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重心動揺 に関す る試行 間変動

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(1)

長 崎大学 教 育学 部教 育科 学研 究報 告

5 5

7 5‑8 0( 1 9 9 8)

重心動揺 に関す る試行 間変動

朝 長 昌 三

Change samong Tr i al son Body Sway Shozo TOMONAGA

ヒ トの姿勢制御 は,前庭 器官 小体性 感覚 器官 ・視覚器 官等 の異種 感覚情報 を中枢神経系 が統 合 ・処理 し,運動系 に伝 える ことに よ り,姿勢 の維持 にかかわ る筋 肉群 を収縮 また は 弛緩 させ る こ とに よって姿勢 を保持 ・安定化 させ る系 であ る.

姿勢 を維持 ・安 定化 させ る情報 の中で も,視覚情 報 の果 たす役割 は特 に重要 と考 えられ, これ まで いろいろな研 究が報告 されてい る

( Edwar ds

,

1 9 46;

河合他

,1 9 91

;中田

,1 9 8 3;

Wapne randWi t ki n

,

1 950) .

朝長 もこれ まで いろいろな視覚情報 を呈示す る こ とに よ っ て姿勢 ,特 に重心動揺 が どの ように変化す るか を検 討 して きた (

1 993,1 9 9 4,1 9 9 5,1 9 9 7) .

垂心動揺 を評価 す る場 合 , あ る条件 下で数試行 の測定 を行 い,その平均値 を代 表値 と し て検討 された研 究 が多い.本研 究 では開眼条件 ,開眼条件 お よび フ ィー ドバ ック条件 の

3

条件 にお ける試行 間の変動 につ いて,動揺 の平均速度 ,平均加速度 ,移動距 離 お よび動揺 面積 か ら検 討 す る こ とを 目的 と した.

垂心動揺 の測定 は,Fi

g.1

に示 した ようなシステム を用 いて行 った. 図の よ うに,重 心 動揺 は正 三角形

3

点支持 の平衡機 能計 (1GOl,三栄測器社 ) を用 いて測 定 した . 検 出 台 か らの出力 は座標 変換 増 幅器 に よって増幅 され, レクチ グラ フ

( 8U1 6

, 日本電気三栄社 ), デ ー タ レコー ダ (氏‑61,TEAC

社 )お よび

Ⅹ‑

Y レコー ダ (

8

U6

1, 日本電気 三栄 社 ) に入 力 され た.

被験 者 は検 出台上 に,蛙 を接 し足 尖 を

45

度 に開いて直立 し, 両上肢 を体側 に接 した姿勢 をとっ た.検 出台上 での被験 者 の動 揺

(2)

7 6

長 崎大学教 育学 部教 育科学研 究報告

5 5

位 置 を調整 した.

まず 開眼で直立姿勢時の重心動揺 をデ ー タレコー ダに記録 した. これ を開眼条件 にお け る重心動揺 と した.記録後 ,被験者 は検 出台 を下 り,椅 子 に座 って約 1分 間の休憩 を とっ た.

休憩後再 び検 出台上 に直立 させ ,開眼で眼前約

1. 5m

に設置 され た (+ ) 印 の 固視 点 を 凝視 させ た状 態 にお ける動揺 を測定 し, これ を開眼条件 にお ける重心動揺 と した.

次 に,再 び被験 者 を椅 子 に座 らせ て休憩 させ ,その時 に,

「 Ⅹ‑

Y レコー ダのペ ン と, ペ ンに よって措 かれ る動揺 の軌跡 を見 なが ら,で きるだけペ ンを動 か さない ように姿勢 を コ ン トロール させ て くだ さい.ペ ンが右 方 に移動 した場合 には,重心 を左 方 に移動 させ る こ とに よって,ペ ンが なるべ く記録紙 の中央 に くる ように調整 させ て くだ さい」 と教示 し た.その説 明後 ,被験者 を検 出台上 に直立 させ , Ⅹ‑Y レコーダのペ ンを凝視 させ た.そ

して被験者が重心 を前方,後方,左 方,右方 に移動 させ ると,眼前約 1mに設置 されたⅩ‑

Y レコーダのペ ンもそれ に従 って動 くことお よびペ ンが その動 きとともに軌跡 を措 くこ と を確 かめ させ , さらに動揺 の コン トロールの仕 方 を練習 させ た.その後 ,記録 を始 め, こ れ をフィー ドバ ック条件 にお ける重心動揺 と した.

