「先住民の権利に関する世界宣言」(案)について
(その二)
その他のタイトル Draft universal declaration on the rights of indigenous peoples (2)
著者 竹本 正幸
雑誌名 關西大學法學論集
巻 44
号 2
ページ 249‑268
発行年 1994‑06‑30
URL http://hdl.handle.net/10112/00024647
の作業部会委員全員︑三四の国連加盟国の政府オプザーバー︑二の国連非加盟国のオプザーバー︑専門機関など五の機構のオプ
ザーバーが出席した︒また︑協議資格をもつ民間団体
(N
Go
)
からは︑一五のカテゴリー2︑五のロスターが参加し︑その他の
団体︵先住民の団体を含めて︶として︑九五団体が出席して情報を提供し︑七四団体が出席した︒さらに︑
問題の専門家と活動家なども参加したので︑この会期の作業部会への出席者は︑六
0
0
人以上に達した︒作業部会は︑八月一六日に報告書
( E
入
C
N . 4 / S u b .
2
/ 1 9 9 3 / 2 9 )
を採択して小委員会へ提出した︒﹁先住民の権利に関する世界宣言﹂︵案︶について︵その二︶ 先住民作業部会の第一︱回会期は︑
一九
九三
年七
月一
九日
から
︱︱
1 0
日ま
で︑
に付記したように︑
一六回の公開会合を開催した︒この会期には︑五名 国際連合の﹁差別防止及び少数者保護に関する小委員会﹂︵以下︑小委員会という︒︶における本宣言案の作成経緯と先住民作業
部会︵以下︑作業部会という︒︶の第一読終了時における宣言案の内容については︑本誌第四十三巻第三号で紹介したが︑その際
一九九三年の小委員会第四五回会期の直前にダエス作業部会委員長から改定作業文書
( E / C N . 4 / S u b .
2 / 1 9 9 3 / 2 6 )
が提出された︒ダエス委員長は︑その改定宣言案についての説明ノート( E / C N . 4 / S u b .
2 / 1 9 9 3 / 2 6 /
A d d . 1
)
の中
で︑
﹁人
民﹂
( p e o p l e )
の語を単数にすべきか複数にすべきか︑﹁自決の﹂
( o f s e l f , d e t e r m i n a t i o n )
原則
の意
味︑
﹁地
域﹂
( t e r r i t o r i e s )
の
語の意味︑実施の問題について自分の考えを説明した︒
﹁先住民の権利に関する世界宣言﹂
竹
︵ 案 ︶
八
本
1 0
八名の学者︑人権
︵二
四九
︶
正
について
幸
︵ そ の 二
︶
第 四 四 巻 第 二 号
作業部会で採択された宣言案は︑小委員会の委員に十分な検討時間を与えるため︑
となったので︑今後さらに修正や変更が加えられるものと予想されるが︑参考査料として︑二つの草案を対照して紹介する︒なお︑
作業部会採択の宣言案については︑国立国会図書館発行の﹃レファレンス﹄第三二巻第ニ・三号に訳文が掲載されており︑参考に
ダ エ ス 委 員 長 が 提 出 し た 改 訂 作 業 文 書
︵一九九三年六月八日︶
( E / C N .
4
/ S
u b
. 2 / 1 9 9 3 / 2 6 )
先住民が他のすべての人民に対して尊厳及び権利について平
等であることを確認し︑また他方では︑すべての個人及び人民
が他の者と異なっており︑自己を異なった者とみなし︑並びに︑
異なった者として尊重される権利を有することを承認し︑
すべての人民が︑人類の共同の遺産である︑文明及び文化の
多様さ及び豊富さに寄与していることを考慮し︑
人種主義及び人種的︑宗教的︑種族的又は文化的俊越性に基
礎を置くすべての理論︑政策及び実践が︑科学的に間違ってお
り︑法的に無効であり︑道義的に非難されるべきものであり︑ させて頂いた︒記して謝意を表する次第である︒ 関法
作 業 部 会 が 採 択 し た 条 文 案
︵二
五
0 )
︵一
九九
三年
八月
︶
( E / C N .
