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3 圏 域 では 県 北 沿 岸 で2の 傾 向 を 強 く 見 てとることができます 4 近 年 は 分 配 及 び 人 口 が 減 少 している 市 町 村 が 多 くなっているため 所 得 の 増 加 要 因 を 考 える 場 合 は 人 口 減 少 による 影 響 についても 考 慮 する

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〔調査分析レポート№21-9〕 平 成 2 1 年 1 2 月 1 6 日 調 査 統 計 課 調 査 分 析 担 当

一人当たり市町村民所得の増加要因について

<はじめに> 平成19年度市町村民所得推計において、市町村民所得の分配(以下、「分配」という。)及び一人 当たり市町村民所得(以下、「所得」という。)の対前年度増加率はプラスとなっています。しかし、 圏域別に見た場合は、その増減率には差があります。 そこで本レポートでは、「一人当たり市町村民所得」(※)を通した次の3つの視点により、その増 加要因について分析していきます。 1 純生産と一人当たり市町村民所得との関係性 2 分配と一人当たり市町村民所得との関係性 3 人口増減と一人当たり市町村民所得との関係性 ※ 一人当たり市町村民所得とは、雇用者報酬のほか、財産所得や企業の利潤など市町村民や市町 村内の企業などが得た所得の合計を各年 10 月 1 日現在の総人口で割ったもので、市町村経済全体 の所得水準を表す有効な指標ではありますが、個人の所得水準を表す指標ではないことに注意が必 要です。 <ポイント> (1) 純生産と一人当たり市町村民所得との関係性 ① 近年の推計において所得の増加に最も影響を与えている産業は、2次産業となっています。 ② 2次産業のうち、建設業はマイナス、製造業はプラスの比較的高い相関があります。 ③ 圏域別では、県北を除く3圏域で建設業とのマイナスの高い相関、県南、沿岸で製造業とのプ ラスの高い相関を見てとることができます。 (2) 分配と一人当たり市町村民所得との関係性 ① 所得は雇用者報酬水準、財産所得水準、企業所得水準の3つの所得構成項目に分解することが できます。 ② 所得構成項目別に所得との相関を見た場合では、報酬水準は高い相関のまま横ばいで推移し、 財産所得水準は弱い相関となっているのに対して、企業所得水準は、その相関を強める傾向にあ り、企業所得水準が与える影響が大きくなってきています。 ③ 圏域別では、県南と沿岸で②の傾向を強く見てとることができます。 (3) 人口増減と一人当たり市町村民所得との関係 ① 平成 2 年度から平成 13 年度は、分配要因が所得の増減に対して大きな影響を与えていました。 ② 平成 14 年度以降は、人口要因が所得の増減に対して与える影響が大きくなっており、近年は 人口減少による影響を強く受けています。

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③ 圏域では、県北、沿岸で②の傾向を強く見てとることができます。 ④ 近年は、分配及び人口が減少している市町村が多くなっているため、所得の増加要因を考える 場合は人口減少による影響についても考慮する必要があります。 <分析の手法> ○使用する資料 本レポートでは、「岩手県の市町村民所得推計」の平成 2 年度から平成 19 年度までの推計結果を 使用します。なお、各年度の推計では前年度分までしか遡及改定しないため、データは連続していま せん。したがって「単純な時系列比較」ができません。 ○分析に用いる手法 各要因がどの程度、所得に影響しているかを検証するため、内容に応じて相関分析を活用します。 本レポートの中で示された内容や意見は、岩手県総合政策部調査統計課調査分析担当の見解であり、 岩手県の公式見解を示すものではありません。 また、統計データの最新値の公表などに伴い、分析結果が変更になる可能性があります。

