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重症虚血肢に対する血管新生遺伝子治療
森 川 雅 之 , 山 内 昭 彦 , 高 橋 一 泰 , 宇 塚 武 司 , 森 下 清 文 , 安 倍 十 三 夫
札幌医科大学医学部外科学第 2 講座
Therapeutic Angiogenesis for Critical Limb Ischemia by Gene Transfer of Angiopoietin-1 Combined with Vascular Endothelial Growth Factor
Masayuki M
ORIKAWA, Akihiko Y
AMAUCHI, Kazuhiro T
AKAHASHI, Takeshi U
ZUKA, Kiyofumi M
ORISHITA, Tomio A
BE.
Second Department of Surgery, Sapporo Medical University School of Medicine
ABSTRACT
Critical limb ischemia (CLI) manifesting pain at rest and/or loss of tissue integrity ultimately leads to amputation of a portion of the lower extremities, and prognosis in these patients is generally poor with conventional medical or surgical therapies. Recently, a novel therapeutic strategy using gene transfer of an angiogenic factor such as vascular endothelial growth factor (VEGF) has been established, and is reported to cause subsequent angiogenesis and improve clinical ischemia in patients with CLI. Angiopoietin-1 (Ang1) is known to play important roles in vascular formation and maturation cooperatively with VEGF, and may enhance VEGF-induced angiogenesis. Preclinical animal studies indicate that pre-administration of Ang1 followed by VEGF is most beneficial for therapeutic angiogenesis with no sig- nificant adverse effect, and encouraged us for clinical study. In this article, we also describe proposed clinical protocol to document the safety and bioactivity of this strategy for CLI patients with no therapeutic option.
(Accepted April 5, 2004) Key words: Critical limb ischemia, VEGF, Angiopoietin-1, Angiogenesis, Gene therapy
はじめに
閉塞性動脈硬化症とバージャー病を基盤とした難治性の 末梢動脈の閉塞性疾患に対する新しい治療手段として,遺 伝子導入や細胞移植による血管新生療法が注目され,本邦 でも臨床研究が進められている.血管新生において,血管 内皮増殖因子 (
vascular endothelial growth factor, VEGF) は初期の血管内皮の分化増殖とネットワーク形成に関与し,
Angiopoietin
(
Ang)は
VEGFと協同でその後の血管構造 の安定化や発達に寄与する.教室では,本学分子医学研究 部門,遺伝子治療室と共同でウサギ下肢虚血モデルを用い た治療実験,ラットを用いた安全性試験を行い,
VEGF,
Ang1遺伝子プラスミドの筋肉内投与を併用した血管新生 療法の有用性と安全性について検討してきた.本稿では,
前臨床研究の結果とそれを基に作成した臨床研究のプロト コールについて紹介する.
1 末梢動脈疾患( Peripheral arterial disease, PAD )と重症虚血肢( Critical limb ischemia )
末梢動脈の閉塞性病変の主たる原因として,動脈硬化,
血管炎とこれに伴う血栓の形成などが挙げられる.閉塞性 動脈硬化症(
arteriosclerosis obliterans, ASO)では,高血 圧や糖尿病,高脂血症などの併存疾患を背景に,加齢や喫 煙,性ホルモン,生活様式などの社会的・生物学的修飾を 受けて発生し,粥状動脈硬化による内膜肥厚,血栓形成に より,血管内腔の狭窄や閉塞が生じる.バージャー病(閉 塞性血栓血管炎,
thromboangiitis obliterans, TAO)では,
ASO
より末梢の四肢の主幹動脈に内膜炎を主病変とする動 脈全層炎が起こり慢性の多発性分節性閉塞をきたす.原因 は不明であるが,喫煙との関係が強く示唆され,
ASOより 若年の
50歳以下の壮年男子に好発する.狭窄,閉塞に伴 う虚血症状は,四肢の動脈では冷感,シビレ(
Fountaine分 類
I度 ) に 始 ま り , 歩 行 時 の 疼 痛 , 間 歇 性 跛 行
(
Fountaine分類
II度) ,安静時疼痛(
Fountaine分類
III度)や皮膚の壊死,潰瘍(
Fountaine分類
IV度)へと進展 する
1).