これ らの

3

条件 にお ける試行 を

1

ブロ ック と し,

1

日に

5

ブロック,さらにこの

5

ブロッ クを

1 4

日間連続 して行 った.

被験者 は健常 な男子学生

1 0

人 と,女子学生

1 0

人の計

2 0

人であ った.

重心動揺 の解析 は, まず デ ー タ レコー ダか ら出力 した重心動揺 の記録 を

A/D

変換 した 級 ,重心動揺計解析 プログラム (日本電気 三栄社 ) に よって51.2秒 の動揺 を左右方 向 と前 後方 向 に関す る時系列記録 と して計測 し,各方向の平均速度,平均加速度お よび移動距離 と,動揺 の範 囲 を示す動揺面積 か ら重心動揺 を定量化 した.重心動揺計解析 プログラムに お けるサ ンプ リングタイムは

5 0ms e c

であ った.

結果 の処理 は,以下 の ように行 った.

各試行 の重心動揺 を 「重心動揺計解析 プログラム」 に よって左右動揺

(

Ⅹ一方 向 )お よ び前後動揺 (Y一方向 )の平均速度,平均加速度 ,移動距離 と動揺面積 に関 して分析 した.

次 に各条件 (開眼条件 ,開眼条件 , フ ィー ドバ ック条件 )にお ける各要素 (平均速度 ,平 均加速度 ,移動距離 ,動揺面積 )につ いて,各試行 (第

1

試行 か ら第

5

試行 )の

14

日間 の平均値 を とった. さらにそれぞれ について被験 者

2 0

人の平均値 を と り,その平均値 を各 条件 にお ける各要素 につ いての各試行 の代 表値 と した.

それ らの代表値 に よって、各条件 にお ける各要素が第

1

試行 か ら第

5

試行 までの間 に練 習効果があ るか どうか を検討す るために分散分析 を行 い,以下 の ような結果 を得 た.

開眼条件 においては, Ⅹ一方 向で平均速度

(F‑2. 840

,p

<. 05

) と移 動 距 離

(F‑

6. 2 5 4

,p

<. 0

1)に, Y一方 向で平均速度

(F‑1 6. 7 96

,p

<. 0

1),平均加速度 (

F‑16.

1 2 4

,p

< . 0

1),移動距離

(F‑5 3. 1 0 8

,p

< . 0

1)に有意 な差が あった. 開眼条 件 で は,

Ⅹ一方 向で平均加速度

(F‑2. 72 0

,p

<. 0 5)

と移動距離

(F‑2. 9 27

,p

<. 05)

に,

Y

方 向で平均速度

(F‑9. 8 49

,p

< . 0

1),平均加速度

(F‑13. 875

,p

< . 0

1), 移 動 距 離

(F‑62. 1 9 5

,p

<. 0

1)に有意 な差があ った. これ ら

2

条件 に比べ て フィー ドバ ック条件

I

(3)

朝 長 :重心動揺 に関す る試行 間変動

7 7

で は,

一方 向で平均 速 度 (

F‑1 6. 1 50

,

p<. 0

1),平均 加速度 (

F‑1 9. 930

,

p<. 0

1), 移動距離

(F‑27. 177

,

p<. 0

1),

Y一方向で平均 速度 (F‑ l l. 693

,

p< . 0

1), 平 均 加 速度 (

F‑10. 634

,

p<. 0

1),移動距離 (

F‑58. 896

,

p<. 0

1),動揺 面積

(F‑13. 632

,

p

<. 0

1)のすべ ての要素 に有意 な差が あ った.

次 に,各条件 にお け る各要素 が試行 間で差 が あ るか どうか を検 討 す るため にt一検 定 を 行 い,以下の ような結 果 を得 た.