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1 純生産と一人当たり市町村民所得との関係

本節では、所得の増加に対して、どのような産業が影響を与えているのかを見るために、所得と産業 の純生産内シェア率との関係性から分析していきます。 図1は、市町村計における純生産内の各産業のシェア率を示したものです。県内は3次産業が大きな シェアを占めており、その構造に変化はありません。平成 19 年度では 76.4%と、純生産の4分の3を 占めています。 しかし、平成 19 年度では、3次産業のシェア率が 86.4%と、前年度から 0.5 ポイント増加した県央 圏域の所得は減少しています。 このことから、3次産業のシェア率の大きさと、近年の所得の増加との間には、関係性があまりない ことが想定されます。 図2は、年度ごとに、各市町村の所得と各産業の純生産内シェア率との相関係数の推移を示したもの です。 □ 分析結果 1-1 純生産と所得と関係性を産業別で見ると、近年、所得の増加に最も影響を与えている産業は、2次産業 であると考えられます。 図2 所得と産業別純生産シェア率との相関係数の推移 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 年度 1次産業 2次産業 3次産業 図1 産業別純生産シェア率の推移 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 年度 % 1次産業 2次産業 3次産業

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なお、相関分析の方法ですが、相関分析は2つの変数間の影響度合いを見るための分析手法であり、 相関分析の結果求められた数値(相関係数という)が1に近いほどプラスの相関関係が、-1に近いほ どマイナスの相関関係が高いものと判断します。 図2を見ると、一次産業については、平成 2 年度からマイナスの強い相関を示しており、その傾向は 現在も変わっていません。しかし、2次産業と3次産業については、平成 16 年度以降は、2次産業と のプラスの相関が強まっているのに対して、3次産業とは、あまり相関が見られなくなっています。 このことから、最近の所得の増加には、2次産業による影響が強くなっていると考えられます。 図3は、2次産業の内訳である鉱業、建設業、製造業のうち、建設業、製造業の市町村計におけるシ ェア率をグラフ化したものです。なお、鉱業は純生産に占める割合が 0.1%(平成 19 年度)と極めて低 いことから、分析の対象から除外して議論を進めていきます。近年の製造業のシェア率は 10%台後半を ほぼ横ばいに推移していますが、建設業は減少傾向にあることが見てとれます。 平成 19 年度では、建設業は 6.4%、製造業は 18.0%となっています。 図4は、年度ごとに、各市町村の所得と建設業、製造業の純生産シェア率との相関係数の推移を示し □ 分析結果 1-2 所得との相関係数で、建設業はマイナス、製造業はプラスの比較的高い相関を見てとることができ ます。 図4 所得と建設業・製造業純生産シェア率との相関係数推移 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 年度 建設業 製造業 図3 建設業・製造業純生産シェア率の推移 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 年度 % 建設業 製造業

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たものです。 建設業とはマイナス、製造業とはプラスの比較的高い相関を見てとることができます。平成 19 年度 では、建設業との相関係数は、-0.61、製造業との相関係数は、0.65 となっています。 図5及び図6は、年度ごとに、各市町村の所得と建設業、製造業純生産シェアとの相関係数の推移を 広域振興圏別にグラフ化したものです。 図5から、年度により大きく増減することはありますが、県北を除く3圏域において、所得と建設業 の純生産シェアとのマイナスの相関が高いことが分かります。 図6からは、県南と沿岸が所得と製造業の純生産シェアとのプラスの相関が高いことが分かります。 表1 平成 19 年度の建設業、製造業の 2 次産業内シェアと所得との相関係数 2 次産業 建設業 製造業 純生産に占めるシ ェア(圏域計) 所得との相関係数 純生産に占めるシ ェア(圏域計) 所得との相関係数 純生産に占めるシ ェア(圏域計) 所得との相関係数 県央 16.0 -0.71 5.0 -0.82 10.9 -0.45 県南 32.9 0.87 6.9 -0.68 25.9 0.89 沿岸 26.4 0.42 7.7 -0.59 18.5 0.82 県北 19.9 0.42 8.1 -0.41 11.7 0.51 表1は、平成 19 年度における各市町村の所得と2次産業の純生産シェア率との相関係数を広域振興 圏別に示したものです。広域振興圏別で見ると、県央が 2 次産業、建設業及び製造業ともマイナスの相 関を示しているのに対して、その他の3圏域については、建設業はマイナスですが、2 次産業及び製造 業はプラスの相関を示しています。 特にも、県央における建設業とのマイナスの相関、県南と沿岸における製造業とのプラスの相関が高 かったことが分かります。 平成 19 年度においては、これらの要因が所得の増加に与えた影響が大きいと考えられます。 □ 分析結果 1-3 圏域別では、県北を除く3圏域で建設業とのマイナスの高い相関、県南、沿岸で製造業との高い相 関を見てとることができます。 図6 所得と製造業純生産シェア率との相関係数の推移 -1.0 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 年度 県央 県南 沿岸 県北 図5 所得と建設業純生産シェア率との相関係数の推移 -1.0 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 年度 県央 県南 沿岸 県北

