論
人
説工 妊 娠 中 絶 と ア メ リ カ 合 衆 国 最 高 裁 判 所
︵二 ︶
根 本
ニハ ハリ ス判 決
︵一 九 八0 年 YI
︲﹁ ハイ 修ド 正﹂ を支 持︱ 生命 支 持 派 の重 要 な勝 利 一九
八
〇 年 の ハリ ス判 決 次は のよ う な 事 案 に か か わ る
︒ 連 邦 議 会 は 一︑ 九 七 六 年 以降
︑ いわ ゆ る ハ﹁ イ 修ド 正
﹂
︵
■ oキ お
●一 ヨ8 しに よ てっ
︑ 連 邦 資金 が 人 工妊 娠中 絶 に使 わ れ る こと をき び くし 制限 す るよ う にな たっ ︒ 一九 七七 年 の メイ ハー 判 決 に お いて は
︑ 連邦 社 会 保障 法 第 一九 編 が 人 工妊 娠 絶中 のへ 給 付 を 許容 し て い る こと を前 提 に︑ 国 民 医 療 保 障プ ログ ラ ム
︵いわ ゆ る メデ ケィ イ
︶ド に参 加 す る州 が
︑ それ ぞ れ の判 断 給で 付 し な い こと の是 非 が争 われ た が 本︑ 件 では
︑ こ の ハ﹁ イ 修ド
﹂正 に よ てっ 連 邦 資 金 の支 出 を 一律 に スト プッ す る こと が 合憲 か否 か 争 わ れ た
︒ さ ら に︑ イメ ハー 判 決 では
︑ 治療 目的 の人 工妊 娠中 絶 には 給 付 さ れ てい た のに 対 し て︑ ハ﹁ イ 修ド
﹂正 は 治 療 目 的 であ てっ 人工 妊娠 中絶 とア メリ カ合 衆国 最高 裁判 所
︵二︶ 一 一八 九
猛
法政 研究 一巻 二豊 丁四 号
︵一 九九 七年
︶ 一 一九
〇 も 制 限 を 加 え て いた
︒ た と え ば 一︑ 九 八
〇 会 計 年 度 に 適 用 さ れ た ハ﹁ イ ド 修 正
﹂は
︑ 母 親 の生 命 が 危 険 に さ ら さ れ る 場 合
︑ 強 姦
・近 親 相 姦 に よ る妊 娠 の場 合 に 限 定 し て い た
︒ そ の結 果
︑ 母 親 の健 康 に 重 大 か つ長 期 の障 害 が 発 生 す る場 合 な ど は 除 外 さ れ る こ と に な る
︒ ハ﹁ イ ド 修 正
﹂ は
︑ 生 命 支 持 派 の ロ ー 判 決 反 対 戦 略 が 実 を 結 ん だ も の の ひ と つ であ っ
3︵9
︶
た
︒ 連 邦 地 裁 は︑ 第 五修 正 の平 等 保護 原 則 及び 第 一修 正 の宗 教 の自 由条 項 違 反を 理 由 に︑ ハ﹁ イ 修ド
﹂正 違は 憲 であ ると 判 断 し た
︒ 最 高 裁 判 所 は︑ 五 対 四 のわ ず か 一票 差 で︑ 原 判 決 を 破棄 し︑ ハ﹁ イ ド 修
﹂正 の合 憲 性 を 支持 し た
︒ スチ ュ アー ト 裁 判官 の法 廷 意 見 次は のと お り であ る︒ 被 上 訴 人 の主 張 第の 点一 は︑ ハ﹁ イ 修ド 正
﹂は
︑ ーロ 判 決 で承 認 さ れ た 自﹁
﹂由 を 侵 害す るゆ え に適 正手 続 条 項 違 反 だ と いう
︒ そ し て︑ 前 述 のメ イ ハー 判決 と の相 違 を あげ て︑ 本件 では
︑ イメ ハー 判決 では 存在 し な か たっ
母﹁ 親 の健 康 の保 護
﹂ と うい 利 益 が 影 響 受を け る での
︑ メイ ハー 判 決 と 憲は 法 上 区別 さ れ得 ると 主張 す る︒ し かし
︑ 法 廷意 見 は これ を拒 絶 す る︒ 母﹁ 親 の健 康 の保 護
﹂が ロー 判決 の中 核 に あ ると し ても