4
/ S
u b
. 2 / 1 9 9 3 / 2 9 )
先住民が他のすべての人民に対して尊厳及び権利について平
等であることを確認し︑また他方では︑すべての人民が他の者
と異なっており︑自己を異なった者とみなし︑並びに︑異なっ
た者として尊重される権利を有することを承認し︑
また︑すぺての人民が︑人類の共同の遺産である︑文明及び
文化の多様さ及び豊富さに寄与していることを考慮し︑
さらに︑国民的出身︑人種的︑宗教的︑種族的若しくは文化
的相違に基づいて人民若しくは個人の俊越性に基礎を置き又は
それを唱道するすべての理論︑政策及び実践が︑人種主義的で 一九九四年の第四六回会期で審議されること
} \
先住民並びにその土地︑地域及び資源に対する先住民の管理 また︑先住民が︑その権利の行使にあたって︑の差別も受けてはならないことを再確認し︑ 及び︑社会的に不正であることを再確認し︑
いかなる種類
多くの先住民がその人権及び基本的自由を奪われ︑その結果︑
とくに︑自己の土地︑地域及ぴ資源の剥奪並ぴに自己の貧困及
ぴ不幸に陥っていることを憂慮し︑
先住民の固有の権利及ぴ特質︑特にその土地︑地域及び資源
に対する権利︵それは︑先住民の文化︑精神的伝統︑歴史及び
哲学︑並びに︑その政治的︑経済的及ぴ社会的構造に起源を有
するものである︒︶を尊重し及び伸長することが緊急に必要で
あることを認め︑
先住民が︑あらゆる形態の差別及ぴ抑圧が生じたときはいつ
でも︑それを終わらせるために団結している事実を歓迎し︑
八
あり︑科学的に間違っており︑法的に無効であり︑道義的に非
難されるべきものであり︑及ぴ︑社会的に不正であることを確
認し
また︑先住民が︑その権利の行使にあたって︑ ︑
の差別も受けてはならないことを再確認し︑ いかなる種類
先住民がその人権及び基本的自由を奪われ︑その結果︑とく
に︑植民地化並ぴに土地︑地域及ぴ資源の剥奪をもたらし︑そ
れによって︑先住民が特に自己の必要及び利益に従って開発の
権利を行使するのを妨げていることを憂慮し︑
先住民の固有の権利及ぴ特質︑特にその土地︑地域及ぴ資源
に対する権利︵それは︑先住民の政治的︑経済的及ぴ社会的構
造︑並びに︑その文化︑精神的伝統︑歴史及び哲学に起源を有
するものである︒︶を尊重し及ぴ伸長することが緊急に必要で
あることを認め︑
先住民が︑政治的︑経済的︑社会的及ぴ文化的向上のために︑
並びに︑あらゆる形態の差別及び抑圧が生じたときはいつでも
それを終わらせるために︑団結している事実を歓迎し︑
﹁先住民の権利に関する世界宣言﹂︵案︶について︵その二︶ 先住民並ぴにその土地︑地域及び資源に影響を及ぽす開発に
︵二
五一
︶
関法 第四四巻第二号
を増大させることが︑その制度︑文化及び伝統を強化し並びに
その願望及び必要に従って開発を促進することを︑引き続き先
住民に可能ならしめるものと確信し︑
また︑先住民の知識及び慣行の尊重が︑環境の持続可能な開
発及び管理に寄与することを承認し︑
先住民の土地及び地域の非軍事化︵これは︑世界の国家及び
人民の間の平和︑経済的及び社会的な進歩及び発展︑理解並び
に友好関係に役立つであろう︒︶の必要性を強調し︑
先住民の老齢者︑女子︑青年︑児章及び障害者の権利及び必
要に特別の注意を払うことが重要であることを再確認し︑
特に︑先住民児章の家族及び共同体が児章の養育︑訓練及び
教育について共に責任を負うことが︑児章にとって最善の利益
になることを承認し︑
先住民が︑共存の精神で︑国家との関係を自由に決定する権
利を有することを確信し︑
︵二
五二
︶
対して先住民が管理を及ぼすことが︑その制度︑文化及び伝統
を維持し及び強化し︑並びに︑その願望及び必要に従って開発
を促進することを先住民に可能ならしめるものと確信し︑
また︑先住民の知識︑文化及び伝統的慣行の尊重が︑環境の
持統可能なかつ衡平な開発及び適正な管理に寄与することを承
認し
先住民の土地及び地域の非軍事化︵これは︑世界の国家及び ︑
人民の間の平和︑経済的及び社会的な進歩及び発展︑理解並び
に友好関係に役立つであろう︒︶の必要性を強調し︑特に︑先
住民の家族及び共同体が児章の養育︑訓練︑教育及び福利につ
また︑先住民が︑共存︑相互利益及び完全尊重の精神で︑国
家との関係を自由に決定する権利を有することを承認し︑
八四
国家と先住民との間の条約︑協定その他の法的取決めが︑引
き続き国際的な関心と責任のある事項であることを考慮し︑
﹁経済的︑社会的及ぴ文化的権利に関する国際規約﹂並ぴに
﹁市民的及ぴ政治的権利に関する国際規約﹂が︑すべての人民
の自決の権利︵この権利に基づき︑すべての人民は︑その政治
的地位を自由に決定し︑並ぴに︑その経済的︑社会的及び文化
的発展を自由に追求する︒︶の基本的重要性を確認しているこ
とに
留意
し︑
この宣言のいかなる規定も︑自決の権利をいずれかの人民に
対して否定するための口実として用いることができないことに
留意
し︑
関係先住民と協議及び協力して︑国家が先住民に適用するす
べての国際文書を遵守し及び効果的に実施するよう国家に奨励
この宣言が︑先住民の権利及び自由の承認︑伸長及ぴ保護に し ︑