開眼条件 に関 して は, Ⅹ一方 向の平均 速度 で第

1

試 行 と第

4

試 行 (t

‑ 2. 80 9,p<. 0 5)

,

2

試行 と第

5

試行 (t

‑ 2. 1 75,p

<

. 05)

,平均 加 速 度で第

3

試行 と第

4

試 行 (t

2. 727,p

<

. 0

1),第

3

試行 と第

5

試行 (t

‑ 3. 045,p

<

. 0

1),移動距離 で第

1

試 行 と

4

試行 (t

3. 904,p < . 0

1),第

1

試行 と第

5

試行 (t

‑ 3. 227,p

<

. 0

1), 第

2

試行 と第

4

試行 (t

‑ 3. 270,p < . 0

1),第

2

試 行 と第

5

試行 (t

‑ 3. 7 81,p

<

. 0

1),

3

試行 と第

4

試行 (t

‑ 2. 502,p

<

. 05)

,第

3

試行 と第

5

試行 (t

2. 490,p

< .

05)

との 間 に有意 な差 が あ った (以下 ,

1× 4 ( 2. 809)

と略 )

. Y一方 向の平均 速 度 で 1

× 2 ( 3. 827)

,

1× 3 ( 5. 1 58), 1× 4 ( 5. 766)

,

1× 5 ( 8. 64

1),

2× 4 ( 3. 218)

,

5 ( 4. 211)

,

3× 5 ( 3. 382)

,平均 加速 度 で

1× 2 (2. 309)

,

1× 3 ( 4. 88

7),

1× 4 ( 4. 898)

,

1× 5 ( 6. 279)

,

2× 4 ( 4. 070)

,

2× 5 ( 4. 480)

,

3× 4 (2. 511

),

3× 5 ( 3. 64

1),移動距離 で

1× 2 ( 5. 335)

,

1× 3 ( 8. 770) ,1× 4 ( 1 3. 263)

,1× 5 (1

3. 96 2)

,

2× 3 ( 2. 1 96)

,2× 4 (

5. 844),2× 5 ( 6. 000)

,3× 4 (

3. 303)

,

3× 5 (4. 383)

との 間

5%

また は

1%未満 で有意 な差 が あ った.動揺 面積 に関 しては試行間に有意 な差はなかっ

た.

開眼条件 に 関 して は , Ⅹ 一方 向 の平 均 速 度 で

1× 2 ( 2. 20

1), 平 均 加 速 度 で

2× 4 ( 3. 392) ,2× 5 ( 3. 32

1),移動距離 で2× 4 (

3. 270)

,

2× 5 ( 3

.

402)

との 間 に

5%

また

1%未満 で有意 な差 が あ った. Y一方 向の平均 速度 で1× 3 ( 2. 490) ,1× 4 ( 3. 34

1),

1× 5 ( 5. 555)

,平均 加 速度 で

1× 3 (2. 332)

,

1× 4 ( 4. 020)

,

1× 5 ( 6. 088)

,

2× 4 ( 4. 1 04),2× 5 ( 4. 244) ,3× 4 ( 3. 436),3× 5 ( 4. 1 66)

,移動距離 で

1× 2 (5. 952)

,

1

× 3 ( 6. 1 05),1× 4 ( l l. 7 43), LX 5 ( 17. 988)

,2× 3 (

2. 495),2× 4 (l l. 848)

,

5( 7. 445),3× 4 ( 4. 996) ,3× 5 ( 5. 26

7) との間 に

5%

また は

1%未満で有意 な差があっ

た.動揺 面積 に関 しては試 行 間 に有意 な差 はなか った.

フ ィー ドバ ック条件 に関 して は, Ⅹ一方 向の平均 速 度 で1× 2 (

2. 325) ,1× 3 ( 2. 27 0)

,

1× 4 ( 7

.