︑ そ の こと は 財 政 的 な 裏 付 けを 要 求 す る憲 法 上 の資 格 帰に 結 なし い︒ そ の理 由 は メイ ハー 判 決 で説 明 し た おと り であ る︒ 女 性 が 人 工妊 娠中 絶 に ア ク セ スで き な い のは
︑ 政府 が 妨 害 し てい るか ら では くな
︑ 彼女 の貧 困 のせ い であ る︒ 一般 的 に い てっ
︑ 憲 法 の 人権 保 障 は
︑ それ を実 現す るた め に国 民が 財 政 的裏 付 けを 得 られ るよ う確 保す る政 府 の積 極的 義務 ま では 求要 し な い︒ 被 上 訴 人 の主 張 の第 二点 は 政教 分 離 条 項違 反だ が︑ これ に つい ては
︑ あ る制 定 法 が た﹁ ま た ま
︑ くい つか のま た は す てべ 宗の 教 教の 義 と 一致 たま は 調和 し て いる
﹂ と うい 理 由 で政 教 分離 条 項 違 反 なに るわ け では な い︑ と簡 単 片に 付 け て い る︒ ま た 第︑ 二点 宗の 教 の自 由条 項 違 反 に つい ても 被︑ 上 訴 人 は この 権 利を 主 張す る スタ ンデ ィ ング を 欠 く と す る︒
被 上訴 人 の最 後 の主 張 は
︑ 平 等保 護 原 則違 反 であ る︒ 例 に よ てっ
︑ 平 等 保護 原 則 に基 づ く 二段 階 の審 査 のど ち ら が 本 件 に妥 当 す るか が 問 わ れ る︒ 適 正手 続条 項 に関 し て述 べた よ う に︑ 本 件 では 基 本 的 権利
︵ど がら
︐日
①づ けユ Hい 讐 一し の侵 害 は な い︒ ま た︑ 違 憲 の疑 いが 強 い分 類 分 づ8 一s
︐口 8出 いい oじ に基 づ いて い るわ け では な い︒ し た が てっ
︑ 残 さ れ た 問 題 は︑ ハ﹁ イド 修
﹂正 が 正当 な 立法 目的 合と 理 関的 連 性 を有 す るか
︑ であ る︒ お そ くら
︑ 最高 裁 判 所 が メ イ ハー 判 決 を 前提 すと る限 り
︑ 被 上訴 人が 勝 つに は こ こを つく し かな か たっ
︒ 実 際︑ 原 判決 も︑ 胎﹁ 児 を保 護 す る連 邦 政 府 の利 益 は︑ 脅 か され て いる 女性 の健 康 対に し て比 較 衡量 し て︑ 医療 扶助 の制 限を 正当 化 す る のに 十 分 では な
﹂い 判と 断 した
︒ し か し︑ 法 廷意 見 は
︑ これ を厳 し く批 判す る︒ 本﹁ 件 にか かわ る競 合 す る諸 利益 を独 自 に 評価 す る こと に よ てっ
︑ 連 邦 地 裁 は 司法 権 の機 能 を 逸 脱 した
﹂︒ 要す る に︑ 平﹁ 等 保護 の要 件 は︑ 連邦 議 会 の行 動 が 正当 な 政 府 の目 的 に合 理 的 に 関連 し てい るか だ け
﹂で あ てっ
︑ ハ﹁ イ 修ド 正に 表 さ れ た競 合 す る諸 利益 の衡 量が 賢 明 な社 会 政 策 か 否か を 決 定す る の は 当裁 判 所 や 他 の裁 判 所 の任 務 では な
﹂い︒ 結 論 とし ては
︑ ハ﹁ イド 修 正 は こ の基 準 を満 足し て い
﹂る ブ ナレ ン裁 判 官 の反 対意 見
︵マ ー シ ルャ ブ︑ ラ クッ マン 両 判裁 官 調同
︶ 原は 理的 なも ので あ る︒ 本 件 で政 府 が 使 っ た のが メア あで たっ か ム チ であ たっ か 重は 要 では なく