PAD
のうち,閉塞性動脈病変による慢性的な安静時疼痛 や潰瘍,壊死があり,血流改善がえられなければ,
6ヵ月
総説(学内研究紹介)
から
1年以内に肢切断に至ると予想される重篤な病態を重 症虚血肢(
critical limb ischemia, CLI)と呼ぶ
1).この疾 患群は
run-offが不良で血行再建が適応とならない症例や適 切な治療を行っても再発する症例が多く,しばしば治療抵 抗性である.側副血行の発達を促すのに運動療法が有効で あるが,重症例では安静時疼痛や潰瘍のために行えず,現 在有効な治療手段はない.欧米では
5〜
15%の患者が肢 切断を余儀なくされており,
CLIの診断後
2年の死亡率も
32%と予後不良である.本邦における統計の詳細な報告は ないが,大阪地方では肢切断の頻度が
1.3肢
/10万人
/年と 報告されており,
568万の北海道,
168万の札幌市(
2003年)の人口から,一年間に北海道では
74肢,札幌市では
22肢が切断を余儀なくされていると推測される.肢切断後 における
QOLの低下は言うまでもないが,肢切断後におい ても死亡率が高いことが知られており,
CLIに対する新た な有効な治療手段の確立が望まれている.近年,このよう な代替治療法のない
CLIに対して,血管新生により側副血 行を促すことによる血流や症状の改善が報告されており,
新たな治療法として期待されている.
2 治療的血管新生
血管新生治療は,血管新生因子またはその遺伝子,ある いは血管新生因子を産生したり血管内皮などに分化したり する細胞を用いて,側副血行を発達させて虚血を改善しよ うとするものである.血管新生因子としては,血管内皮細 胞に特異的な因子として
vascular endothelial growth fac- tor(
VEGF) ,内皮細胞に非特異的因子として
basic fibroblast growth factor(
bFGF)や
hepatocyte growth factor(
HGF)が知られており,動物モデルでもこれらに よる側副血行路の発達や促進が示されている
2).細胞療法 としては,自家骨髄細胞移植などが本邦を中心に検討され ている
3).
米国の
Isnerらは
VEGF遺伝子プラスミドを用い,当初 はカテーテル的に動脈壁へ,次いで下肢筋肉への直接投与 によって,
100例以上の
PADに対して臨床治験を行ってお り,
70%以上の
CLI症例に臨床的側副血行路の発達や臨 床症状(上腕足関節血圧比,血行,潰瘍,疼痛)の改善を 認めている
4,5).この他バージャー病に対する良好な治療効 果
6)や糖尿病神経障害を含む虚血性神経障害の改善
7)など も報告されている.本邦では,大阪大学の森下らが
HGF遺伝子を用いた臨床治験を
22例に行い
60〜
65%の症例 で疼痛や血行の改善を報告している(第
9回日本遺伝子治 療学会総会抄録,
2003) .
VEGF
遺伝子導入による血管新生治療の副作用として,
血管新生そのものが内包するリスクである悪性腫瘍や糖尿 病性網膜症の促進が危惧される.
1例に
3ヵ所でくも状血 管腫の発生が報告されたが,
1つは摘出標本で良性と組織 診断され,他の
2つは自然消退したという
8).現在まで悪 性腫瘍や糖尿病性網膜症の悪化の報告はない.頻度の高い
副作用は浮腫の発生で,
90例中
31例(
34%)で認められ たが,好運にも重大な健康被害とはなっていない
5).
VEGFは血管透過性因子とも呼ばれており,血管内から血管外へ 液性成分の漏出を促進するので,浮腫の発生は必然的な副 作用と考えられる.浮腫が生じると,組織圧増大から静脈 還流を障害する可能性があり,重度の末梢循環障害を有す る
CLIの患者では,虚血を悪化させる危険性が指摘される.
3 VEGF , Ang1 と血管新生
VEGF
と
Ang1は血管内皮の維持修復および血管機能の 保全に携わっており,両者の分泌調節が病理学的および生 理学的血管形成を司っていると考えられている.
