CMP 特性に及ぼすパ ッ ド溝断面の傾斜角の影響
Ef fect sofSl ant edCross‑ Sect i onalShapesofPadGroovesonCM P Charact eri st i cs
堀 口文江
1 )辛
,土肥俊郎1 )
,堀本卓1 )
,2)
,鈴木辰俊3)
,瀬山貴 司1 )
, 船越考雄1 )
Fumi eHori guchi l ) ,Toshi roDoi l ) ,SuguruHori mot o l ) , 2) ,Tatsut oshiSuzuki 3)
,TakahshiSeyama l ) ,TakaoFunakoshi l )
1 )
埼玉大学教育学部2)㈱D‑ Pr oc es s 3
)東邦エ ンジニア リング株式会社1 ) sai t amaUni ve r s i t y 2)D‑ Pr oc es s l nc . 3) To hoEngi nee r i ngCo. , Lt d.
[ Abs t r ac t ]
I nCMP( Che m ic a lMe c ha ni c a lPo l i s h i ng)c ha r a c t e r i s t i c s , t hes ha pe sofg r oov e sf o r me donpa ds u r f a c ea f f e c tg r e a t l y onr e mo va lr a t e ,no n‑ uni f o r mi t yWi t hi nwa f e rs u r f a c ea n ds l u r r yf lowr a t e.The ya l l owt hes l u r r yf lOwt owa r dt he c e n t e ro rou t s i d eoft hepa dwhe nt hepa di sr o t a t l ng・ I nt hi ss t udy ,how7di f fe r e n ts l a n t e dg r oove sont hepa ds u r f a c e a f fe c tt her e mo va lr a t ea nds l u r r yf lowr a t ewe r ee xa m in e d. A s ar e s u l t,d i f fe r e nta nduni quec ha r a c t e r i s t i c swe r e obs e Ⅳe d・The s es l a n t e dg r oov epa dsma yma kei tpos s i bl et oi mp r o vepo l i s h i ngpe r f わr ma nc e ss uc ha sr e mova lr a t e a n dr e duc i ngt hea moun tofs l u 汀yt Obeus e d.
Ke ywo r ds: CMP( Che mi c alMe c hani c alpo l i s hi ng ) , s l ant edgr oo ve s , pads ,s l ur r y ,r emo valr at e, uni f o r mi t y
1.研究の背景 と目的ULSI
デバイスは,超微細化を牽引する ドライバと なっている。周期 4年/世代の DRAM に対 して、ロジ ックデバイスは周期年/世代 と短 く、超微細化 と高速 化 ・低消費電力化などを目指 して技術革新が進め られて いる。動作スピー ドをあげるために配線の多層化 ととも に、Cu
を配線メタルとし、微細化に伴う配線間容量を 下げるために絶縁膜材料に誘電率k
値の小さいLo w‑ k /
スーパーLo w‑ k
材料を導入することが必要とな り、新 し い材料の開発にも拍車をかけている。さらに、生産性の 向上 とチップの低コス ト化をね らいウエハの大 口径化(¢300mm)
を念頭に、新たな設備投資が進め られて いるところである。1)このような背景の中で超 LSIデバイスには平滑 ・平 坦化
CMP
が今やLS
lプロセスの重要なテクノロジー となっている。そのCM P
プロセスにおいては、半導 体デバイスの配線材料が柔 らか く、断線 しやす いCu
338‑ 8570
さいたま市桜 区下大久保 255 埼玉大学教育学部電話&
Fa x:0 48 ‑ 858 1 3 23 5 : eiT l aH:f hor i @saj t ama・ 山. aCJ P
(銅)配線が主流 にな り、半導体デバイスの多層化 に 伴 う脆弱な剥離強度の低誘電率層間絶縁膜の使用が 必須 となっている。
そ こで、本研究では、今後 の配線工程で主流 となる
Cu/ Low ‑K
材料 にお けるパ ッ ドの溝形状 に着 目する。パ ッ ドは、如何 にス ラリー を安定的に効果的 に使 うか、あるいは如何 にス ラリーの特性 を発揮 させ るかがキー とな り、パ ッ ドの材質、ミクロ的構造、そ して表面 に形成す る溝 のパ ター ンと断面構造が重要 になるOそのなかで、特 に表面に形成する溝は、ス ラ リーの保持機能 、ウエハ面下への安定供給 、および ス ラリーの効果的使用、つま りス ラリー消費量低減化 に関係す るので、非常 に重要な項 目である。平坦化CMP
プロセスでは、パ ッ ドおよびスラリーが非常 に 重要な役割 を果た し両者 は車 の両輪 の関係 にある と 言える2 ) 。
本研究では、スラリーを効果的に使用する とともに、
高能率 ・高精度化が確保できるパ ッ ドの適用条件 を見 出す ことを目標 に、パ ッ ドの表面 に形成す る溝の断面 構造 に着 目して検討を行なった。パ ッ ド表面 に施 した 溝 の断面角度がス ラ リー の保持機能 に影響 を及 ぼす
‑1‑
もの と考 え、各種の傾斜溝構造パ ッ ドを試作 した。
そ して、それ を酸化膜の
CMP
に適用 して加工 レー ト な らびに加工面形状 にどのよ うな影響 を与えるか、加 工特性 を把握 したので以下 に報告す る。2 .