︑ 政府 は︑ 市 民 にあ る種 の利 益 や 特権 を 与 え る義 務 が な いと き でも 憲︑ 法 上 の権 利 の放 棄 を そ の利 益 供 与 の条 件 にす る こと は でき な いと うい 内 容 あで る︒ 一九 七 七 年 の三 判 決 で多 数 派 の 一員 だ たっ ス テ ーィ ブ ズン 裁判 官 は
︑ 本 件 では 少数 派 に与 し た
︒ ステ ーィ ブ ンズ 裁 判 官 は 見 解 を変 えた わ け では な い︒ ステ ーィ ブ ンズ 対反 意 見 に よれ ば
︑ イメ ハー 判 決 の要 点 は
︑ 療医 上 の必 要 性 と い う中 立 的 な 基準 であ たっ ので
︑ 本 件 は根 本 的 に異 な ると いう
︒ そし て︑ 胎 児 の保 護 と いう 政 府 の利 益 は︑ それ ぞ れ の 文 脈 にお い て正 性当 が 判 断 さ れ る きべ で︑ 廷法 意 見が し た よ う に︑ ハ﹁ イ 修ド
﹂正 目の 的 が 正当 だ か ら︑ そ れ が作 り出 した 除 外 も合 理的 で合 憲 だ と うい のは 誤 てっ いる すと る︒
﹁と うい のは
︑ ロー 判 決 は︑ 胎 児 の保 護 の利 益 と 妊婦 の健 康 人工 妊娠 中絶 とア メリ カ合 衆国 最高 裁判 所
︵二 ︶ 一 一九 一
法政 研究 一巻 二豊 T四 号
︵一 九九 七年
︶ 一一九 二 と が 衝 突 す ると き に︑ 州 胎は 児 の保 護 の利 益 を 保護 でき な い こと を は きっ り判 示し て いる か ら であ
﹂る 本 判決 には 一︑ 九 七 七年 の三 判 決 対に す る評 価 が︑ 基本 的 に妥 当す る︒ それ は 本︑ 判 決 のブ レ ナ ン反 対意 見 述に べら れ てい ると お り であ る︒ ま た
︑ ステ ーィ ブ ンズ 反対 意見 が いう よう に︑ 胎 児 の保 護 と いう 利益 母は 親 の健 康 に優 先 さ せ てま で貫 徹 す べき な のか と いう 重 大 な疑 問 も あ る︒ さ ら に︑ ハ﹁ イ 修ド
﹂正 の真 の立 法 目的 を 探 れば
︑ 連 邦 法 によ る 一律 スト ツプ であ る こと
︑ 治 療 目的 の人 工妊 娠 中絶 も除 外 さ れ て いる こと に鑑 み︑ 政 教 分離 条 項 違 反 と され る可 能性 も あ たっ と いえ るっ 中 絶 支持 派 の論 客 であ るト ライ ブ は︑ 人 工妊 娠 中 絶 の禁 止 が女 性 の従 属的 地 位 の固 定 化 に つな が
4︵︲
︶
ると うい 男 女 平等 の観 点 が 最高 裁 判所 には 欠落 し て いる こと が ハリ ス判 決 に投 影 し て いる と批 判 し てい る
︒ し か し︑ 一九 八
〇年 は︑ 生命 支持 派 に と てっ は
︑ 画期 的 な年 だ たっ
︒ ハリ ス判 決 の最 高裁 判所 で 勝の 利 に加 え て︑ 共 和党 綱の 領 に 人 工妊 娠中 絶 反 対が 盛 り 込 ま れ るな か で行 な われ た 一 一月 の選 挙 が
︑ 現職 のカ ー タ ー大 統 領 を 破 てっ の
4︵2
︶
レ ー ガ ン 大 統 領 の 当 選
︑ そ し て 上 院 で の 共 和 党 優 位 な ど の 成 果 を も た ら し た か ら で あ る
︒ 命︶﹃口.∽メop心卜∞C