脈管の形成には幾つかの異なった過程が関与する
9).発 生段階の初期においては,血管内皮細胞の分化増殖に伴い 管状のネットワークが形成されるが,これは
vasculogene- sisと呼ばれている.この初期のネットワークは動脈や静脈 とこれらの大血管を連結する血管叢よりなるが,引き続い て血管の退縮や発達を通じて血管の再構築がなされ,成熟 した血管構造をとるようになる.この間に,血管内皮細胞 は周皮細胞や血管平滑筋細胞といった壁細胞や周囲の細胞 外基質によりしっかりと統合支持され,血管自体が成熟し 安定したものとなると考えられている.これとは異なる過程 として,既に存在している血管からの発芽による血管新生
(
angiogenesis)がある.安定した血管の脱安定化に引き続 いて,血管内皮が発芽し,未熟な血管が新たに形成される.
これらの血管は,発達の過程で
Platelet-derived growth factor(
PDGF)などの作用を介して増殖した血管平滑筋細 胞と接着し,裏打ちされて,三層構造をもった成熟血管へ と分化,再構成され,安定化して発達すると考えられてい る.
血管内皮の増殖因子である
VEGFは,
vasculogenesisや 血管新生における血管内皮の発芽を促進する主体と考えら れており,
Ang1は
VEGFによる未熟な新生血管の再構成 と支持細胞による安定化に重要な役割を果たすとされてい る.一方,発芽による血管新生に必要な脱安定化は
Ang2によって促進され,脱安定化した血管は
VEGFの存在下で は発芽による血管新生に至るが,
VEGFが十分でない環境 下では退縮に至ると考えられている.このように,血管新 生は単一のサイトカインにより行われているのではなく,複 数のサイトカインが協調して厳密に調節されており
9),
VEGFの誘導のみで新生血管が得られたとしても,それら は壁細胞に支持されていない未熟で不安定な血管で血管内 成分の漏出や出血などを生来しやすい病的血管と予想され る
10).しかし,
Ang1の発現誘導を付加することで,
VEGF
で形成された血管内皮細胞を主体とした血管に壁細
胞の支持が得られ,血管内成分の漏出や出血などを生来し
ない成熟し安定した血管の発達がえられることが期待され
る
11).われわれは,
VEGF遺伝子に
Ang1遺伝子を併用す
ることにより,
VEGF遺伝子単独治療に比べて良好な機能
を有する成熟血管の新生が起こり,その結果,より良好な 循環動態の改善,
VEGF遺伝子治療で生じる浮腫の軽減が えられるのではないかと考え,以下の前臨床研究を行った.
4 前臨床研究
VEGF
,
Ang1遺伝子プラスミドの筋肉内投与を併用し た血管新生療法の有用性と安全性を検討するために,ウサ ギ下肢虚血モデル
12)を用いた治療実験,ラットを用いた安 全性試験を行った.
血管新生効果:
VEGFおよび
Ang1プラスミド
DNA(
pCAccベクター)をウサギの大腿筋に注射し,遺伝子の 発現を
RT-PCRにて検討したところ,遺伝子導入後
3日以 降でその発現を確認した.左浅大腿動脈を全長に亘り切除 したウサギ下肢虚血モデルを作成し(
d0) ,
10日後(
d10) ないし
15日後(
d15)に
VEGFおよび
Ang1プラスミド
DNA500µgを虚血局所の筋肉内
5ヵ所に投与した(
V群:
VEGF(
d10)単独投与,
A群:
Ang1(
d10)単独 投与,
A+V群:
VEGF,
Ang1(
d10)同時投与,
A-V群:
Ang1(
d10) ,
VEGF(
d15)投与,
V-A群:
VEGF(
d10) ,
Ang1(
d15)投与,対照群:コントロールプラス ミド投与) .遺伝子導入
30日後(
d40)に評価を行ったと ころ,血管造影における虚血領域の血管数(図
1)や組織 学的な毛細血管の密度は遺伝子導入を行った全ての群で対 照群よりも有意に高値で良好な血管新生効果を認めた.一 方,平滑筋細胞を伴う細動脈の密度は
A-V群で
V群,
A群の単独治療群より有意に高値で,血管造影で確認した後 殿動脈径も
V群に比し有意に大であった(図
1) .さらに,
A-V
群でのみ虚血肢の血圧と組織血流の有意な改善を認め た(図
2) .また,
VEGF遺伝子導入により左側下肢に浮腫 が発生するが,これは左側陰嚢の腫大として顕著に認めら れることから,左側陰嚢を写真撮影し
VEGF遺伝子導入前 後での面積変化から浮腫の程度について評価した.