ついて︑並びに︑この分野における国際連合体制の関連活動の
八五
国家と先住民との間の条約︑協定その他の取決めが︑正しく
国際的な関心及び責任のある事項であることを考慮し︑
国際連合憲章︑﹁経済的︑社会的及ぴ文化的権利に関する国
際規約﹂並びに﹁市民的及ぴ政治的権利に関する国際規約﹂が︑
すぺての人民の自決の権利︵この権利に基づき︑すべての人民
は︑その政治的地位を自由に決定し︑並ぴに︑その経済的︑社
会的及ぴ文化的発展を自由に追求する︒︶の基本的重要性を確
認していることを認め︑
この宣言のいかなる規定も︑自決の権利をいずれかの人民に
対して否定するために用いることができないことに留意し︑
関係先住民と協議及び協力して︑国家が先住民に適用するす
べての国際文書︑特に人権に関係する国際文書を遵守し及ぴ効
果的に実施するよう国家に奨励し︑
国際連合が︑先住民の権利を伸長し及び保護するにあたって
重要かつ継続的な役割を果たすべきであることを強調し︑
この宣言が︑先住民の権利及ぴ自由の承認︑伸長及ぴ保護の
ための︑並びに︑この分野における国際連合体制の関連活動の
﹁先住民の権利に関する世界宣言﹂︵案︶について︵その二︶
︵ ︱ ‑ 五
︱ ︱ ‑ ︶
第一部 次の﹁先住民の権利に関する宜言﹂を厳粛に公布する︒
第一条
先住民は︑国際連合恋章及び国際人権法において認められて
いるすべての人権及び基本的自由を完全かつ効果的に享有する
権利を有する︒
第二条
先住民は︑尊厳及び権利についてすべての他の人間及び人民
に対して自由かつ平等であり︑また︑その先住民としての出身
又は地位に基づくいかなる種類の差別をも受けない権利を有す
第三条 る ︒
先住民は︑国際連合憲章に従って他の人民に適用されるもの
と同一の基準及び制限に服することを条件として︑国際法に
従って自決の権利を有する︒これによって︑先住民は︑とくに︑
公務の処理に関する自己の役割︑自己の別個の責任及び自己自
身の事業を運営する手段について交渉し及び合意する権利を有
する
この権利の不可欠の要素は︑自治及び自己運営である︒ ︒ 発展についての第一歩であることを確信し 関法
第四四巻第二号
︵二
五四
︶
発展の中で︑きわめて重要な一歩であると確信し︑
次の﹁先住民の権利に関する宣言﹂を厳粛に公布する︒
第一条
先住民は︑国際連合憲章︑世界人権宣言及び国際人権法にお
いて認められているすべての人権及び基本的自由を完全かつ効
果的に享有する権利を有する︒
第二条先住民である個人及び人民は︑尊厳及び権利について他のす
べての個人及び人民に対して自由かつ平等であり︑また︑いか
なる種類の不利な差別︑特にその先住民としての出身又は地位
に基づく差別をも受けない権利を有する︒
第三条
先住民は︑自決の権利を有する︒その権利によって︑先住民
は︑その政治的地位を自由に決定し︑並びに︑その経済的︑社
会的及び文化的発展を自由に追求する︒ 第一部
八六
第五条
先住民は︑別個の人民として平和及び安全のうちに生存し及
びいかなる形態の集団殺害からも保護される集団的権利を有す
したがって︑先住民は︑生命︑肉体的及び精神的一体性︑身 る ︒
体の自由及ぴ安全に対する個別的権利を有する︒
第六条
先住民は︑民族文化の抹殺及ぴ文化的集団殺害から保護され
る集団的及び個別的権利を有する︒この権利には︑次のものの
防止及ぴ是正を含む︒
(a
)
先住民の児童をいずれかの口実の下にその家族及び共
同体から移動させること︒ 第二部 第四条
先住民は︑その別個の政治的︑経済的︑社会的及ぴ文化的特
質を維持しながら︑国家の政治的︑経済的︑社会的及び文化的
生活に完全に参加する権利を有する︒
第二部
八七
第四条
先住民は︑彼らが選ぶ場合には国家の政治的︑経済的︑社会
的及び文化的生活に完全に参加する権利を保持しながら︑その
別個の政治的︑経済的︑社会的及ぴ文化的特質並ぴにその法制
度を維持し及ぴ強化する権利を有する︒
第五条
先住民であるすぺての個人は︑国籍を得る権利を有する︒
第六条
先住民は︑別個の人民として自由︑平和及び安全のうちに生
活する集団的権利︑並びに︑集団殺害又は他のあらゆる暴力行
為︵先住民の児童をいずれかの口実の下にその家族及ぴ共同体
から移動させることを含む︒︶に対して完全な保障を得る集団
的権利を有する︒
さらに︑先住民は︑生命︑肉体的及ぴ精神的一体性︑身体の
自由及び安全に対する個別的権利を有する︒
第七条
先住民は︑民族文化の抹殺及ぴ文化的集団殺害を受けない集
団的及ぴ個別的権利を有する︒この権利には︑次のものの防止
及ぴ是正を含む︒
(a
)
別個の人民としての一体性︑若しくは︑その文化的価
値若しくは種族的一体性を先住民から奪う目的又は効果
﹁先住民の権利に関する世界宣言﹂︵案︶について︵その二︶
︵二
五五
︶
関法 第 四 四 巻 第 二 号
(b
)
別個の社会としての全体性︑又は︑文化的若しくは種
族的の特質若しくは一体性を︑先住民から奪う目的又は
効果を有する措置
( C )
他の文化又は生活様式を押しつけることによるいずれ
かの形態の強制的な同化又は統合
(d
)
土地︑地域又は資源の剥奪