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2 分配と一人当たり市町村民所得との関係

本節では、分配との関係性から、所得の増加要因について検証します。 所得の算出式は下記のとおり、所得の分配を人口で除したものです。そのことから、雇用者報酬、財 産所得、企業所得をそれぞれ人口で除した式に分解することができます。 ここで、雇用者報酬を人口で除したものを「報酬水準」、財産所得を人口で除したものを「財産所得 水準」、企業所得を人口で除したものを「企業所得水準」と定義すると、所得は「報酬水準」、「財産所 得水準」、「企業所得水準」、の3つの項目で構成されていることが分かります。 本節では、所得と分配との関係を、所得と「報酬水準」、「財産所得水準」、「企業所得水準」との関係 性の中から見出し、議論を進めていきます。 □ 分析結果 2-1 所得を因子分解すると、所得は、「人口一人当たりの雇用者報酬(報酬水準)」、「人口一人当たりの 財産所得(財産所得水準)」、「人口一人当たりの企業所得(企業所得水準)」の3つの所得構成項目で 表すことができます。 □分析結果 2-2 所得の構成項目別に所得との相関係数の推移を見ると、報酬水準は強い相関を維持し、財産所得水 準は相関を弱めているのに対して、企業所得水準は相関を強めており、所得に与える影響が大きくな っていると考えられます。 一人当たり市町村民所得= 市町村民所得の分配 / 人口 =(雇用者報酬 + 財産所得 + 企業所得) / 人口 = 報酬水準 + 財産所得水準 + 企業所得水準 図7 分配の推移 64.1 68.0 69.3 69.9 69.4 68.8 6.5 2.8 1.7 2.3 1.8 24.3 25.6 27.9 28.4 28.3 29.4 11.5 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0 2 7 12 17 18 19 年度 % 雇用者報酬 財産所得 企業所得

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図7は、市町村計における分配の構成比の推移を見たものです。近年の推移をみると、雇用者報酬は 横ばい、財産所得が大きく減少傾向にあるのに対して、企業所得は増加傾向にあるのが分かります。平 成 19 年度においては、前年度から雇用者報酬は 0.6 ポイント、財産所得は 0.5 ポイント減少している のに対して、企業所得は 1.1 ポイント増加しています。 このことからも、平成 19 年度における分配の増加は、企業所得の増加が影響を与えていることが分 かります。 図8は、年度ごとに、所得の構成要素別に各市町村の所得との相関係数の推移を見たものです。 報酬水準は、分配構成項目のなかでも一番大きなシェアを占める(平成 19 年度:68.8%)ため、所 得との相関は高く、近年もほぼ横ばいで推移していますが、財産所得水準は大きく減少しており、その 相関を弱めています。 一方、企業所得水準は、年度により大きく増減することはあるものの、最近は相関が高くなる傾向で 推移しており、その影響を強めています。平成 19 年度では、所得と企業所得水準との相関は 0.81 とな っており、平成 2 年度が 0.41 であったことから考えると、その影響度合いが強まっていることが分か ります。そのため、最近の所得の増加は、企業所得の増加による企業所得水準の増加の影響を強く受け たものと考えられます。 図8 所得の構成要素別相関係数の推移 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 年度 報酬水準 財産所得水準 企業所得水準