VEGF遺伝子導入
5日後に導入前の約
1.5倍に陰嚢が腫大したの
に対して(
V群) ,
A-V群,
A+V群では浮腫の発現がない か有意に軽度であり,
Ang1による浮腫の予防抑制効果が 示された
13).次に,ヒトでの臨床使用を想定し,
pCAccベ クターからウイルス由来の
SV40oriを取り除き,安全性を 高めたプラスミドベクター,
pCA1ベクターとした場合でも 同様な血流改善効果が得られることを確認した.
プラスミド投与の安全性:
pCA1ベクターを用いて,プ ラスミド投与の安全性に関する検討を
GLPに準拠した施設 に依頼して行った.
Ang1と
VEGFプラスミド
DNAの単 独あるいは併用投与(各プラスミド
1mg/kg,同時投与で は各
0.5mg/kg)について,
SDラット(
n=
112)を用い た単回筋肉内投与試験,
1ヵ月間反復筋肉内
2回投与試験 及び最終投与後
1ヵ月と
3ヵ月での回復試験を施行し,生 死,体重,一般状態,血液尿検査,病理組織学的検査につ いて検討した.注射部位に軽微で可逆的な非特異的炎症性 変化を認めたが,死亡や有意な副作用を認めた動物はなか った.
以上の結果より,
Ang1遺伝子の前投与を併用した
VEGF遺伝子による血管新生療法は,
VEGF遺伝子単独 投与に比べ良好な成熟血管の新生と循環動態の改善,
VEGF
遺伝子投与により生じる浮腫の軽減がえられ,低毒 性で優れた方法と考えられた(血管再生療法:特許出願
2001-174919,平成
13年
6月
8日提出) .
5 臨床研究プロトコール
前臨床研究の結果を基に,難治性の重症末梢性動脈疾患
(
ASOとバージャー病)に対する
Ang1,
VEGF遺伝子プ ラスミドを用いた血管新生療法の安全性と有効性を検討す る目的で,臨床研究を計画した.原則として
40歳以上,
図2 Ang1前投与を併用したVEGF遺伝子治療は虚血肢の血流を
改善する
図1 VEGF,Ang1遺伝子導入による血管新生効果(選択的内腸
骨動脈造影)
8 0
歳 未 満 の
A S O,バ ー ジ ャ ー 病 で ,安 静 時 疼 痛
(
Fontaine分類
III度),難治性の 虚血性潰瘍,壊死
(
Fontaine分類
IV度)が
4週間以上継続し,薬物治療で症 状の改善がえられず,血管内治療やバイパス術などの血行 再建術が不能か術後に再発を来した有効な治療法のない
10症例を対象とした.
インフォームドコンセントをえられない患者を除外するの は無論のこと,血管新生により悪性腫瘍の促進や糖尿病性 網膜症の悪化が危惧されることから,悪性腫瘍あるいはそ の既往や疑いを有する患者,
I型糖尿病や治療抵抗性の重 度の糖尿病網膜症を有する患者,遺伝子治療による次世代 への影響を排除するため,妊娠中,授乳中および妊娠可能 である女性患者,生殖可能な男性患者で規定の期間にわた って避妊を行うことを拒絶する患者は除外した(表
1) .候 補となる患者は,治療前検査にて選択基準や除外基準につ いて詳細に検討され,適応決定については本学遺伝子治療 審査委員会の適応評価小委員会の承認を必須とした.なお,
静脈内プロスタグランディン投与による治療あるいは高圧 酸素による治療に関しては,患者が同意し,なおかつ医師 によって適切と判断された場合には中止とした.また,ア スピリン,クマディン,経口プロスタグランディン製剤,
血管拡張薬(カルシウム拮抗剤,
ACE阻害剤) ,血小板凝 集抑制薬(チクロピジン,シロスタゾール)などの薬剤に 関しては,遺伝子治療臨床研究に入る前に最低
3ヵ月間に わたって投薬されている場合にはそれらの薬剤を継続して も良いこととした.