476)

,

1× 5 ( 5. 689)

,2× 4 (

3. 656),2× 5 ( 4. 372) ,3× 4 ( 3. 765

)

,3× 5

( 8. 01 4)

,平均 加 速度 で1× 3 (

3. 244) ,1× 4 ( 6. 045) ,1× 5 ( 5. 695) ,2× 4 ( 3. 906)

,

2× 5 ( 5. 278

)

,3× 4 ( 4. 81 8) ,: 3× 5 ( 6. 71 5)

,移 動距 離 で

1× 2 ( 2. 8 5 6) ,1× 3 ( 3. 7 9 6)

,

1× 4 ( 9. 71 7)

,

1× 5 ( 6. 88

7),2× 4 (

4. 844) ,2× 5 ( 5. 330)

,3× 4 (

5. 160)

,

3× 5

( 8. 598

) との間 に

50

/.または

lO

/.未満 で有意 な差が あ った. Y一方 向 の平 均 速 度 で

1× 2

( 3. 469),1× 3 ( 3

.

41 9)

,

1× 4 ( 5. 947),1× 5 ( 3. 596)

,2× 4 (

2. 7 4

1),2× 5 (

2. 5 2 8)

,

(4)

78 長崎大 学教 育学部教育科学研 究報告

5 5

1×5 ( 5. 5 4 2)

との 間 に

1%

未満 で有 意 な差 が あ った.

動 揺 の各 要 素 が各 試 行 にお いて条件 間で どの よ うな大 小 関係 にあ るか を検 討 す るため に t‑検 定 を行 った結 果 , 第

1

試 行 か ら第

5

試 行 のすべ て の試行 にお い て以下 の よ うな傾 向

あ った.

(1)

平均 速 度

(

Ⅹ一方 向 )

開眼 条件 < 閉眼 条件 < フ ィー ドバ ック条件

(2)

平均 速 度 (Y一方 向 )

開眼 条件 < フ ィー ドバ ック条件 < 閉眼条件

(3)

平均 加 速 度

(

Ⅹ一方 向 )

開眼 条件 <開眼条件 < フ ィー ドバ ック条件 (4) 平均 加 速度 (Y一方向 )

開眼 条件 <開眼 条件 < フ ィー ドバ ック条件

(5)

移 動 距 離

(

Ⅹ一方 向 )

開眼条件 <開眼条件 < フ ィー ドバ ック条件

(6)

移 動距 離

(

Y一方 向 )

開眼条件 < 開眼条件 < フ ィー ドバ ック条件

(7)

動 揺 面積

フ ィー ドバ ック条件 < 開眼条件 < 開眼条件

以上 の よ うに,各試 行 にお け る条件 間の大小 関係 を検 討 した結 果

,

Ⅹ一方 向お よび

Y

方 向 の平均 速 度 ,平均 加 速度 ,移 動 距離 にお い て, 開眼状 態 の場 合 が最 も小 で , Y一方 向 の平均 速 度 を除 くとフィー ドバ ック条件が最 も大であった.それ に対 して,動揺面積 は フィー

ドバ ック条件 の場 合 が最 も小 で 開眼状 態 の場 合 が最 も大 で あ った.

本研 究 は開眼条件 , 開眼条件 お よび フ ィー ドバ ック条件 にお け る重心 動 揺 が試行 間で ど の よ うに変動 す るか を検 討 す る こ とが 目的 で あ った.

朝長 (

1993)は重心動揺 に関す る 5日間の練 習効 果 につ いて検 討 し, 閉眼条件 にお いて は左 右 動揺 の平均 速 度 と移動 距 離 に, フ ィー ドバ ック条件 にお い て は左 右 動 揺 の平均 速 度 と動 揺 面積 に練 習効 果 が あ った とい う結 果 を得 た.本研 究 にお い て も分 散 分析 の結 果 , 第

1

試 行 か ら第

5

試行 重 心 動揺 に は練 習効 果 が み られ ,以 下 の こ とが 考 え られ た . 開眼 条件 にお け る重 心 動揺 は,動 揺 の範 囲 はあ ま り狭 まる こ とな く,速 度 は よ り緩 や か に,加 速 度 も小 さ く, そ して移 動 距 離 もよ り短 くなる傾 向 にあ る と考 え られ た. 開眼条件 にお い て も 同様 の傾 向が み られ た. それ らに対 して フ ィー ドバ ック条件 にお い て は,特 に動揺 の範 囲 が顕著 に狭 まってい くなかで ,速 度 は よ り緩 や か に,加 速 度 もよ り小 さ く,移 動 距 離 もよ

り短 くなって い くとい う傾 向 を示 した.