本研究 の考え方現在
、CMP
用パ ッ ドには、I CI OO
O (ロデール ・ニ ッタ社製)の発泡ポ リウレタンを一般的に用いる。そ の主な理 由は、スラリーの保持 と反応生成物や切 り屑 の排 出な どの機能 を持たせ るため、材料中に微細な、多 くの空孔 を設 けることである。通常、これ らの各作 用 をよ り効果的に発揮 させ るために、パ ッ ドの表面 に 様 々な溝 を形成 している。パ ッ ド表面 に形成する溝の パター ン (例えば、同心 円状、格子状、スパイ ラル状) は、流体力学 的に考 えてスラリーの挙動 に影響を与え ることがわかっている
3)
。 しか し、 これ までの溝は、断面構造 に着 目して形成 されてお らず、図
1
のように 単純、かつ経験的に垂直に形成 した断面構造であった。図 1 従来のパ ッ ド表面 に形成 した垂 直溝 の SEM 写真
本研究では、パ ッ ドの溝の断面角度 を変える ことに よ りスラリーの挙動が変化 し、加工特性 に何 らかの影 響 を及 ぼす もの と考えた。ここでは、パ ッ ド表面に形 成する溝 に、様々な傾斜角度 を施 したパ ッ ドを試作 し て、酸化膜を加工対象 として
CMP
を試みそれ らの加 工特性 を把握す る。この傾斜角の溝 の考え方は、溝の 傾斜角 によってパ ッ ドとウエハ の間 に介在す るス ラ リーの流れ方が変わって くる こと、すなわちマイナス 傾斜の溝ではスラリーが外 に出るのを抑制 し、逆にプ ラス傾斜 の溝では遠心 力でス ラ リーが溝 の外 に放 出 されやす いことが考 え られる。別 の言 い方をすると、マイナス傾斜溝では正圧が、プラス傾斜 の溝では負圧 が、それぞれ発生 しやす いもの と考 え られるので、当
然 CMP
特性の相違が出て くるもの と考え られる。3.
パ ッ ド表面への傾斜角溝の形成 と実験条件試作 したパ ッ ドは、パ ッ ドの中心 に向かって傾斜角
度 を形成 した (負の傾斜角を付与 した)もの (
‑1
0 0‑2
00‑3
00
)、および傾斜角度 をパ ッ ドの外側 に向 か って形成 した (正 の傾斜角 を付与 した) もの (+1(〕
o+2 0 0+3 0 0
) を準備す る。(図2
参照)図 2 各パ ッ ドに形成 した 7 種類 の溝 の模 式図
マイナス側 あるいはプ ラス側 に傾斜溝 を形成す る ことによって、スラ リーの保持効果、排 出効果な どが 異なるもの と考 え、溝のないフラッ トパ ッ ドに同一傾 斜角度 を形成す る。ここでは、溝の高さ、幅、ピッチ 等 を同一 にして、溝の傾斜角の効果 のみを明 らか にす る こととし、溝 の高 さは
1 m m
、幅は0 . 5
mm、溝 と溝の 間隔1 m
mの溝 を同心 円状 に形成する こととした。図 3な らびに図 4に、パ ッ ドに任意のパ ター ンで 傾斜角溝 を形成する こができる専用の加工装置 「超精 密 パ ッ ド溝 加 工 装 置 」 (東 邦 エ ンジ ニ ア リン グ製
「MPI O
OLq)の外観 と加 1二部の写真 を示す。図 3 超精密パッド溝加 工装置の外観 写真 ( 東 邦エンジニアリング社)
図4 超精密パッド溝加 工装置 ・ 加 工部の写真 ( 東邦エンジニアリング社 )
‑ 2 ‑
図
5
は、+300
の傾斜角度つき溝 を形成 した断面 構造の写真の一例である。加工実験では、従来の垂直 溝を形成 したパ ッ ド (傾斜角Oo
) (図 1)と比較 しつ つ加工特性 を把握 した。傾斜角度 を変えたのは、スラ リーの流体挙動が変化 し、ウエハに対 し作用する動圧 (正圧〜負圧)が どのように、加工特性 に影響 を及ぼ すかを検証するためである。図
5
パ ッ ド表 面 に形成 した傾斜溝角度つ き溝構造 ♂ SEM写真の一例 ( +300)
各種溝 (図
2)
を形成するためのパ ッ ドには、微小 な水溶性粒子 (空孔 に相当)を多数含有する JSR社 製溝な しのフラッ トパ ッ ドを準備 した。スラリーには 酸化膜用シリカスラリーを用いた。適用 した加工条件を表
1
にまとめて示す表
1
適用 した加工条件試料(¢3") 熱酸化膜 (Siに厚 さ
1〟m
堆積) 加工装置 小 型 リ ン グ 式 ポ リ シ ン グ 装 置(LM15)
パ ッ ド JSR社製 (¢340mm)
【形成溝の [‑3
0
0‑20
0‑10
00
0+lo
o+20 0
傾斜角度] +30】スラリー 酸化膜用シリカスラリー (JSR CMS1101)
ス ラ リー 供
給速度 30,60,120 (ml/min) 加工圧力 30,120,160 (g/cm
2)
定 盤 (パ ッド)回転数 40,80 (rpm)
4.
