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粒度の調整による木灰コンクリートの 施工性向上と強度増進

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Academic year: 2021

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粒度の調整による木灰コンクリートの 施工性向上と強度増進

学籍番号:1180121 氏名:西川紀之 指導教員:大内雅博

高知工科大学システム工学群建築都市デザイン専攻

要旨:木質バイオマス発電からの副産物である木灰を骨材とし,高炉スラグ微粉末及び消石灰を結合 材としたコンクリートを開発した。発生過程により三種類に分類される主灰,リドリング灰,飛灰をそ れぞれ単独で骨材として用いた場合と比較して,これら三者を適切に混合することによりスランプ値 の増大,ひいては水結合材比の低下による強度増進が見られた。

Key Words :木灰,木灰コンクリート,圧縮強度,スランプ値,粒径

1. はじめに

高知県は県土の 84%が森林であり林業が盛んな地 域である。この特徴を生かした木質バイオマス発電 所から発生した木灰は肥料として用いることができ, さらに有効な活用が求められている。

本研究では,「木灰から木材へつなげる」技術とし て,木灰を主原料とした木灰コンクリートを開発し た。しかしながら,これまでの配合では,アルカリ刺 激剤としての消石灰と反応がある飛灰のみを用い, その中でも 5 ㎜以下の細かなもののみを使用してい た。しかし,吸水性の高い飛灰を多く使用することで, 必要となる実際の単位水量が大きくなり圧縮強度低 下につながるという問題点が明らかになった。そこ で,飛灰単独ではなく主灰やリドリング灰を混合す ることにより,施工性や強度の増進を図る。

2. 各灰の物理的特性

木灰は発生過程により,「主灰」「飛灰」「リドリン グ灰」の 3 種類に分類される。発生比率は,順におよ そ 70:15:15 である。試験の際にはこれらをふるいで 5 ㎜以下と 5~16 ㎜に分け,骨材の代わりとして用い る。各灰の表乾密度,吸水率,実積率を JIS 規格に記 載されてあるコンクリート骨材の試験方法「A1102 骨材のふるい分け試験方法」「A1104 骨材の単位容積 質量及び実積率試験方法」「A1109 細骨材の密度及び 吸水率試験方法」により求めた。

表-1 各灰の物的特性

粒径 主灰 飛灰 リドリング灰 表乾密度

(g/㎝³)

~5 1.90 1.81 2.16 5~16 1.93 1.81 2.28

吸水率 (%)

~5 19.9 32.3 4.0 5~16 11.6 32.3 6.5 実積率

(%)

~5 63.1 59.9 53.1 5~16 49.6 53.4 48.7

3. 使用材料

アルカリ刺激剤として消石灰,圧縮強度を増進さ せる混和材として高炉スラグ微粉末を添加し,表-2 に記す材料を用いたコンクリートを開発した。

表-2 木灰コンクリートの材料

水 水道水

消石灰 工業用消石灰 密度:2.21g/㎝³ 高炉スラグ微粉末 比表面積 6,000 ㎝²/g 密度:2.91g/㎝³

木灰

主灰 発生比率:70%

密度:1.91g/㎝³ 吸水率:16.9%

飛灰 発生比率:15%

密度:1.81g/㎝³ 吸水率:32.3%

リド リング灰

発生比率:15%

密度:2.18g/㎝³ 吸水率:4.3%

4. 各灰の粒径の圧縮強度への影響

水結合材比(以下,W/B(消石灰+高炉スラグ微粉 末))45%,モルタル中の木灰体積比(以下,a/m)30%, 消石灰高炉スラグ微粉末比(以下,CH/BFS)5%で配合 を設計した。リドリング灰の 5~16 ㎜には木片や砂 利が含まれているため,荷重の作用の際にそれらが モルタルから剥離したため圧縮強度の低下に至った と考察した。また,飛灰はスランプ値が一定であるの に対し,主灰とリドリング灰は大粒径の割合が増加 するにつれてスランプ値は大きくなった。

(2)

2 図-1 リドリング灰のみ 5~16 ㎜の混合割合が

増加するほど圧縮強度が低下

図-2 主灰・リドリング灰は 5~16 ㎜の混合割合が 増加するほどスランプ値も増加

5. 木灰 3 種を混合した場合のスランプと 圧縮強度の関係

飛灰を単独で使用した場合と木灰を混合した場合 とでスランプと強度を比較した。a/m を 30%, CH/BFS を 5%とした。飛灰は 5mm 以下のものだけを用い,木 灰 3 種を混合したものは発生比率と同等の混合割合 で粒径を変えたものを 4 パターン作成した。飛灰を 単独で使用した場合,W/B:40%で締固めするには困 難な硬さになったのに対し,木灰 3 種を混合したもの は水結合材比を下げたままスランプ値を高くするこ とができた。また,圧縮強度についても水結合材比の 低下により圧縮強度が増加した。

表-3 各木灰の混合割合

図-3 混合割合を変えることにより単位水量を 減らしつつスランプ値が増加

図-4 水結合材比を低下させたことによる 圧縮強度の増進

6. 結論

(1) 主灰・飛灰には粒度の違いによる圧縮強度の差 は見られなかった。しかし,リドリング灰は 5~

16 ㎜の混合割合が 25%を超えると圧縮強度が 低下した。

(2) 砂や砂利が混入している主灰・リドリング灰が 大粒径の割合が増加するにつれてスランプ値も 高くなった。

(3) 各木灰を単一で使用した場合,圧縮強度が一番 高かったのは飛灰だった。このことから,他の 2 種類の灰よりも強度発現に寄与している可能性 を得た。

(4) 飛灰単独では出なかったスランプ値や圧縮強度 が,木灰を混合したことにより実現した。

7. 参考文献

・日本規格協会:JIS ハンドブック 10 生コンクリート 2016

0 5 10 15

0% 25% 50% 75% 100%

材齢7日 圧縮強度(N/㎜²)

粒径5~16㎜の混合割合(%) 飛灰 主灰 リドリング灰

0 2 4 6 8 10

0% 25% 50% 75% 100%

スランプ値(㎝)

粒径5~16㎜の混合割合(%) 飛灰 主灰 リドリング灰

5㎜以下 5~16㎜ 5㎜以下 5~16㎜ 5㎜以下 5~16㎜

A 30% 70 - 15 - 15 -

25% - 70 15 - 15 -

30% - 70 15 - 15 -

25% 70 - - 15 15 -

30% 70 - - 15 15 -

25% - 70 - 15 15 -

30% - 70 - 15 15 -

D C B

飛灰 リドリング灰

木灰の混合割合(%)

w/p 主灰

0 1 2 3 4 5

20% 30% 40% 50%

スランプ値(㎝)

W/B(%)

A B C D 水結合材比を下げたまま スランプ値が増加

0 5 10 15 20

20% 30% 40% 50%

材齢7日 圧縮強度(N/㎜²)

W/B(%)

A B C D 飛灰のみ使用

飛灰のみ使用

水結合材比の低下 により強度増加

W/B

参照

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