各遺伝子プラスミドは名古屋大学において
GMP規準で 作製され,バイアル化されて用意される.遺伝子導入法に ついては,ウサギ下肢虚血モデルの治療実験と同様虚血筋 肉内
4ヵ所への遺伝子プラスミド直接投与とした,投与方 法は動物実験で最良であった方法に準じ,
Ang1遺伝子プ ラスミドの
5日後に
VEGF遺伝子プラスミドを導入するこ
ととした.遺伝子発現が約
2週継続することが期待される ことより,
Isnerらや大阪大学の森下らの導入方法に準じて
5週の間隔を置いて同量を再投与することとし,およそ
2ヵ 月間遺伝子発現を維持できるように設定した.最初の
5例 では各々
2mgの投与で安全性と治療効果の確認を行い,残 りの
5例では,
2mgの投与で効果がえられない場合,
4mgに増量して有効用量についても検討することとした(図
3) .
治療遺伝子投与開始後は,各症例について
Ang1投与開 始後
1ヵ月,
3ヵ月,
6ヵ月,開始後
1年の観察期間終了 の時点で判定に必要な評価結果を適応評価小委員会に提出 し,安全性および治療効果の評価を受ける.
設定した効果判定基準を以下に示す.
1
)臨床症状の評価判定
Rutherford
「慢性虚血肢の臨床分類」及び「臨床 状態の変化についての段階表」による
14).
2
)無侵襲診断法による下肢血行評価判定
仰臥位での
ABI(
ankle-brachial Index) ,
TcPO2. サーモグラフィーあるいはレーザードップラー血流計 により評価する.
3
)血管造影及び画像診断(
MRA,
CT)による判定
4)
QOLによる判定
SF-36
を参考に
QOLを評価する.
5
)バージャー病
特にバージャー病では,上記の評価法だけでは充分 に評価できない可能性が高いことから,上記の評価法 に加え,冷感や疼痛の程度,潰瘍の大きさなど,症状 や臨床所見の悪化ないし改善を評価する.
6 まとめ
VEGF
,
Ang1遺伝子プラスミドの筋肉内投与を併用し た血管新生療法の有用性と安全性についてウサギ下肢虚血 モデルを用いた治療実験,ラットを用いた安全性試験から 検討した.
Ang1遺伝子の前投与を併用した
VEGF遺伝子 による血管新生療法は,
VEGF遺伝子単独投与に比べ良好 な成熟血管の新生と循環動態の改善,
VEGF遺伝子投与に より生じる浮腫の軽減がえられ,低毒性で優れた方法と考 えられた.
図3 遺伝子導入方法
・生命予後が1年未満
・悪性腫瘍:(疑い,既往歴)
・重度の糖尿病性網膜症
・I型糖尿病
・妊娠可能な女性
・避妊を拒絶する男性
・外科的血行再建術,血管形成術,あるいは腰部交感神 経節切除術を受けてから2ヵ月未満
・HB,HC,HIV,ATLなどのウイルス感染症
・虚血四肢に骨髄炎
・重篤な肝機能異常
・慢性維持透析患者
・過去3ヵ月以内に大手術の既往
・過去3ヵ月以内にアルコール,薬物依存の既往
・インフォームドコンセントを得られない患者
・遺伝子治療臨床研究の遂行に重大な支障のあるもの 表1 除外基準
以上を基に安全性と効果を検討する臨床治験実施計画を 作成し,本学遺伝子治療臨床研究審査委員会の承認をえた
(平成
15年
5月) .その後,
GCP省令を遵守したプロトコ ールに改訂し,医師主導型治験として本学臨床研究審査委 員会の承認をえた(平成
15年
12月) .平成
16年中に本邦 発の医師主導型治験として厚生労働省に申請を行う予定で ある.
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