実験結果および考察本実験では、大きく分けて
3
実験 を行 った。最初実験 1では、傾斜溝
7
種類のパ ッ ドによる研磨 実験である。研磨 レー トを比較するため、スラリー供給量、パ ッ ド回転数、研磨圧力を全て共通にして実 験 を行 った。
(パッ ド回転数 :40rpm,スラリ‑供IYn'量 60mJ/mln)
0
0(U Lu \∈ u ) エ
ーnT E]q
加工圧力
‑ + 30g/cm2
= 1 20g/cm2
‑ 1 トー 1 60g/cm2
1 3 0 ‑2 0 11 0 0 +1 0 +2 0 +3 0
溝 傾 斜 角度
図 6
パ ッ ド溝 傾 斜 角度 と酸 化 膜加 にレ‑ 卜の 関係図
6
に、加工圧力を変えた時のパ ッ ドに形成 した溝 傾斜角度 と酸化膜の加工 レー トの関係を示す。従来の 垂直溝)と比べ、清 をマイナス (内側)向き及びプラ ス (外側)向きにそれぞれ傾斜 させたパ ッ ドの場合、加工 レー トが上昇する傾向が見 られる。溝傾斜角度が マイナス側の場合、総 じてプラス側よ りは加工 レー ト が高 く、それは高い加工圧力の時、それが顕著であ り、
加工圧力 160g/cm
2
では‑200で最大値を有する○これは、回転するパ ッ ドの遠心力に対 し、内側 に向 いた溝の方が外側 に向いた溝よ りス ラリーを保持す る効果が高いためであると考えている。溝傾斜角度
±300
において加工 レー トが上昇 しない ことについ ては加工圧力に対 して角度が大 き過ぎるためにパ ッ ドの強度が低 くな り、本来の溝の効果が発揮できない ものと考察 される。いずれにしても、溝の効果のみな らず、機械的強度 と合わせて溝傾斜角度の最適条件を 見 出す必要があるが、 ここでは±200
とO
oに注 目 する。5 2 劫
加10 00 鮒 抑 乃 餌
(Lt.∈\Lu u )エ ー n TuR
‑3 ‑
a;
′
「 t く
パ ッド回転数
ー 伽1 1
‑か一・8
b
‑200 0 0 +20 0
滴将司 角度
図
7
パ ッドの回転数を変えた時の満傾斜角度と加工レー トの 関係 (加工圧力 160g/cm2,スラリー供給量:60ml/min)図 7に、加 工圧 力 1 60g / cm2、 ス ラ リー 供給 量 60mJ / mJ ' n と一定 にして、パ ッ ドの回転数 を変えた時 の、各種溝傾斜角度 と加工 レー トの関係 を示す。図の よ うにパ ッ ドの回転数が低速 と高速 の場合 を比較す ると、溝傾斜角度による加工 レー トの相違があき らか である。
低速の場合は図 6 で考察 した通 りであるが、高回転 数の場合、‑200では正圧が、 +200では負圧がそ れぞれ顕著 になるため、加工 レー トの大小関係が逆転 す るものと考え られる。垂直溝( oo) の場合、動圧 も 生 じているだろうが、2 倍の高速回転の時、スラリー の廻 りこみ・ 分散性が良好にな り加工 レー トが高 くな った ものと考える。 これ らの ことか ら次の実験では、
低速のパ ッ ド回転数 におけるス ラリー供給量 を確認 する。
幻 Q の 刀 (u!uJ J LUU)エIn T 異
0
溝傾斜角度 と加工圧力
図 8 スラリー供給量による加工 レー トの変化
図 8 はスラリー供給速度 を変化 させた時の、各種溝 傾斜角度 における加工圧 力 と加工 レー トの関係であ る。スラリー供給量の大小に関わ らず、どの溝角度 も 加工 レー トに大差ないが、垂直溝 ( Oo)の場合、高 いスラリー供給速度 ( 120mV mi n)の方が若干高い加 工 レー トになっている。換言すれば傾斜溝 ( ±200) の場合、少ないスラリー供給量で もウエハ面内に効率 よ く分散 しているものと考え られ、省スラリー化が期 待 される。
以上の実験結果よ り、
1