( e )
先住民を攻撃する宣伝
第七条
先住民は︑その別個の特質及び独自性を維持し及ぴ発展させ
る集団的及ぴ個別的権利︵自己が先住民であることを明らかに
する権利を含む︒︶を有する︒
第八条
先住者が先住民族又は先住民共同体に所属する権利は︑その
個人的選択の問題であって︑そのような選択を行ったことから︑
いかなる種類の不利益も生ずることはない︒
第九条
先住民は︑その土地又は地域から強制的に移動させられては
ならない︒移住が行われる場合は︑当該先住民の自由な及び事
情を知らされた上での同意を得て︑正当で公平な補償に関して
合意した後に︑及ぴ︑可能な場合には︑復帰の選択権を与えて︑ を有する措置
(b
)
その土地︑地域又は資源を先住民から剥奪する目的又
は効果を有する措置
( C )
その権利のいずれかを妨害し若しくは侵害する目的又
は効果を有する形態の集団移住
(d
)
立法的︑行政的その他の措置によって先住民に課され
る他の文化又は生活様式によるいずれかの形態の同化又
は統合
(e
)
先住民を攻撃するいずれかの形態の宣伝
第八条
先住民は︑その別個の一体性及び特質を維持し及び発展させ
る集団的及ぴ個別的権利︵自己が先住民であることを明らかに
し及ぴ先住民として認められる権利を含む︒︶を有する︒
第九条
先住民及び先住民である個人は︑当該の共同体又は民族の伝
統及ぴ慣習に従って︑先住民の共同体又は民族に所属する権利
を有する︒そのような権利の行使から︑いかなる種類の不利益
も生ずることはない︒
第一
0
条先住民は︑その土地又は地域から強制的に移動させられては
ならない︒当該先住民の自由な及ぴ事情を知らされた上での同
意なしには︑並びに︑正当かつ公平な補償に関して合意した後
に︑及ぴ︑可能な場合には︑復備の選択権を与えられるのでな
ー ︑ ー ︑
/ /
二五
六︶
行われなければならない︒
第一
0
条先住民は︑武力紛争時に特別の保護及ぴ安全を求める権利を
有する︒国家は︑緊急事態における文民たる住民を保護するた
めの国際基準を遵守しなければならず︑また︑次のことを行っ
てはならない︒
(a
)
先住民をその意思に反して軍隊に徴募すること︑及び︑
特に︑他の先住民に対して使用するために徴募すること︒
(b
)
いずれかの状況の下で先住民の児童を軍隊に徴募する
こと
︒
( C )
先住民を強制してその土地及ぴ地域を放棄させ︑並ぴに︑軍事目的の特別収容所に移住させること︒
第三部
第︱一条
先住民は︑その文化的伝統に新しい活力を与え及ぴそれを実
践する権利を有する︒これには︑考古学的及ぴ歴史的な遺跡及
ぴ建造物︑加工品︑意匠︑儀式︑技術並ぴに視覚的及ぴ舞台的
八九
ければ︑移住を行ってはならない︒
第一ー条
先住民は︑武力紛争時に特別の保護及び安全を求める権利を
有す
る︒
国家は︑緊急事態及ぴ武力紛争において文民たる住民を保護
するための国際基準︑特に一九四九年の第四ジュネーヴ条約を
遵守しなければならず︑また︑次のことを行ってはならない︒
( a )
先住民である個人をその意思に反して軍隊に徴募する
こと︑及び︑特に他の先住民に対して使用するために徴
募すること︒
(b
)
いずれかの状況の下で先住民の児童を軍隊に徴募する
こと
︒
( C )
先住民である個人を強制してその土地︑地域若しくは生存手段を放棄させ︑又は︑軍事目的の特別収容所に移
住させること︒
(d
)
先住民である個人を強制して差別的な条件で軍事目的
のために働かせること︒
第三部
第︱二条
先住民は︑その文化的な伝統及び慣習を実践し及び新しい活
力を与える権利を有する︒これには︑考古学的及ぴ歴史的遺跡︑
加工品︑意匠︑儀式︑技術並ぴに視覚的及ぴ舞台的芸術並ぴに
﹁先住民の権利に関する世界宣言﹂︵案︶について︵その二︶
︵二
五七
︶
関法 第四四巻第二号
な芸術及び文学を維持し︑保護し及び発展させる権利︑並びに︑
その自由な及び事情を知らされた上での同意なしに又は先住民
の法律に違反して奪われた文化的︑宗教的及び精神的財産を返
還してもらう権利を有する︒
第︱二条
先住民は︑その精神的及び宗教的な伝統︑慣習及び儀式を表
明し︑実践し及び教える権利︑宗教的及び文化的遺跡を維持し︑
保護し及び秘密裡に出入りする権利︑並びに︑遺骸を返遠して
もらう権利を有する︒国家は︑先住民の神型な場所及び埋葬地
を保存し︑腺重し及ぴ保渡するために効果的な措岡をとらなけ
ればならない︒
第一三条
先住民は︑その言語︑言い伝え︑記述方式及び文芸に新しい
活力を与え︑使用し︑発展させ及び将来の世代へ伝達し︑並び
に︑共同体︑場所及び人についてのその固有の名称を明示し及
び維持する権利を有する︒国家は︑必要な場合には通訳の提供
又は他の適当な手段によって︑先住民が政治的︑法的及び行政
的手続きにおいて理解することができ及び理解してもらうこと
ができるよう確保するために︑効果的な措岡をとらなければな
らな
い︒
︵二
五八
︶
文学のような︑自己の文化の過去︑現在及び未来の顕示物を維
持し︑保護し及び発展させる権利︑並びに︑その自由な及び事
情を知らされた上での同意なしに又は先住民の法律︑伝統及び