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表2 所得と所得構成項目との相関係数(圏域別) 圏域 所得の構成項目 平成 2 年度 平成 7 年度 平成 12 年度 平成 17 年度 平成 19 年度 報酬水準 0.97 0.96 0.96 0.95 0.93 財産所得水準 0.99 0.96 0.95 0.56 0.37 県央 企業所得水準 -0.10 0.38 0.47 0.66 0.62 報酬水準 0.96 0.98 0.92 0.96 0.93 財産所得水準 0.71 0.70 0.62 0.16 0.29 県南 企業所得水準 0.83 0.78 0.93 0.96 0.94 報酬水準 0.93 0.96 0.96 0.95 0.90 財産所得水準 0.93 0.84 0.87 0.75 0.70 沿岸 企業所得水準 0.19 0.81 0.93 0.97 0.94 報酬水準 0.88 0.83 0.78 0.81 0.81 財産所得水準 0.56 0.73 0.96 0.44 0.29 県北 企業所得水準 -0.12 0.22 0.41 0.18 0.17 表2は、各市町村の所得と所得の構成要素との相関係数を広域振興圏別に見たものです。 県北を除く3圏域において、2-2 で述べた傾向を見てとることができますが、特にも県南、沿岸で、 その傾向を強く見てとることができます。 県南、沿岸は、前節で述べているように、製造業シェア率との相関が高い地域であることから鑑みて、 両圏域は製造業の企業所得水準の増加による影響を受けていると想定されます。 以上のことから、平成 19 年度においては、企業所得の増加が所得の増加に与えた影響が大きいと考 えられます。 □分析結果 2-3 圏域別で見た場合には、2-2 の傾向を県南と沿岸で強く見てとることができます。

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3 人口増減と一人当たり市町村民所得との関係

本節では、所得を算出する際の分母の部分にあたる「人口」との関係性から、所得の増加要因につい て検証していきます。 所得は、分配を人口で除したものであることは、これまで述べてきたところです。このことは、所得 の増減は、分配増減による影響と人口の増減による影響を受けていることを意味します。 このことから、所得の増減率を下記の式のとおり要因分解することができます。 本節では、分配増減率が所得の増減に与える影響を「分配要因」、同じく人口増減率が与える影響を 「人口要因」と呼んで議論を進めていきます。なお、交絡項については、計算の結果、微細な数値であ ることから、所得の増減に与える影響はないものとして議論を進めます。 □分析結果 3-1 ・平成 2 年度から平成 13 年度は、分配要因が所得の増減に対して大きな影響を与えています。 ・平成 14 年度以降は、人口要因が与える影響が大きくなっており、最近は人口減少による影響を強 く受けています。 X:所得、Y:分配、L:人口、⊿X:所得増減、⊿Y:分配増減、⊿L:人口増減

X

X

L

L

Y

Y

×

Y

L

―1 =

Y

Y

L

L

+⊿

L

L

YL

YL

L

Y

L

所得増減率 = 分配増減率 ― 人口増減率 + 交絡項 (分配要因) (人口要因) 図9 所得の増減に対する分配要因と人口要因の関係推移 -7.0 -6.0 -5.0 -4.0 -3.0 -2.0 -1.0 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 年度 % 分配要因 人口要因

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図9は、近年の所得の増減に対する分配要因と人口要因との関係を示したものです。 平成 2 年度~平成 13 年度は、分配要因が所得の増減に与える影響が大きかったことが分かります。 しかし、平成 14 年度以降は、徐々に人口要因が所得の増減に与える影響が大きくなっていることが分 かります。 特にも、平成 14 年以降は、人口要因がプラスに影響を与えていることが分かります。このことは、 近年の所得の増加要因として、分配所得の増加よりも、人口減少という要因がより強く働いていること を意味します。 平成 19 年度では、所得の増加率 0.9%のうち、分配要因は 0.1%であるのに対して、人口要因は 0.8% となっており、分配所得の増加よりも、人口減少による影響が大きくなっています。 表3 所得増減に対する分配・人口要因の関係(圏域別) 圏域 構成要素 2年度 7年度 12 年度 17 年度 18 年度 19 年度 所得増減率 4.0 4.4 -1.0 -1.2 0.4 -0.6 分配要因 5.9 5.2 -0.5 -1.5 0.1 -1.0 県央 人口要因 -1.8 -0.8 -0.5 0.3 0.3 0.3 所得増減率 6.3 2.0 2.2 -2.2 1.6 1.7 分配要因 6.4 2.3 2.1 -2.8 1.0 1.0 県南 人口要因 0.0 -0.3 0.1 0.6 0.6 0.6 所得増減率 6.2 2.0 -0.3 -0.4 0.8 2.0 分配要因 4.1 1.5 -0.8 -1.6 -0.7 0.3 沿岸 人口要因 2.0 0.6 0.5 1.2 1.5 1.7 所得増減率 11.0 1.3 -2.6 -0.8 2.0 2.9 分配要因 10.1 0.5 -2.8 -2.2 0.5 1.2 県北 人口要因 0.9 0.8 0.2 1.4 1.5 1.6 □分析結果 3-2 ・圏域別に見た場合には、沿岸及び県北で、3-1 の傾向を強く見てとることができます。