以上 の よ うに,視 覚 情 報 を呈 示 した開眼 条件 や フ ィー ドバ ック条件 にお い て は もちろ ん の こ と,視 覚 情報 を遮 断 した 閉眼状 態 で あ って も,練 習効 果 が み られ た. この こ とにつ い て , さ らに次 の よ うな こ とが 考 え られた.す なわ ち開眼 条件 の場 合 ,左 右 動 揺 は第4試行 か ら,前 後動 揺 は第

2

試行 か ら安 定化 傾 向 を示 した. 開眼条件 の場合 には,左 右 動 揺 は第

t .i

(5)

朝長 :垂心動揺 に関す る試行 間変動

7 9

4試行か ら,前後動揺 は第 3試行か ら安定化傾 向 を示 した.それ らに対 して フィー ドバ ッ ク条件 の場合,左右動揺 も前後動揺 も第

2

試行 か ら動揺が よ り強 くコ ン トロール され,動 揺 が小 さ くなってい る と考 え られた. また開眼条件 において も開眼条件 において も,左 右 方向 よ りは前後方向の動揺 が よ り強 くコン トロール されて動揺が安定性 を示 してい るの に 対 し, フ ィー ドバ ック条件 では,左右動揺 も前後動揺 と同 じように コ ン トロール されてい る とい える. これ らの傾 向 に対 して瀧 口 (

1 986)

は,開眼時 において左右 方向の平均速度 が大 き くて前後方向 は小 さ く,開眼時 においては左 右方 向の平均 速度 と前後方向の平均 速 度 との差 はなか った と報告 した.和 久 田 ら (

1 989)

視覚 の直立姿勢 にお よぼす影響 について検討 し,開眼条件 と近眼条件 の動揺軌跡長 との間 に有意 な差 を認 め なか った とい う結果 を得 た. また河合 ら (

1 989)

は,身体動揺 と環境照 度 との関係 につ いて検討 し,明所 開眼時の動揺面積 が明所 閉眼時 よ りも小 さい とい う結 果 を得 た. これ らの結果 と本研 究で得 た結果 とは相違点があ る ものの,朝 長 (

1 993,1 994)

が これ まで得 た結果か らす る と, 開眼時 において も開眼時 にお いて も前 後方 向の平均 速度 や軌跡長 の方が左右 方向 よ りも大 き く,動揺面積 に関 しては開眼時の方が 開眼時 よ りも小

さい と考 え られ る.

朝 長

( 1 993,1 99 4)

は重心動揺 の条件 間の大小 関係 について検討 し,以下 の ような結果 を得 た.左右動揺 において も前後動揺 において もそれ らの平均 速度,平均加速度 ,移動距 離 は開眼条件 の場合が最小 で,動揺面積 は フ ィー ドバ ック条件 の場 合が最小であ った.本 研 究 において も同様 の結果が得 られた.す なわ ち前 後動揺 の平均速度 を除 くと,左右動揺 お よび前後動揺 の平均速度,平均加速度 ,移動距 離 において, フ ィー ドバ ック条件 にお け る動揺 が最 も大 き く,開眼条件 にお ける動揺 が最 も小 であ った.それ に対 して動揺面積 に 関 しては, フ ィー ドバ ック条件 の場合が最 も小 で, 開眼条件 の場合が最 も大 であ った. こ れ らの こ とか ら視覚情報 を遮 断 した開眼状態 にお ける重心動揺 は,

3

条件 の なかで最 も大 きな動揺 の範 囲 を保 ちなが らも,試行数が増す ご とに前後動揺 の方 をよ り強 くコン トロー ル させ る ことに よってわずかずつ動揺 を小 さ くさせ てい くとい う傾 向があると考えられた.