恨習に違反して奪われた文化的︑知的︑宗教的及び精神的財産
を返還してもらう権利を有する︒
第一三条
先住民は︑その精神的及び宗教的な伝統︑習慣及び儀式を表
明し︑実践し︑発展させ及び教える権利︑その宗教的及び文化
的遺跡を維持し︑保護し及び秘密裡に出入りする権利︑俄式用
物の利用及び管理の権利︑並びに︑遺骸を返還してもらう権利
を有する︒
国家は︑当該先住民と協力して︑先住民の神聖な場所︵埋葬
地を含む︒︶が保存され︑尊重され及び保護されることを確保
するために︑効果的な措置をとらなければならない︒
第一四条
先住民は︑その歴史︑言語︑言い伝え︑哲学︑記述方式及び
文学に新しい活力を与え︑使用し︑発展させ及び将来の世代へ
伝達し︑並びに︑共同体︑場所及び人についてその固有の名称
を明示し及び保持する権利を有する︒
国家は︑先住民の権利が脅かされるときはいつでも︑この権
利が保護されることを確保するために︑また︑必要な場合には
通訳の提供又は他の適当な手段によって︑先住民が政治的︑法
的及び行政的手続きにおいて理解することができ及び理解して 九〇
第四部
第一四条
先住民は︑すべての段階及び形態の教育︵その固有の言語に
よる教育を受けることを含む︒︶を受ける権利︑並ぴに︑その
教育の制度及ぴ施設を設立し及ぴ管理する権利を有する︒
第一五条
先住民は︑その文化︑伝統︑歴史及び願望の尊厳並びに多様
性を︑すべての形態の教育及ぴ公的情報の中に反映してもらう
権利を有する︒国家は︑先住民と協議して︑偏見を除去し並ぴ
に寛容︑理解及び善隣関係を助長するために︑効果的な措置を
とらなければならない︒
九
もらうことができるよう確保するために︑効果的な措置をとら
なければならない︒
第四部
第一五条
先住民の児章は︑国家のすべての段階及ぴ形態の教育を受け
る権利を有する︒すべての先住民もまた︑この権利︑並びに︑
その教導及び学習の文化的方法に適した仕方で︑その固有の言
語で教育を与える教育の制度及び施設を設立し及び管理する権
利を
有す
る︒
その共同体の外で生活している先住民の児童は︑その固有の
文化及び言語で行われる教育を利用できるようにしてもらう権
利を
有す
る︒
国家は︑そのための適当な資源を提供するために︑効果的な
措置をとらなければならない︒
第一六条
先住民は︑その文化︑伝統︑歴史及ぴ願望の尊厳並びに多様
性を︑すべての形態の教育及ぴ公的情報の中に適切に反映して
もらう権利を有する︒
国家は︑当該先住民と協議して︑偏見及び差別を除去し並ぴ
に先住民及ぴ社会のすぺての層の間の寛容︑理解及ぴ善隣関係
を助長するために︑効果的な措置をとらなければならない︒
﹁先住民の権利に関する世界宜言﹂︵案︶について︵その二︶
︵二
五九
︶
関法 第 四 四 巻 第 二 号
第一六条
先住民は︑その固有の言語ですべての形態のメディアを使用
し及び享受する権利を有する︒
第五部
第一七条
先住民は︑その権利︑生活及び運命に影押を与えることのあ
る事項についてのすべての段階の決定過程に︑自己の手続きに
従って自己が選んだ代表者を通じて︑完全に参加する権利を有
する
︒
第一八条
先住民は︑自己と協議して決められた手続きを通じて︑自己
に影響を与えることのある立法上及び行政上の措置の案出に完 第一七条
先住民は︑その固有の言語による独自のメディアを設立する
権利を有する︒先住民はまた︑あらゆる形態の非先住民のメ
ディアを平等に利用する権利を有する︒
国家は︑国家所有のメディアが先住民の文化的多様性を正当
に反映することを確保するために︑効果的な措置をとらなけれ
ばならない︒
第一八条
先住民は︑国際労働法及び国内労働法規の下で定められたす
べての権利を完全に享有する権利を有する︒
先住民である個人は︑差別的な条件の労働︑雇用又は俸給に
服させられない権利を有する︒
第五部
第一九条
先住民は︑選択する場合にはその権利︑生活及び運命に影脚
することのある事項についてのすべての段階の決定過程に︑そ
の固有の手統きに従って自ら選んだ代表者を通じて完全に参加
し︑並びに︑その固有の決定過程制度を維持し及び発展させる
権利を有する︒
第二
0
条先住民は︑選択する場合には自己が決定した手続きを通じて︑
自己に影卿を与えることのある立法上及び行政上の措慨の案出
九
二六
0 )
全に参加する権利を有する︒国家は︑そのような措岡を実施す
る前に︑当該先住民の自由な及び事情を知らされた上での同意
を得なければならない︒
第一九条
先住民は︑その固有の生存手段の享有を確実にするために経
済的及び社会的制度を維持し及び発展させ︑並びに︑その伝統
的その他の経済活動︵狩猟︑漁労︑放牧︑採取︑山林管理及び
栽培を含む︒︶に自由に従事する権利を有する︒生存手段を奪
われた先住民は︑正当かつ公平な補償を受けることができる︒
第二
0
条先住民は︑その経済的及び社会的条件︵雇用︑職業上の訓練
及び再訓練︑住居︑保健並びに社会保障の分野を含む︒︶を即
時に︑効果的にかつ継続的に改善するための特別措置を求める
権利を有する︒
先住民の老人︑女子︑青年︑児童及び障害者の特別の必要に︑
注意が払われなければならない︒