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︶ 生命 支 持 派 の ーロ 判決 反対 戦略 のう ち
︑ 連邦 議会 を 舞台 とし た も のは
①︑ 憲 法改 正
②︑ 裁 判所 の管 轄 権 の制 限
︵最 高 裁 判 所 の上 訴 管 轄 権 連・ 邦裁 判 所 の中 絶 事 件 に関 す る管 轄権
︶︑③ 人 工妊 娠中 絶 への 連邦 資 金 の制 限︑
④ 人 工妊 娠中 絶 を制 限 す るた め の法 律 の制 定 の 四 つと さ れ てい る︒ 中バ
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︒ま た︑ 別 の論 者 は︑ 連邦 議 会 内外 を 問 わず
①︑ 憲 法 改 正
②︑ 議 会
︵連 邦
・州
︶ で の人 工妊 娠中 絶 規 制法 の制 定
③︑ 共和 党 政権 に よ る連 邦 裁判 官 の任 命 への 介 入︑
④ 法﹁ 廷 の友
﹂ 意 見書 の提 出︑
⑤ 最 高裁 判 所 や 人 工妊 娠 中絶 クリ ニ クッ など への 抗 議︑ 市 民的 不 服従
︑ そし て︑ 暴力 と い たっ 直 接行 動 をあ げ る︒
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︑ こ の 選 挙 結 果 は 当 時 のカ ー タ ー 政 権 の 不 始 末 が 最 大 の 要 因 と い う 見 方 も あ る
︒
七 クア ロ ン判 決
︵一 九 人 三年 YI
︲生 命 支 持 派 が 優勢 だ たっ 州 制で 定 さ れ て いた 規制 法 のひ と つの モデ ルー ー 六対 三で ロー 判 決支 持︱ 上運 邦 政府 も生 命 支持 派 加に わる 一九
八
〇 年 の勝 利 に勢 いづ いた 生 命 支 持 派 連は 邦議 会 をタ ーゲ ット に︑
﹁生 命 は受 精 に始 ま
﹂る 旨 の法 律 の制 定
︑ 人 工妊 娠中 絶 事 件 で の連 邦 判裁 所 の管 轄 権 の制 限
︑ そ し て︑
﹁人 工妊 娠中 絶 の権 利 は こ の憲 法 が 保障 す るも の では な
﹂い こと を 明記 す る憲 法 改 硫 が ど 提を 案 す るが 連︑ 邦 議会 は これ ら には 同 調 しな か たっ
︒ し か し︑ 州
レ ベル では 依︑ 然
︑ 生命 支 持 派 の攻 勢 が続 い てい た
︒ オ ハイ 州オ アク ロ 市ン が制 定 し た 人 工妊 娠 中 絶 規制 条 例 は
︑ そ の運 動 のひ と つ の到 達 点 で︑ 他 州 でも 追 随 す る動 き が 広 が てっ いた
︒ こ の条 例 は︑ 第 2 三半 期 の中 絶 病は 院 で行 な う と い う要 件
︑ 両 親 の同 意
︑ イ
ン フオ ー ムド
・コ セン ント 一︑ 一四時 間 待 機︑ 中 絶 した 胎 児 の
﹁人 間 的
・衛 生的
﹂処 理な ど を 内容 と し て い た
︒ これ に対 し て中 絶支 持 派 か ら違 憲 訴 訟 提が 起 さ れた のが 本 件 であ る鳴 こ ︶ の事 件 では
︑ 連 邦 政 府 が初 め て生 命 支 持 派 に加 わ り
︑
﹁法 廷 の友
﹂ 日→ 5︼o o 器ユ
︶ 意見 書 を提 出 し た
︒ 最 高 裁 判 所 は︑ エハ対 三 で︑ つエハ の規 定 のす べて に つい て︑ 違 憲 の判 断 を 下し た
︒ 人工 妊娠 中絶 とア メリ カ合 衆国 高最 裁判 所
︵二︶ 一 一九 二