また固視 点 を凝視 した状 態 であ る開眼条件 にお け る重心動揺 は,開眼状態 の場合 よ りも小 さい範 囲で動揺 しなが らも,特 に前後動揺 の平均速度 ,平均加速度,移動距離 を最 も強 く コン トロール させ なが ら安定化 の方向 に向か ってい くと考 え られた. 自分 自身の動揺 の軌 跡 を見 なが ら動揺 をコ ン トロール させ る フ ィー ドバ ック条件 にお ける重心動揺 は他 の

2

件 の場合 と異 な り,動揺 の範 囲は最小 であ るに もかかわ らず,左右動揺 お よび前後動揺 の 速度や加速度,移動距離 を大 き くコン トロール させ なが らよ り小 さな動揺へ と向か ってい

く傾 向 を示 した.

以上の ように開眼条件, 開眼条件お よび フ ィー ドバ ック条件 における重心動揺 の試行 間 変動 について検討 した結 果,重心 動揺 の要素 に よっては試行 間に変動がみ られたことか ら, 視覚情報が呈示 された場合 は もちろんの こと視覚情報が遮 断 された場合 も練 習効果が あ る

(6)

80

長崎大学教育学部教育科 学研 究報 告

55

の ように変動す るか を検討す るこ とが 目的であ った.結果 は以下 の通 りであ った.

1.開眼条件 においては,左 右動揺 の平均速度 と移動距離 に,前後動揺 の平均速度 と平均 加速度 ,移動距離 に練習効果があ った.開眼条件 において は,左右動揺 の平均加速度 と 移動距離 に,前後動揺 の平均速度 と平均加速度 ,移動距離 に練習効果が あ った. フィー

ドバ ック条件 においては,すべ ての要素 に練習効果が あ った.

2.開眼条件 において は,左右動揺 は第 4試行 か ら,前後動揺 は第 2試行 か ら安定化傾 向 を示 した.開眼条件 においては,左右動揺 は第

4

試行 か ら,前後動揺 は第

3

試行 か ら安 定化傾 向 を示 した. フィー ドバ ック条件 において は,左右動揺 も前後動揺 も第

2

試行 か

ら安定化傾 向 を示 した.

3.

重心動揺 の条件 間の大小 関係 に関 しては,前後動揺 の平均 速度 を除いた動揺 の平均速 度,平均加速度お よび移動距離 において フ ィー ドバ ック条件 にお ける動揺が最 も大 で, 開眼条件 にお ける動揺が最 も小 であ った.動揺面積 に関 しては, フィー ドバ ック条件 の 場合が最 も小 で,開眼条件 の場合が最 も大 であ った.

Edwards,A.S. 1 9 46 Body s way and

visi

on. Jour nalofExpe ri me nt alPsyc hol ogy

,

3 6, 5 2 6‑ 5 3 6.

河合 学 ・稲 村欣作 ・間野喜一郎

1 9 89

立位姿 勢 にお け る身体動揺 と環境照度 姿勢研究

,9

(1),

25‑32.

中田英 雄

1 9 83

視覚 障害者 の直立姿勢保持 能力 姿勢研 究,

3 (1)

,

1‑ 7.

瀧 口哲也

1 9 8 6

重心 動揺検査 の総合 的評価 に関す る研 究 耳展,(

3) ,21 7‑2 4 0.

朝 長 昌三

1 9 9 3

視覚 情報 に よる姿 勢制御 の練 習効果 長崎大学教 養 部紀 要

34

1

2 5‑3 4.

朝 長 昌三

1 9 9 4

視覚情報 に よる重 心動揺 の安定性 長崎大学教 養 部紀要

35

1

1‑2 0 .

朝 長 昌三

1 9 95

重心 動揺 の反応 時 間 とパ ー ソナ リテ ィ 長崎大学教 養部紀要

35

2

1 39‑1 46.

朝 長 昌三

1 9 97

船上 におけ る姿勢制御 長崎大 学教 養部紀要

38

1

21 7‑2 2 6.

和 久 田幸 之助 ・柏 木令子 ・松 永 喬

1 9 89

重心動揺検査 にお け る基 本 的研 究

Equi l i bri um Re s.

,

Vo

l

.4 8 ( 4)

,

35 9‑36 4.

Wapner,S.

,&

Wi t ki n,H.A. 1 95 0 Therol eofvi sualf ac t or si nt hemai nt e nanc eof

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