第ニー条
先住民は︑その開発のための優先順位及び戦略を決定し及び
発展させる権利を有する︒特に︑先住民は︑自己に影郷を与え
るすべての保健︑住居並びに他の経済的及び社会的計画を決定
し及び発展させ︑並びに︑可能な限り︑自己の機関を通じてそ
のような計画を実施する権利を有するC
九
二六
に完全に参加する権利を有する︒
国家は︑そのような措置を採択し及び実施する前に︑当該先
住民の自由な及び事情を知らされた上での同意を得なければな
らな
い︒
第ニ︱条
先住民は︑その固有の生存及び発展の手段の享有を確実にす
るために政治的︑経済的及び社会的制度を維持し及び発展させ︑
並びに︑そのすべての伝統的その他の経済的活動に自由に従事
する権利を有する︒その生存及び発展の手段を奪われた先住民
は︑正当かつ公平な補償を受けることができる︒
第二二条
先住民は︑その経済的及び社会的条件︵雇用︑職業上の訓練
及び再訓練︑住居︑衛生設備︑保健並びに社会保障の分野を含
む︒︶を即時に︑効果的にかつ継続的に改善するための特別措
憤を求める権利を有する︒
先住民の老人︑女子︑青年︑児童及び障害者の権利及び特別
の必要に︑格別の注意が払われなければならない︒
第二三条
先住民は︑その発展の権利を行使するための優先順位及び戦
略を決定し及び発展させる権利を有する︒特に︑先住民は︑自
己に影饗を与えるすべての保健︑住居並びに他の経済的及び社
会的計画を決定し及び発展させ︑並びに︑可能な限り︑その固
有の機関を通じてそのような計画を実施する権利を有する︒
﹁先住民の権利に関する世界宣言﹂︵案︶について︵その二︶
第二二条
先住民は︑その伝統的な医療及び保健習恨を行う権利︵必要
不可欠な医療用の植物︑動物及び鉱物の保護を求める権利を含
む︒
︶を
有す
る︒
第六部
第二三条
先住民は︑その土地及び地域と独特の深い関係をもっている
ことを承認してもらう権利を有する︒この宣言で使用される
﹁土地及び地域﹂の語は︑先住民が伝統的に所有し又は他の方
法で占有し若しくは使用してきた土地︑大気︑水域︑海洋︑海
氷︑動植物相その他の資源の環境全体を意味する︒
第二四条
先住民は︑その土地及び地域を所有し︑管理し及び使用する
集団的及び個別的権利を有する︒これには︑その法律及び慣習︑
土地保有制度並びに資源管理制度を完全に承認してもらう権利︑
並びに︑これらの権利への干渉又は侵害を防止するために国家
に効果的な措笛をとってもらう権利が含まれる︒ 関法
第四四巻第二号
第二四条
先住民は︑その伝統的な医療及び保健習慣を行う権利︵必要
不可欠な医療用の植物︑動物及び鉱物の保護を求める権利を含
む︒
︶を
有す
る︒
先住民はまた︑いかなる差別もなしに︑すべての医療制度︑
保健役務及び医療看護を利用する権利を有する︒
第六部
第二五条
先住民は︑自己が伝統的に所有し又は他の方法で占有し若し
くは使用してきた土地︑地域︑水域及び沿岸海域並びに他の資
源との特有の精神的及び物質的関係を維持し及び強化し︑並び
に︑この点について将来の世代に対する自己の責任を擁護する
権利を有する︒
第二六条
先住民は︑土地及び地域︵自己が伝統的に所有し又は他の方
法で占有し若しくは使用してきた土地︑大気︑水域︑沿岸海域︑
海氷︑動植物相その他の査源の環境全体を含む︒︶を所有し︑
開発し︑管理し及び使用する権利を有する︒これには︑その法
律︑伝統及び恨習︑土地保有制度並びに資源の開発及び処理の
ための制度を完全に承認してもらう権利︑並びに︑これらの権
利への千渉︑移転又は侵害を防止するために国家による効果的
な措間をとってもらう権利が含まれる︒ 九四
二六
第二五条
先住民は︑その自由な及び事情を知らされた上での同意なし
に没収され︑占拠され︑使用され又は損害を受けた土地及ぴ地
域を回復してもらう権利︑並びに︑それが可能でない場合は正
当かつ公平な補償を受ける権利を有する︒当該先住民が自由に
別段の合意をしない限り︑補償は︑少なくとも同等の質︑規模
及び法的地位をもつ土地及ぴ地域の形態をとらなければならな
︑ ︒
し
第二六条先住民は︑その土地及ぴ地域の総体的環境及び生産力を回復
し並ぴに保護する権利︑並びに︑そのために国家から及ぴ国際
協力を通じて援助を受ける権利を有する︒軍事活動及ぴ高度に
危険な物質の貯蔵又は処分は︑当該先住民が自由に別段の合意
をしない限り︑その先住民の土地及び地域で行ってはならない︒
九五
二六
第二七条
先住民は︑自己が伝統的に所有し又は他の仕方で占有若しく
は使用していた土地︑地域及ぴ資源で︑その自由な及び事情を
知らされた上での同意なしに没収され︑占拠され︑使用され又
は損害を受けたものを回復してもらう権利を有する︒それが可
能でない場合は︑正当かつ公平な補償を受ける権利を有する︒
当該先住民が自由に別段の合意をしない限り︑補償は︑同等の
質︑規模及び法的地位をもつ土地︑地域及ぴ資源の形態をとら
なければならない︒
第二八条
先住民は︑その土地︑地域及ぴ資源の総体的環境及び生産力
を保存し︑回復し及ぴ保護し︑並ぴに︑そのために国家から及
ぴ国際協力を通じて援助を受ける権利を有する︒先住民が自由
