示 す材料を用いたコンクリートを開発した.

表-2 SDS コンクリートの材料

主灰,飛灰,リドリング灰の比率は,その発生比率で ある主灰:70%,飛灰:15%,リドリング灰:15%とした.

当発電所からは,主灰とリドリング灰が混合した状態 で送られるため,実験では主灰・リドリング灰 85%, 飛灰 15%で設計した.また石灰添加率については 20%

に 固 定 し た . 水 比 と 消 石 灰 の 添 加 率 に つ い て は (1a),(1b)のように求めた.本研究での配合を表-3 に 示した.

水比(%) =

水(g)

木灰(g)+石灰(g)

∗ 100

(1a)

消石灰添加率(%) =

木灰(g)+石灰(g)消石灰(g)

∗ 100

(1b)

表-3 配合

3.養生期間と圧縮強度の関係

木灰を用いたコンクリートについて圧縮強度と材 齢について調べた.材齢7日から 28 日では圧縮強度 は 2 倍に向上し,材齢 28 日から 56 日の間でも水比 15%のものは 2 倍に向上した.一方,材齢 56 日以降は, 伸びが小さかった(図 1).ただし,この実験では主灰・

リドリング灰に含まれる粒径が大きいな灰や不純物

CaO(%) MgO(%) K

2

O(%) P

2

O

5

(%)

主灰 38.6 6.32 6.01 2.24

飛灰 26.2 3.18 30.0 1.57

リドリング灰 32.5 5.37 5.34 1.85

水(W)

主灰 発生比率 70% 密度 1.97g/cm³ リドリング灰 発生比率 15% 密度 2.43g/cm³ 飛灰 発生比率 15% 密度 2.23g/cm³

水道水

消石灰 工業用消石灰

密度 2.21 g/cm³ 木灰

飛灰 消石灰 水比

175 292 365 15%

169 282 353 18%

165 172 345 20%

172 286 358 24%

164 274 343 25%

160 267 333 30%

907 937 973 994

単位量(kg/m3)

932 主灰+リドリング灰

960

(2)

を 5 ㎜カットのふるいで取り除き実験した.

図-1 養生期間が長いほど圧縮強度が向上

4.高性能 AE 減水剤添加による充填度向上 コ

ンクリートに高性能 AE 減水剤(以下,SP)を添加 することによる,圧縮強度の向上効果を調べた. SP を 添加することにより,同じ水比でもスランプ値が大き くなった(図-2,3).そのため,型枠への充填度合いが 向上して圧縮強度が増加した(図-4)

.

図-2 水比 25% 図-3 水比 24% SP5%添加

図-4 SP 添加により圧縮強度向上

5.水比と圧縮強度

同程度の締め固めで度合いのもので,水比が強度に

及ぼす影響について調べた.それぞれの配合のコンク リートの密度をもとに(1c)のように充填率を求めた.

水比 24%と 20%の圧縮強度を比較すると,同じ締め固 め度合いでは水比の低いほうの圧縮強度が高くなっ た(図-5).つまり,十分な充填がされれば,水比を下げ ることが圧縮強度向上につながることが分かった.

ただし,水比が低すぎると図-6のように十分な充 填が出来なくなり,圧縮強度が低くなった.

充填率(%) =

充填率

100%時の供試体質量(𝑔)

供試体質量(𝑔) (1c)

図-5 同程度の充填率でも水比が低いほど 圧縮強度が高くなった

図-6 左:充填率 66% 右:充填率 81%

6.結論

本研究の結果,以下のことが明らかになった.

1)消石灰を添加することにより,木質バイオマス発電 所で発生した木灰を用いて SDS コンクリートを作る ことが出来た.

2)養生期間が長いほど圧縮強度が向上した.特に 56 日までの期間に著しく向上した.一方,それ以降の強 度発現は小さかった.

3)十分な充填ができる範囲では,水比を下げることが 圧縮強度の向上につながった.

0 1 2 3 4 5

0 50 100

圧縮強度(

N /m m

2)

養生期間(日)

水比15%

水比20%

5mm以上の主灰・リドリング灰を含まない

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0

0 10 20 30 40

圧縮強度(

N /m m

2)

水比(%)

養生期間

7日間

SP5%添加

SP無添加 充填度向上による 圧縮強度向上

0

0 1 2 3 4 5

0 20 40 60 80 100

圧縮強度

(N /m m

2

)

充填率(%)

水比

18%

水比

24%

水比

20%

水比が低すぎると 十分な充填が出来ない

養生期間28日間

SP5%添加

同程度の充填率でも水比が 低いほうが強度が高い

参照

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