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図 10 所得増減率に対する分配要因・人口要因の関係(圏域別) 表3は、近年の所得増減に対する分配要因と人口要因との関係を広域振興圏別に示したものであり、 図 10 は、それをグラフ化したものです。 平成 2 年度においては、すべての圏域において、分配要因が、所得の増減に大きな影響を与えていた ことが分かります。しかし、県央では、人口が増加していたことにより、人口要因がマイナスに働いて いるのに対して、沿岸、県北では、人口が減少しているため、人口要因がプラスに働いていたことが分 かります。 平成 19 年度においては、すべての圏域で人口が減少しているため、人口要因がプラスに働く影響が、 すべての圏域で顕著となっております。 特にも、沿岸、県北では、分配要因を人口要因が上回っており、この圏域では人口減少による影響が、 近年の傾向に強く影響を与えていることが考えられます。 県 央 -10.0 -5.0 0.0 5.0 10.0 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 年度 分配要因 人口要因 県 南 -10.0 -5.0 0.0 5.0 10.0 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 年度 分配要因 人口要因 沿 岸 -10.0 -5.0 0.0 5.0 10.0 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 年度 分配要因 人口要因 県 北 -10.0 -5.0 0.0 5.0 10.0 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 年度 分配要因 人口要因

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図 11 分配伸び率と人口伸び率との関係(散布図) 図 11 は、平成 2 年度から平成 13 年度、平成 14 年度から平成 19 年度の分配伸び率と人口伸び率を幾 何平均により求めたものをグラフ化したものです。グラフ中のプロットは県内の各市町村を示していま す。 図 11 を見ると、平成 2 年度から平成 13 年度は、人口が減少していても、分配が伸びている市町村を 比較的多く見てとることができます。しかし、平成 14 年度から平成 19 年度は、多くの市町村が、分配 は減少し、人口も減少しているため、グラフ中の多くのプロットは左下に推移しています。このことか ら、近年の所得の増減要因を考える場合には、分配増減とともに、人口増減による影響についても考慮 する必要があることが分かります。 以上のことから、平成 19 年度においては、人口減少が所得の増加に与えている影響が大きいと考え られます。 □分析結果 3-3 ・近年は、分配及び人口が減少している市町村が多くなっているため、所得の増加要因を考える場合 は、人口減少による影響についても考慮する必要があります。 幾何平均とは、観測データの代表値を表す統計的指標の一つで、伸び率などを平均で比較す る際に利用するのが好ましいとされる指標です。個々の量的データを全て掛け合わせた積を、 そのデータ個数で開いた根で求めることができます。 例えば、データ A、B、C・・・、n 個の幾何平均は下記の式によって求められます。 幾何平均 = n

(

A

B

C

・・・

)

平成2年~平成13年度(幾何平均) -0.05 -0.04 -0.03 -0.02 -0.01 0.00 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 -0.05 -0.03 -0.01 0.01 0.03 0.05 人口伸び率 分配 伸び 率 平成14年度~平成19年度(幾何平均) -0.05 -0.04 -0.03 -0.02 -0.01 0.00 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 -0.05 -0.04 -0.03 -0.02 -0.01 0.00 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 人口伸び率 分配 伸 び 率

図 10  所得増減率に対する分配要因・人口要因の関係(圏域別)    表3は、近年の所得増減に対する分配要因と人口要因との関係を広域振興圏別に示したものであり、 図 10 は、それをグラフ化したものです。    平成 2 年度においては、すべての圏域において、分配要因が、所得の増減に大きな影響を与えていた ことが分かります。しかし、県央では、人口が増加していたことにより、人口要因がマイナスに働いて いるのに対して、沿岸、県北では、人口が減少しているため、人口要因がプラスに働いていたことが分 かります。

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