に別段の合意をしない限り︑軍事活動は︑当該先住民の土地及
ぴ地域で行ってはならない︒
国家は︑高度に危険な物質の貯蔵又は処分が先住民の土地又
は地域で行われないことを確保するために︑効果的な措置をと
らなければならない︒
国家はまた︑必要な場合には︑先住民の健康を監視し︑維持
し及び回復するための計画で︑そのような物質によって影椰を
受ける当該先住民が発展させ及ぴ実施するものが適切に実施さ
れることを確保するために︑効果的な措置をとらなければなら
ない
︒
﹁先住民の権利に関する世界宣言﹂︵案︶について︵その二︶
関法 第四四巻第二号
第二七条
先住民は︑その科学︑技術及び文化的表現︵遺伝物質︑種子︑
薬品︑動植物相の物質についての知識︑言い伝え︑文芸︑意匠
並びに視覚的及び演舞的美術を含む︒︶を知的財産として保護
するために特別措憐をとってもらう権利を有する︒
第二八条
先住民は︑その土地及び地域における大規模計画の開始前に︑
特に鉱物資源又は他の地下資源の開発又は利用に関して︑その
自由な及び事情を知らされた上での同意を国家が得ることを要
求する権利を有する︒当該先住民との協定に従って︑不利な環
境的︑経済的︑社会的︑文化的又は精神的影弊を軽減するため
に︑そのような活動及びとられた措置については正当かつ公平
な補償が与えられなければならない︒
第七部
第二九条
先住民は︑その内部的及び地方的事項︵文化︑宗教︑教育︑
情報︑メディア︑保健︑住居︑雇用︑社会福祉︑経済活動︑土 第二九条
先住民は︑その文化的及び知的財産の完全な所有︑管理及び
保護を承認してもらうことができる︒
先住民は︑その科学︑技術及び文化的表現︵人間その他の遺
伝物質︑種子︑薬品︑動植物相の物質についての知識︑言い伝
え︑文芸︑意匠並びに視覚的及び演舞的美術を含む︒︶を管理
し︑発展させ及び保護するために︑特別措置をとってもらう権
利を有する︒
第三
0
条先住民は︑特に鉱物︑水又は他の資源の開発︑利用又は開拓
に関して︑その土地︑地域及び他の資源の開発又は使用のため
の優先順位及び戦略を決定し及び発展させる権利︵先住民の土
地︑地域及び他の資源に影細音を与える大規模計画の承認に先
立ってその自由な及び事情を知らされた上での同意を国家が得
ることを要求する権利を含む︒︶を有する︒当該先住民との協
定に従って︑不利な環境的︑経済的︑社会的︑文化的又は精神
的影響を軽減するために︑そのような活動及びとられた措罹に
ついては正当かつ公ギな補償が与えられなければならない︒
第七部
第三一条先住民は︑その自決についての権利を行使する特別の形態と
して︑その内部的及び地方的事項︵文化︑宗教︑教育︑情報︑
九六
二六
四︶
地及び資源の管理︑環境及び非構成員の参入︑並びに︑これら
の自治的機能を賄うための内部課税を含む︒︶に関する問題に
ついて︑自治及ぴ自己運営の権利を有する︒
第三
0
条先住民は︑自己の手続きに従って自治又は自己運営の機関の
構造を決定し及びその構成員を選ぶ権利を有する︒
第三一条
先住民は︑普遍的に承認された人権及び基本的自由と矛盾し
ない仕方で︑その慣習︑法律及び法的制度を保持し及び発展さ
せ︑並びに︑自国の法的制度及び政治的機関の中でそれらを承
認してもらう権利を有する︒
第三二条
先住民は︑普遍的に承認された人権及び基本的自由と矛盾し
ない仕方で︑その共同体に対する個人の責任を決定する権利を
有す
る︒
第三三条
先住民は︑国境を越えて他の先住民との接触︑関係及び協力
︵精神的︑文化的︑政治的︑経済的及び社会的目的のための活
九七
二六五 メディア︑保健︑住居︑雁用︑社会福祉︑経済活動︑土地及び資源の管理︑環境及び非構成員の参入︑並びに︑これらの自治的機能を賄うための内部課税を含む︒︶に関する問題について︑自治及び自己運営の権利を有する︒第三二条
先住民は︑その慣習及び伝統に従って︑固有の公民権を決定
する集団的権利を有する︒先住民の公民権は︑自己が居住する
国家の公民権を獲得する先住民である個人の権利を害するもの
では
ない
︒
先住民は︑自己の手続きに従って︑その機関の構造を決定し
及び構成員を選ぶ権利を有する︒
第三三条
先住民は︑国際的に承認された人権基準に従って︑その機関
構造並びに独自の司法上の慣習︑伝統︑手続き及び慣行を伸長
し︑発展させ及び維持する権利を有する︒
第三四条
先住民は︑その共同体に対する個人の責任を決定する権利を
有す
る︒
第三五条
先住民︑特に国際的な境界線によって分断された先住民は︑
境界線の外にいる他の先住民との接触︑関係及び協力︵精神的︑
﹁先住民の権利に関する世界宣言﹂︵案︶について︵その二︶
関法 第四四巻第二号
動を含む︒︶を維持し及ぴ発展させる権利を有する︒
第三四条
先住民は︑国家又はその承継国と締結した条約︑協定その他
の法的取決めを︑その当初の意図に従って︑遵守し及ぴ実施し
てもらう権利を有する︒当該先住民の要請がある場合は︑国家
は︑他の方法で解決できない紛争を権限のある国際機関へ付託
するよう手配しなければならない︒
第八部
第三五条
国家は︑関係先住民と協議して︑この宣言の規定に完全な効
果を与えるために︑効果的かつ適当な措置をとらなければなら
ない︒この宣言に含まれる権利は︑先住民がそのような権利を
実際に利用できるような仕方で︑国内立法の中に採用され及ぴ
含められなければならない︒
第三六条
先住民は︑その政治的︑経済的︑社会的︑文化的及ぴ精神的
発展を自由に追求するために︑並びに︑この宜言に含まれる権 文化的︑政治的︑経済的及ぴ社会的目的のための活動を含む︒︶を維持し及ぴ発展させる権利を有する︒
国家は︑この権利の行使及ぴ実施を確保するために︑効果的
な措置をとらなければならない︒
第三六条
先住民は︑国家又はその承継国と締結した条約︑協定その他
の法的取決めを︑その当初の精神及ぴ意図に従って︑承認し︑
遵守し及ぴ実施してもらう権利︑並ぴに︑そのような条約︑協
定その他の法的取決めを国家に尊敬及ぴ尊重させる権利を有す
る︒他の方法で解決できない対立及ぴ紛争は︑すべての関係当
事者によって合意された権限のある国際機関に付託されるもの
とす
る︒
第八部
第三七条
国家は︑関係先住民と協議して︑この宣言の規定に完全な効
果を与えるために︑効果的かつ適当な措置をとらなければなら
ない︒この宣言で認められる権利は︑先住民がそのような権利
を実際に利用できるような仕方で︑国内立法の中に採用され及
ぴ含められなければならない︒
第三八条
先住民は︑その政治的︑経済的︑社会的︑文化的及ぴ精神的
発展を自由に追求するために︑並ぴに︑この宣言で認められる
九八
二六
六︶
利及び自由を享受するために︑国家から及ぴ国際協力を通じて︑
適当な財政的及び技術的援助を受ける権利を有する︒
第三七条
先住民は︑国家との対立及び紛争を解決するための相互に受
け入れることのできる公平な手続きを利用し及び迅速な決定を
求め︑並びに︑その個別的及び集団的権利のすべての侵害につ
いて効果的な救済を求める権利を有する︒
第
I
‑︳
八条
国際連合体制の機関及び専門機関は︑とくに財政的及び技術
的協力の結集によって︑この宣言の規定の完全な実現に寄与し
なければならない︒
第三九条
国際連合は︑この分野で特別の権限を有する最高段階の機関
を通じて︑及び︑先住民の直接参加を得て︑この宜言の実施を
監督しなければならない︒国際連合の人権機関は︑この宣言の
規定の尊重を促進しなければならない︒ 権利及び自由を享受するために︑国家から及び国際協力を通じて︑適当な財政的及び技術的援助を得る権利を有する︒第三九条
先住民は︑国家との対立及び紛争を解決するための相互に受
け入れることのできる公半な手続きを利用し及び迅速な決定を
求め︑並びに︑その個別的及び集団的権利のすべての侵害につ
いて効果的な救済を求める権利を有する︒そのような決定は︑
当該先住民の慣習︑伝統︑規則及ぴ法制度を考慮に入れなけれ
ばならない︒
第四
0
条国際連合体制の機関及び専門機関並びに他の政府間機構は︑
とくに財政的協力及び技術援助の結集によって︑この宣言の規
定の完全な実現に寄与しなければならない︒先住民に影椰を与
える重大な問題について当該先住民の参加を確保するための財
源が︑設けられなければならない︒
第四一条
国際連合は︑この分野で特別の権限を有し及び先住民が直接
参加する最高段階の機関の創設を含めて︑この宜言の実施を確
保するために必要な措罹をとらなければならない︒すべての国
際連合機関は︑この宣言の規定の尊重及び完全な適用を促進し
なければならない︒
﹁先住民の権利に関する世界宣言﹂︵案︶について︵その二︶九九二六七
関法 第四四巻第二号
第九部
第四
0
条この宣言に含まれる権利は︑世界の先住民の生存及び福利の
ための最低基準を構成する︒
第四一条
この宣言のいかなる規定も︑先住民が現に有し又は将来獲得
することのある権利を減少させ又は消滅させるものと解するこ
とはできない︒
第四二条
この宣言のいかなる規定も︑国際連合憲章又は﹁国際連合憲
章に従った諸国家間の友好関係及び協力に関する国際法の諸原
則についての宣言﹂に反する活動に従事し又はそのような行為
を行う権利を︑いずれかの国家︑集団又は個人のために含むも
のと解することはできない︒
︵注
︶こ
の文
書で
は︑
﹁前
文第
0
項﹂
(│
t h p r e a m b u l a r p a r a g r a p h )
及び﹁本文第
0
項 ﹂
( O p e r a t i e v p a r a g r a p h
│︶となってい
るが︑便宜上︑本文では﹁第
0
条﹂とした︒ 第九部第四二条
この宣言で認められる権利は︑世界の先住民の生存︑尊厳及
び福利のための最低基準を構成する︒
第四三条
この宜言で認められるすべての権利及び自由は︑男子及び女
子の先住民個人に等しく保障される︒
第四四条
この宣言のいかなる規定も︑先住民が有し若しくは獲得する
ことのある現在又は将来の権利を減少させ又は梢滅させるもの
と解することはできない︒
第四五条
この宜言のいかなる規定も︑国際連合憲章に反する活動に従
事し又はそのような行為を行う権利を︑いずれかの国家︑集団
又は個人のために含むものと解釈することはできない︒
1 0 0
↓ ヽ ー ︑
二
J / J